(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出射光は、前記光導波路を透過した透過光及び前記光導波路内で反射された反射光のうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の電界測定装置。
前記第2状態下において前記基準電圧が前記光導波路に印加されると、前記光導波路の反射率は、極大化されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電界測定装置。
前記検出部は、前記透過光の強度を第1電気信号に変換する第1光検出部と、前記反射光の強度を第2電気信号に変換する第2光検出部と、前記第1電気信号と前記第2電気信号との差を増幅し、増幅信号を生成する増幅部と、を含み、
前記設定部は、前記増幅信号に応じて前記基準電圧を設定することを特徴とする請求項3に記載の電界測定装置。
前記第2状態下において前記基準電圧が前記光導波路に印加されると、前記光導波路の反射率と前記光導波路の透過率との間の差異は極小化されることを特徴とする請求項8に記載の電界測定装置。
前記電極部は、前記伝送光が伝送される伝送方向に交差する方向に延設された第1電極と、前記第1電極から前記伝送方向に離間した第2電極と、を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電界測定装置。
前記電極部は、前記伝送光が伝送される伝送方向に周期的に繰り返される開口パターンが形成された電極層を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電界測定装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
例示的な電界測定装置の様々な実施形態が、図面を参照して説明される。以下に説明される実施形態において、同一の構成要素に対して同一の符号が付されている。説明の明瞭化のため、重複する説明は省略される。図面に示される構成、配置或いは形状並びに図面に関連する記載は、単に本実施形態の原理を容易に理解させることを目的とする。したがって、以下の実施形態の原理は、これらに何ら限定されない。「上」、「下」、「左」や「右」といった方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とする。したがって、これらの用語は、限定的に解釈されるべきものではない。
【0015】
<本発明者等によって見出された従来技術の問題点>
本発明者等は、従来の電界検出技術を研究し、様々な課題を見出した。後述の様々な実施形態によって説明される電界測定装置は、これらの課題を解消すべく開発されている。
【0016】
(特許文献1の電界検出技術が内包する課題)
図15は、特許文献1の電界測定装置900の概略図である。
図15を参照して、特許文献1の電界測定装置900が有する課題が説明される。
【0017】
光源910と、コリメートレンズ920と、電気光学結晶930と、偏向ビームスプリッタ940と、集光レンズ951,952と、光検出器961,962と、信号電極971と、グランド電極972と、を備える。測定対象物(図示せず)の電界は、信号電極971を通じて、電気光学結晶930に結合される。この結果、電気光学結晶930の光学特性は、光源910から出射されたレーザ光の伝搬経路に亘って略一様に変化する。
【0018】
光学特性の変化の後、光源910はレーザ光をコリメートレンズ920に向けて出射する。コリメートレンズ920は、レーザ光を平行光にする。その後、レーザ光は、電気光学結晶930へ入射する。
【0019】
電気光学結晶930は、レーザ光の偏光状態を変化させる。その後、レーザ光は、電気光学結晶930から偏向ビームスプリッタ940へ出射される。偏向ビームスプリッタ940は、レーザ光をP波とS波とに分離する。P波は、集光レンズ951を通じて、光検出器961に到達する。S波は、集光レンズ952を通じて、光検出器962に到達する。
【0020】
光検出器961は、P波の光強度に応じた電気信号を出力する。光検出器962は、S波の光強度に応じた電気信号を出力する。電界測定装置900は、これらの電気信号を解析し、測定対象物の電界を測定する。
【0021】
電気光学結晶930から出射されたレーザ光の強度は、電界測定装置900の周囲の温度の変化に影響を受けやすい。したがって、電界測定装置900は、電界を高感度に測定することはできない。
【0022】
電気光学結晶930の光学特性の変化の前後間での位相変化量は非常に小さい。したがって、光検出器961,962が生成する電気信号の振幅は非常に小さくなる。光検出器961,962が大きな振幅の電気信号を生成するためには、電気光学結晶930は、レーザ光の伝搬方向に長い寸法を有する必要がある。この結果、設計者は、電界測定装置900に大きな寸法を与えることとなる。電気光学結晶930として、大きく且つ高品質の結晶体が利用されるならば、電界測定装置900の製造コストは非常に高くなる。
【0023】
(特許文献2の電界検出技術が内包する課題)
図16は、特許文献2の電界測定装置901の概略図である。
図16を参照して、特許文献2の電界測定装置901が有する課題が説明される。
【0024】
電界測定装置901は、基板931と、光導波路932と、を備える。基板931は、電気光学結晶から形成される。光導波路932は、基板931上に形成される。光導波路932は、上流導波路933と、分岐導波路934,935と、下流導波路936と、を含む。基板931及び光導波路932は、マッハツェンダー干渉計を形成する。
【0025】
電界測定装置901は、光ファイバ921,922と、電極973,974と、アンテナ981,982と、を備える。光は、光ファイバ921を通じて、上流導波路933へ伝搬する。その後、光は、分岐導波路934に沿って伝搬する光と、分岐導波路935に沿って伝搬する光と、に分けられる。分岐導波路934に沿って伝搬する光と分岐導波路935に沿って伝搬する光との間で光強度における差異はない。その後、分岐導波路934に沿って伝搬する光及び分岐導波路935に沿って伝搬する光は、下流導波路936において合流し、光ファイバ922を通じて光検出器(図示せず)に向けて出射される。
【0026】
分岐導波路934は、電極973,974の間に延設される。アンテナ981は、電極973に接続される。アンテナ982は、電極974に接続される。測定対象物の電界は、アンテナ981,982及び電極973,974を通じて、分岐導波路934に印加される。この結果、分岐導波路934の屈折率は変化する。分岐導波路934の屈折率の変化の結果、分岐導波路934,935間の光路長差も変化する。光検出器は、光路長差の変化を表す電気信号を出力する。この結果、電界測定装置901は、測定対象物の電界を測定することができる。しかしながら、特許文献1の技術と同様に、電界測定装置901は、電界測定装置901の周囲の温度の変化に影響を受けやすい。したがって、電界測定装置901は、電界を高感度に測定することはできない。
【0027】
(特許文献3の電界検出技術が内包する課題)
図17は、特許文献3の電界測定装置902の概略図である。
図17を参照して、特許文献3の電界測定装置902が有する課題が説明される。
【0028】
電界測定装置902は、光ファイバ923と、基板991と、電極975,976と、アンテナ983,984と、を備える。電界測定装置902は、基板991上に形成された光導波路992を更に備える。光導波路992は、主導波路993と、分岐導波路994,995と、を含む。主導波路993は、光ファイバ923に接続される。分岐導波路994は、主導波路993から分岐し、電極975,976の間を延びる。分岐導波路995は、分岐導波路994と同様に、主導波路993から分岐する。分岐導波路994,995は、拡散型の光導波路である。電界測定装置902は、第1グレーティング996と、第2グレーティング997と、を更に備える。第1グレーティング996は、分岐導波路994に沿って形成される。第2グレーティング997は、分岐導波路995に沿って形成される。第1グレーティング996は、波長変調に用いられる。第2グレーティング997は、温度補償に用いられる。
【0029】
広帯域のスペクトルを有する入射光は、光ファイバ923を通じて、主導波路993に入射する。入射光は、分岐導波路994に沿って伝搬する光と、分岐導波路995に沿って伝搬する光と、に分けられる。分岐導波路994に沿って伝搬する光は、第1グレーティング996に入射する。分岐導波路995に沿って伝搬する光は、第2グレーティング997に入射する。第1グレーティング996及び第2グレーティング997それぞれは、入射光をブラッグ回折する。ブラッグの回折条件を満たす波長を有する光成分は、第1グレーティング996及び第2グレーティング997によって反射される。
【0030】
測定対象物の電界は、アンテナ983,984及び電極975,976を通じて、第1グレーティング996に印加される。この結果、第1グレーティング996の屈折率は変化する。したがって、分岐導波路994に沿って主導波路993へ向かって戻る反射光の波長は、電界の印加に応じて変化する。
【0031】
電界測定装置902は、第2グレーティング997からの反射光の波長を基準として用いて、第1グレーティング996からの反射光の波長と第2グレーティング997からの反射光の波長との間の差異を検出する。この結果、電界測定装置902は、電界を測定することができる。
【0032】
電界測定装置902は、反射光の波長差を検出するための分光装置を必要とする。したがって、電界測定装置902は、電界検出の応答性に劣る。加えて、電界測定装置902は、大型且つ高価な装置になる。
【0033】
<第1実施形態>
上述の如く、従来の電界測定装置は、検出精度、小型化及び低廉化において様々な課題を有する。第1実施形態において、これらの課題の解消に貢献する電界測定装置が説明される。
【0034】
図1は、第1実施形態の電界測定装置100の概念図である。
図1を参照して、電界測定装置100が説明される。
【0035】
電界測定装置100は、光導波路200と、電極部300と、アンテナ部400と、検出部500と、印加部600と、を備える。電界の検出に用いられる検出光DLは、光導波路200に入射する。検出光DLは、光導波路200によって伝送される。その後、検出光DLは、光導波路200から出射される。検出光DLは、レーザ光であってもよい。代替的に、検出光DLは、単一の波長を有する他の光であってもよい。本実施形態の原理は、検出光DLの特定の種類に限定されない。光導波路200は、基板(図示せず)の表面に一次元状のリブ、リッジ構造や誘電体ストリップが装荷されたステップ型の光導波路であってもよい。代替的に、光導波路200は、光を案内することができる他の構造を有してもよい。本実施形態の原理は、光導波路200の特定の構造に限定されない。本実施形態において、伝送光は、光導波路200によって伝送される検出光DLによって例示される。出射光は、光導波路200から出射された検出光DLによって例示される。
【0036】
光導波路200から出射された検出光DLは、検出部500に入射する。検出部500は、検出光DLの光強度を検出する。
【0037】
電極部300は、検出光DLの伝送経路に沿って、光導波路200の光学特性に周期的な変動を与えるように形成される。電極部300は、櫛形に形成されてもよい。代替的に、電極部300は、検出光DLの伝送経路に沿って繰り返される開口パターンを有してもよい。更に代替的に、電極部300は、検出光DLの伝搬方向において、光導波路200の光学特性に周期的な変動を与える他の形状を有してもよい。本実施形態の原理は、電極部300の特定の形状に何ら限定されない。
【0038】
アンテナ部400は、測定対象物の電界を光導波路200に結合させる第1状態と、測定対象物の電界が光導波路200から切り離された第2状態と、を設定する。電界測定装置100を使用する使用者は、アンテナ部400を測定対象物に近づけることによって、第1状態を設定してもよい。使用者は、アンテナ部400を測定対象物から離すことによって、第2状態を設定してもよい。代替的に、使用者は、アンテナ部400と印加部600との電気的な接続を変更し、電界の結合状態を第1状態と第2状態との間で切り替えてもよい。本実施形態の原理は、電界の結合状態を切り替えるための特定の技術に限定されない。アンテナ部400は、金属板を含んでもよい。代替的に、アンテナ部400は、ロッドアンテナ、折り返しアンテナや測定対象物の電界と良好に電磁界結合できる他の構造を有してもよい。本実施形態の原理は、アンテナ部400の特定の構造に限定されない。
【0039】
印加部600は、電極部300に電圧を印加する。この結果、電極部300の形状に起因して、光導波路200の光学特性は、検出光DLの伝送方向に沿って、周期的に変動する。
【0040】
検出部500は、第1状態下において検出された検出光DLの強度を表す第1信号FSと、第2状態下において検出された検出光DLの強度を表す第2信号SSと、を生成する。第1信号FSは、測定対象物の電界を表す検出信号として、電界測定装置100から出力される。第2信号SSは、検出部500から印加部600へ出力される。
【0041】
印加部600は、設定部610と、出力部620と、を含む。使用者が、アンテナ部400を操作し、第2状態を設定すると、第2信号SSは、検出部500から設定部610に出力される。設定部610は、第2信号SSに応じて、基準電圧を設定する。
【0042】
出力部620は、電極部300に電圧を印加する。使用者が、アンテナ部400を操作し、第2状態を設定すると、設定部610は、出力部620を通じて電極部300に印加される電圧の大きさを変化させる。この間、設定部610は、電圧の大きさの変化に応じて変化する第2信号SSから、光導波路200の反射率を極大化する電圧値を見出してもよい。設定部610は、反射率を極大化する電圧値を基準電圧として設定してもよい。尚、「反射率を極大化する電圧値」との用語は、反射率の極大値をもたらす電圧値だけでなく、反射率の極大値をもたらす電圧値に近い電圧値をも意味してもよい。
【0043】
代替的に、設定部610は、電圧の大きさの変化に応じて変化する第2信号SSから、光導波路200の反射率の変化を極大化する電圧値を見出してもよい。設定部610は、反射率の変化を極大化する電圧値を基準電圧として設定してもよい。尚、「反射率の変化を極大化する電圧値」との用語は、反射率の変化の極大値をもたらす電圧値だけでなく、反射率の変化の極大値をもたらす電圧値に近い電圧値をも意味してもよい。
【0044】
更に代替的に、設定部610は、電圧の大きさの変化に応じて変化する第2信号SSから、光導波路200の反射率と光導波路200の透過率との間の差異を極小化する電圧値を見出してもよい。設定部610は、光導波路200の反射率と光導波路200の透過率との間の差異を極小化する電圧値を基準電圧として設定してもよい。尚、「反射率と透過率との間の差異を極小化する電圧値」との用語は、反射率と透過率との間の差異の極小値をもたらす電圧値だけでなく、反射率と透過率との間の差異の極小値をもたらす電圧値に近い電圧値をも意味してもよい。
【0045】
上述の如く、設定部610は、様々な設定手法を用いて、基準電圧を設定することができる。したがって、本実施形態の原理は、基準電圧を設定するための特定の技術に限定されない。
【0046】
使用者が、アンテナ部400を操作し、第1状態を設定すると、測定対象物の電界は、光導波路200及び電極部300に印加される。この結果、電極部300に誘起電圧が生ずる。この間、設定部610は、基準電圧を出力部620へ出力する。アンテナ部400に接続された出力部620は、基準電圧と測定対象物の電界の印加によって生じた誘起電圧と差に相当する差分電圧を電極部300に印加する。
【0047】
出力部620が差分電圧を印加している間に検出部500が出力した第1信号FSによって、測定対象物の電界が精度よく測定される。基準電圧が用いられるので、電界測定装置100は、温度変化といった環境的な変動因子に影響されにくい。
【0048】
<第2実施形態>
設計者は、第1実施形態に関連して説明された設計原理に基づいて、様々な電界測定装置を設計することができる。第2実施形態において、例示的な電界測定装置が説明される。
【0049】
図2は、第2実施形態の電界測定装置100Aの概略的なブロック図である。
図1及び
図2を参照して、電界測定装置100Aが説明される。
【0050】
電界測定装置100Aは、光源110と、電界測定素子120と、アンテナ部400Aと、光検出器500Aと、出力ポート510と、電圧印加装置610Aと、差分回路620Aと、を備える。光源110は、電界測定素子120へ入射する入射光ILを生成する。入射光ILが、レーザ光であるならば、光源110として、レーザ光源が用いられてもよい。入射光ILが、単一波長を有する光であるならば、光源110として、発光ダイオードが用いられてもよい。本実施形態の原理は、光源110の特定の種類に限定されない。本実施形態において、光源部は、光源110によって例示される。
【0051】
入射光ILは、電界測定素子120によって伝送される伝送光となる。その後、伝送光は、電界測定素子120を透過した透過光TLとして光検出器500Aに向けて出射される。光検出器500Aは、透過光TLの強度を表す検出信号を生成する。検出信号は、出力ポート510を通じて、電界測定装置100Aから出力される。加えて、検出信号は、電圧印加装置610Aに出力される。光検出器500A及び出力ポート510は、
図1を参照して説明された検出部500に対応する。
【0052】
光検出器500Aに接続された電圧印加装置610Aは、基準電圧の設定及び出力のために用いられる。電圧印加装置610Aは、
図1を参照して説明された設定部610に対応する。差分回路620Aは、電圧印加装置610Aとアンテナ部400Aとに接続される。
【0053】
アンテナ部400Aは、第1状態と第2状態とを選択的に設定するために用いられる。アンテナ部400Aが第1状態を設定したとき、差分回路620Aは、電圧印加装置610Aから出力された基準電圧とアンテナ部400Aによって生じた誘起電圧との差に相当する差分電圧を電界測定素子120に印加する。アンテナ部400Aは、
図1を参照して説明されたアンテナ部400に対応する。差分回路620Aは、
図1を参照して説明された出力部620に対応する。
【0054】
図3は、電界測定素子120の概略的な斜視図である。
図1乃至
図3を参照して、電界測定素子120が説明される。
【0055】
電界測定素子120は、基板130と、光導波路200Aと、パターン電極300Aと、を含む。光導波路200Aは、基板130上に形成される。パターン電極300Aは、光導波路200A上に形成される。
【0056】
光導波路200Aは、コア層210と、クラッド層221,222と、を含む。コア層210は、6つの平坦な面を有する電気光学結晶である。コア層210は、クラッド層221,222の間で、入射光ILの伝搬方向に延びる。コア層210は、第1端面211と、第1端面211とは反対側の第2端面212と、を含む。入射光ILは、第1端面211に入射する。透過光TLは、第2端面212から出射される。コア層210によって案内される光の一部は、反射光として、第1端面211から出射される。光導波路200Aは、
図1を参照して説明された光導波路200に対応する。
【0057】
光導波路200Aとアンテナ部400Aとの間のパターン電極300Aは、櫛形に形成される。パターン電極300Aは、矩形状の接続領域310と、複数の帯状領域321〜327と、略T字型の中間領域330と、を含む。アンテナ部400Aは、金属板410を含む。金属板410は、接続領域310に接続される。加えて、
図2を参照して説明された差分回路620Aも接続領域310に接続される。複数の帯状領域321〜327はそれぞれ、コア層210を横切って、光の伝搬方向に交差する(略直交する)方向に延びる。複数の帯状領域321〜327は、互いに離間し、光の伝搬方向に略等間隔に整列される。パターン電極300Aは、
図1を参照して説明された電極部300に対応する。本実施形態において、第1電極は、複数の帯状領域321〜327のうち1つによって例示される。第2電極は、複数の帯状領域321〜327のうち他のもう1つによって例示される。第3電極は、複数の帯状領域321〜327のうち他のもう1つによって例示される。
【0058】
本実施形態において、パターン電極300Aは、7つの帯状領域321〜327を含む。代替的に、パターン電極は、2以上且つ7未満の帯状領域を有してもよい。更に代替的に、パターン電極は、7を超える数の帯状領域を有してもよい。パターン電極を設計する設計者は、電界測定装置に要求される測定精度に適合するように帯状領域の数を決定してもよい。本発明者等によれば、パターン電極が5以上の帯状電極を有するならば、電界測定装置は、測定対象物の電界を、十分に精度よく測定することができる。本実施形態の原理は、帯状領域の特定の数に限定されない。
【0059】
基板130は、グランドに接続される。したがって、基板130は、パターン電極300Aに対するグランド電極として機能することができる。グランドとして、基板130よりも大きな金属が用いられてもよい。この結果、電界は、パターン電極300Aから光導波路200Aに良好に結合される。尚、基板130とグランドとの接続は、必ずしも必要とされない。本実施形態の原理は、基板130がグランドに接続されるか否かによっては何ら限定されない。
【0060】
測定対象物の電界が金属板410に印加されると、パターン電極300Aに誘起電圧が生ずる。この結果、パターン電極300Aが形成された光導波路200Aの面に対して略直交する電界がパターン電極300Aと基板130との間で生ずる。
【0061】
図4は、電界の印加下においてコア層210に生ずる屈折率分布の概略図である。
図3及び
図4を参照して、電界の印加下における屈折率分布が説明される。
【0062】
測定対象物の電界が、アンテナ部400Aを通じて、コア層210に結合されると、パターン電極300Aの形状(帯状領域321〜327の配置パターン)に対応する周期的な屈折率分布がコア層210に生ずる。コア層210の屈折率は、帯状領域321〜327が形成された位置において低くなる。一方、コア層210の屈折率は、帯状領域321〜327が存在しない位置において高くなる。屈折率の変動幅は、測定対象物の電界の大きさに依存する。
【0063】
透過光の強度及び反射光の強度は、屈折率の変動幅に依存する。したがって、透過光及び/又は反射光の強度が測定されるならば、測定対象物の電界は、適切に測定される。コア層210中の屈折率分布は、パターン電極300Aによって得られる。したがって、本実施形態の原理は、コア層210に利用される電気光学結晶に対する複雑な加工及び高い加工精度を必要としない。
【0064】
光導波路200Aは、エピタキシャル技術によって形成されてもよい。この場合、基板130は、光導波路200Aをエピタキシャルな薄膜として形成するのに好適な材料から形成される。したがって、基板130として利用される材料は、光導波路200Aとして用いられる電気光学結晶と類似の結晶構造を有してもよい。加えて、基板130として利用される材料の格子定数と、光導波路200Aとして用いられる電気光学結晶との格子定数と、の間の差が10%以下となるように、基板130の材料が選択されてもよい。上述の条件の下で、光導波路200Aは、エピタキシャル技術によって効率的に形成される。尚、本実施形態の原理は、光導波路200Aの材料と基板130の材料との間の特定の関係に限定されない。
【0065】
基板130は、グランド電極として機能する。したがって、基板130の材料は、導電性であってもよい。以下に示される材料は、基板130に好適に利用可能である。
・Nb等がドープされたSrTiO
3
・AlドープZnO、In
2O
3、RuO
2、BaPbO
2、SrRuO
2、Mg
2TiO
4、MgTi
2O
4といった酸化物
・Si、Ge、ダイヤモンドといった単体半導体
・GaAs、GaSb、InP、InSb、AlGaAsといったIII−V系の化合物半導体
・ZnS、ZnSe、ZnTe、CaSeといったII−VI系の化合物半導体
・Pt、Pd、Al、Agといった金属
・ニオブ酸リチウム(LiNbO
3)、タンタル酸リチウム(LiTaO
3)、KTN(KTa
1−xNbxO
3:但し、xは、0<x<1)、KTP(KTiOPO
4)といった電気光学効果を有する電気光学結晶
【0066】
光は、コア層210中で伝搬する。したがって、基板130は、コア層210よりも低い屈折率を有する材料から形成されてもよい。
【0067】
コア層210が酸化物から形成されるならば、基板130は、コア層210の酸化物と同一の酸化物から形成されてもよい。この場合、基板130の材料として、SrTiO
3−Nbドープが例示される。
【0068】
パターン電極300Aは、様々な金属(例えば、Al、Ti、Cr、Ni、Cu、Pd、Ag、Ta、W、Pt、Au)やこれらの合金から形成されてもよい。パターン電極300Aは、コア層210よりも低い屈折率を有する透明酸化物(例えば、ITO(酸化インジウムスズ)やAlドープZnO)から形成されてもよい。パターン電極300Aの材料は、光導波路200Aの材料とエピタキシャルな関係を満たしてもよいし、満たさなくてもよい。
【0069】
パターン電極300Aが、金属材料から形成され、且つ、光導波路200A中の光の振動数が金属材料のプラズマ振動数を超えるならば、光導波路200A内で伝搬する光の一部は、パターン電極300Aで染み出すことがある。染み出した光成分は、金属材料中のキャリアによって強く吸収されるので、光の伝搬損失は大きくなる。したがって、光の伝搬損失の観点から、透明酸化物(例えば、ITO(酸化インジウムスズ)やAlドープZnO)が、パターン電極300Aの材料として用いられてもよい。
【0070】
図4に示される屈折率の周期的な分布は、ブラッグ反射鏡として機能する。したがって、光導波路200A内で伝搬する光の一部は、反射光として、光導波路200Aの第1端面211から出射される。屈折率の周期的な分布によって反射される光の波長は、ブラッグ波長によって決定される。電界の印加下で生ずる屈折率の周期的な変動振幅が一定であるならば、ブラッグ波長は、グレーティング周期と呼ばれる周期(すなわち、パターン電極300Aの構造周期)に依存する。したがって、設計者は、光導波路200Aに沿って伝搬する光の波長にブラック波長が略等しくなるように、パターン電極300Aの周期(すなわち、帯状領域321〜327の間隔)を決定すればよい。
【0071】
製造者は、光導波路200A上に薄膜電極を形成した後、薄膜電極にパターニング加工を施与し、パターン電極300Aを作成することができる。
【0072】
コア層210は、電気光学効果を有する電気光学結晶から形成される。コア層210の形成に利用可能な電気光学結晶として、LiNbO
3、LiTaO
3、KTN(KTa
1−xNbxO
3:但し、xは、0<x<1)やKTPといった様々な電気光学結晶が例示される。これらの電気光学結晶のうちKTNは、大きな電気光学係数を有する。したがって、KTNは、コア層210の材料として好適に利用可能である。
【0073】
KTNは、周囲の温度に応じて、立方晶から正方晶に結晶系を変化させる。KTNは、他の温度において、正方晶から菱面体晶に結晶系を変化させる。KTNが、立方晶であるならば、KTNは、大きな二次の電気光学効果を有する。
【0074】
KTNは、立方晶から正方晶への相転移温度に近い温度域において、比誘電率が発散するという現象を引き起こす。二次の電気光学効果は、比誘電率の二乗に比例するので、非常に大きな二次の電気光学効果が、KTNに生ずることとなる。上述のKTNの特性は、他の結晶材料よりも低い印加電圧下で、
図4に示される屈折率分布を引き起こすことを可能にする。したがって、KTNが、コア層210に用いられるならば、電界測定装置100Aは、測定対象物の電界を、高感度に検出することができる。
【0075】
光は、コア層210に沿って伝搬する。したがって、クラッド層221,222は、コア層210よりも低い屈折率を有する材料から形成される。以下に示される材料は、クラッド層221,222に好適に利用可能である。
・SiO
2、TiO
2、ZrO
2、Nb
2O
5、Ta
2O
5、SnO
2、Al
2O
3、MgOといった酸化物
・Si、Ge、ダイヤモンドといった単体半導体
・GaAs、InP、InSb、AlGaAsといったIII−V系の化合物半導体
・LiNbO
3、LiTaO
3、KTNやKTPといった電気光学効果を有する電気光学結晶
【0076】
上述のコア層210に利用可能な様々な電気光学結晶の電気光学特性は、温度や湿度の変化に影響を受けやすい。クラッド層221,222は、コア層210を少なくとも部分的に取り囲むので、設計者は、クラッド層221,222の材料として、温度や湿度の変化に影響を受けにくい材料を選択し、クラッド層221,222にコア層210を保護させてもよい。例えば、設計者は、クラッド層221,222の材料として、温度や湿度の変化に影響されにくいSiO
2を選択してもよい。
【0077】
図5は、電界測定装置100Aを用いた例示的な電界測定方法の概略的なフローチャートである。
図2、
図3及び
図5を参照して、例示的な電界測定方法が説明される。
【0078】
(ステップS110)
ステップS110において、電界測定装置100Aを使用する使用者は、測定対象物の電界がコア層210から切り離された第2状態を設定する。このとき、差分回路620Aの端子は、グランドに接続されている。使用者は、アンテナ部400Aを、差分回路620Aから回路的に切り離し、第2状態を設定してもよい。代替的に、使用者は、アンテナ部400Aを、測定対象物から十分に離間させ、第2状態を設定してもよい。その後、ステップS120が実行される。
【0079】
(ステップS120)
ステップS120において、電圧印加装置610Aは、差分回路620Aを通じて、パターン電極300Aに電圧を印加する。光源110は、入射光ILを生成する。入射光ILは、コア層210に沿って伝搬する。電圧印加装置610Aからパターン電極300Aの電圧印加によって、コア層210に周期的な屈折率分布が生ずる。コア層210に沿って伝搬する光が、ブラッグの回折条件を満たすならば、コア層210に沿って伝搬する光は、反射光として第1端面211から出射される。他の場合には、コア層210に沿って伝搬する光は、透過光TLとして第2端面212から光検出器500Aに向けて出射される。その後、ステップS130が実行される。
【0080】
(ステップS130)
ステップS130において、光検出器500Aは、透過光TLの強度を測定する。光検出器500Aは、透過光TLの強度を表す検出信号を生成する。検出信号は、光検出器500Aから電圧印加装置610Aに出力される。その後、ステップS140が実行される。
【0081】
(ステップS140)
ステップS140において、電圧印加装置610Aは、検出信号を参照し、透過光TLの強度が最小であるか否かを判定する。電圧印加装置610Aが、透過光TLの強度が最小でないと判断するならば、ステップS150が実行される。他の場合には、ステップS160が実行される。
【0082】
(ステップS150)
ステップS150において、電圧印加装置610Aは、電圧値を変更し、パターン電極300Aに電圧を印加する。ステップS130乃至ステップS150の処理ループは、電圧印加装置610Aが、透過光TLの強度が最小であると判定するまで繰り返される。
【0083】
(ステップS160)
ステップS160において、電圧印加装置610Aは、透過光TLの最小の強度を達成することができる電圧を、基準電圧として、差分回路620Aに出力する。使用者は、測定対象物の電界をコア層210に結合させる第1状態を設定する。使用者は、アンテナ部400Aを、差分回路620Aから回路的に接続し、第1状態を設定してもよい。代替的に、使用者は、アンテナ部400Aを、測定対象物から十分に接近させ、第1状態を設定してもよい。この結果、アンテナ部400Aを通じて誘起電圧が発生する。差分回路620Aは、基準電圧と誘起電圧との差異に相当する差分電圧をパターン電極300Aに印加する。その後、ステップS170が実行される。
【0084】
(ステップS170)
ステップS170において、光検出器500Aは、第1状態下での透過光TLの強度を表す検出信号を生成する。検出信号は、出力ポート510を通じて、電界測定装置100Aから出力される。
【0085】
図6は、透過光TLの概略的なスペクトル線図である。
図2、
図3、
図5及び
図6を参照して、電界測定方法が更に説明される。
【0086】
図6に示される記号「λs」は、コア層210に沿って伝搬する光の波長を表す。
図6の実線は、
図5を参照して説明されたステップS130乃至ステップS150の処理ループの実行によって設定された基準電圧の印加下における透過光TLのスペクトル線図を示す。
図6に示される如く、ステップS130乃至ステップS150の処理ループの実行によって、電圧印加装置610Aは、ブラッグ波長を、コア層210に沿って伝搬する光の波長に合致させることができる。
【0087】
図6に示される点線は、測定対象物の電界がコア層210に印加されたときの、透過光TLのスペクトルを示す。
図6の点線によって示される如く、ブラッグ波長は、測定対象物の電界の強度に応じて変化する。したがって、測定対象物の電界の強度は、第1状態下で光検出器500Aが生成した検出信号と第2状態下で光検出器500Aが生成した検出信号との差によって表される。出力ポート510に接続された外部装置(図示せず:例えば、パーソナルコンピュータ)は、電界の強度と、第1状態下で光検出器500Aが生成した検出信号と第2状態下で光検出器500Aが生成した検出信号との差と、の間の関係を表すデータを予め格納してもよい。外部装置は、第1状態下で光検出器500Aが生成した検出信号と第2状態下で光検出器500Aが生成した検出信号との差を算出し、算出された差分値を、予め格納されたデータと比較してもよい。この結果、測定対象物の電界は、精度よく測定される。
【0088】
ステップS130乃至ステップS150の処理ループ内で電界測定素子120は、基準を得るための参照用素子として機能する。ステップS160及びステップS170において、電界測定素子120は、電界を測定するための測定用素子として機能する。したがって、参照用素子と、参照用素子とは別異の測定用素子と、を必要とする従来の電界測定装置よりも、電界測定装置100Aは、小型であり、且つ、簡素である。
【0089】
ステップS130乃至ステップS150の処理ループは、ブラッグ波長を、様々な温度条件及び様々な湿度条件の下で、コア層210に沿って伝搬する光の波長に合致させることを可能にする。したがって、電界測定装置100Aは、様々な環境条件の下で、測定対象物の電界を精度よく測定することができる。
【0090】
設計者は、分光素子を用いることなく、電界測定装置100Aを設計することができる。したがって、電界測定装置100Aは、応答性のよい電界測定を行うことができる。加えて、設計者は、電界測定装置100Aに小型且つ製造容易な構造を与えることができる。
【0091】
<第3実施形態>
第2実施形態の電界測定装置は、透過光の強度から測定対象物の電界を測定する。代替的に、電界測定装置は、反射光の強度から測定対象物の電界を測定してもよい。第3実施形態において、反射光の強度を検出し、測定対象物の電界を測定する例示的な電界測定装置が説明される。
【0092】
図7は、第3実施形態の電界測定装置100Bの概略的なブロック図である。
図1及び
図7を参照して、電界測定装置100Bが説明される。第2実施形態及び第3実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第2実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第2実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0093】
第2実施形態と同様に、電界測定装置100Bは、光源110と、電界測定素子120と、アンテナ部400Aと、出力ポート510と、差分回路620Aと、を備える。第2実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0094】
電界測定装置100Bは、光検出器500Bと、光サーキュレータ520と、電圧印加装置610Bと、を更に備える。光検出器500Bは、出力ポート510と電圧印加装置610Bとに接続される。光サーキュレータ520は、光源110と電界測定素子120との間に配置される。電圧印加装置610Bは、差分回路620Aに接続される。光検出器500B、出力ポート510及び光サーキュレータ520は、
図1を参照して説明された検出部500に対応する。電圧印加装置610Bは、
図1を参照して説明された設定部610に対応する。
【0095】
第2実施形態と同様に、光源110は、入射光ILを生成する。入射光ILは、光サーキュレータ520を通じて、電界測定素子120に入射する。
【0096】
第2実施形態と同様に、電圧印加装置610Bは、第2状態下において、差分回路620Aを通じて、電界測定素子120に電圧を印加し、ブラッグ波長を、電界測定素子120中を伝搬する光の波長に合致させる。この結果、強い反射光RLが電界測定素子120から出射される。反射光RLは、光サーキュレータ520によって、光検出器500Bへ方向付けられる。この結果、反射光RLは、光検出器500Bに入射する。光検出器500Bは、反射光RLの強度を表す検出信号を生成する。検出信号は、出力ポート510を通じて、電界測定装置100Bから出力される。
【0097】
その後、使用者は、アンテナ部400Aを操作し、測定対象物の電界を電界測定素子120に結合させ、第1状態を設定する。この結果、ブラッグ波長は変化する。したがって、光検出器500Bが検出する反射光RLの強度も変化する。光検出器500Bは、反射光RLの強度を表す検出信号を生成する。検出信号は、出力ポート510を通じて、電界測定装置100Bから出力される。
【0098】
第2実施形態と同様に、第1状態下において出力された検出信号と、第2状態下において出力された検出信号との差異は、測定対象物の電界の強さを反映する。したがって、電界測定装置100Bは、測定対象物の電界の強さを精度よく測定することができる。
【0099】
図8は、電界測定装置100Bを用いた例示的な電界測定方法の概略的なフローチャートである。
図3、
図6乃至
図8を参照して、例示的な電界測定方法が説明される。
【0100】
(ステップS210)
ステップS210において、電界測定装置100Bを使用する使用者は、測定対象物の電界がコア層210から切り離された第2状態を設定する。このとき、差分回路620Aの端子は、グランドに接続されている。使用者は、アンテナ部400Aを、差分回路620Aから回路的に切り離し、第2状態を設定してもよい。代替的に、使用者は、アンテナ部400Aを、測定対象物から十分に離間させ、第2状態を設定してもよい。その後、ステップS220が実行される。
【0101】
(ステップS220)
ステップS220において、電圧印加装置610Bは、差分回路620Aを通じて、パターン電極300Aに電圧を印加する。光源110は、入射光ILを生成する。入射光ILは、コア層210に沿って伝搬する。電圧印加装置610Bからパターン電極300Aの電圧印加によって、コア層210に周期的な屈折率分布が生ずる。コア層210に沿って伝搬する光が、ブラッグの回折条件を満たすならば、コア層210に沿って伝搬する光は、反射光RLとして第1端面211から出射される。反射光RLは、その後、サーキュレータ520を通じて光検出器500Bへ出射される。他の場合には、コア層210に沿って伝搬する光は、透過光として第2端面212から出射される。その後、ステップS230が実行される。
【0102】
(ステップS230)
ステップS230において、光検出器500Bは、反射光RLの強度を測定する。光検出器500Bは、反射光RLの強度を表す検出信号を生成する。検出信号は、光検出器500Bから電圧印加装置610Bに出力される。その後、ステップS240が実行される。
【0103】
(ステップS240)
ステップS240において、電圧印加装置610Bは、検出信号を参照し、反射光RLの強度が最大であるか否かを判定する。電圧印加装置610Bが、反射光RLの強度が最大でないと判断するならば、ステップS250が実行される。他の場合には、ステップS260が実行される。
【0104】
(ステップS250)
ステップS250において、電圧印加装置610Bは、電圧値を変更し、パターン電極300Aに電圧を印加する。ステップS230乃至ステップS250の処理ループは、電圧印加装置610Bが、反射光RLの強度が最大であると判定するまで繰り返される。
【0105】
(ステップS260)
ステップS260において、電圧印加装置610Bは、反射光RLの最大の強度を達成することができる電圧を、基準電圧として、差分回路620Aに出力する。使用者は、測定対象物の電界をコア層210に結合させる第1状態を設定する。使用者は、アンテナ部400Aを、差分回路620Aから回路的に接続し、第1状態を設定してもよい。代替的に、使用者は、アンテナ部400Aを、測定対象物から十分に接近させ、第1状態を設定してもよい。この結果、アンテナ部400Aを通じて誘起電圧が発生する。差分回路620Aは、基準電圧と誘起電圧との差異に相当する差分電圧をパターン電極300Aに印加する。その後、ステップS270が実行される。
【0106】
(ステップS270)
ステップS270において、光検出器500Bは、第1状態下での反射光RLの強度を表す検出信号を生成する。検出信号は、出力ポート510を通じて、電界測定装置100Bから出力される。
【0107】
反射光RLの強度は、
図6に示される透過光の強度とは、反対の関係を有する。すなわち、コア層210に沿って伝搬する光の波長が「λs」であるとき、反射光RLの強度は、第2状態下で、最大化される。
【0108】
電圧印加装置610Bは、ステップS230乃至ステップS250の処理ループを実行し、ブラッグ波長を、コア層210に沿って伝搬する光の波長に合致させる。この結果、コア層210に沿って伝搬する光の波長が「λs」であるとき、反射光RLの強度は、最大化される。
【0109】
第2実施形態に関連して説明された如く、ブラッグ波長は、測定対象物の電界の強度に応じて変化する。したがって、測定対象物の電界の強度は、第1状態下で光検出器500Bが生成した検出信号と第2状態下で光検出器500Bが生成した検出信号との差によって表される。出力ポート510に接続された外部装置(図示せず:例えば、パーソナルコンピュータ)は、電界の強度と、第1状態下で光検出器500Bが生成した検出信号と第2状態下で光検出器500Bが生成した検出信号との差と、の間の関係を表すデータを予め格納してもよい。外部装置は、第1状態下で光検出器500Bが生成した検出信号と第2状態下で光検出器500Bが生成した検出信号との差を算出し、算出された差分値を、予め格納されたデータと比較してもよい。この結果、測定対象物の電界は、精度よく測定される。
【0110】
ステップS230乃至ステップS250の処理ループ内で電界測定素子120は、基準を得るための参照用素子として機能する。ステップS260及びステップS270において、電界測定素子120は、電界を測定するための測定用素子として機能する。したがって、参照用素子と、参照用素子とは別異の測定用素子と、を必要とする従来の電界測定装置よりも、電界測定装置100Bは、小型であり、且つ、簡素である。
【0111】
ステップS230乃至ステップS250の処理ループは、ブラッグ波長を、様々な温度条件及び様々な湿度条件の下で、コア層210に沿って伝搬する光の波長に合致させることを可能にする。したがって、電界測定装置100Bは、様々な環境条件の下で、測定対象物の電界を精度よく測定することができる。
【0112】
設計者は、分光素子を用いることなく、電界測定装置100Bを設計することができる。したがって、電界測定装置100Bは、応答性のよい電界測定を行うことができる。加えて、設計者は、電界測定装置100Bに小型且つ製造容易な構造を与えることができる。
【0113】
<第4実施形態>
第2実施形態の電界測定装置は、透過光の強度から測定対象物の電界を測定する。第3実施形態の電界測定装置は、透過光の強度から測定対象物の電界を測定する。代替的に、電界測定装置は、透過光及び反射光の強度から測定対象物の電界を測定してもよい。第4実施形態において、透過光及び反射光の強度を検出し、測定対象物の電界を測定する例示的な電界測定装置が説明される。
【0114】
図9は、第4実施形態の電界測定装置100Cの概略的なブロック図である。
図1及び
図9を参照して、電界測定装置100Cが説明される。第2実施形態乃至第4実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第2実施形態又は第3実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第2実施形態又は第3実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0115】
第2実施形態と同様に、電界測定装置100Cは、光源110と、電界測定素子120と、アンテナ部400Aと、出力ポート510と、差分回路620Aと、を備える。第2実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0116】
第3実施形態と同様に、電界測定装置100Cは、光サーキュレータ520を更に備える。第3実施形態の説明は、光サーキュレータ520に援用される。
【0117】
電界測定装置100Cは、第1光検出器501と、第2光検出器502と、差動増幅装置530と、電圧印加装置610Cと、を更に備える。第1光検出器501及び第2光検出器502は、差動増幅装置530に接続される。差動増幅装置530は、出力ポート510と電圧印加装置610Cとに接続される。第1光検出器501、第2光検出器502、出力ポート510、光サーキュレータ520及び差動増幅装置530は、
図1を参照して説明された検出部500に対応する。電圧印加装置610Cは、
図1を参照して説明された設定部610に対応する。
【0118】
第1光検出器501は、電界測定素子120を透過した透過光TLを受ける。第1光検出器501は、透過光TLの強度を表す第1検出信号FDSを生成する。第1検出信号FDSは、第1光検出器501から差動増幅装置530へ出力される。本実施形態において、第1電気信号は、第1検出信号FDSによって例示される。第1光検出部は、第1光検出器501によって例示される。
【0119】
光サーキュレータ520は、電界測定素子120から出射された反射光RLを、第2光検出器502へ方向付ける。したがって、第2光検出器502は、反射光RLを受ける。第2光検出器502は、反射光RLの強度を表す第2検出信号SDSを生成する。第2検出信号SDSは、第2光検出器502から差動増幅装置530へ出力される。本実施形態において、第2電気信号は、第2検出信号SDSによって例示される。第2光検出部は、第2光検出器502によって例示される。
【0120】
差動増幅装置530は、第1検出信号FDSと第2検出信号SDSとに対して差分演算処理を行う。差動増幅装置530は、第1検出信号FDSと第2検出信号SDSとの間の差分を増幅する。本実施形態において、増幅部は、差動増幅装置530によって例示される。
【0121】
図10は、電界測定装置100Cを用いた例示的な電界測定方法の概略的なフローチャートである。
図3、
図6、
図9及び
図10を参照して、例示的な電界測定方法が説明される。
【0122】
(ステップS310)
ステップS310において、電界測定装置100Cを使用する使用者は、測定対象物の電界がコア層210から切り離された第2状態を設定する。このとき、差分回路620Aの端子は、グランドに接続されている。使用者は、アンテナ部400Aを、差分回路620Aから回路的に切り離し、第2状態を設定してもよい。代替的に、使用者は、アンテナ部400Aを、測定対象物から十分に離間させ、第2状態を設定してもよい。その後、ステップS320が実行される。
【0123】
(ステップS320)
ステップS320において、電圧印加装置610Cは、差分回路620Aを通じて、パターン電極300Aに電圧を印加する。光源110は、入射光ILを生成する。入射光ILは、コア層210に沿って伝搬する。電圧印加装置610Cからパターン電極300Aの電圧印加によって、コア層210に周期的な屈折率分布が生ずる。コア層210に沿って伝搬する光が、ブラッグの回折条件を満たすならば、コア層210に沿って伝搬する光は、反射光RLとして第1端面211から光サーキュレータ520を通じて第2光検出器502に向けて出射される。他の場合には、コア層210に沿って伝搬する光は、透過光TLとして第2端面212から第1光検出器501に向けて出射される。その後、ステップS330が実行される。
【0124】
(ステップS330)
ステップS330において、第1光検出器501は、透過光TLの強度を表す第1検出信号FDSを生成する。第1検出信号FDSは、第1光検出器501から差動増幅装置530へ出力される。第2光検出器502は、反射光RLの強度を表す第2検出信号SDSを生成する。第2検出信号SDSは、第2光検出器502から差動増幅装置530へ出力される。その後、ステップS340が実行される。
【0125】
(ステップS340)
ステップS340において、差動増幅装置530は、第1検出信号FDSと第2検出信号SDSとに対して差分演算処理を行う。差動増幅装置530は、第1検出信号FDSと第2検出信号SDSとの間の差分を増幅し、増幅信号ASを生成する。増幅信号ASは、差動増幅装置530から電圧印加装置610C及び出力ポート510へ出力される。その後、ステップS350が実行される。
【0126】
(ステップS350)
ステップS350において、電圧印加装置610Cは、増幅信号ASを参照し、増幅信号ASが最大であるか否かを判定する。電圧印加装置610Cが、増幅信号ASが最大でないと判断するならば、ステップS360が実行される。他の場合には、ステップS370が実行される。
【0127】
(ステップS360)
ステップS360において、電圧印加装置610Cは、電圧値を変更し、パターン電極300Aに電圧を印加する。ステップS330乃至ステップS360の処理ループは、電圧印加装置610Cが、増幅信号ASが最大であると判定するまで繰り返される。
【0128】
(ステップS370)
ステップS370において、電圧印加装置610Cは、増幅信号ASが最大となる電圧を、基準電圧として、差分回路620Aに出力する。使用者は、測定対象物の電界をコア層210に結合させる第1状態を設定する。使用者は、アンテナ部400Aを、差分回路620Aから回路的に接続し、第1状態を設定してもよい。代替的に、使用者は、アンテナ部400Aを、測定対象物から十分に接近させ、第1状態を設定してもよい。この結果、アンテナ部400Aを通じて誘起電圧が発生する。差分回路620Aは、基準電圧と誘起電圧との差異に相当する差分電圧をパターン電極300Aに印加する。その後、ステップS380が実行される。
【0129】
(ステップS380)
ステップS380において、第1光検出器501は、第1状態下での透過光TLの強度を表す第1検出信号FDSを生成する。第1検出信号FDSは、第1光検出器501から差動増幅装置530へ出力される。第2光検出器502は、第2状態下での反射光RLの強度を表す第2検出信号SDSを生成する。第2検出信号SDSは、第2光検出器502から差動増幅装置530へ出力される。その後、ステップS390が実行される。
【0130】
(ステップS390)
ステップS390において、差動増幅装置530は、第1検出信号FDSと第2検出信号SDSとに対して差分演算処理を行う。差動増幅装置530は、第1検出信号FDSと第2検出信号SDSとの間の差分を増幅し、増幅信号ASを生成する。増幅信号ASは、差動増幅装置530から電圧印加装置610C及び出力ポート510へ出力される。
【0131】
増幅信号ASが最大化されるとき、ブラッグ波長は、コア層210に沿って伝搬する光の波長「λs」に合致する。すなわち、第1光検出器501が検出する透過光TLの強度は最小化される一方で、第2光検出器502が検出する反射光RLの強度は最大化される。
【0132】
電圧印加装置610Cは、ステップS330乃至ステップS360の処理ループを実行し、ブラッグ波長を、コア層210に沿って伝搬する光の波長に合致させる。この結果、コア層210に沿って伝搬する光の波長が「λs」であるとき、増幅信号ASは、最大化される。
【0133】
第2実施形態に関連して説明された如く、ブラッグ波長は、測定対象物の電界の強度に応じて変化する。したがって、測定対象物の電界の強度は、第1状態下で差動増幅装置530が生成した増幅信号ASと第2状態下で差動増幅装置530が生成した増幅信号ASとの差によって表される。出力ポート510に接続された外部装置(図示せず:例えば、パーソナルコンピュータ)は、電界の強度と、第1状態下で差動増幅装置530が生成した増幅信号ASと第2状態下で差動増幅装置530が生成した増幅信号ASとの差と、の間の関係を表すデータを予め格納してもよい。外部装置は、第1状態下で差動増幅装置530が生成した増幅信号ASと第2状態下で差動増幅装置530が生成した増幅信号ASとの差を算出し、算出された差分値を、予め格納されたデータと比較してもよい。この結果、測定対象物の電界は、精度よく測定される。
【0134】
電界測定装置100Cは、差動増幅装置530を用いて電界を測定するので、電界測定装置100Cは、第2実施形態及び第3実施形態に関連して説明された検出技術の2倍の振幅を有する信号を用いて、電界を測定することができる。したがって、光源110から出射される光の雑音は、相対的に低減される。この結果、電界測定装置100Cは、測定対象物の電界を精度よく測定することができる。
【0135】
ステップS330乃至ステップS360の処理ループ内で電界測定素子120は、基準を得るための参照用素子として機能する。ステップS380及びステップS390において、電界測定素子120は、電界を測定するための測定用素子として機能する。したがって、参照用素子と、参照用素子とは別異の測定用素子と、を必要とする従来の電界測定装置よりも、電界測定装置100Cは、小型であり、且つ、簡素である。
【0136】
ステップS330乃至ステップS360の処理ループは、ブラッグ波長を、様々な温度条件及び様々な湿度条件の下で、コア層210に沿って伝搬する光の波長に合致させることを可能にする。したがって、電界測定装置100Cは、様々な環境条件の下で、測定対象物の電界を精度よく測定することができる。
【0137】
設計者は、分光素子を用いることなく、電界測定装置100Cを設計することができる。したがって、電界測定装置100Cは、応答性のよい電界測定を行うことができる。加えて、設計者は、電界測定装置100Cに小型且つ製造容易な構造を与えることができる。
【0138】
<第5実施形態>
第4実施形態において、電界測定装置は、差動増幅装置が生成する増幅信号が最大となる電圧を基準電圧として設定する。代替的に、電界測定装置は、差動増幅装置が生成する増幅信号が最小となる電圧を基準電圧として設定してもよい。第5実施形態において、差動増幅装置が生成する増幅信号が最小となる電圧を基準電圧として設定する電界測定装置が説明される。
【0139】
図11は、
図9を参照して説明された電界測定装置100Cの電界測定素子120から出射された透過光TLの概略的なスペクトル線図である。
図3、
図9及び
図11を参照して、電界測定装置100Cの動作が説明される。
【0140】
図11に示される記号「λs」は、コア層210に沿って伝搬する光の波長を表す。電圧印加装置610Cは、電界測定素子120から出射される透過光TLの強度を、電界測定素子120から出射される反射光RLの強度に略一致させる電圧を基準電圧として設定する。すなわち、電圧印加装置610Cは、差動増幅装置530が生成する増幅信号ASを最小化する電圧を基準電圧として設定する。
【0141】
電圧印加装置610Cは、差分回路620Aを通じて、パターン電極300Aに基準電圧を印加する。使用者が、アンテナ部400Aを用いて、第1状態を設定すると、電界は、コア層210に結合する。この結果、
図11の点線によって表されるように、電界測定素子120から出射される透過光TL及び反射光RLの強度はそれぞれ変化する。透過光TL及び反射光RLの強度の変化に応じて、差動増幅装置530から出力される増幅信号ASも変化する。
【0142】
図12は、電界測定装置100Cを用いた例示的な電界測定方法の概略的なフローチャートである。
図3、
図11、
図9乃至
図12を参照して、例示的な電界測定方法が説明される。
【0143】
(ステップS410)
ステップS410において、電界測定装置100Cを使用する使用者は、測定対象物の電界がコア層210から切り離された第2状態を設定する。このとき、差分回路620Aの端子は、グランドに接続されている。使用者は、アンテナ部400Aを、差分回路620Aから回路的に切り離し、第2状態を設定してもよい。代替的に、使用者は、アンテナ部400Aを、測定対象物から十分に離間させ、第2状態を設定してもよい。その後、ステップS420が実行される。
【0144】
(ステップS420)
ステップS420において、電圧印加装置610Cは、差分回路620Aを通じて、パターン電極300Aに電圧を印加する。光源110は、入射光ILを生成する。入射光ILは、コア層210に沿って伝搬する。電圧印加装置610Cからパターン電極300Aの電圧印加によって、コア層210に周期的な屈折率分布が生ずる。コア層210に沿って伝搬する光が、ブラッグの回折条件を満たすならば、コア層210に沿って伝搬する光は、反射光RLとして第1端面211から光サーキュレータ520を通じて第2光検出器502へ出射される。他の場合には、コア層210に沿って伝搬する光は、透過光TLとして第2端面212から第1光検出器501に向けて出射される。その後、ステップS430が実行される。
【0145】
(ステップS430)
ステップS430において、第1光検出器501は、透過光TLの強度を表す第1検出信号FDSを生成する。第1検出信号FDSは、第1光検出器501から差動増幅装置530へ出力される。第2光検出器502は、反射光RLの強度を表す第2検出信号SDSを生成する。第2検出信号SDSは、第2光検出器502から差動増幅装置530へ出力される。その後、ステップS440が実行される。
【0146】
(ステップS440)
ステップS440において、差動増幅装置530は、第1検出信号FDSと第2検出信号SDSとに対して差分演算処理を行う。差動増幅装置530は、第1検出信号FDSと第2検出信号SDSとの間の差分を増幅し、増幅信号ASを生成する。増幅信号ASは、差動増幅装置530から電圧印加装置610C及び出力ポート510へ出力される。その後、ステップS450が実行される。
【0147】
(ステップS450)
ステップS450において、電圧印加装置610Cは、増幅信号ASを参照し、増幅信号ASが最小であるか否かを判定する。電圧印加装置610Cが、増幅信号ASが最小でないと判断するならば、ステップS460が実行される。他の場合には、ステップS470が実行される。
【0148】
(ステップS460)
ステップS460において、電圧印加装置610Cは、電圧値を変更し、パターン電極300Aに電圧を印加する。ステップS430乃至ステップS460の処理ループは、電圧印加装置610Cが、増幅信号ASが最小であると判定するまで繰り返される。
【0149】
(ステップS470)
ステップS470において、電圧印加装置610Cは、増幅信号ASが最小となる電圧を、基準電圧として、差分回路620Aに出力する。使用者は、測定対象物の電界をコア層210に結合させる第1状態を設定する。使用者は、アンテナ部400Aを、差分回路620Aから回路的に接続し、第1状態を設定してもよい。代替的に、使用者は、アンテナ部400Aを、測定対象物から十分に接近させ、第1状態を設定してもよい。この結果、アンテナ部400Aを通じて誘起電圧が発生する。差分回路620Aは、基準電圧と誘起電圧との差異に相当する差分電圧をパターン電極300Aに印加する。その後、ステップS480が実行される。
【0150】
(ステップS480)
ステップS480において、第1光検出器501は、第1状態下での透過光TLの強度を表す第1検出信号FDSを生成する。第1検出信号FDSは、第1光検出器501から差動増幅装置530へ出力される。第2光検出器502は、第2状態下での反射光RLの強度を表す第2検出信号SDSを生成する。第2検出信号SDSは、第2光検出器502から差動増幅装置530へ出力される。その後、ステップS490が実行される。
【0151】
(ステップS490)
ステップS490において、差動増幅装置530は、第1検出信号FDSと第2検出信号SDSとに対して差分演算処理を行う。差動増幅装置530は、第1検出信号FDSと第2検出信号SDSとの間の差分を増幅し、増幅信号ASを生成する。増幅信号ASは、差動増幅装置530から電圧印加装置610C及び出力ポート510へ出力される。
【0152】
図11を参照して説明された如く、ブラッグ波長は、測定対象物の電界の強度に応じて変化する。したがって、測定対象物の電界の強度は、第1状態下で差動増幅装置530が生成した増幅信号ASと第2状態下で差動増幅装置530が生成した増幅信号ASとの差によって表される。出力ポート510に接続された外部装置(図示せず:例えば、パーソナルコンピュータ)は、電界の強度と、第1状態下で差動増幅装置530が生成した増幅信号ASと第2状態下で差動増幅装置530が生成した増幅信号ASとの差と、の間の関係を表すデータを予め格納してもよい。外部装置は、第1状態下で差動増幅装置530が生成した増幅信号ASと第2状態下で差動増幅装置530が生成した増幅信号ASとの差を算出し、算出された差分値を、予め格納されたデータと比較してもよい。この結果、測定対象物の電界は、精度よく測定される。
【0153】
透過光TLの強度が、反射光RLの強度に合致するとき、透過光TL及び反射光RSの強度の変化率は最大化される。電圧印加装置610Cは、透過光TL及び反射光RSの強度の変化率を最大化する電圧を基準電圧として設定するので、電界測定装置100Cは、測定対象物の電界を精度よく測定することができる。
【0154】
ステップS430乃至ステップS460の処理ループ内で電界測定素子120は、基準を得るための参照用素子として機能する。ステップS480及びステップS490において、電界測定素子120は、電界を測定するための測定用素子として機能する。したがって、参照用素子と、参照用素子とは別異の測定用素子と、を必要とする従来の電界測定装置よりも、電界測定装置100Cは、小型であり、且つ、簡素である。
【0155】
ステップS430乃至ステップS460の処理ループは、ブラッグ波長を、様々な温度条件及び様々な湿度条件の下で、コア層210に沿って伝搬する光の波長に合致させることを可能にする。したがって、電界測定装置100Cは、様々な環境条件の下で、測定対象物の電界を精度よく測定することができる。
【0156】
設計者は、分光素子を用いることなく、電界測定装置100Cを設計することができる。したがって、電界測定装置100Cは、応答性のよい電界測定を行うことができる。加えて、設計者は、電界測定装置100Cに小型且つ製造容易な構造を与えることができる。
【0157】
<第6実施形態>
第2実施形態乃至第5実施形態において、電界測定装置は、櫛形のパターン電極を用いて、周期的な屈折率分布を生じさせる。代替的に、電界測定装置は、周期的な屈折率分布を生じさせる他のパターン電極を有してもよい。第6実施形態において、周期的な屈折率分布を生じさせる開口パターンが形成されたパターン電極が説明される。第6実施形態のパターン電極は、第2実施形態乃至第5実施形態に関連して説明されたパターン電極に代えて利用可能である。
【0158】
図13は、電界測定素子120Dの概略的な斜視図である。
図13を参照して、電界測定素子120Dが説明される。第2実施形態及び第6実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第2実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第2実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0159】
第2実施形態と同様に、電界測定素子120Dは、基板130と、光導波路200Aと、を備える。第2実施形態の説明は、これらの要素に対して援用される。
【0160】
電界測定素子120Dは、パターン電極300Dを含む。パターン電極300Dは、光導波路200A上に形成される。
【0161】
パターン電極300Dは、矩形状の接続領域310を含む。第2実施形態の説明は、接続領域310に対して援用される。
【0162】
パターン電極300Dは、主領域328と中間領域330Dとを含む。中間領域330Dは、主領域328と接続領域310とを繋ぐ。主領域328には、複数の円形の開口部329が形成される。複数の開口部329は、光の伝搬経路に沿って繰り返す複数の三角形状の格子パターンTLPを形成する。本実施形態において、電極層は、主領域328によって例示される。
【0163】
測定対象物の電界が金属板410に印加されると、パターン電極300Dに誘起電圧が生ずる。この結果、パターン電極300Dが形成された光導波路200Aの面に対して略直交する電界がパターン電極300Dと基板130との間で生ずる。
【0164】
この結果、光導波路200Aのコア層210に、主領域328の形状に対応する屈折率分布が生ずる。すなわち、高い屈折率が、開口部329が形成された領域に生ずる一方で、低い屈折率は、他の領域に生ずる。パターン電極300Dによって引き起こされた屈折率分布は、フォトニック結晶による反射鏡として機能する。したがって、コア層210に沿って伝搬する光の少なくとも一部は反射される。屈折率分布は、電界の強さに応じて変化するので、コア層210から出射される反射光及び透過光の割合は、電界の強さに依存する。
【0165】
電界の印加下で生ずる屈折率の周期的な変動振幅が一定であるならば、屈折率分布の存在下で反射する光の波長は、開口部329の大きさ及び格子パターンTLPの形成周期に依存する。したがって、開口部329の大きさ及び格子パターンTLPの形成周期は、コア層210に沿って伝搬する光の波長に適合するように決定されてもよい。
【0166】
上述の如く、コア層210の反射率及び透過率は、コア層210に結合される測定対象物の電界の大きさによって変化される。したがって、コア層210から出射される反射光及び透過光のうち少なくとも一方の強度が測定されるならば、測定対象物の電界は、精度よく測定される。したがって、本実施形態の原理は、コア層210に用いられる電気光学結晶に高い精度の加工を要求しない。したがって、設計者は、電界測定装置に小型且つ製造容易な構造を与えることができる。
【0167】
本実施形態において、三角形状の格子パターンTLPを形成する複数の開口部329が利用される。代替的に、コア層210に周期的な屈折率分布を与えることができる他の開口パターンが用いられてもよい。本実施形態の原理は、特定の開口パターンに限定されない。
【0168】
第2実施形態乃至第5実施形態と同様に、電界測定素子120Dは、基準を得るための参照用素子及び電界を測定するための測定用素子として機能することができる。したがって、電界測定素子120Dが組み込まれた電界測定装置は、小型であり、且つ、簡素である。
【0169】
第2実施形態乃至第5実施形態と同様に、設計者は、分光素子を用いることなく、電界測定素子120Dが組み込まれた電界測定装置を設計することができる。したがって、電界測定装置は、応答性のよい電界測定を行うことができる。
【0170】
<第7実施形態>
第2実施形態乃至第6実施形態において、電界測定素子の基板は、グランド電極として機能する。したがって、第2実施形態乃至第6実施形態において、基板は、導電性材料を用いて形成される。しかしながら、基板は、非導電性であってもよい。第7実施形態において、非導電性の基板を用いて形成される電界測定素子が説明される。第7実施形態の電界測定素子は、第2実施形態乃至第5実施形態に関連して説明された電界測定素子に代えて利用可能である。
【0171】
図14は、電界測定素子120Eの概略的な斜視図である。
図14を参照して、電界測定素子120Eが説明される。第2実施形態及び第7実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第2実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第2実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0172】
第2実施形態と同様に、電界測定素子120Eは、光導波路200Aを備える。第2実施形態の説明は、光導波路200Aに対して援用される。
【0173】
電界測定素子120Eは、基板130Eと、第1パターン電極301と、第2パターン電極302と、を含む。基板130Eは、光導波路200Aを支持する。第1パターン電極301及び第2パターン電極302は、光導波路200A上に形成される。
【0174】
第2実施形態のパターン電極と同様に、第1パターン電極301は、矩形状の接続領域310と、略T字型の中間領域330と、を含む。第2実施形態のパターン電極に関する説明は、これらの要素に援用される。
【0175】
第1パターン電極301は、複数の帯状領域341〜344を更に含む。複数の帯状領域341〜344それぞれは、中間領域330から、コア層210を横切り、クラッド層221へ向けて延びる。複数の帯状領域341〜344は、互いに離間し、光の伝搬方向に略等間隔に整列される。
【0176】
第2パターン電極302は、矩形状の接続領域350と、略T字型の中間領域360と、複数の帯状領域371〜374と、を含む。接続領域350は、グランドに接続される。したがって、第2パターン電極302は、第1パターン電極301に対して、グランド電極として機能することができる。グランドとして、基板130Eよりも大きな金属が用いられてもよい。この結果、電界は、第1パターン電極301から光導波路200Aに良好に結合される。尚、第2パターン電極302とグランドとの接続は、必ずしも必要とされない。本実施形態の原理は、第2パターン電極302がグランドに接続されるか否かによっては何ら限定されない。
【0177】
中間領域360は、接続領域350と、複数の帯状領域371〜374と、を接続する。複数の帯状領域371〜374それぞれは、中間領域360から、コア層210を横切り、クラッド層222へ向けて延びる。複数の帯状領域371〜374は、互いに離間し、光の伝搬方向に略等間隔に整列される。
【0178】
第2パターン電極302の帯状領域371は、第1パターン電極301の帯状領域341,342の間に配置される。第1パターン電極301の帯状領域374は、第2パターン電極302の帯状領域373,374の間に配置される。
【0179】
第2パターン電極302の帯状領域372は、第1パターン電極301の帯状領域342,343の間に配置される。第2パターン電極302の帯状領域373は、第1パターン電極301の帯状領域343,344の間に配置される。
【0180】
上述の如く、第2パターン電極302は、グランド電極として機能するので、基板130Eは、導電性でなくともよい。したがって、基板130Eとして、以下の材料が利用されてもよい。
・Al
2O
3、MgO、SrTiO
3、AlドープZnO、In
2O
3、RuO
2、BaPbO
2、SrRuO
2、Mg
2TiO
4、MgTi
2O
4といった酸化物
・Si、Ge、ダイヤモンドといった単体半導体
・GaAs、GaSb、InP、InSb、AlGaAsといったIII−V系の化合物半導体
・ZnS、ZnSe、ZnTe、CaSeといったII−VI系の化合物半導体
・Pt、Pd、Al、Agといった金属
・ニオブ酸リチウム(LiNbO
3)、タンタル酸リチウム(LiTaO
3)、KTN(KTa
1−xNbxO
3:但し、xは、0<x<1)、KTP(KTiOPO
4)といった電気光学効果を有する電気光学結晶
【0181】
使用者が、アンテナ部400Aの金属板410を測定対象物に近づけると、測定対象物の電界は、金属板410に印加される。この結果、アンテナ部400Aに接続された第1パターン電極301に誘起電圧が生ずる。この結果、光の伝搬方向に沿う方向の電界が、第1パターン電極301と第2パターン電極302との間に発生する。
【0182】
コア層210内での電界の発生の結果、第1パターン電極301及び第2パターン電極302に形状に対応する周期的な屈折率分布がコア層210に生ずる。すなわち、第1パターン電極301及び第2パターン電極302がともに存在しない領域において、高い屈折率が得られる一方で、第1パターン電極301又は第2パターン電極302が存在する領域において、低い屈折率が得られる。高い屈折率の領域及び低い屈折率の領域は、光の伝搬方向に沿って交互に整列する。
【0183】
屈折率の周期的な分布は、ブラッグ反射鏡として機能する。したがって、光導波路200A内で伝搬する光の一部は、反射光として、光導波路200Aの第1端面211から出射される。屈折率の周期的な分布によって反射される光の波長は、ブラッグ波長によって決定される。電界の印加下で生ずる屈折率の周期的な変動振幅が一定であるならば、ブラッグ波長は、グレーティング周期と呼ばれる周期(すなわち、パターン電極300Aの構造周期)に依存する。したがって、設計者は、光導波路200Aに沿って伝搬する光の波長にブラック波長が略等しくなるように、帯状領域341〜344,371〜374の整列周期を決定すればよい。
【0184】
上述の如く、コア層210の反射率及び透過率は、コア層210に結合される測定対象物の電界の大きさによって変化される。したがって、コア層210から出射される反射光及び透過光のうち少なくとも一方の強度が測定されるならば、測定対象物の電界は、精度よく測定される。したがって、本実施形態の原理は、コア層210に用いられる電気光学結晶に高い精度の加工を要求しない。したがって、設計者は、電界測定装置に小型且つ製造容易な構造を与えることができる。
【0185】
本実施形態において、一対の櫛型電極(第1パターン電極301及び第2パターン電極302)が利用される。代替的に、コア層210に周期的な屈折率分布を与えることができる他の形状の電極が用いられてもよい。本実施形態の原理は、特定の電極形状に限定されない。
【0186】
第2実施形態乃至第5実施形態と同様に、電界測定素子120Eは、基準を得るための参照用素子及び電界を測定するための測定用素子として機能することができる。したがって、電界測定素子120Eが組み込まれた電界測定装置は、小型であり、且つ、簡素である。
【0187】
第2実施形態乃至第5実施形態と同様に、設計者は、分光素子を用いることなく、電界測定素子120Eが組み込まれた電界測定装置を設計することができる。したがって、電界測定装置は、応答性のよい電界測定を行うことができる。
【0188】
上述の様々な実施形態の原理は、電界測定装置の用途に応じて、適切に組み合わされてもよい。
【0189】
上述の様々な実施形態に関連して説明された例示的な電界測定装置に関する技術は、以下の特徴を主に備える。
【0190】
上述の実施形態の一の局面に係る電界測定装置は、測定対象物の電界を測定する。電界測定装置は、伝送光を伝送する光導波路と、前記光導波路の光学特性に周期的な変動を与えるように形成された電極部と、前記電界を前記光導波路に結合させる第1状態と、前記電界が前記光導波路から切り離された第2状態と、を設定するアンテナ部と、前記光導波路から出射された出射光の光強度を検出する検出部と、前記電極部に電圧を印加し、前記周期的な変動を与える印加部と、を備える。前記印加部は、前記第2状態下における前記光強度に応じて、基準電圧を設定する設定部と、前記第1状態下において前記電極部に生じた誘起電圧と前記基準電圧との差に応じた電圧を出力する出力部と、を含む。
【0191】
上記構成によれば、設定部は、電界が光導波路から切り離された第2状態下における光強度に応じて、基準電圧を設定するので、基準電圧の大きさは、電界が測定される環境に対応する。出力部は、電界を光導波路に結合させる第1状態下において電極部に生じた誘起電圧と基準電圧との差に応じた電圧を出力するので、電界測定装置は、環境変化の下においても、電界を精度良く検出することができる。
【0192】
上記構成において、前記電極部は、前記光学特性の前記周期的な変動として、前記光導波路の屈折率の周期的な変動を生じさせてもよい。
【0193】
上記構成によれば、電極部は、光学特性の周期的な変動として、光導波路の屈折率の周期的な変動を生じさせるので、電界測定装置は、環境変化の下においても、電界を精度良く検出することができる。
【0194】
上記構成において、前記出射光は、前記光導波路を透過した透過光及び前記光導波路内で反射された反射光のうち少なくとも一方を含んでもよい。
【0195】
上記構成によれば、出射光は、光導波路を透過した透過光及び光導波路内で反射された反射光のうち少なくとも一方を含むので、電界測定装置は、透過光及び反射光のうち少なくとも一方から電界を精度良く検出することができる。
【0196】
上記構成において、前記電極部は、前記アンテナ部と前記光導波路との間に配置されてもよい。
【0197】
上記構成によれば、電極部は、アンテナ部と光導波路との間に配置されるので、電界測定装置は、第1状態下において、電界を、光導波路に適切に結合させることができる。したがって、電界測定装置は、電界を精度良く検出することができる。
【0198】
上記構成において、前記光導波路は、電気光学結晶から形成されてもよい。
【0199】
上記構成によれば、光導波路は、電気光学結晶から形成されるので、電界測定装置は、高速で応答することができる。
【0200】
上記構成において、前記電気光学結晶の組成は、KTai−xNbxO
3(但し、xは、0<x<1である)であってもよい。
【0201】
上記構成によれば、電気光学結晶の組成は、KTai−xNbxO
3(但し、xは、0<x<1である)であるので、電界測定装置は、高感度に応答することができる。
【0202】
上記構成において、前記第2状態下において前記基準電圧が前記光導波路に印加されると、前記光導波路の反射率は、極大化されてもよい。
【0203】
上記構成によれば、基準電圧は、適切に設定される。
【0204】
上記構成において、前記検出部は、前記透過光の強度を第1電気信号に変換する第1光検出部と、前記反射光の強度を第2電気信号に変換する第2光検出部と、前記第1電気信号と前記第2電気信号との差を増幅し、増幅信号を生成する増幅部と、を含んでもよい。前記設定部は、前記増幅信号に応じて前記基準電圧を設定してもよい。
【0205】
上記構成によれば、基準電圧は、適切に設定される。
【0206】
上記構成において、前記第2状態下において前記基準電圧が前記光導波路に印加されると、前記光導波路の反射率の変化は、極大化されてもよい。
【0207】
上記構成によれば、基準電圧は、適切に設定される。
【0208】
上記構成において、前記第2状態下において前記基準電圧が前記光導波路に印加されると、前記光導波路の反射率と前記光導波路の透過率との間の差異は極小化されてもよい。
【0209】
上記構成によれば、基準電圧は、適切に設定される。
【0210】
上記構成において、前記電極部は、前記伝送光が伝送される伝送方向に交差する方向に延設された第1電極と、前記第1電極から前記伝送方向に離間した第2電極と、を含んでもよい。
【0211】
上記構成によれば、電極部は、伝送光が伝送される伝送方向に交差する方向に延設された第1電極と、第1電極から前記伝送方向に離間した第2電極と、を含むので、電極部は、光導波路の光学特性に周期的な変動を与えることができる。
【0212】
上記構成において、前記電極部は、前記第2電極から前記伝送方向に離間した第3電極を含んでもよい。前記第2電極は、前記第1電極と前記第3電極との間の中間位置に配置されてもよい。
【0213】
上記構成によれば、第2電極は、第1電極と第3電極との間の中間位置に配置されるので、電極部は、光導波路の光学特性に周期的な変動を与えることができる。
【0214】
上記構成において、前記電極部は、前記伝送光が伝送される伝送方向に周期的に繰り返される開口パターンが形成された電極層を含んでもよい。
【0215】
上記構成によれば、電極部は、伝送光が伝送される伝送方向に周期的に繰り返される開口パターンが形成された電極層を含むので、電極部は、光導波路の光学特性に周期的な変動を与えることができる。
【0216】
上記構成において、電界測定装置は、前記光導波路に入射する入射光を出射し、前記伝送光を生成する光源部を更に備えてもよい。前記光源部は、発光ダイオード及びレーザ光源のうち少なくとも一方を含んでもよい。
【0217】
上記構成によれば、光源部は、発光ダイオード及びレーザ光源のうち少なくとも一方を含むので、電界測定装置は、環境変化の下においても、電界を精度良く検出することができる。