特許第6252390号(P6252390)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252390
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】直流電力受電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/00 20060101AFI20171218BHJP
【FI】
   H02J1/00 306M
   H02J1/00 306B
   H02J1/00 304
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-147492(P2014-147492)
(22)【出願日】2014年7月18日
(65)【公開番号】特開2016-25711(P2016-25711A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2017年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100128587
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 一騎
(72)【発明者】
【氏名】森田 直
【審査官】 古河 雅輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−003674(JP,A)
【文献】 特開平11−089092(JP,A)
【文献】 特開2011−015502(JP,A)
【文献】 特開2013−223314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26− 1/32
H01M 10/42−10/48
H02J 1/00− 1/16
H02J 7/00− 7/12
H02J 7/34− 7/36
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電力の正側出力と中性点との間の電位差である第1の電位差及び前記中性点と前記直流電力の負側出力との間の電位差である第2の電位差の変化に遅延を持たせる遅延回路と、
前記遅延回路の後段に設けられ、所定のヒステリシスを有し、前記第1の電位差と前記第2の電位差との大小を比較する比較回路と、
前記比較回路の比較の結果、前記第1の電位差と前記第2の電位差との差が所定量以上生じると、前記第1の電位差または前記第2の電位差の大きい方から直流電力を受電するよう切り替える切替回路と、
を備える、直流電力受電装置。
【請求項2】
前記切替回路は、前記第1の電位差と前記第2の電位差との差が所定時間継続して前記所定量以上生じると、前記第1の電位差または前記第2の電位差の大きい方から電力を受電するよう前記正側出力と前記負側出力とを切り替える、請求項1に記載の直流電力受電装置。
【請求項3】
前記遅延回路は、
前記正側出力と前記負側出力との間の電位差を分圧する抵抗と、
前記比較回路の前段に設けられる容量素子と、
を含む、請求項1または2に記載の直流電力受電装置。
【請求項4】
前記比較回路は、前記正側出力及び前記負側出力で供給される電圧を前記抵抗で1/2に分圧した中間の電圧と、前記中性の電圧とを比較する、請求項3に記載の直流電力受電装置。
【請求項5】
前記比較回路は、コンパレータで構成される、請求項1〜4のいずれかに記載の直流電力受電装置。
【請求項6】
前記切替回路は、前記正側出力及びグランドまたは前記負側出力及びグランドのいずれかで直流電力が受電されるよう切り替える、請求項1〜5のいずれかに記載の直流電力受電装置。
【請求項7】
前記切替回路は、リレーで構成される、請求項6に記載の直流電力受電装置。
【請求項8】
前記切替回路によって前記第1の電位差または前記第2の電位差の大きい方に切り替えられた直流電力を受電して動作する主回路をさらに備える、請求項1〜7のいずれかに記載の直流電力受電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、直流電力受電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電池を備えることで、入力電源からの電力が途絶えても、接続されている機器に対して、停電することなく所定の時間電力を蓄電池から供給し続けることができる無停電電源装置の存在が知られている。このような電源装置を需要家単位に拡大して、停電や蓄電池の容量不足等の電力供給の異常発生時に電力を需要家に供給する技術が提案されている(特許文献1、2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−205871号公報
【特許文献2】特開2013−90560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
直流電力を供給する電力供給システムにおいて、正極線、負極線及び中性線の3線で直流電力を供給する際に、正極線及び負極線で電力を受け取る場合と、正極線または負極線と、中性線とを用いて電力を受け取る場合とがある。しかし、正極線または負極線と、中性線とを用いて電力を受け取る場合、中性線が遮断する等のトラブルが起こると、想定された電圧以上の電圧が、直流電力を受電する機器に印加されてしまう。
【0005】
また正極線または負極線と、中性線とを用いて電力を受け取る場合、正極線または負極線のいずれか一方からの受電が行われ続けると、直流電力を供給する側のバランスが崩れ、送電効率が悪くなる。
【0006】
そこで本開示では、安全に、かつ効率よく直流電力を受電することが可能な、新規かつ改良された直流電力受電装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、直流電力の正側出力と中性点との間の電位差である第1の電位差及び前記中性点と前記直流電力の負側出力との間の電位差である第2の電位差の変化に遅延を持たせる遅延回路と、前記遅延回路の後段に設けられ、所定のヒステリシスを有し、前記第1の電位差と前記第2の電位差との大小を比較する比較回路と、前記比較回路の比較の結果、前記第1の電位差と前記第2の電位差との差が所定量以上生じると、前記第1の電位差または前記第2の電位差の大きい方から直流電力を受電するよう切り替える切替回路と、を備える、直流電力受電装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本開示によれば、安全に、かつ効率よく直流電力を受電することが可能な、新規かつ改良された直流電力受電装置を提供することができる。
【0009】
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係る直流電力送受電システム1の構成例を示す説明図である。
図2】交流3線式電力供給方式による受電回路の例を示す説明図である。
図3】直流3線式電力供給方式による受電回路の例を示す説明図である。
図4】本開示の一実施形態に係る直流電力受電装置200に設けられる受電回路300の構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の一実施形態
1.1.概要
1.2.構成例
2.まとめ
【0013】
<1.本開示の一実施形態>
[1.1.概要]
本開示の一実施形態について説明する前に、本開示の一実施形態の概要について説明する。
【0014】
各需要家に蓄電池を有するバッテリサーバを備え、商用電源や、太陽光、風力、地熱等の自然エネルギーにより発生した電力を用いて蓄電池に電力を蓄えておき、その蓄電池に蓄えた電力を使って電気製品を動作させる仕組みが、今後ますます普及していくことが想定される。そのような仕組みの普及を踏まえ、上述したように、ある需要家のバッテリサーバにおいて電力が不足した場合に、電力に余裕のある需要家のバッテリサーバから、その電力が不足している需要家のバッテリサーバに電力を融通するシステムが考案されている。電力を需要家同士で供給しあう際は、蓄電池からの電力供給を考慮すると、直流電力による供給が行われることが、効率面を考えると望ましい。
【0015】
直流電力の供給方式は様々であるが、中でも、正極線、負極線及び中性線の3線によって直流電力を送電する直流3線式電力供給方式が検討されている。例えば、正極線で100V、負極線で−100Vの電圧が印加され、中性線ではどこか1箇所で接地されることで0V付近の電圧が出力される直流3線式電力供給方式が考えられる。
【0016】
このような直流3線式電力供給方式で直流電力を供給する電力供給システムにおいて、正極線、負極線及び中性線の3線で直流電力を供給する際に、正極線及び負極線で電力を受け取る場合と、正極線または負極線と、中性線とを用いて電力を受け取る場合とがある。しかし、正極線または負極線と、中性線とを用いて電力を受け取る場合、中性線が遮断する等のトラブルが起こると、想定された電圧以上の電圧が、直流電力を受電する機器に印加されてしまう。
【0017】
また正極線または負極線と、中性線とを用いて電力を受け取る場合、正極線または負極線のいずれか一方からの受電が行われ続けると、直流電力を供給する側のバランスが崩れ、送電効率が悪くなる。
【0018】
そこで本件開示者は、直流電力を受電する際に、安全に、かつ効率よく直流電力を受電することが可能になる技術について鋭意検討を行なった。その結果、本件開示者は、以下で説明するように、直流電力を受電する際に、中性線が遮断する等のトラブルが起こった場合でも定格電圧以上の電圧が掛かってしまう危険性を大きく軽減させ、かつ効率よく直流電力を受電することが可能になる技術を考案するに至った。
【0019】
以上、本開示の一実施形態の概要について説明した。続いて、本開示の一実施形態の構成例について説明する。
【0020】
[1.2.構成例]
図1は、本開示の一実施形態に係る直流電力送受電システム1の構成例を示す説明図である。以下、図1を用いて本開示の一実施形態に係る直流電力送受電システム1の構成例について説明する。
【0021】
図1に示した本開示の一実施形態に係る直流電力送受電システム1は、直流による電力の給電を行なうことを目的としたシステムである。図1に示したように、本開示の一実施形態に係る直流電力送受電システム1は、直流電力給電装置100a、100b、100cと、直流電力受電装置200a〜200eと、を含んで構成される。
【0022】
図1では、直流電力給電装置100aはバッテリを備えたバッテリサーバとして図示しており、直流電力給電装置100bは電気自動車として図示しており、直流電力給電装置100cは太陽電池パネルとして図示している。
【0023】
また図1では、直流電力受電装置200aは洗濯機として、直流電力受電装置200bは冷蔵庫として、直流電力受電装置200cはテレビ受像機として、直流電力受電装置200dはパーソナルコンピュータとして、直流電力受電装置200eは電灯として、それぞれ図示している。直流電力受電装置200a〜200eは、いずれも家庭内において、直流電力を直接受電して動作する装置である。なお、以下の説明において、直流電力受電装置200a〜200eをそれぞれ区別する必要がない場合は、単に直流電力受電装置200と表記することもある。
【0024】
本開示の一実施形態に係る直流電力送受電システム1は、直流電力給電装置100a、100b、100cから直流電力受電装置200a〜200eへの直流電力の給電を、直流バスライン10を通じて行なう。本実施形態では、直流バスライン10は、正極線、中性線、負極線の3線で構成される。例えば、正極線の定格電圧は+100V、負極線の定格電圧は−100Vでありうる。もちろん正極線や負極線の定格電圧はかかる例に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0025】
直流電力給電装置100a、100b、100cは、直流バスライン10とそれぞれ電力給電コネクタ20で接続され得る。直流電力受電装置200a〜200eは、直流バスライン10とそれぞれ直流プラグ30で接続され得る。電力給電コネクタ20や直流プラグ30の形状その他の仕様は、直流バスライン10による直流電力の送受電が可能なように構成されるものであれば、どのようなものでも構わない。
【0026】
図1に示した本開示の一実施形態に係る直流電力送受電システム1では、直流電力を給電する直流電力給電装置100a、100b、100cの内、いずれか1つのみが、直流バスライン10への電力の送受電を制御する制御権を有するように構成されていても良い。例えば直流電力給電装置100aは、直流電力受電装置200aへ直流バスライン10を通じた直流電力の給電を行う場合、まず直流電力給電装置100b、100cとの間で制御権の獲得について調停を行なって、直流電力給電装置100b、100cがともに制御権を得ていなければ直流電力給電装置100aが制御権を得てから、直流電力受電装置200aへ直流電力の給電を行うようにしても良い。
【0027】
図1に示した本開示の一実施形態に係る直流電力送受電システム1では、バッテリサーバである直流電力給電装置100aが接続される中性線において1点で接地されている。なお直流電力送受電システムにおいて中性線が接地される場所は図1に示した場所に限定されるものではないが、どこで接地されていても、直流電力送受電システムの全体としてその1点でのみ接地される。
【0028】
図2は、交流3線式電力供給方式による受電回路の例を示す説明図である。また図3は、直流3線式電力供給方式による受電回路の例を示す説明図である。図2に示した交流3線式電力供給方式による受電回路は、中性線から見てAC100Vとなる端子が両側から出ている。片方は他方に対し位相が反転しているため、両端子間の電圧は合計200Vとなる。
【0029】
一方の図3に示した直流3線式電力供給方式は、中性線を0Vとして、プラス端子及びマイナス端子が出ており、プラス端子で+100V、マイナス端子で−100Vを受電する。従って直流3線式電力供給方式では、プラス端子とマイナス端子との電位差が200Vとなる構成である。
【0030】
直流電力受電装置200a〜200eは、正極線、中性線、負極線の3線で構成される直流バスライン10から電力を受電する。直流電力受電装置200a〜200eは、正極線および負極線によって電力を受電するものもあれば、正極線または負極線と、中性線とによって電力を受電するものもあり得る。すなわち、正極線の定格電圧は+100V、負極線の定格電圧は−100Vであるとすれば、定格電圧が200Vの機器と、100Vの機器とがあり得る。
【0031】
正極線の定格電圧は+100V、負極線の定格電圧は−100Vであるとした場合、例えば、パーソナルコンピュータとして図示されている直流電力受電装置200dや、電灯として図示されている直流電力受電装置200eを、正極線または負極線と、中性線とによって電力を受電する機器、すなわち定格電圧が100Vの機器であるとする。
【0032】
このような定格電圧が100Vの機器に、誤って正極線および負極線の両方によって200Vの直流電力を受電してしまうと、定格電圧の倍の電圧が印加されてしまうことになる。従って、定格電圧が100Vの機器に、誤って正極線および負極線の両方によって200Vの直流電力を受電してしまうと、機器の破損につながりかねない。
【0033】
また、正極線、負極線及び中性線の3線で直流電力が供給される際に、正極線または負極線のいずれか一方からの受電が行われ続けると、直流電力を供給する側でのバランスが崩れ、送電効率が悪くなる。例えば、正極線の電圧が+95V、負極線の電圧が−100Vとなっている状態で、正極線及び中性線によって受電を行うと正極線の電圧がさらに低下して、直流電力を供給する側でのバランスが崩れることになる。このような場合、受電側では、正極線及び中性線ではなく、負極線及び中性線によって受電を行うように自動的にコントロールされることが望ましい。
【0034】
そこで本実施形態では、正極線または負極線と、中性線とによって電力を受電する機器において、中性点から見た他の端子の電圧(電圧の絶対値)の高い方を選択し接続するよう構成する。また本実施形態では、正極線または負極線と、中性線とによって電力を受電する機器において、電圧の高い端子を検出する回路を備え、当該回路においてその検出に遅延を持たせ、かつヒステリシスを持たせるよう構成する。
【0035】
このように、中性点から見た他の端子の電圧(電圧の絶対値)の高い方を選択し接続するよう構成するとともに、検出に遅延を持たせ、かつヒステリシスを持たせるよう構成することで、本実施形態に係る、正極線または負極線と、中性線とによって電力を受電する機器は、安全に直流電力を受電するとともに、瞬間的な電圧変動に対し頻繁な端子の切り換えを抑えることが可能になる。
【0036】
以上、図1を用いて本開示の一実施形態に係る直流電力送受電システム1の構成例について説明した。続いて、本開示の一実施形態に係る直流電力受電装置に設けられる受電回路の構成例について説明する。
【0037】
図4は、本開示の一実施形態に係る直流電力受電装置200に設けられる受電回路300の構成例を示す説明図である。図4に示した受電回路300は、直流バスライン10を通じて送電される直流電力を受電する回路である。以下、図4を用いて本開示の一実施形態に係る直流電力受電装置200に設けられる受電回路300の構成例について説明する。
【0038】
図4に示したように、本開示の一実施形態に係る直流電力受電装置200に設けられる受電回路300は、コンパレータIC1及びリレーRY1、RY1−1、RY1−2を含んで構成される。また図4には、正極線または負極線と、中性線とによって、直流バスライン10を通じて送電される直流電力を受電して動作するDC主回路310が示されている。すなわちDC主回路310は、正極線及び負極線で供給される電力の定格電圧の半分の定格電圧で動作する。図4に示した受電回路300は、正極線で+100Vまでの電圧を、負極線で−100Vまでの電圧を、それぞれ受電する設計となっている。
【0039】
コンパレータIC1は、電圧を比較して、比較結果に応じて出力を変化させる素子である。本実施形態では、コンパレータIC1は、正極線及び負極線で供給される電圧を抵抗R1、R2で1/2に分圧した中間の電圧と、中性線の電圧(中性点)とを比較する。本実施形態では、コンパレータIC1で、正極線及び負極線で供給される電圧を抵抗R1、R2で1/2に分圧した中間の電圧と、中性線の電圧(中性点)とを比較することで、正極線の電圧と中性線の電圧との電位差と、中性線の電圧と負極線の電圧との電位差の大小を比較している。そしてコンパレータIC1は、正極線及び負極線で供給される電圧の中間の電圧と、中性線の電圧とを比較した結果をリレーRY1に出力する。中性線は、図4に示したように1点で接地されており、電圧比較の基準となる中性線の電圧は基本的にはグランド電位で変化しない。
【0040】
リレーRY1は、コンパレータIC1の出力に応じてリレーRY1−1、RY1−2の切り替えを行なう。正極線及び負極線で供給される電圧の中間の電圧と、中性線の電圧とを比較した結果が0以上であれば、リレーRY1は、正極線とGNDとをDC主回路310に接続し、結果がマイナスであれば、リレーRY1は、負極線とGNDとをDC主回路310に接続するよう、リレーRY1−1、RY1−2を切り替える。すなわち、中間の電圧の方が中性線の電圧以上であれば、リレーRY1は、正極線とGNDとをDC主回路310に接続するよう動作し、中間の電圧の方が中性線の電圧より低ければ、リレーRY1は、負極線とGNDとをDC主回路310に接続するよう動作する。
【0041】
コンパレータIC1は上述したように、正極線及び負極線で供給される電圧の中間の電圧と、中性線の電圧とを比較した結果をリレーRY1に出力する。直流バスライン10の電圧の変動が頻繁に発生すると、正極線及び負極線で供給される電圧の中間の電圧と、中性線の電圧とを比較した結果も頻繁に変化することになる。極線及び負極線で供給される電圧の中間の電圧と、中性線の電圧とを比較した結果が頻繁に変化すると、リレーRY1による切り替え動作も頻繁に発生することになり、スイッチング動作が安定しなくなってしまう。
【0042】
そこで図4に示した受電回路300では、コンパレータIC1の入力側にコンデンサCが設けられる。コンデンサCは、抵抗R1の抵抗値と、コンデンサCの容量との積により、コンパレータIC1の入力側の電圧変化を緩慢にする役割を果たしている。
【0043】
コンパレータIC1の入力側にコンデンサCが設けられて、コンパレータIC1の入力側の電圧変化が緩慢になることで、受電回路300は、コンパレータIC1の入力の瞬間的な変動の発生を抑えている。
【0044】
そして受電回路300は、コンパレータIC1の入力側の電圧変化が緩慢になることで、コンパレータIC1の出力も頻繁には変化しなくなり、リレーRY1による切り替え動作が頻繁に行われるのを防ぎ、スイッチング動作を安定させることができる。
【0045】
なお、抵抗R1の抵抗値や、コンデンサCの容量値は、正極線で及び負極線で供給される電圧値や、切り替えを許容する電位差等の設計値に応じて適宜設定することが可能な値であり、特定の値に限定されるものではない。
【0046】
またコンパレータIC1はヒステリシス機能を有している。コンパレータIC1は、ヒステリシス機能によって、正極線で供給される電圧と、負極線で供給される電圧との中間の電圧と、中性線の電圧との比較の際に、電位差が所定時間継続して所定量以上生れば、リレーRY1−1、RY1−2の切り替えを行うように、リレーRY1−1、RY1−2の切り替え動作を制御することができる。
【0047】
なお、コンパレータIC1にヒステリシス機能を持たせるための、コンパレータIC1の内部の回路構成は特定のものに限定されるものではない。またコンパレータIC1にヒステリシス機能を持たせた際のヒステリシス幅は、正極線で及び負極線で供給される電圧値や、切り替えを許容する電位差等の設計値に応じて適宜設定することが可能な値であり、特定の値に限定されるものではない。
【0048】
本開示の一実施形態に係る直流電力受電装置200に設けられる受電回路300は、図4に示したような構成を有することで、中性点から見た他の端子の電圧(電圧の絶対値)の高い方を選択し接続することができる。
【0049】
また本開示の一実施形態に係る直流電力受電装置200に設けられる受電回路300は、図4に示したような、電圧の検出に遅延を持たせ、かつヒステリシスを持たせるよう構成することで、DC主回路310に安全に直流電力を受電させることができるとともに、瞬間的な電圧変動に対し頻繁なリレーRY1−1、RY1−2の切り換えを抑えることが可能になる。
【0050】
以上、図4を用いて本開示の一実施形態に係る直流電力受電装置200に設けられる受電回路300の構成例について説明した。
【0051】
<2.まとめ>
以上説明したように、本開示の一実施形態によれば、直流電力を受電する際に、中性線が遮断する等のトラブルが起こった場合でも定格電圧以上の電圧が掛かってしまう危険性を大きく軽減させ、かつ効率よく直流電力を受電することが可能な、直流電力受電装置200及び直流電力受電装置200に設けられる受電回路300が提供される。
【0052】
本開示の一実施形態に係る受電回路300は、正極線及び負極線で供給される電圧の中間の電圧と、中性線の電圧とをコンパレータIC1で比較する。また本開示の一実施形態に係る受電回路300は、正極線及び負極線で供給される電圧の中間の電圧と、中性線の電圧とを比較した結果を、コンパレータIC1からリレーRY1に出力する。そして本開示の一実施形態に係る受電回路300は、コンパレータIC1の出力に応じて、電圧(電圧の絶対値)が高い方から電圧を受電するようにリレーRY1−1、RY1−2を切り替える。
【0053】
本開示の一実施形態に係る受電回路300は、上述したように動作することで、中性点から見た他の端子の電圧(電圧の絶対値)の高い方を選択して接続することができる。本開示の一実施形態に係る受電回路300は、中性点から見た他の端子の電圧(電圧の絶対値)の高い方を選択して接続するので、直流電力の送電側での電圧バランスを受電側で自動的に調整することが可能になる。
【0054】
また本開示の一実施形態に係る受電回路300は、中性点から見た他の端子の電圧(電圧の絶対値)の高い方を選択する際に、コンパレータIC1の入力側にコンデンサCを設け、コンパレータIC1の入力側の電圧変化を緩慢にさせる。コンパレータIC1の入力側の電圧変化が緩慢になることで、本開示の一実施形態に係る受電回路300は、コンパレータIC1の入力の瞬間的な変動の発生を抑えている。
【0055】
そして本開示の一実施形態に係る受電回路300は、コンパレータIC1の入力側の電圧変化が緩慢になることで、コンパレータIC1の出力も頻繁には変化しなくなり、リレーRY1による切り替え動作が頻繁に行われるのを防ぎ、スイッチング動作を安定させることができる。
【0056】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0057】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0058】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
直流電力の正側出力と中性点との間の電位差である第1の電位差及び前記中性点と前記直流電力の負側出力との間の電位差である第2の電位差の変化に遅延を持たせる遅延回路と、
前記遅延回路の後段に設けられ、所定のヒステリシスを有し、前記第1の電位差と前記第2の電位差との大小を比較する比較回路と、
前記比較回路の比較の結果、前記第1の電位差と前記第2の電位差との差が所定量以上生じると、前記第1の電位差または前記第2の電位差の大きい方から直流電力を受電するよう切り替える切替回路と、
を備える、直流電力受電装置。
(2)
前記切替回路は、前記第1の電位差と前記第2の電位差との差が所定時間継続して前記所定量以上生じると、前記第1の電位差または前記第2の電位差の大きい方から電力を受電するよう前記正側出力と前記負側出力とを切り替える、前記(1)に記載の直流電力受電装置。
(3)
前記遅延回路は、
前記正側出力と前記負側出力との間の電位差を分圧する抵抗と、
前記比較回路の前段に設けられる容量素子と、
を含む、前記(1)または(2)に記載の直流電力受電装置。
(4)
前記比較回路は、前記正極線及び前記負極線で供給される電圧を前記抵抗で1/2に分圧した中間の電圧と、前記中性線の電圧とを比較する、前記(3)に記載の直流電力受電装置。
(5)
前記比較回路は、コンパレータで構成される、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の直流電力受電装置。
(6)
前記切替回路は、前記正側出力及びグランドまたは前記負側出力及びグランドのいずれかで直流電力が受電されるよう切り替える、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の直流電力受電装置。
(7)
前記切替回路は、リレーで構成される、前記(6)に記載の直流電力受電装置。
(8)
前記切替回路によって前記第1の電位差または前記第2の電位差の大きい方に切り替えられた直流電力を受電して動作する主回路をさらに備える、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の直流電力受電装置。
【符号の説明】
【0059】
1 :直流電力送受電システム
10 :直流バスライン
20 :電力給電コネクタ
30 :直流プラグ
100a〜100c :直流電力給電装置
200、200a〜200e :直流電力受電装置
300 :受電回路
310 :DC主回路
IC1 :コンパレータ
C :コンデンサ
R1、R2 :抵抗
RY1、RY1−2、RY1−3 :リレー
図1
図2
図3
図4