(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252807
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】イス
(51)【国際特許分類】
A47C 7/40 20060101AFI20171218BHJP
A47C 5/00 20060101ALN20171218BHJP
【FI】
A47C7/40
!A47C5/00 C
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2016-101915(P2016-101915)
(22)【出願日】2016年4月30日
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3186886号
【原出願日】2013年8月6日
(65)【公開番号】特開2016-165546(P2016-165546A)
(43)【公開日】2016年9月15日
【審査請求日】2016年7月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】513213368
【氏名又は名称】株式会社飛行船スタイル
(72)【発明者】
【氏名】千田 玄樹
【審査官】
山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−520107(JP,A)
【文献】
特開2002−095545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/40
A47C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に延びる複数の脚部を有する本体と、前記本体によって下方から支持される座と、前記座の後端部において上下に沿って延びる背もたれとを含み、前記背もたれは左右方向に間隔を空けて並べられた、上下に延びる、かつ可撓性を有する複数の板材と、前記複数の板材を被覆する布袋とを含み、前記布袋は、上下に長く、かつ左右に互いに隣接する、前記板材と同数の袋状部を有し、前記複数の袋状部は互いに連結されており、各袋状部内に、前記板材が1本ずつ収納されており、前記複数の板材の下端側が、前記本体の後端部に固定されており、前記複数の板材は、前記座より上方において前記布袋のみによって連結されている椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の背もたれのしなり機能をもつイスは、複雑な金属機構によってしなり機能を実現しているものが多い。この場合、前後方向にしなるが、左右方向に対して体をひねった場合の背中に対応するものは無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−061783
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】株式会社イトーキ イトーキ総合カタログ2012−2013 P306
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の背もたれのしなり機能をもつイスは、複雑な金属機構によって前後方向に対するしなり機能を実現しており、左右方向に対するしなり機能は無く、完全に人の動きにフィットするものでは無かった。本発明は、前後方向だけでなく、左右方向にもしなる背もたれの機構を考え出す事により、その点を解決しようとする為のものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、イスの背もたれ部分に、四角柱のしなる板材(竹材もしくはしなりのある木、樹脂及びそれに類するもの)を布で複数本連結した部材を使用する事で、1本ずつのしなる板材が体に沿ってしなる為、前後方向及び左右方向へのひねりも含めて可動する為、問題点を解決している。また、板材を複数本束ねただけでは十分な強度が得られないので布で連結する事により前後左右への自由なしなりを可能にした。又、板材を布で連結する事により十分な強度を有する事が実現できた。本発明のイスはソファーも含まれる。
【発明の効果】
【0007】
上述の様に本発明の四角柱のしなる板材(竹材もしくはしなりのある木、樹脂及びそれに類するもの)を布で複数本連結する事による「しなり」を利用したイスは、背もたれ内部のひとつひとつの板材が独立して動く事で、前後方向のしなり機能に加え左右方向に対するしなり機能が働き、背中にフィットしながらしなり、自然で適切な背もたれと座の角度を調節できる、各人の背中にぴったりとより沿うイスとなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明のしなる板材を布で連結する事による「しなり」を利用した体にぴったりと沿う背もたれを有するイスの三面図である。
【
図2】本イスの背もたれの説明図である。上部が布でくるまれている状態で、下部が断面図である。四角柱のしなる板材を複数本並べて布でくるんだ部材である。
【
図3】本イスの実地例を示す側面図である。前後方向に対するしなる機能の様子。
【
図4】本イスの実地例を示す上面図である。左右方向に対するしなる機能の様子。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面に従って形態を説明する。布袋6の内部は複数の縦長の袋状になっており、複数の四角柱のしなる
(可撓性を有する)板材5(竹材もしくはしなりのある木、樹脂及びそれに類するもの)をその袋状の中に差し込んで背もたれ1が形成されている。その背もたれ1をイスの本体3に差し込む事で、背もたれ1は座2より下部は固定されて動かず、背もたれ1の上部は板材のしなりが残る。ひとつひとつのしなる板材が独立して動く事で、前後に対するしなり機能だけではなく、左右に対するしなり機能を実現した。
【実施例】
【0010】
以下、添付図面に従って一実地例を説明する。
図3は本イスの実地例を示す側面図である。背もたれ1の内部の四角柱のしなる板材5のしなりによる前後方向に対するしなり機能の様子である。
図4は本イスの実地例を示す上面図である。(
図2で示している)布袋6の内部は複数の縦長の袋状
(袋状部)になており、複数の四角柱のしなる板材5(竹材もしくはしなりのある木、樹脂及びそれに類するもの)をその袋状
(袋状部)の中に差し込んで背もたれ1が形成されている。背もたれ1内部のひとつひとつの四角柱のしなる板材5が独立して動く事で、左右方向に対するしなり機能が働き、背中にフィットしながらしなり、自然で適切な背もたれと座の角度を調節できる、各人の背中にぴったりとより沿うイスとなる。
【符号の説明】
【0011】
1 背もたれ
2 座
3 イス本体
4 背もたれとイス本体とを固定するマジックテープ
5 四角柱のしなる板材
6 布袋