特許第6252426号(P6252426)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252426
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】オーディオ信号処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04S 7/00 20060101AFI20171218BHJP
   H04S 1/00 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   H04S7/00 320
   H04S1/00 200
【請求項の数】8
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-206982(P2014-206982)
(22)【出願日】2014年10月8日
(65)【公開番号】特開2016-76863(P2016-76863A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2016年10月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112210
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108431
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 加奈子
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(72)【発明者】
【氏名】木村 勝
(72)【発明者】
【氏名】堀田 厚
【審査官】 下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−055006(JP,A)
【文献】 特開2000−050399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04S 1/00 − 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーディオ信号の右信号及び左信号の同相成分を決定する同相成分決定手段と、
前記右信号及び前記左信号の逆相成分を決定する逆相成分決定手段と、
前記逆相成分決定手段で決定された前記逆相成分に対しクロストークキャンセル用の伝達特性を付与することにより、変形された逆相成分を決定する変形手段と、
前記クロストークキャンセル用の伝達特性を前記変形手段に設定する設定手段と、
前記変形手段で決定された前記変形された逆相成分と前記同相成分決定手段で得られた前記同相成分との差の信号を生成する差信号生成手段と、
前記変形手段で決定された前記変形された逆相成分と前記同相成分決定手段で得られた前記同相成分との和の信号を生成する和信号生成手段と、
を備え、
前記設定手段は、
前記変形手段に設定する前記クロストークキャンセル用の伝達特性として、
ステレオスピーカにおける片側のスピーカにより再生された音がリスナーの前記片側のスピーカと同じ側の耳に到達するまでの伝達特性がHd、前記片側のスピーカにより再生された音が前記リスナーの前記片側のスピーカと反対側の耳に到達するまでの伝達特性がHxで表されるとき、(Hd+Hx)/(Hd−Hx)で表される第1の伝達特性のインパルス応答の時間波形を応答の途中で打切った場合に相当するインパルス応答特性、を有する第2の伝達特性
を設定し、
前記第1の伝達特性のインパルス応答の時間波形の始めから前記応答の途中までの時間幅の値は、前記リスナーの頭部を迂回して前記リスナーの両耳の一方の耳から他方の耳に音が伝わるのに要する伝搬時間の値以下の値である
オーディオ信号処理装置。
【請求項2】
前記設定手段は、
前記伝搬時間の値以下の値と前記伝搬時間の値以下の値と異なる値を有する第2の時間幅に従って、前記第2の伝達特性を変更する、
請求項に記載のオーディオ信号処理装置。
【請求項3】
前記設定手段は、
前記クロストークキャンセル用の伝達特性として前記第1の伝達特性と前記第2の伝達特性とを切替えて設定する、
請求項1または請求項2に記載のオーディオ信号処理装置。
【請求項4】
前記右信号及び前記左信号は、
デジタル信号であり、
前記変形手段は、
前記クロストーク成分キャンセル用の伝達特性を付与するFIRフィルタであり、
前記設定手段は、
前記第1の伝達特性のインパルス応答を決定する第1の決定手段と、
前記第1の決定手段で求められた前記第1の伝達特性のインパルス応答の時間波形のうちの前記時間幅分の応答を元に、前記FIRフィルタのフィルタ係数を決定する第2の決定手段と、
を有し、
前記第2の決定手段で決定した前記フィルタ係数を、前記クロストーク成分キャンセル用の伝達特性として前記FIRフィルタに設定する、
請求項から請求項のいずれか1項に記載のオーディオ信号処理装置。
【請求項5】
前記右信号及び前記左信号は、
デジタル信号であり、
前記変形手段は、
前記クロストーク成分キャンセル用の伝達特性を付与するFIRフィルタであり、
前記設定手段は、
前記第1の伝達特性のインパルス応答の応答波形を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の伝達特性のインパルス応答の時間波形のうちの前記時間幅分の応答を元に、前記FIRフィルタのフィルタ係数を決定する第3の決定手段と、
を有し、
前記第3の決定手段で決定した前記フィルタ係数を、前記クロストークキャンセル用の伝達特性として前記FIRフィルタに設定する、
請求項から請求項のいずれか1項に記載のオーディオ信号処理装置。
【請求項6】
前記伝達特性Hdと前記伝達特性Hxとを表すための情報、および前記時間幅を表すための情報、の少なくとも一方を入力する入力手段をさらに備え、
前記設定手段は、
前記入力手段において入力された前記伝達特性Hdと前記伝達特性Hxとを表すための情報、および前記時間幅を表すための情報、の少なくとも一方に従って、前記クロストークキャンセル用の伝達特性を前記変形手段に設定する、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載のオーディオ信号処理装置。
【請求項7】
オーディオ信号の右信号及び左信号の同相成分を決定する同相成分決定手段と、
前記右信号及び前記左信号の逆相成分を決定する逆相成分決定手段と、
ステレオスピーカにおける片側のスピーカにより再生された音がリスナーの前記片側のスピーカと同じ側の耳に到達するまでの伝達特性がHd、前記片側のスピーカにより再生された音が前記リスナーの前記片側のスピーカと反対側の耳に到達するまでの伝達特性がHxで表されるとき、(Hd+Hx)/(Hd−Hx)で表される第1の伝達特性のインパルス応答の時間波形を応答の途中で打切った場合に相当するインパルス応答特性、を有する第2の伝達特性を前記逆相成分決定手段で得られた前記逆相成分に対しクロストークキャンセル用の伝達特性として付与することにより、変形された逆相成分を決定する変形手段と、
前記変形手段で決定された前記変形された逆相成分と前記同相成分決定手段で決定された前記同相成分との差の信号を生成する差信号生成手段と、
前記変形手段で決定された前記変形された逆相成分と前記同相成分決定手段で決定された前記同相成分との和の信号を生成する和信号生成手段と、
を備え、
前記第1の伝達特性のインパルス応答の時間波形の始めから前記応答の途中までの時間幅の値は、前記リスナーの頭部を迂回して前記リスナーの両耳の一方の耳から他方の耳に音が伝わるのに要する伝搬時間の値以下の値である
オーディオ信号処理装置。
【請求項8】
オーディオ信号の右信号及び左信号の同相成分と、前記右信号及び前記左信号の逆相成分を変形した変形逆相成分と、の差の決定、
および前記同相成分と前記変形逆相成分との和の決定、
を行うCPUと、
前記CPUにおける処理に必要な情報を記憶するメモリと、
を備え、
前記変形逆相成分は、
クロストークキャンセル用の伝達特性の付与によって変形した前記逆相成分であり、
前記クロストークキャンセル用の伝達特性は、
ステレオスピーカにおける片側のスピーカにより再生された音がリスナーの前記片側のスピーカと同じ側の耳に到達するまでの伝達特性がHd、前記片側のスピーカにより再生された音が前記リスナーの前記片側のスピーカと反対側の耳に到達するまでの伝達特性がHxで表されるとき、(Hd+Hx)/(Hd−Hx)で表される第1の伝達特性のインパルス応答の時間波形を応答の途中で打切った場合に相当するインパルス応答特性、を有する第2の伝達特性、を有し、
前記第1の伝達特性のインパルス応答の時間波形の始めから前記応答の途中までの時間幅の値は、前記リスナーの頭部を迂回して前記リスナーの両耳の一方の耳から他方の耳に音が伝わるのに要する伝搬時間の値以下の値である
オーディオ信号処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号処理装置、特には、スピーカを用いてオーディオ信号を再生するための信号処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の、スピーカを用いてオーディオ信号を再生するための信号処理技術として、実際に設置したステレオスピーカの間隔以上に再生音像の広がりを実現する、いわゆるサラウンド再生技術が知られている。
【0003】
ここで「オーディオ」とは、一般には音の伝送、記録、再生、聴取について、機器から利用技術までを含めた分野をいう。
【0004】
サラウンド再生技術に用いられる技術として、バイノーラル技術が知られている。 (例えば非特許文献1の9.2.1章参照。)
バイノーラル技術を応用して、ある空間における任意の位置から同じ空間内の任意の位置にいる人間の両耳までの伝達特性を、音源信号に畳み込むことにより、リスナーの両耳に到達するであろう信号を生成する。このようにして生成した信号をここではバイノーラル信号と呼ぶ。
【0005】
再生機器としてヘッドホンを用いてバイノーラル信号をリスナーの両耳に提示することにより、任意の位置に音源があるかのようにリスナーに錯覚させることができる。
【0006】
このように錯覚による音像は仮想音像と呼ばれ、ステレオ音響信号の再生音像をより広げることが可能となる。
【0007】
ただし、再生機器としてヘッドホンでなくスピーカを用いる場合には、リスナーの片方の耳(例えば右耳)に提示するための信号を片方のスピーカ(例えば右スピーカ)からそのまま再生すると、反対側の耳(例えば左耳)にも音が到達するという、いわゆるクロストークが発生する。
【0008】
クロストークが発生するとバイノーラル信号を正しく両耳に提示することができないため、想定した位置に音像が定位しなくなるという問題が起こる。
【0009】
このため、スピーカを用いてバイノーラル信号を再生した音を正しく両耳に届けるため、いわゆるクロストークキャンセル処理が必要とされる。
【0010】
クロストークキャンセル処理としては各種の方法が知られている。 (例えば非特許文献1の9.2.2章の図9.4参照。)
【0011】
非特許文献1では、各スピーカから出た音が各耳に到達するまでの伝達関数を表す行列がGで表されるとき、逆行列G−1を伝達特性とするフィルタを、スピーカに信号が入力される前の段階に挿入して、いわゆるフィルタ処理を行う。
【0012】
これによりクロストークキャンセル処理がされて、リスナーの左右の耳にバイノーラル信号を再生した音を正確に提示させることが可能となる。
【0013】
しかし、非特許文献1の方法によりクロストークキャンセル処理を施すと、エコーがかかったようになり、音質が劣化するという問題がある。
【0014】
この音質劣化を説明するために、非特許文献1のクロストークキャンセル処理において左右の入力信号として同相の信号が入力された場合について説明する。
【0015】
なお、同相の入力信号をクロストークキャンセル処理せずにそのまま左右のスピーカから再生すると、リスナーにとって左右のスピーカの中央に音像が定位するため、以下では、中央定位成分信号と称する場合がある。
【0016】
図14は、クロストークキャンセル処理の、同相信号に対するフィルタ出力の例を示す模式図である。
【0017】
図において、Routは、フィルタ処理され右スピーカに入力される信号(非特許文献1中ではy1と記載。)、Loutはフィルタ処理され左スピーカに入力される信号(非特許文献1中ではy2と記載。)、縦軸は信号の振幅、横軸は時間、矢印が信号成分を示す。
【0018】
図14は、動作を分かりやすく説明するために、(1)クロストークキャンセル処理をデジタル処理で行ない、(2)同相信号として単一インパルスが入力され、(3)片側のスピーカにより再生された音がリスナーの片側のスピーカと同じ側の耳に到達するまでの伝達特性を単一インパルスで、前記片側のスピーカとは反対側の耳に到達するまでの伝達特性を、遅延と減衰と伴った単一インパルスで近似した、場合の模式図となっている。ただし、このような近似を行わなくても、時間応答の大まかな傾向は変わらない。
【0019】
図14から、フィルタから出力される信号Rout、Loutはともに同じ時間応答となり、一定間隔をおいて正負が反転し減衰しながら応答が長時間にわたって継続することが分かる。これは、フィルタのインパルス応答特性における時間波形が、長時間にわたって継続する特性を有することに起因している。
【0020】
図14中の(a)において最初のインパルス成分は、片側のスピーカから再生された音がそのスピーカに近い側の耳へと到達する成分であり、また、(b)で示した後続部分のインパルス成分は、キャンセル用の成分となる。
【0021】
これら(b)の成分により、クロストークキャンセル処理の設計時に想定したリスナーの頭の位置(以下、標準位置と記載。)にいるリスナーの耳元では(b)の成分はお互いに打ち消しあい、リスナーはクロストークキャンセルされた音を聴くことになる。
【0022】
しかしながら、リスナーの頭の位置が標準位置からずれた場合には、(b)の成分がリスナーの耳へ到達するタイミングに差が生じ、互いに打ち消しあわなくなる。このため、エコーがかかったような音質劣化が知覚されることとなる。
【0023】
実際の試聴環境では、リスナーが正確に標準位置にいることは稀であるため、多く場合に音質劣化が知覚されることとなる。
【0024】
そこで、同相の信号に対する上記のような音質劣化を解決するためのクロストークキャンセル技術が開発されている。 (特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0025】
【非特許文献1】音響システムとディジタル処理、コロナ社、平成7年3月、p.234〜237
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】特許5025731号公報
【0027】
特許文献1では、入力した左右の信号の逆相成分(特許文献1中ではMと記載。)に対してクロストークキャンセル用のフィルタ処理を行い、その後、同相成分とフィルタ処理後の逆相信号との差又は和を求めることによって、クロストークキャンセル処理を行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
特許文献1においては、同相成分に対してはフィルタ処理がされないので、上記特許文献1のような同相成分に対する音質劣化は原理的に生じない。
【0029】
一方、入力した左右の信号の逆相成分(特許文献1中ではSと記載。)に対しては、(Hd+Hx)/(Hd−Hx)で表される伝達特性を有するフィルタで処理される。なお、逆相の信号を左右のスピーカから再生するとスピーカの左右に音像が定位するため、以下では、左右定位成分信号と称する場合がある。
【0030】
図15は、フィルタ単体の伝達特性のインパルス応答を示す模式図である。
【0031】
図15から、フィルタによる応答が長時間にわたり継続することが分かる。
【0032】
すなわち、クロストークキャンセル処理されスピーカに入力される信号(特許文献1中では駆動信号Rout,Loutと記載。)においてフィルタによる応答の影響が長時間にわたり継続することになる。
【0033】
このため、逆相信号(左右定位成分信号)にエコーがかかったような音質劣化が起こり、標準位置からずれた位置にいるリスナーに音質劣化が知覚されるという課題がある。
【0034】
本発明は上記課題を鑑み、中央定位成分信号のみならず左右定位成分信号についても音質劣化の抑制された、クロストークキャンセル処理を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0035】
本発明に係るオーディオ信号処理装置は、オーディオ信号の右信号及び左信号の同相成分を決定する同相成分決定手段と、右信号及び左信号の逆相成分を決定する逆相成分決定手段と、逆相成分決定手段で決定された逆相成分に対しクロストークキャンセル用の伝達特性を付与することにより、変形された逆相成分を決定する変形手段と、クロストークキャンセル用の伝達特性を変形手段に設定する設定手段と、変形手段で決定された変形された逆相成分と同相成分決定手段で得られた同相成分との差の信号を生成する差信号生成手段と、変形手段で決定された変形された逆相成分と同相成分決定手段で得られた同相成分との和の信号を生成する和信号生成手段と、を備え、
前記設定手段は、
前記変形手段に設定する前記クロストークキャンセル用の伝達特性として、
ステレオスピーカにおける片側のスピーカにより再生された音がリスナーの前記片側のスピーカと同じ側の耳に到達するまでの伝達特性がHd、前記片側のスピーカにより再生された音が前記リスナーの前記片側のスピーカと反対側の耳に到達するまでの伝達特性がHxで表されるとき、(Hd+Hx)/(Hd−Hx)で表される第1の伝達特性のインパルス応答の時間波形を応答の途中で打切った場合に相当するインパルス応答特性、を有する第2の伝達特性を、設定するようにし
第1の伝達特性のインパルス応答の時間波形の始めから応答の途中までの時間幅の値は、リスナーの頭部を迂回してリスナーの両耳の一方の耳から他方の耳に音が伝わるのに要する伝搬時間の値以下の値であるようにしたものである。
【発明の効果】
【0036】
本発明のオーディオ信号処理装置によれば、中央定位成分信号のみならず左右定位成分信号についても音質劣化が抑制された、クロストークキャンセル処理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の実施の形態1における、オーディオ信号処理装置の機能ブロックを示す概略図である。
図2】本発明の実施の形態1における、スピーカとリスナーの関係を示す図である。
図3】本発明の実施の形態1における、変形部109におけるクロストークキャンセル用の伝達特性(第2の特性)のインパルス応答の時間波形を示す模式図である。
図4】クロストークキャンセル処理されない場合と、クロストークキャンセル処理された場合の比較を示す模式図である。
図5】本発明の実施の形態1の第1の変形における、オーディオ信号処理装置の機能ブロックを示す概略図である。
図6】本発明の実施の形態1の第2の変形における、オーディオ信号処理装置の機能ブロックを示す概略図である。
図7】本発明の実施の形態2における、変形部の機能ブロックを示す概略図である。
図8】本発明の実施の形態3における、設定部の機能ブロックを示す概略図である。
図9】本発明の実施の形態4における、設定部の機能ブロックを示す概略図である。
図10】本発明の実施の形態5における、オーディオ信号処理装置の機能ブロックを示す概略図である。
図11】本発明の実施の形態5における、設定部の機能ブロックを示す概略図である。
図12】本発明の実施の形態6における、オーディオ信号処理装置の機能ブロックを示す概略図である。
図13】本発明の実施の形態7における、オーディオ信号処理装置の機能ブロックを示す概略図である。
図14】従来のクロストークキャンセル処理の、同相信号に対するフィルタ出力の例を示す模式図である。
図15】従来のフィルタ単体の伝達特性のインパルス応答を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に、本発明の各実施の形態について図を用いて説明する。
【0039】
なお、以下の各実施の形態の図においては、同一または同様なものについては、同一または同様の番号を付け、各実施の形態の説明においてその記載及び説明を省略する場合がある。
【0040】
また、図に記載した各構成要素は、本発明を説明するために便宜的に分割したものであり、その実装形態は図の構成、分割、名称等に限定されない。また、分割の仕方自体も図に示した分割に限定されない。
【0041】
また、図中及び以下の説明の記載における「・・部」は、例えば「・・手段」(「・・処理手段」)、「・・機能単位」(「・・処理機能単位」)、「・・回路」(「・・処理回路」)、「・・装置」(「・・処理装置」)、「・・処理」、「・・ステップ」、「・・処理ステップ」と呼び換えてもよい。また、「・・部」を「・・処理」、「・・ステップ」、「・・処理ステップ」と呼び換えた場合は、処理フローの図とみなしてもよい。
【0042】
実施の形態1.
【0043】
以下に、本発明の実施の形態1について図1ないし図5を用いて説明する。
【0044】
なお、一般性を失わずに説明をわかりやすくするため、本実施の形態の各種処理は主にデジタル信号(情報)を用いたデジタル処理であり、サンプリング間隔が規定された処理をする、場合の例となっている。
【0045】
ただし、全ての処理をデジタル情報及びデジタル処理で行う場合に限らない。例えば、(1)アナログ・デジタル変換手段を備え、アナログ信号を入力してデジタル信号に変換して処理をする、(2)デジタル・アナログ変換部を備え、デジタル信号をアナログ信号に変換して出力する、ようにオーディオ信号処理装置を構成してもよい。
【0046】
図1は、本発明の実施の形態1における、オーディオ信号処理装置の機能ブロックを示す概略図である。
【0047】
図1において、100はオーディオ信号処理装置、101は右信号(R)、102は左信号(L)、103は同相成分決定部、104は逆相成分決定部、105は同相成分信号、106は差信号生成部、107は和信号生成部、108は逆送成分信号、109は変形部、110は設定部、111は打切り情報(Vt)、112は設定情報、113は変形逆相成分信号、114は差信号(Rout)(または右出力信号、右スピーカ駆動信号)、115は和信号(Lout)(または左出力信号、左スピーカ駆動信号)を示す。
【0048】
なお、図示しない構成要素を含む広義のオーディオ信号処理装置100を各種定義することも可能である。例えば、(1)電源機能、(2)各種制御機能、(3)通信機能、(4)各種インターフェース機能、(5)音源機能、(6)その他のオーディオ信号処理機能、(7)スピーカで例示される音再生機能、(8)画像処理で例示される各種アプリケーション処理機能、(9)表示機能、の中で1つ以上を含む装置を定義することが可能である。
【0049】
また、以下の説明において「入力」及び「出力」の語は、各図に示したオーディオ信号処理装置100を示す四角の内部と外部との間の信号等のやり取りに関して用いるが、上記のような広義のオーディオ信号処理装置を定義する場合には、各図で示したオーディオ信号処理装置110に追加される構成要素との関係で、明示的に「入力」及び「出力」が定義されない場合がありうる。
【0050】
図2は、スピーカとリスナーの関係を示す図である。
【0051】
なお、説明をわかりやすくするため、本実施の形態は、対となる構成要素及び特性が同一の特性を有し、対称的な配置及び特性になっている場合の例について説明する。ただし、実装においては、クロストークキャンセル又はサラウンド再生に必要な特性を満足する程度において、各部の構成・配置・特性が異なっていてもよい。
【0052】
図2において、201は右スピーカ、202は左スピーカ、203はリスナー、Hdは片側のスピーカにより再生された音が同じ側のリスナーの耳に到達するまでの伝達特性、Hxは片側のスピーカにより再生された音が反対側のリスナーの耳に到達するまでの伝達特性、ERは左右のスピーカからリスナーの右耳に到達する音、ELは左右のスピーカからリスナーの左耳に到達する音を示す。
【0053】
なお、スピーカは、3つ以上の場合も可能であり、図に示した2つの場合に限定されない。例えば3つスピーカの場合に、そのうちの左右1組のスピーカに対して適用してもよい。本実施の形態は、原理を説明するため、2つのスピーカを用いる場合の例となっている。
【0054】
同相成分決定部103は、オーディオ信号の右信号R101及び左信号L102を入力し、それらの同相成分105を決定する。なお、同相成分抽決定部103は同相成分決定手段を構成する。
【0055】
逆相成分決定部104は、右信号R101及び左信号L102を入力し、それらの逆相成分108を決定する。逆相成分決定部104は逆相成分決定手段を構成する。
【0056】
具体的には、例えば図1に示すように、入力した右信号R及101び左信号L102は、各々分岐された後に同相成分決定部103と逆相成分決定部104にそれぞれ入力され、同相成分105及び逆相成分108が決定される。
【0057】
なお、同相成分決定部103及び逆相成分決定部104に入力される右信号R及び左信号Lは、バイノーラル信号が望ましいが、これに限ない。例えば、(1)CDプレーヤやDVDプレーヤから出力される信号、(2)DTVレシーバにより受信された放送音声信号、(3)アナログオーディオ信号がA/D変換された信号、といった各種オーディオ信号が対象となる。
【0058】
変形部109は、逆相成分決定部103で決定された逆相成分108に対して、クロストーク成分キャンセル用の伝達特性を付与することにより、逆相成分108を変形し、変形された逆相成分113を決定する。 変形部108は変形手段を構成する。
【0059】
ここで、クロストークキャンセル用の伝達特性は、ステレオスピーカ201、202の片側から再生された音が前記片側のスピーカと同じ側の耳に到達するまでの伝達特性がHdで表され、前記片側のスピーカにより再生された音が反対側の耳に到達するまでの伝達特性がHxを表されるとした場合に、「(Hd+Hx)/(Hd−Hx)で表される第1の伝達特性のインパルス応答の時間波形を応答の途中で打切った場合」に相当するインパルス応答特性、を有する第2の伝達特性を有する。
【0060】
また、変形部109は、設定部110からの設定情報112に基づき、クロストークキャンセル用の伝達特性(第2の伝達特性)を決定し、それにもとづいてクロストークキャンセル処理を行う。
【0061】
差信号生成部106は、変形部109で変形された逆相成分である変形逆相成分113と、同相成分決定手段103で決定された同相成分105との差の信号である差信号Rout114を生成する。 差信号生成部106は差信号生成手段を構成する。
【0062】
和信号生成部107は、変形逆相成分113と同相成分105との和の信号である和信号Lout115を生成する。 和信号生成部106は和信号生成手段を構成する。
【0063】
具体的には、例えば図1に示すように、同相成分105及び変形された逆送成分113を各々分岐し、差信号生成部106及び和信号生成部107にそれぞれ入力されて処理される。
【0064】
設定部110は、変形部109における伝達特性(第2の特性)を規定する情報、すなわち応答の打切りのタイミングに関する情報(打切り情報)Vt、に応じて変形部109に設定する第2の特性を決定する。
【0065】
また、設定部110は、設定情報112を用いて、第2の特性を変形部109に設定する。 設定部110は設定手段を構成する。
【0066】
設定情報112としては変形部109の第2の伝達特性の実装形態に応じて各種形式が使用可能であり、例えば(1)フィルタ係数、(2)インパルス応答波形、が可能であり、また、(3)波形といった時間特性の情報でも、(4)振幅と位相といった周波数特性の情報でも、(5)上記の混在したものでもよい。
【0067】
次に、本実施の形態のオーディオ信号処理100の動作原理について説明する。
【0068】
オーディオ信号処理装置100に入力された右信号R101は分岐され、一方は同相成分決定部103において、他方は逆相成分決定部104において、処理される。
【0069】
同相成分決定部103は、分岐された右信号Rと左信号Lとから、右信号R101と左信号L102の同相成分105を決定する。決定された同相成分105は分岐され、一方は差信号生成部106において、他方は和信号生成部107において、処理される。
【0070】
逆相成分決定部104は、分岐された右信号R101と左信号L102とから、右信号R101と左信号L102の逆相成分108を決定する。決定された逆同相成分108は変形部109で変形される。
【0071】
一方、設定部110は、変形部109におけるクロストークキャンセル用の伝達特性(第2の特性)を規定する情報(打切り情報)Vt、に応じて変形部109に設定する第2の特性の設定情報112を決定する。
【0072】
なお、打切り情報Vtの入力、及び設定部110における第2の伝達特性の決定は、必ずしも打切り情報Vtまたは左右の信号が入力される度に行う必要はない。
【0073】
例えば、オーディオ信号処理装置100の動作をリセットする場合である(1)オーディオ信号処理装置100の電源の立上時、(2)クロストークキャンセル処理のON/OFFの切替え時、(3)サラウンド再生のON/OFF、の1つ以上の際に行うようオーディオ信号処理装置100を構成することができる。
【0074】
変形部109は、設定情報112に応じた第2の伝達特性を、クロストークキャンセル用の伝達特性とする。
【0075】
また、変形部109は、逆相成分決定部103で決定された逆相成分108に対して、クロストークキャンセル用の伝達特性(第2の伝達特性)を付与することで、変形された逆相成分(変形逆相成分)113を決定する。 決定された変形逆相成分113は、分岐され、一方は差信号生成部106において、他方は和信号生成部107において、処理される。
【0076】
ここで、図1及び図2においてリスナー203の右耳に到達する音ER及び左耳に到達する音ELについて、簡易的な解析を行う。
【0077】
まず、伝達特性Hdを単一インパルスで近似する。また、Hxを、前記単一インパルからNサンプル後に到達する減衰された単一インパルスで近似する。すなわち、
【0078】
となる。
【0079】
ここで、αは減衰係数であり1未満の値、zはz変換における複素数である。
【0080】
このとき、第1の伝達特性(Hd+Hx)/(Hd−Hx)は、

【0081】
と表すことができる。
【0082】
(2)式から、上記伝達特性の近似においては、第1の伝達特性のインパルス応答として、Nサンプル毎にインパルス成分が存在する時間波形となることが分かる。
【0083】
なお、(2)式で表される時間波形は、図15に示された模式図のものと同じである。
【0084】
第1の伝達特性をVtサンプルで打ち切った場合に相当するインパルス応答特性、を有する伝達特性を第2の伝達特性Vとすると、上記式(2)より
【0085】
と表すことができる。
【0086】
ここで、uは、
【0087】
を満たす最小の整数であるとする。
【0088】
なお、Vtの値としては、リスナー203の頭部を迂回してリスナー203の両耳の一方の耳から他方の耳に音が伝わるのに要する伝搬時間の値以下の値が望ましい。
【0089】
また、(4)式ではuはVt/Nを満たす最小の整数としているが、不等号の向きを逆にした場合の式を満たす最大の整数とするなど、音源の種類または再生される音に対するリスナーの官能評価、または装置の実装、によって異なった値を採用してもよく、上記(4)式の値に限定されない。
【0090】
図3は、本発明の実施の形態1における、(3)式で表される第2の伝達特性のインパルス応答の時間波形を示す模式図である。
【0091】
図3に示す時間波形は、第1の伝達特性のインパルス応答(図15と同様。)の時間波形を途中で打切った場合となっていることが分かる。
【0092】
差信号生成部106は、変形逆相成分113と、同相成分105との差の信号である差信号Rout114を生成する。 差信号生成部106は差信号生成手段を構成している。
【0093】
和信号生成部107は、変形逆相成分113と、同相成分105との和の信号である和信号Lout115を生成する。
【0094】
右信号R101と左信号L102の同相成分105をM、逆相成分108をSとすると、
【0095】
となる。
【0096】
したがって、リスナー203の各耳に到達する音EL及びERは、
【0097】
と表すことができる。
【0098】
(7)式から、リスナー203の左の耳に届く音ELには、右信号R101に起因するクロストーク成分が、右耳に届く音ERには、左信号102に起因するクロストーク成分があることが分かる。(以下、キャンセルされずに残ったクロストーク成分を残留クロストーク成分と記載。)
【0099】
残留クロストーク成分はuNサンプル遅れて耳に届くため、上記近似による解析の場合おいては、式(7)から分かるように、Vtよりも後に残留クロストーク成分が到達する。
【0100】
図4は、クロストークキャンセル処理されない場合と、クロストークキャンセル処理された場合の比較を示す模式図である。
【0101】
図中の(a)がクロストークキャンセル処理されない場合にリスナー203に届く音ER及びELの時間波形を、図中の(b)がクロストークキャンセル処理された場合にリスナー203に届く音ER及びELの時間波形を示す。
【0102】
なお、クロストーク成分が分かりやすいように、右信号R101を無入力またはゼロ、左信号L102を単一インパルスとした場合の図となっている。
【0103】
(a)の場合、クロストークキャンセル処理されないので、まず左耳に、(1)式のHdに従ってインパルス成分の音が到達し、次に右耳に、(1)式のHxに従って減衰・遅延したインパルス成分の音が到達することが分かる。
【0104】
図中の(b)の場合、クロストークキャンセル処理されることにより、まず左耳に、ERの最初のインパルス成分の音が到達した後、Nサンプル遅れて次のインパルス成分の音が到着し、さらに、最初のインパルス成分からuNサンプル遅れて残留クロストーク成分であるインパルス成分の音が届くことが分かる。また、右耳には、左耳への最初のインパルス成分の音の到達からuNサンプル遅れて、残留クロストーク成分であるインパルス成分の音が届くことが分かる。
【0105】
したがって、本実施の形態におけるクロストークキャンセル処理により、等価的に、クロストーク成分の発生タイミングを、クロストークキャンセル処理しない場合と比べて後ろにシフトさせること、と等価な処理がされていることが分かる。
【0106】
なお、(7)式及び図4のELにおける、Nサンプル遅れのインパルス成分は、第1の伝達特性によるクロストークキャンセル処理がされている間に発生する成分と同じであり、特許文献1の実施の形態1の説明に記載されているように(Hd+Hx)という特性によるものである。したがって、特許文献1に記載されているとおり、通常のステレオスピーカから音が再生されたときに自然に付与される特性と等価であるため、これによって音質劣化が生じることはない。
【0107】
なお、一般的に、クロストーク成分の到達時間が最も遅れるのは、音源の位置がリスナー203の真横にあるときである。
【0108】
本実施の形態の残留クロストーク成分は実際のスピーカ位置のクロストーク成分よりもさらに遅れて到達することになるので、リスナー203が知覚する音像は、より真横の方向に近づくので、音像がより左右に広がるという効果がある。
【0109】
また、(7)式及び図4において左耳(EL)にも残留クロストーク成分が到達するが、人間は左右の耳に最初に到達する音成分(いわゆる直接音。)で音の方向を知覚するため、後から到達する残留クロストーク成分は直接音成分としては知覚されないので、音像定位に対する影響は小さい。
【0110】
以上のように、本実施の形態のオーディオ信号処理装置によれば、央定位成分信号のみならず左右定位成分信号についても音質劣化の抑制された、クロストークキャンセル処理を実現することができる。
【0111】
また、エコー感の抑制された高品質なサラウンド音を再生できる。
【0112】
また、音像定位に寄与する直接音の方向感を、打切りのない場合と同様な方向感を維持することができる。
【0113】
また、伝達特性Hd、Hxを、スピーカ及び耳の左右に対し対称的な特性で近似しているので、非特許文献1のように左右のそれぞれに関し区別して扱う場合と比べて、クロストークキャンセル処理及びオーディオ信号処理装置の製作に必要な各種資源(費用、時間、材料、エネルギーなど)の1つ以上を節約できる。
【0114】
なお、本実施の形態の上記説明では、差信号生成部106において、変形逆相成分113と同相成分105との差を表す信号である差信号Rout114を生成するが、差の決定方法としては既存・新規を問わず各種方法を適用することができる。 例えば、(1)加算器、(2)減算器、を用いることができる。
【0115】
また、和信号生成部107において、変形逆相成分113と同相成分105との和を表す信号である和信号Lout115を生成するが、和の決定方法としては既存・新規を問わず各種方法を適用することができ、例えば加算器を用いることができる。
【0116】
図5は、本発明の実施の形態1の第1の変形における、オーディオ信号処理装置の機能ブロックを示す概略図である。
【0117】
図において、106は第1の加算器、107は第2の加算器を示す。他の構成要素のついては図1と同様であるので、以下ではその説明を省略する。
【0118】
第1の加算器106は、図1の差信号生成部106を構成し、第2の加算器107は、図1の和信号生成部107を構成する。
【0119】
第1の加算器106における差の決定の実装形態としては、例えば、(1)変形逆相成分113の符号を反転し、と同相成分105と加算する、(2)変形逆相成分113の位相を反転し、同相成分105と加算する、ことにより行うことができる。
【0120】
また、第2の加算器107における和の決定の実装形態としては、例えば変形逆相成分113と同相成分105と加算することにより行うことができる。
【0121】
また、本実施の形態の上記説明では、同相成分決定部103において右信号R101及び左信号L102の同相成分105を決定し、また、逆相成分決定部104において右信号R101及び左信号L102の逆相成分108を決定しているが、同相成分105及び逆相成分108の決定方法は既存・新規を問わず各種方法を適用することができる。例えば、実装形態として(1)加算器、(2)減算器、を用いることができる。
【0122】
図6は、本発明の実施の形態1の第2の変形における、オーディオ信号処理装置の機能ブロックを示す概略図である。
【0123】
図において、103は第3の加算器、104は第4の加算器を示す。他の構成要素のついては図5と同様であるので、以下ではその説明を省略する。
【0124】
加算器を用いることにより、信号処理における演算コストが少ないオーディオ信号処理装置100を得ることができる。
【0125】
また、例えば同相成分決定部103として、(3)適応デジタルフィルタを用いて同相成分105を決定するようにしてもよい。その場合、適応デジタルフィルタの入力信号を右信号R101、適応デジタルフィルタの目標信号を左信号L102として、適応的にフィルタ係数を学習させ、適応デジタルフィルタからの出力信号を同相成分105とするように装置を構成することができる。
【0126】
逆相成分決定部104についても同様に、適応デジタルフィルタを用いて決定してもよい。 その場合、適応デジタルフィルタからの出力信号と目標信号との誤差から逆送信号108を決定することができる。 なお、適応デジタルフィルタにおける入力信号と目標信号を入れ替えても同様である。
【0127】
また、本実施の形態の上記説明では、打切り情報Vt111により規定される第2の伝達特性のインパルス応答の時間幅が、リスナーの頭部を迂回してリスナーの両耳の一方の耳から他方の耳に音が伝わるのに要する伝搬時間の値以下の値であることが望ましいとしているが、その他の時間幅を規定するための第2の打切り情報をさらに用いるようにしてもよい。
【0128】
例えば、(1)実用上打切りがない場合に相当する大きな値、または(2)ゼロ値、を打切り情報Vt111として用い、上記打切りのある場合とでオーディオ信号処理装置100の処理を切り替えることにより、等価的にクロストークキャンセルのON/OFFを切替えることができる。
【0129】
また、例えば、複数の標準位置を想定し、各標準位置に対応する打切り情報Vt111を切替えて処理することで、例えば複数のリスナーに対応するオーディオ信号処理装置100を得ることができる。
【0130】
実施の形態2.
以下に、本発明の各実施の形態2について図7を用いて説明する。
【0131】
本実施の形態と上記実施の形態1との主要な差異は、(1)変形部109の処理にFIRフィルタを用い、(2)設定部110が、設定情報112としてFIRフィルタのフィルタ係数を決定して、決定したフィルタ係数を変形部109に設定する点である。 その他の構成及び動作については、上記実施の形態1と同様であるので、以下ではその説明を省略する。
【0132】
なお、設定部110にけるフィルタ係数の設定動作の例については、後述する実施の形態3及び4において説明する。
【0133】
図7は、本発明の実施の形態2における、変形部の機能ブロックを示す概略図である。
【0134】
図において、701はFIRフィルタ処理部、702はフィルタ係数記憶部である。
【0135】
フィルタ係数記憶部702は、設定情報112であるフィルタ係数の情報を記憶する。
【0136】
FIRフィルタ処理部701は、FIRフィルタを備え、フィルタ係数記憶部702に記憶されるフィルタ係数に従ってフィルタ動作を行う。
【0137】
また、FIRフィルタ処理部701は、FIRフィルタにおいて、逆相成分108に対しクロストークキャンセルのためのフィルタ処理を行い、変形逆相成分113を決定する。
【0138】
以上のように、本実施の形態のオーディオ信号処理装置によれば、上記実施の形態1と同様な効果を奏することができる。
【0139】
なお、FIRフィルタ処理部701とフィルタ係数記憶部702を一体として広義のFIRフィルタと見做すこともできる。また、FIRフィルタの実装方法としては、既存か新規かを問わず、逆相成分108に対し本発明の第2の伝達特性を付与できればよい。
また、上記実施の形態1に記載した各種変形は本実施の形態にも適用可能である。
【0140】
実施の形態3.
以下に、本発明の各実施の形態3について図8を用いて説明する。
【0141】
本実施の形態と上記実施の形態1との主要な差異は、(1)第1の伝達関数のインパルス応答を生成し、(2)決定されたインパルス応答の時間波形を途中で打切った応答を決定することにより、変形部109に設定する第2の伝達特性を決定する点である。 その他の構成及び動作については、上記実施の形態1と同様であるので、以下ではその説明を省略する。
【0142】
図8は、本発明の実施の形態2における、設定部の機能ブロックを示す概略図である。
【0143】
図において、801はインパルス応答生成部、802は打切り部、803は制御部を示す。
【0144】
制御部803は、打切り情報Vt111を入力する。
【0145】
また、制御部803は、設定部110内の各部を制御する。 なお、設定部110の制御以外の制御を行うようにしてもよく、設定部110の制御のみに限定されない。
【0146】
インパルス応答生成部801は、伝達特性Hd及びHxの情報を有し、第1の伝達特性のインパルス応答の時間波形を生成する。 なお、第1の伝達特性の情報を有し、その情報からインパルス応答の時間波形を生成してもよい。
【0147】
打切り部802は、制御部803が入力した打切り情報Vt111を入力する。
【0148】
また、打切り部802は、打切り情報Vt111に従って、インパルス応答生成部801で生成された時間波形を応答の途中で打切った場合、に相当するインパルス応答の時間波形を決定する。
【0149】
また、打切り部802は、決定したインパルス応答特性からFIRフィルタのフィルタ係数を決定し、決定したフィルタ係数を設定情報112として変形部109に設定する。
【0150】
制御部803が行うインパルス応答生成部801に対する制御としては、例えば、(1)インパルス応答生成部801のON/OFFの切替え、(2)第1の伝達特性のインパルス応答の時間波形を生成するするタイミング、を制御する。
【0151】
制御部803が行う打切り部802に対する制御としては、例えば、(1)打切り部802が打切り情報Vt111を入力するタイミング、(2)変形部109が設定情報112としてのフィルタ係数を入力するタイミング、を制御する。なお、(1)及び(2)のタイミングは、必ずしも同時になる必要はなく、また必ずしも1対1に対応する必要はない。
【0152】
以上のように、本実施の形態のオーディオ信号処理装置によれば、上記実施の形態1と同様な効果を奏することができる。
【0153】
なお、上記実施の形態1に記載した各種変形は本実施の形態にも適用可能である。
【0154】
実施の形態4.
以下に、本発明の各実施の形態4について図9を用いて説明する。
【0155】
本実施の形態と上記実施の形態3の図8との主要な差異は、第1の伝達関数のインパルス応答を生成する代わりに、第1の伝達関数のインパルス応答特性またはインパルス応答の時間波形の情報を、予め記憶している点である。 その他の構成及び動作については、上記実施の形態3と同様であるので、以下ではその説明を省略する。
【0156】
図9は、本発明の実施の形態4における、設定部の機能ブロックを示す概略図である。
【0157】
図において、901はインパルス応答記憶部を示す。
【0158】
インパルス応答記憶部901は、第1の伝達関数のインパルス応答の情報として、時間波形を予め記憶している。
【0159】
打切り部802は、制御部803が入力した打切り情報Vt111に従って、インパルス応答記憶901に記憶されたインパルス応答の時間波形から、第1の伝達関数のインパルス応答の時間波形を応答の途中で打切った場合に相当するインパルス応答を決定する。
【0160】
また、打切り部802は、決定したインパルス応答からFIRフィルタのフィルタ係数を決定し、決定したフィルタ係数を設定情報112として変形部109に設定する。
【0161】
制御部803についても上記実施の形態3と同様である。
【0162】
以上のように、本実施の形態のオーディオ信号処理装置によれば、上記実施の形態1と同様な効果を奏することができる。
【0163】
なお、上記実施の形態1に記載した各種変形は本実施の形態にも適用可能である。また、実施の形態2を適用してもよい。
【0164】
実施の形態5.
以下に、本発明の各実施の形態5について図10及び図11を用いて説明する。
【0165】
本実施の形態と上記実施の形態1との主要な差異は、打切り情報Vt111のほかに、伝達関数Hd及びHxの情報を、変更可能なパラメータとして設定部110が用いる点である。その他の構成及び動作については、上記実施の形態1と同様であるので、以下ではその説明を省略する。
【0166】
図10は、本発明の実施の形態5における、オーディオ信号処理装置の機能ブロックを示す概略図である。
【0167】
図11は、本発明の実施の形態5における、設定部の機能ブロックを示す概略図である。
【0168】
設定部110は、上記実施の形態3の図8と同様に、インパルス応答生成部801、打切り部802及び制御部803を有する。
【0169】
インパルス応答生成部801は、第1の伝達関数のインパルス応答を決定する際に、設定部110が入力した第1の伝達関数を規定する伝達関数Hd及びHxに従って、第1の伝達関数のインパルス応答を生成する。
【0170】
以上のように、本実施の形態のオーディオ信号処理装置によれば、上記実施の形態1と同様な効果を奏することができる。
【0171】
また、伝達関数Hd及びHxの情報を設定部110に入力可能なようにオーディオ信号処理装置100を構成することにより、オーディオ信号処理装置100の使用環境及び音源に応じて、柔軟に伝達関数Hd及びHxを変更することができるので、多種類のオーディオ信号処理100を作製する必要がなく、従って、オーディオ信号処理装置100の製作に必要な各種資源(費用、時間、材料、エネルギーなど)の1つ以上を節約できる。
【0172】
なお、伝達関数Hd及びHxの表現形式としては、伝達関数を表現可能な形式であればよく、装置の実装に応じて異なる形式を適用することができる。 例えば(1)時間軸特性、(2)周波数特性、(3)z変換による表現、の1つ以上を適用することができる。 また、伝達関数Hd及びHxを入力する代わりに、第1の関数を予め求め、第1の関数の情報を設定部110に入力するようにいてもよい。
【0173】
また、本実施の形態においては、インパルス応答生成部801を用い、設定部110が入力した伝達関数Hd及びHxをもとにインパルス応答を決定しているが、上記実施の形態4のインパルス応答記憶部901を用いることができる。その場合、例えば設定部110が入力する伝達関数Hd及びHxがインパルス応答特性を表す情報であり、インパルス応答記憶部901がその情報を記憶するようにしてもよい。
【0174】
また、上記実施の形態1に記載した各種変形本上記実施の形態にも適用可能である。また、実施の形態2を適用してもよい。
【0175】
実施の形態6.
以下に、本発明の各実施の形態6について図12を用いて説明する。
【0176】
本実施の形態と上記実施の形態1との主要な差異は、設定部110が打切り情報Vt111を入力しない点である。すなわち、打切り情報Vt111の内容は予め固定してメモリに予め記憶させておくといった、いわゆる作り付けによりオーディオ信号処理装置100を作製した場合に相当する。
【0177】
図12は、本発明の実施の形態6における、変形部の機能ブロックを示す概略図である。
【0178】
オーディオ信号処理装置100の設定部110以外の構成、およびオーディオ信号処理装置100の動作は、上記各実施の形態と同様であるので、以下ではその説明を省略する。
【0179】
以上のように、本実施の形態のオーディオ信号処理装置によれば、上記実施の形態1と同様な効果を奏することができる。
【0180】
なお、本実施の形態においては設定部110が打切り情報Vt111を入力しないように構成しているが、例えば、設定部110が打切り情報Vt111を入力しないだけでなく、設定部110と変形部109とを一体化して、設定動作そのものをなくすように構成してもよい。
【0181】
また、実施の形態2から実施の形態4を適用してもよい。
実施の形態7.
【0182】
以下に、本発明の実施の形態7について図13を用いて説明する。
【0183】
図13は、本発明の実施の形態7における、オーディオ信号処理装置の機能ブロックを示す概略図である。
【0184】
図において、131はCPU(Central Processing Unit)、132は入力インターフェース(Input Interface)、133は制御用インターフェース(Control Interface)、134はバス(Bus)、135はRAM(Random Access Memory)、136はROM(Read Only Memory)、137は出力インターフェース(Output Interface)、を示す。
【0185】
なお、図示しない構成要素を含む広義のオーディオ信号処理装置100を各種定義することも可能である。例えば、(1)電源機能、(2)各種制御機能、(3)通信機能、(4)各種インターフェース機能、(5)音源機能、(6)その他のオーディオ信号処理機能、(7)スピーカで例示される音再生機能、(8)画像処理で例示される各種アプリケーション処理機能、(9)表示機能、の中で1つ以上を含む装置を定義することが可能である。各種インターフェース、(5)表示器のうちの1つ以上を含めることができる。
【0186】
CPU131は、各種処理、例えば(1)クロストークキャンセル処理、(2)制御処理、を行なう。
【0187】
入力インターフェース132は、右信号R101及び左信号L102を入力する。
【0188】
また、入力インターフェース134は、上記実施の形態5の場合に、伝達関数Hd及びHxをさらに入力する。なお、その他の信号・情報を入力可能なように構成してもよい。
【0189】
制御用インターフェース133は、オーディオ信号処理装置100の外部と各種制御情報をやり取りする。
【0190】
バス134は、構成要素間を接続し、各種信号、データ、情報のやり取りに用いられる。
【0191】
なお、図に示した接続関係に限定されず、オーディオ信号処理装置100の実装形態によって異なってよい。
【0192】
RAM135及びROM136は、オーディオ信号処理装置100の動作に必要な各種情報および処理データを記憶する。
【0193】
出力インターフェース137は、オーディオ信号処理装置100の外部へ、差信号Rout及び和信号Loutを出力する。
【0194】
なお、差信号Rout及び和信号Loutのほかに、各種信号・情報を出力可能なように構成してもよい。
【0195】
本実施の形態においては、図13に示した構成要素と、上記各実施の形態の図に示したいずれか1つまたは複数の構成要素と、を対応させることができる。
【0196】
例えば、主に入力インターフェース134、CPU136、RAM137を、同相成分決定部103及び逆相成分決定部104に対応させることができる。
【0197】
また、例えば、主にCPU136、RAM137、ROM138を、変形部109に対応させることができる。
【0198】
また、例えば、主にCPU136、RAM137、出力インターフェース139を差信号生成部106及び和信号生成部107に対応させることができる。
【0199】
オーディオ信号処理装置100としての動作原理については、上記各実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0200】
以上のように、本実施の形態のオーディオ信号処理装置100によれば、対応させる実施の形態に応じた効果と同じ効果または同様な効果を奏する。
【0201】
なお、本実施の形態のCPU131は、図の説明では単にCPUと記載しているが、各種実装形態が可能であり、決定処理代表される各種処理機能を実現可能であればよく、例えば、(1)マイクロプロセッサ(Microprocessor)、(2)FPGA(Field Programmable Gate Array)、(3)ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、(4)DSP(Digital Signal Processor)であってもよい。
【0202】
また、本実施の形態では、CPU131は1つのみを図に記載しているが、各種実装形態が可能であり、例えば、(1)複数のCPUを有して、複数の処理機能、例えば各種制御処理と画像データ演算処理、を異なるCPUで処理をする、(2)複数のCPUが連携して1つの処理をする、よう装置を構成してもよい。
【0203】
また、各種の処理の実装形態としては、(1)アナログ処理、(2)デジタル処理、(3)両者の混在処理、のいずれであってもよい。さらに、(1)ハードウェアによる実装、(2)ソフトウェア(プログラム)による実装、(3)両者の混在による実装、などが可能である。
【0204】
また、本実施の形態のRAM1375、図において単にRAMと記載しているが、各種実装形態が可能であり、データを揮発的に記憶・保持可能なものであればよく、例えば、(1)SRAM(Static RAM)、(2)DRAM(Dynamic RAM)、(3)SDRAM(Synchronous DRAM)、(4)DDR−SDRAM(Double Data Rate SDRAM)であってもよい。また、その数も1つに限定されない。
【0205】
また、(1)ハードウェアによる実装、(2)ソフトウェアによる実装、(3)両者の混在による実装、などが可能である。
【0206】
また、本実施の形態のROM136は、図において単にROMと記載しているが、各種実装形態が可能であり、データを記憶・保持可能なものであればよく、例えば、(1)EPROM(Electrical Programmable ROM)、(2)EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、であってもよい。また、その数も1つに限定されない。
【0207】
また、図のその他の各構成要素についても、(1)ハードウェアによる実装、(2)ソフトウェアによる実装、(3)両者の混在による実装、などが適用可能である。
【0208】
なお、上記各実施の形態においては、第2の伝達関数によって逆相成分108を変形しているが、第1の伝達関数よって逆相成分108を変形することも可能なようにオーディオ信号処理装置100を構成(特許文献1参照。)してもよい。
【0209】
その場合に、第1の伝達関数による変形処理と第2の伝達関数による変形処理とを切替え可能にオーディオ信号処理装置100を構成してもよく、上記各実施の形態に限定されない。第1の伝達関数による変形処理の実装形態としては、特許文献1に記載の回路構成を適用することもできる。
【0210】
また、上記各実施の形態の図において実線及び矢印で示される信号、データ、情報の内容は、オーディオ信号処理装置100の内部構成の分割の仕方によってその属性が変わることがあり、その場合、(1)明示的に実装されるものか黙示的に実装されるものか、また、(2)明示的に規定されるものか否か、といった属性が異なってもよい。また、上記各実施の形態に記載した以外の信号、データ、情報を含んでいてもよい。
【0211】
また、上記各実施の形態における各種処理または動作は、(1)実質的に等価(または相当する)処理(または動作)に変形して実装する、(2)実質的に等価な複数の処理に分割して実装する、(3)複数のブロックに共通する処理はそれらを含むブロックの処理として実装する、(4)あるブロックがまとめて処理するよう実装する、など本発明の課題及び効果の範囲で各種変形が可能である。
【0212】
また、上記各実施の形態における各種選択肢及び変形例を、他の実施の形態に適用し、新たな実施の形態とすることができる。
【0213】
また、本発明のオーディオ信号処理装置100の実装において上記各実施の形態において説明した全ての処理を行なう必要がない場合には、(1)必要のない処理に対応する機能・回路等を備えない構成、または、(1)潜在的に機能・回路等は備えるが、制御設定あるいは回路の配線等によって実動作では機能させないようにした構成、としてもよい。
【符号の説明】
【0214】
100 オーディオ信号処理装置、101 右信号(R)、102 左信号(L)、103 同相成分決定部、104 逆相成分決定部、105 同相成分信号、106 差信号生成部、107 和信号生成部、108 逆送成分信号、109 変形部、110 設定部、111 打切り情報(Vt)、112 設定情報、113 変形された逆相成分信号、114 差信号(または右出力信号、右スピーカ駆動信号)、115 和信号(または左出力信号、左スピーカ駆動信号)、131 CPU、132 入力インターフェース、133 制御用インターフェース、134 バス、135 RAM、136 ROM、137 出力インターフェース、201 右スピーカ、202 左スピーカ、203 リスナー、701 FIRフィルタ部、702 フィルタ係数記憶部、801 インパルス応答生成部、802 打切り部、803 制御部、901 インパルス応答記憶部、EL 左耳に到着する音、ER 右耳に到着する音、Hd及びHx 伝達関数
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