特許第6252766号(P6252766)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252766
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】電極の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/04 20060101AFI20171218BHJP
   H01G 11/86 20130101ALN20171218BHJP
【FI】
   H01M4/04 Z
   !H01G11/86
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-40730(P2014-40730)
(22)【出願日】2014年3月3日
(65)【公開番号】特開2015-167078(P2015-167078A)
(43)【公開日】2015年9月24日
【審査請求日】2016年5月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】小森 隆史
【審査官】 光本 美奈子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−026816(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/145876(WO,A1)
【文献】 特開2011−134479(JP,A)
【文献】 特開平11−139643(JP,A)
【文献】 特開2009−266739(JP,A)
【文献】 特開2000−208134(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/077499(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/00〜4/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状の金属箔の少なくとも一面に、活物質合剤の塗工部及び前記金属箔の露出部を前記金属箔の長手方向へ交互に有する電極材料を切断して形成される電極の製造方法であって、
前記塗工部を検査し、該塗工部に不良部が存在する場合に、該不良部の存在する塗工部を識別可能とするマークを前記露出部に付す外観検査工程と、
マーク検出装置で前記マークの有無を検出し、前記マーク検出装置の検出結果に基づいて判定部が前記塗工部の良否の判定を行う判定工程と、を含み、
前記判定工程では、前記判定部は、前記マーク検出装置から得られる前記露出部に関する検出結果だけを使用して判定を行うことを特徴とする電極の製造方法。
【請求項2】
前記マーク検出装置による前記マークの有無の検出は、電極材料の切断工程を行うために前記電極材料の搬送を停止させたのに合わせ、前記露出部を前記マーク検出装置の検出範囲内で停止させた状態で行う請求項1に記載の電極の製造方法。
【請求項3】
前記マーク検出装置は常に作動しており、前記判定工程を行うときだけ前記判定部は前記検出結果を判定材料として取得する請求項1に記載の電極の製造方法。
【請求項4】
前記金属箔での前記塗工部の有無を検出する塗工部検出装置を備えるとともに、前記塗工部検出装置の検出結果に基づいて、電極材料の切断を行う最後の塗工部か否かを判定する塗工部判定部を備える請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の電極の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極材料を切断して形成される電極の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池やキャパシタのような蓄電装置は再充電が可能であり、繰り返し使用することができるため電源として広く利用されている。二次電池として、正極用のシート状の電極及び負極用のシート状の電極が、間にセパレータが介在する状態で積層された積層型の電極組立体を備えたものがある。電極としては、矩形状の金属箔の両面に活物質層を備えるとともに、金属箔が露出した部分によって形成された未塗工部及びタブを備えたものがある。このような電極の製造方法としては、一例として、まず、長尺帯状の金属箔上に、ペースト状の活物質合剤を、金属箔の長手方向に間欠塗工して電極材料を形成する。
【0003】
その後、活物質合剤の層(塗工部)をプレスし、乾燥させる。そして、電極材料を長手方向に沿って等間隔おきにカットして短冊状とした後、各短冊を電極形状に打ち抜く。その結果、塗工部によって活物質層が形成されるとともに、金属箔によって未塗工部及びタブが形成され、電極が製造される。
【0004】
ところで、正極及び負極の電極は、その活物質層に欠落部や厚みの薄い部位といった不良部が存在すると、その不良部が二次電池の電気特性に影響を与えてしまう。このため、電極の製造工程では、活物質合剤が塗工された後、その活物質合剤の層である塗工部の外観検査を行い、塗工部での不良部の有無を検出し、不良部が検出された場合は、その不良部のある塗工部を電極形状に打ち抜かずにそのまま取り除いたり、打ち抜いた後に廃棄するようにしている。
【0005】
不良部のある塗工部を識別できるようにするため、電極材料にはマークが付される(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、不良部の存在する塗工部の塗布始端部と対応する位置の金属箔に始点マークを付すとともに、不良部の存在する塗工部の塗布終端部と対応する位置の金属箔に終点マークを付す。そして、マーク検出装置によって始点マーク及び終点マークを検出し、始点マークから終点マークまでの間の部分を破棄している。
【0006】
特許文献1において、始点マーク及び終点マークは、金属箔の短手方向の両側部に形成された余白部に付されている。ところが、電極の製造方法においては、製造工程の途中で電極材料から余白部をカットする場合がある。また、コスト低減のために、余白部の幅を極力狭くする場合がある。この場合には、余白部にマークを付すことが困難になるとともに、幅狭の余白部に付されたマークではその検出が困難になる虞がある。
【0007】
そこで、例えば、図10に示すように、マーク80を付す位置として、間欠塗工された金属箔において、長手方向に隣り合う塗工部81同士の間から金属箔の露出した露出部82がある。この場合、露出部82が電極の一部を形成する可能性があることから、露出部82に損傷を与えないようにする目的で、例えば、油性マーカーで露出部82にマーク80が付される。電極用の金属箔としては、銅製又はアルミニウム製の箔が多用されており、油性マーカーは、黒色や青色といった金属箔に対し識別が容易な色が選択される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−134479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、塗工部81は、活物質層により黒色系の色をなすことが多い。露出部82に油性マーカー等でマーク80を付した場合、露出部82と塗工部81とが並んでいるため、マーク80の色と塗工部81の色が似てしまい、マーク検出装置によって塗工部81が誤って検出されてしまう場合がある。
【0010】
本発明は、マークの誤検出を回避することができる電極の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題点を解決するための電極の製造方法は、長尺状の金属箔の少なくとも一面に、活物質合剤の塗工部及び前記金属箔の露出部を前記金属箔の長手方向へ交互に有する電極材料を切断して形成される電極の製造方法であって、前記塗工部を検査し、該塗工部に不良部が存在する場合に、該不良部の存在する塗工部を識別可能とするマークを前記露出部に付す外観検査工程と、マーク検出装置で前記マークの有無を検出し、前記マーク検出装置の検出結果に基づいて判定部が前記塗工部の良否の判定を行う判定工程と、を含み、前記判定工程では、前記判定部は、前記マーク検出装置から得られる前記露出部に関する検出結果だけを使用して判定を行うことを要旨とする。
【0012】
これによれば、判定部が塗工部の良否を判定するときの判定材料は、露出部に関する検出結果だけである。すなわち、判定部は、塗工部に関する検出結果は判定材料として使用せずに塗工部の良否を判定する。このため、露出部に塗工部が隣り合っており、塗工部と露出部のマークの色が似ていても、判定部は露出部に関してだけマークの有無を判定することとなり、マークの有無を検出することができ、マークの誤検出を回避することができる。
【0013】
また、電極の製造方法について、前記マーク検出装置による前記マークの有無の検出は、電極材料の切断工程を行うために前記電極材料の搬送を停止させたのに合わせ、前記露出部を前記マーク検出装置の検出範囲内で停止させた状態で行うのが好ましい。
【0014】
これによれば、マーク検出装置は、移動しない露出部を対象としてマークの有無の検出を行う。このため、マーク検出装置から得られる露出部に関する検出結果は精度の高いものとなり、判定部は、精度の高い検出結果に基づいてマークの有無の検出を行うことができる。
【0015】
また、電極の製造方法について、前記マーク検出装置は常に作動しており、前記判定工程を行うときだけ前記判定部は前記検出結果を判定材料として取得してもよい。
これによれば、例えば、露出部がマーク検出装置の検出範囲内に位置したときだけ、マーク検出装置を作動させる場合と比べて、マーク検出装置の制御を簡単にすることができる。
【0016】
また、電極の製造方法について、前記金属箔での前記塗工部の有無を検出する塗工部検出装置を備えるとともに、前記塗工部検出装置の検出結果に基づいて、電極材料の切断を行う最後の塗工部か否かを判定する塗工部判定部を備えていてもよい。
【0017】
これによれば、電極の製造工程において、金属箔に塗工された塗工部の数が不明な場合は、切断工程を行う最後の塗工部を識別するために、露出部にエンドマークを付すとともに、生産設備としてエンドマークの検出装置を設けることがある。なお、エンドマークは油性マーカー等で露出部に付される。この場合、不良部を識別するためのマークとエンドマークとが形状や色が似ていると、エンドマークを検出装置で検出できず、切断工程を終了させることができない虞がある。そこで、塗工部検出装置により、エンドマークではなく塗工部の有無を検出することで、エンドマークが無くても切断工程を行う最後の塗工部を識別することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、マークの誤検出を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】電極を示す斜視図。
図2】金属箔に形成された塗工部及び露出部を示す部分平面図。
図3】スリット工程後の電極材料を示す部分平面図。
図4】プレス工程を示す部分側面図。
図5】切断工程を示す部分平面図。
図6】切断装置を示す側面図。
図7】切断装置で切断工程を行った状態を示す側面図。
図8】塗工部の有無を検出する状態を示す側面図。
図9】電極材料の短冊体から電極を打ち抜く状態を示す平面図。
図10】背景技術を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、電極の製造方法を具体化した一実施形態を図1図9にしたがって説明する。
蓄電装置としての二次電池は、図示しないが、外観が角型をなす角型電池であり、リチウムイオン電池である。二次電池は、ケース内に電極組立体を備える。電極組立体は、複数の正極の電極と、複数の負極の電極とが、両者の間を絶縁した状態で交互に積層されて構成されている。
【0021】
図1に示すように、正極及び負極の電極14は、それぞれ矩形状の金属箔15(正極はアルミニウム箔、負極は銅箔)の両面に活物質層16を備える。活物質層16は黒色系の色である。また、電極14は、その一辺に沿って、活物質層16の設けられていない未塗工部15aを有するとともに、未塗工部15aの一辺の一部に金属箔15から形成された集電タブ17を有する。
【0022】
次に、電極14の製造方法について説明する。
電極14の製造方法は、塗布工程と、乾燥工程と、スリット工程と、プレス工程と、外観検査工程と、真空乾燥工程と、判定工程と、切断工程と、打ち抜き工程と、を有する。
【0023】
図2に示すように、塗布工程では、長尺帯状の金属箔15が長手方向に搬送された状態で、その金属箔15の両面(図2では片面のみ図示)に対し、図示しない塗工装置から活物質合剤が間欠的に塗工される。すると、金属箔15の両面には、活物質合剤の塗工部Gと、活物質合剤が塗工されず金属箔15が露出した露出部Rとが金属箔15の長手方向へ交互に形成される。なお、活物質合剤は、活物質、導電助剤、及びバインダ(結着剤)を混合し、溶剤を添加して混練したペースト状のものである。
【0024】
また、塗布工程では、金属箔15の面に沿い、かつ長手方向に直交する短手方向において、各塗工部Gの両側には、余白部Mが形成されるように活物質合剤が塗布される。そして、塗工部G、露出部R及び余白部Mが金属箔15に形成されることにより電極材料30が形成される。
【0025】
次に、図示しない乾燥工程では、電極材料30は、乾燥機内を通過する。乾燥機内には、例えば、80度前後の熱風が供給されている。電極材料30は、乾燥機内部を通過する間に、塗工部Gに含まれる溶剤の大半が蒸発する。
【0026】
図3に示すように、スリット工程では、金属箔15の短手方向両側の余白部Mが切り落とされる。
図4に示すように、プレス工程は、一対のプレスローラ20で電極材料30を挟み込んで加圧することによって行われる。一対のプレスローラ20は、金属箔15の両面側に配置され、塗工部Gを、金属箔15の両面に直交する方向(交差する方向)から加圧する。すると、塗工部Gは、それぞれ所定の厚みまで圧縮され、プレスされた電極材料30は第1巻取ロール39に巻取られる。
【0027】
次に、電極材料30の外観検査工程が行われる。
図5に示すように、外観検査工程は、第1巻取ロール39に巻き取られた電極材料30を、第2巻取ロール40で巻き取りながら、電極材料30を搬送方向X1へ搬送しながら行われる。外観検査工程は、塗工部Gの表面に生じた不良部Kの検出と、不良部Kの存在する塗工部Gを識別するマークNを露出部Rに付すマーキングと、を含む。なお、不良部Kは、活物質層16から活物質が欠落した部位や、活物質層16の厚みが所定の厚みより薄かったり、扱ったりする部位である。
【0028】
具体的には、外観検査工程では、目視によって塗工部Gの外観を検査し、塗工部Gでの不良部Kの有無が判定される。塗工部Gに不良部Kが存在すると露出部RにマークNが付される。マークNは、黒色や青色の油性マーカーによって付されるが、マークN(油性マーカー)の色は多の色であってもよい。また、マークNを付す露出部Rは、電極材料30の搬送方向X1において、ある特定の位置に対し、不良部Kの存在した塗工部Gより後に到達し、かつ不良部Kの存在した塗工部Gに隣接する露出部Rである。そして、露出部RにマークNが付されるとマーキングが完了する。
【0029】
真空乾燥工程は、塗工部Gに残った僅かな溶剤を取り除くために行われる。真空乾燥工程は、第2巻取ロール40に巻き取られた電極材料30を図示しない乾燥炉にセットして行われる。そして、真空乾燥工程は、乾燥炉内を減圧するとともに、塗工部Gを加熱することによって行われ、塗工部Gに残存する僅かな溶剤が揮発するとともに、バインダが硬化する。
【0030】
次に、判定工程及び切断工程が行われる。判定工程及び切断工程は、切断機構によって行われる。
まず、切断機構について説明する。
【0031】
図6に示すように、切断機構60には、真空乾燥工程後の第2巻取ロール40がセットされるとともに、第2巻取ロール40に巻き取られた電極材料30を巻き取る第3巻取ロール42がセットされる。そして、切断機構60では、第2巻取ロール40に巻き取られた電極材料30を第3巻取ロール42で巻き取ることで、電極材料30を搬送方向X2に搬送する。切断機構60は、第2巻取ロール40と第3巻取ロール42を同期して駆動させる制御装置64を備え、制御装置64が第2巻取ロール40及び第3巻取ロール42を制御することで、電極材料30の搬送方向X2への搬送量を制御可能であるとともに、電極材料30の搬送を停止可能である。切断機構60は、電極材料30を長手方向に沿って等間隔おきに切断し、電極材料30の短冊体30aを形成するカット装置61を備える。
【0032】
図5の2点鎖線に示すように、短冊体30aは、1つの塗工部Gと、ある特定の位置に対し、その塗工部Gよりも後の到達する1つの露出部Rとを1組としたものであり、四角形状である。そして、制御装置64は、第2巻取ロール40と第3巻取ロール42を駆動させ、電極材料30の搬送量及び駆動を制御することで、カット装置61で1つの短冊体30aを形成し得る切断位置に電極材料30を搬送し、停止させる。切断位置で電極材料30が停止すると、カット装置61が加工して切断工程が行われる。
【0033】
図6に示すように、切断機構60は、外観検査工程で露出部Rに付されたマークNを検出するマーク検出装置62を備えるとともに、このマーク検出装置62は制御装置64に信号接続されている。本実施形態では、マーク検出装置62はカメラである。そして、マーク検出装置62は、検出範囲内に収まった電極材料30の露出部Rを撮影し、撮影した映像を検出結果として制御装置64に出力する。マーク検出装置62は、一定間隔毎(例えば、数10マイクロ毎)に作動し、撮影する毎に、その映像を制御装置64に出力している。上記したように制御装置64の制御により、電極材料30は所定の切断位置に停止されるが、この切断位置とは、マーク検出装置62の検出範囲(マーク検出装置62の直下)内に1つの露出部Rが収まる位置でもある。
【0034】
制御装置64には、マーク検出装置62の出力した映像が一定間隔おきに入力されており、制御装置64には露出部R及び塗工部Gの映像が一定間隔おきに入力されている。そして、制御装置64は、入力された映像から露出部RにマークNが有るか否かを判定する判定工程を行う。よって、本実施形態では、制御装置64が判定部を構成する。
【0035】
また、切断機構60は、電極材料30の搬送方向X2において、マーク検出装置62より上流側に塗工部検出装置65を備える。塗工部検出装置65は制御装置64に信号接続されている。本実施形態では、塗工部検出装置65はカメラである。そして、塗工部検出装置65は、電極材料30を撮影し、撮影した映像を検出結果として制御装置64に出力する。本実施形態では、塗工部検出装置65は、所定時間おきに電極材料30を撮影し、撮影毎に検出結果を制御装置64に出力している。
【0036】
判定工程では、制御装置64は、電極材料30が切断位置で停止したときにマーク検出装置62が撮影した露出部Rの映像だけを判定材料として取得し、その露出部Rの映像から露出部RでのマークNの有無を判定する。すなわち、制御装置64は、電極材料30が切断位置で停止しておらず、搬送方向X2へ搬送されているときにマーク検出装置62から出力された映像は、判定工程で用いる判定材料として取得しない。そして、判定工程では、制御装置64は、露出部RでのマークNの有無に基づき、塗工部Gの良否であり、切断位置にある塗工部Gにおいて不良部Kが有るか否かを判定する。
【0037】
図6に示すように、切断工程では、判定工程で、切断位置にある塗工部Gが不良品であると判定すると(マークNが有ると判定すると)、制御装置64は、カット装置61を駆動させず、カット装置61が下降しないようにする。
【0038】
一方、図7に示すように、判定工程で、切断位置にある塗工部Gが良品であると判定すると(マークNが無いと判定すると)、制御装置64は、カット装置61を下降させて電極材料30から短冊体30aを切断する。
【0039】
図8に示すように、切断機構60では、塗工部検出装置65が作動し、電極材料30を繰り返し撮影している。そして、1つの塗工部Gを撮影した後、塗工部Gが撮影できなくなると、制御装置64は、切断工程の終了を判断する。したがって、制御装置64は、塗工部判定部を兼務している。
【0040】
図9に示すように、打ち抜き工程では、電極材料30から打ち抜かれた短冊体30aを図示しない打ち抜き金型で電極14の形状に打ち抜く。すると、塗工部Gから活物質層16が形成されるとともに、露出部Rから未塗工部15a及び集電タブ17が形成され、電極14が製造される。
【0041】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)切断機構60によって電極材料30から短冊体30aを切断する際、マーク検出装置62によってマークNの有無を検出し、マークNの有無から塗工部Gの良否を判定する。制御装置64が塗工部Gの良否を判定するとき、判定材料となるのは、切断位置にある露出部Rを撮影した映像だけであり、その他の塗工部Gの映像は使用しない。このため、露出部Rに塗工部Gが隣り合っており、塗工部GとマークNの色が似ていても、制御装置64が塗工部GをマークNと誤検出してしまうことはなく、マークNの有無を精度良く検出することができる。
【0042】
(2)電極材料30を切断位置に停止させたとき、マーク検出装置62の検出範囲に露出部Rが位置し、マーク検出装置62によって露出部Rを撮影する。このため、マーク検出装置62によって露出部Rを精度良く撮影し、マークNの有無を精度良く検出することができる。
【0043】
(3)マーク検出装置62は、一定間隔毎に作動し、撮影した映像を一定間隔毎に制御装置64に出力している。そして、判定工程を行うとき、制御装置64は、電極材料30が切断位置にあるときに撮影された映像だけを判定材料として取得する。よって、例えば、電極材料30が切断位置に位置したときだけ、マーク検出装置62を作動させる場合と比べて、マーク検出装置62の制御を簡単にすることができる。
【0044】
(4)切断機構60は、塗工部検出装置65を備え、1つの塗工部Gを撮影した後、塗工部Gの映像が検出できなくなると、制御装置64は、切断工程の終了を判断する。切断工程を行う最後の塗工部Gを識別するために、露出部Rにエンドマークを付す必要が無くなる。このため、不良部Kを識別するためのマークNとエンドマークとが混在せず、マークNやエンドマークの誤検出を回避することができる。
【0045】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 切断機構60は、塗工部検出装置65を備えていなくてもよい。
○ 実施形態では、マーク検出装置62を常に作動させたが、これに限らない。マーク検出装置62は、電極材料30が切断位置で停止したときだけ作動するようにしてもよい。
【0046】
○ マーク検出装置62を常に作動させておくが、電極材料30が切断位置に停止していないときは、マーク検出装置62が出力した検出結果(撮影した映像)を制御装置64で無効としておき、電極材料30が切断位置に停止したときだけ、マーク検出装置62が出力した検出結果を制御装置64で有効としてもよい。
【0047】
又は、マーク検出装置62を常に作動させておくが、電極材料30が切断位置に停止していないときは、マーク検出装置62から制御装置64に検出結果を出力させないようにしておき、電極材料30が切断位置に停止したときだけ、マーク検出装置62から制御装置64に検出結果を出力させてもよい。
【0048】
○ 実施形態では、電極材料30が切断位置で停止したときにマーク検出装置62が出力した検出結果(撮影した映像)を判定材料として取得するようにしたが、これに限らない。電極材料30の搬送中であっても、マーク検出装置62の検出範囲に露出部Rが収まった期間だけマーク検出装置62を作動させてもよい。又は、マーク検出装置62を常に作動させておき、マーク検出装置62の検出範囲に露出部Rが収まった期間だけ出力された検出結果(撮影された映像)を判定材料として制御装置64が取得するようにしてもよい。
【0049】
○ 実施形態では、マークNが露出部Rに存在した場合、カット装置61によって電極材料30を切断しなかったが、これに限らない。マークNが存在してもカット装置61によって電極材料30から短冊体30aを切断し、不良部Kの存在する短冊体30aを不良品として廃棄してもよい。
【0050】
○ 実施形態では、切断工程として電極材料30から短冊体30aを切断するものに具体化したが、これに限らない。電極材料30から短冊体30aを切断する工程を削除し、電極材料30から電極14を直接打ち抜く工程を切断工程としてもよい。
【0051】
○ 実施形態では、マーク検出装置62をカメラとしたが、マークNの有無を検出できれば、マーク検出装置62はカメラ以外のセンサ等に変更してもよい。
○ 実施形態では、金属箔15の両面に塗工部G及び露出部Rを形成したが、金属箔15の片面に塗工部G及び露出部Rを形成してもよい。
【0052】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)金属箔の少なくとも一面に活物質層を有する電極であって、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の電極の製造方法によって製造された電極。
【符号の説明】
【0053】
G…塗工部、K…不良部、N…マーク、R…露出部、14…電極、15…金属箔、30…電極材料、62…マーク検出装置、64…判定部及び塗工部判定部としての制御装置、65…塗工部検出装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10