特許第6252809号(P6252809)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ムラキの特許一覧

特許6252809多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置
<>
  • 特許6252809-多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置 図000009
  • 特許6252809-多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置 図000010
  • 特許6252809-多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置 図000011
  • 特許6252809-多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置 図000012
  • 特許6252809-多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置 図000013
  • 特許6252809-多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置 図000014
  • 特許6252809-多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置 図000015
  • 特許6252809-多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置 図000016
  • 特許6252809-多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置 図000017
  • 特許6252809-多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置 図000018
  • 特許6252809-多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置 図000019
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6252809
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/00 20060101AFI20171218BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   H05K3/00 M
   H05K3/46 X
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-179230(P2016-179230)
(22)【出願日】2016年9月14日
【審査請求日】2016年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】397013654
【氏名又は名称】株式会社ムラキ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】平林 勇次
(72)【発明者】
【氏名】高山 正義
【審査官】 齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−251508(JP,A)
【文献】 実開昭62−58108(JP,U)
【文献】 特開2013−207187(JP,A)
【文献】 特開2013−207188(JP,A)
【文献】 特開平2−170595(JP,A)
【文献】 特開平4−152048(JP,A)
【文献】 特開平9−193097(JP,A)
【文献】 特開平7−266198(JP,A)
【文献】 特開昭63−200906(JP,A)
【文献】 米国特許第5111406(US,A)
【文献】 国際公開第2007/086555(WO,A1)
【文献】 特開平5−152767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B35/00−49/06
H05K3/00
H05K3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置であって、前記基準穴明機は、多層回路基板の基準穴明け作業を行い、
前記多層回路基板内層は、回路基板パターン及び基準ターゲットを有し、
前記基準穴明機は、X線カメラ及び作業エリアを有し、
前記多層回路基板を前記作業エリア内にセットすると、前記X線カメラは前記多層回路基板内層の画像を取得でき、前記画像が前記基準ターゲットの画像を有する時、前記多層回路基板が第一位置上にあると定義し、前記基準穴明機は、前記自動搬送装置から送られる穴明OK信号を受け取り、こうして前記基準穴明機は前記基準穴明け作業を行うことができ、
前記自動搬送装置は、搬送装置、画像装置、計算装置を有し、
前記搬送装置は、前記多層回路基板を第二位置へと移動させ、前記第二位置は、前記作業エリア内に位置し、
前記画像装置は、前記基準穴明機のモニターが表示する前記第二位置の画像を撮影し、或いは前記X線カメラが取得した前記第二位置の画像信号を受け取り、
前記計算装置と前記搬送装置及び前記画像装置とは、電気的に連接し、前記計算装置は、前記回路基板パターンと相互に対応する回路基板パターン画像を保存し、しかも前記第二位置の画像と前記回路基板パターン画像とを比較対照し、これにより前記搬送装置は、前記多層回路基板を前記第一位置へと移動させられることを特徴とする多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置。
【請求項2】
前記計算装置内部保存の回路基板パターン画像は、第一基準ターゲットの画像、第二基準ターゲットの画像、第一保存画像及び第二保存画像を有し、
前記計算装置は、前記画像装置が取得した前記第一基準ターゲットの画像及び前記第二基準ターゲットの画像、及びそれと前記搬送装置との間の位置関係を記録することを特徴とする請求項1に記載の多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置。
【請求項3】
前記計算装置は、前記X線カメラの視野を1個のエリアとして利用し、左右上下方向に前記多層回路基板を複数回移動させ、各エリアを合成した拡大範囲の画像を、前記第一保存画像及び前記第二保存画像とし、前記計算装置に記録することを特徴とする請求項2に記載の多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置。
【請求項4】
前記画像装置が取得した画像が、前記第一基準ターゲットの画像及び前記第二基準ターゲットの画像を有しない時には、前記計算装置は、前記第二位置の画像と前記回路基板パターン画像とを比較対照し、その比較対照方式は、
予め記録した前記第一保存画像及び前記第二保存画像を、複数のX線カメラ視野エリアの画像により合成し、各エリアはどれも識別できる区別特徴を有し、前記区別特徴に基づき、前記計算装置は、予め記録した前記第一保存画像及び前記第二保存画像の位置に存在する第二位置の画像を捜索し、前記多層回路基板と第一位置との間の相対距離を確定することを特徴とする請求項3に記載の多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置。
【請求項5】
前記計算装置は、前記多層回路基板の設計データ(CADデータ)を利用し画像データを生成し、それを前記第一保存画像及び前記第二保存画像とし、前記計算装置に記録することを特徴とする請求項2に記載の多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置。
【請求項6】
前記画像装置が取得した画像が、前記第一基準ターゲットの画像及び前記第二基準ターゲットの画像を有しない時には、前記計算装置は、前記第二位置の画像と前記回路基板パターン画像とを比較対照し、
その比較対照方式は、
前記回路基板パターン画像と相互に対応する前記多層回路基板の設計データ(CADデータ)を利用し、比較対照を行うことを特徴とする請求項5に記載の多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置。
【請求項7】
前記画像装置はカメラで、
前記画像装置は、前記基準穴明機のモニターが表示する前記第二位置の画像を撮影することを特徴とする請求項1に記載の多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置。
【請求項8】
前記画像装置は、前記X線カメラに電気的に接続し、前記X線カメラが取得した前記第二位置の画像信号を受け取ることを特徴とする請求項1に記載の多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置。
【請求項9】
前記搬送装置は、ロボットアームを有し、
前記多軸ロボットアーム前端には、吸盤を有し、前記多層回路基板を前記作業エリア上へと移動させることを特徴とする請求項1に記載の多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置。
【請求項10】
前記自動搬送装置は、投入台及び受取台をさらに有し、
前記投入台には、基準穴明けをする前の多層回路基板を置き、
前記受取台には、基準穴明け作業完成後の多層回路基板を置くことを特徴とする請求項1に記載の多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置。
【請求項11】
前記自動搬送装置は、停止ユニットをさらに有し、
前記搬送装置が動作中に人或いは他の物体にぶつかると、直ちに停止させることを特徴とする請求項1に記載の多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送、位置決めに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスにおいて、回路基板(Printed Circuit Boards)はキーパーツである。
回路基板は他の電子パーツを搭載し、回路基板に導通させ、安定的な回路基板作動環境を構築する。
高密度な回路基板配置の必要がある場合には、回路基板は多層の構造として配置し一体にラミネートされ、多層回路基板を形成する。
多層回路基板では、層間に通孔を設置し各層の回路基板を導通させる必要がある。
しかし、多層回路基板表面は銅箔がラミネートされており、普通のカメラで識別を行うことはできない。
加えて、多層回路基板はラミネート後の耳(樹脂流れ)が裁断されていないため形状が不均一で、外形を基準としてスルーホールを開けるための基準ターゲットの位置を確定することが難しいものもある。
そのため、多くは多層回路基板専用の基準穴明機を採用し、基準孔を開けている。
【0003】
図1図2a及び図2bに示す通り、一般の多層回路基板専用の基準穴明機3a構造は少なくとも、作業エリア31a、X線カメラ及びモニター35aを有する。
多層回路基板5aは、作業エリア31aにセットされ、基準穴明け作業が行われる。
多層回路基板5aが作業エリア31a内にセットされると、X線カメラは多層回路基板5a表面の銅箔を透過して多層回路基板5a内層の画像を取得し、画像をモニター35a上に表示する。
次に、操作人員1は、基準穴明機3aモニター35a上の多層回路基板5a内部回路基板パターンを目視し、定位に用いる基準ターゲットをX線カメラの撮影範囲まで移動させなければならない(図2a参照)。
続いて、基準穴明機が、基準ターゲットを自動識別し、基準穴明け作業を行う(図2b参照)。
一般的には、X線カメラは、第一撮影ユニット32a及び第二撮影ユニット33aを有し、それぞれ異なる基準ターゲット画像を取得し定位を行う。
【0004】
しかし、基準穴明機の精度を上げるため、X線カメラは高い倍率に設定する必要があり、これによりX線カメラの視野は狭くなってしまう。
この状況で、多層回路基板5aを基準穴明機3a内にセットしても、X線カメラの撮影範囲内に基準ターゲットがない可能性がある。
この時、操作人員1は多層回路基板を移動させ基準ターゲットを探さなければならない。
よって、X線カメラ撮影範囲への基準ターゲットの正確なセットが困難でしかも時間がかかる。
【0005】
近年、多層回路基板の自動搬送装置が開発されている。
例えば、基準穴明機脇に低倍率広視野X線カメラを有する搬送装置を設置することで、多層回路基板の位置をあらかじめ校正し、基準穴明機に投入して基準穴明け作業を行う。
しかし、この方法で用いる設備は、体積が大きく、設置のために広いスペースが必要である。
よって、他の校正装置の補助が不要で、短時間内に多層回路基板を正確に投入できる小型自動化X線基準穴明機の開発が待たれている。
さらに、基準穴明機のX線カメラを使用する際には、画像信号を取得するために、X線基準穴明機の改造を行う必要があり、機種によって異なる連結と整合を取る必要があり、簡単に自動化を実現することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記先行技術には、簡単に自動化が実現できないという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は多層回路基板を自動搬送し、定位し、基準穴明けをする装置及び方法で、現在主に人の手により行なわれている多層回路基板の基準穴明け作業に取って代わる多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置に関する。
【0008】
本発明による多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置において、該基準穴明機は、多層回路基板の基準穴明け作業を行う。
該多層回路基板内層は、回路基板パターン及び基準ターゲットを有する。
該基準穴明機は、X線カメラ及び作業エリアを有する。
該多層回路基板を該作業エリア内にセットすると、該X線カメラは該多層回路基板内層の画像を取得できる。
【0009】
該画像が該基準ターゲットの画像を有する時、該多層回路基板が第一位置上にあると定義し、該基準穴明機は、該自動搬送装置から送られる穴明OK信号を受け取り、こうして該基準穴明機は該基準穴明け作業を行うことができる。
【0010】
該自動搬送装置は、搬送装置、画像装置及び計算装置を有する。
該多層回路基板が第一位置にない時には、該搬送装置は、該多層回路基板を第二位置へと移動させる。
該第二位置は、該作業エリア内に位置する。
該画像装置は、該基準穴明機のモニターが表示する該第二位置の画像を撮影し、或いは該X線カメラが取得した該第二位置の画像信号を受け取る。
該計算装置と該搬送装置及び該画像装置とは、電気的に連接し、該計算装置は、該回路基板パターンと相互に対応する回路基板パターン画像を保存し、しかも該第二位置の画像と該回路基板パターン画像とを比較対照し、これにより該搬送装置は、該多層回路基板を該第一位置へと移動させられる。
【0011】
本発明の多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置は、多層回路基板を自動搬送し、定位し、基準穴明けをする装置及び方法で、現在主に人の手により行なわれている多層回路基板基準穴明け作業に取って代わることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】従来の技術による多層回路基板基準穴明け作業の模式図である。
図2a】基準穴明機が基準ターゲットを認識する模式図である。
図2b】基準穴明機が基準ターゲットを認識する模式図である。
図3】本発明一実施形態の立体模式図一である。
図4】本発明一実施形態の立体模式図二である。
図5】本発明一実施形態の立体模式図三である。
図6】多層回路基板の模式図である。
図7a】本発明多層回路基板が第二位置にある様子を示す模式図である。
図7b】本発明多層回路基板が第一位置にある様子を示す模式図である。
図8】本発明多層回路基板の移動量演算模式図である。
図9】本発明の別種の実施形態の立体模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態)
図3図4図5図6図7a及び図7bに示す通り、本発明による自動搬送装置4は、基準穴明機3に応用される。
基準穴明機3は、従来の技術では市場で普遍的な多層回路基板基準穴明機の構造であり、これにより多層回路基板5の基準穴明け作業を行う。
【0014】
多層回路基板5は一般的な多層回路基板構造で、複数枚の内層回路基板の間に絶縁層を挟んで加熱ラミネートして製造されている。
多層回路基板5の内層回路基板は、回路基板パターン及び少なくとも1個の基準ターゲットを有する。
本実施形態中では、回路基板パターンは、第一図形53及び第二図形54を有する。
基準ターゲットの数は2個で、それぞれ第一基準ターゲット51及び第二基準ターゲット52で、第一基準ターゲット51及び第二基準ターゲット52は、円パターンである。
【0015】
基準穴明機3構造は、少なくとも作業エリア31、X線カメラ及びモニター35を有する。
多層回路基板5は、作業エリア31にセットされ、基準穴明け作業が行われる。
X線カメラと作業エリア31とは、一定の距離が保たれている。
多層回路基板5が、作業エリア31内にセットされると、X線カメラは、多層回路基板5表面の銅箔を透過し、多層回路基板5内層の画像を取得する。
X線カメラは、第一撮影ユニット32及び第二撮影ユニット33を有し、2個の撮影ユニット間の距離を第一距離CDとする。
第一撮影ユニット32及び第二撮影ユニット33が取得した画像が同時に、第一基準ターゲット51及び第二基準ターゲット52の画像を有する時、多層回路基板は第一位置91上にあると定義する(図7b参照)。
基準穴明機が、自動搬送装置4からの穴明OK信号を受け取ると、基準穴明機3は第一基準ターゲット51及び第二基準ターゲット52の基準穴明け作業を行う。
モニター35は、X線カメラが取得した画像を表示する。
【0016】
自動搬送装置4は、多層回路基板5を作業エリア31内に搬送し、搬送装置、画像装置42及び計算装置43を有する。
搬送装置は、ロボットアーム44、45を有する。
搬送装置は、多層回路基板5を第二位置92へと移動させ(図7a参照)、第二位置92は、作業エリア31内に位置する。
ロボットアーム44、45の前端には、複数の吸盤41を有する。
各吸盤41は、ロボットアーム44、45に付属し、多層回路基板5を第二位置92へ移動させる。
一実施形態中では、自動搬送装置4は、投入台2をさらに有する。
搭載台2には、基準穴明け前の多層回路基板5を置き、これにより搬送装置の多層回路基板5の吸着の便を図る。
【0017】
画像装置42は、カメラで、画像装置42は、基準穴明機3のモニター35が表示する第二位置92の画像を撮影でき、それを計算装置43に伝送する。
計算装置43は内部に、回路基板パターン画像を保存する。
回路基板パターン画像は、第一基準ターゲット51の画像、第二基準ターゲット52の画像、第一保存画像及び第二保存画像を有し、しかも第一保存画像及び第二保存画像は、第一図形53及び第二図形54とそれぞれ相互に対応する。
計算装置43は、画像装置42が取得した第一基準ターゲット51の画像及び第二基準ターゲット52の画像、及びそれと搬送装置との間の位置関係を記録する。
【0018】
第一保存画像及び第二保存画像の記録には、以下の方法を使用する。
方法1:X線カメラの視野を1個のエリアとし、左右上下方向に応じて多層回路基板5を何度も移動させ、各エリアを合成した拡大範囲の画像を、第一保存画像及び第二保存画像とし、計算装置43に予め記録する。
方法2:多層回路基板5の設計データ(CADデータ)を利用し画像データを生成し、それを第一保存画像及び第二保存画像とし、計算装置43に予め記録する。
【0019】
計算装置43は、画像装置が取得した画像が、第一基準ターゲット51の画像及び第二基準ターゲット52の画像を有するか否かを分析する。
分析の結果、有するということであれば、多層回路基板5は第一位置91にあり、基準穴明機3を起動して基準穴明け作業を行うことができる。
【0020】
画像装置42が取得した画像が、第一基準ターゲット51の画像及び第二基準ターゲット52の画像を有しなかった場合には、計算装置43は、第二位置92の画像と回路基板パターン画像とを比較対照し、移動量を算出する。
搬送装置は、移動量に基づき、多層回路基板5を第一位置91へと移動させ、さらに基準穴明機3を起動して基準穴明け作業を行う。
【0021】
第二位置92の画像と回路基板パターン画像との比較対照方式は以下の通りである。
予め記録した第一保存画像及び第二保存画像を、複数のX線カメラ視野エリアの画像により合成する(図6中の点線ブロック)。
各エリアはどれも容易に識別できる区別特徴を有する。
区別特徴に基づき、計算装置43は、予め記録した第一保存画像及び第二保存画像の位置に存在する第二位置92の画像を捜索し、多層回路基板5と第一位置91との間の相対距離を確定する。
この他、回路基板パターン画像と相互に対応する多層回路基板の設計データ(CADデータ)を利用し、比較対照を行うこともできる。
【0022】
図6及び図8は、多層回路基板の移動量の演算を示す模式図である。
図中に示す通り、符号Oは、ロボットアーム44、45の旋回中心で、C1(C1X、C1Y)は、第一保存画像の中心点で、しかもC1と第一基準ターゲット51は一距離(D、D)を隔てる。
C2(C2X、C2Y)は、第二保存画像の中心点で、P1(P1X、P1Y)は、第一撮影ユニット32が取得した画像の中心点で、P2(P2X、P2Y)は、第二撮影ユニット33が取得した画像の中心点で、θは修正が必要な角度である。
旋回中心Oを原点(0、0)に設定する。
第一撮影ユニット32、第二撮影ユニット33の中点と旋回中心Oとは、第二距離RDを隔て、C1(C1X、C1Y)は
C2(C2X、C2Y)は
P1(P1X、P1Y)は
及びP2(P2X、P2Y)は
しかも、修正が必要な角度θは公式(1)で示す通りである。
【0023】
搬送装置は、旋回中心Oを原点として多層回路基板5に対して−θ角度の旋回を行った後、P1(P1X、P1Y)は新中心点P(PX、PY)となり、P2(P2X、P2Y)は新中心点P’(P’X、P’Y)となる。
PXは
PYは
旋回後、搬送装置は、多層回路基板5移動距離(C1X−PX、C1Y−PY)を、中心点PをC1に校正し、中心点P’をC2に校正する。
さらに、移動距離(D、D)は、第一基準ターゲット51及び第二基準ターゲット52を、第一撮影ユニット32及び第二撮影ユニット33の撮影範囲内に移動させる。
基準穴明機3が、自動搬送装置4からの穴明OK信号を受け取ると、基準ターゲットターゲット心において、基準穴明け作業を行う。
【0024】
本発明の代表的な例において、自動搬送装置4は、停止ユニット46をさらに有し、安全対策に用い、搬送装置が動作中に人或いは他の物体にぶつかると、直ちに停止する。
【0025】
本発明の代表的な例において、自動搬送装置4は、受取台6をさらに有し、これに基準穴明け作業完成後の多層回路基板5を置く。
【0026】
本発明多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置の別種の実施形態の構造模式図である図9に示す通り、本発明の別種の実施形態では、該画像装置は、X線カメラに電気的に連接し、X線カメラが取得した回路基板パターンの画像信号を受け取る。
【0027】
上述方式により、本発明による基準穴明機に応用される自動搬送装置は、別にX線設備を追加しなくとも正確定位の効果を達成でき、現在主に人の手により行なわれている多層回路基板基準穴明け作業に置換でき、コスト低下、スペース節減等の長所を備える。
しかも、基準穴明機と自動搬送装置との間に画像信号接続口を増設したり、或いは改造したりする必要がないため、各種規格の多層回路基板X線基準穴明機に対応でき、自動化を簡単に実現できる。
【0028】
前述した本発明の実施形態は本発明を限定するものではなく、よって、本発明により保護される範囲は後述される特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0029】
1 操作人員、
2 投入台、
3、3a 基準穴明機、
31、31a 作業エリア、
32、32a 第一撮影ユニット、
33、33a 第二撮影ユニット、
35、35a モニター、
4 自動搬送装置、
41 吸盤、
42、42a 画像装置、
43 計算装置、
44、45 多軸ロボットアーム、
46 停止ユニット、
5、5a 多層回路基板、
51 第一基準ターゲット、
52 第二基準ターゲット、
53 第一図形、
54 第二図形、
6 受取台、
91 第一位置、
92 第二位置、
C1、C2、P1、P2、P、P’ 中心点、
、D 距離、
CD 第一距離、
RD 第二距離、
O 旋回中心、
θ 角度。
【要約】      (修正有)
【課題】多層回路基板基準穴明け作業の自動化を実現でき、人的コストを省け、回路基板定位設備の配置が不要となる多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置を提供する。
【解決手段】多層回路基板基準穴明機に応用される自動搬送装置4において、自動搬送装置4は搬送装置、画像装置42及び計算装置43を有する。搬送装置は、多層回路基板5を基準穴明機に自動的にセットできる。画像装置42は、基準穴明機X線カメラが撮影した多層回路基板5の内部回路基板パターンの画像を取得する。計算装置43は画像を分析し移動量を算出し、移動量に基づき、多層回路基板5の位置を校正し、これにより基準穴明機は基準穴明け作業を行う。
【選択図】図3
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9