特許第6252696号(P6252696)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6252696電子デバイス及び固体撮像装置、並びに、電子デバイスにおける電極形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252696
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】電子デバイス及び固体撮像装置、並びに、電子デバイスにおける電極形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20171218BHJP
   H01L 31/10 20060101ALI20171218BHJP
   C23C 14/08 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   H01L27/146 E
   H01L31/10 H
   C23C14/08 K
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-1697(P2017-1697)
(22)【出願日】2017年1月10日
(62)【分割の表示】特願2014-43640(P2014-43640)の分割
【原出願日】2014年3月6日
(65)【公開番号】特開2017-85151(P2017-85151A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2017年1月10日
(31)【優先権主張番号】特願2013-81990(P2013-81990)
(32)【優先日】2013年4月10日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094363
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 孝久
(74)【代理人】
【識別番号】100118290
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 正明
(72)【発明者】
【氏名】森脇 俊貴
(72)【発明者】
【氏名】宇高 融
【審査官】 鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−067194(JP,A)
【文献】 特開平08−245220(JP,A)
【文献】 特開2011−211697(JP,A)
【文献】 特開2011−192976(JP,A)
【文献】 特開2009−231399(JP,A)
【文献】 特開2009−130090(JP,A)
【文献】 特開2010−074138(JP,A)
【文献】 特開2013−045977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/28 −21/288
H01L 21/329
H01L 21/339
H01L 21/44 −21/445
H01L 27/14 −27/148
H01L 27/30
H01L 29/40 −29/49
H01L 29/762
H01L 29/872
H01L 31/00 −31/02
H01L 31/0232
H01L 31/0248
H01L 31/0264−31/0336
H01L 31/08 −31/119
H01L 31/18 −31/20
H01L 51/42
C23C 14/00 −14/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極、第2電極、及び、第1電極と第2電極によって挟まれた光電変換層を備えており、
第1電極は、インジウムと、アルミニウムと、亜鉛と、酸素との少なくとも四元系化合物から構成された非晶質酸化物から成り、
第2電極の仕事関数の値と第1電極の仕事関数の値との差は0.4eV以上であり、第1電極の仕事関数の値は4.1eV乃至4.5eVである電子デバイスにおける電極形成方法であって、
スパッタリング法に基づき形成する際の酸素ガス分圧を0.005以下とすることで、第1電極の仕事関数の値を制御する、電子デバイスにおける電極形成方法。
【請求項2】
第1電極において、酸素の含有率は化学量論組成の酸素含有率よりも少ない請求項1に記載の電子デバイスにおける電極形成方法。
【請求項3】
第2電極の仕事関数の値と第1電極の仕事関数の値との差を0.4eV以上とすることで、仕事関数の値の差に基づき光電変換層において内部電界を発生させ、内部量子効率の向上を図る請求項1又は請求項2に記載の電子デバイスにおける電極形成方法
【請求項4】
第1電極の、波長400nm乃至660nmの光に対する光透過率は80%以上である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電子デバイスにおける電極形成方法
【請求項5】
第1電極のシート抵抗値は、3×10Ω/□乃至1×103Ω/□である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電子デバイスにおける電極形成方法
【請求項6】
電子デバイスは光電変換素子から成る請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電子デバイスにおける電極形成方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子デバイス、及び、係る電子デバイスを組み込んだ固体撮像装置、並びに、電子デバイスにおける電極形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサー等の光電変換素子から成る電子デバイスは、通常、光電変換部位を2つの電極で挟み込んだ構造を有する。このような光電変換素子が、例えば、特開2007−067194から周知である。即ち、特開2007−067194に開示された光電変換素子は、下部電極、有機層、上部電極を順に積層することで構成されており、下部電極及び上部電極の内、少なくとも片側が透明電極であり、一方の電極で電子を捕集し、他方の電極で正孔を捕集して光電流を読み出す有機光電変換素子である。そして、電子を捕集する一方の電極は透明電極であり、その仕事関数が4.5eV以下である。一方、正孔を捕集する他方の電極の仕事関数は4.5eV以上である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−067194
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この特許公開公報にあっては、電子を捕集する一方の電極の仕事関数の値、及び、正孔を捕集する他方の電極の仕事関数の値は規定されているが、電子を捕集する一方の電極の仕事関数の値と、正孔を捕集する他方の電極の仕事関数の値との差に関しては、何ら言及されていない。また、電子を捕集する電極の仕事関数の最適化に関しても、何ら言及されていない。更には、内部量子効率の向上といった観点からの有機層における内部電界の生成に関しても、何ら言及されていない。
【0005】
従って、本開示の第1の目的は、2つの電極の仕事関数の差の適切化を図り、内部量子効率の向上を可能とする構成、構造を有する電子デバイス、及び、係る電子デバイスを組み込んだ固体撮像装置、並びに、係る電子デバイスにおける電極形成方法を提供することにある。また、本開示の第2の目的は、電子を捕集する電極の仕事関数の最適化を図り得る構成、構造を有する電子デバイス、及び、係る電子デバイスを組み込んだ固体撮像装置、並びに、係る電子デバイスにおける電極形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の第1の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る電子デバイスは、第1電極、第2電極、及び、第1電極と第2電極によって挟まれた光電変換層を備えており、
第1電極は、インジウム(In)と、ガリウム(Ga)及び/又はアルミニウム(Al)と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)との少なくとも四元系化合物から構成された非晶質酸化物から成り、
第2電極の仕事関数の値と第1電極の仕事関数の値との差は0.4eV以上である。
【0007】
上記の第2の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る電子デバイスは、第1電極、第2電極、及び、第1電極と第2電極によって挟まれた光電変換層を備えており、
第1電極は、インジウム(In)と、ガリウム(Ga)及び/又はアルミニウム(Al)と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)との少なくとも四元系化合物から構成された非晶質酸化物から成り、
第1電極は、光電変換層側から、第1B層及び第1A層の積層構造を有し、
第1電極の第1A層の仕事関数の値は、第1電極の第1B層の仕事関数の値よりも低い。
【0008】
上記の第1の目的あるいは第2の目的を達成するための本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る固体撮像装置は、上記の本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る電子デバイスを備えている。
【0009】
上記の第1の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る電子デバイスにおける電極形成方法は、
第1電極、第2電極、及び、第1電極と第2電極によって挟まれた光電変換層を備えており、
第1電極は、インジウム(In)と、ガリウム(Ga)及び/又はアルミニウム(Al)と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)との少なくとも四元系化合物から構成された非晶質酸化物から成り、
第2電極の仕事関数の値と第1電極の仕事関数の値との差は0.4eV以上である電子デバイスにおける電極形成方法であって、
スパッタリング法に基づき形成する際の酸素ガス導入量(酸素ガス分圧)を制御することで、第1電極の仕事関数の値を制御する。
【0010】
上記の第2の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る電子デバイスにおける電極形成方法は、
第1電極、第2電極、及び、第1電極と第2電極によって挟まれた光電変換層を備えており、
第1電極は、インジウム(In)と、ガリウム(Ga)及び/又はアルミニウム(Al)と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)との少なくとも四元系化合物から構成された非晶質酸化物から成り、
第1電極は、光電変換層側から、第1B層及び第1A層の積層構造を有し、
第1電極の第1A層の仕事関数の値は、第1電極の第1B層の仕事関数の値よりも低い電子デバイスにおける電極形成方法であって、
スパッタリング法に基づき形成する際の酸素ガス導入量(酸素ガス分圧)を制御することで、第1電極の第1A層及び第1B層の仕事関数の値を制御する。
【発明の効果】
【0011】
本開示の第1の態様に係る電子デバイスあるいは固体撮像装置にあっては、第2電極の仕事関数の値と第1電極の仕事関数の値との差が規定されているので、第1電極と第2電極との間にバイアス電圧を印加したとき、内部量子効率の向上を図ることができるし、また、暗電流の発生を抑制することが可能となる。本開示の第2の態様に係る電子デバイスあるいは固体撮像装置にあっては、第1電極が第1A層及び第1B層の2層構造を有し、しかも、第1B層と第1A層の仕事関数の差が規定されているので、第1電極における仕事関数の最適化を図ることができ、キャリアの授受(移動)が一層容易になる。本開示の第1の態様に係る電子デバイスにおける電極形成方法にあっては、スパッタリング法に基づき形成する際の酸素ガス導入量(酸素ガス分圧)を制御することで第1電極の仕事関数の値を制御することができる結果、仕事関数の値の差に基づき光電変換層において大きな内部電界を発生させることができるので、内部量子効率の向上を図ることができ、また、暗電流の発生を抑制することが可能な電子デバイスを、簡素な製造プロセスで製造することができる。本開示の第2の態様に係る電子デバイスにおける電極形成方法にあっては、スパッタリング法に基づき形成する際の酸素ガス導入量(酸素ガス分圧)を制御することで第1電極の第1A層及び第1B層の仕事関数の値を制御することができる結果、第1電極の仕事関数の最適化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1A及び図1Bは、実施例1の電子デバイスの製造方法、実施例1の電子デバイスにおける電極形成方法を説明するための基板等の模式的な一部断面図であり、図1Cは、実施例2の電子デバイスの模式的な一部断面図である。
図2図2Aは、実施例1において、スパッタリング法に基づき第1電極を形成する際の酸素ガス導入量(酸素ガス分圧)と第1電極の仕事関数の値の関係を求めた結果の一例を示すグラフであり、図2Bは、実施例1、実施例2及び比較例1の電子デバイスにおいて得られたI−V曲線のグラフである。
図3図3A及び図3Bは、それぞれ、実施例1及び比較例1の電子デバイスにおけるエネルギーダイヤグラムの概念図であり、図3C及び図3Dは、それぞれ、実施例1及び比較例1の電子デバイスにおける仕事関数の値の差とエネルギーダイヤグラムとの相関を示す概念図である。
図4図4A及び図4Bは、それぞれ、実施例1の電子デバイスにおける内部量子効率と仕事関数の値の差との相関、及び、暗電流と仕事関数の値の差との相関を示すグラフである。
図5図5A及び図5Bは、それぞれ、実施例2の電子デバイスにおける内部量子効率と仕事関数の値の差との相関、及び、暗電流と仕事関数の値の差との相関を示すグラフである。
図6図6は、実施例3の固体撮像装置の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本開示を説明するが、本開示は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電子デバイス及び固体撮像装置、並びに、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電子デバイスにおける電極形成方法、全般に関する説明
2.実施例1(本開示の第1の態様に係る電子デバイス、及び、本開示の第1の態様に係る電子デバイスにおける電極形成方法)
3.実施例2(本開示の第2の態様に係る電子デバイス、及び、本開示の第2の態様に係る電子デバイスにおける電極形成方法)
4.実施例3(本開示の第1の態様〜第2の態様に係る固体撮像装置)、その他
【0014】
[本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電子デバイス及び固体撮像装置、並びに、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電子デバイスにおける電極形成方法、全般に関する説明]
本開示の第1の態様に係る電子デバイス、本開示の第1の態様に係る固体撮像装置を構成する電子デバイス、本開示の第1の態様に係る電子デバイスにおける電極形成方法によって得られる電子デバイスを、以下、総称して、『本開示の第1の態様に係る電子デバイス等』と呼ぶ場合があるし、本開示の第2の態様に係る電子デバイス、本開示の第2の態様に係る固体撮像装置を構成する電子デバイス、本開示の第2の態様に係る電子デバイスにおける電極形成方法によって得られる電子デバイスを、以下、総称して、『本開示の第2の態様に係る電子デバイス等』と呼ぶ場合がある。また、本開示の第1の態様に係る電子デバイスにおける電極形成方法、及び、本開示の第2の態様に係る電子デバイスにおける電極形成方法を、以下、総称して、『本開示の電子デバイスにおける電極形成方法等』と呼ぶ場合がある。
【0015】
本開示の第1の態様に係る電子デバイス等にあっては、あるいは又、本開示の第1の態様に係る電子デバイスにおける電極形成方法にあっては、第2電極の仕事関数の値と第1電極の仕事関数の値との差を0.4eV以上とすることで、仕事関数の値の差に基づき光電変換層において内部電界を発生させ、内部量子効率の向上を図る形態とすることができる。
【0016】
本開示の第2の態様に係る電子デバイス等において、あるいは又、本開示の第2の態様に係る電子デバイスにおける電極形成方法において、第1電極の第1A層の仕事関数の値と第1電極の第1B層の仕事関数の値との差は、0.1eV乃至0.2eVであることが好ましい。また、第2電極の仕事関数の値と第1電極の第1A層の仕事関数の値との差は0.4eV以上であることが好ましい。
【0017】
上記の好ましい形態を含む本開示の第2の態様に係る電子デバイス等において、あるいは又、本開示の第2の態様に係る電子デバイスにおける電極形成方法において、第1電極の厚さは1×10-8m乃至1×10-7mであり、第1電極の第1A層の厚さと第1電極の第1B層の厚さの割合は9/1乃至1/9である形態とすることができる。尚、光電変換層に対する酸素原子や酸素分子の影響を少なくするために、第1電極の第1A層の厚さよりも第1B層の厚さは薄いことが、より好ましい。上記の好ましい形態を含む本開示の第1の態様に係る電子デバイス等において、あるいは又、本開示の第1の態様に係る電子デバイスにおける電極形成方法においても、第1電極の厚さを1×10-8m乃至1×10-7mとすることが好ましい。
【0018】
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の第2の態様に係る電子デバイス等においては、あるいは又、本開示の第2の態様に係る電子デバイスにおける電極形成方法においては、第2電極の仕事関数の値と第1電極の第1A層の仕事関数の値との差を0.4eV以上とすることで、仕事関数の値の差に基づき光電変換層において内部電界を発生させ、内部量子効率の向上を図ることが好ましい。
【0019】
以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電子デバイス等において、また、本開示の電子デバイスにおける電極形成方法等において、第1電極の仕事関数の値は、限定するものではないが、例えば、4.1eV乃至4.5eVである形態とすることができる。
【0020】
以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電子デバイス等において、また、本開示の電子デバイスにおける電極形成方法等において、第1電極は、インジウム−ガリウム複合酸化物(IGO)、インジウム・ドープのガリウム−亜鉛複合酸化物(IGZO,In−GaZnO4)、酸化アルミニウム・ドープの酸化亜鉛(AZO)、インジウム−亜鉛複合酸化物(IZO)、又は、ガリウム・ドープの酸化亜鉛(GZO)といった、透明導電性材料から構成されている形態とすることができる。尚、これらの透明導電性材料から構成された第1電極の仕事関数の値は、例えば、4.1eV乃至4.5eVである。更には、これらの形態を含む本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電子デバイス等において、また、本開示の電子デバイスにおける電極形成方法等において、第2電極は、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛複合酸化物(IZO)、又は、酸化錫(SnO2)といった、透明導電性材料から構成されている形態とすることができる。尚、これらの透明導電性材料から構成された第2電極の仕事関数の値は、例えば、4.8eV乃至5.0eVである。
【0021】
更には、以上に説明した好ましい形態を含む本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電子デバイス等において、また、本開示の電子デバイスにおける電極形成方法等において、第1電極の、波長400nm乃至660nmの光に対する光透過率は80%以上である構成とすることが好ましい。また、第2電極の、波長400nm乃至660nmの光に対する光透過率も80%以上である構成とすることが好ましい。更には、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電子デバイス等において、また、本開示の電子デバイスにおける電極形成方法等において、第1電極のシート抵抗値は3×10Ω/□乃至1×103Ω/□である構成とすることが望ましい。
【0022】
更には、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電子デバイス等において、第1電極をスパッタリング法に基づき形成する際の酸素ガス導入量(酸素ガス分圧)を制御することで、第1電極の仕事関数の値が制御される構成とすることができる。また、第1電極をスパッタリング法に基づき形成する際の酸素ガス導入量(酸素ガス分圧)を制御することで、第1電極の第1A層及び第1B層の仕事関数の値が制御される構成とすることができる。更には、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電子デバイス等にあっては、酸素の含有率が化学量論組成の酸素含有率よりも少ない形態とすることができる。ここで、酸素の含有率に基づいて第1電極の仕事関数の値を制御することができ、酸素の含有率が化学量論組成の酸素含有率よりも少なくなる程、即ち、酸素欠損が多くなる程、仕事関数の値は小さくなる。尚、第1電極の第1A層の酸素の含有率は、第1電極の第1B層の酸素の含有率よりも低い。
【0023】
更には、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電子デバイス等において、電子デバイスは光電変換素子から成る形態とすることができる。また、本開示の電子デバイスにおける電極形成方法等において、電極は光電変換素子用の電極である形態とすることができる。
【0024】
また、各種の好ましい形態を含む本開示の電子デバイスにおける電極形成方法等にあっては、第1電極において、酸素の含有率は化学量論組成の酸素含有率よりも少ない形態とすることができる。尚、本開示の第2の態様に係る電子デバイスにおける電極形成方法において、第1電極の第1A層の酸素の含有率は、第1電極の第1B層の酸素の含有率よりも低い。
【0025】
以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電子デバイス等(以下、これらを総称して、『本開示の電子デバイス等』と呼ぶ場合がある)において、具体的には、例えば、第1電極が基板上に形成されており、光電変換層が第1電極上に形成されており、第2電極が光電変換層上に形成されている構成とすることができるし、あるいは又、例えば、第2電極が基板上に形成されており、光電変換層が第2電極上に形成されており、第1電極が光電変換層上に形成されている構成とすることができる。即ち、本開示の電子デバイス等は、第1電極及び第2電極を備えた2端子型電子デバイス構造を有する。但し、これに限定するものではなく、更に制御電極を備えた3端子型電子デバイス構造としてもよく、制御電極への電圧の印加によって、流れる電流の変調を行うことが可能となる。3端子型電子デバイス構造として、具体的には、所謂ボトムゲート/ボトムコンタクト型、ボトムゲート/トップコンタクト型、トップゲート/ボトムコンタクト型、トップゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ(FET)と同じ構成、構造を挙げることができる。尚、第1電極をカソード電極(陰極)として機能させる(即ち、電子を取り出す電極として機能させる)ことができる一方、第2電極をアノード電極(陽極)として機能させる(即ち、正孔を取り出す電極として機能させる)ことができる。光電変換層が異なる光吸収スペクトルを有する電子デバイス等を複数、積層した構造を採用することもできる。また、例えば、基板をシリコン半導体基板から構成し、このシリコン半導体基板に電子デバイス等の駆動回路や、光電変換層を設けておき、このシリコン半導体基板に電子デバイス等を積層した構造を採用することもできる。
【0026】
光電変換層は、アモルファス状態であってもよいし、結晶状態であってもよい。光電変換層を構成する有機材料として、有機半導体材料、有機金属化合物、有機半導体微粒子、金属酸化物半導体、無機半導体微粒子、コア部材がシェル部材で被覆された材料、有機−無機ハイブリッド化合物を用いることができる。
【0027】
ここで、有機半導体材料として、具体的には、キナクリドン及びその誘導体に代表される有機色素、Alq3[tris(8-quinolinolato)aluminum(III)]に代表される前周期(周期表の左側の金属を指す)イオンを有機材料でキレート化した色素、フタロシアニン亜鉛(II)に代表される遷移金属イオンと有機材料によって錯形成された有機金属色素、ジナフトチエノチオフェン(DNTT)等を挙げることができる。
【0028】
また、有機金属化合物として、具体的には、上述した前周期イオンを有機材料でキレート化した色素、遷移金属イオンと有機材料によって錯形成された有機金属色素を挙げることができる。有機半導体微粒子として、具体的には、前述したキナクリドン及びその誘導体に代表される有機色素の会合体、前周期イオンを有機材料でキレート化した色素の会合体、遷移金属イオンと有機材料によって錯形成された有機金属色素の会合体、あるいは又、金属イオンをシアノ基で架橋したプルシアンブルー及びその誘導体、あるいは又、これらの複合会合体を挙げることができる。
【0029】
金属酸化物半導体、無機半導体微粒子として、具体的には、ITO、IGZO、ZnO、IZO、IrO2、TiO2、SnO2、SiOX、カルゴゲン[例えば、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)]を含む金属カルゴゲン半導体(具体的には、CdS、CdSe、ZnS、CdSe/CdS、CdSe/ZnS、PbSe)、ZnO、CdTe、GaAs、及び、Siを挙げることができる。
【0030】
コア部材がシェル部材で被覆された材料、即ち、(コア部材,シェル部材)の組合せとして、具体的には、(ポリスチレン,ポリアニリン)といった有機材料や、(イオン化し難い金属材料,イオン化し易い金属材料)といった金属材料を挙げることができる。有機−無機ハイブリッド化合物として、具体的には、金属イオンをシアノ基で架橋したプルシアンブルー及びその誘導体を挙げることができるし、その他、ビピリジン類で金属イオンを無限架橋したもの、シュウ酸、ルベアン酸に代表される多価イオン酸で金属イオンを架橋したものの総称である配位高分子(Coordination Polymer)を挙げることができる。
【0031】
光電変換層の形成方法として、使用する材料にも依るが、塗布法、物理的気相成長法(PVD法);MOCVD法を含む各種の化学的気相成長法(CVD法)を挙げることができる。ここで、塗布法として、具体的には、スピンコート法;浸漬法;キャスト法;スクリーン印刷法やインクジェット印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法といった各種印刷法;スタンプ法;スプレー法;エアドクタコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、ナイフコーター法、スクイズコーター法、リバースロールコーター法、トランスファーロールコーター法、グラビアコーター法、キスコーター法、キャストコーター法、スプレーコーター法、スリットオリフィスコーター法、カレンダーコーター法といった各種コーティング法を例示することができる。尚、塗布法においては、溶媒として、トルエン、クロロホルム、ヘキサン、エタノールといった無極性又は極性の低い有機溶媒を例示することができる。また、PVD法として、電子ビーム加熱法、抵抗加熱法、フラッシュ蒸着等の各種真空蒸着法;プラズマ蒸着法;2極スパッタリング法、直流スパッタリング法、直流マグネトロンスパッタリング法、高周波スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法、バイアススパッタリング法等の各種スパッタリング法;DC(direct current)法、RF法、多陰極法、活性化反応法、電界蒸着法、高周波イオンプレーティング法、反応性イオンプレーティング法等の各種イオンプレーティング法を挙げることができる。
【0032】
光電変換層の厚さは、限定するものではないが、例えば、1×10-10m乃至5×10-7mを例示することができる。
【0033】
第1電極をスパッタリング法に基づき形成するが、具体的には、マグネトロンスパッタリング法や平行並板スパッタリング法を挙げることができ、DC放電方式あるいはRF放電方式を用いたプラズマ発生形成方式を用いるものを挙げることができる。尚、本開示にあっては、酸素流量(酸素ガス導入量、酸素ガス分圧)によって仕事関数を制御することができるという大きな特徴を有する。
【0034】
第2電極を形成する方法として、第2電極を構成する材料にも依るが、真空蒸着法や反応性蒸着法、各種のスパッタリング法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法といったPVD法、パイロゾル法、有機金属化合物を熱分解する方法、スプレー法、ディップ法、MOCVD法を含む各種のCVD法、無電解メッキ法、電解メッキ法を挙げることができる。
【0035】
基板として、ポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル,PMMA)やポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)に例示される有機ポリマー(高分子材料から構成された可撓性を有するプラスチック・フィルムやプラスチック・シート、プラスチック基板といった高分子材料の形態を有する)を挙げることができる。このような可撓性を有する高分子材料から構成された基板を使用すれば、例えば曲面形状を有する電子機器への電子デバイスの組込みあるいは一体化が可能となる。あるいは又、基板として、各種ガラス基板や、表面に絶縁膜が形成された各種ガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、シリコン半導体基板、表面に絶縁膜が形成されたシリコン半導体基板、ステンレス鋼等の各種合金や各種金属から成る金属基板を挙げることができる。尚、絶縁膜として、酸化ケイ素系材料(例えば、SiOXやスピンオンガラス(SOG));窒化ケイ素(SiNY);酸窒化ケイ素(SiON);酸化アルミニウム(Al23);金属酸化物や金属塩を挙げることができる。また、表面にこれらの絶縁膜が形成された導電性基板(金やアルミニウム等の金属から成る基板、高配向性グラファイトから成る基板)を用いることもできる。基板の表面は、平滑であることが望ましいが、光電変換層の特性に悪影響を及ぼさない程度のラフネスがあっても構わない。基板の表面にシランカップリング法によるシラノール誘導体を形成したり、SAM法等によりチオール誘導体、カルボン酸誘導体、リン酸誘導体等から成る薄膜を形成したり、CVD法等により絶縁性の金属塩や金属錯体から成る薄膜を形成することで、第1電極や第2電極と基板との間の密着性を向上させてもよい。
【0036】
場合によっては、第1電極や第2電極を被覆層で被覆してもよい。被覆層を構成する材料として、酸化ケイ素系材料;窒化ケイ素(SiNY);酸化アルミニウム(Al23)等の金属酸化物高誘電絶縁膜にて例示される無機系絶縁材料だけでなく、ポリメチルメタクリレート(PMMA);ポリビニルフェノール(PVP);ポリビニルアルコール(PVA);ポリイミド;ポリカーボネート(PC);ポリエチレンテレフタレート(PET);ポリスチレン;N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン(AEAPTMS)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)等のシラノール誘導体(シランカップリング剤);オクタデカンチオール、ドデシルイソシアネイト等の一端に制御電極と結合可能な官能基を有する直鎖炭化水素類にて例示される有機系絶縁材料(有機ポリマー)を挙げることができるし、これらの組み合わせを用いることもできる。尚、酸化ケイ素系材料として、酸化シリコン(SiOX)、BPSG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、酸化窒化シリコン(SiON)、SOG(スピンオングラス)、低誘電率材料(例えば、ポリアリールエーテル、シクロパーフルオロカーボンポリマー及びベンゾシクロブテン、環状フッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化アリールエーテル、フッ化ポリイミド、アモルファスカーボン、有機SOG)を例示することができる。絶縁層の形成方法として、上述の各種PVD法;各種CVD法;スピンコート法;上述した各種の塗布法;ゾル−ゲル法;電着法;シャドウマスク法;及び、スプレー法の内のいずれかを挙げることができる。
【0037】
本開示の電子デバイスによって、テレビカメラ等の撮像装置(固体撮像装置)以外にも、光センサーやイメージセンサーを構成することができる。
【実施例1】
【0038】
実施例1は、本開示の第1の態様に係る電子デバイス、及び、本開示の第1の態様に係る電子デバイスにおける電極形成方法に関する。実施例1の電子デバイスの模式的な一部断面図を図1Bに示す。
【0039】
実施例1あるいは後述する実施例2の電子デバイスは、具体的には光電変換素子から成り、第1電極21、第2電極22、及び、第1電極21と第2電極22によって挟まれた光電変換層23を備えており、第1電極21は、インジウム(In)と、ガリウム(Ga)及び/又はアルミニウム(Al)と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)との少なくとも四元系化合物[Ina(Ga,Al)bZncd]から構成された非晶質酸化物から成る。尚、「a」、「b」、「c」、「d」は種々の値を取り得る。ここで、実施例1の電子デバイスにおいて、より具体的には、第2電極22が、シリコン半導体基板から成る基板10上に形成されており、光電変換層23は第2電極22上に形成されており、第1電極21は光電変換層23上に形成されており、実施例1あるいは後述する実施例2の電子デバイスは、第1電極21及び第2電極22を備えた2端子型電子デバイス構造を有する。そして、実施例1あるいは後述する実施例2の電子デバイスにあっては、第2電極22の仕事関数の値と第1電極21の仕事関数の値との差は0.4eV以上である。ここで、第2電極22の仕事関数の値と第1電極21の仕事関数の値との差を0.4eV以上とすることで、仕事関数の値の差に基づき光電変換層23において内部電界を発生させ、内部量子効率の向上を図る。第1電極21はカソード電極(陰極)として機能する。即ち、電子を取り出す電極として機能する。一方、第2電極22はアノード電極(陽極)として機能する。即ち、正孔を取り出す電極として機能する。光電変換層23は、例えば、厚さ100μmのキナクリドンから成る。
【0040】
より具体的には、実施例1にあっては、第1電極21は、インジウム・ドープのガリウム−亜鉛複合酸化物(IGZO)といった透明導電性材料から成る。また、第2電極22は、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)といった透明導電性材料から成る。ここで、IGZOの仕事関数は、成膜条件にも依るが、4.1eV乃至4.2eVである。また、ITOの仕事関数は、成膜条件にも依るが、4.8eV乃至5.0eVである。尚、第1電極21を構成する材料として、その他、インジウム−ガリウム複合酸化物(IGO)、酸化アルミニウム・ドープの酸化亜鉛(AZO)、インジウム−亜鉛複合酸化物(IZO)、又は、ガリウム・ドープの酸化亜鉛(GZO)といった透明導電性材料を挙げることができるし、第2電極22を構成する材料として、その他、インジウム−亜鉛複合酸化物(IZO)、酸化錫(SnO2)といった透明導電性材料を挙げることができる。尚、以上の説明は、後述する実施例2においても、概ね同様である。
【0041】
そして、実施例1あるいは後述する実施例2の電子デバイスにあっては、第1電極21の、波長400nm乃至660nmの光に対する光透過率は80%以上であり、第2電極22の、波長400nm乃至660nmの光に対する光透過率も80%以上である。第1電極21、第2電極22の光透過率は、透明なガラス板の上に第1電極21、第2電極22を成膜することで、測定することができる。また、第1電極21のシート抵抗値は3×10Ω/□乃至1×103Ω/□である。より具体的には、厚さ100μmのIGZOから成る第1電極21のシート抵抗値は、800Ω/□である。
【0042】
以下、実施例1の電子デバイスにおける電極形成方法、具体的には、第1電極の形成方法を、図1A及び図1Bを参照して、説明する。尚、実施例1の電子デバイスにおける電極形成方法によって得られる電極は、光電変換素子用の電極である。
【0043】
[工程−100]
シリコン半導体基板から成る基板10を準備する。ここで、基板10には、例えば、電子デバイスの駆動回路(図示せず)、配線11が設けられており、表面には絶縁層12が形成されている。絶縁層12には、底部に配線11が露出した開口部13が設けられている。そして、開口部13内を含む絶縁層12上に、スパッタリング法に基づき、ITOから成る第2電極22を形成(成膜)する(図1A参照)。
【0044】
[工程−110]
次いで、第2電極22のパターニングを行った後、全面に、真空蒸着法にて、キナクリドンから成る光電変換層23を形成(成膜)し、更に、光電変換層23上に、スパッタリング法に基づき、IGZOから成る第1電極21を形成(成膜)する。こうして、図1Bに示す構造を有する実施例1の電子デバイスを得ることができる。
【0045】
ここで、スパッタリング法に基づき第1電極21を形成する際の酸素ガス導入量(酸素ガス分圧)を制御することで、第1電極21の仕事関数の値を制御する。酸素ガス分圧と第1電極21の仕事関数の値の関係を求めた結果の一例を図2Aのグラフに示すが、酸素ガス分圧の値が高くなるに従い、即ち、酸素欠損が少なくなる程、第1電極21の仕事関数の値は高くなり、酸素ガス分圧の値が低くなるに従い、即ち、酸素欠損が多くなる程、第1電極21の仕事関数の値は低くなっている。尚、スパッタリング装置として、平行並板スパッタリング装置あるいはDCマグネトロンスパッタリング装置を用い、プロセスガスとしてアルゴン(Ar)ガスを使用し、ターゲットとしてInGaZnO4焼結体を用いた。
【0046】
このように、実施例1の電子デバイスにあっては、第1電極21をスパッタリング法に基づき形成する際の酸素ガス導入量(酸素ガス分圧)を制御することで、第1電極21の仕事関数の値が制御される。尚、第1電極21において、酸素の含有率は化学量論組成の酸素含有率よりも少ない。
【0047】
実施例1の電子デバイス(光電変換素子)及び比較例1の電子デバイス(光電変換素子)において得られたI−V曲線を図2Bに示す。尚、図2B中、「A」は、実施例1の電子デバイスの測定結果であり、「B」は、後述する実施例2の電子デバイスの測定結果であり、「C」は、比較例1の電子デバイスの測定結果である。ここで、比較例1の電子デバイスは、実施例1の電子デバイスの第1電極21を、IGZOの代わりにITOから構成したものである。図2Bから、実施例1あるいは後述する実施例2の電子デバイスにあっては、逆バイアス電圧1ボルト弱(バイアス電圧−1ボルト弱)において、急激に電流値が増加していることが判る。実施例1及び比較例1の電子デバイスの内部量子効率の値、オン/オフ比の値は、以下の表1のとおりであった。尚、内部量子効率ηは、入射フォトン数に対する生成された電子数の比であり、以下の式で表すことができる。
【0048】
η={(h・c)/(q・λ)}(I/P)=(1.24/λ)(I/P)
ここで、
h:プランク定数
c:光速
q:電子の電荷
λ:入射光の波長(μm)
I:明電流であり、実施例1の測定にあっては、逆バイアス電圧1ボルトにおいて得られる電流値(アンペア/cm2
P:入射光のパワー(アンペア/cm2
である。
【0049】
[表1]
内部量子効率(%) オン/オフ比
実施例1 39 2.6
実施例2 55 3.4
比較例1 5.4 1.4
【0050】
比較例1の電子デバイスにあっては、第1電極及び第2電極を共にITOから構成しているので、エネルギーダイヤグラムの概念図を図3Bに示すように、第2電極の仕事関数の値と第1電極の仕事関数の値との差は無い。従って、第2電極からの正孔が第1電極に流入し易く、その結果、暗電流が増加する。また、第2電極の仕事関数の値と第1電極の仕事関数の値との差が無いので、電子及び正孔の取り出し時、電位勾配が存在せず(即ち、光電変換層において内部電界が発生せず)、電子及び正孔の円滑な取り出しが困難となる(図3Dの概念図を参照)。一方、実施例1の電子デバイスにあっては、第1電極をIGZOから構成し、第2電極をITOから構成しており、第2電極の仕事関数の値と第1電極の仕事関数の値との差は、0.4eV以上である。エネルギーダイヤグラムの概念図を図3Aに示す。従って、第2電極からの正孔が第1電極に流入することを防ぐことができる結果、暗電流の発生を抑制することができる。また、第2電極の仕事関数の値と第1電極の仕事関数の値との差が0.4eV以上あるので、電子及び正孔の取り出し時、電位勾配が発生し(即ち、光電変換層において内部電界が発生し)、この電位勾配を応用して電子及び正孔の円滑な取り出しを行うことができる(図3Cの概念図を参照)。
【0051】
更には、内部量子効率と仕事関数の値の差との相関を調べた結果を図4Aのグラフに示し、暗電流(実施例1の測定にあっては、逆バイアス電圧1ボルトにおいて光を照射しないときに得られる電流値)と仕事関数の値の差との相関を調べた結果を図4Bのグラフに示す。尚、図4A及び図4Bの横軸は、第2電極22の仕事関数の値と第1電極21の仕事関数の値との差を示し、後述する図5A及び図5Bの横軸は、第1電極21の第1B層21Bの仕事関数の値と第1電極21の第1A層21Aの仕事関数の値との差を示す。図4A及び図4Bから、仕事関数の値の差が0.4eV付近を境にして、内部量子効率の明確な増加、暗電流の明確な低下が認められた。
【0052】
以上のように、実施例1の電子デバイスにあっては、第2電極の仕事関数の値と第1電極の仕事関数の値との差が規定されているので、第1電極と第2電極との間にバイアス電圧(より具体的には、逆バイアス電圧)を印加したとき、仕事関数の値の差に基づき光電変換層において大きな内部電界を発生させることができる結果、内部量子効率の向上を図ることができるし、即ち、光電流の増加を図ることができるし、また、暗電流の発生を抑制することが可能となる。実施例1の電子デバイスにおける電極形成方法(第1電極の形成方法)にあっては、スパッタリング法に基づき形成する際の酸素ガス導入量(酸素ガス分圧)を制御することで第1電極の仕事関数の値を制御することができる結果、仕事関数の値の差に基づき光電変換層において大きな内部電界を発生させることができるので、内部量子効率の向上を図ることができるし、即ち、光電流の増加を図ることができるし、また、暗電流の発生を抑制することが可能な電子デバイスを、簡素な製造プロセスで製造することができる。
【実施例2】
【0053】
実施例2は、本開示の第2の態様に係る電子デバイス、及び、本開示の第2の態様に係る電子デバイスにおける電極形成方法に関する。実施例2の電子デバイスの模式的な一部断面図を図1Cに示す。
【0054】
実施例2の電子デバイスにおいて、第1電極21は、光電変換層側から、第1B層21B及び第1A層21Aの積層構造を有し、第1電極21の第1A層21Aの仕事関数の値は、第1電極21の第1B層21Bの仕事関数の値よりも低い。具体的には、第1電極21の第1A層21Aの仕事関数の値と第1電極21の第1B層21Bの仕事関数の値との差は、0.1eV乃至0.2eV、より具体的には、0.15eVであり、第2電極22の仕事関数の値と第1電極21の第1A層21Aの仕事関数の値との差は0.4eV以上である。また、第1電極21の厚さは、1×10-8m乃至1×10-7m、具体的には、50nmであり、第1電極21の第1A層21Aの厚さと第1電極21の第1B層21Bの厚さの割合は9/1乃至1/9、具体的には、9/1である。実施例2にあっても、第2電極22の仕事関数の値と第1電極21の第1A層21の仕事関数の値との差を0.4eV以上とすることで、仕事関数の値の差に基づき光電変換層において内部電界を発生させ、内部量子効率の向上を図る。ここで、第1A層21Aの組成をIna(Ga,Al)bZncdとし、第1B層21Bの組成をIna'(Ga,Al)b'Znc'd'としたとき、a=a’,b=b’,c=c’であり、更には、d<d’である。実施例2の電子デバイスの内部量子効率の値、オン/オフ比の値を、上記の表1に示す。また、実施例2の電子デバイス(光電変換素子)において得られたI−V曲線を図2Bに示す。更には、内部量子効率と仕事関数の値の差との相関を調べた結果を図5Aのグラフに示し、暗電流(実施例2の測定にあっても、逆バイアス電圧1ボルトにおいて光を照射しないときに得られる電流値)と仕事関数の値の差との相関を調べた結果を図5Bのグラフに示す。図5A及び図5Bから、第1電極の第1A層の仕事関数の値と第1電極の第1B層の仕事関数の値との差が約0.2eV付近まで増加するに従い、内部量子効率の明確な増加、暗電流の明確な低下が認められた。
【0055】
実施例2の電子デバイスにおける電極形成方法にあっては、実施例1の[工程−110]と同様の工程において、例えば、図2Aのグラフに示したように、スパッタリング法に基づき形成する際の酸素ガス導入量を制御することで、第1電極21の第1A層21A及び第1B層21Bの仕事関数の値を制御する。
【0056】
実施例2の電子デバイスにあっては、第1電極が第1A層と第1B層から構成され、しかも、第1A層と第1B層の仕事関数の差が規定されているので、第1電極における仕事関数の最適化を図ることができ、キャリアの授受(移動)が一層容易になる。
【実施例3】
【0057】
実施例3は、本開示の固体撮像装置に関する。実施例3の固体撮像装置は、実施例1〜実施例2の電子デバイス(具体的には、光電変換素子)を備えている。
【0058】
図6に、実施例3の固体撮像装置(固体撮像素子)の概念図を示す。実施例3の固体撮像装置40は、半導体基板(例えばシリコン半導体基板)上に、実施例1〜実施例2において説明した電子デバイス(光電変換素子)30が2次元アレイ状に配列された撮像領域41、並びに、その周辺回路としての垂直駆動回路42、カラム信号処理回路43、水平駆動回路44、出力回路45及び制御回路46等から構成されている。尚、これらの回路は周知の回路から構成することができるし、また、他の回路構成(例えば、従来のCCD撮像装置やCMOS撮像装置にて用いられる各種の回路)を用いて構成することができることは云うまでもない。
【0059】
制御回路46は、垂直同期信号、水平同期信号及びマスタクロックに基づいて、垂直駆動回路42、カラム信号処理回路43及び水平駆動回路44の動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。そして、生成されたクロック信号や制御信号は、垂直駆動回路42、カラム信号処理回路43及び水平駆動回路44に入力される。
【0060】
垂直駆動回路42は、例えば、シフトレジスタによって構成され、撮像領域41の各電子デバイス30を行単位で順次垂直方向に選択走査する。そして、各電子デバイス30における受光量に応じて生成した電流(信号)に基づく画素信号は、垂直信号線47を介してカラム信号処理回路43に送られる。
【0061】
カラム信号処理回路43は、例えば、電子デバイス30の列毎に配置されており、1行分の電子デバイス30から出力される信号を電子デバイス毎に黒基準画素(図示しないが、有効画素領域の周囲に形成される)からの信号によって、ノイズ除去や信号増幅の信号処理を行う。カラム信号処理回路43の出力段には、水平選択スイッチ(図示せず)が水平信号線48との間に接続されて設けられる。
【0062】
水平駆動回路44は、例えばシフトレジスタによって構成され、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム信号処理回路43の各々を順次選択し、カラム信号処理回路43の各々から信号を水平信号線48に出力する。
【0063】
出力回路45は、カラム信号処理回路43の各々から水平信号線48を介して順次供給される信号に対し、信号処理を行って出力する。
【0064】
光電変換層を構成する材料にも依るが、光電変換層それ自体がカラーフィルターとしても機能する構成とすることができるので、カラーフィルターを配設しなくとも色分離が可能である。但し、場合によっては、電子デバイス30の光入射側の上方には、例えば、赤色、緑色、青色、シアン色、マゼンダ色、黄色等の特定波長を透過させる周知のカラーフィルターを配設してもよい。また、固体撮像装置は、表面照射型とすることもできるし、裏面照射型とすることもできる。また、必要に応じて、電子デバイス30への光の入射を制御するためのシャッターを配設してもよい。
【0065】
以上、本開示を好ましい実施例に基づき説明したが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例にて説明した電子デバイス(光電変換素子)や固体撮像装置の構造や構成、製造条件、製造方法、使用した材料は例示であり、適宜変更することができる。本開示の電子デバイスを太陽電池として機能させる場合には、第1電極と第2電極との間に電圧を印加しない状態で光電変換層に光を照射すればよい。また、本開示の電子デバイスによって、テレビカメラ等の撮像装置(固体撮像装置)以外にも、光センサーやイメージセンサーを構成することができる。
【0066】
尚、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
[A01]《電子デバイス:第1の態様》
第1電極、第2電極、及び、第1電極と第2電極によって挟まれた光電変換層を備えた電子デバイスであって、
第1電極は、インジウムと、ガリウム及び/又はアルミニウムと、亜鉛と、酸素との少なくとも四元系化合物から構成された非晶質酸化物から成り、
第2電極の仕事関数の値と第1電極の仕事関数の値との差は0.4eV以上である電子デバイス。
[A02]第2電極の仕事関数の値と第1電極の仕事関数の値との差を0.4eV以上とすることで、仕事関数の値の差に基づき光電変換層において内部電界を発生させ、内部量子効率の向上を図る[A01]に記載の電子デバイス。
[B01]《電子デバイス:第2の態様》
第1電極、第2電極、及び、第1電極と第2電極によって挟まれた光電変換層を備えた電子デバイスであって、
第1電極は、インジウムと、ガリウム及び/又はアルミニウムと、亜鉛と、酸素との少なくとも四元系化合物から構成された非晶質酸化物から成り、
第1電極は、光電変換層側から、第1B層及び第1A層の積層構造を有し、
第1電極の第1A層の仕事関数の値は、第1電極の第1B層の仕事関数の値よりも低い電子デバイス。
[B02]第1電極の第1A層の仕事関数の値と第1電極の第1B層の仕事関数の値との差は、0.1eV乃至0.2eVである[B01]に記載の電子デバイス。
[B03]第2電極の仕事関数の値と第1電極の第1A層の仕事関数の値との差は0.4eV以上である[B01]又は[B02]に記載の電子デバイス。
[B04]第1電極の厚さは1×10-8m乃至1×10-7mであり、
第1電極の第1A層の厚さと第1電極の第1B層の厚さの割合は9/1乃至1/9である[B01]乃至[B03]のいずれか1項に記載の電子デバイス。
[B05]第2電極の仕事関数の値と第1電極の第1A層の仕事関数の値との差を0.4eV以上とすることで、仕事関数の値の差に基づき光電変換層において内部電界を発生させ、内部量子効率の向上を図る[B01]乃至[B04]のいずれか1項に記載の電子デバイス。
[C01]第1電極の仕事関数の値は4.1eV乃至4.5eVである[A01]乃至[B05]のいずれか1項に記載の電子デバイス。
[C02]第1電極は、インジウム−ガリウム複合酸化物、インジウム・ドープのガリウム−亜鉛複合酸化物、酸化アルミニウム・ドープの酸化亜鉛、インジウム−亜鉛複合酸化物(IZO)、又は、ガリウム・ドープの酸化亜鉛から構成されている[A01]乃至[C01]のいずれか1項に記載の電子デバイス。
[C03]第2電極は、インジウム−スズ複合酸化物、インジウム−亜鉛複合酸化物、又は、酸化錫から構成されている[A01]乃至[C02]のいずれか1項に記載の電子デバイス。
[C04]第1電極の、波長400nm乃至660nmの光に対する光透過率は80%以上である[A01]乃至[C03]のいずれか1項に記載の電子デバイス。
[C05]第1電極のシート抵抗値は、3×10Ω/□乃至1×103Ω/□である[A01]乃至[C04]のいずれか1項に記載の電子デバイス。
[C06]第1電極をスパッタリング法に基づき形成する際の酸素ガス導入量を制御することで、第1電極の仕事関数の値が制御される[A01]乃至[C05]のいずれか1項に記載の電子デバイス。
[C07]酸素の含有率が化学量論組成の酸素含有率よりも少ない[A01]乃至[C06]のいずれか1項に記載の電子デバイス。
[C08]光電変換素子から成る[A01]乃至[C07]のいずれか1項に記載の電子デバイス。
[D01]《固体撮像装置》
[A01]乃至[C08]のいずれか1項に記載の電子デバイスを備えている固体撮像装置。
[E01]《電子デバイスにおける電極形成方法:第1の態様》
第1電極、第2電極、及び、第1電極と第2電極によって挟まれた光電変換層を備えており、
第1電極は、インジウムと、ガリウム及び/又はアルミニウムと、亜鉛と、酸素との少なくとも四元系化合物から構成された非晶質酸化物から成り、
第2電極の仕事関数の値と第1電極の仕事関数の値との差は0.4eV以上である電子デバイスにおける電極形成方法であって、
スパッタリング法に基づき形成する際の酸素ガス導入量を制御することで、第1電極の仕事関数の値を制御する、電子デバイスにおける電極形成方法。
[E02]第2電極の仕事関数の値と第1電極の仕事関数の値との差を0.4eV以上とすることで、仕事関数の値の差に基づき光電変換層において内部電界を発生させ、内部量子効率の向上を図る[E01]に記載の電子デバイスにおける電極形成方法。
[E03]《電子デバイスにおける電極形成方法:第2の態様》
第1電極、第2電極、及び、第1電極と第2電極によって挟まれた光電変換層を備えており、
第1電極は、インジウムと、ガリウム及び/又はアルミニウムと、亜鉛と、酸素との少なくとも四元系化合物から構成された非晶質酸化物から成り、
第1電極は、光電変換層側から、第1B層及び第1A層の積層構造を有し、
第1電極の第1A層の仕事関数の値は、第1電極の第1B層の仕事関数の値よりも低い電子デバイスにおける電極形成方法であって、
スパッタリング法に基づき形成する際の酸素ガス導入量を制御することで、第1電極の第1A層及び第1B層の仕事関数の値を制御する電子デバイスにおける電極形成方法。
[E04]第1電極の第1A層の仕事関数の値と第1電極の第1B層の仕事関数の値との差は、0.1eV乃至0.2eVである[E03]に記載の電子デバイスにおける電極形成方法。
[E05]第1電極の厚さは1×10-8m乃至1×10-7mであり、
第1電極の第1A層の厚さと第1電極の第1B層の厚さの割合は9/1乃至1/9である[E03]又は[E04]に記載の電子デバイスにおける電極形成方法。
[E06]第2電極の仕事関数の値と第1電極の第1A層の仕事関数の値との差を0.4eV以上とすることで、仕事関数の値の差に基づき光電変換層において内部電界を発生させ、内部量子効率の向上を図る[E03]乃至[E05]のいずれか1項に記載の電子デバイスにおける電極形成方法。
[E07]第1電極において、酸素の含有率は化学量論組成の酸素含有率よりも少ない[E01]乃至[E06]のいずれか1項に記載の電子デバイスにおける電極形成方法。
[E08]第1電極の仕事関数の値は4.1eV乃至4.5eVである[E01]乃至[E07]のいずれか1項に記載の電子デバイスにおける電極形成方法。
[E09]第1電極は、インジウム−ガリウム複合酸化物、インジウム・ドープのガリウム−亜鉛複合酸化物、酸化アルミニウム・ドープの酸化亜鉛、インジウム−亜鉛複合酸化物(IZO)、又は、ガリウム・ドープの酸化亜鉛から構成されている[E01]乃至[E08]のいずれか1項に記載の電子デバイスにおける電極形成方法。
[E10]第2電極は、インジウム−スズ複合酸化物、インジウム−亜鉛複合酸化物、又は、酸化錫から構成されている[E01]乃至[E09]のいずれか1項に記載の電子デバイスにおける電極形成方法。
[E11]第1電極の、波長400nm乃至660nmの光に対する光透過率は80%以上である[E01]乃至[E10]のいずれか1項に記載の電子デバイスにおける電極形成方法。
[E12]第1電極のシート抵抗値は、3×10Ω/□乃至1×103Ω/□である[E01]乃至[E11]のいずれか1項に記載の電子デバイスにおける電極形成方法。
[E13]光電変換素子用の電極である[E01]乃至[E12]のいずれか1項に記載の電子デバイスにおける電極形成方法。
【符号の説明】
【0067】
10・・・基板、11・・・配線、12・・・絶縁層、13・・・開口部、21・・・第1電極、21A・・・第1電極の第1A層、21B・・・第1電極の第1B層、22・・・第2電極、23・・・光電変換層、30・・・電子デバイス(光電変換素子)、40・・・固体撮像装置、41・・・撮像領域、42・・・垂直駆動回路、43・・・カラム信号処理回路、44・・・水平駆動回路、45・・・出力回路、46・・・制御回路、47・・・垂直信号線、48・・・水平信号線
図1
図2
図3
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図5
図6