特許第6252775号(P6252775)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252775
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】電極の搬送方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20171218BHJP
   B65H 5/22 20060101ALI20171218BHJP
   B65H 29/24 20060101ALI20171218BHJP
   B65H 3/08 20060101ALI20171218BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALN20171218BHJP
【FI】
   H01M10/04 Z
   B65H5/22 B
   B65H29/24 B
   B65H3/08 310G
   !H01M10/0585
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-92586(P2014-92586)
(22)【出願日】2014年4月28日
(65)【公開番号】特開2015-210977(P2015-210977A)
(43)【公開日】2015年11月24日
【審査請求日】2017年1月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】小森 隆史
【審査官】 山内 達人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−102871(JP,A)
【文献】 特開2012−56648(JP,A)
【文献】 特開2000−337859(JP,A)
【文献】 特開2013−36768(JP,A)
【文献】 特開2013−36767(JP,A)
【文献】 特開昭62−122074(JP,A)
【文献】 特開2012−122834(JP,A)
【文献】 特開2012−227124(JP,A)
【文献】 特開2006−264928(JP,A)
【文献】 特開2000−188103(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 10/058
H01M 4/04
H01G 11/22
H01G 9/04
H01G 13/00
G01B 21/08
G01B 7/06
B65H 3/08
B65H 5/22
B65H 29/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の電極を、該電極の載置場所から目的の場所まで搬送する電極の搬送方法において、
前記載置場所の上方における移動開始位置に配置された保持装置を、前記載置場所に載置された電極に向けて下降させ、電極に対し予め規定された荷重が加わるまで前記保持装置を押し込み、
予め規定された荷重が電極に加わったタイミングでの前記移動開始位置からの保持装置の移動量を測定し、
測定された移動量から電極の厚みを導出し、
荷重を加えた後に、保持装置で保持した電極を載置場所から目的の場所まで搬送する電極の搬送方法。
【請求項2】
前記保持装置は前記電極を吸着して保持する吸着面を有し、前記電極は吸着面によって押し込まれる請求項1に記載の電極の搬送方法。
【請求項3】
前記荷重は、前記電極の複数箇所で測定される請求項1又は請求項2に記載の電極の搬送方法。
【請求項4】
前記載置場所は、製造された電極が載置される場所であり、前記目的の場所は、製造された複数の電極が積層された状態で収納される収納部である請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の電極の搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の電極を、該電極の載置場所から目的の場所まで搬送する電極の搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug in Hybrid Vehicle)などの車両には、原動機となる電動機への供給電力を蓄える蓄電装置としてリチウムイオン電池などの二次電池が搭載されている。二次電池は、例えば両面に活物質層が形成された正極及び負極の電極がセパレータを間に挟んだ状態で積層された電極組立体を備える。
【0003】
二次電池の製造時には、製造された各極の電極は、製造テーブルから各極の収納部に搬送され、収納される。その後、収納部に収納された各極の電極、及びセパレータが積層テーブルで積層され、電極組立体が形成される。製造された電極を、製造テーブルから収納部に搬送したり、収納部に収納された電極やセパレータを積層テーブルに搬送したりする際、電極やセパレータは、搬送装置に吸着される等して搬送される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−56648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、二次電池の製造において、電極が製造されてから電極組立体が完成するまでに要する時間を短縮することが望まれている。
本発明の目的は、電極組立体の製造時間を短縮することができる電極の搬送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するための電極の搬送方法は、シート状の電極を、該電極の載置場所から目的の場所まで搬送する電極の搬送方法において、前記載置場所の上方における移動開始位置に配置された保持装置を、前記載置場所に載置された電極に向けて下降させ、電極に対し予め規定された荷重が加わるまで前記保持装置を押し込み、予め規定された荷重が電極に加わったタイミングでの前記移動開始位置からの保持装置の移動量を測定し、測定された移動量から電極の厚みを導出し、荷重を加えた後に、保持装置で保持した電極を載置場所から目的の場所まで搬送することを要旨とする。
【0007】
これによれば、載置場所の上方に保持装置が位置した状態で、移動開始位置から保持装置を下降させ、保持装置を電極に対し押し込むと電極に荷重が加わる。そして、電極に加わる荷重を測定し、電極に対し規定された荷重が加わったタイミングで、保持装置の移動開始位置からの移動量を測定する。この移動量は電極の厚みに依存し、保持装置の移動量を把握することで電極の厚みを把握することができる。
【0008】
よって、電極を載置場所から目的の場所まで搬送する工程において、その工程中に電極の厚みを把握することができる。すなわち、電極の搬送と、電極の厚み測定を同時に行うことができる。
【0009】
電極組立体の製造においては、電極が製造されてから電極組立体が完成するまでに、電極組立体の積層方向への長さを把握する必要があり、今までは、例えば、電極の積層が完了した後に、電極組立体の積層方向への長さを実測していた。しかし、電極の搬送方法では、電極の搬送工程中に電極一枚毎に、その厚みを把握することができるため、把握した電極の厚みを、電極組立体の枚数分加算すれば、電極組立体の積層方向への長さを実測せずに把握することができる。よって、実測工程を減らすことができ、電極組立体の製造時間を短縮することができる。
【0010】
また、電極の搬送方法について、前記保持装置は前記電極を吸着して保持する吸着面を有し、前記電極は前記吸着面によって押し込まれる。
これによれば、例えば、電極が湾曲していても、吸着面によって電極が押し込まれると、湾曲した電極を平坦状に均すことができる。このため、電極に対し、ほぼ等しく荷重を加えることができる。
【0011】
また、電極の搬送方法について、前記荷重は、前記電極の複数箇所で測定されるのが好ましい。
これによれば、電極の面に沿って厚みがばらついていると、厚み毎に加わる荷重が異なる。複数箇所で荷重を測定することで、厚みのばらつきに基づいた荷重のばらつきを把握できる。よって、測定された複数の荷重の値から、電極に対する保持装置の押し込みを停止させるタイミングを好適なものとすることができる。
【0012】
また、電極の搬送方法について、前記載置場所は、製造された電極が載置される場所であり、前記目的の場所は、製造された電極が複数収納される収納部であってもよい。
これによれば、製造された電極を収納部に搬送する工程中に、電極の厚みを把握することができる。よって、把握された電極の厚みが規定外の場合は、規定外の電極を収納部に搬送しないようにすることで、規定外の電極が収納部に収納されることを回避することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電極組立体の製造時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態の二次電池を示す斜視図。
図2】電極組立体の構成要素を示す分解斜視図。
図3】実施形態の電極搬送装置を示す平面図。
図4】電極搬送装置の構成を示すブロック図。
図5】吸着装置を示す側面図。
図6】(a)は吸着装置が負極電極に接触した状態を示す側面図、(b)は吸着装置を負極電極に押し込んだ状態を示す側面図。
図7】負極電極を負極収納部に収納した状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、電極の搬送方法を具体化した一実施形態を図1図7にしたがって説明する。
図1に示すように、蓄電装置としての二次電池10は、外観が角型をなす角型電池であり、リチウムイオン電池である。二次電池10は、ケース11内に電極組立体12と電解液を有する。ケース11は、有底四角筒状のケース本体13と、当該ケース本体13の開口部を閉塞する矩形平板状の蓋14とからなる。電極組立体12には、正極端子16及び負極端子17が電気的に接続される。正極端子16及び負極端子17には、ケース11から絶縁するためのリング状の絶縁リング18がそれぞれ取り付けられている。そして、正極端子16と負極端子17は、蓋14からケース11外に露出している。
【0016】
図2に示すように、電極組立体12は、後述する、袋状に接合された第1及び第2セパレータ20a,20bに正極電極19を収納した、電極としてのセパレータ収納電極20と、正極電極19とは極性の異なる電極としての負極電極21と、を有する。電極組立体12は、規定枚数のセパレータ収納電極20と、規定枚数の負極電極21を交互に積層して層状とした構造である。
【0017】
正極電極19は、矩形シート状の正極金属箔(実施形態ではアルミニウム箔)22と、正極金属箔22の両面に設けられた正極活物質層23と、を有する。正極電極19は、その一辺に沿って活物質未塗工部22aを有し、活物質未塗工部22aは、正極活物質層23が設けられず、かつ正極金属箔22が露出した部分である。正極電極19は、活物質未塗工部22aの一部に正極集電タブ24を有する。正極集電タブ24は、正極端子16に電気的に接続される。
【0018】
負極電極21は、矩形シート状の負極金属箔(実施形態では銅箔)25と、負極金属箔25の両面に設けられた負極活物質層26と、を有する。負極電極21は、その一辺に沿って活物質未塗工部25aを有し、活物質未塗工部25aは、負極活物質層26が設けられず、かつ負極金属箔25が露出した部分である。負極電極21は、活物質未塗工部25aの一部に負極集電タブ27を有する。負極集電タブ27は、負極端子17に電気的に接続される。
【0019】
セパレータは、互いに対峙する矩形シート状の第1セパレータ20aと矩形シート状の第2セパレータ20bとから構成されている。第1セパレータ20a及び第2セパレータ20bは、何れも微多孔性フィルムからなる。第1セパレータ20aと第2セパレータ20bは同サイズであり、正極電極19よりも一回り大きなサイズである。セパレータ収納電極20において、第1セパレータ20aと第2セパレータ20bとは、溶着によって形成される接合部29で接合されるとともに、第1セパレータ20aと第2セパレータ20bは袋状に接合されている。また、正極電極19の正極集電タブ24は、第1セパレータ20aと第2セパレータ20bの対向する面の間を通って第1セパレータ20a及び第2セパレータ20bの各端縁よりも突出している。
【0020】
次に、電極搬送装置について説明する。
図3又は図4に示すように、電極搬送装置30は、載置場所としての負極用テーブル31を有し、負極用テーブル31には、製造直後の負極電極21が一枚だけ載置される。また、電極搬送装置30は、目的の場所としての負極収納部32を有し、負極収納部32は、複数枚の負極電極21を、負極集電タブ27が同じ方向に揃った状態で積層して収納する。負極収納部32は、矩形板状の底部32bと、底部32bから立設された複数本の規制棒32aと、を有する。規制棒32aは、負極電極21の外形線に沿って配設されている。規制棒32aは、底部32b上に搬送された負極電極21が、負極電極21の面に沿う方向へ移動することを規制する。負極用テーブル31と負極収納部32は、後述する回動軸44の周方向に沿って配置されている。
【0021】
電極搬送装置30は回動装置45を有し、回動装置45は、回動軸44を回動可能に支持している。回動装置45は、コントローラ50に信号接続され、コントローラ50によって回動装置45の駆動が制御される。また、電極搬送装置30は、モータ49を有し、モータ49の図示しないモータ軸には、ギヤ等を介して回動軸44が連結されている。モータ49は、コントローラ50に信号接続され、コントローラ50によってモータ49の駆動が制御される。また、電極搬送装置30は、回動軸44の上端部に対し、基端部が連結されたアーム43を有する。アーム43は、その先端部が回動軸44の径方向に沿って回動軸44から離れた位置にある。電極搬送装置30は、アーム43の先端部に一体化された保持装置としての吸着装置41を有する。吸着装置41はコントローラ50に信号接続され、コントローラ50によって吸着装置41の駆動が制御される。
【0022】
そして、電極搬送装置30では、回動装置45によって回動軸44を回動させることにより、アーム43を介して、吸着装置41を負極用テーブル31と負極収納部32の間で移動可能にする。また、電極搬送装置30では、モータ49によって回動軸44を上下動させることにより、アーム43を介して、吸着装置41を負極用テーブル31又は負極収納部32に対し上下動させる。
【0023】
図3及び図5に示すように、吸着装置41は、矩形状の基台46と、基台46の下面に配置された矩形状の吸着パット42と、基台46と吸着パット42を連結するコイルバネ47とを有する。吸着パット42の平面形状は、負極電極21の平面形状と同じであり、吸着パット42は、吸着面42aを下面に有する。吸着装置41では、吸着パット42の吸着面42aが減圧されることにより、吸着面42aに負極電極21を吸着し、保持可能である。
【0024】
吸着パット42と基台46とを連結するコイルバネ47は、吸着パット42の四隅付近に配置されるとともに、伸縮可能である。また、吸着装置41は、各コイルバネ47に対応した荷重センサ48を基台46に有し、荷重センサ48は、コイルバネ47の収縮量に基づき、コイルバネ47に加わった荷重を検出する。そして、負極電極21に対し吸着装置41が押し込まれたとき、コイルバネ47の収縮量に基づき、荷重センサ48は負極電極21に加わった荷重を検出する。
【0025】
図4に示すように、荷重センサ48はコントローラ50に信号接続されている。荷重センサ48は、検出した荷重をコントローラ50に出力する。コントローラ50は、4つの荷重センサ48が検出した荷重の平均値が、予め規定された閾値に達したか否かを判定する。閾値は、負極電極21の負極活物質層26に加えることが可能な荷重の最大値より小さく設定されており、負極活物質層26に過大な荷重が加わらないように閾値が設定されている。そして、コントローラ50は、検出された4つの荷重の平均値が閾値に達すると、その旨の信号をモータ49に出力する。
【0026】
モータ49は、ステッピングモータである。モータ49は、コントローラ50からパルス信号が与えられると、図示しないモータ軸が断続的なステップ増加分に応じて回転する。このため、与えられたパルスの増加分を把握することで、コントローラ50は、モータ49の回転角度を把握できる。よって、モータ49に与えられたパルスの増加分を把握することで、コントローラ50は、吸着装置41における基台46の移動量、言い換えると回動軸44の移動量が把握できる。
【0027】
また、コントローラ50は、把握した吸着装置41(基台46)の移動量に基づき、負極電極21の厚みを把握可能である。吸着装置41における基台46の移動量と、負極電極21の厚みとは、予め実験等により相関関係が決められており、吸着装置41における基台46の移動量と、負極電極21の厚みとの相関関係はコントローラ50に予め記憶されている。そして、コントローラ50は、把握した吸着装置41における基台46の移動量から、負極電極21の厚みを導出し、把握する。コントローラ50は、把握した負極電極21の厚みが、規定外の場合は、その旨の信号を回動装置45及びモータ49に出力する。
【0028】
なお、図示しないが、セパレータ収納電極20を搬送する電極搬送装置も備え、セパレータ収納電極20用の電極搬送装置は、負極電極21用の電極搬送装置30と構成が同じである。このため、負極電極21の電極搬送装置30において、負極用テーブル31を正極用テーブル、負極収納部32を正極収納部、負極電極21をセパレータ収納電極20と読みかえれば、セパレータ収納電極20用の電極搬送装置の構造の説明となる。
【0029】
次に、電極搬送装置30による負極電極21の搬送及び厚み測定について説明する。
コントローラ50は回動装置45を駆動させる。そして、回動装置45によって、吸着装置41を負極用テーブル31の上方まで移動させ、吸着装置41(吸着面42a)を移動開始位置に配置する。なお、移動開始位置とは、吸着装置41を最上部となる位置まで回動軸44によって移動させた位置である。
【0030】
次に、コントローラ50はモータ49及び吸着パット42を駆動させる。そして、図6(a)に示すように、モータ49によって、回動軸44を下降させ、吸着装置41の吸着パット42を負極用テーブル31に載置された負極電極21に向けて接近させる。吸着パット42の吸着面42aが負極電極21に接触した状態で、吸着面42aの全面に負極電極21を吸着させるため、さらにモータ49によって回動軸44を下降させると、吸着パット42に対し基台46が押し込まれ、吸着パット42から負極電極21に荷重が加わり始める。
【0031】
すると、図6(b)に示すように、コイルバネ47が圧縮されていくとともに、荷重センサ48により、負極電極21に加わった荷重が検出される。そして、4つの荷重センサ48によって、負極電極21に加わった荷重が検出されるとともに、荷重センサ48からコントローラ50に向けて検出した荷重が出力される。コントローラ50は、入力された4つの荷重の平均値を算出し、算出された平均値が閾値に達すると、その旨の信号をモータ49に出力する。その信号が入力されたモータ49は駆動を停止させ、回動軸44の下降、すなわち基台46の押し込みを停止させる。よって、コントローラ50は、予め規定された荷重が負極電極21に加わったタイミングでモータ49を停止させる。
【0032】
コントローラ50は、移動開始位置から、モータ49を停止させたタイミングまでの間に変位したモータ49の回転角度、すなわち、吸着装置41における基台46の移動量をパルスの増加分から把握する。さらに、コントローラ50は、把握した基台46の移動量から負極電極21の厚みを導出する。
【0033】
その後、電極搬送装置30では、コントローラ50は、モータ49によって、回動軸44を上昇させ、吸着装置41を上昇させ、吸着した負極電極21を持ち上げる。そして、導出された負極電極21の厚みが、規定の厚みの場合は、コントローラ50は、回動装置45及びモータ49によって、吸着装置41を負極収納部32に移動させ、図7に示すように、負極電極21を負極収納部32に収納する。一方、導出された負極電極21の厚みが、規定外の場合は、コントローラ50は、回動装置45及びモータ49によって、吸着装置41を負極収納部32とは別の場所に移動させ、規定外の負極電極21を破棄する。その後、電極搬送装置30は、負極電極21を負極用テーブル31から負極収納部32に搬送する動作を継続させる。
【0034】
なお、セパレータ収納電極20用の電極搬送装置によって、セパレータ収納電極20が正極収納部に搬送されるとともに、搬送されるセパレータ収納電極20の厚みが導出される。
【0035】
その後、負極収納部32に収納された負極電極21と、正極収納部に収納されたセパレータ収納電極20が、図示しない積層テーブル上で積層され、規定枚数の負極電極21とセパレータ収納電極20が積層されると電極組立体12が製造される。
【0036】
次に、電極組立体12の積層方向への長さを把握する作業を行う。電極組立体12の積層方向への長さは、電極搬送装置30による負極電極21の搬送時に把握された負極電極21の厚みと、セパレータ収納電極20の搬送時に把握されたセパレータ収納電極20の厚みとから計算によって算出される。すなわち、導出された負極電極21の厚みを枚数分加算するとともに、導出されたセパレータ収納電極20の厚みを枚数分加算して電極組立体12の積層方向への長さを算出する。
【0037】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)負極電極21又はセパレータ収納電極20を吸着面42aに吸着して搬送するため、吸着装置41の吸着面42aは、負極電極21又はセパレータ収納電極20に押し込まれる。この押し込み動作を利用して負極電極21又はセパレータ収納電極20の厚みを把握するようにした。したがって、負極電極21又はセパレータ収納電極20を搬送する工程において、その工程中に負極電極21又はセパレータ収納電極20の厚みを導出し、把握することができる。すなわち、負極電極21又はセパレータ収納電極20の搬送と、厚み測定を同時に行うことができる。よって、負極電極21又はセパレータ収納電極20の搬送と、厚み測定を別工程で行う場合と比べて電極組立体12の製造時間を短縮することができる。
【0038】
(2)負極電極21又はセパレータ収納電極20の搬送工程中に、負極電極21又はセパレータ収納電極20の厚みを導出可能とした。そして、搬送工程中に把握した厚みを利用して電極組立体12の積層方向への長さを把握することができる。したがって、電極組立体12が製造された後に、その積層方向への長さを実測する工程を減らし、電極組立体12の製造時間を短縮することができる。
【0039】
(3)吸着装置41において、吸着パット42は4つのコイルバネ47によって基台46と連結されている。このため、4つのコイルバネ47の伸縮により、吸着面42aを負極電極21又はセパレータ収納電極20の面に倣わせることができ、負極電極21又はセパレータ収納電極20のほぼ全面に対して荷重を加えることができる。
【0040】
(4)吸着装置41は複数のコイルバネ47及び荷重センサ48を有する。このため、負極電極21又はセパレータ収納電極20に加わる荷重を複数箇所で測定することができ、厚みのばらつきに基づいた荷重のばらつきを把握できる。よって、測定された複数の荷重の値から、吸着装置41の押し込みを停止させるタイミングを適格なものとすることができる。
【0041】
(5)吸着装置41は平面状の吸着面42aを有する。このため、湾曲した負極電極21又はセパレータ収納電極20であっても、吸着面42aで負極電極21又はセパレータ収納電極20を平面状に均すことができ、均された負極電極21又はセパレータ収納電極20に対し荷重を加えることができる。
【0042】
(6)吸着装置41における基台46の移動量は、モータ49に与えられるパルス信号から把握でき、その基台46の移動量から負極電極21又はセパレータ収納電極20の厚みを簡単に把握することができる。そして、モータ49は回動軸44を介して吸着装置41を軸方向へ移動させる機器であるため、部品点数を増やすことなく負極電極21又はセパレータ収納電極20の厚みを把握することができる。
【0043】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態では、荷重センサ48で検出された4つの荷重の平均値が閾値(予め規定された荷重)に達したタイミングで、吸着装置41における基台46の移動量を測定するようにしたが、これに限らない。例えば、4つの荷重センサ48で検出された荷重のうち、少なくとも一つが閾値に達したタイミングで、吸着装置41における基台46の移動量を測定するようにしてもよい。
【0044】
○ コイルバネ47及び荷重センサ48の数、配置は適宜変更してもよい。
○ コイルバネ47及び荷重センサ48の代わりに、圧力センサを吸着面42aに設置し、圧力センサによって、負極電極21又はセパレータ収納電極20に加わる圧力を検出し、その圧力から荷重を検出するようにしてもよい。要は、荷重検出器は適宜変更してもよい。
【0045】
○ 吸着装置41(吸着面42a)の移動開始位置は、吸着面42aが負極電極21又はセパレータ収納電極20に接触した位置でもよく、吸着装置41(吸着面42a)の移動開始位置は適宜変更してもよい。
【0046】
○ 吸着装置41における基台46の移動量は、モータ49に与えられるパルス信号から把握するのに限られず、その他のセンサ等によって検出してもよい。
○ コイルバネ47の代わりにシリンダを用い、シリンダによって基台46と吸着パット42を連結し、シリンダにおけるピストンの変位量を磁気センサ等で検出し、ピストンの変位量から荷重及び基台46の移動量を把握してもよい。
【0047】
○ 負極電極21又はセパレータ収納電極20を保持する方法として吸着装置41による吸着としたが、これに限らず、他の方法で負極電極21又はセパレータ収納電極20を保持してもよい。
【0048】
○ 載置場所としての負極用テーブル31から目的の場所である負極収納部32まで負極電極21を搬送する際に、負極電極21の厚みを測定するようにしたが、これに限らない。例えば、載置場所として、収納部に載置された電極を、目的の場所としての積層テーブルに搬送する際に、収納部に載置された電極に荷重を加えつつ、その際の保持装置(吸着装置41)の移動量を測定して、電極の厚みを把握するようにしてもよい。
【0049】
○ 実施形態では、二次電池はリチウムイオン二次電池であったが、これに限られず、ニッケル水素等の他の二次電池であってもよい。
○ 正極電極19は、正極金属箔22の片面に正極活物質層23が存在する構造でもよいし、負極電極21は、負極金属箔25の片面に負極活物質層26が存在する構造でもよい。
【0050】
○ 蓄電装置は、電気二重層コンデンサ等の他の蓄電装置であってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)異なる極性の電極を互いに絶縁した状態で複数枚積層して電極組立体が製造され、導出された電極の厚みを枚数分加算して前記電極組立体の積層方向への長さを算出する電極の搬送方法。
【符号の説明】
【0051】
20…電極としてのセパレータ収納電極、21…電極としての負極電極、31…載置場所としての負極用テーブル、32…目的の場所としての負極収納部、41…保持装置としての吸着装置、42a…吸着面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7