特許第6252776号(P6252776)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252776
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20171218BHJP
【FI】
   H01M2/10 S
   H01M2/10 M
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-95975(P2014-95975)
(22)【出願日】2014年5月7日
(65)【公開番号】特開2015-213039(P2015-213039A)
(43)【公開日】2015年11月26日
【審査請求日】2016年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】守作 直人
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩生
(72)【発明者】
【氏名】加藤 崇行
【審査官】 ▲高▼橋 真由
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/084941(WO,A1)
【文献】 特開2012−160347(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/057322(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/034079(WO,A1)
【文献】 特開2013−069657(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/024425(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並設された複数の電池セルと、
前記電池セルの端子が設けられた面と対向して設けられたカバーと、
前記電池セルに接続されるとともに前記カバーに固定された導電部材と、
前記複数の電池セルを並設方向の両側から挟持するエンドプレートと、を備えた電池モジュールであって、
前記カバーは、少なくとも一つのカバー部材で構成され、
前記エンドプレートと前記電池セルとの間に、前記電池セルの膨張を弾性変形により吸収する弾性体と、前記弾性体よりも電池セル側に設けられるとともに前記カバー部材に固定され、前記電池セルの膨張に伴い前記カバー部材とともに前記電池セルの並設方向に移動する固定プレートとが挟持され
前記固定プレートに固定されたカバー部材は、前記エンドプレートに固定されていない電池モジュール。
【請求項2】
前記弾性体及び前記固定プレートは、一方の前記エンドプレートと、前記電池セルとの間にのみ設けられ、
前記カバーは、前記電池セルの並設方向に並んで設けられ、前記電池セルの膨張に伴い互いに電池セルの並設方向に離間可能な複数のカバー部材を含み、
複数のカバー部材のうち、前記固定プレートに最も近いカバー部材が前記固定プレートに固定されている請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記電池セルを保持する電池ホルダを備え、
前記電池ホルダは、前記カバーに沿って設けられ、前記電池セルの膨張に伴う前記並設方向への前記カバーの移動を案内する誘導部を有する請求項1又は請求項2に記載の電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバーを有する電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電池モジュールには、電池セルへの液体やほこりの付着防止、電池セルの端子間のバスバー接続部分の絶縁及び保護などを目的として、カバーが設けられる場合がある。特許文献1に記載の電池モジュールには、電池モジュールの上部を保護するためのバスバーカバーが設けられている。バスバーカバーは、電池セルに接続されるとともにバスバーカバーに固定される導電部材を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−109152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電池セルは使用に伴い膨張していき、電池セルの膨張に伴いバスバーカバーが移動するおそれがある。バスバーカバーが移動すると、バスバーカバーの移動に伴い導電部材に応力がかかるおそれがあり、導電部材が破損するおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、導電部材への応力を抑制することができる電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する電池モジュールは、並設された複数の電池セルと、前記電池セルの端子が設けられた面と対向して設けられたカバーと、前記電池セルに接続されるとともに前記カバーに固定された導電部材と、前記複数の電池セルを並設方向の両側から挟持するエンドプレートと、を備えた電池モジュールであって、前記エンドプレートと前記電池セルとの間に、前記電池セルの膨張を弾性変形により吸収する弾性体と、前記弾性体よりも電池セル側に設けられるとともに前記カバーに固定され、前記電池セルの膨張に伴い前記カバーとともに前記電池セルの並設方向に移動する固定プレートとが挟持される。
【0007】
これによれば、電池セルが膨張すると、電池セルは互いに押し合うことで電池セルの並設方向に移動する。これに伴い電池セルに接続された導電部材が移動しようとすると、導電部材とともにカバーが電池セルの並設方向に移動しようとする。また、カバーは、固定プレートに固定されているため、導電部材、カバー及び固定プレートは一体となって移動しようとする。固定プレートは、弾性体と電池セルとの間に設けられており、固定プレートは弾性体を弾性変形させながらエンドプレートに近付く方向に移動することが可能である。したがって、導電部材、カバー及び固定プレートは一体となって移動することが可能であり、電池セルの膨張に伴いカバーが移動しても、導電部材に応力が加わりにくく、応力を抑制することができる。
【0008】
上記電池モジュールについて、前記弾性体及び前記固定プレートは、一方の前記エンドプレートと、前記電池セルとの間にのみ設けられ、前記カバーは、前記電池セルの並設方向に並んで設けられ、前記電池セルの膨張に伴い互いに電池セルの並設方向に離間可能な複数のカバー部材を含み、複数のカバー部材のうち、前記固定プレートに最も近いカバー部材が前記固定プレートに固定されていることが好ましい。
【0009】
これによれば、電池セルが移動すると、複数のカバー部材のうち、固定プレートに固定されたカバー部材の移動量が大きく、固定プレートに固定されていないカバー部材の移動量が少ない。このため、固定プレートに固定されていないカバー部材への影響を少なくすることができる。
【0010】
上記電池モジュールについて、前記電池セルを保持する電池ホルダを備え、前記電池ホルダは、前記カバーに沿って設けられ、前記電池セルの膨張に伴う前記並設方向への前記カバーの移動を案内する誘導部を有することが好ましい。
【0011】
これによれば、カバーが電池セルの並設方向に移動するときには、誘導部に沿って移動するため、誘導部によってカバーの移動を案内することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、導電部材への応力を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態の電池モジュールを示す斜視図。
図2】実施形態の電池モジュールの断面図。
図3】実施形態の電池セル、電池ホルダ、伝熱プレート、固定プレート及びエンドプレートを示す斜視図。
図4】実施形態の第1のカバー部材を示す斜視図。
図5】実施形態の第2のカバー部材を示す斜視図。
図6】実施形態の固定プレートと、第2のカバー部材との固定態様を示す電池モジュールの分解斜視図。
図7】比較例の電池モジュールを示す一部破断断面図。
図8】比較例の電池モジュールを示す一部破断断面図。
図9】実施形態の電池モジュールの作用を説明するための断面図。
図10】実施形態の電池モジュールの作用を説明するための断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、電池モジュールの一実施形態について説明する。
図1及び図2に示すように、電池モジュール10は、複数の電池セル11と、複数の伝熱プレート41とを有している。電池セル11と、伝熱プレート41とは、電池ホルダ20に保持された状態で、交互に並設されている。複数の電池セル11及び伝熱プレート41は、電池セル11の並設方向の両側に設けられた第1のエンドプレート61と、第2のエンドプレート62とによって挟持されている。以下の説明において、並設方向の両端の電池セル11のうち、一方を第1の電池セル11a、他方を第2の電池セル11bとして説明を行う。第1の電池セル11aは、第1のエンドプレート61と隣り合う電池セル11であり、第2の電池セル11bは、第2のエンドプレート62と隣り合う電池セル11である。
【0015】
図2に示すように、第2のエンドプレート62と、第2の電池セル11bとの間には、平板状の固定プレート51及び平板状の弾性体31が挟持されている。第2のエンドプレートと第2の電池セル11bとの間において、固定プレート51は、第2の電池セル11b側に設けられ、弾性体31は第2のエンドプレート62側に設けられている。弾性体31は、ゴムや、樹脂系のスポンジなどの弾性変形可能な材料からなる。
【0016】
図3に示すように、電池ホルダ20は、矩形平板状の第1の被覆壁21を有している。第1の被覆壁21の長手方向両端には、第1の被覆壁21の厚み方向に延びる矩形平板状の第2の被覆壁22及び第3の被覆壁23が設けられている。第1の被覆壁21、第2の被覆壁22、第3の被覆壁23に囲まれる領域は、電池セル11が収容される収容部Sとなる。
【0017】
第2の被覆壁22の長手方向第1端部22a(第1の被覆壁21が設けられる端部とは反対側の端部)と、第3の被覆壁23の長手方向第1端部23a(第1の被覆壁21が設けられる端部とは反対側の端部)には、各被覆壁22,23の短手方向第1端部22b、23bの間で延びる矩形平板状の第4の被覆壁24が設けられている。第4の被覆壁24は、厚み方向が被覆壁22,23の短手方向と一致し、長手方向が第2の被覆壁22と第3の被覆壁23の対向方向に一致する。そして、第4の被覆壁24の厚み方向及び長手方向に直交する方向が、第4の被覆壁24の短手方向となる。
【0018】
また、第4の被覆壁24の長手方向両端における第4の被覆壁24の短手方向の一端面上には、U字状をなすとともに、第4の被覆壁24の厚み方向に開口する端子収容部25がそれぞれ設けられており、各端子収容部25は、第2の被覆壁22及び第3の被覆壁23に連設されている。
【0019】
第4の被覆壁24の短手方向の一端面上には、端子収容部25と隣り合って四角柱状の柱部材26が設けられている。柱部材26の軸は、被覆壁22,23の短手方向に延びている。柱部材26には、挿通孔26aが柱部材26の軸方向に貫通して設けられている。
【0020】
第2の被覆壁22及び第3の被覆壁23の長手方向第1端部22a,23aには、各被覆壁22,23と連設され、各被覆壁22,23の長手方向に延びる矩形平板状の誘導部27が設けられている。また、第2の被覆壁22及び第3の被覆壁23の長手方向第2端部22c,23cには、四角柱状の脚部28が設けられている。脚部28の軸は、被覆壁22,23の短手方向に延びている。脚部28には、挿通孔28aが脚部28の軸方向に貫通して設けられている。
【0021】
電池セル11は、ケース12を有し、ケース12には正負の電極を有する電極組立体13が収容されている。ケース12は、有底四角筒状のケース本体14の開口部を蓋部材15で閉塞することで構成されている。蓋部材15には、電池セル11同士を接続する接続部材が接続される端子16(正極端子及び負極端子)が設けられている。
【0022】
伝熱プレート41は、金属製の板材をL字状に屈曲させることで形成されている。伝熱プレート41は、矩形平板状の本体42と、本体42の長手方向一端から本体42の厚み方向に延びる屈曲部43とを有している。
【0023】
固定プレート51は、矩形平板状の基部52を有している。基部52には、基部52の厚み方向の面に沿う方向に突出する突出部53,54が設けられている。具体的にいえば、基部52の短手方向の両端部の一方に二つの第1の突出部53が設けられ、他方に二つの第2の突出部54が設けられている。
【0024】
第1の突出部53は、短手方向の端部の中央に寄って設けられており、基部52の長手方向に間隔を空けて設けられている。各第1の突出部53には、厚み方向に貫通する第1の貫通孔55と、第2の貫通孔56が設けられている。第1の貫通孔55同士の間隔は、電池ホルダ20の柱部材26の挿通孔26a同士の間隔と同一間隔となっている。
【0025】
第2の突出部54は、基部52の長手方向の両端部に寄って設けられている。各第2の突出部54には、第3の貫通孔57が設けられている。第3の貫通孔57同士の間隔は、電池ホルダ20の脚部28の挿通孔28a同士の間隔と同一間隔となっている。
【0026】
第1のエンドプレート61は、矩形平板状のプレート基部63を有している。プレート基部63の短手方向の両端部からは、それぞれ、二つの第1のプレート突出部64と、二つの第2のプレート突出部65とが突出している。
【0027】
各第1のプレート突出部64には、厚み方向に貫通する第1のプレート貫通孔66が設けられている。第1のプレート貫通孔66同士の間隔は、電池ホルダ20の柱部材26の挿通孔26aの間隔と同一間隔となっている。また、各第1のプレート突出部64には、厚み方向に貫通する第2のプレート貫通孔68が設けられている。各第2のプレート突出部65には、第3のプレート貫通孔67が設けられている。第3のプレート貫通孔67同士の間隔は、電池ホルダ20の脚部28の挿通孔28a同士の間隔と同一間隔となっている。
【0028】
第2のエンドプレート62は、図6に示すように、第2のプレート貫通孔68を有していない点を除いて、第1のエンドプレート61と同一形状である。このため、同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0029】
図2に示すように、電池セル11、伝熱プレート41、電池ホルダ20、固定プレート51及び弾性体31は、第1のエンドプレート61と、第2のエンドプレート62とによって挟持されることで、一体化されている。第1のエンドプレート61の各プレート貫通孔66,67、電池ホルダ20の挿通孔26a,28a、固定プレート51の第1の貫通孔55、固定プレート51の第3の貫通孔57及び第2のエンドプレート62のプレート貫通孔66,67にはボルトBが挿通されている。ボルトBは、第2のエンドプレート62のプレート貫通孔66,67を貫通した位置でナットNに螺合されている。これにより、第1のエンドプレート61及び第2のエンドプレート62には、互いに近付く方向に荷重が作用し、これにより各部材が拘束されている。
【0030】
図1及び図2に示すように、電池モジュール10は、カバー70を有している。カバー70は、電池セル11の端子16が設けられた面(蓋部材15)と対向しており、電池ホルダ20の誘導部27間に配設されている。カバー70は、第1のカバー部材71と、第2のカバー部材72を有している。第1のカバー部材71と、第2のカバー部材72とは、電池セル11の並設方向に並んで設けられている。
【0031】
図4に示すように、第1のカバー部材71は、矩形平板状の本体73を有している。本体73の長手方向の両端部には、本体73の厚み方向に立設する立設部74が設けられている。本体73には、厚み方向に貫通する貫通孔75が設けられている。貫通孔75は、本体73の一つの角部に寄って設けられている。
【0032】
本体73の厚み方向の面のうち、立設部74が設けられた面とは反対側の面には、四角柱状の固定部83が設けられている。固定部83は、短手方向の端部のうちの一方に二つ設けられている。固定部83は、本体76の長手方向に間隔を空けて設けられている。固定部81には、インサート成形などによってナット84が埋設されている。各固定部81に埋設されたナット84同士の間隔(中心間距離)は、第1のエンドプレート61の第2のプレート貫通孔68同士の間隔と同一である。
【0033】
図5に示すように、第2のカバー部材72は、矩形平板状の本体76を有している。本体76の長手方向の両端部には、本体76の厚み方向に立設する立設部77が設けられている。本体76には、厚み方向に貫通する貫通孔78が設けられている。貫通孔78は、本体76の一つの角部に寄って設けられている。本体76の厚み方向の面のうち立設部77が設けられた面には、平板状の固定板79が設けられている。固定板79は、貫通孔78の近傍に設けられている。固定板79には、インサート成形などによってナット80が埋設されている。
【0034】
本体76の厚み方向の面のうち、立設部77が設けられた面とは反対側の面には、四角柱状の固定部81が設けられている。固定部81は、短手方向の端部のうちの一方に二つ設けられている。固定部81は、本体76の長手方向に間隔を空けて設けられている。固定部81は、互いに対向する面とは反対側の面間の距離が、電池ホルダ20の柱部材26の互いに対向する面間の距離よりも短い。固定部81には、インサート成形などによってナット82が埋設されている。
【0035】
第1のカバー部材71と、第2のカバー部材72とは、貫通孔75,78が設けられた角が対角に位置するように配置されている。第1のカバー部材71は、第1のエンドプレート61側に位置し、第2のカバー部材72は、第2のエンドプレート62側に位置している。第1のカバー部材71の立設部74と、第2のカバー部材72の立設部77は、それぞれ、電池ホルダ20の誘導部27に沿って設けられている。第1のカバー部材71と、第2のカバー部材72とは、互いが固定されていないため、互いに離間可能となっている。
【0036】
図1及び図2に示すように、第1のエンドプレート61の第2のプレート貫通孔68に挿通されたネジ59は、第1のカバー部材71の固定部83に埋設されたナット84に螺合されている。これにより、第1のエンドプレート61と第1のカバー部材71とが固定されている。
【0037】
図6に示すように、第2のカバー部材72の固定部81は、電池ホルダ20の柱部材26の間に位置している。そして、固定プレート51の第2の貫通孔56に挿通されたネジ58が固定部81に埋設されたナット82に螺合されることで、固定プレート51と、第2のカバー部材72が固定されている。
【0038】
図1に示すように、第1のカバー部材71には、電流センサ85が載置されている。電流センサ85は、電池セル11と接続されている。具体的にいえば、第1の電池セル11aの端子16には、柱状のバスバー86が設けられており、バスバー86は、第1のカバー部材71の貫通孔75を介して電流センサ85の接続端子87と固定されている。
【0039】
電流センサ85の接続端子88には、接続部材89が固定されている。接続部材89は、回路基板90に接続されている。回路基板90には、電子部品91が実装されている。電子部品91は、例えば、FET(電界効果トランジスタ)などの半導体素子である。それぞれの電子部品91は、回路基板90の導体パターンで接続されている。そして、回路基板90は、接続部材92に接続されている。接続部材92には、ハーネス93が固定されている。
【0040】
第2のカバー部材72には、電池モジュール10を監視して、電池モジュール10(電池セル11)に異常などが生じた場合に放電の遮断などを行う監視ECU94が載置されている。第2のカバー部材72の貫通孔78には、導電部材としての柱状のバスバー100が挿通されている。バスバー100は、第1の柱部101と、第1の柱部101と直角に交わる第2の柱部102とを有している。第1の柱部101は、第2の電池セル11bの端子16に接続されるとともに、第2のカバー部材72の貫通孔78を挿通してカバー70上に突出している。第2の柱部102は、固定板79に沿って延びている。第2の柱部102には、ネジ103によってハーネス104が固定されている。ネジ103は、ハーネス104の接続部105及び第2の柱部102を貫通して固定板79に埋設されたナット80に螺合されている。これにより、第2のカバー部材72には、バスバー100とともにハーネス104が固定されている。
【0041】
次に、本実施形態の電池モジュール10の作用について説明する。
電池セル11は、使用に伴い電極の表面に被膜が形成されていく。この被膜が厚くなることで、電池セル11は膨張していく。第2のエンドプレート62と、第2の電池セル11bとの間に弾性体31を設けることで、電池セル11が膨張したときに、この弾性体31が弾性変形し、電池セル11の膨張に伴うエンドプレート61,62への荷重の増加を吸収している。
【0042】
次に、比較例の電池モジュール200について説明する。
図7に示すように、比較例の電池モジュール200は、固定プレート51を有しておらず、第2のカバー部材72は、第2のエンドプレート62に固定されている。具体的にいえば、第2のエンドプレート62を挿通したネジ201が、第2のカバー部材72の固定部81に埋設されたナット82に螺合されることで、第2のカバー部材72が第2のエンドプレート62に固定されている。
【0043】
図8に示すように、電池セル11は、使用に伴い膨張していく。電池セル11が膨張すると、隣り合う電池セル11は互いに押し合う。この荷重が弾性体31に加わることで、弾性体31が弾性変形し、電池セル11は第2のエンドプレート62側に若干移動する。電池セル11が第2のエンドプレート62に向けて移動すると、これに伴い電池セル11に固定されたバスバー100も一体となって移動しようとする。バスバー100は、第2のカバー部材72に固定されているため、電池セル11、バスバー100及び第2のカバー部材72は、一体となって移動しようとするが、第2のカバー部材72は、第2のエンドプレート62に固定されているため、移動することができない。このため、電池セル11の移動に伴う応力はバスバー100に集中することで、バスバー100の屈曲変形、ネジ103の螺合緩み、及び第2のカバー部材72の破損等の原因となる。
【0044】
図9に示すように、本実施形態では、第2のエンドプレート62と、電池セル11との間に固定プレート51及び弾性体31とが挟持されて、固定プレート51が電池セル11側に、弾性体31が第2のエンドプレート62側に位置している。
【0045】
図10に示すように、電池セル11が第2のエンドプレート62に向けて移動し、第2のカバー部材72が電池セル11と一体となって移動しようとすると、第2のカバー部材72が固定された固定プレート51は、第2のカバー部材72と一体となって移動する。このため、電池セル11、バスバー100、及び第2のカバー部材72が一体となって移動することができ、バスバー100への応力を抑制することができる。第2のカバー部材72が移動するときには、立設部77が電池ホルダ20の誘導部27に沿って移動することで、第2のカバー部材72が電池セル11の並設方向に案内される。
【0046】
本実施形態では、第2のエンドプレート62と、第2の電池セル11bとの間に弾性体31が設けられており、第1のエンドプレート61と、第1の電池セル11aとの間には弾性体31が設けられていない。このため、電池セル11が膨張し、電池セル11が若干移動するときに、電池セル11は弾性体31側、すなわち、第2のエンドプレート62に向けて移動する。このため、第1の電池セル11aに比べて、第2の電池セル11bの移動量は大きい。第1のカバー部材71と、第2のカバー部材72とは、互いに固定されていないため、第2の電池セル11bの移動に伴い一体となって移動しようとするのは第2のカバー部材72のみである。すなわち、第2のエンドプレート62と、第2の電池セル11bとの間にのみ弾性体31を設けることで電池セル11の移動方向を定め、第1のカバー部材71と、第2のカバー部材72とを離間可能とすることで、第1のカバー部材71への影響を少なくすることができる。
【0047】
したがって、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第2のエンドプレート62と、電池セル11との間に弾性体31及び固定プレート51を設けて、固定プレート51にカバー70を固定している。このため、電池セル11が膨張したときに、固定プレート51と第2のカバー部材72とが一体となって移動することができ、バスバー100への応力を抑制することができる。これにより、バスバー100の屈曲変形、ネジ103の螺合緩み、及び第2のカバー部材72の破損等を抑制することができる。
【0048】
(2)第2の電池セル11bと、第2のエンドプレート62との間に弾性体31が設けられており、第1のカバー部材71と、第2のカバー部材72とは、離間可能となっている。電池セル11が膨張したときの電池セル11の移動方向を第2のエンドプレート62に向けることができ、第1の電池セル11aの移動量は少なく、第2の電池セル11bの移動量は多い。このため、第1のカバー部材71の移動量は、第2のカバー部材72の移動量に比べて少ない。したがって、バスバー86への応力を抑制することができる。
【0049】
(3)第1のカバー部材71の立設部74と、第2のカバー部材72の立設部77とは、それぞれ、電池ホルダ20の誘導部27に沿って設けられている。このため、カバー70が移動しようとするときには、この誘導部27によってカバー70の移動を電池セル11の並設方向に案内することができる。
【0050】
なお、実施形態は以下のように変更してもよい。
○複数のカバー部材からカバー70を構成したが、カバー部材は単数であってもよい。また、カバー部材の数は増やしてもよい。
【0051】
○バスバー100はカバー70のいずれかの位置に固定されていればよく、固定板79に固定されていなくてもよい。バスバー100を固定板79に固定しない場合には、固定板79は設けられていなくてもよい。
【0052】
○第2のエンドプレート62と、第2の電池セル11bとの間に加えて、第1のエンドプレート61と、第1の電池セル11aとの間に弾性体31及び第1のカバー部材71に固定される固定プレート51を設けてもよい。
【0053】
○固定プレート51は、ネジ58以外でカバー70と固定されていてもよく接着剤などで固定されていてもよい。
○導電部材は、カバー70に固定される部材であれば、どのような部材でもよく、板状をなすバスバーであってもよい。
【0054】
○電池ホルダ20は、誘導部27を有していなくてもよい。
【符号の説明】
【0055】
10…電池モジュール、11…電池セル、16…端子、20…電池ホルダ、27…誘導部、31…弾性体、51…固定プレート、61,62…エンドプレート、70…カバー、71…第1のカバー部材、72…第2のカバー部材、100…バスバー。
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