特許第6252354号(P6252354)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特許6252354-車両側部構造 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252354
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】車両側部構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/16 20060101AFI20171218BHJP
【FI】
   B62D25/16 B
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-105478(P2014-105478)
(22)【出願日】2014年5月21日
(65)【公開番号】特開2015-217922(P2015-217922A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2016年12月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】猪股 厚
(72)【発明者】
【氏名】秋田 裕子
【審査官】 北中 忠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−119992(JP,A)
【文献】 特開2006−015834(JP,A)
【文献】 特開平07−117715(JP,A)
【文献】 特開2013−035374(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00−25/08、25/14−29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントサイドドア開口部の前縁部を形成するフロントピラーと、
前記フロントピラーよりも車両幅方向外側に配置され、車両前部の側面を構成する外側壁部を備え、前記外側壁部にホイールアーチ部が形成されたフェンダパネルと、
前記フロントピラーと前記フェンダパネルとの間に介在され、前記フロントピラーに当接する第一当接部を備えると共に、前記ホイールアーチ部の後部に当接する第二当接部を備えるフェンダサイドプロテクタと、
を有し、
前記フェンダサイドプロテクタは、発泡材で形成されると共に前記フロントピラーと前記ホイールアーチ部の後部との間に圧入されている、車両側部構造。
【請求項2】
前記ホイールアーチ部の後部に対して車両幅方向内側斜め後方側に前記フロントピラーの前壁部が配置されており、
前記第一当接部は、車両幅方向内側に向けられて前記フロントピラーの車両幅方向外側の側壁部に当接する第一面と、車両後方側に向けられて前記フロントピラーの前壁部に当接する第二面と、を備える、請求項1記載の車両側部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両側部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両の前輪の外周上方側を覆うフェンダプロテクタの構造に関する発明が開示されている。簡単に説明すると、フェンダプロテクタの頂部には、その車両幅方向内側の部位に車体側への固定部が設けられると共に、この固定部から車両幅方向外側に延びる補強ビームが形成されている。そして、補強ビームは、フェンダパネルのホイールアーチ部の頂部に突き当てられている。このため、フェンダパネルのホイールアーチ部における頂部の剛性が高められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−143469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フェンダパネルのホイールアーチ部における後部の剛性を高める観点からは改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、フェンダパネルのホイールアーチ部における後部の剛性を高めることができる車両側部構造を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載する本発明の車両側部構造は、フロントサイドドア開口部の前縁部を形成するフロントピラーと、前記フロントピラーよりも車両幅方向外側に配置され、車両前部の側面を構成する外側壁部を備え、前記外側壁部にホイールアーチ部が形成されたフェンダパネルと、前記フロントピラーと前記フェンダパネルとの間に介在され、前記フロントピラーに当接する第一当接部を備えると共に、前記ホイールアーチ部の後部に当接する第二当接部を備えるフェンダサイドプロテクタと、を有し、前記フェンダサイドプロテクタは、発泡材で形成されると共に前記フロントピラーと前記ホイールアーチ部の後部との間に圧入されている
【0007】
上記構成によれば、フェンダパネルは、車両前部の側面を構成する外側壁部を備えており、この外側壁部にホイールアーチ部が形成されている。そして、フロントピラーとフェンダパネルとの間にフェンダサイドプロテクタが介在され、フェンダサイドプロテクタの第一当接部がフロントピラーに当接すると共に、フェンダサイドプロテクタの第二当接部がホイールアーチ部の後部に当接する。このため、ホイールアーチ部の後部に対して車両幅方向外側から外力が加えられた場合、ホイールアーチ部の後部からフェンダサイドプロテクタを介してフロントピラーに荷重が伝達されて支持される。よって、ホイールアーチ部の後部における変形が抑えられる。
また、本発明では、フェンダサイドプロテクタが発泡材で形成されることで、外力に対するフェンダサイドプロテクタ自体の剛性を確保しながらフェンダサイドプロテクタ自体の質量を抑える設定が容易にできる。また、発泡材で形成されたフェンダサイドプロテクタがフロントピラーとホイールアーチ部の後部との間に圧入されることで、クリップ等が不要となるので、部品点数及び全体の質量が抑えられる。
【0008】
請求項2に記載する本発明の車両側部構造は、請求項1記載の構成において、前記ホイールアーチ部の後部に対して車両幅方向内側斜め後方側に前記フロントピラーの前壁部が配置されており、前記第一当接部は、車両幅方向内側に向けられて前記フロントピラーの車両幅方向外側の側壁部に当接する第一面と、車両後方側に向けられて前記フロントピラーの前壁部に当接する第二面と、を備える。
【0009】
上記構成によれば、ホイールアーチ部の後部に対して車両幅方向内側斜め後方側にフロントピラーの前壁部が配置されており、ホイールアーチ部の後部とフロントピラーの前壁部とが車両側面視で車両前後方向にオフセットしている。このため、ホイールアーチ部の後部に対して車両幅方向外側から外力が加えられた場合、当該外力は、フェンダサイドプロテクタを介してフロントピラーに伝達されながら、ホイールアーチ部の後部を車両幅方向内側かつ車両後方側に回転移動させようとする。ここで、第一当接部は、車両幅方向内側に向けられた第一面がフロントピラーの車両幅方向外側の側壁部に当接するのみならず、車両後方側に向けられた第二面がフロントピラーの前壁部に当接している。このため、ホイールアーチ部の後部をフェンダサイドプロテクタと共に回転移動させようとする力は、フェンダサイドプロテクタの第一当接部の第二面を介してフロントピラーの前壁部によって効果的に受け止められる。よって、ホイールアーチ部の後部の変位が効果的に抑えられる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明の車両側部構造によれば、フェンダパネルのホイールアーチ部における後部の剛性を高めることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る車両側部構造が適用された自動車の一部を示す斜視図である。
図2図1のフェンダパネルの後部(図2では二点鎖線で図示)を切り欠いてフェンダサイドプロテクタ及びフロントピラーを車両幅方向外側から見た状態で示す概略側面図である。
図3図1の3−3線に沿った拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係る車両側部構造について図1図3を用いて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印OUTは車両幅方向外側を示している。
【0015】
(実施形態の構成)
図1には、本実施形態に係る車両側部構造が適用された自動車(車両)10の車両左側の一部が斜視図で示されている。図1に示されるように、車両側部10Aにおける車両前後方向の前側にはフロントピラー12が配設されている。フロントピラー12は、フロントサイドドア開口部22の前縁部を形成している。
【0016】
フロントピラー12の上部12Aは、フロントガラス26の両サイドに配置されて車両上方側へ向けて車両後方側に傾斜しており、上端部がルーフサイドレール28の前端部に接続されている。図2には、後述するフェンダパネル30の後部(二点鎖線で図示)を切り欠いてフロントピラー12等を車両幅方向外側から見た状態の概略側面図が示されている。図2に示されるように、フロントピラー12の下部12Bは、フロントピラー12の上部12Aの下端部に連続し、車両上下方向に立設されると共に、下端部が図示しないロッカ(「サイドシル」ともいう。)の前端部に接続されている。そして、フロントピラー12の下部12Bは、フロントサイドドア24(図1参照)の前端部及び後述するフェンダパネル30の後端部の車両幅方向内側に配置されている。また、左右一対のフロントピラー12同士の間には、その上下方向中間部に図示しないインパネリインフォースが架け渡されている。
【0017】
図3には、図1の3−3線に沿った拡大断面図が示されている。図3に示されるように、フロントピラー12は、ピラーインナパネル14と、ピラーアウタリインフォース16と、サイドアウタパネル18のピラーアウタ部20と、を含んで構成されている。
【0018】
ピラーインナパネル14は、フロントピラー12の車幅方向内側の部位を構成しており、フロントピラー12の長手方向に直交する断面形状が車両幅方向外側に開口された断面ハット形状とされている。ピラーインナパネル14の車両前後方向の前端側には、前フランジ14Aが形成され、ピラーインナパネル14の車両前後方向の後端側には、後フランジ14Bが形成されている。
【0019】
ピラーアウタリインフォース16は、ピラーインナパネル14に対して車幅方向外側に配置され、フロントピラー12の長手方向に直交する断面形状が車両幅方向内側に開口された断面ハット形状とされている。ピラーアウタリインフォース16の車両前後方向の前端側には、前フランジ16Aが形成され、ピラーアウタリインフォース16の車両前後方向の後端側には、後フランジ16Bが形成されている。ピラーアウタリインフォース16の前フランジ16Aは、ピラーインナパネル14の前フランジ14Aに結合され、ピラーアウタリインフォース16の後フランジ16Bは、ピラーインナパネル14の後フランジ14Bに結合されている。
【0020】
また、サイドアウタパネル18のピラーアウタ部20は、フロントピラー12の車幅方向外側の部位を構成しており、ピラーインナパネル14及びピラーアウタリインフォース16に対して車幅方向外側に配置されている。ピラーアウタ部20は、フロントピラー12の長手方向に直交する断面形状が車両幅方向内側に開口された略ハット形状とされている。
【0021】
具体的には、ピラーアウタ部20の車両前後方向の前端側には、前フランジ20Aが形成され、ピラーアウタ部20の車両前後方向の後端側には、後フランジ20Eが形成されている。ピラーアウタ部20の前フランジ20Aは、ピラーインナパネル14の前フランジ14A及びピラーアウタリインフォース16の前フランジ16Aと三枚重ねで溶接により結合されている。ピラーアウタ部20の後フランジ20Eは、ピラーインナパネル14の後フランジ14B及びピラーアウタリインフォース16の後フランジ16Bと三枚重ねで溶接により結合されている。
【0022】
また、ピラーアウタ部20は、前フランジ20Aの車両前後方向の後端から曲げられて車両幅方向外側に延設された前壁部20Bと、後フランジ20Eの車両前後方向の前端から曲げられて車両幅方向外側に延設された後壁部20Dと、を備えている。前壁部20Bの車両幅方向外側の端部と、後壁部20Dの車両幅方向外側の端部とは、外側壁部20Cによって連結されている。この外側壁部20Cは、フロントピラー12の車両幅方向外側の側壁部を構成している。
【0023】
フロントピラー12よりも車両幅方向外側には、フェンダパネル30が配置されている。図1に示されるように、フェンダパネル30は、フロントサイドドア24の車両前方側に配置され、車両前部10Bの側面(すなわち意匠面)を構成する外側壁部32を備えている。外側壁部32は、前輪34の車両上方側に配置されている。この外側壁部32には、前輪34の外周上側に沿ってホイールアーチ部32Aが形成されている。このホイールアーチ部32Aは、前輪34の中心の上方側に設定された頂部32Tと、頂部32Tよりも車両前方側の部分を構成する前部32Fと、頂部32Tよりも車両後方側の部分を構成する後部32Rと、を備えている。そして、図3に示されるホイールアーチ部32Aの後部32Rに対して車両幅方向内側斜め後方側にフロントピラー12の前壁部20Bが配置される位置関係となっている。
【0024】
また、図1に示されるフェンダパネル30は、外側壁部32の上端部から垂下されてその下端側がエンジンルーム(図示省略)側へ水平に屈曲された内側壁部(図示省略)を備えている。この内側壁部は、その端部が衝撃吸収ブラケット(図示省略)を介してエプロンアッパメンバ(図示省略)に取り付けられている。
【0025】
図2及び図3に示されるように、フロントピラー12とフェンダパネル30との間には、フェンダサイドプロテクタ40が介在されている。図2に示されるように、フェンダサイドプロテクタ40は、フロントピラー12とフェンダパネル30の後部(二点鎖線で図示)との対向部に沿って車両上下方向に延在している。すなわち、フェンダサイドプロテクタ40の上端部の高さ位置は、フェンダパネル30の上端部の高さ位置に概ね対応し、フェンダサイドプロテクタ40の下端部の高さ位置は、フェンダパネル30の下端部の高さ位置に概ね対応している。このフェンダサイドプロテクタ40は、フェンダパネル30とフロントピラー12との間から車室内側へのノイズの伝達経路を遮断する機能を有し、ノイズの低減に寄与している。また、フェンダサイドプロテクタ40は、止水部としても機能している。
【0026】
本実施形態におけるフェンダサイドプロテクタ40は、樹脂製の発泡材で形成されている。フェンダサイドプロテクタ40の車両上下方向中間部は、車両前方側に突き出している。具体的には、フェンダサイドプロテクタ40の上部側前端は、車両下方側へ向けて車両前方側に傾斜しながら凹湾曲状に延びており、フェンダサイドプロテクタ40の下部側前端は、車両上方側へ向けて車両前方側に傾斜しながら凹湾曲状に延びている。なお、フェンダサイドプロテクタ40は、上下方向中間部が突き出していながら、湾曲によって形状の急変が抑えられているので、折れの起点となるような弱化部を含まない構造体となっている。
【0027】
フェンダサイドプロテクタ40の車両前方側の突出頂部から下部側の所定範囲は、車両側面視でホイールアーチ部32Aの後部32Rの所定範囲(本実施形態では頂部32T近傍及び下端部を除く範囲)に沿って円弧状に形成されると共に、車両幅方向外側に突出している。そして、フェンダサイドプロテクタ40は、フロントピラー12とホイールアーチ部32Aの後部32Rとの間に圧入されている。図3に示されるように、フェンダサイドプロテクタ40は、フロントピラー12に当接する第一当接部42を備えると共に、ホイールアーチ部32Aの後部32Rの裏面に当接する第二当接部44を備えている。
【0028】
フェンダサイドプロテクタ40の第一当接部42は、車両幅方向内側に向けられてピラーアウタ部20の外側壁部20Cに当接する第一面42Aと、車両後方側に向けられてピラーアウタ部20の前壁部20Bに当接する第二面42Bと、を備えている。
【0029】
また、フェンダサイドプロテクタ40の車両幅方向外側の部位は、第二当接部44の他に、フェンダパネル30の車両後方側の端部と接触する接触部46を備えている。フェンダサイドプロテクタ40は、第二当接部44と接触部46とを繋ぐ側面部48がフェンダパネル30の裏面から離れて配置されている。これにより、フェンダサイドプロテクタ40とフェンダパネル30とで閉断面部50が形成されている。
【0030】
また、フェンダサイドプロテクタ40において、車両幅方向内側の第一当接部42の第二面42Bと車両幅方向外側の第二当接部44とを繋ぐ前面部52は、車両前方側へ向けて車両幅方向外側に傾斜しながら凸湾曲状(略円弧状)に形成されている。これに対して、フェンダサイドプロテクタ40の後端部において、車両幅方向内側の第一当接部42の第一面42Aと車両幅方向外側の接触部46とを繋ぐ後面部54は、車両幅方向に延びている。
【0031】
(実施形態の作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
【0032】
例えば、洗車時等に、ホイールアーチ部32Aの後部32Rに対して車両幅方向外側から外力Fが加えられた場合、ホイールアーチ部32Aの後部32Rからフェンダサイドプロテクタ40を介してフロントピラー12に荷重が伝達されて支持される。よって、ホイールアーチ部32Aの後部32Rにおける変形が抑えられる。その結果として、商品性を向上させることができる。
【0033】
一方、本実施形態では、ホイールアーチ部32Aの後部32Rに対して車両幅方向内側斜め後方側にフロントピラー12の前壁部20Bが配置されており、ホイールアーチ部32Aの後部32Rとフロントピラー12の前壁部20Bとが車両側面視で車両前後方向にオフセットしている。このため、ホイールアーチ部32Aの後部32Rに対して車両幅方向外側から外力Fが加えられた場合、当該外力Fは、フェンダサイドプロテクタ40を介してフロントピラー12に伝達されながら、ホイールアーチ部32Aの後部32Rを車両幅方向内側かつ車両後方側に回転移動させようとする。
【0034】
しかしながら、本実施形態では、フェンダサイドプロテクタ40の第一当接部42は、車両幅方向内側に向けられた第一面42Aがフロントピラー12の外側壁部20Cに当接するのみならず、車両後方側に向けられた第二面42Bがフロントピラー12の前壁部20Bに当接している。このため、ホイールアーチ部32Aの後部32Rをフェンダサイドプロテクタ40と共に回転移動させようとする力は、フェンダサイドプロテクタ40の第一当接部42の第二面42Bを介してフロントピラー12の前壁部20Bによって効果的に受け止められる。よって、ホイールアーチ部32Aの後部32Rの変位が効果的に抑えられる。
【0035】
なお、本実施形態では、フェンダサイドプロテクタ40の前面部52が車両前方側へ向けて車両幅方向外側に傾斜しながら凸湾曲状に形成されているので、外力Fは力の方向を徐々に変えながらフロントピラー12の前壁部20Bに伝達される。
【0036】
以上説明したように、本実施形態に係る車両側部構造によれば、フェンダパネル30のホイールアーチ部32Aにおける後部32Rの剛性を高めることができる。
【0037】
また、本実施形態では、フェンダサイドプロテクタ40が発泡材で形成されることで、外力Fに対するフェンダサイドプロテクタ40自体の剛性を確保しながらフェンダサイドプロテクタ40自体の質量を抑える設定が容易にできる。また、発泡材で形成されたフェンダサイドプロテクタ40がフロントピラー12とホイールアーチ部32Aの後部32Rとの間に圧入されることで、クリップ等が不要となるので、部品点数及び全体の質量も抑えられる。
【0038】
ここで、若干補足説明すると、基本的にフェンダパネル(特にホイールアーチ部)の張り剛性は、フェンダパネルの意匠、材質及び板厚によってほぼ決まってしまう。このため、フェンダパネルの張り剛性を向上させる対策としては、例えば、フェンダパネルの意匠、材質及び板厚の少なくともいずれかを変更する対策が考えられる。しかしながら、このような対策では、質量、コスト及び意匠上の制約の少なくともいずれかの点で不利となる。ちなみに、フェンダパネルの板厚を厚くすることでホイールアーチ部の張り剛性を向上させようとする場合には、ホイールアーチ部以外の部分も板厚を厚くすることになるので、無駄な質量増加及びコストアップを招くことにもなる。一方、フェンダパネルの裏面に補強ブラケットを追加して配置するような対策についても、補強ブラケット及び当該補強ブラケットを取り付けるための取付具が必要になるので、質量及びコストの点で不利になる。これらに対して、本実施形態によれば、ホイールアーチ部32Aの後部32Rの剛性を高めることができるという効果を奏しながら、軽量、低コストでかつフェンダパネル30の意匠の自由度も確保することができる。
【0039】
(実施形態の補足説明)
なお、上記実施形態の変形例として、例えば、フロントピラーとフェンダパネルのホイールアーチ部との車両前後方向のオフセット量が大きくない場合等には、フェンダサイドプロテクタの第一当接部は、フロントピラーの車両幅方向外側の側壁部にのみ当接するものであってもよい。
【0040】
また、フェンダサイドプロテクタにおいてホイールアーチ部の後部に当接する第二当接部は、図2に示される第二当接部44の範囲よりも広い範囲に設定されてもよいし、図2に示される第二当接部44の範囲から上下にずれた位置に設定されてもよい。
【0041】
また、本発明の実施形態ではない参考例として、フェンダサイドプロテクタを発泡材以外で構成する形態も採り得る。また、本発明の実施形態ではない参考例として、フェンダサイドプロテクタがフロントピラー及びホイールアーチ部の後部にそれぞれ取付具を介して取り付けられる形態も採り得る。
【0042】
なお、上記実施形態及び上述の複数の変形例は、適宜組み合わされて実施可能である。
【0043】
以上、本発明の一例について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0044】
10A 車両側部
10B 車両前部
12 フロントピラー
20B ピラーアウタ部の前壁部(フロントピラーの前壁部)
20C ピラーアウタ部の外側壁部(フロントピラーの車両幅方向外側の側壁部)
22 フロントサイドドア開口部
30 フェンダパネル
32 フェンダパネルの外側壁部
32A ホイールアーチ部
32R ホイールアーチ部の後部
40 フェンダサイドプロテクタ
42 第一当接部
42A 第一面
42B 第二面
44 第二当接部
図1
図2
図3