(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1群内のレンズについて、前記1B群に存在する前記接合レンズの正レンズのアッベ数をνd1とし、前記接合レンズの負レンズのアッベ数をνd2としたとき、以下の条件式
25<(νd1−νd2)<50
を満足する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の投射光学系。
前記第2群については、前記2枚の負レンズを含む複数の負レンズを有し、当該複数の負レンズのうち一枚が両凹レンズであり、かつ、前記第2群に存在する前記複数の負レンズのうち、最も拡大側に配置される負レンズのアッベ数をνdとしたとき、以下の条件式
25<νd<50
を満足する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の投射光学系。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に図面を参照して、本発明の実施形態に係る投射光学系及びこれを組み込んだ投射型画像表示装置について詳細に説明する。
【0018】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る投射光学系を組み込んだ投射型画像表示装置としてのプロジェクター2は、画像光を投射する光学系部分50と、光学系部分50の動作を制御する回路装置80とを備える。
【0019】
光学系部分50において、光源10は、例えば超高圧水銀ランプ、固体光源等で構成される。第1インテグレーターレンズ11及び第2インテグレーターレンズ12は、アレイ状に配列された複数のレンズ素子をそれぞれ有する。第1インテグレーターレンズ11は、光源10からの光束を複数に分割する。第1インテグレーターレンズ11の各レンズ素子は、光源10からの光束を第2インテグレーターレンズ12のレンズ素子近傍にて集光させる。第2インテグレーターレンズ12のレンズ素子は、重畳レンズ14と協働して、第1インテグレーターレンズ11のレンズ素子の像を後述する液晶パネル18R、液晶パネル18G、及び液晶パネル18Bに形成する。
【0020】
偏光変換素子13は、第2インテグレーターレンズ12からの光を所定の直線偏光に変換させる。重畳レンズ14は、第1インテグレーターレンズ11の各レンズ素子の像を、第2インテグレーターレンズ12を介して液晶パネル18R、液晶パネル18G、及び液晶パネル18Bの表示領域上で重畳させる。
【0021】
第1ダイクロイックミラー15は、重畳レンズ14から入射したR光を反射させ、G光及びB光を透過させる。第1ダイクロイックミラー15で反射されたR光は、反射ミラー16及びフィールドレンズ17Rを経て、光変調素子又は表示素子である液晶パネル18Rへ入射する。液晶パネル18Rは、R光を画像信号に応じて変調することにより、R色の画像を形成する。
【0022】
第2ダイクロイックミラー21は、第1ダイクロイックミラー15からのG光を反射させ、B光を透過させる。第2ダイクロイックミラー21で反射されたG光は、フィールドレンズ17Gを経て、表示素子である液晶パネル18Gへ入射する。液晶パネル18Gは、G光を画像信号に応じて変調することにより、G色の画像を形成する。第2ダイクロイックミラー21を透過したB光は、リレーレンズ22、反射ミラー23、リレーレンズ24、反射ミラー25、及びフィールドレンズ17Bを経て、表示素子である液晶パネル18Bへ入射する。液晶パネル18Bは、B光を画像信号に応じて変調することにより、B色の画像を形成する。
【0023】
クロスダイクロイックプリズム19は、光合成用のプリズムであり、各液晶パネル18R、18G、18Bで変調された光を合成して画像光とし、投射レンズ40へ進行させる。
【0024】
投射レンズ40は、各液晶パネル18G,18R,18Bによって変調されクロスダイクロイックプリズム19で合成された画像光を不図示のスクリーン上に拡大投射する。
【0025】
以上の光学系部分50において、クロスダイクロイックプリズム19と投射レンズ40とは、各液晶パネル18R,18G,18Bによって形成された画像をスクリーン上に拡大投射するための投射光学系52を構成する。なお、投射レンズ40は、単独でも投射光学系52として機能し得うるので、投射レンズ40単独で投射光学系と呼ぶこともある。以上のような投射光学系52の光路前段に設けられた液晶パネル18G,18R,18B、ダイクロイックミラー15,21、偏光変換素子13、インテグレーターレンズ11,12、光源10等は、像形成光学部51として機能する。
【0026】
回路装置80は、ビデオ信号等の外部画像信号が入力される画像処理部81と、画像処理部81の出力に基づいて光学系部分50に設けた液晶パネル18G,18R,18Bを駆動する表示駆動部82と、画像処理部81および表示駆動部82の動作を統括的に制御する主制御部88とを備える。
【0027】
画像処理部81は、入力された外部画像信号を各色の
階調等を含む画像信号に変換する。なお、画像処理部81は、外部画像信号に対して歪補正や色補正等の各種画像処理を行うこともできる。
【0028】
表示駆動部82は、画像処理部81から出力された画像信号に基づいて液晶パネル18G,18R,18Bを動作させることができ、当該画像信号に対応した画像又はこれに画像処理を施したものに対応する画像を液晶パネル18G,18R,18Bに形成させることができる。
【0029】
以下、
図2を参照して、本発明の実施形態に係る投射レンズ40及び投射光学系52について具体的に説明する。なお、実施形態として例示した投射レンズ40は、後述する実施例1の投射レンズと同一の構成となっている。
【0030】
実施形態の投射レンズ40は、ズームレンズであり、拡大側(つまりスクリーン側)からの順で例えば第1群G1〜第6群G6からなる。以下、第1群G1〜第6群G6は、第1レンズ群G1〜第6レンズ群G6とも称する。変倍に際しては、第1群〜第6群G1〜G6のうち、最も拡大側の第1群G1と最も縮小側の第6群G6とが固定され、これらの間の第2群〜第5群G2〜G5を光軸OAに沿って個別に移動させる。また、合焦に際しては、第1群G1のうち拡大側の第1A群G1−1を単独で光軸OAに沿って移動させる。なお、投射レンズ40は、第1群〜第6群G1〜G6からなるものに限らず、第1群〜第7群(第1レンズ群〜第7レンズ群)からなるものとできる。この場合も、縮小側の最終群である第7群は変倍に際して固定される。
【0031】
投射レンズ40の第1群G1は、拡大側からの順で、第1A群G1−1と、第1B群G1−2とを備える。第1A群G1−1は、2枚の正レンズで構成され、第1B群G1−2は、正及び負の接合レンズで構成される。具体的には、第1A群G1−1は、拡大側からの順で、正の第1レンズL1と正の第2レンズL2とを有し、第1B群G1−2は、拡大側からの順で、正の第3レンズL3と負の第4レンズL4とを有し、両レンズL3,L4を接合したものとなっている。
【0032】
第2群G2は、少なくとも2枚の負レンズを有する。具体的には、第2群G2は、拡大側からの順で、負の第5レンズL5と負の第6レンズL6とを有する。第2群G2は、上記2枚の負レンズに加えて例えば縮小側に追加の正レンズ等を有する場合もある。第2群G2については、変倍に際して第1群G1から独立して移動するのが原則であるが、変倍に際して第1B群G1−2に付随して固定することもできる。
【0033】
第3群G3は、例えば正の第7レンズL7を備えるが、これに限るものではない。第4群G4は、例えば正の第8レンズL8と、正及び負の接合レンズL9,L10と、正の第11レンズL11とで構成されるが、これに限るものではなく、例えば正の第8レンズL8を省略した構成とすることもできる。なお、第3群G3と第4群G4との間にレンズ群を追加して第4群G4〜第6群G6を第5群〜第7群とすることもできる。第5群G5は、例えば負の第12レンズL12と正の第13レンズL13とを備えるが、これに限るものではない。第6群G6は、本実施形態では最終群であり、正の第14レンズL14で構成されるが、これに限るものではない。
【0034】
以上の投射レンズ40又は投射光学系52によれば、拡大側の第1群G1が、正の第1レンズL1と第2レンズL2とで構成される第1A群G1−1と、正及び負の接合レンズL
3,L
4で構成される第1B群G1−2とからなるので、長焦点レンズの望遠側特有の収差である球面収差を十分に補正することが可能になる。また、第1群G1の拡大側の第1A群G1−1をフォーカス群とすることで、フォーカス機構を簡素化できるとともに、
投射レンズ40をN群(計6または7群)構成とし、少なくとも第3群〜第N−1群を変倍に際して移動させることで、広角端から望遠端までの収差変動を抑えることができる。第2群G2を2枚の負レンズ、すなわち負の第5レンズL5と負の第6レンズL6とで構成することにより、周辺光量を確保できかつ、投射レンズ40又は投射光学系52に必要なバックフォーカスを十分に確保することが可能になる。
【0035】
投射レンズ40は、既に説明した条件式(1)を満足する。すなわち、第1群G1のうち、第1B群G1−2が有する接合レンズL3,L4のうち一方の正の第3レンズL3のアッベ数をνd1とし、他方の負の第4レンズL4のアッベ数をνd2としたとき、以下の条件式(1)
25<(νd1−νd2)<50 ・・・ (1)
を満足する。
【0036】
投射レンズ40は、上記の条件式(1)に追加して、既に説明した条件式(2)等を満足する。すなわち、第2群G2が有する複数の負レンズのうちの一枚である第5レンズL5が両凹レンズであり、かつ、第2群G2が有する複数の負レンズのうち、最も拡大側に配置される負レンズである第5レンズL5のアッベ数をνdとしたとき、以下の条件式(2)
25<νd<50 ・・・ (2)
を満足する。
【0037】
投射レンズ40は、上記の条件式(1)等に追加して、既に説明した条件式(3)を満足する。すなわち、第1A群G1−1と第1B群G1−2との合成焦点距離をf1とし、第2群G−2の焦点距離をf2としたとき、
1.5<|f1/f2|<4 ・・・ (3)
を満足する。
【0038】
なお、実施形態の投射レンズ40は、実質的にパワーを持たないレンズをさらに有してもよい。
【0039】
〔実施例〕
以下、投射レンズ40(又は投射光学系52)の具体的な実施例について説明する。実施例1〜3に共通する諸元の意味を以下にまとめた。
R:曲率半径
d:軸上面間隔(mm)(レンズ厚又はレンズ間隔)
nd:d線の屈折率
μd:d線のアッベ数
f:レンズの焦点距離
FNO:Fナンバー
OBJ:物体距離
A〜G:群間隔(軸上面間隔dのうち可変部分)
SC:スクリーン面
L1〜L16:レンズ
DP:バック挿入物(プリズム等)
PA:表示素子の画像形成面I
【0040】
(実施例1)
実施例1の投射レンズを構成するレンズ面のデータを以下の表1に示す。なお、表1等において、「面番」はレンズ面の面番号を意味し、「LENS」はレンズ番号を意味し、「群」はレンズ群を意味する。表中において、例えば「L3/4」は第3レンズL3及び第4レンズL4の接合レンズであることを意味する。また、「INFINTY」は無限大を意味する。
〔表1〕
面番 LENS 群 R d nd μd
SC INFINITY OBJ
1 L1 1-1G 188.35 10.16 1.8467 23.8
2 -3630.92 15.80
3 L2 1-1G 77.50 10.32 1.4875 70.5
4 221.73 A
5 L3/4 1-2G 146.94 9.46 1.4875 70.5
6 -322.32 3.20 1.5481 45.8
7 68.65 B
8 L5 2G -395.12 2.40 1.6727 32.2
9 89.88 20.93
10 L6 2G -124.23 2.80 1.7847 25.7
11 -349.58 C
12 L7 3G 143.55 9.45 1.7410 52.6
13 -178.30 D
14 L8 4G 169.34 5.80 1.7130 53.9
15 -1060.92 0.20
16 L9/10 4G 100.06 10.57 1.4875 70.5
17 -113.68 2.40 1.6727 32.2
18 42.60 4.98
19 L11 4G 43.58 14.57 1.7725 49.6
20 146.55 E
21 L12 5G -221.51 2.30 1.6034 38.0
22 51.10 45.27
23 L13 5G -81.96 5.27 1.5317 48.8
24 -57.00 F
25 L14 6G 88.17 7.14 1.8467 23.8
26 7446.86 5.00
27 DP INFINITY 40 1.5168 64.2
28 INFINITY 26.02
PA INFINITY 0
【0041】
以下の表2は、実施例1の投射レンズの変倍動作を説明するズームデータである。表2には、実施例1の投射レンズの広角端「WIDE」と望遠端「TELE」とに関して、焦点距離f、FナンバーFNO、群間隔A〜F等が示されている。
〔表2〕
要素 WIDE TELE
f 149.2 209.1
FNO 1.84 2.38
OBJ 18m
有効像円径 φ39
ω(半画角) 7.4 5.3
A 2.41 2.41
B 13.78 11.80
C 40.29 1.00
D 1.00 22.83
E 5.92 7.42
F 0.80 18.74
【0042】
以下の表3は、実施例1の投射レンズの合焦動作を説明するデータである。表3には、物体距離OBJを6mから無限大まで変化させる際における第1A群G1−1の位置を表す群間隔Aを示している。移動レンジは、上記範囲でのフォーカシングに要する第1A群G1−1の移動量に相当するものとなっている。
〔表3〕
OBJ A
6m 3.96
18m 2.4073
INF 1.645
移動レンジ 2.315
【0043】
図2は、実施例1の投射レンズ等を含む投射光学系の断面図である。図示の投射レンズ41(又は投射光学系52)は、拡大側から順で、第1群G1〜第6群G6からなる。これらのうち第1群G1は、拡大側からの順で、第1A群G1−1と、第1B群G1−2とを備える。第1A群G1−1は、正の第1レンズL1と正メニスカスの第2レンズL2とを有し、第1B群G1−2は、正の第3レンズL3と負の第4レンズL4とを接合した接合レンズとなっている。第2群G2は、負の第5レンズL5と負メニスカスの第6レンズL6とを有する。第3群G3は、例えば正の第7レンズL7を有する。第4群G4は、例えば正の第8レンズL8と、正及び負の第9及び第10レンズL9,L10からなる接合レンズと、正メニスカスの第11レンズL11とを有する。第5群G5は、例えば負の第12レンズL12と、正メニスカスの第13レンズL13とを有する。最も縮小側の第6群G6は、凸平に近い正の第14レンズL14を有する。変倍時には、第2群G2〜第5群G5を光軸OAに沿って個別に移動させ、合焦に際しては、拡大側の第1A群G1−1を光軸OAに沿って移動させる。
【0044】
図3(A)〜3(C)は、実施例1の投射レンズ41の広角端(WIDE)での収差図(球面収差、非点収差及び歪曲収差)であり、
図3(D)〜3(F)は、実施例1の投射レンズ41の望遠端(TELE)での収差図(球面収差、非点収差及び歪曲収差)である。なお、以上の収差は、物体距離OBJが6mである場合のものである。
【0045】
以下の表4は、実施例1の投射レンズ41について条件式(3)に関連する数値(合成焦点距離)を示している。
〔表4〕
定義 該当エレメント 合成焦点距離
f1 L1〜L4 184.8
f2 L5,L6 -71.6
|f1/f2| 2.6
【0046】
(実施例2)
実施例2の投射レンズを構成するレンズ面のデータを以下の表5に示す。
〔表5〕
面番 LENS 群 R d nd μd
SC INFINITY OBJ
1 L1 1-1G 291.53 8.71 1.8467 23.8
2 -765.26 18.14
3 L2 1-1G 82.92 10.21 1.7440 44.9
4 325.21 A
5 L3/4 1-2G 242.28 7.98 1.4875 70.5
6 -216.81 5.00 1.6200 36.3
7 86.63 6.28
8 L5 2G 260.28 3.20 1.6727 32.2
9 59.02 12.09
10 L6 2G -122.53 2.40 1.7283 28.3
11 176.14 0.65
12 L7 2G 112.70 4.28 1.8467 23.8
13 320.19 B
14 L8 3G 191.02 8.86 1.7725 49.6
15 -171.24 C
16 L9/10 4G 129.52 9.75 1.4875 70.5
17 -157.42 2.20 1.6889 31.2
18 58.92 2.83
19 L11 4G 60.73 9.59 1.7725 49.6
20 348.69 D
21 L12 5G -89.70 2.40 1.5481 45.8
22 103.85 24.96
23 L13 5G 507.26 8.65 1.4970 81.6
24 -83.23 E
25 L14 6G 103.47 5.48 1.8467 23.8
26 401.61 5
27 DP INFINITY 50 1.5168 64.2
28 INFINITY 39.04
PA INFINITY 0.00
【0047】
以下の表6は、実施例2の投射レンズの変倍動作を広角端と望遠端とに関して説明するズームデータである。
〔表6〕
要素 WIDE TELE
f 165.2 231.1
FNO 2.0 2.6
OBJ 20m
有効像円径 φ44
ω(半画角) 7.6 5.4
A 3.47 3.47
B 48.30 2.04
C 1.00 14.09
D 33.24 31.75
E 16.37 51.04
【0048】
以下の表7は、実施例2の投射レンズの合焦動作を説明するデータである。表7には、物体距離OBJを6mから無限大まで変化させることに対応させて、第1A群G1−1について群間隔Aの変化とその際の移動レンジとを示している。
〔表7〕
OBJ A
6m 4.18
20m 3.47
INF 3
移動レンジ 1.18
【0049】
図4は、実施例2の投射レンズ等を含む投射光学系の断面図である。図示の投射レンズ42(又は投射光学系52)は、拡大側から順で、第1群G1〜第6群G6からなる。これらのうち第1群G1は、拡大側からの順で、第1A群G1−1と、第1B群G1−2とを備える。第1A群G1−1は、正の第1レンズL1と正メニスカスの第2レンズL2とを有し、第1B群G1−2は、正の第3レンズL3と負の第4レンズL4とを接合した接合レンズとなっている。第2群G2は、負メニスカスの第5レンズL5と負の第6レンズL6と正メニスカスの第7レンズL7とを有する。第3群G3は、例えば正の第8レンズL8を有する。第4群G4は、例えば正及び負の第9及び第10レンズL9,L10からなる接合レンズと、正メニスカスの第11レンズL11とを有する。第5群G5は、例えば負の第12レンズL12と、正の第13レンズL13とを有する。最も縮小側の第6群G6は、正メニスカスの第14レンズL14を有する。変倍時には、第3群G3〜第5群G5を光軸OAに沿って個別に移動させ、合焦に際しては、拡大側の第1A群G1−1を光軸OAに沿って移動させる。
【0050】
図5(A)〜5(C)は、実施例2の投射レンズ42の広角端(WIDE)での収差図(球面収差、非点収差及び歪曲収差)であり、
図5(D)〜5(F)は、実施例2の投射レンズ42の望遠端(TELE)での収差図(球面収差、非点収差及び歪曲収差)である。以上の収差は、物体距離OBJが20mである場合のものである。
【0051】
以下の表8は、実施例2の投射レンズ42について条件式(3)に関連する数値(合成焦点距離)を示している。
〔表8〕
定義 該当エレメント 合成焦点距離
f1 L1〜L4 157
f2 L5〜L7 -69
|f1/f2| 2.3
【0052】
(実施例3)
実施例3の投射レンズを構成するレンズ面のデータを以下の表9に示す。
〔表9〕
面番 LENS 群 R d nd μd
SC INFINITY OBJ
1 L1 1-1G 284.75 6.03 1.8467 23.8
2 5742.25 20.00
3 L2 1-1G 78.78 12.16 1.4875 70.5
4 561.47 0.20
5 L3 1-1G 82.44 7.40 1.4875 70.5
6 170.06 A
7 L4/5 1-2G 151.85 6.49 1.4875 70.5
8 994.95 3 1.6477 33.8
9 66.94 B
10 L6 2G -1210.71 2.9 1.6200 36.3
11 62.13 7.28
12 L7 2G -194.95 2.4 1.6200 36.3
13 117.70 C
14 L8 3G 131.84 6.34 1.8467 23.8
15 947.72 D
16 L9 4G 550.08 4.52 1.6584 50.9
17 -424.05 E
18 L10 5G 217.02 7.33 1.4970 81.6
19 -207.64 0.20
20 L11/12 5G 109.03 12.50 1.4970 81.6
21 -96.89 2.50 1.6889 31.2
22 64.64 2.87
23 L13 5G 65.30 7.93 1.7440 44.9
24 217.98 F
25 L14 6G -216.54 3.20 1.6727 32.2
26 101.09 17.16
27 L15 6G -345.92 4.76 1.6584 50.9
28 -118.62 G
29 L16 7G 89.15 6.59 1.8467 23.8
30 458.70 5
31 DP INFINITY 40 1.5168 64.2
32 INFINITY 31.12
PA INFINITY 0
【0053】
以下の表10は、実施例3の投射レンズの変倍動作を広角端と望遠端とに関して説明するズームデータである。
〔表10〕
要素 WIDE TELE
f 140.7 197.4
FNO 1.9 2.2
OBJ 17m
有効像円径 φ39
ω(半画角) 7.9 5.6
A 2.33 2.33
B 7.94 17.74
C 48.25 38.81
D 45.35 1.57
E 1.00 21.12
F 34.02 17.02
G 0.80 41.11
【0054】
以下の表11は、実施例3の投射レンズの合焦動作を説明するデータである。表11には、物体距離OBJを9mから50mまで変化させることに対応させて、第1A群G1−1について群間隔Aの変化とその際の移動レンジとを示している。
〔表11〕
OBJ A
9m 2.79
17m 2.33
50m 2
移動レンジ 0.79
【0055】
図6は、実施例3の投射レンズ等を含む投射光学系の断面図である。図示の投射レンズ43(又は投射光学系52)は、拡大側から順で、第1群G1〜第7群G7からなる。これらのうち第1群G1は、拡大側からの順で、第1A群G1−1と、第1B群G1−2とを備える。第1A群G1−1は、凸平に近い正の第1レンズL1と正メニスカスの第2レンズL2と正メニスカスの第3レンズL3とを有し、第1B群G1−2は、正メニスカスの第4レンズL4と負メニスカスの第5レンズL5とを接合した接合レンズとなっている。第2群G2は、負の第6レンズL6と負の第7レンズL7とを有する。第3群G3は、例えば正メニスカスの第8レンズL8を有する。第4群G4は、例えば正の第9レンズL9を有する。第5群G5は、例えば正の第10レンズL10と、正及び負の第11及び第12レンズL11,L12からなる接合レンズと、正メニスカスの第13レンズL13とを有する。第6群G6は、負の第14レンズL14と正メニスカスの第15レンズL15とを有する。最も縮小側の第7群G7は、正メニスカスの第16レンズL16を有する。変倍時には、第2群G2〜第6群G6を光軸OAに沿って個別に移動させ、合焦に際しては、拡大側の第1A群G1−1を光軸OAに沿って移動させる。
【0056】
図7(A)〜7(C)は、実施例3の投射レンズ43の広角端(WIDE)での収差図(球面収差、非点収差及び歪曲収差)であり、
図7(D)〜7(F)は、実施例3の投射レンズ43の望遠端(TELE)での収差図(球面収差、非点収差及び歪曲収差)である。以上の収差は、物体距離OBJが17mである場合のものである。
【0057】
以下の表12は、実施例3の投射レンズ43について条件式(3)に関連する数値(合成焦点距離)を示している。
〔表12〕
定義 該当エレメント 合成焦点距離
f1 L1〜L5 152.1
f2 L6,L7 -50.7
|f1/f2| 3.0
【0058】
〔実施例のまとめ〕
以下の表13に、各実施例1〜3について、条件式(1)〜(3)の値νd1−νd2等に関する数値データをまとめた。
〔表13〕
【0059】
この発明は、上記の実施形態又は実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
【0060】
例えば、各実施例1〜3において、レンズL1〜L16の前後又は間に1つ以上の実質的にパワーを持たないレンズを追加することができる。
【0061】
また、投射レンズ40による拡大投射の対象は、液晶パネル18G,18R,18Bに限らず、マイクロミラーを画素とするデジタル・マイクロミラー・デバイス等の各種光変調素子によって形成された画像を投射レンズ40によって拡大投射することができる。