特許第6252502号(P6252502)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252502
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】EGR組立治具
(51)【国際特許分類】
   F02M 26/11 20160101AFI20171218BHJP
   F02M 26/22 20160101ALI20171218BHJP
   B23P 19/00 20060101ALI20171218BHJP
   B23P 21/00 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   F02M26/11 301
   F02M26/22
   B23P19/00 304K
   B23P21/00 303B
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-12593(P2015-12593)
(22)【出願日】2015年1月26日
(65)【公開番号】特開2016-138473(P2016-138473A)
(43)【公開日】2016年8月4日
【審査請求日】2017年2月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】神藤 健伸
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 敏春
(72)【発明者】
【氏名】大村 和久
(72)【発明者】
【氏名】国見 孝文
(72)【発明者】
【氏名】有田 慈子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 圭太
(72)【発明者】
【氏名】定松 秀明
【審査官】 西中村 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−154202(JP,A)
【文献】 特開2000−176748(JP,A)
【文献】 特開2005−325766(JP,A)
【文献】 特開2001−087960(JP,A)
【文献】 特開2010−031707(JP,A)
【文献】 特開2010−155307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 26/00、11、13、22、65
B23P 19/00
B23P 21/00
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
EGRクーラにEGRバルブが連結されているEGRを、治具本体上で組み立てるEGR組立治具であって、
前記EGRバルブの上に前記EGRクーラが保持された状態でセットされる前記治具本体と、
前記治具本体から突出して、前記EGRバルブに設けられた第1の取付部のボルト挿入孔内に挿入されるバルブ位置決めピンと、
前記EGRバルブを前記治具本体に向けて押圧するプッシャと、
前記EGRクーラが、前記EGRバルブに連結され且つ前記EGRバルブの上方に配置された状態で、前記EGRクーラをクランプするクランパーと、を備え、
前記プッシャは、前記EGRバルブを前記治具本体に向けて押圧する仮止め力と、前記EGRバルブを前記治具本体に向けて前記仮止め力より強く押圧する本止め力とを、発生し、
前記クランパーのクランプ力は、前記本止め力と同期して発生する、
EGR組立治具。
【請求項2】
前記EGRクーラの上に、上端に第2の取付部が設けられたEGRパイプをセットするにあたって、
前記EGRパイプの前記上端を係止させるように、前記本止め力の発生と同期して突出するパイプ位置決めピンを更に備える、
請求項1記載のEGR組立治具。
【請求項3】
前記プッシャは、
水平方向に回動するレバーと、
先端に設けられた押圧部が、前記レバーの回動に連動して前記EGRバルブに向けて回動するアームと、
前記レバーと前記アームとを連動させるリンク機構と、を有し、
前記リンク機構は、
前記レバーが第1の水平角度まで回動すると、前記押圧部に前記仮止め力を発生させ、前記レバーが前記第1の水平角度から第2の水平角度まで回動すると、前記押圧部に前記本止め力を発生させるような構成を有している、
請求項1又は2記載のEGR組立治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EGR(Exhaust Gas Recirculation)の組立てに利用される治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のEGRとしては、特開2012−154202号公報がある。この公報に記載されたEGRは、内部に冷却水が流動するEGRクーラと、EGRクーラの一方の開口と連通するEGRバルブと、EGRクーラの他方の開口と連通するEGRパイプと、で構成されている。そして、EGRクーラとEGRバルブとはボルトとナットにより締結され、EGRクーラとEGRパイプも、ボルトとナットにより締結されている。また、EGRバルブ及びEGRパイプには、エンジン側への固定が予定されている取付部がそれぞれ設けられている。取付部に形成されたボルト挿入孔内に、エンジン側に設けられたボルトを挿入し、ボルトに螺着させたナットの締付けにより、EGRは、エンジンに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−154202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、EGRクーラとEGRバルブとは単に手作業によりボルト止めがなされ、同様に、EGRクーラとEGRパイプも、単に手作業によりボルト止めがなされているだけなので、EGRクーラ、EGRバルブ、EGRパイプ、ボルト及びナットの製造誤差や、EGRクーラとEGRバルブとEGRパイプとの組付け誤差によって発生する積み上げ誤差より、EGRバルブ側の取付部の位置とEGRパイプ側の取付部の位置とに、許容を越える誤差が発生し、EGRをエンジンに確実に取り付けることができない事態が発生する虞がある。
【0005】
本発明は、エンジンに確実に取り付けることができるEGRの組立を可能にしたEGR組立治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、EGRクーラにEGRバルブが連結されているEGRを、治具本体上で組み立てるEGR組立治具であって、
前記EGRバルブの上に前記EGRクーラが保持された状態でセットされる前記治具本体と、
前記治具本体から突出して、前記EGRバルブに設けられた第1の取付部のボルト挿入孔内に挿入されるバルブ位置決めピンと、
前記EGRバルブを前記治具本体に向けて押圧するプッシャと、
前記EGRクーラが、前記EGRバルブに連結され且つ前記EGRバルブの上方に配置された状態で、前記EGRクーラをクランプするクランパーと、を備え、
前記プッシャは、前記EGRバルブを前記治具本体に向けて押圧する仮止め力と、前記EGRバルブを前記治具本体に向けて前記仮止め力より強く押圧する本止め力とを、発生し、
前記クランパーのクランプ力は、前記本止め力と同期して発生する。
【0007】
このEGR組立治具においては、第1の取付部のボルト挿入孔内に治具本体のバルブ位置決めピンを挿入させた状態で、プッシャにより治具本体にEGRバルブを仮止めすることにより、第1の取付部のボルト挿入孔の位置決めが治具本体上で行われる。その後、EGRバルブの上にEGRクーラを配置させ、EGRバルブを治具本体に本止め力で保持する。それと同期して、クランパーのクランプ力によりEGRクーラをクランプすることにより、EGRバルブを基準として、EGRバルブに対するEGRクーラの位置関係を確実に保持させることができる。
【0008】
また、前記EGRクーラの上に、上端に第2の取付部が設けられたEGRパイプをセットするにあたって、
前記EGRパイプの前記上端を係止させるように、前記本止め力の発生と同期して突出するパイプ位置決めピンを更に備える。
このように、本止め力の発生と同期してパイプ位置決めピンを突出させることにより、EGRバルブに対するEGRクーラの位置関係を確定させた後に、このパイプ位置決めピンを利用して、EGRパイプの位置出しを行いながら、EGRクーラの上にEGRパイプを確実に配置させることができる。
【0009】
また、前記プッシャは、水平方向に回動するレバーと、先端に設けられた押圧部が、前記レバーの回動に連動して前記EGRバルブに向けて回動するアームと、前記レバーと前記アームとを連動させるリンク機構と、を有し、
前記リンク機構は、
前記レバーが第1の水平角度まで回動すると、前記押圧部に前記仮止め力を発生させ、前記レバーが前記第1の水平角度から第2の水平角度まで回動すると、前記押圧部に前記本止め力を発生させるような構成を有している。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、エンジンに確実に取り付けることができるEGRの組立を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るEGR組立治具に適用されるEGRの一実施形態を示す斜視図である。
図2】本発明に係るEGR組立治具の一実施形態を示す斜視図である。
図3】EGR組立治具にEGRをセットした状態を示す斜視図である。
図4】EGR組立治具の正面図である。
図5】EGR組立治具の側面図である。
図6】EGRを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ本発明に係るEGR組立治具の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0013】
図1に示されるように、EGR1は、EGRクーラ(以下単に「クーラ」という。)2の両側に、EGRバルブ(以下単に「バルブ」という。)3と、EGRパイプ(以下単に「パイプ」という。)4と、が締結された構成を有している。なお、EGRとは、排出ガス再循環装置(Exhaust Gas Recirculation)であり、排出ガスの一部をエンジンの吸気に戻し、混合気の酸素濃度を下げることで、混合気の燃焼温度を低下させ、排ガス中の有害な窒素酸化物(NO)の排出量を低減させる装置である。
【0014】
バルブ3の端部には取付フランジ3aが設けられ、クーラ2の端部にも取付フランジ2aが設けられている。取付フランジ3aに立設されたボルト3bがクーラ2の取付フランジ2aを貫通し、ボルト3bにナット6を螺着させることにより、バルブ3がクーラ2に固定される。同様に、パイプ4の一端部には取付フランジ4aが設けられ、クーラ2の他端にも取付フランジ2bが設けられている。取付フランジ4aとクーラ2の取付フランジ2bとをボルト7が貫通し、ボルト7にナット8を螺着させることにより、パイプ4がクーラ2に固定される。
【0015】
なお、パイプ4の他端には、エンジン(図示せず)に立設させたボルト(図示せず)を挿入するためのボルト挿入孔4cを有する取付フランジ(第2の取付部)4bが設けられている。また、バルブ3には、エンジン(図示せず)に立設させた別のボルト(図示せず)を挿入するためのボルト挿入孔9aを有する取付フランジ(第1の取付部)9が設けられている。
【0016】
次に、前述した構成のEGR1を組み立てる治具10について説明する。
【0017】
図2図5に示されるように、EGR組立治具10は、所定の位置に固定されるベース11と、ベース11に立設させた治具本体12と、EGR1を保持するためのプッシャ20と、クランパー40及びパイプ位置決めピン60と、で主として構成されている。治具本体12の下側には、略鉛直方向に延在する主板14が配置され、治具本体12の上側には、略水平方向に延在する頂板15が配置され、主板14と頂板15とは、上下方向に延在する板状の首部16により連結されている。そして、パイプ4の曲がりを考慮して、首部16の上部を後方に突出させることで、頂板15を主板14の後方に配置させている。
【0018】
主板14の前面側には、水平方向に突出するバルブ位置決めピン17が立設されている。各バルブ位置決めピン17の先端は、バルブ3の取付フランジ(第1の取付部)9のボルト挿入孔9aに挿入される。これによって、バルブ3の位置決めが図られる。
【0019】
バルブ位置決めピン17の側方において、主板14にはプッシャ20が固定されている。このプッシャ20は、バルブ3を治具本体12の主板14に向けて押圧するためのものであり、プッシャ20によって、バルブ位置決めピン17の先端の座面17aにバルブ3の取付フランジ9が押し当てられ、主板14にバルブ3が保持される。
【0020】
プッシャ20の構成としては、水平方向に回動すると共に、遊端側にハンドル部21bを有するレバー21と、レバー21の回動に連動してバルブ3から離れたり近づいたりするように回動するアーム22と、アーム22の先端に設けられた円柱状の押圧部23と、レバー21とアーム22とを連動させるリンク機構Sと、を有している。押圧部23は、アーム22の端部でアーム22に対して直交する方向に突出し、その突出量は調整自在になっている。
【0021】
レバー21は、バルブ位置決めピン17と平行になるように、ハンドル21bを手前側に向けた始動状態(図2の一点鎖線Aを参照)と、この始動状態から70度(図2の一点鎖線Bを参照)だけ水平方向に回動させて押圧部23でバルブ3を軽い力で保持する仮止め状態と、この仮止め状態から更に30度すなわち始動状態から90度(図2の一点鎖線Cを参照)だけ水平方向に回動させて押圧部23でバルブ3を強い力で保持する本止め状態と、を発生させる。つまり、レバー21は、始動位置(図2の一点鎖線Aを参照)から第1の水平角度α(70度)の位置(図2の一点鎖線Bを参照)まで回動すると、押圧部23に仮止め力を発生させ、第1の水平角度α(70度)の位置から第2の水平角度β(90度)の位置(図2の一点鎖線Cを参照)まで回動すると、押圧部23に、仮止め力より強い本止め力を発生させる。
【0022】
これを達成させるためのリンク機構Sについて詳述する。
【0023】
図2及び図3に示されるように、リンク機構Sは、レバー21の先端部で「く」の字状に曲げられた第1のリンク部21aと、アーム22の基端でL字状に曲げられた第2のリンク部22aと、主板14から水平方向前方(作業者側)に向かって突出する台座部26と第1のリンク部21aとを連結する第3のリンク部27と、第3のリンク部27の一端と台座部26とを回動自在に連結する第1の軸部28と、第3のリンク部27の他端と第1のリンク部21aとを回動自在に連結する第2の軸部29と、第1のリンク部21aの先端側と第2のリンク部22aの基端側とを回動自在に連結する第3の軸部30と、第2のリンク部22aの先端側と台座部26とを回動自在に連結する第4の軸部31と、で構成されている。
【0024】
このような構成のリンク機構Sを採用することにより、レバー21を水平方向で回動させるにつれて、アーム22を水平方向でレバー21と反対回りに回動させることができる。これにより、レバー21の回動動作に伴って、押圧部23をバルブ3に対して近づけたり遠ざけたりするように回動させることができる。しかも、レバー21を、始動状態から70度(図2の一点鎖線Bを参照)だけ水平方向に回動させることで、押圧部23をバルブ3に軽い力で押し当てることができ、更にレバー21を、30度(図2の一点鎖線Cを参照)だけ水平方向に回動させることで、押圧部23をバルブ3に強い力で押し当てることができる。
【0025】
次に、レバー21とクランパー40との同期について説明をする。
【0026】
図2及び図5に示されるように、バルブ位置決めピン17の上方において、主板14にはクランパー40が固定されている。このクランパー40は、バルブ3に連結されるクーラ2をクランプするためのものであり、クランパー40のクランプ力は、プッシャ20の本止め力と同期して発生する。
【0027】
クランパー40は、主板14に固定されたブロック部41と、ブロック部41の下端から突出する軸部42と、軸部42を中心に水平面上で揺動するレバー状の揺動本体43と、揺動本体43の一端に立設された係止部44と、で構成されている。揺動本体43の他端には、主板14を貫通して水平方向にスライド自在な第1のスライドシャフト46の先端がピン45を介して連結され、この第1のスライドシャフト46の進退により、軸部42を中心に揺動本体43は揺動する。
【0028】
第1のスライドシャフト46は、主板14の背面側に配置されたブロック状の連動部50(図5参照)の上端に固定されている。この連動部50の下端には、水平方向に延在する第2のスライドシャフト51の後端が固定されている。この第2のスライドシャフト51は、第1のスライドシャフト46より下方に配置されると共に、主板14から突出する台座部26の側面に設けられた一対のガイド片26aによって水平状態で保持されている。
【0029】
また、一対のガイド片26a間には、圧縮螺旋バネ52が配置され、第2のスライドシャフト51の先端は、常時、アーム22側に向かってガイド片26aから突出させている。また、アーム22には指部53の基端が固定され、指部53は、アーム22と一緒に回動する。アーム22の回動により、指部53の先端が第2のスライドシャフト51の先端を押すと、指部53により、連動部50が主板14から離れるように後退し、連動部50の後退により、第1のスライドシャフト46は後方に引っ張られる。そして、揺動本体43を回動させ、係止部44とブロック部41とで、クーラ2に設けられたブラケットR1(図6参照)の平板部47を挟み込む。これによって、クーラ2はしっかりとその位置で保持される。なお、ブラケットR1の平板部47には、取付孔47aが形成されている。
【0030】
次に、レバー21と位置決めピン60との同期について説明をする。
【0031】
EGR組立治具10には、プッシャ20の本止め力と同期して上方に突出するパイプ位置決めピン60が設けられている。このパイプ位置決めピン60は、治具本体12の頂板15に固定された円板状のガイドプレート61から上下に出入り可能であり、レバー21が、一点鎖線のCの位置まで90度回動すると同時に、上方に突出する。
【0032】
パイプ位置決めピン60は、チューブ62内を移動するワイヤ63を介して、連動部50の進退に連動させている(図5参照)。ワイヤ63の上端はパイプ位置決めピン60の下端に固定され、ワイヤ63の下端は連動部50の略中央に固定されている。従って、レバー21を手前側から奥側に向かって正転方向に回動させることによって、第2のスライドシャフト51が指部53によって押されて連動部50が後退すると、ワイヤ63は押し上げられ、その結果として、パイプ位置決めピン60は、上方に突出する。また、レバー21を逆転方向に回動させることによって第2のスライドシャフト51が、圧縮螺旋バネ52によって前方に突出しながら、連動部50が主板14に向かって前進し、その結果、ワイヤ63は押し下げられる。そして、パイプ位置決めピン60はガイドプレート61内に格納される。
【0033】
また、頂板15には、ハウジング71内に格納されたバネによって前方に付勢されている押し当て部70が配置され、この押し当て部70の先端は、バネの付勢力によって突出する方向に付勢されると共に、パイプ位置決めピン60に対向して配置されている。従って、パイプ位置決めピン60は、パイプ4の上端に設けられたブラケットR2(図6参照)の平板部76に形成された取付孔76a内に挿入され、これによって、ブラケットR2を介してパイプ4の位置決めが図られる。そして、ブラケットR2の平板部76の周縁に押し当て部70の先端を当接させる。その結果、押し当て部70の先端とパイプ位置決めピン60とで、ブラケットR2の平板部76を挟み込むことができる。
【0034】
クーラ2の上にパイプ4を配置させるにあたって、パイプ位置決めピン60をブラケットR2の取付孔76a内に挿入させながら、押し当て部70にブラケットR2の平板部76の周縁を押し当てるようにして、パイプ4の位置出しを行う。このとき、パイプ4の取付フランジ4aとクーラ2の取付フランジ2bとを合わせるようにして、クーラ2上にパイプ4がセットされる。
【0035】
このようなEGR組立治具10においては、取付フランジ(第1の取付部)9のボルト挿入孔9a内に治具本体12のバルブ位置決めピン17を挿入させた状態で、プッシャ20により治具本体12にバルブ3を仮止めすることにより、第1の取付部9のボルト挿入孔9aの位置決めが治具本体12上で行われる。その後、バルブ3の上にクーラ2を配置させ、バルブ3を治具本体12に本止め力で保持する。それと同期して、クランパー40のクランプ力によりクーラ2をクランプすることにより、バルブ3を基準として、バルブ3に対するクーラ2の位置関係を確実に保持させることができる。
【0036】
また、このように、本止め力の発生と同期してパイプ位置決めピン60を突出させることにより、バルブ3に対するクーラ2の位置関係を確定させた後に、このパイプ位置決めピン60と押し当て部70とでブラケットR2を挟み込むようにして(図3参照)、パイプ4の位置出しを行いながら、クーラ2の上にパイプ4を確実に配置させることができる。
【0037】
そして、EGR組立治具10を利用して、バルブ3とクーラ2とパイプ4との位置合わせが完了した後、ナット6,8(図1参照)を締め込んで、バルブ3とクーラ2とパイプ4を強固に一体化させる。その後、レバー21を、奥側から手前側に向かって90度回動させることにより、EGR組立治具10からEGR1を取り外すことができる。
【符号の説明】
【0038】
1…EGR 2…クーラ(EGRクーラ) 3…バルブ(EGRバルブ) 4…パイプ(EGRパイプ) 4b…取付フランジ(第2の取付部) 9…取付フランジ(第1の取付部) 9a…ボルト挿入孔 10…EGR組立治具 12…治具本体 17…バルブ位置決めピン 20…プッシャ 21…レバー 22…アーム 23…押圧部 40…クランパー 60…パイプ位置決めピン S…リンク機構 α…第1の水平角度… β…第2の水平角度 R1,R2…ブラケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6