特許第6252846号(P6252846)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252846
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】スイッチング電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20171218BHJP
【FI】
   H02M3/28 R
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-267103(P2013-267103)
(22)【出願日】2013年12月25日
(65)【公開番号】特開2015-126549(P2015-126549A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2016年11月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000106276
【氏名又は名称】サンケン電気株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中西 良太
【審査官】 木村 励
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−27242(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/076752(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次巻線と第1の2次巻線と第2の二次巻線を含むトランスと、
前記1次巻線に直流電圧を断続的に印加するスイッチ回路と、
前記第1の2次巻線の電圧を整流する第1の整流器と、
前記第2の二次巻線の電圧を整流する第2の整流器と、
前記整流回路からの出力を平滑する平滑回路と、
前記整流回路の出力に接続されたコンデンサとスイッチ素子から成る直列回路とを備え、
前記スイッチ素子は、前記第1の整流器又は第2の整流器のいずれか一方がオフしてい
るときオンし、
前記第1の整流器は第1の同期整流スイッチ素子であり、
前記第2の整流器は第2の同期整流スイッチ素子であり、
前記スイッチ素子は、前記第1の同期整流スイッチ素子の駆動信号及び前記第2の同期
整流スイッチ素子の駆動信号が出力されているときオフすることを特徴とするスイッチン
グ電源装置。
【請求項2】
前記スイッチ素子に並列にダイオードを接続したことを特徴とする請求項1に記載のス
イッチン電源装置。
【請求項3】
前記スイッチ素子はPチャネルMOSFETであることを特徴とする請求項1に記載の
スイッチング電源装置。
【請求項4】
前記スイッチ素子は、前記平滑回路の入力電圧が所定時以上のときオンすることを特徴
とする請求項1又は3のいずれかに記載のスイッチング電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流電圧を変換するスイッチング電源装置に関する。特にトランスの2次側に配置される整流ダイオードに印加されるサージ電圧を抑制する回路を備えるスイッチング電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
直流入力電圧を直流出力電圧に変換するスイッチング電源装置は、電子機器に広く使用されている。入力電圧と出力電圧を絶縁する場合はトランスを用いることで容易に実現できる。しかし、スイッチング電源装置はスイッチング素子を高速にオンオフすることから、配線などに起因するインダクタンスによってサージ電圧を発生させる。このサージ電圧はスイッチング電源装置を構成する半導体素子に印加され、半導体素子を破損させることがある。このサージ電圧は特に直流電圧をオンオフするスイッチング素子と、スイッチング素子のオンオフによって発生した矩形波状の電圧を整流する整流ダイオードに発生する。このため、コンデンサと抵抗を直列に接続して構成されたスナバ回路を半導体素子に並列に接続してサージ電圧を抑える方法が一般的に知られている。しかし、コンデンサと抵抗を直列に接続して構成されたスナバ回路はコンデンサの充電でサージ電圧を吸収し、サージ電圧が無くなると充電された電圧を放電するので、コンデンサの充放電の際に抵抗による損失が発生する。このためスイッチング電源装置の効率を低下させる。
【0003】
そこで、従来技術としては、1次巻線と2次巻線を有するトランスの1次巻線に、スイッチング素子をオンオフして直流電圧を断続的に印加させ、2次巻線に接続した整流回路の整流ダイオードに印加されるサージ電圧をアクティブスナバ回路で低減させるものがある(特許文献1)。図8に従来技術の回路構成図を示す。図8は直流入力電圧Vinを断続させるスイッチ回路101と、スイッチ回路で断続された電圧を1次巻線102に入力し2次巻線104,106へ伝達するトランス103、トランス103の2次巻線104,106に発生した電圧をセンタタップ方式で整流する整流ダイオード107,115、整流ダイオード107,115の出力を平滑する平滑リアクトル125、平滑コンデンサ129で構成され、平滑コンデンサ129に出力電圧Voを出力する。アクティブスナバ回路は、整流ダイオード107,115と平滑リアクトル125の接続点とトランス103の2次巻線104,106の接続点の間に配置されるスナバ用ダイオード157とスナバ用コンデンサ159の直列回路と、スナバ用ダイオード157に並列接続されたスナバ用リアクトル123で構成される。
【0004】
図8のスナバ回路は、スイッチ回路101のスイッチング動作において、トランス103の出力巻線104、106に発生する電圧が整流ダイオード107,115に対して逆方向となるサイクルでは、スナバ用ダイオード157、スナバ用コンデンサ159及びトランス103の出力巻線104、106を巡る充電ループが形成される。これによって整流ダイオード107,115に印加されるサージ電圧は、トランスのリーケージインダクタンス及び配線などを含めた直列インダクタンスとスナバ用コンデンサ159とによるLC共振回路によるLC共振電圧によって定まる電圧に抑制される。また、スイッチ回路のスイッチング動作において、トランス103の出力巻線104、106に現れる電圧が出力整流ダイオードに対して順方向となるサイクルでは、スナバ用コンデンサに蓄積されたエネルギーがスナバ用インダクタ123を通して放電する。このとき、スナバ用コンデンサ159に蓄積されたエネルギーは、スナバ用インダクタ123を通して、出力平滑回路の入力側に回生されるため、効率が向上する。
【0005】
従来技術のスナバ回路は出力整流ダイオードの印加される電圧をスナバ用コンデンサに充電し、スナバ用コンデンサに充電されたエネルギーをスナバ用インダクタで出力平滑回路の入力側に回生するので、出力整流ダイオードに印加されるサージ電圧を抑制し、効率が向上する。しかし回生するためにスナバ用インダクタを使用するため、サイズが大きくなり、スイッチング電源装置の小型化を阻害する要因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO2000/79674公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする課題は、整流ダイオードのサージ電圧を効率よく抑制し、しかも小型化が可能なスナバ回路を備えたスイッチング電源装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1次巻線と第1の2次巻線と第2の二次巻線を含むトランスと、前記1次巻線に直流電
圧を断続的に印加するスイッチ回路と、前記第1の2次巻線の電圧を整流する第1の整流
器と、前記第2の二次巻線の電圧を整流する第2の整流器と、前記整流回路からの出力を
平滑する平滑回路と、前記整流回路の出力に接続されたコンデンサとスイッチ素子から成
る直列回路とを備え、前記スイッチ素子は、前記第1の整流器又は第2の整流器のいずれ
か一方がオフしているときオンし、前記第1の整流器は第1の同期整流スイッチ素子であ
り、前記第2の整流器は第2の同期整流スイッチ素子であり、前記スイッチ素子は、前記
第1の同期整流スイッチ素子の駆動信号及び前記第2の同期整流スイッチ素子の駆動信号
が出力されているときオフすることを特徴とするスイッチング電源装置である。

【発明の効果】
【0009】
本発明のスイッチング電源装置は、整流回路の出力に接続されたコンデンサが不要に放電することはないので、効率よく整流ダイオードのサージ電圧を抑制するするので、小型で高効率なスイッチング電源装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は本発明の実施例1のスイッチング電源装置の回路構成図である。
図2図2は本発明の実施例1の2次側の回路を示した回路構成図である。
図3図3は本発明の実施例1の各部の波形しを示したタイミングチャートである。
図4図4は本発明の実施例1のスナバ用スイッチ素子の駆動信号を生成する回路を示した回路構成図である。
図5図5は本発明の実施例2のスイッチング電源装置の回路構成図である。
図6図6は本発明の実施例2の各部の波形を示したタイミングチャートである。
図7図7は本発明の実施例3のスイッチング電源装置の回路構成図である。
図8図8は従来技術のスイッチング電源装置の回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の実施例1のスイッチング電源装置の回路構成図である。実施例1のスイッチング電源装置は、直流入力電圧Vinにスイッチ回路1が接続される。スイッチ回路1は第3スイッチ素子Q3、第4スイッチ素子Q4、第5スイッチ素子Q5、第6スイッチ素子Q6から成るフルブリッジ回路で構成される。スイッチ回路1の出力はトランスTの一次側に配置される一次巻線n3が接続される。トランスTの2次側は第1二次巻線n1の一端と第2二次巻線の一端が接続される。従って、接続点はセンタタップとなる。なお、トランスTの一次巻線n3、第1二次巻線n1、第2二次巻線n2に付いているドットマークは巻線の極性を示す。第1二次巻線n1の他端は第1スイッチ素子Q1が接続され、第2二次巻線の他端は第2スイッチ素子が接続され、第1スイッチ素子Q1と第2スイッチ素子の他端はたがいに接続される。第1スイッチ素子Q1と第2スイッチ素子Q2の接続点からはトランスTの第1二次巻線または第2二次巻線に発生した電圧を整流した電圧が出力され、センタタップ方式の同期整流回路2を構成する。第1二次巻線n1と第2二次巻線n2の接続点であるセンタタップには平滑リアクトルLoの一端が接続され、平滑リアクトルLoの他端は平滑コンデンサCoの一端に接続される。第1スイッチ素子と第2スイッチ素子の接続点である同期整流回路2の出力には平滑コンデンサCoの他端が接続され、平滑リアクトルLoと平滑コンデンサCoは平滑回路を構成する。平滑コンデンサCoの両端からは直流電圧が出力され負荷RLに電力を供給する。第1スイッチ素子Q1、第2スイッチ素子Q2、第3スイッチ素子Q3、第4スイッチ素子Q4、第5スイッチ素子Q5、第6スイッチ素子Q6にはそれぞれ第1ダイオードDf1、第2ダイオードDf2、第3ダイオードDf3、第4ダイオードDf4、第5ダイオードDf5、第6ダイオードDf6が並列に接続される。第1から第6ダイオードDf1からDf6はそれぞれのスイッチ素子の寄生ダイオードでも良い。また直流電圧Viの両端にはコンデンサC1が接続される。
【0012】
制御回路5はスイッチ回路1の第3スイッチ素子Q3及び第6スイッチ素子Q6がオフのとき、第4スイッチ素子Q4、第5スイッチ素子Q5を所定の期間同時にオンさせトランスTの一次巻線n3に断続的に直流電圧Viを印加し、トランス3を第1の方向に励磁する。さらに第4スイッチ素子Q4、第5スイッチ素子Q5がオフのとき、第3スイッチ素子Q3及び第6スイッチ素子Q6を所定の期間同時にオンさせトランスTの一次巻線n3に断続的に直流電圧Viを印加し、トランス3を第1の方向とは反対の第2の方向にに励磁する。また、制御回路5は第3、第4、第5、第6スイッチ素子が同時にオフしているとき同期整流回路2の第1スイッチ素子Q1及び第2スイッチ素子Q2をオンさせ、第3スイッチ素子Q3および第6スイッチ素子Q6がオンしているときは第1のスイッチング素子をオンし、第4スイッチ素子Q4および第5スイッチ素子Q5がオンしているときは第2スイッチ素子をオンするように同期整流回路2を駆動する。
【0013】
さらに、実施例1はスナバ回路4を備える。スナバ回路4は、スナバ用コンデンサCsとスナバ用ダイオードDsの直列回路と、スナバ用ダイオードDsに並列に接続したスナバ用抵抗Rs及びスナバ用スイッチ素子Qsの直列回路で構成され、トランスTのセンタタップと同期整流回路2の出力との間に接続される。スナバ用スイッチ素子は同期整流回路2の第1スイッチ素子Q1と第2スイッチ素子Q2のいずれかがオフしているときにオンし、両方がオンしているときはオフするように制御回路5によって制御する。このため、スナバ用コンデンサが不要に放電されることが無く、トランスTの二次巻線に発生する電圧にクランプされる。このため、同期整流回路2の第1スイッチ素子Q1と第2スイッチ素子に印加される電圧は、トランスTの二次巻線に発生する電圧より高いサージ電圧を抑制すると共に、スナバ用コンデンサの放電に係る損失を低減することが可能になる。なお、スナバ用ダイオードは無くても良いが、スナバ用スイッチ素子Qsは、駆動信号Gsが入力されてからの応答時間によりオンが遅れるとサージ電圧が発生することがある。スナバ用ダイオードは、サージ電圧が急峻に変化してもダイオードはスナバ用コンデンサCsの電圧とスナバ用ダイオードの順方向電圧の和の電圧を超えると直ちにオンするので直ちにサージ電圧を抑制する。また、スナバ用抵抗Rsも無くても良いが、無いとスナバ用コンデンサが放電するとき急激に放電するのでノイズが発生する原因になる。スナバ用抵抗Rsを付けるとこのようなことはない。
【0014】
本発明の実施例1を図1図2図3を用いて詳細に説明する。図2図1の実施例1の二次側の部分を表した回路構成図であるが、図1に対してトランスのリーケージインダクタンスおよび配線インダクタンスをリーケージインダクタンスLr1及びLr2として表している。図3図1及び図2の構成部品の波形を表したタイミングチャートである。図3において、信号G3は第3スイッチ素子Q3を駆動する駆動信号、信号G4は第4スイッチ素子Q4を駆動する駆動信号、信号G5は第5スイッチ素子Q5を駆動する駆動信号、信号G6は第6スイッチ素子Q6を駆動する駆動信号、信号G1は第1スイッチ素子Q1を駆動する駆動信号、信号G2は第2スイッチ素子Q2を駆動する駆動信号、信号GSはスナバ用スイッチ素子Qsを駆動する駆動信号、IQ1は第1スイッチ素子Q1の電流波形、IQ2は第2スイッチ素子Q2の電流波形、VQ1は第スイッチ素子Q1の電圧波形、VQ2は第2スイッチ素子の電圧波形、VCsはスナバ用コンデンサのCsの電圧波形、ICsはスナバ用コンデンサCsに流れる電流波形を示す。
【0015】
時刻t0では第3スイッチ素子Q3および第6スイッチ素子Q6および第4スイッチ素子Q4および第5スイッチ素子Q5はオフし、第1スイッチ素子Q1および第2スイッチ素子Q2はオンしている。この状態は時刻t1まで継続し、この期間には、二次巻線n1およびn2には電圧は発生しない。そこで、平滑リアクトルLoに蓄積されたエネルギーが第1スイッチ素子Q1と第1二次巻線n1および第2スイッチ素子Q2と第2二次巻線n2を介して負荷RL(平滑コンデンサCo)に放出される。このときスナバ回路4には電圧が印加されず、またスナバ用スイッチ素子Qsはオフしているので、スナバ用コンデンサCsは充電も放電もされない。時刻t1において、第4スイッチ素子Q4及び第5スイッチ素子Q5がオンすると、直流電圧ViがトランスTの一次巻線n3に印加され、トランスTは第1の方向に励磁される。このとき同期整流回路2の第1スイッチ素子Q1をオフさせ、第2スイッチ素子Q2はオンを継続する。このため、トランスTの第2二次巻線n2に発生した電圧を第2スイッチ素子Q2が同期整流する。またこのタイミングでスナバ用スイッチ素子Qsをオンする。時刻t1からt2の期間において、第2スイッチ素子Q2によって整流されたエネルギーが平滑回路3へ供給され平滑されて負荷へ直流電力を供給する。
【0016】
さらに時刻t1において、第1二次巻線n1には第1ダイオードDf1に逆方向の電圧が発生する。このときに第1ダイオードDf1の逆回復時間やスイッチ素子Q1の寄生容量等に起因して第1スイッチ素子に流れる電流IQ1はゼロ以下に減少する。この電流により図2に示すように第1スイッチ素子Q1〜第二スイッチ素子Q2〜第2二次巻線n2〜第1二次巻線n2の経路で短絡電流Isが流れ、リーケージインダクタンスLr1及びLr2にエネルギーが蓄積される。短絡電流Isが流れなくなると、言い換えると第1スイッチ素子に流れる電流がゼロになると、リーケージインダクタンスLr1及びLr2に蓄積されたエネルギーが放出される。このとき第1スイッチ素子及び第1ダイオードDf1はオフしているので高いサージ電圧が印加される。しかし、スナバ用コンデンサCsはトランスTの二次巻線に発生する電圧で充電されているので、充電電圧以上のサージ電圧が印加されるとスナバ用コンデンサCsに充電電流が流れサージ電圧を吸収する。スナバ用コンデンサCsの電圧はサージ電圧で充電されて上昇するが、時刻t2でサージ電圧が無くなると、平滑リアクトルLo〜負荷Lo(平滑コンデンサCo)〜スナバ用スイッチ素子Qs〜スナバ用抵抗Rsの経路で放電する。このときスナバ回路4にはトランスTの第2の二次巻線に発生している電圧が印加される。スナバ用スイッチ素子Qsは、第4スイッチ素子Q4および第5スイッチ素子Q5がオフする時刻t3までオンを継続するので、スナバ用コンデンサCsはトランスTの第2の二次巻線に発生する電圧まで放電する。
【0017】
時刻t3において、第4スイッチ素子Q4及び第5スイッチ素子Q5をオフする。同時に、第1スイッチ素子Q1をオンする。このとき、平滑リアクトルLoに蓄えられたエネルギーが第スイッチ素子Q1及び第2スイッチ素子Q2を介して放出される。第1スイッチ素子Q1がオンするので第1スイッチ素子Q1および第2スイッチ素子の両方に電流が流れ、第2スイッチ素子に流れていた電流は半分になる。さらに、第1スイッチ素子Q1及び第2スイッチ素子Q2がオンになるので、スナバ用スイッチ素子Qsはオフさせる。従ってスナバ用コンデンサCsは不要な放電をしない。
【0018】
時刻t4において、第3スイッチ素子Q3および第6スイッチ素子をオンする。直流電圧ViがトランスTの一次巻線n3に印加され、トランスTは第1の方向とは反対の第2の方向に励磁される。同時に第2スイッチ素子Q2をオフする。トランスTの第1二次巻線n1に発生した電圧を第1スイッチ素子Q1が同期整流する。第2スイッチ素子Q2がオフになるので、スナバ用スイッチ素子Qsはオンさせる。第2二次巻線n2には第2ダイオードDf2に逆方向の電圧が発生する。このときに第2ダイオードDf2の逆回復時間やスイッチ素子Q2の寄生容量等に起因して第2スイッチ素子に流れる電流IQ2はゼロ以下に減少する。このため図2に示す短絡電流Isとは逆方向の短絡電流−Isが流れ(−IsはIsとは電流の流れる向きが異なるだけなので図示していない)、リーケージインダクタンスLr1及びLr2にエネルギーが蓄積される。短絡電流−Isが流れなくなると、言い換えると第2スイッチ素子に流れる電流がゼロになると、リーケージインダクタンスLr1及びLr2に蓄積されたエネルギーが放出される。このとき第2スイッチ素子及び第2ダイオードDf2はオフしているので高いサージ電圧が印加される。しかし、スナバ用コンデンサCsはトランスTの二次巻線に発生する電圧で充電されているので、充電電圧以上のサージ電圧が印加されるとスナバ用コンデンサCsに充電電流が流れサージ電圧を吸収する。スナバ用コンデンサCsの電圧はサージ電圧で充電されて上昇するが、時刻t5でサージ電圧が無くなると、平滑リアクトルLo〜負荷Lo(平滑コンデンサCo)〜スナバ用スイッチ素子Qs〜スナバ用抵抗Rsの経路で放電する。このときスナバ回路4にはトランスTの第2の二次巻線に発生している電圧が印加される。スナバ用スイッチ素子Qsは、第3スイッチ素子Q3および第6スイッチ素子Q6がオフする時刻t0までオンを継続するので、スナバ用コンデンサCsはトランスTの第2の二次巻線に発生する電圧まで放電する。
【0019】
本発明の実施例1は以上の動作を繰り返し、負荷に電力を供給する。このとき、同期整流回路2の第1スイッチ素子Q1及び第2スイッチ素子Q2に過大なサージ電圧が印加されることはなく、スナバ回路4のスナバ用コンデンサは、不要な放電をすることが無い。
【0020】
また、スナバ用スイッチ素子Qsは、図4に示す方法によって駆動信号GSを生成する。つまり、スナバ用スイッチ素子にPチャネルMOSFETスイッチQs’を使用し、制御回路5は第1スイッチ素子Q1の駆動信号G1および第2スイッチ素子Q2の駆動信号G2を論理積回路であるAND1に入力し、AND1の出力からコンデンサCgsを介してスナバ用スイッチ素子Qsの駆動信号GSを出力する。これによって、同期整流回路2の第1スイッチ素子Q1と第2スイッチ素子がともにオンしているときは論理積回路AND1の出力はハイレベルになり、コンデンサCgsはダイオードDgsを介して、論理積回路AND1と接続されている端子がプラス、MOSFETスイッチQs’と接続されている端子がマイナスに充電される。このとき、MOSFETスイッチQs’のゲート・ソース間にはダイオードDgsの順方向電圧降下が印加されるのでMOSFETスイッチQs’はオフする。また、同期整流回路2の第1スイッチ素子Q1と第2スイッチ素子のいづれか一方がオフになると論理積回路AND1の出力はローレベルになり、コンデンサCgsに充電された電圧がMOSFETスイッチQs’のゲート・ソース間に印加される。このときMOSFETスイッチQs’はゲート電極がソース電極に対して負になるのでMOSFETスイッチQs’はオンする。このように、スナバ用スイッチ素子にPチャネルMOSFETスイッチQs’を使用することによって、スナバ用ダイオードDsにPチャネルMOSFETの寄生ダイオードを使用することが可能になる。なお、図4のcont1はスイッチ素子Q1からQ6の駆動信号を生成するための信号生成回路である。
【実施例2】
【0021】
図5は本発明の実施例2の二次側の回路を示す回路構成図である。実施例1との違いは、スナバ用スイッチ素子Qsの駆動信号をスナバ回路4aに印加される電圧を検知して生成することである。このため、スナバ回路4aは、スナバ用コンデンサCsとスナバ用ダイオードDsの直列回路と、スナバ用ダイオードDsに並列に接続したスナバ用抵抗Rs及びスナバ用スイッチ素子Qsの直列回路で構成され、トランスTのセンタタップと同期整流回路2の出力間に接続される。さらにトランスTのセンタタップと同期整流回路2の出力間に抵抗R1及びR2の直列回路を接続し、抵抗R1と抵抗R2の接続点から駆動回路VF1を介してスナバ用スイッチ素子Qsの制御端子に接続する。
【0022】
図6は実施例2の動作波形を示すタイミングチャートである。信号G1は同期整流回路2の第1スイッチ素子Q1の駆動信号、信号G2は同期整流回路2の第2スイッチ素子Q2の駆動信号、電圧VLoはトランスTのセンタタップと同期整流回路2の出力間に発生する電圧、言い換えると平滑回路3に入力される電圧である。図6に示すように電圧VLoは同期整流回路2の第1スイッチ素子Q1または第2スイッチ素子Q2のいずれか一方がオンしているときは電圧が発生するが、両方オンしているときには電圧が発生しない。従って抵抗R2には同期整流回路2の第1スイッチ素子Q1または第2スイッチ素子Q2のいずれか一方がオンしているときに電圧が発生する。この電圧を用いて駆動回路VF1を介してスナバ用スイッチ素子Qsを駆動する。このため実施例2においても実施例1と同じ効果を持つ。
【0023】
図6の実施例2は同期整流回路2を用いて整流したが、同期整流回路2のスイッチ素子の駆動信号を利用しないので、同期整流回路を使用しなくてもスナバ用スイッチ素子Qsを駆動できる。実施例2で同期整流回路を使用しない例を図7に示す。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明のスイッチング電源装置は小型化、高効率化が可能であり、各種電子機器を駆動する電源として利用可能である。
【符号の説明】
【0025】
1 スイッチ回路
2、2a 同期整流回路
3 平滑回路
4、4a スナバ回路
5 制御回路
Vi 入力直流電源
C1 入力コンデンサ
Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6、Qs スイッチ素子
Qs’ PチャネルMOSFET
Df1、Df2、Df3、Df4、Df5、Df6、Ds ダイオード
G1、G2、G3、G4、G5、G6、 Gs 駆動信号
T トランス
n1、n2、n3 巻線
Lo リアクトル
Cs、Co コンデンサ
Rs 抵抗
RL 負荷
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8