特許第6253037号(P6253037)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6253037
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】グリップヒータの配線構造
(51)【国際特許分類】
   B62J 33/00 20060101AFI20171218BHJP
   B62J 99/00 20090101ALI20171218BHJP
【FI】
   B62J33/00 A
   B62J99/00 J
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-98162(P2016-98162)
(22)【出願日】2016年5月16日
(65)【公開番号】特開2017-206061(P2017-206061A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2017年1月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】小山内 拓也
(72)【発明者】
【氏名】菊池 裕
【審査官】 山尾 宗弘
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−051886(JP,U)
【文献】 実開平03−100584(JP,U)
【文献】 特開2015−113821(JP,A)
【文献】 特開2016−038290(JP,A)
【文献】 特開2007−076436(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0036196(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 33/00
B62J 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線(C1)を中心に回動可能なアクセルグリップ(2)と、
前記アクセルグリップ(2)とともに回動するグリッププーリ(3)と、
前記グリッププーリ(3)の回動量を検知するアクセルポジションセンサ(4)と、
前記アクセルグリップ(2)に伝熱するグリップヒータ(5)と、
を備えたグリップヒータの配線構造(1)であって、
前記グリッププーリ(3)と前記アクセルポジションセンサ(4)とには、前記グリッププーリ(3)と前記アクセルポジションセンサ(4)とを係合し、かつ前記グリッププーリ(3)の回動量を前記アクセルポジションセンサ(4)に伝達する係合部(6)が設けられ、
前記グリップヒータ(5)には給電線(52)が接続され、
前記給電線(52)は、前記係合部(6)の外周に巻きつけられていることを特徴とするグリップヒータの配線構造。
【請求項2】
前記係合部(6)は、
前記グリッププーリ(3)に設けられたプーリ側係合部(33)と、
前記プーリ側係合部(33)に係合するとともに、前記アクセルポジションセンサ(4)に設けられたセンサ側係合部(43)と、を備え、
前記プーリ側係合部(33)又は前記センサ側係合部(43)の何れか一方は凸部(61)を備え、かつ他方は前記凸部(61)に係合する凹部(65)を備え、
前記凸部(61)には、前記給電線(52)を導出する導出部(64)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のグリップヒータの配線構造。
【請求項3】
前記係合部(6)を収容するケース(7)を更に備え、
前記ケース(7)には、前記係合部(6)が全開位置まで回動したときに、前記凸部(61)に当接する係止部(73)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のグリップヒータの配線構造。
【請求項4】
前記係合部(6)は、前記軸線(C1)に沿う方向から見て環状をなしていることを特徴とする請求項2又は3に記載のグリップヒータの配線構造。
【請求項5】
前記給電線(52)の外周側に配置されるとともに、前記軸線(C1)に沿う方向から見て前記グリッププーリ(3)の回動方向(V1)に沿う円弧状をなすガイド部(8)を更に備えていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のグリップヒータの配線構造。
【請求項6】
前記ガイド部(8)は、前記給電線(52)の側方に配置されるとともに、前記軸線(C1)に直交する方向に沿う側壁部(82)を備えていることを特徴とする請求項5に記載のグリップヒータの配線構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリップヒータの配線構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、グリップヒータの配線構造において、例えば特許文献1に開示されたものがある。これは、グリップヒータの給電線を、スロットルパイプの一部(盛上り部)からグリップ回転方向に沿って延出させるとともに、導出部周回領域を周回させてケーシング内に配置したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平3−100584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1は、アクセルポジションセンサを採用したものではない。アクセルポジションセンサを採用すると、必然的に、グリッププーリとアクセルポジションセンサとを係合するための係合部を設けなければならない。この場合、グリッププーリの給電線をアクセルプーリの周囲に巻きつけて配索しようとすると、給電線の配索スペースと係合部とが干渉してしまい、給電線をケース内に収めることができない可能性があった。
【0005】
そこで本発明は、アクセルポジションセンサを備えたグリップヒータの配線構造において、給電線をケース内に収めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、軸線(C1)を中心に回動可能なアクセルグリップ(2)と、前記アクセルグリップ(2)とともに回動するグリッププーリ(3)と、前記グリッププーリ(3)の回動量を検知するアクセルポジションセンサ(4)と、前記アクセルグリップ(2)に伝熱するグリップヒータ(5)と、を備えたグリップヒータの配線構造(1)であって、前記グリッププーリ(3)と前記アクセルポジションセンサ(4)とには、前記グリッププーリ(3)と前記アクセルポジションセンサ(4)とを係合し、かつ前記グリッププーリ(3)の回動量を前記アクセルポジションセンサ(4)に伝達する係合部(6)が設けられ、前記グリップヒータ(5)には給電線(52)が接続され、前記給電線(52)は、前記係合部(6)の外周に巻きつけられていることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記係合部(6)は、前記グリッププーリ(3)に設けられたプーリ側係合部(33)と、前記プーリ側係合部(33)に係合するとともに、前記アクセルポジションセンサ(4)に設けられたセンサ側係合部(43)と、を備え、前記プーリ側係合部(33)又は前記センサ側係合部(43)の何れか一方は凸部(61)を備え、かつ他方は前記凸部(61)に係合する凹部(65)を備え、前記凸部(61)には、前記給電線(52)を導出する導出部(64)が設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記係合部(6)を収容するケース(7)を更に備え、前記ケース(7)には、前記係合部(6)が全開位置まで回動したときに、前記凸部(61)に当接する係止部(73)が設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記係合部(6)は、前記軸線(C1)に沿う方向から見て環状をなしていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記給電線(52)の外周側に配置されるとともに、前記軸線(C1)に沿う方向から見て前記グリッププーリ(3)の回動方向(V1)に沿う円弧状をなすガイド部(8)を更に備えていることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記ガイド部(8)は、前記給電線(52)の側方に配置されるとともに、前記軸線(C1)に直交する方向に沿う側壁部(82)を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載した発明によれば、給電線が係合部の外周に巻きつけられていることで、給電線の配索スペースと係合部との干渉を回避することができるため、給電線をケース内に収めることができる。加えて、ケースの小型化に寄与することができる。
請求項2に記載した発明によれば、プーリ側係合部又はセンサ側係合部の何れか一方は凸部を備え、かつ他方は凸部に係合する凹部を備え、凸部には給電線を導出する導出部が設けられていることで、係合部を構成する凸部と給電線の導出部とを兼用することができるため、配索スペースを確保するとともに、小型化及び軽量化に寄与することができる。
請求項3に記載した発明によれば、ケースには係合部が全開位置まで回動したときに凸部に当接する係止部が設けられていることで、アクセルグリップの全開位置で凸部が係合部の回動を止めるストッパーとしての機能をも兼ねるため、省スペース化を図るとともに、小型化及び軽量化により一層寄与することができる。
請求項4に記載した発明によれば、係合部が軸線に沿う方向から見て環状をなしていることで、グリッププーリとアクセルポジションセンサとを必要最小限のスペースで係合させることができるため、小型化及び軽量化により一層寄与することができる。
請求項5に記載した発明によれば、給電線の外周側に配置されるとともに軸線に沿う方向から見てグリッププーリの回動方向に沿う円弧状をなすガイド部を更に備えていることで、アクセルグリップの全閉位置において弛んだ状態にある給電線を軸線の径方向で適切な位置に誘導することができる。
請求項6に記載した発明によれば、ガイド部が給電線の側方に配置されるとともに軸線に直交する方向に沿う側壁部を備えていることで、アクセルグリップの全閉位置において弛んだ状態にある給電線を軸線に沿う方向で適切な位置に誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係るグリップヒータの配線構造の正面図である。
図2】実施形態に係るグリップヒータの配線構造の斜視図である。
図3図1のIII−III断面を含む図であり、アクセルグリップの全閉位置を示す図である。
図4図3に相当する断面を含む図であり、アクセルグリップの全開位置を示す図である。
図5図3のV−V断面を含む図である。
図6】給電線の配索状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ不図示の自動二輪車(以下、単に「車両」という。)における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、及び車両上方を示す矢印UPが示されている。
【0010】
<グリップヒータの配線構造>
図1は、グリップヒータの配線構造の一例として、不図示のハンドルパイプ(バーハンドル)の右側部に設けられる車両右側のグリップヒータの配線構造1を示す。
【0011】
図1及び図2を併せて参照し、グリップヒータの配線構造1は、軸線C1を中心に回動可能なアクセルグリップ2と、アクセルグリップ2とともに回動するグリッププーリ3と、グリッププーリ3の回動量を検知するアクセルポジションセンサ4と、アクセルグリップ2に伝熱するグリップヒータ5と、アクセルポジションセンサ4及び後述する係合部6などを収容するケース7と、後述する給電線52を案内するガイド部8と、を備えている。
【0012】
なお、図2においては、ケース7等の図示を省略している。便宜上、図中の軸線C1は、車幅方向に延びる直線と一致させている。以下、軸線C1に沿う方向を「軸線方向」、軸線方向で車幅方向内側を「軸線方向内側」、軸線方向で車幅方向外側を「軸線方向外側」ということがある。
【0013】
<アクセルグリップ>
図1に示すように、アクセルグリップ2は、軸線C1に沿う筒状をなしている。例えば、アクセルグリップ2はゴム製である。アクセルグリップ2は、軸線C1に沿う筒状のグリップ本体21と、グリップ本体21の軸線方向内端部に連結されたグリップフランジ22と、を備えている。グリップ本体21は、軸線方向の中央位置(具体的には、やや右寄りの位置)ほど径方向外側に僅かに膨出している。グリップフランジ22は、軸線方向内側ほど径方向外側に拡径した後に、軸線方向に厚みを有する環状をなしている。
【0014】
<グリッププーリ>
グリッププーリ3は、軸線C1に沿う筒状をなしている。例えば、グリッププーリ3は樹脂製である。グリッププーリ3は、軸線C1に沿う筒状のプーリ本体31と、プーリ本体31の軸線方向内端部に連結されたプーリフランジ32と、後述するプーリ側係合部33と、を備えている。プーリ本体31は、グリップ本体21よりも縮径した外形を有する円筒状をなしている。プーリフランジ32は、軸線方向に厚みを有するとともに、グリップフランジ22よりも縮径した外形を有する円環状をなしている。
【0015】
例えば、プーリ本体31の外周には、グリップ本体21が圧入されている。これにより、グリッププーリ3は、アクセルグリップ2とともに回動するようになっている。プーリフランジ32には、グリップフランジ22が軸線方向外側から当接している。すなわち、プーリフランジ32は、アクセルグリップ2の軸線方向内端部の位置を規制している。
【0016】
<アクセルポジションセンサ>
アクセルポジションセンサ4は、軸線方向から見てグリップフランジ22よりも大きい外形を有している。例えば、アクセルポジションセンサ4には、グリッププーリ3の回動量と回動速度とを検出可能な不図示の磁気センサ(例えば、ホールIC)が組み込まれている。図2図3及び図5を併せて参照し、アクセルポジションセンサ4は、センサ本体41と、センサ本体41を収容するセンサ収容部42と、後述するセンサ側係合部43と、を備えている。
【0017】
センサ本体41は、軸線C1を中心に回動可能になっている。一方、センサ収容部42は、軸線C1を中心に回動不能になっている。センサ収容部42は、ケース7の内部に固定されている。センサ収容部42は、センサ本体41が軸線C1を中心に回動可能となるようにセンサ本体41を覆っている。
【0018】
センサ収容部42は、センサ本体41の軸線方向外側を覆うとともに軸線方向に厚みを有する環状の第一収容壁42aと、センサ本体41の径方向外側を覆う筒状の第二収容壁42bと、第二収容壁42bに連なるとともにセンサ本体41の軸線方向内側を覆う第三収容壁42cと、センサ本体41の径方向内側を覆う筒状の第四収容壁42dと、を備えている。
【0019】
第一収容部42aは、複数個所(例えば本実施形態では3箇所)で第二収容部42bに固定されている。例えば、第一収容壁42aは、ネジ等の止め具44(図3参照)で第二収容壁42bに固定されている。
第二収容部42bには、径方向外方に膨出する膨出部46が設けられている。膨出部46には、軸線方向と実質的に平行に開口する挿通孔46aが形成されている。
【0020】
<グリップヒータ>
図1及び図2を併せて参照し、グリップヒータ5は、アクセルグリップ2の径方向内側に配置されている。グリップヒータ5は、発熱部であるヒータ本体51と、ヒータ本体51を覆う不図示のゴム部材と、を備えている。
【0021】
ヒータ本体51には、ヒータ本体51に電流を供給する線状の給電線52が接続されている。給電線52は、アクセルグリップ2の回動操作を妨げないように十分に弛んだ状態で延設されている。給電線52は、後述する係合部6に巻きつけられている。
【0022】
<係合部>
図2及び図3を併せて参照し、グリッププーリ3とアクセルポジションセンサ4とには、グリッププーリ3とアクセルポジションセンサ4とを係合する係合部6が設けられている。係合部6は、グリッププーリ3の回動量をアクセルポジションセンサ4に伝達するように構成されている。係合部6は、グリッププーリ3に設けられたプーリ側係合部33と、アクセルポジションセンサ4に設けられたセンサ側係合部43と、を備えている。係合部6は、軸線方向から見て環状をなしている。
【0023】
なお、図中符号V1は、グリッププーリ3の回動方向を示している。以下、グリッププーリ3の回動方向V1を単に「回動方向」ということがある。実施形態において、回動方向V1は、グリッププーリ3の周方向と一致している。
【0024】
<プーリ側係合部>
プーリ側係合部33は、プーリフランジ32よりも軸線方向内側に配置されるとともに、プーリ本体31の軸線方向内端部に連結されている。プーリ側係合部33は、軸線方向内方に向けて突出する凸部61を備えている。
【0025】
凸部61は、互いに回動方向V1に間隔を開けて配置された第一凸部62及び第二凸部63を備えている。第一凸部62及び第二凸部63は、軸線C1を挟んで径方向内側面を対向させるように配置されている。軸線方向から見て、第一凸部62は、回動方向V1に沿う円弧状をなしている。
【0026】
第二凸部63は、軸線方向から見て回動方向V1に沿う円弧状をなす第二凸部本体63aと、第二凸部本体63aから径方向外方に突出する突出部63bと、を備えている。軸線方向から見て、突出部63bは、軸線C1と直交する直線に沿う第一面63fと、回動方向V1で第一面63fとは反対側に配置されるとともに、第一面63fと実質的に平行をなす第二面63gと、第一面63fと第二面63gとに連なるとともに回動方向V1に沿う円弧状をなす第三面63hと、を備えている。突出部63bには、給電線52を導出する導出部64が設けられている。例えば、導出部64は、給電線52を挿通可能に開口するとともに、給電線52に沿うように延びる貫通孔である。
【0027】
<センサ側係合部>
図3及び図5を併せて参照し、センサ側係合部43は、アクセルポジションセンサ4の軸線方向外側に配置されるとともに、センサ本体41に連結されている。センサ側係合部43は、軸線方向内方に向けて窪む凹部65を備えている。
【0028】
凹部65は、互いに回動方向V1に間隔を開けて配置された第一凹部66及び第二凹部67を備えている。軸線方向から見て、第一凹部66及び第二凹部67は、それぞれ第一凸部62及び第二凸部63と重なる位置に配置されている。すなわち、第一凹部66は第一凸部62に係合し、かつ第二凹部67は第二凸部63に係合するように構成されている。これにより、センサ本体41は、グリッププーリ3とともに回動するようになっている。
【0029】
<ケース>
図1図3及び図5を併せて参照し、ケース7は、軸線方向から見てアクセルポジションセンサ4よりも大きい外形を有している。ケース7は、ケース7の外郭部を構成するケース本体71と、ケース本体71の軸線方向外端部に位置するとともにグリッププーリ3を回動自在に保持するプーリ保持部72と、ケース本体71の内壁から径方向内方に突出する係止部73と、を備えている。
【0030】
ケース本体71には、各種スイッチ75,76,77,78が設けられている。
プーリ保持部72は、軸線方向においてプーリフランジ32とプーリ側係合部33との間に配置されている。
【0031】
<係止部>
図3及び図4を併せて参照し、軸線方向から見て、係止部73は、ケース本体71の前部内壁から係合部6に向けて後方に突出している。軸線方向から見て、係止部73は、軸線C1と直交する直線(具体的には、軸線C1を通る水平線)に沿う第一縁部73fと、回動方向V1で第一縁部73fとは反対側(具体的には、第一縁部73fよりも上方)に配置されるとともに、第一縁部73fと実質的に平行をなす第二縁部73gと、係合部6の外形に沿うとともに回動方向V1に沿う円弧状をなす第三縁部73hと、を備えている。
【0032】
図3に示すように、アクセルグリップ2の全閉位置(以下、単に「全閉位置」ということがある。)において、突出部63bは下方に指向している。一方、図4に示すように、アクセルグリップ2の全開位置(以下、単に「全開位置」ということがある。)において、突出部63bは前方に指向している。
【0033】
係止部73は、係合部6が全開位置まで回動したときに、突出部63bに当接する。すなわち、係合部6が全開位置まで回動したとき、突出部63bの第一面63fと係止部73の第一縁部73fとが当接するようになっている。
【0034】
<ガイド部>
図2及び図3を併せて参照し、ガイド部8は、給電線52の外周側に配置されている。軸線方向から見て、ガイド部8は、回動方向V1に沿う円弧状をなしている。ガイド部8は、給電線52の外周側に配置されるとともに軸線方向から見て円弧状をなす周壁部81と、給電線52の側方に配置されるとともに軸線C1に直交する方向に沿う側壁部82と、アクセルポジションセンサ4の第二収容壁42bに係止されるとともに軸線方向と実質的に平行に延びる係止片83と、を備えている。例えば、ガイド部8は、膨出部46の挿通孔46aに係止片83が挿し込まれることで固定されている。
【0035】
図3に示す全閉位置において、給電線52は導出部64から導出された後に、周壁部81に近接しかつ回動方向V1に沿うように延びている。給電線52は、全閉位置において十分に弛んだ状態で延設されている。
一方、図4に示す全開位置において、給電線52は導出部64から導出された後に、係合部6に近接しかつ回動方向V1に沿うように延びている。給電線52は、全開位置においてはアクセルグリップ2の回動操作によって引き込まれるため、全閉位置よりも小さく弛んだ状態で延設されている。
【0036】
<保持枠部>
図6に示すように、アクセルポジションセンサ4において、第二収容壁42bと第三収容壁42cとの連結部(境界部)には、給電線52を保持する枠状の保持枠部45が設けられている。例えば、保持枠部45に近接する位置に給電線52を配置した状態で、不図示の結束バンドを保持枠部45の挿通孔45aに挿通し、かつ結束バンドで給電線52を束ねることで、結束バンドを介して保持枠部45で給電線52を保持することができる。
【0037】
なお、給電線52は、保持枠部45で保持された後、車体側に向けて延びて不図示の電源ユニットに接続されている。図中符号53は、給電線52を覆うとともに可撓性を有する筒状の保護チューブを示している。
【0038】
以上説明したように、上記実施形態は、軸線C1を中心に回動可能なアクセルグリップ2と、アクセルグリップ2とともに回動するグリッププーリ3と、グリッププーリ3の回動量を検知するアクセルポジションセンサ4と、アクセルグリップ2に伝熱するグリップヒータ5と、を備えたグリップヒータの配線構造1であって、グリッププーリ3とアクセルポジションセンサ4とには、グリッププーリ3とアクセルポジションセンサ4とを係合し、かつグリッププーリ3の回動量をアクセルポジションセンサ4に伝達する係合部6が設けられ、グリップヒータ5には給電線52が接続され、給電線52は、係合部6の外周に巻きつけられているものである。
この構成によれば、給電線52が係合部6の外周に巻きつけられていることで、給電線52の配索スペースと係合部6との干渉を回避することができるため、給電線52をケース7内に収めることができる。加えて、ケース7の小型化に寄与することができる。
【0039】
また、上記実施形態では、プーリ側係合部33が凸部61を備え、かつセンサ側係合部43が凸部61に係合する凹部65を備え、凸部61には給電線52を導出する導出部64が設けられていることで、係合部6を構成する凸部61と給電線52の導出部64とを兼用することができるため、小型化及び軽量化に寄与することができる。
【0040】
また、上記実施形態では、ケース7には係合部6が全開位置まで回動したときに凸部61に当接する係止部73が設けられていることで、アクセルグリップ2の全開位置で凸部61が係合部6の回動を止めるストッパーとしての機能をも兼ねるため、小型化及び軽量化により一層寄与することができる。
【0041】
また、上記実施形態では、係合部6が軸線C1に沿う方向から見て環状をなしていることで、グリッププーリ3とアクセルポジションセンサ4とを必要最小限のスペースで係合させることができるため、小型化及び軽量化により一層寄与することができる。
【0042】
また、上記実施形態では、給電線52の外周側に配置されるとともに軸線C1に沿う方向から見てグリッププーリ3の回動方向V1に沿う円弧状をなすガイド部8を更に備えていることで、アクセルグリップ2の全閉位置において弛んだ状態にある給電線52を軸線C1の径方向で適切な位置に誘導することができる。
【0043】
また、上記実施形態では、ガイド部8が給電線52の側方に配置されるとともに軸線C1に直交する方向に沿う側壁部82を備えていることで、アクセルグリップ2の全閉位置において弛んだ状態にある給電線52を軸線C1に沿う方向で適切な位置に誘導することができる。
【0044】
なお、上記実施形態では、プーリ側係合部が凸部を備え、かつセンサ側係合部が凸部に係合する凹部を備えた例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、センサ側係合部が凸部を備え、かつプーリ側係合部が凸部に係合する凹部を備えていてもよい。すなわち、プーリ側係合部又はセンサ側係合部の何れか一方は凸部を備え、かつ他方は前記凸部に係合する凹部を備えていればよい。
【0045】
また、上記実施形態では、プーリ側係合部が軸線方向内方に向けて突出する第一凸部及び第二凸部を備え、かつセンサ側係合部が軸線方向内方に向けて窪む第一凹部及び第二凹部を備えた例(すなわち、プーリ側係合部が二つの凸部を備え、かつセンサ側係合部が二つの凹部を備えた例)を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、プーリ側係合部が三つ以上の凸部を備え、かつセンサ側係合部が三つ以上の凹部を備えていてもよい。すなわち、凸部及び凹部の数は設計仕様に応じて任意に設定することができる。
【0046】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、前記車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪且つ後二輪の他に、前二輪且つ後一輪の車両も含む)の車両も含まれる。また、本発明は、自動二輪車のみならず、自動車等の四輪の車両にも適用可能である。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 グリップヒータの配線構造
2 アクセルグリップ
3 グリッププーリ
4 アクセルポジションセンサ
5 グリップヒータ
6 係合部
7 ケース
8 ガイド部
33 プーリ側係合部
43 センサ側係合部
52 給電線
61 凸部
64 導出部
65 凹部
73 係止部
82 側壁部
C1 軸線
V1 回動方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6