技術分野
通信帯域を時分割し、各ノードが自局の送信タイミングで自局データをブロードキャスト送信することで各ノード上に共通のデータを持つネットワークシステム
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
ここで、特許文献1では、ネットワーク上の各ノードのなかで1台がマスタノードとなり、残りがスレーブノードとなる。そして、各ノードに対する送信帯域(タイムスロット)の割付けは、マスタノードにより実行管理される。尚、この送信帯域が自ノードの更新タイミングに相当する。つまり、各ノードは、自己に割り当てられた送信帯域(タイムスロット)のタイミングでデータ送信を行う。これは、例えば特許文献1のセンドタイマを用いる方法により行う。つまり、各ノードは、自己に割り当てられた送信帯域(タイムスロット)に対応する時間を、自己のセンドタイマにセットする。そして、センドタイマがタイマアップしたタイミングでデータ送信を行う。
ここで、各ノードへのタイムスロットの割当ては、従来では例えば予め固定的に決められている。しかしながら、この方法では、各ノードが必要とする送信データ量が確定しないと決定できないという問題や、この問題を避ける為に多めに送信データ量を決定した場合には無駄な帯域が多くなるという問題や、後に何等かの変化/変更があった場合に対応し難い等の理由で、例えば動的にタイムスロットの割当てを行うことが考えられる。例えば、マスタ局が、各スレーブ局に対してネットワークへの加入順にタイムスロットの割当てを行うことが考えられる。以下、この様な方法について、更にこの様な方法の問題点について説明する。
すなわち、この方法では、例えばスレーブ局は、マスタ局に対してネットワークへの加入要求を行う際に、予め設定された送信データ量に応じた必要な送信帯域量(タイムスロット数)を、マスタ局に通知する。マスタ局は、例えば、要求されたタイムスロット数以上の連続した空き帯域がある場合に、加入を許可する。そして、要求元のスレーブ局に対して、当該スレーブ局に割り当てたタイムスロットの情報を含む加入許可通知を送信する。この様なスレーブ局の帯域設定は、加入時にのみ実行してスレーブ局に通知し、途中で帯域変更はしない。新規加入の場合、例えば、送信帯域は前詰めで割付けられる。
ここで、各ノード間での送受信データには、送信元ノードや宛先ノードの識別IDとして、これらノードの局番が含まれている。また、各ノードには、作業者等が手作業で任意の局番を設定できる構成が含まれている。この為、設定ミスが生じる場合があり、複数のノードに同一の局番が設定される場合や、間違った局番が設定される場合がある。この様なノードがネットワークに加入した後に間違いに気付いた場合、間違いを直す為に、一旦、このノードをネットワークから切り離したうえで局番を再設定して、ネットワークに再加入させることになる。この様な場合、マスタノードでは、ノードが一時的に脱落したものと見做すことになる。
また、の例に限らず、定期的なメンテナンスの為に、一時的に脱落させる場合もある。あるいは、ノードが故障した場合、故障ノードをネットワークから切り離して、代替ノードを新たにネットワークに接続することになる。この場合、代替ノードには、故障ノードと同じ局番が設定されることになる。
そして、のことから、任意のスレーブ局が脱落しても、再加入する場合のために、一度加入したスレーブ局の送信帯域は確保され、基本的には、再加入の際には同じ送信帯域が割り当てられる。しかしながら、のように局番を変えた場合には、再加入であると認識されず新規加入であると誤認識される為、新たな帯域が割り当てられることになる。そして、この場合、以前確保した送信帯域がクリアされずに残ってしまう。
あるいは、何等かの理由で通信設定が変わって、送信データ量(必要な送信帯域(タイムスロット数))が、変わっている場合がある。この様な場合には、同じ送信帯域を割り当てることは出来ないので、新たな帯域が割り当てられることになる(既に割当て済みの帯域群の後ろに割付けられることになる)。
ここで、図7(a)〜(d)に、送信帯域割当ての具体例を示す。
尚、この例では、送信帯域全体は16帯域とする(最大で16帯域まで加入できる)
また、各ノードの通信条件(送信データ量、局番)は、以下の通りとする。尚、ここでは例えば局番‘1’のノードを局1と記すものとする。各ノードには、1以上の帯域(タイムスロット)を割当てることになる。
局1:送信データ量;1帯域(1タイムスロット)
局2:送信データ量;1帯域(1タイムスロット)
局3:送信データ量;2帯域(2タイムスロット)
局4:送信データ量;4帯域(4タイムスロット)
局5:送信データ量;2帯域(2タイムスロット)
局6:送信データ量;1帯域(1タイムスロット)
また、送信帯域割当て状況は、時系列的に、図7(a)→図7(b)→図7(c)または図7(a)→図7(b)→図7(d)と移行していくものとする。また、図7(a)〜(d)の何れにおいても、図上左側には送信帯域割当て状況を視覚的に分かり易く示す図、図上右側には送信帯域割当て状況を格納する割当管理テーブル50の具体例を示す。マスタノードは、割当管理テーブル50を保持しており、必要に応じて更新等を行う。
割当管理テーブル50は、局番51、データ量52、送信帯域位置53、状態54等から成る。
マスタノードは、任意のノードに対して送信帯域割当てを行う毎に、そのノードの局番を局番51に格納し、送信データ量に応じたタイムスロット数をデータ量52に格納し、割り当てた送信帯域の先頭のタイムスロットの番号等を送信帯域位置53に格納する。そして、状態54を「加入」とする。本例では、の通り最大で16帯域であるので、タイムスロットの番号は‘0’〜‘15’となる。
また、本例では、マスタノードは、最初に自局を加入させると共に、その場合のみ状態54を「マスタ」とすることで、スレーブノードと区別させる。図示の例では、マスタノードにはタイムスロット‘0’が割当てられている。
そして、図示の例では、スレーブ局6→局2→局3→局4の順に加入したものとする。
ここでは、の通り、新規加入の場合、送信帯域は加入順に前詰めで割付けられるので、図7(a)に示すように、局6にはタイムスロット‘1’が割り当てられ、局2にはタイムスロット‘2’が割り当てられ、局3にはタイムスロット‘3’、‘4’が割り当てられ、局4にはタイムスロット‘5’、‘6’、‘7’、‘8’が割り当てられる。
尚、以下の説明では、例えばタイムスロット‘5’を簡略化して“TS5”等と記す場合もあるものとする。また、図ではこの様な簡略化した記載となっている。
尚、送信帯域位置53から「−1+送信帯域位置53+データ量52」までが、その局に割り当てられた送信帯域と見做される。局4に関しては、送信帯域位置53=‘5’、データ量52=‘4’であるので、の通り、局4にはタイムスロット‘5’〜‘8’が割り当てられたものと見做される。また、任意の局についての「送信帯域位置53+データ量52」が、その次の局の送信帯域位置53となる。
この様な状態において、あるとき、局3が脱落し、その後に局5が新規加入した場合、図7(b)に示す状態となる。すなわち、まず、局3が脱落すると、マスタノード(局1)は、局3が脱落したものと判定すると、割当管理テーブル50において局番51=‘3’に対応する状態54を「脱落」に変更する。尚、局の脱落の判定方法は、例えば、任意の局からのコモンメモリデータを複数周期連続して受信しなかった場合に、その局は脱落と見做すが、この例に限らない。
そして、この状態で局番=‘5’の局からデータ量=‘2’で加入要求があったものとする。このとき、のように局3は脱落中であるのでその割当帯域(TS3,TS4)は実質的には使用されていないが、の通り割当管理テーブル50には局3の割当て情報が残っているので、局5にはTS3,TS4は割り当てない。局5には、既に割当て済みの帯域群の直後を、割り当てるので、図7(b)に示すように、TS9,TS10が割り当てられる。
その後、局3が復帰して加入要求を出すと、マスタノードは、この加入要求に含まれる送信元ノードの局番‘3’により、この局番‘3’が既に割当管理テーブル50に登録されていることから、新規加入ではなく再加入であると見做して、脱落前と同じタイムスロットを割り当てる。これより、図示の例では、TS3,TS4が割り当てられて、要求元ノードに通知される。また、割当管理テーブル50において局番51=‘3’に対応する状態54を、「脱落」から「加入」に変更する。これによって、図7(c)に示す状態となる。
ここで、の例は特に問題が無い例であるが、例えば局3の脱落の理由が、上述した局番の設定ミスに対応した局番の再設定の為であった場合等に、問題が生じる場合がある。これについて、以下、具体例を説明する。
ここで、以下に説明する具体例では、図7(b)に示す状態が、実質的に局3が復帰している状態であり、従ってその後に図7(c)の状態には成り得ない。
すなわち、この具体例では、のように局3のノードが脱落した後、作業員等が、このノードに対して手作業で正しい局番として‘5’を設定したものとする。そして、このノードを復帰させたものとする。
この場合、このノードは、自局の局番は‘5’であるとして認識して動作するので、勿論、加入要求でも自局の局番=‘5’としている。これより、マスタノードは、図7(b)で説明した通り、局番‘5’は割当管理テーブル50には未登録であることから、新規加入要求があったものとして、のように新たなタイムスロットTS9,TS10を割り当てることになる。
つまり、この例の場合、局5は、実は元々は局3であったノードである。この為、この例の場合には、その後に局3からの加入要求が来る事は無く、従って図7(c)の状態となることはない。つまり、TS3,TS4は、有効利用されることはなく、無駄な帯域として残されることになる。例えば、この様な問題が生じる場合があり得る。
尚、ノードの脱落は、例えばノードの電源OFFや、ノードをネットワークから切り離すこと等によって実現させる。そして、その後にノードの電源をONしたり、ノードをネットワークに再接続することで、ノードを復帰させることになる。
あるいは、図7(b)に示す状態において局3が復帰したが、図7(d)に示すように局3が再加入できない事態となることもあり得る。この例では、局3のノードに関して、脱落中に何等かの変更作業が行われた結果、送信データ量に応じて必要な送信帯域(タイムスロット数)が‘6’になったものとする。
この場合、局3は復帰に伴って加入要求を出すが、要求するタイムスロット数が‘6’であるのに対して、空き帯域はTS3,TS4、TS11〜TS15の合計‘7’であるが、これらは連続しておらず‘2’と‘5’とに分散している為、図7(d)に示すように大きい方の‘5’であっても、要求するタイムスロット数‘6’には足りないことになる。この為、マスタノードは、加入許可できないものと判定してしまう。
例えば、この様に、全体としては必要な分の空き帯域があるにも係わらず、分散している為に、復帰したスレーブ局が再加入出来ない場合が起こり得るものであり、送信帯域が有効に活用できない。
例えば、制御システム等の連続稼働を基本としつつ、任意の局について脱落中にそのシステム制御アプリケーションを変更等したことによって送信データ量が変更された場合には、ネットワーク運用中の状態のままで、その局に割当てられていた既存の帯域を空き帯域としたうえで、あらためて帯域の割り当てを行うことで再加入させたいという要望がある。
しかし、割当てられていた既存の帯域を空き帯域にしても、別の空き帯域と連続しない状態になることがある。つまり、空き帯域が分断されることがある。この為、スレーブ局が必要とする送信帯域数が、マスタ局が管理する空き帯域数より少ない場合でも、スレーブ局が加入できないことがあった。例えば、のように、空き帯域が全体で‘7’に対して必要な帯域数が‘6’であっても、スレーブ局が加入できないことがあった。
また、空き帯域分断状況を解消するためには、全システムを再起動する必要があった。つまり、一旦、割当管理テーブル50の登録データを全消去したうえで、最初から帯域割当し直す必要があった。勿論、この場合も、加入順に割当てることになる。
上述した通信サイクルを複数のタイムスロットに分割して、各ノードに異なるタイムスロット(1以上のタイムスロット)を割当てる時分割多重アクセス方式のネットワークシステムにおいて、のような問題が存在する。
本発明の課題は、時分割多重アクセス方式のネットワークシステムにおいて、局番だけでなく固体識別番号も用いることで、特に帯域割当済みの局が脱落後に適切な帯域割当てが行えるネットワーク通信システム等を提供することである。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
本発明のネットワーク通信システムは、マスタノードとスレーブノードを含む複数のノードがネットワークに接続されて成り、通信サイクルを複数の帯域に分割して、各ノードに相互に異なる1以上の帯域を割当てる時分割多重アクセス方式のネットワークシステムにおいて、各スレーブノードは、該ネットワークへの加入/再加入時に前記マスタノードに対して加入要求を出す。
【発明の効果】
本発明のネットワーク通信システム等によれば、時分割多重アクセス方式のネットワークシステムにおいて、局番だけでなく固体識別番号も用いることで、特に帯域割当済みの局が脱落後に適切な帯域割当てが行える。特に、無駄な帯域が残ってしまう自体を回避でき、以って例えば本来は帯域割当て可能であるはずにも係わらず帯域割当出来なくなる事態を回避できる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】本例のネットワーク通信システムの概略構成図である。
【図2】割当管理テーブルのデータ構成例である。
【図3】マスタノードの処理フローチャート図である。
【図4】(a)〜(c)は、送信帯域割当てプロセスの具体例(1/2)である。
【図5】(a)、(b)は、送信帯域割当てプロセスの具体例(2/2)である。
【図6】本例のネットワーク通信システムのノードの機能ブロック図である。
【図7】従来の送信帯域割当てプロセスの具体例である。
1 ノード
2 ネットワーク
10 割当管理テーブル
11 固体識別番号
12 局番
13 データ量
14 送信帯域位置
15 状態
20 マスタノード
21 割当管理テーブル記憶部
22 状態監視部
23 帯域割当部
30 スレーブノード
31 加入要求部
32 データ送信部
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