(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る発電装置の実施の形態を詳細に説明する。ただし、これらの実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
〔実施の形態1〕
次に、実施の形態1について説明する。この形態は、波力伝達手段の収容手段の一部をブリッジ状に形成した形態である。
【0019】
(構成)
実施の形態1に係る発電装置の適用対象は、例えば養殖用の生簀、浮き灯台、風力発電用風車、海上ヘリポート等の海上施設の周囲全体又は一部を取り囲むように設置される浮消波堤1や浮き桟橋等に用いることができるが、以下では、発電装置を浮消波堤1に適用した場合を例として説明を行う。
【0020】
まず、実施の形態1に係る発電装置の構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る発電装置の概要を示す斜視図である。
図2は、隣接する発電装置の側面図である。
図3は、後述する波力伝達部の内部構造を示す平面図である。なお、以下の説明においては、
図1のX方向を左右方向、
図1のY方向を前後方向、
図1のZ方向を上下方向とする。また、
図1では、図の簡略化のために、後述する発電部90の図示を省略する。また、
図2では、後述する波力伝達部30の収容部40及び後述する発電部90の図示を省略する(なお、
図4(a)、
図5(a)、
図7(a)、
図8(a)、
図10(a)、
図11(a)についても同様とする)。
図1から
図3に示すように、浮消波堤1には、発電装置2が複数設けられており、この発電装置2は、浮遊体10と、接続部20と、波力伝達部30と、発電部90とを備えている。なお、以下では、
図2に示す発電装置2a、2bについて説明を行うものとする。
【0021】
(構成−浮遊体)
浮遊体10は、発電装置2の基本構造体であって、発電装置2を水面上に浮遊させるための浮遊手段である。
図1、
図2に示すように、浮遊体10は、略箱状体(
図1では直方体等)であり、例えば金属材、樹脂材、ゴム材等にて形成されている。ここで、浮遊体10の形成方法は任意であるが、例えば、正面壁、背面壁と、下面壁と、左面壁と、右面壁とは一体成型により形成されており、上面壁は、これら一体成型されたものから着脱自在に形成される方法が該当する。また、
図2に示すように、発電装置2aの浮遊体10と発電装置2bの浮遊体10は、相互に間隔を隔てて配置されている。
【0022】
また、浮遊体10には、開口10aが設けられている。開口10aは、後述する波力伝達部30の流動部80の一部を浮遊体10の内部に挿通するための開口である。
【0023】
(構成−接続部)
接続部20は、発電装置2a、2bの浮遊体10の相互の間隔が伸縮可能となるように、これら浮遊体10を接続する接続手段である。
図1、
図2に示すように、接続部20は、例えば金属材、樹脂材等にて形成されており、回転軸21と、継手部22a、22bとを備えて構成されている。
【0024】
回転軸21は、継手部22a、22bを当該回転軸21を中心に回転させるための軸である。回転軸21は、例えば公知の回転ピンを用いて構成されており、発電装置2a、2bの浮遊体10の相互間に配置されている。
【0025】
継手部22aは、回転軸21と発電装置2aの浮遊体10を接続するためのものであり、継手部22bは、回転軸21と発電装置2bの浮遊体10を接続するためのものである。継手部22a、22bは、略方形状体(例えば直方体等)にて形成されている。また、この継手部22aは、回転軸21と発電装置2aの浮遊体10との相互間に配置され、回転軸21及び当該浮遊体10に対して溶接又は固定具等によって接続されている。また、この継手部22bは、回転軸21と発電装置2bの浮遊体10との相互間に配置され、回転軸21及び当該浮遊体10に対して溶接又は固定具等によって接続されている。
【0026】
このような構成により、発電装置2aの浮遊体10(又は発電装置2bの浮遊体10)がZ方向に沿った波力を受けた場合に、当該浮遊体10が回転軸21を中心として回転することにより、発電装置2a、2bの浮遊体10の相互の間隔を伸縮させることができる。
【0027】
(構成−波力伝達部)
波力伝達部30は、発電部90に波力を伝達する波力伝達手段である。
図1、
図3に示すように、発電装置2a、2bの波力伝達部30の各々は、発電装置2a、2bの浮遊体10にわたって配置されており、収容部40と、流動部80とを備えている。
【0028】
(構成−波力伝達部−収容部)
収容部40は、流体を収容する収容手段である。ここで、「流体」とは、流動性を有するものであり、例えば空気、ヘリウムガス等の気体と、水、油等の液体と、高分子ゲル等の半固体ないし固体とを含む概念である。
図1、
図3に示すように、収容部40は、例えば金属材、樹脂材等にて形成された中空管体であり、例えば公知の配管等を用いて構成されている。また、発電装置2aの収容部40は、発電装置2aの浮遊体10の内部に配置されており、当該浮遊体10に対して固定具等により固定されている。同様に、発電装置2bの収容部40は、発電装置2bの浮遊体10の内部に配置されており、当該浮遊体10に対して固定具等により固定されている。また、収容部40は、ポンプ流路50と、ブリッジ流路60と、発電流路70とを備えている。ここで、この収容部40の形成方法は任意であるが、例えば、ポンプ流路50と、ブリッジ流路60と、発電流路70とが一体成型により形成される方法が該当する。
【0029】
(構成−波力伝達部−収容部−ポンプ流路)
ポンプ流路50は、流動部80によって流動された流体をブリッジ流路60に向けて送出する流路であり、シリンダ流路51と、連通流路52、53とを備えている。
【0030】
シリンダ流路51は、流動部80を収容する流路であって、流動部80が当該シリンダ流路51の長手方向に沿って往復移動可能な流路である。このシリンダ流路51の形状については、例えば、シリンダ流路51の流路径D
Aの大きさを、当該流動部80の突起部分の外径と略同一の大きさとしている。また、このシリンダ流路51には、開口51a、接続口51b、51cが設けられている。開口51aは、流動部80の突起部分を収容部40内に挿通するための開口であり、例えばシリンダ流路51の長手方向の一方の端部に形成されている。接続口51bは、連通流路52をシリンダ流路51に接続するための接続口であり、例えばシリンダ流路51の長手方向の開口51a側とは反対側の端部に形成されている。接続口51cは、連通流路53をシリンダ流路51に接続するための接続口であり、例えばシリンダ流路51の開口51a近傍の端部に形成されている。
【0031】
連通流路52は、後述するブリッジ流路60の第1の流路61a及び第2の流路61bをシリンダ流路51に連通させる流路であり、シリンダ流路51の接続口51bを介してシリンダ流路51と接続されている。また、この連通流路52の形状については、例えば、連通流路52の流路径D
Bの大きさを、シリンダ流路51の流路径D
Aよりも小さくしている(すなわち、流路径D
B<流路径D
Aとしている)。
【0032】
連通流路53は、後述するブリッジ流路60の第3の流路61c及び第4の流路61dをシリンダ流路51に連通させる流路であり、シリンダ流路51の接続口51cを介してシリンダ流路51と接続されている。また、この連通流路53の形状については、例えば、連通流路53の流路径D
Cの大きさを、連通流路52の流路径D
Bと略同一の大きさとしている。
【0033】
(構成−波力伝達部−収容部−ブリッジ流路)
ブリッジ流路60は、シリンダ流路51から発電流路70に流れる流体の流動方向を調整するための流路であり、第1の流路61aと、第2の流路61bと、第3の流路61cと、第4の流路61dと、第1の接続部62aと、第2の接続部62bと、第3の接続部62cと、第4の接続部62dと、第1の弁63aと、第2の弁63bと、第3の弁63cと、第4の弁63dとを備えている。
【0034】
第1の流路61aは、ポンプ流路50の連通流路52と後述する発電流路70の調整流路72とを接続するための流路である。この第1の流路61aの形状については、例えば、第1の流路61aの流路径D
Dの大きさを、ポンプ流路50の連通流路52の流路径D
Aと略同一の大きさとしている(なお、第2の流路61bの流路径D
Eから第4の流路61dの流路径D
Gの大きさについても同様とする)。第2の流路61bは、ポンプ流路50の連通流路52と後述する発電流路70のダイナモ収容流路71とを接続するための流路である。この第2の流路61bの形状については、例えば、第2の流路61bの長手方向の長さを、第1の流路61aの長手方向の長さと略同一としている(なお、第3の流路61c及び第4の流路61dの長手方向の長さについても同様とする)。第3の流路61cは、ポンプ流路50の連通流路53と後述する発電流路70の調整流路72とを接続するための流路である。第4の流路61dは、ポンプ流路50の連通流路53と後述する発電流路70のダイナモ収容流路71とを接続するための流路である。
【0035】
第1の接続部62aは、ポンプ流路50の連通流路52におけるシリンダ流路51側とは反対側の端部と、第1の流路61aの長手方向の一方の端部と、第2の流路61bの長手方向の一方の端部とを接続するための接続部であり、例えば公知のジョイント部材を用いて構成されている(なお、第2の接続部62bから第4の接続部62dの構成についても同様とする)。第2の接続部62bは、後述する発電流路70の調整流路72におけるダイナモ収容流路71側とは反対側の端部と、第1の流路61aの長手方向の他方の端部と、第3の流路61cの長手方向の一方の端部とを接続するための接続部である。第3の接続部62cは、後述する発電流路70のダイナモ収容流路71における調整流路72側とは反対側の端部と、第2の流路61bの長手方向の他方の端部と、第4の流路61dの長手方向の一方の端部とを接続するための接続部である。第4の接続部62dは、ポンプ流路50の連通流路53におけるシリンダ流路51側とは反対側の端部と、第3の流路61cの長手方向の他方の端部と、第4の流路61dの長手方向の他方の端部とを接続するための接続部である。
【0036】
第1の弁63aは、第1の接続部62aから第2の接続部62bへの流体の流入を制限する弁である。この第1の弁63aは、例えば公知の弁体を用いて構成されており(なお、第2の弁63bから後述する第12の弁291の構成についても同様とする)、第1の流路61a内に配置されている。第2の弁63bは、第3の接続部62cから第1の接続部62aへの流体の流入を制限する弁であり、第2の流路61b内に配置されている。第3の弁63cは、第4の接続部62dから第2の接続部62bへの流体の流入を制限する弁であり、第3の流路61c内に配置されている。第4の弁63dは、第3の接続部62cから第4の接続部62dへの流体の流入を制限する弁であり、第4の流路61d内に配置されている。
【0037】
このような構成によって、ポンプ流路50のシリンダ流路51から連通流路52を介して流体が送出された場合に、当該流体を第2の流路61bを介して後述する発電流路70のダイナモ収容流路71に送出することができると共に、ポンプ流路50のシリンダ流路51から連通流路53を介して流体が送出された場合にも、当該流体を第4の流路61dを介して後述する発電流路70のダイナモ収容流路71に送出することができる。また、第2の流路61b及び第4の流路61dの流路径及び長さを略同一にしているので、ポンプ流路50の連通流路52及び第2の流路61bを介して後述する発電流路70のダイナモ収容流路71に向けて送出される流体の流動と、ポンプ流路50の連通流路53及び第4の流路61dを介して後述する発電流路70のダイナモ収容流路71に向けて送出される流体の流動とを略均一にすることができる。
【0038】
(構成−波力伝達部−収容部−発電流路)
発電流路70は、ポンプ流路50から送られた流体の流動によって、当該発電流路70内に配置された後述する発電部90のダイナモ91を駆動させる流路であり、ダイナモ収容流路71と、調整流路72とを備えている。
【0039】
ダイナモ収容流路71は、後述する発電部90のダイナモ91を収容するための流路である。このダイナモ収容流路71の形状については、例えば、第2の流路61b又は第4の流路61dから送出された流体の圧力を小さくして、ダイナモ収容流路71における流体の流動性を高めるために、ダイナモ収容流路71の流路径D
Hの大きさを、第2の流路61bの流路径D
G及び第4の流路61dの流路径D
Iよりも大きくしている(すなわち、流路径D
H>流路径D
G(又は流路径D
I)としている。ただし、シリンダ流路51の流路径D
Hの大きさよりも小さいものとする)。また、このダイナモ収容流路71には、接続口71aが設けられている。接続口71aは、調整流路72をダイナモ収容流路71に接続するための接続口である。
【0040】
調整流路72は、ダイナモ収容流路71から送出された流体の流動を調整するための流路であり、ダイナモ収容流路71の接続口71aを介してダイナモ収容流路71と接続されている。この調整流路72の形状については、例えば、ダイナモ収容流路71から送出された流体の圧力を小さくして、調整流路72における流体の流動性を高めるために、調整流路72の流路径D
Iの大きさを、ポンプ流路50のシリンダ流路51の流路径D
Aと略同一の大きさとしている。なお、この調整流路72は、特許請求の範囲における「発電流路のうち、発電手段の近傍部分であって、第3の接続部側とは反対側の近傍部分」に対応する。
【0041】
(構成−波力伝達部−流動部)
流動部80は、収容部40に収容された流体を流動させる流動手段である。
図1、
図3に示すように、流動部80は、例えば金属材、樹脂材等にて形成された略逆凸状の棒状体である。また、発電装置2aの流動部80は、当該流動部80の長手方向の突起部分側の端部が自由端となり、当該長手方向の突起部分側とは反対側の端部が固定端となるように、発電装置2bの浮遊体10に対して溶接等によって固定されている。また、発電装置2aの流動部80は、当該流動部80の長手方向の突起部分側の端部が自由端となり、当該長手方向の突起部分側とは反対側の端部が固定端となるように、発電装置2aの浮遊体10に対して溶接等によって固定されている。これにより、例えば、発電装置2aの浮遊体10(又は発電装置2bの浮遊体10)が左斜め方向(又は右斜め方向)に沿った波力を受けた場合に、当該浮遊体10がX方向に沿って移動することにより、発電装置2a、2bの浮遊体10の相互の間隔を伸縮させることができる。なお、発電装置2a、2bの浮遊体10の高さが高い場合であって、且つ、浮遊体10の上端部近傍に流動部80が配置されると共に、浮遊体10の下端部近傍に接続部20が配置されている場合には(あるいは、流動部80と接続部20とが逆の位置に配置されてもよい)、発電装置2aの浮遊体10(又は発電装置2bの浮遊体10)がX方向に略沿った波力を受けた場合にも、当該浮遊体10がX方向に沿って移動することにより、発電装置2a、2bの浮遊体10の相互の間隔を伸縮させることができる。
【0042】
ここで、流動部80の形状については、例えば、当該流動部80の突起部分の外径の大きさを、収容部40におけるシリンダ流路51の流路径D
Aと略同一の大きさとしている。
【0043】
また、流動部80の配置については、例えば、発電装置2aの流動部80の突起部分の少なくとも一部が発電装置2aの収容部40におけるシリンダ流路51の内部に収容されるように、当該流動部80が配置されている。また、発電装置2bの流動部80の突起部分の少なくとも一部が発電装置2bの収容部40におけるシリンダ流路51の内部に収容されるように、当該流動部80が配置されている。
【0044】
(構成−発電部)
発電部90は、波力伝達部30にて伝達された波力によって駆動されることにより発電を行う発電手段である。
図3に示すように、発電装置2aの発電部90は、発電装置2aの浮遊体10の内部に収容されていると共に、発電装置2bの発電部90は、発電装置2bの浮遊体10の内部に収容されている。また、この発電部90は、ダイナモ91と、発電基板(図示省略)とを備えている。
【0045】
(構成−発電部−ダイナモ)
ダイナモ91は、流動部80による流体の流動によって駆動されることにより発電を行うものである。ダイナモ91は、例えば、当該ダイナモ91の回転子(図示省略)の発電可能な回転方向が一方向(例えば、時計回りの方向等)である公知のダイナモ等を用いて構成されている。また、このダイナモ91は、収容部40におけるダイナモ収容流路71の内部に収容され、当該ダイナモ収容流路71に対して固定具等にて固定されている。
【0046】
(構成−発電部−発電基板)
発電基板は、発電装置2の各種機能を実現するための電気回路(図示省略)が実装された基板である。この発電基板は、収容部40近傍に配置されており、当該収容部40が設けられた浮遊体10に対して固定具等にて固定されている。また、この発電基板24には、電力変換部(図示省略)や電力出力部(図示省略)も実装されている。ここで、電力変換部は、ダイナモ91にて発電された電力を所定の電力に変換する電力変換手段であり、ダイナモ91と図示しない配線を介して電気的に接続されている。また、電力出力部は、電力変換部にて変換された電力を外部機器に出力するための電力出力手段であり、外部機器と図示しない配線を介して電気的に接続されている。
【0047】
(発電装置の機能)
このように構成された発電装置2の機能について説明する。
図4は、発電装置2の発電状況を示す図であり、(a)は発電装置2aの浮遊体10の下面が正圧を受けた状態示す図であり、(b)は(a)の時の発電装置2aの収容部40内部における流体の流動状態を示す図である。
図5は、発電装置2の発電状況を示す図であり、(a)は発電装置2aの浮遊体10の下面が負圧を受けた状態を示す図であり、(b)は(a)の時の発電装置2aの収容部40内部における流体の流動状態を示す図である。
【0048】
まず、
図4(a)、(b)に示すように、発電装置2aの浮遊体10側の波高が高くなることによって、当該浮遊体10の下面が正圧を受けた場合、接続部20の回転軸21を中心とした当該浮遊体10の時計回りの回転により発電装置2a、2bの浮遊体10の相互の間隔が縮まることに伴って、これら浮遊体10同士が引き寄せられることにより、発電装置2aの流動部80によって発電装置2aの収容部40におけるポンプ流路50のシリンダ流路51内の流体が正圧を受けると共に、発電装置2bの流動部80によって発電装置2bの収容部40におけるポンプ流路50のシリンダ流路51内の流体が正圧を受ける。これにより、発電装置2a、2bの収容部40内の流体に波力が伝達される。また、
図4(b)に示すように、発電装置2aの収容部40におけるポンプ流路50のシリンダ流路51内の流体が、当該ポンプ流路50の連通流路52を介してブリッジ流路60の第2の流路61bに送出されて、当該第2の流路61bを介して発電流路70のダイナモ収容流路71に送出される。一方、このシリンダ流路51内の流体が、連通流路52を介してブリッジ流路60の第1の流路61aに送出された場合には、ブリッジ流路60の第1の弁63aによって、発電流路70の調整流路72への当該流体の流入が制限される。そして、このダイナモ収容流路71に流入された流体は、ブリッジ流路60の第3の接続部62cから発電流路70の調整流路72に向けて流動することにより、当該流体に伝達された波力が発電部90のダイナモ91に伝達される。その後、この調整流路72に流入された流体は、ブリッジ流路60の第3の流路61cに送出されて、当該第3の流路61c及びポンプ流路50の連通流路53を介してポンプ流路50のシリンダ流路51に送出される。一方、この調整流路72に流入された流体が、ブリッジ流路60の第1の流路61aに送出された場合には、連通流路52を介してブリッジ流路60の第1の流路61aに送出された流体によって、ブリッジ流路60の第1の弁63aが押圧されているので、ポンプ流路50の連通流路52への当該流体の流入が制限される(なお、発電装置2bの収容部40内の流体の流動状態についても同様とする)。
【0049】
一方、
図5(a)、(b)に示すように、発電装置2aの浮遊体10側の波高が低くなることによって、当該浮遊体10の下面が負圧を受けた場合、接続部20の回転軸21を中心とした当該浮遊体10の反時計回りの回転により発電装置2a、2bの浮遊体10の相互の間隔が伸びることに伴って、これら浮遊体10同士が引き離されることにより、発電装置2aの流動部80によって発電装置2aの収容部40内の流体が負圧を受けると共に、発電装置2bの流動部80によって発電装置2bの収容部40内の流体が負圧を受ける。これにより、発電装置2a、2bの収容部40内の流体に波力が伝達される。また、
図5(b)に示すように、発電装置2aの収容部40におけるポンプ流路50のシリンダ流路51内の流体が、当該ポンプ流路50の連通流路53を介してブリッジ流路60の第4の流路61dに送出されて、当該第4の流路61dを介して発電流路70のダイナモ収容流路71に送出される。一方、このシリンダ流路51内の流体が、連通流路53を介してブリッジ流路60の第3の流路61cに送出された場合には、ブリッジ流路60の第3の弁63cによって、発電流路70の調整流路72への当該流体の流入が制限される。そして、このダイナモ収容流路71に流入された流体は、ブリッジ流路60の第3の接続部62cから発電流路70の調整流路72に向けて流動することにより、当該流体に伝達された波力が発電部90のダイナモ91に伝達される。その後、この調整流路72に流入された流体は、ブリッジ流路60の第1の流路61aに送出されて、当該第1の流路61a及びポンプ流路50の連通流路52を介してポンプ流路50のシリンダ流路51に送出される。一方、この調整流路72に流入された流体が、ブリッジ流路60の第3の流路61cに送出された場合には、連通流路53を介してブリッジ流路60の第3の流路61cに送出された流体によって、ブリッジ流路60の第3の弁63cが押圧されているので、ポンプ流路50の連通流路53への当該流体の流入が制限される(なお、発電装置2bの収容部40内の流体の流動状態についても同様とする)。
【0050】
これらの場合において、波力によって発電部90のダイナモ91が回転される方向と、当該ダイナモ91の回転子が発電可能な回転方向とが一致する場合には、当該ダイナモ91に伝達された波力によって当該ダイナモ91が駆動されることにより、当該ダイナモ91が発電を行うことが可能となる。このような発電装置2が浮消波堤1に適用された場合には、波力を吸収することに加えて、発電を行うことができるので、例えば、このダイナモ91によって発電された電力を、発電部90の発電基板を介して海上施設の照明等に供給することが可能になる。
【0051】
特に、
図4(a)、(b)、
図5(a)、(b)に示すように、波の上下の動き及び左右斜めの動きに応じて発電を行うことができる。また、ブリッジ流路60の第2の流路61b及び第4の流路61dの流路径及び長さを略同一にしているので、ポンプ流路50の連通流路52及び第2の流路61bを介して発電流路70のダイナモ収容流路71に向けて送出される流体の流動と、ポンプ流路50の連通流路53及び第4の流路61dを介して発電流路70のダイナモ収容流路71に向けて送出される流体の流動とを略均一にすることができ、安定した発電を行うことが可能となる。
【0052】
(効果)
このように実施の形態1によれば、発電装置2a、2bの浮遊体10のいずれか一方が波力を受けた場合に、これら浮遊体10の相互の間隔が伸縮することに伴って、これら浮遊体10のいずれか他方が押し引きされることにより、発電装置2a、2bの各々の波力伝達部30は、対応する発電部90のダイナモ91に当該波力を伝達し、発電装置2a、2bの発電部90のダイナモ91は、対応する波力伝達部30にて伝達された波力によって当該発電部90のダイナモ91が駆動されることにより発電を行うので、波の上下の動き及び左右斜めの動きに応じて発電を行うことができ、従来の発電装置に比べて発電の効率を向上させることが可能となる。
【0053】
また、発電装置2a、2bの浮遊体10のいずれか一方が波力を受けた場合に、接続部20の回転軸21を中心としたこれら浮遊体10のいずれか一方の回転によりこれら浮遊体10の相互の間隔が伸縮することに伴って、これら浮遊体10のいずれか他方が押し引きされることにより、発電装置2a、2bの流動部80の各々は、発電装置2a、2bの各々の収容部40に収容された流体を流動させ、発電部90のダイナモ91は、この流動部80による流体の流動によって当該発電部90のダイナモ91が駆動されることにより発電を行うので、流動部80による流体の特性を活かした工夫を施すことにより、当該発電手段に対して波力を効果的に伝達することができ、発電の効率を一層向上させることが可能となる。
【0054】
また、収容部40の第1の流路61aと、第2の流路61bと、第3の流路61cと、第4の流路61dとをブリッジ状に形成し、且つ各流路に第1の弁63aと、第2の弁63bと、第3の弁63cと、第4の弁63dとを設けて、ポンプ流路50から第2の流路61b又は第4の流路61dを介して発電流路70に流体が送られるようにすることにより、発電流路70が、当該送られた流体の流動によって、当該発電流路70内に配置された発電部90のダイナモ91を駆動させるので、発電装置2a、2bの浮遊体10の相互の間隔が伸縮びたり又は縮んだ場合でも、波力によって当該ダイナモ91が駆動される方向と、当該ダイナモ91が発電可能な駆動方向とを一致させることによって、当該ダイナモ91が発電を行うことが可能となる。
【0055】
また、発電流路70における調整流路72の流路径D
Iの大きさを、発電流路70におけるダイナモ収容流路71の流路径D
Hのよりも大きくしたので、このダイナモ収容流路71から送出された流体の圧力を小さくして、この調整流路72における流体の流動性を高めることができ、発電部90のダイナモ91の発電効率をさらに一層高めることができる。
【0056】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この形態は、波力伝達手段の収容手段を単純構造とした形態である。なお、実施の形態1と略同様の構成要素については、必要に応じて、実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
【0057】
(構成)
まず、実施の形態2に係る発電装置の構成について説明する。
図6は、実施の形態2に係る発電装置の波力伝達部の内部構造を示す平面図である。
図6に示すように、実施の形態2に係る発電装置102は、実施の形態1に係る発電装置2とほぼ同様に構成されている。ただし、波力伝達部30の収容部140の構成内容について、下記に示す工夫が施されている。
【0058】
(構成−波力伝達部−収容部)
図6に示すように、収容部140は、ポンプ流路150と、発電流路170と、第1の連通流路180と、第2の連通流路190とを備えている。ここで、この収容部140の形成方法は任意であるが、例えば、
図6に示すように、ポンプ流路150と、発電流路170と、第1の連通流路180と、第2の連通流路190とが一体成型により形成される方法が該当する。また、収容部140の流路径の大きさについては、例えば、
図6に示すように、収容部140におけるポンプ流路150のシリンダ流路151の流路径を、当該シリンダ流路151の流路径以外の他の流路径よりも大きくしている。
【0059】
(構成−波力伝達部−収容部−ポンプ流路)
ポンプ流路150は、シリンダ流路151と、連通流路152、153、154とを備えている。
【0060】
シリンダ流路151には、開口151aと、接続口151b、151c、151dとが設けられている。ここで、接続口151bは、連通流路152をシリンダ流路151に接続するための接続口であり、例えばシリンダ流路151の長手方向の開口151a側とは反対側の端部に形成されている。接続口151cは、連通流路153をシリンダ流路151に接続するための接続口であり、例えばシリンダ流路151の長手方向の開口151a側とは反対側の端部であって、接続口151bとは異なる位置の端部に形成されている。接続口151dは、連通流路154をシリンダ流路151に接続するための接続口であり、例えばシリンダ流路151の開口151a近傍の端部に形成されている。
【0061】
連通流路152は、発電流路170のダイナモ収容流路171及び第1の連通流路180をシリンダ流路151に連通させる流路であり、シリンダ流路151の接続口151bを介してシリンダ流路151と接続されている。この連通流路152には、第5の弁152aと、接続口152b、152cとが設けられている。第5の弁152aは、発電流路170のダイナモ収容流路171からシリンダ流路151への流体の流入を制限する弁である。接続口152bは、発電流路170のダイナモ収容流路171を連通流路152に接続するための接続口である。接続口152cは、第1の連通流路180を連通流路152に接続するための接続口である。
【0062】
連通流路153は、発電流路170の調整流路172及び第2の連通流路190をシリンダ流路151に連通させる流路であり、シリンダ流路151の接続口151cを介してシリンダ流路151と接続されている。この連通流路153には、第6の弁153aと、接続口153bとが設けられている。第6の弁153aは、シリンダ流路151から発電流路170の調整流路172への流体の流入を制限する弁である。接続口153bは、発電流路170の調整流路172を連通流路153に接続するための接続口である。
【0063】
連通流路154は、第1の連通流路180及び第2の連通流路190をシリンダ流路151に連通させる流路であり、シリンダ流路151の接続口151dを介してシリンダ流路151と接続されている。この連通流路154には、接続口154a、154bが設けられている。接続口154aは、第1の連通流路180を連通流路154に接続するための接続口である。接続口154bは、第2の連通流路190を連通流路154に接続するための接続口である。
【0064】
(構成−波力伝達部−収容部−発電流路)
発電流路170は、ダイナモ収容流路171と、調整流路172とを備えている。ここで、ダイナモ収容流路171は、ポンプ流路150における連通流路152の接続口152aを介して当該連通流路152と接続されている。また、調整流路172は、ポンプ流路150における連通流路153の接続口153aを介して当該連通流路153と接続されている。また、調整流路172には、接続口172aが設けられている。接続口172aは、第2の連通流路190を調整流路172に接続するための接続口である。
【0065】
(構成−波力伝達部−収容部−第1の連通流路)
第1の連通流路180は、ポンプ流路150の連通流路153をポンプ流路150の連通流路152に連通させる流路である。この第1の連通流路180は、連通流路152の接続口152bを介して連通流路152と接続されていると共に、連通流路154の接続口154aを介して連通流路154と接続されている。また、この第1の連通流路180には、第7の弁181が設けられている。第7の弁181は、連通流路152から連通流路154への流体の流入を制限する弁である。
【0066】
(構成−波力伝達部−収容部−第2の連通流路)
第2の連通流路190は、ポンプ流路150の連通流路154を発電流路170の調整流路172に連通させる流路である。この第2の連通流路190は、調整流路172の接続口172aを介して調整流路172と接続されていると共に、連通流路154の接続口154bを介して連通流路154と接続されている。また、この第2の連通流路190には、第8の弁191が設けられている。第8の弁191は、連通流路154から調整流路172への流体の流入を制限する弁である。
【0067】
このような構成により、ポンプ流路150のシリンダ流路151から連通流路152を介して流体が送出された場合に、当該流体を発電流路170のダイナモ収容流路171に送出することができると共に、ポンプ流路150のシリンダ流路151から連通流路154を介して流体が送出された場合にも、当該流体を第1の連通流路180、及びポンプ流路150の連通流路152を介して発電流路170のダイナモ収容流路171に送出することができる。
【0068】
(発電装置の機能)
このように構成された発電装置102の機能について説明する。
図7は、発電装置102の発電状況を示す図であり、(a)は発電装置102aの浮遊体10の下面が正圧を受けた状態示す図であり、(b)は(a)の時の発電装置102aの収容部140内部における流体の流動状態を示す図である。
図8は、発電装置102の発電状況を示す図であり、(a)は発電装置102aの浮遊体10の下面が負圧を受けた状態を示す図であり、(b)は(a)の時の発電装置102aの収容部140内部における流体の流動状態を示す図である。
【0069】
まず、
図7(a)、(b)に示すように、発電装置102aの浮遊体10側の波高が高くなることによって、当該浮遊体10の下面が正圧を受けた場合、発電装置102aの流動部80によって発電装置102aの収容部140におけるポンプ流路150のシリンダ流路151内の流体が正圧を受けると共に、発電装置102bの流動部80によって発電装置102bの収容部140におけるポンプ流路150のシリンダ流路151内の流体が正圧を受ける。これにより、発電装置102a、102bの収容部140内の流体に波力が伝達される。また、
図7(b)に示すように、発電装置102aの収容部140におけるポンプ流路150のシリンダ流路151内の流体が、当該ポンプ流路150の連通流路152を介して発電流路170のダイナモ収容流路171に送出される。一方、このシリンダ流路151内の流体が、連通流路152を介して第1の連通流路180に送出された場合には、第1の連通流路180の第7の弁181によって、連通流路154への当該流体の流入が制限される。そして、このダイナモ収容流路171に流入された流体は、この連通流路152から発電流路170の調整流路172に向けて流動することにより、当該流体に伝達された波力が発電部90のダイナモ91に伝達される。その後、この調整流路172に流入された流体は、第2の連通流路190及びポンプ流路150の連通流路154を介してポンプ流路150のシリンダ流路151に送出される。一方、この調整流路172に流入された流体が、ポンプ流路150の連通流路153に送出された場合には、ポンプ流路150のシリンダ流路151内の流体によって、連通流路153の第6の弁153aが押圧されているので、シリンダ流路151への当該流体の流入が制限される(なお、発電装置102bの収容部140内の流体の流動状態についても同様とする)。
【0070】
一方、
図8(a)、(b)に示すように、発電装置102aの浮遊体10側の波高が低くなることによって、当該浮遊体10の下面が負圧を受けた場合、発電装置102aの流動部80によって発電装置102aの収容部140内の流体が負圧を受けると共に、発電装置102bの流動部80によって発電装置102bの収容部140内の流体が負圧を受ける。これにより、発電装置102a、102bの収容部140内の流体に波力が伝達される。また、
図8(b)に示すように、発電装置102aの収容部140におけるポンプ流路150のシリンダ流路151内の流体が、当該ポンプ流路150の連通流路154、第1の連通流路180、及びポンプ流路150の連通流路152を介して発電流路170のダイナモ収容流路171に送出される。一方、このシリンダ流路151内の流体が、連通流路154を介して第2の連通流路190に送出された場合には、第2の連通流路190の第8の弁191によって、発電流路170の調整流路172への当該流体の流入が制限される。そして、このダイナモ収容流路171に流入された流体は、この連通流路152から発電流路170の調整流路172に向けて流動することにより、当該流体に伝達された波力が発電部90のダイナモ91に伝達される。その後、この調整流路172に流入された流体は、ポンプ流路150の連通流路153を介してポンプ流路150のシリンダ流路151に送出される。一方、この調整流路172に流入された流体が、第2の連通流路190に送出された場合には、連通流路154を介して第2の連通流路190に送出された流体によって、第2の連通流路190の第8の弁191が押圧されているので、ポンプ流路150の連通流路154への当該流体の流入が制限される(なお、発電装置102bの収容部140内の流体の流動状態についても同様とする)。
【0071】
これらの場合において、波力によって発電部90のダイナモ91が回転される方向と、当該ダイナモ91の回転子が発電可能な回転方向とが一致する場合には、当該ダイナモ91に伝達された波力によって当該ダイナモ91が駆動されることにより、当該ダイナモ91が発電を行うことが可能となる。特に、ポンプ流路150の連通流路152、154、及び第1の連通流路180を介してポンプ流路150のシリンダ流路151と発電流路170のダイナモ収容流路171とを接続すると共に、ポンプ流路150の連通流路153、154、及び第2の連通流路190を介してポンプ流路150のシリンダ流路151と調整流路172とを接続することにより、収容部140を構成したので、実施の形態1の発電装置1に比べて、コンパクトな構成とすることができる。
【0072】
(効果)
このように実施の形態2によれば、ポンプ流路150の連通流路152、154、及び第1の連通流路180を介してポンプ流路150のシリンダ流路151と発電流路170のダイナモ収容流路171とを接続すると共に、ポンプ流路150の連通流路153、154、及び第2の連通流路190を介してポンプ流路150のシリンダ流路151と調整流路172とを接続することにより、収容部140を構成したので、実施の形態1の発電装置1に比べて、コンパクトな構成とすることができ、設置性を向上させることができる。
【0073】
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3について説明する。この形態は、実施の形態2の発電装置とは異なる形態であって、波力伝達手段の収容手段を単純構造とした形態である。なお、実施の形態2と略同様の構成要素については、必要に応じて、実施の形態2で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
【0074】
(構成)
まず、実施の形態3に係る発電装置の構成について説明する。
図9は、実施の形態3に係る発電装置の波力伝達部の内部構造を示す平面図である。
図9に示すように、実施の形態2に係る発電装置202は、実施の形態2に係る発電装置102とほぼ同様に構成されている。ただし、波力伝達部30の収容部240の構成内容について、下記に示す工夫が施されている。
【0075】
(構成−波力伝達部−収容部)
図9に示すように、収容部240は、ポンプ流路250と、発電流路270と、第1の連通流路280と、第2の連通流路290とを備えている。
【0076】
(構成−波力伝達部−収容部−ポンプ流路)
ポンプ流路250は、シリンダ流路251と、連通流路252、253、254とを備えている。
【0077】
シリンダ流路251には、開口251aと、接続口251b、251c、251dとが設けられている。ここで、接続口251bは、連通流路252をシリンダ流路251に接続するための接続口であり、例えばシリンダ流路251の長手方向の開口251a側とは反対側の端部に形成されている。接続口251cは、連通流路253をシリンダ流路251に接続するための接続口であり、例えばシリンダ流路251の開口251a近傍の端部に形成されている。また、接続口251dは、連通流路254をシリンダ流路251に接続するための接続口であり、例えばシリンダ流路251の開口251a近傍の端部であって、接続口251cとは異なる位置にある端部に形成されている。
【0078】
連通流路252は、第1の連通流路280及び第2の連通流路290をシリンダ流路251に連通させる流路であり、シリンダ流路251の接続口251bを介してシリンダ流路251と接続されている。この連通流路252には、接続口252a、252bとが設けられている。接続口252aは、第1の連通流路280を連通流路252に接続するための接続口である。接続口252bは、第2の連通流路290を連通流路252に接続するための接続口である。
【0079】
連通流路253は、発電流路270のダイナモ収容流路271及び第1の連通流路280をシリンダ流路251に連通させる流路であり、シリンダ流路251の接続口251cを介してシリンダ流路251と接続されている。この連通流路253には、第9の弁253aと、接続口253b、253cとが設けられている。第9の弁253aは、発電流路270のダイナモ収容流路271からシリンダ流路251への流体の流入を制限する弁である。接続口253bは、発電流路270のダイナモ収容流路271を連通流路253に接続するための接続口である。接続口253cは、第1の連通流路280を連通流路253に接続するための接続口である。
【0080】
連通流路254は、発電流路270の調整流路272及び第2の連通流路290をシリンダ流路251に連通させる流路であり、シリンダ流路251の接続口251dを介してシリンダ流路251と接続されている。この連通流路254には、第10の弁254aと、接続口254bとが設けられている。第10の弁254aは、シリンダ流路251から発電流路270の調整流路272への流体の流入を制限する弁である。接続口254bは、発電流路270の調整流路272を連通流路252に接続するための接続口である。
【0081】
(構成−波力伝達部−収容部−発電流路)
発電流路270は、ダイナモ収容流路271と、調整流路272とを備えている。ここで、ダイナモ収容流路271は、ポンプ流路250における連通流路253の接続口253bを介して当該連通流路253と接続されている。また、調整流路272は、ポンプ流路250における連通流路254の接続口254bを介して当該連通流路254と接続されている。また、調整流路272には、接続口272aが設けられている。接続口272aは、第2の連通流路290を調整流路に接続するための接続口である。
【0082】
(構成−波力伝達部−収容部−第1の連通流路)
第1の連通流路280は、ポンプ流路250の連通流路252をポンプ流路250の連通流路253に連通させる流路である。この第1の連通流路280は、連通流路252の接続口252aを介して連通流路252と接続されていると共に、連通流路253の接続口253aを介して連通流路253と接続されている。また、この第1の連通流路280には、第11の弁281が設けられている。第11の弁281は、連通流路253から連通流路252への流体の流入を制限する弁である。
【0083】
(構成−波力伝達部−収容部−第2の連通流路)
第2の連通流路290は、ポンプ流路250の連通流路252を発電流路270の調整流路272に連通させる流路である。この第2の連通流路290は、連通流路252の接続口252bを介して連通流路252と接続されていると共に、調整流路272の接続口272aを介して調整流路272と接続されている。また、この第2の連通流路290には、第12の弁291が設けられている。第12の弁291は、連通流路252から調整流路272への流体の流入を制限する弁である。
【0084】
このような構成により、ポンプ流路250のシリンダ流路251から連通流路252を介して流体が送出された場合に、当該流体を第1の連通流路280、及びポンプ流路250の連通流路253を介して発電流路270のダイナモ収容流路271に送出することができると共に、ポンプ流路250のシリンダ流路251から連通流路253を介して流体が送出された場合にも、当該流体を発電流路270のダイナモ収容流路271に送出することができる。
【0085】
(発電装置の機能)
このように構成された発電装置202の機能について説明する。
図10は、発電装置202の発電状況を示す図であり、(a)は発電装置202aの浮遊体10の下面が正圧を受けた状態示す図であり、(b)は(a)の時の発電装置202aの収容部240内部における流体の流動状態を示す図である。
図11は、発電装置202の発電状況を示す図であり、(a)は発電装置202aの浮遊体10の下面が負圧を受けた状態を示す図であり、(b)は(a)の時の発電装置202aの収容部240内部における流体の流動状態を示す図である。
【0086】
まず、
図10(a)、(b)に示すように、発電装置202aの浮遊体10側の波高が高くなることによって、当該浮遊体10の下面が正圧を受けた場合、発電装置202aの流動部80によって発電装置202aの収容部240におけるポンプ流路250のシリンダ流路251内の流体が正圧を受けると共に、発電装置202bの流動部80によって発電装置202bの収容部240におけるポンプ流路250のシリンダ流路251内の流体が正圧を受ける。これにより、発電装置202a、202bの収容部240内の流体に波力が伝達される。また、
図10(b)に示すように、発電装置202aの収容部240におけるポンプ流路250のシリンダ流路251内の流体が、当該ポンプ流路250の連通流路252、第1の連通流路280、及びポンプ流路250の連通流路253を介して発電流路270のダイナモ収容流路271に送出される。一方、このシリンダ流路251内の流体が、連通流路252を介して第2の連通流路290に送出された場合には、第2の連通流路290の第12の弁291によって、発電流路270の調整流路272への当該流体の流入が制限される。そして、このダイナモ収容流路271に流入された流体は、この連通流路253から発電流路270の調整流路272に向けて流動することにより、当該流体に伝達された波力が発電部90のダイナモ91に伝達される。その後、この調整流路272に流入された流体は、ポンプ流路250の連通流路254を介してポンプ流路250のシリンダ流路251に送出される。一方、この調整流路272に流入された流体が、第2の連通流路290に送出された場合には、連通流路252を介して第2の連通流路290に送出された流体によって、第2の連通流路290の第12の弁291が押圧されているので、ポンプ流路250の連通流路252への当該流体の流入が制限される(なお、発電装置202bの収容部240内の流体の流動状態についても同様とする)。
【0087】
一方、
図11(a)、(b)に示すように、発電装置202aの浮遊体10側の波高が低くなることによって、当該浮遊体10の下面が負圧を受けた場合、発電装置202aの流動部80によって発電装置202aの収容部240内の流体が負圧を受けると共に、発電装置202bの流動部80によって発電装置202bの収容部240内の流体が負圧を受ける。これにより、発電装置202a、202bの収容部240内の流体に波力が伝達される。また、
図11(b)に示すように、発電装置202aの収容部240におけるポンプ流路250のシリンダ流路251内の流体が、当該ポンプ流路250の連通流路253を介して発電流路270のダイナモ収容流路271に送出される。一方、このシリンダ流路251内の流体が、連通流路253を介して第1の連通流路280に送出された場合には、第1の連通流路280の第11の弁281によって、発電流路270の調整流路272への当該流体の流入が制限される。そして、このダイナモ収容流路271に流入された流体は、この連通流路253から発電流路270の調整流路272に向けて流動することにより、当該流体に伝達された波力が発電部90のダイナモ91に伝達される。その後、この調整流路272に流入された流体は、第2の連通流路290、及びポンプ流路250の連通流路252を介してポンプ流路250のシリンダ流路251に送出される。一方、この調整流路272に流入された流体が、ポンプ流路250の連通流路254に送出された場合には、ポンプ流路250のシリンダ流路251内の流体によって、連通流路254の第10の弁254aが押圧されているので、ポンプ流路250のシリンダ流路251への当該流体の流入が制限される(なお、発電装置202bの収容部240内の流体の流動状態についても同様とする)。
【0088】
これらの場合において、波力によって発電部90のダイナモ91が回転される方向と、当該ダイナモ91の回転子が発電可能な回転方向とが一致する場合には、当該ダイナモ91に伝達された波力によって当該ダイナモ91が駆動されることにより、当該ダイナモ91が発電を行うことが可能となる。特に、ポンプ流路250の連通流路252、253、及び第1の連通流路280を介してポンプ流路250のシリンダ流路251と発電流路270のダイナモ収容流路271とを接続すると共に、ポンプ流路250の連通流路252、254及び第2の連通流路290を介してポンプ流路250のシリンダ流路251と調整流路272とを接続することにより、収容部240を構成したので、実施の形態1の発電装置1に比べて、コンパクトな構成とすることができる。
(効果)
このように実施の形態3によれば、ポンプ流路250の連通流路252、253、及び第1の連通流路280を介してポンプ流路250のシリンダ流路251と発電流路270のダイナモ収容流路271とを接続すると共に、ポンプ流路250の連通流路252、254及び第2の連通流路290を介してポンプ流路250のシリンダ流路251と調整流路272とを接続することにより、収容部240を構成したので、実施の形態1の発電装置1に比べて、コンパクトな構成とすることができ、設置性を向上させることができる。
【0089】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0090】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、波力伝達部30が従来より発電手段に波力を正確に伝達できない場合であっても、この波力の伝達を、従来とは異なる技術により従来と同様に達成できている場合には、本願発明の課題が解決されている。
【0091】
(各実施の形態の組み合わせ)
上記実施の形態1から3に示した構成は、相互に組み合わせることができる。例えば、
図12に示すように、実施の形態2に係る発電装置102と、実施の形態3に係る発電装置202の収容部240におけるポンプ流路250の連通流路254、第9の弁253a、及び第10の弁254aとを組み合わせてもよい。この
図12の例に示すように、ポンプ流路250に直接的に弁を設けてもよい。あるいは、実施の形態1に係る発電装置1と、実施の形態2に係る発電装置102の収容部140におけるポンプ流路250の連通流路152、153、又は、実施の形態3に係る発電装置202の収容部240におけるポンプ流路250の連通流路253、254とを組み合わせてもよい。
【0092】
(電力の利用方法について)
上記実施の形態1から3では、海上施設の照明等に対して利用すると説明したが、これに限られない。例えば、発電した電力を非常用蓄電池に蓄電して、非常用蓄電池を非常用電源として利用できるようにしてもよい。
【0093】
(発電装置の設置について)
上記実施の形態1から3では、発電装置は前後左右に複数列に設置されていると説明したが、これに限られない。例えば、
図13に示すように、この発電装置は、任意の海上施設(例えば、
図13に示す風力発電施設の他、海洋発電施設、石油採掘施設、灯台、ヘリポート等)の周囲の全体や一部を取り囲むように複数設置されてもよい。このような設置形態を採用することで、発電装置を、波のエネルギーを吸収して発電を行い、この波のエネルギーにより海上施設が悪影響を受けることを防止する、消波ブロックとしても機能させることができる。
【0094】
(浮遊体の形状について)
上記実施の形態1から3では、浮遊体10の形状は略箱状体であると説明したが、これに限られず、例えば柱状体(例えば、三角柱、円柱等)や錐状体(円錐状体、三角錘状体等)、扇状体等にて形成されてもよい。また、上記
図1に示すように、複数の発電装置が設けられている場合において、これら複数の発電装置のうち、最外縁側に位置する発電装置の浮遊体10の形状については、例えば水平方向に沿った波力が効果的に受けられるように、浮遊体10の前後左右の側面のうち、波力を受ける側の側面を、他の側面よりも平面形状が大きな斜面を有する略箱状体にて形成されてもよい。
【0095】
(接続部の構成について)
上記実施の形態1から3では、接続部20は、回転軸21と、継手部22a、22bとを備えて構成されていると説明したが、これに限られない。例えば、波の上下動及び水平動によって一対の浮遊体10の相互の間隔が伸縮可能となるように、接続部20自体が、ゴム等の弾性体にて形成されたブロック体又は棒状体等にて構成されてもよい。
【0096】
(波力伝達部について)
また、上記実施の形態1から3では、波力伝達部30の少なくとも一部(例えば、収容部等)は、浮遊体10の内部に配置されていると説明したが、例えば、これら波力伝達部30は、浮遊体10の外部に配置されてもよい。この場合において、浮遊体10の形状については、例えば中空体であってもよく、あるいは中実体であってもよい。
【0097】
また、上記実施の形態1では、波力伝達部30は、収容部40と、流動部80とを備えていると説明したが、これに限られない。例えば、波力伝達部30は、流動部80のみを備え、この流動部80の突起部分が発電部90のダイナモ91の回転子に直接的に当接するように、この流動部80が配置されてもよい。これにより、回転軸21を中心とした発電装置2a、2bの浮遊体10のいずれか一方の回転によりこれら浮遊体10の相互の間隔が伸縮することに伴って、発電装置2a、2bの各々の流動部80の突起部分が発電装置2a、2bの各々の発電部90におけるダイナモ91の回転子と当接しながら直線移動することにより、波力がダイナモ91に伝達される。そして、波力によってダイナモ91が回転される方向と、ダイナモ91の回転子が発電可能な回転方向とが一致する場合に、ダイナモ91に伝達された波力によって当該ダイナモ91が駆動されることにより、当該ダイナモ91が発電を行うことが可能となる。この場合において、波力伝達部30と発電部90は浮遊体10の内部に収容されてもよく、あるいは、浮遊体10の外部に配置されてもよい。また、発電部90の構成としては、ダイナモ91に限られず、例えば圧電素子等の発電素子を用いて構成されてもよい。
【0098】
(収容部の流路径の大きさについて)
上記実施の形態2、3では、収容部の流路径の大きさについては、収容部におけるポンプ流路のシリンダ流路の流路径を、当該シリンダ流路の流路径以外の他の流路径よりも大きくしていると説明したが、これに限られない。例えば、発電流路における調整流路の流路径の大きさを、収容部におけるポンプ流路のシリンダ流路の流路径と略同一の大きさとしてもよい。
【0099】
(ポンプ流路について)
上記実施の形態1では、ポンプ流路50の連通流路52の形状については、当該連通流路52の流路径D
Bの大きさを、シリンダ流路51の流路径D
Aよりも小さくしていると説明したが、例えば、当該連通流路52のシリンダ流路51側の端部の流路径の大きさを、シリンダ流路51の流路径D
Aよりも大きくしてもよい。これにより、シリンダ流路51から送出される流体の圧力を小さくして、連通流路52における流体の流動性を高めることができる(なお、上記実施の形態2におけるポンプ流路の連通流路152の形状、上記実施の形態3におけるポンプ流路の連通流路252の形状についても同様とする)。なお、このシリンダ流路51は、特許請求の範囲における「ポンプ流路のうち、流動手段が移動可能な部分」に対応する。
【0100】
(弁について)
上記実施の形態1では、第1の弁63a〜第4の弁63dとして、回転軸を中心に回転する弁体を1つのみ設けた例を示しているが、回転軸を中心に回転する弁体を2つ対向するように配置した構造等、任意の弁構造を採用することができる。
(付記)
付記1の発電装置は、波力を電気に変換する発電手段を備えた発電装置であって、相互に間隔を隔てて設けられた一対の浮遊体と、前記一対の浮遊体の相互の間隔が伸縮可能となるように、当該一対の浮遊体同士を接続する接続手段と、前記一対の浮遊体のいずれか一方が波力を受けた場合に、前記一対の浮遊体の相互の間隔が伸縮することに伴って、前記一対の浮遊体のいずれか他方が押し引きされることにより、前記発電手段に当該波力を伝達する波力伝達手段と、を備え、前記発電手段は、前記波力伝達手段にて伝達された波力によって当該発電手段が駆動されることにより発電を行う。
付記2の発電装置は、付記1に記載の発電装置において、前記接続手段は、前記一対の浮遊体同士を回転軸を中心に回転可能に接続し、前記波力伝達手段は、前記一対の浮遊体の少なくとも一方に設けられた収容手段であって、流体を収容する収容手段と、前記一対の浮遊体の少なくとも他方に設けられた流動手段であって、前記一対の浮遊体のいずれか一方が前記波力を受けた場合に、前記回転軸を中心とした当該一対の浮遊体のいずれか一方の回転により前記一対の浮遊体の相互の間隔が伸縮することに伴って、前記一対の浮遊体のいずれか他方が押し引きされることにより、前記収容手段に収容された前記流体を流動させる流動手段と、を備え、前記発電手段は、前記収容手段の内部に収容されており、前記流動手段による前記流体の流動によって当該発電手段が駆動されることにより発電を行う。
付記3の発電装置は、付記2に記載の発電装置において、前記収容手段は、第1の流路と、前記第1の流路の一方の端部と接続された第2の流路と、前記第1の流路の他方の端部と接続された第3の流路と、前記第2の流路における前記第1の流路側とは反対側の端部と、前記第3の流路における前記第1の流路側とは反対側の端部とに接続された第4の流路と、前記第1の流路内に配置された第1の弁であって、前記第1の流路と前記第2の流路とを接続する第1の接続部から前記第1の流路と前記第3の流路とを接続する第2の接続部への前記流体の流入を制限する第1の弁と、前記第2の流路内に配置された第2の弁であって、前記第2の流路と前記第4の流路とを接続する第3の接続部から前記第1の接続部への前記流体の流入を制限する第2の弁と、前記第3の流路内に配置された第3の弁であって、前記第3の流路と前記第4の流路とを接続する第4の接続部から前記第2の接続部への前記流体の流入を制限する第3の弁と、前記第4の流路内に配置された第4の弁であって、前記第3の接続部から前記第4の接続部への前記流体の流入を制限する第4の弁と、前記第1の接続部と、前記第4の接続部とに接続されたポンプ流路であって、前記流動手段によって流動された前記流体を前記第2の流路又は前記第4の流路に向けて送出するポンプ流路と、前記第2の接続部と、前記第3の接続部とに接続された発電流路であって、前記ポンプ流路から前記第2の流路又は前記第4の流路を介して送られた前記流体の流動によって、当該発電流路内に配置された前記発電手段を駆動させる発電流路と、を備えている。
付記4の発電装置は、付記3の発電装置において、前記発電流路のうち、前記発電手段の近傍部分であって、前記第3の接続部側とは反対側の近傍部分の流路径を、当該近傍部分以外の他の部分よりも大きくしている。
付記5の発電装置は、付記3又は4に記載の発電装置において、前記ポンプ流路のうち、前記流動手段が移動可能な部分の端部であって、前記第1の接続部側の端部の流路径を、当該端部以外の他の部分よりも大きくしている。
(付記の効果)
付記1に記載の発電装置によれば、一対の浮遊体のいずれか一方が波力を受けた場合に、一対の浮遊体の相互の間隔が伸縮することに伴って、一対の浮遊体のいずれか他方が押し引きされることにより、波力伝達手段は、発電手段に当該波力を伝達し、発電手段は、波力伝達手段にて伝達された波力によって当該発電手段が駆動されることにより発電を行うので、波の上下動及び波の水平動に応じて発電を行うことができ、従来の発電装置に比べて発電の効率を向上させることが可能となる。
付記2に記載の発電装置によれば、一対の浮遊体のいずれか一方が波力を受けた場合に、回転軸を中心とした当該一対の浮遊体のいずれか一方の回転により一対の浮遊体の相互の間隔が伸縮することに伴って、一対の浮遊体のいずれか他方が押し引きされることにより、流動手段は、収容手段に収容された流体を流動させ、発電手段は、収容手段の内部に収容されており、流動手段による流体の流動によって当該発電手段が駆動されることにより発電を行うので、流動手段による流体の特性を活かした工夫を施すことにより、当該発電手段に対して波力を効果的に伝達することができ、発電の効率を一層向上させることが可能となる。
付記3に記載の発電装置によれば、収容手段の第1の流路と、第2の流路と、第3の流路と、第4の流路とをブリッジ状に形成し、且つ各流路に第1の弁と、第2の弁と、第3の弁と、第4の弁とを設けて、ポンプ流路から第2の流路又は第4の流路を介して発電流路に流体が送られるようにすることにより、発電流路が、当該送られた流体の流動によって、当該発電流路内に配置された発電手段を駆動させるので、一対の浮遊体の相互の間隔が伸びたり又は縮んだ場合においても、波力によって発電手段が駆動される方向と、発電手段が発電可能な駆動方向とを一致させることによって、当該発電手段が発電を行うことが可能となる。
付記4に記載の発電装置によれば、発電流路のうち、発電手段の近傍部分であって、第3の接続部側とは反対側の近傍部分の流路径を、当該近傍部分以外の他の部分よりも大きくしたので、発電流路における第3の接続部側の部分から送出された流体の圧力を小さくして、当該近傍部分における流体の流動性を高めることができ、発電手段の発電効率をさらに一層高めることができる。
付記5に記載の発電装置によれば、ポンプ流路のうち、流動手段が移動可能な部分の端部であって、第1の接続部側の端部の流路径を、当該端部以外の他の部分よりも大きくしたので、ポンプ流路の第1の接続部側の部分から送出される流体の圧力を小さくして、第1の接続部側の端部近傍における流体の流動性を高めることができ、発電手段の発電効率をさらに一層高めることができる。