特許第6252781号(P6252781)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252781
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】電池モジュールの製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20171218BHJP
【FI】
   H01M2/10 E
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-170445(P2014-170445)
(22)【出願日】2014年8月25日
(65)【公開番号】特開2016-46139(P2016-46139A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2016年12月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】木村 真也
【審査官】 正 知晃
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−093243(JP,A)
【文献】 特開2012−028032(JP,A)
【文献】 特開2012−204172(JP,A)
【文献】 特開2014−060060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並設された複数の電池セルと前記複数の電池セルのうち少なくとも一つの電池セルに並設され、前記電池セルから吸収した熱を被固定部材に熱伝導部材を介して放出する放熱部が設けられた伝熱プレートとを有する電池体と、
前記電池セルの並設方向の両側に設けられて前記電池体を挟持するとともに前記被固定部材に固定される固定部を有する第1ブラケット及び第2ブラケットと、
前記電池体、前記第1ブラケット及び前記第2ブラケットを一体化する拘束部材とを備えた電池モジュールの製造装置であって、
前記放熱部と前記固定部との位置決めを行う位置決め用治具を有し、
前記位置決め用治具は、
前記固定部の位置決めを行う位置決め面を有する第1壁部と、
前記第1壁部と対向して設けられるとともに前記位置決め面に対して接近又は離間する方向に移動可能な第2壁部と、
前記第1ブラケット及び前記第2ブラケットを前記位置決め面に固定する固定具とを備え、
前記第1壁部は、前記位置決め面よりも前記第2壁部に向けて突出するとともに前記放熱部の位置決めを行う突出面を有し、
前記第2壁部は、前記突出面との対向面に、前記複数の電池セル及び前記伝熱プレートを前記突出面に沿って並設するための領域を前記突出面との間に区画する区画面を有する
電池モジュールの製造装置。
【請求項2】
前記第1壁部と前記第2壁部との間には、前記電池体が載置される樹脂製の載置台が設けられている請求項1に記載の電池モジュールの製造装置。
【請求項3】
前記固定具は、前記位置決め面に設けられた磁石である請求項1又は請求項2に記載の電池モジュールの製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池体とブラケットとの相対的な位置決めを行う位置決め用治具を有する電池モジュールの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電池セルを並設するとともに、電池セルの並設方向の両端に設けられたブラケットと電池セルとを一体化した電池モジュールの製造装置としては、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1に記載の製造装置では、複数の電池セルを並設するとともに、その両端に配置されたブラケットの位置決めを行っている。そして、電池セルの並設方向の両端に設けられたブラケット同士を拘束バンドによって拘束することで、ブラケットと電池セルとを一体化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−28032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数の電池セルを並設した電池体とブラケットとを一体化するときには、電池体とブラケットとの相対的な位置決めを行う必要がある。
本発明の目的は、電池体とブラケットとの相対的な位置決めを行うことができる電池モジュールの製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する電池モジュールの製造装置は、並設された複数の電池セルと前記複数の電池セルのうち少なくとも一つの電池セルに並設され、前記電池セルから吸収した熱を被固定部材に熱伝導部材を介して放出する放熱部が設けられた伝熱プレートとを有する電池体と、前記電池セルの並設方向の両側に設けられて前記電池体を挟持するとともに前記被固定部材に固定される固定部を有する第1ブラケット及び第2ブラケットと、前記電池体、前記第1ブラケット及び前記第2ブラケットを一体化する拘束部材とを備えた電池モジュールの製造装置であって、前記放熱部と前記固定部との位置決めを行う位置決め用治具を有し、前記位置決め用治具は、前記固定部の位置決めを行う位置決め面を有する第1壁部と、前記第1壁部と対向して設けられるとともに前記位置決め面に対して接近又は離間する方向に移動可能な第2壁部と、前記第1ブラケット及び前記第2ブラケットを前記位置決め面に固定する固定具とを備え、前記第1壁部は、前記位置決め面よりも前記第2壁部に向けて突出するとともに前記放熱部の位置決めを行う突出面を有し、前記第2壁部は、前記突出面との対向面に、前記複数の電池セル及び前記伝熱プレートを前記突出面に沿って並設するための領域を前記突出面との間に区画する区画面を有する。
【0007】
これによれば、電池セル及び伝熱プレートを並設するときには、第1壁部と第2壁部との対向方向への電池セル及び伝熱プレートの移動を規制できる位置まで区画面を第1壁部に近接させる。そして、突出面と区画面との間に区画された領域に電池セル及び伝熱プレートを並設していく。また、各ブラケットの固定部は、位置決め面によって位置決めされた状態で固定具によって固定されている。突出面は、位置決め面よりも第2壁部に向けて突出しているため、突出面によって放熱部が、位置決め面によって固定部が、それぞれ位置決めされた状態で電池体とブラケットとを一体化すると、放熱部よりも固定部が突出した状態で電池体とブラケットとが一体化される。このため、被固定部材に電池体とブラケットとを一体化した電池モジュールを固定するときには、放熱部と被固定部材との間に熱伝導部材を設けるための領域を設けることができる。突出面を位置決め面よりも突出させることで、固定部を放熱部よりも突出させた状態で電池体とブラケットとを一体化する場合であっても、電池体とブラケットとの相対的な位置決めを行うことができる。
【0008】
上記電池モジュールの製造装置について、前記第1壁部と前記第2壁部との間には、前記電池体が載置される樹脂製の載置台が設けられていることが好ましい。これによれば、電池体と各ブラケットを一体化した電池モジュールを載置台上で滑り移動させることができる。したがって、電池体と各ブラケットとを一体化した後に電池モジュールを移動させやすい。
【0009】
上記電池モジュールの製造装置について、前記固定具は、前記位置決め面に設けられた磁石であることが好ましい。これによれば、ブラケットを容易に固定することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電池体とブラケットとの相対的な位置決めを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】筐体に収容された電池モジュールを示す斜視図。
図2】電池セル、伝熱プレート、電池ホルダ、第1ブラケット及び第2ブラケットを示す斜視図。
図3】筐体に収容された電池モジュールを示す断面図。
図4】電池モジュールの製造装置を示す斜視図。
図5】電池モジュールの製造装置を示す平面図。
図6】可動部材を示す断面図。
図7】電池セル及び伝熱プレートを並設するときの電池モジュールの製造装置の状態を示す平面図。
図8】変形例の電池モジュールの製造装置を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、電池モジュールの製造装置の一実施形態について説明する。
図1及び図2に示すように、電池モジュール10は、被固定部材としての筐体13に収容されている。電池モジュール10は、電池体11を有している。電池体11は、電池ホルダ40に保持された電池セル21及び伝熱プレート30を複数並設することで構成されている。電池体11は、電池セル21の並設方向の両側に設けられた金属製の第1ブラケット51と金属製の第2ブラケット52とで挟持されている。第2ブラケット52と電池体11との間には、弾性部材12が設けられている。
【0013】
電池セル21は、ケース22の内部に電極組立体23を有している。ケース22は、電極組立体23を収容する有底筒状の本体24の開口部を蓋体25で閉塞することで構成されている。電極組立体23は、正負の電極の間にセパレータを介在させたものである。
【0014】
伝熱プレート30は、金属製の板材をL字状に屈曲させることで形成されている。伝熱プレート30は、矩形平板状の吸熱部31と、吸熱部31の長手方向一端から吸熱部31の厚み方向に延びる放熱部32とを有している。
【0015】
電池ホルダ40は、矩形平板状の第1被覆壁41を有している。第1被覆壁41の長手方向両端には、第1被覆壁41の厚み方向に延びる矩形平板状の第2被覆壁42及び第3被覆壁43が設けられている。第1被覆壁41、第2被覆壁42及び第3被覆壁43に囲まれる領域は、電池セル21が収容される収容部Sとなる。
【0016】
第2被覆壁42において、第1被覆壁41が設けられた端部とは反対側の端部である長手方向第1端部42aと、第3被覆壁43において、第1被覆壁41が設けられた端部とは反対側の端部である長手方向第1端部43aには、各被覆壁42,43の短手方向第1端部42b,43bの間で延びる矩形平板状の第4被覆壁44が設けられている。第4被覆壁44は、厚み方向が各被覆壁42,43の短手方向と一致し、長手方向が第2被覆壁42と第3被覆壁43の対向方向に一致する。そして、第4被覆壁44の厚み方向及び長手方向に直交する方向が、第4被覆壁44の短手方向となる。
【0017】
また、第4被覆壁44の長手方向両端における第4被覆壁44の短手方向の一端面上には、U字状をなすとともに、第4被覆壁44の厚み方向に開口する端子収容部45がそれぞれ設けられており、各端子収容部45は、第2被覆壁42及び第3被覆壁43に連設されている。
【0018】
第4被覆壁44の短手方向の一端面上には、端子収容部45と隣り合って四角柱状の柱部46が設けられている。柱部46の軸は、被覆壁42,43の短手方向に延びている。柱部46には、挿通孔46aが柱部46の軸方向に貫通して設けられている。
【0019】
第2被覆壁42及び第3被覆壁43の長手方向第1端部42a,43aには、各被覆壁42,43と連設され、各被覆壁42,43の長手方向に延びる矩形平板状の突出壁47が設けられている。
【0020】
また、第2被覆壁42及び第3被覆壁43の長手方向第2端部42c,43cには、柱状の脚部48が設けられている。脚部48の軸は、被覆壁42,43の短手方向に延びている。脚部48には、挿通孔48aが脚部48の軸方向に貫通して設けられている。
【0021】
電池ホルダ40の収容部Sには、電池セル21が収容される。そして、吸熱部31が電池セル21に隣り合い、放熱部32が第3被覆壁43の厚み方向の面のうち収容部Sとは反対側の面を覆うように伝熱プレート30が設けられている。電池セル21と、伝熱プレート30とは、図示しない接着シートによって接着されている。
【0022】
電池体11を挟持する第1ブラケット51は、矩形平板状の基部53と、基部53の一つの端部から延びる固定部54とを有している。基部53からは、4つのボルト挿通部55が突出している。ボルト挿通部55は、固定部54が設けられた端部と交わる二つの端部のそれぞれに二つずつ設けられている。ボルト挿通部55には、厚み方向に貫通する挿通孔56が設けられている。
【0023】
基部53は、固定部54が設けられた端部と、この端部に対向する端部との間の寸法が、電池ホルダ40における第2被覆壁42の厚み方向の両面のうち収容部Sとは反対側の面から、第3被覆壁43の厚み方向の両面のうち収容部Sとは反対側の面までの寸法よりも長い。
【0024】
固定部54は、基部53と直角に交わっている。固定部54には、固定孔58が二つ設けられている。なお、第2ブラケット52は、固定部54の延びる方向が異なる点を除いて、第1ブラケット51と同一の構成であるため、同一部分に同一符号を付して説明を省略する。第2ブラケット52の固定部54は、第1ブラケット51の固定部54とは反対方向に向けて延びている。したがって、第1ブラケット51と、第2ブラケット52とは、固定部54が基部53の厚み方向の異なる方向に向けて延びている。
【0025】
電池体11及び各ブラケット51,52は、第1ブラケット51の挿通孔56、各電池ホルダ40の各挿通孔46a,48a及び第2ブラケット52の挿通孔56を挿通したボルトB1がナットN1に螺合されることで、一体化されている。したがって、ボルトB1及びナットN1が、電池体11と各ブラケット51,52とを一体化する拘束部材として機能している。
【0026】
図3に示すように、各ブラケット51,52は、基部53の固定部54が設けられた端部、及び固定部54が設けられた端部とは反対側の端部が電池体11よりも第2被覆壁42と第3被覆壁43との対向方向に向けて突出するように設けられている。固定部54は、放熱部32よりも第2被覆壁42と第3被覆壁43との対向方向に向けて突出している。各ブラケット51,52の固定部54が設けられた端部と対向する端部は、第2被覆壁42よりも第2被覆壁42と第3被覆壁43との対向方向に向けて突出している。第2被覆壁42よりも突出した部分を突出部57とすると、この突出部57には、厚み方向に貫通する掛止孔59が設けられている。
【0027】
上記したように、電池体11と各ブラケット51,52とが一体化された電池モジュール10においては、第2被覆壁42と第3被覆壁43の対向方向に向けて固定部54が、放熱部32よりも突出している。
【0028】
電池モジュール10は、筐体13の壁面14に固定される。電池モジュール10を筐体13に収容するときには、突出部57に設けられた掛止孔59に吊り具を掛止して、クレーン装置などで電池モジュール10を筐体13に収容する。
【0029】
電池モジュール10は、固定部54及び放熱部32が筐体13の壁面14と対向するように配置される。固定部54は、放熱部32よりも突出しているため、固定部54の壁面14との対向面は、放熱部32の壁面14との対向面よりも壁面14に近接して設けられている。固定部54の壁面14との対向面は、壁面14に接しており、放熱部32の壁面14との対向面は、壁面14から離間している。
【0030】
固定部54の固定孔58には、電池モジュール10を壁面14に固定する固定ボルトB2が挿通され、この固定ボルトB2が筐体13に螺合されることで電池モジュール10は壁面14に固定されている。
【0031】
電池モジュール10の放熱部32と、壁面14との間には、熱伝導部材15(thermal interface material)が介在されている。熱伝導部材15は、変形することで放熱部32と壁面14との間の隙間を埋めて、吸熱部31が吸収した電池セル21の熱の放熱部32から筐体13への熱伝導を促進する部材である。固定部54が放熱部32よりも突出して設けられていることで、熱伝導部材15が設けられる領域が、放熱部32と壁面14との間に区画されている。
【0032】
次に、電池体11と各ブラケット51,52とを一体化する方法について説明する。
図4に示すように、電池体11と各ブラケット51,52とを一体化するときには、電池モジュールの製造装置67を用いる。電池モジュールの製造装置67は、U時状の台座61と、台座61に設けられた位置決め用治具60とを有している。そして、位置決め用治具60によって電池体11と各ブラケット51,52との位置決めを行った状態でボルトB1及びナットN1によって電池体11と各ブラケット51,52とを一体化する。
【0033】
台座61は、矩形板状の底部62と、底部62の対向する一対の端部から立設する第1立設壁63及び第2立設壁64とを備えている。本実施形態では、短手方向の端部から第1立設壁63と第2立設壁64とが立設している。台座61は、金属製である。
【0034】
底部62には、第1立設壁63及び第2立設壁64が設けられた端部とは異なる一対の端部、すなわち、長手方向の端部の間で延びる載置台65が設けられている。載置台65は、底部62の短手方向に並んで二つ設けられている。
【0035】
第1立設壁63において、第2立設壁64との対向面には、第1壁部71が固定されている。第2立設壁64には、第1壁部71と対向して設けられた第2壁部81が設けられている。第1壁部71と第2壁部81とは載置台65を挟んで設けられている。すなわち、載置台65は、第1壁部71と第2壁部81との間に設けられている。載置台65、第1壁部71及び第2壁部81は、樹脂製であり、樹脂としては、例えば、フッ素系の樹脂や、ナイロン樹脂が用いられる。
【0036】
第1壁部71は、矩形板状であり、長手方向が第1立設壁63の長手方向と一致し、短手方向が第1立設壁63の短手方向と一致するように設けられている。第1壁部71の長手方向の寸法は、第1立設壁63の長手方向の寸法と同一となっている。第1壁部71の短手方向の寸法は、第1立設壁63の短手方向の寸法よりも短い。第1壁部71の長手方向両端には、厚み方向に凹む位置決め面72,73が設けられている。二つの位置決め面72,73のうち、一方の第1位置決め面72は、他方の第2位置決め面73に比べて第1壁部71の長手方向への寸法が長い。また、各位置決め面72,73の第1壁部71の長手方向への寸法は、固定部54の短手方向の寸法よりも長い。第1壁部71において、各位置決め面72,73が設けられている部分には、固定具としての磁石74が埋設されている。磁石74としては、永久磁石が用いられる。第1位置決め面72と第2位置決め面73との間、すなわち、第1壁部71の中央には、第1位置決め面72及び第2位置決め面73よりも第2壁部81に向けて突出した突出面75が設けられている。
【0037】
第2壁部81は、矩形板状であり、長手方向の寸法が第1壁部71の長手方向の寸法よりも短い。第2壁部81は、突出面75と対向して設けられている。第2壁部81は、第2壁部81を第1壁部71に対して近接又は離間する方向に移動可能に支持する可動部材91によって第2立設壁64に支持されている。第2壁部81の突出面75との対向面の全面は、電池セル21及び伝熱プレート30を並設するための領域を突出面75との間に区画するための区画面82となっている。
【0038】
図5及び図6に示すように、可動部材91は、第2立設壁64に設けられた貫通孔66を挿通したシャフト92と、このシャフト92を支持する支持部材93とを有している。支持部材93は、円筒状の支持部94と、支持部94の軸方向第1端部94aに設けられたフランジ95とを有している。支持部94には、軸方向第2端部94bの端面から軸方向第1端部94aに向けて延びるとともに、軸方向第1端部94aに至る前に周方向に向けて延びる誘導孔96が設けられている。誘導孔96は、周壁を径方向に貫通して、支持部94に設けられた支持孔97と連通している。
【0039】
シャフト92は、支持部94の支持孔97及び第2立設壁64の貫通孔66を挿通している。シャフト92の先端は、第2壁部81に固定された板材83に当接している。シャフト92には、先端から突出する軸部98が設けられている。軸部98は、板材83に設けられた孔84を挿通して第2壁部81に設けられた孔85に挿入されている。孔85には、軸受86が配設されており、軸部98は軸受86に挿入されている。軸部98の先端は、第2壁部81に固定された固定板87に固定されている。
【0040】
シャフト92の外周面には、突起99が設けられている。突起99は、誘導孔96に挿入され、誘導孔96内を移動する。シャフト92の移動は、突起99と誘導孔96の内面との当接によって規制されるため、シャフト92は、突起99の誘導孔96内での可動範囲内で移動可能となっている。シャフト92を軸方向に移動させることで、第2壁部81は、第1壁部71に対して近接又は離間する方向に移動する。
【0041】
図7に示すように、電池体11と各ブラケット51,52とを一体化するときには、まず、シャフト92を第1壁部71に向けて押圧することで、第2壁部81を第1壁部71に近づける。シャフト92は、突起99が誘導孔96における支持部94の軸方向の内面に当接するまで押圧可能であり、電池体11と各ブラケット51,52とを一体化するときには、突起99が誘導孔96における支持部94の軸方向の内面に当接するまでシャフト92を押圧する。このとき、突出面75と区画面82との間隔は、電池体11における放熱部32と第2被覆壁42との間の寸法よりも僅かに大きくなる。突起99が誘導孔96における支持部94の軸方向の内面に当接するまでシャフト92を押圧した後には、シャフト92を回転させて、誘導孔96における支持部94の周方向に延びている部分に突起99を位置させる。これにより、第2壁部81の移動が規制される。
【0042】
そして、第1ブラケット51を第1位置決め面72に合わせて位置決めする。第1ブラケット51は、磁石74の磁力によって第1位置決め面72に固定される。
次に、電池セル21及び伝熱プレート30を電池ホルダ40に保持させた状態で第1壁部71と第2壁部81との間に区画された領域に挿入していく。電池セル21及び伝熱プレート30は、第1ブラケット51に向けて突出面75に沿うように挿入されていく。伝熱プレート30は、放熱部32と突出面75とが対向するように挿入され、放熱部32が突出面75に沿って位置決めされる。電池セル21及び伝熱プレート30を並設していくと、電池セル21と伝熱プレート30とは、図示しない接着シートによって互いに接着されていく。そして、全ての電池セル21及び伝熱プレート30を第1壁部71と第2壁部81との間に挿入することで電池体11が構成される。その後、弾性部材12を接着シートによって電池体11に接着する。
【0043】
次に、第2ブラケット52を第2位置決め面73に合わせて位置決めする。第2ブラケット52は、磁石74の磁力によって第2位置決め面73に固定される。
第1ブラケット51及び第2ブラケット52は、固定部54が位置決め面72に接した状態で磁石74によって固定される。また、電池セル21及び伝熱プレート30は、突出面75に放熱部32が接した状態で区画面82によって第1壁部71と第2壁部81との対向方向への移動が規制される。
【0044】
そして、この状態で第1ブラケット51の挿通孔56、電池ホルダ40の各挿通孔46a,48a、及び第2ブラケット52の挿通孔56にボルトB1を挿通するとともに、ボルトB1にナットN1を螺合する。ナットN1は、弾性部材12が所定の幅になるまで螺合される。ボルトB1にナットN1を螺合した後には、第2壁部81を第1壁部71から離間させる。そして、電池モジュール10を載置台65上で滑り移動させて位置決め用治具60から取り外す。
【0045】
次に、本実施形態の位置決め用治具60の作用について説明する。
放熱部32と壁面14との間に熱伝導部材15を介在させて、放熱部32から筐体13への熱伝導を促進する電池モジュール10を製造する際には、熱伝導部材15を設ける領域を確保する必要がある。
【0046】
例えば、固定部54の壁面14との対向面と、放熱部32の壁面14との対向面とを面一にして、放熱部32と壁面14との間に熱伝導部材15を介在させると、固定部54を壁面14に接触させることが困難であり、電池モジュール10を固定しにくい。また、固定部54の壁面14との対向面と、放熱部32の壁面14との対向面とを面一にして、放熱部32と壁面14との間に加えて、固定部54と壁面14との間にも熱伝導部材15を介在させると、熱伝導部材15の変形によって固定部54と壁面14との固定が阻害され、電池モジュール10を固定しにくい。このため、固定部54を放熱部32よりも突出させて、熱伝導部材15が固定部54の壁面14への固定を阻害しないようにする必要がある。
【0047】
本実施形態では、固定部54の位置決めを行う各位置決め面72,73と、放熱部32の位置決めを行う突出面75とを設けて、固定部54の位置決めと放熱部32の位置決めを個別に行うようにしている。そして、この状態で電池体11と各ブラケット51,52とを一体化することで、固定部54よりも放熱部32が突出した状態で電池体11と各ブラケット51,52とが一体化される。
【0048】
したがって、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1壁部71は、第1位置決め面72及び第2位置決め面73と、各位置決め面72,73よりも突出した突出面75とを有している。各位置決め面72,73によって各ブラケット51,52の固定部54を位置決めし、突出面75によって放熱部32の位置決めをすることで、固定部54よりも放熱部32が突出した状態で電池体11と各ブラケット51,52とを一体化することができる。したがって、放熱部32と筐体13の壁面14との間に熱伝導部材15を介在させる電池モジュール10であっても、突出面75と区画面82との間に区画された領域に電池セル21及び伝熱プレート30を並設することで、電池体11と各ブラケット51,52との相対的な位置決めを行うことができる。
【0049】
(2)載置台65は、樹脂製である。このため、電池セル21と伝熱プレート30とを第1壁部71と第2壁部81との間の領域に挿入する際に電池セル21及び伝熱プレート30を滑り移動させることができ、電池セル21及び伝熱プレート30を移動させやすい。また、電池体11と各ブラケット51,52とを一体化して、電池モジュール10を位置決め用治具60から取り外すときに電池モジュール10を滑り移動させることができ、電池モジュール10を移動させやすい。
【0050】
(3)磁石74によって各ブラケット51,52を各位置決め面72,73に固定している。このため、各ブラケット51,52を各位置決め面72,73に近づけることでブラケット51,52は磁石74の磁力によって固定されるため、各ブラケット51,52の固定を容易に行うことができる。
【0051】
なお、実施形態は、以下のように変更してもよい。
図8に示すように、第2壁部81は各位置決め面72,73と対向する位置まで延びていてもよい。この場合、各位置決め面72,73によって各ブラケット51,52を位置決めしたときに、各ブラケット51,52の突出部57が挿入される切欠101を第2壁部81に設ける。これにより、突出部57と第2壁部81とが当接することを抑止することができる。また、各ブラケット51,52が突出部57を有していない場合には、第2壁部81に切欠101を設けなくてもよい。
【0052】
○各ブラケット51,52には、突出部57が設けられていなくてもよい。この場合、第2壁部81は、各位置決め面72,73と対向する部分にも設けられていてもよい、また、上記変形例のように、突出部57が挿入される切欠を設ける必要もない。
【0053】
○固定具は、磁石74とは異なっていてもよい。例えば、各位置決め面72,73によって各ブラケット51,52の固定部54の位置決めをしたあとに、各ブラケット51,52を第1壁部71に向けて押しつけるような固定具を第2立設壁64などに設けて、各ブラケット51,52を第1壁部71に押しつけることで固定してもよい。
【0054】
○弾性部材12は設けられていなくてもよい。
○被固定部材は、産業車両に搭載されるカウンタウェイトなどでもよい。
【符号の説明】
【0055】
B1…ボルト、N1…ナット、11…電池体、13…筐体、15…熱伝導部材、21…電池セル、30…伝熱プレート、51…第1ブラケット、52…第2ブラケット、60…位置決め用治具、65…載置台、67…電池モジュールの製造装置、71…第1壁部、72…第1位置決め面、73…第2位置決め面、74…磁石、75…突出面、81…第2壁部、82…区画面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8