特許第6253238号(P6253238)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6253238
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】清掃用シート及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/16 20060101AFI20171218BHJP
   D04H 1/498 20120101ALI20171218BHJP
   B32B 5/26 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   A47L13/16 A
   D04H1/498
   B32B5/26
【請求項の数】7
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2013-44247(P2013-44247)
(22)【出願日】2013年3月6日
(65)【公開番号】特開2014-4328(P2014-4328A)
(43)【公開日】2014年1月16日
【審査請求日】2016年2月3日
(31)【優先権主張番号】特願2012-121126(P2012-121126)
(32)【優先日】2012年5月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100101292
【弁理士】
【氏名又は名称】松嶋 善之
(74)【代理人】
【識別番号】100155206
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 源一
(72)【発明者】
【氏名】町井 功治
(72)【発明者】
【氏名】金子 行宏
(72)【発明者】
【氏名】大森 千晴
【審査官】 山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−074133(JP,A)
【文献】 特許第4338578(JP,B2)
【文献】 特許第2889730(JP,B2)
【文献】 特許第2986689(JP,B2)
【文献】 特許第4458903(JP,B2)
【文献】 特許第3944526(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/16
B32B 5/26
D04H 1/498
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
親水性繊維を主体とする親水性繊維集合体と該親水性繊維集合体の両面に配された疎水性の合成繊維を主体とする疎水性繊維集合体とを有し、該疎水性繊維集合体の構成繊維どうしが絡合していると共に、該疎水性繊維集合体の構成繊維が前記親水性繊維集合体の内側に入り込んで前記親水性繊維集合体の構成繊維と絡合して、該親水性繊維集合体と該疎水性繊維集合体とが一体化された清掃用シートであって、
前記清掃用シートは、両面に複数の凸部と複数の凹部とを有するように三次元状に凹凸形状に賦形されており、
一面に形成された凸部は、もう一方の他面では凹部となっており、他面に形成された凸部は、一面では凹部となっており、
前記親水性繊維集合体と前記疎水性繊維集合体とを固着した線状接合部を有し
複数の前記凸部及び前記凹部それぞれの表面から起毛している繊維を有し、前記凹部の前記起毛している繊維の本数が、前記凸部の前記起毛している繊維の本数よりも多い清掃用シート。
【請求項2】
前記凹部の前記起毛している繊維の高さは0.1mm以上30mm以下であり、該凹部の前記起毛している繊維の本数は5本以上/10mm幅,100本以下/10mm幅である請求項に記載の清掃用シート。
【請求項3】
前記線状接合部と、最も近い距離で隣接する前記凸部どうしの頂部を結ぶ仮想線とが、交差している請求項1又は2に記載の清掃用シート。
【請求項4】
前記清掃用シートを平面視したときの前記凸部の面積は1mm2以上100mm2以下であり、前記線状接合部の接合部幅は0.3mm以上5mm以下である請求項1〜の何れか1項に記載の清掃用シート。
【請求項5】
前記親水性繊維集合体の坪量は、片面当たりの前記疎水性繊維集合体の坪量よりも高い請求項1〜の何れか1項に記載の清掃用シート。
【請求項6】
前記凸部に位置する起毛している繊維は潰されており、前記凹部に位置する起毛している繊維は起毛状態が維持されている請求項1〜5の何れか1項に記載の清掃用シート。
【請求項7】
請求項に記載の清掃用シートの製造方法であって、
前記親水性繊維集合体の両面に前記疎水性繊維集合体を積層した積層体の両面から高圧水流によって該親水性繊維集合体の前記構成繊維と該疎水性繊維集合体の前記構成繊維とを絡合させて一体化し、一体化した積層体の両面に起毛加工を施し、起毛加工された積層体の複数箇所に凹凸形状の賦形加工を施し、凹凸賦形された積層体にシール加工を施し線状接合部を形成し前記親水性繊維集合体と前記疎水性繊維集合体とを固着一体化して清掃用シートを形成する清掃用シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凹凸形状に賦形された清掃用シート及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ての清掃用シートとして、乾拭き用(乾式)と水拭き用(湿式)に大別される。水拭き用としては、事前に洗浄液や水を含浸させた所謂ウェットシートのタイプと、洗浄液や水を散布して拭き取るタイプがあるが、水拭き用とするためには、保水性及び吸水性のある繊維またはシート構造とする必要がある。また、乾拭き用であっても、床等の清掃面に水はねがある場合にも使用可能とするために、保水性を有するのが好ましい。
【0003】
例えば、特許文献1には、吸収シートの両面にパルプ繊維を含む液透過性の表面シートを配した3層構造の清掃シートが記載されている。また、特許文献2,3には、中間シートとなる不織布の両面それぞれにスパンレース不織布を配した3層構造体を接合線にて接合して形成された拭き取りシートが記載されている。
【0004】
特許文献1に記載の清掃シートは、表面シート、吸収シート、表面シートの3層の積層体を格子柄のヒートシールロールを用いて、熱エンボスをして相互に接着し、凸部形成と一体化を行っているため、軽い力で水拭きを行うことができる。特許文献2,3に記載の拭き取りシートは、中間シートの両面それぞれに配されたスパンレース不織布が、レーヨン繊維やセルロース繊維等からなる保水性繊維を含んでいるため、掃除中に水はね等を見つけた際、乾拭きすることにより水を吸収することができる。また、特許文献1〜3の何れに記載の清掃シート又は拭き取りシートも、接合線にて接合されているため、掃除中にシートの伸びを抑え、ワイパーからの外れ等の不具合が起こり難い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−286206号公報
【特許文献2】特開平10−262883号公報
【特許文献3】特開平11−318791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1〜3の何れに記載の清掃シート又は拭き取りシートも、3層構造体を、単に接合線にて一体化したシートであるため、一度吸収した水を、表面のシートから内側のシート(中間シート)にスムーズに移行させることが難しく、一度吸収した水を床面に戻してしまう場合があった。
【0007】
従って、本発明の課題は、掃除中のシートの伸びを抑えてワイパーからの外れ等の不具合が起こり難く、一度吸収した水を、内側の親水性繊維集合体にスムーズに移行させ易く、一度吸収した水を床面に戻し難い清掃用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、親水性繊維を主体とする親水性繊維集合体と該親水性繊維集合体の両面に配された疎水性の合成繊維を主体とする疎水性繊維集合体とを有し、該疎水性繊維集合体の構成繊維どうしが絡合していると共に、該疎水性繊維集合体の構成繊維が前記該親水性繊維集合体の内側に入り込んで前記親水性繊維集合体の構成繊維と絡合して、該親水性繊維集合体と該疎水性繊維集合体とが一体化された清掃用シートであって、前記清掃用シートは、両面に複数の凸部と複数の凹部とを有するように三次元状に凹凸形状に賦形されており、一面に形成された凸部は、もう一方の他面では凹部となっており、他面に形成された凸部は、一面では凹部となっており、前記親水性繊維集合体と前記疎水性繊維集合体とを固着した線状接合部を有している清掃用シートを提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の清掃用シートは、掃除中に伸び難くワイパーからの外れ等の不具合が起こり難い。また、本発明の清掃用シートは、一度吸収した水を、内側の親水性繊維集合体にスムーズに移行させ易く、一度吸収した水を床面に戻し難い。また、本発明の清掃用シートは、汚れの捕集性能や保持性能が向上すると共に、清掃具のヘッド部に装着して清掃する際の操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の清掃用シートの一実施形態を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す清掃用シートの分解斜視図である。
図3図3は、図1のI−I線断面図である。
図4図4は、図1に示す清掃用シートの要部拡大断面図である。
図5図5は、構成繊維の起毛本数と起毛高さの測定方法を模式的に示す図である。
図6図6は、デジタルマイクロスコープの垂直線モードを用いて起毛している構成繊維の高さを測定する例を示す図である。
図7図7は、図1に示す清掃用シートを製造するための好適な装置を示す模式図である。
図8図8は、図7に示す加工装置の有する起毛加工部を斜めから視た模式図である。
図9図9は、図7に示す加工装置の有する凹凸立体賦形加工部の模式断面図である。
図10図10は、図9に示す凹凸立体賦形加工部の要部拡大断面図である。
図11図11は、図7に示す加工装置の有する固着部を斜めから視た模式図である。
図12図12は、本発明の清掃用シートを、清掃用シートに用いる際に、使用される清掃具の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の清掃用シートを、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には本発明の清掃用シートの一実施形態が示されており、図2には図1に示す清掃用シートの分解斜視図が示されており、図3図4には図1に示す清掃用シートの断面図が示されている。本実施形態の清掃用シート1(以下、清掃用シート1ともいう)は、親水性繊維を主体とする親水性繊維集合体11と親水性繊維集合体11の両面11a,11bに配された疎水性の合成繊維を主体とする疎水性繊維集合体12との各繊維層を有している。清掃用シート1は、疎水性繊維集合体12の構成繊維14どうしが絡合していると共に、疎水性繊維集合体12の構成繊維14が親水性繊維集合体11の内側に入り込んで親水性繊維集合体11の構成繊維13と絡合して、親水性繊維集合体11と疎水性繊維集合体12とが一体化されて形成されている。このように形成された清掃用シート1には、その厚み方向の内部に不織布状の親水性繊維集合体11が配され、清掃用シート1の一面1a及びその反対側に位置する他面1bそれぞれに疎水性繊維集合体12の繊維層が形成されている。図4に示すように、疎水性繊維集合体12は、構成する構成繊維14どうしが絡合しており、清掃用シート1は、親水性繊維集合体11の内側に入り込んだ疎水性繊維集合体12の構成繊維14と親水性繊維集合体11を構成する構成繊維13とが絡合して、親水性繊維集合体11及び疎水性繊維集合体12が一体化して不織布状に形成されている。清掃用シート1は、洗浄剤等の液体が意図的に含浸されていない所謂乾式の清掃用シートである。なお、図2の分解斜視図は、図1の清掃用シート1が親水性繊維集合体11の両面11a,11bに疎水性繊維集合体12が配されて形成されたことを示すものであり、一体化した清掃用シートを分解した状態としたものではない。
【0012】
以下の説明では、疎水性繊維集合体12の構成繊維14の主な配向方向を見て、一般的に繊維の配向方向に沿うMD方向をX方向、それと直交するCD方向をY方向と判断する。尚、MD方向は、清掃用シートを製造するときの方向でもある。また、本明細書において、「繊維集合体」とは、不織布化せずにウェブ状態のもののみならず、不織布の状態のものも含む意味である。また、X方向、Y方向は、清掃用シート1の1辺とそれぞれ平行に延びる方向でもある。
【0013】
清掃用シート1は、図1に示すように、両面1a,1bに複数の凸部2と複数の凹部3とを有する。一面1aに形成された凸部2は、もう一方の他面1bでは凹部3となっている。また、他面1bに形成された凸部2は、一面1aでは凹部3となっている。複数の凸部2は、一方の疎水性繊維集合体12側から他方の疎水性繊維集合体12側に突出して形成され、複数の凹部3は、他方の疎水性繊維集合体12側から一方の疎水性繊維集合体12側に窪んで形成され、一方の表面にも他方の表面にも三次元状に凹凸形状に賦形されている。詳述すると、一面1aにある各凸部2は、他面側1bがフラットに形成されておらず、他面1b側から一面1a側に突出しており、他面1bにある各凸部2は、一面側1aがフラットに形成されておらず、一面1a側から他面1b側に突出している。同様に、一面1aにある各凹部3は、他面1b側がフラットに形成されておらず、一面1a側から他面1b側に窪んで形成されており、他面1bにある各凹部3は、一面1b側がフラットに形成されておらず、他面1b側から一面1a側に窪んで形成されている。
凸部2は、図1に示すように、清掃用シート1においては、清掃用シート1のX方向及びY方向の各方向に列をなすように一定の間隔で配置されており、千鳥格子状の配置パターンをなしている。4つの凸部2で囲まれた部分には、それぞれ凹部3,3・・が配されており、凹部3も、やはり千鳥格子状の配置パターンをなしている。これによって清掃用シート1はその全体が三次元状に凹凸形状に賦形された形状となっている。より詳細に説明すると、最も近い距離d(図1参照)で隣接する凸部2どうしの頂部を結ぶ仮想線ILがX方向およびY方向と交差するように、凸部2が配置されており、図1で示すように、第1の仮想線ILaの延びる方向(第1の方向)に等間隔で凸部2が複数配列されている。また、凸部2は、第1の方向と略直交する第2の方向(第2の仮想線ILbの延びる方向)に距離dと略同じ距離で隣接するように複数配列されている。このように配置された4つの凸部2で囲まれた部分には、それぞれ凹部3,3・・が配されたパターンをなしている。
【0014】
図1に示すように、清掃用シート1の凸部2は、ほぼ半球の形状をしており、凹部3についても同様の形状をしている。凸部2の頂部は、清掃用シート1においては、平坦に形成されている。清掃用シート1は、上述したように、他面1b側から一面1a側に突出して凸部2が形成されているため、一面1aに存する凸部2は、他面1bに存する凹部3と表裏の関係にあり、同様に一面1aに存する凹部3は、他面1bに存する凸部2と表裏の関係にある。即ち、凸部2の形状は、凹部3の形状を反転したものである。このような凹凸形状に賦形された清掃用シート1は、その両面1a,1bが同様な性能を有する。
【0015】
凸部2は、清掃用シート1の一面1aにおいて、10cm×10cmの正方形の領域を考えた場合、一面1aの何れの位置においても、該領域中に50個以上、より好ましくは100個以上形成されていることが好ましく、該領域中に850個以下、より好ましくは600個以下形成されていることが好ましい。凸部2の個数をこの範囲内とすることにより、凸部2と凹部3とが均等に配されるので、清掃用シート1は、髪の毛や綿埃のゴミを更に効率よく捕集できると共に、粒子状のゴミの捕集にも優れている。
【0016】
平面視した凸部2の面積は、清掃用シート1のダストの捕集性や凹凸形状の安定的な維持の点から、1mm2以上、より好ましくは4mm2以上であることが好ましく、100mm2以下、より好ましくは25mm2以下であることが好ましい。凹部3の平面視での面積に関しても同様である。同様の理由により、長手方向Xにおける凸部2,2間及び凹部3,3間それぞれの間隔は、1mm以上、より好ましくは4mm以上であることが好ましく、20mm以下であることが好ましい。幅方向Yにおける凸部2,2間及び凹部3,3間それぞれの間隔についても同様である。
尚、凸部2及び凹部3の判断は、清掃用シート1の厚み方向において、凸部2の頂点(一面1aにおける凸部2の頂点)と凹部3の底点(他面1bにおける凸部2の頂点)との間隔を二等分した位置を基準に、その位置よりも突出しているか窪んでいるかで判断する。また、後述する清掃用シート1の好適な製造方法から明らかなように、清掃用シート1における凸部2及び凹部3は、エンボスローラの彫刻パターンに応じてそれらの形状、大きさ、配置等を自由に設計できる。
【0017】
本発明の清掃用シートには、図1に示すように、親水性繊維集合体11の構成繊維13と疎水性繊維集合体12の構成繊維14とが固着した線状接合部15が多数形成されている。ここで、「固着」とは、例えば、構成繊維13に融着繊維を含んでいる場合には、繊維どうしが融着していることを意味し、構成繊維13に融着繊維を含んでおらず例えばレーヨン繊維のみから形成されている場合には、疎水性繊維集合体12の構成繊維14の融着によって構成繊維どうしが接着していることを意味する。また、線状接合部15の「線状」とは、平面視において、図1に示すような直線に限られず、曲線を含み、直線と曲線とを混合した形状を含む。また、各線は、連続線でもよく、あるいは平面視において長方形、正方形、菱形、円形、十字等の多数の接合点が間欠的に連なって全体として連続線を形成していてもよい。
【0018】
線状接合部15は、清掃用シート1がY方向に延び難くする観点から、X方向に交差する方向に形成されていることが好ましい。多数の線状接合部15は、清掃用シート1においては、図1に示すように、格子状に形成されている。具体的には、線状接合部15として、互いに平行に且つ所定の間隔で形成された多数本の第1の線状接合部15aと、互いに平行に且つ所定の間隔で形成された多数本の第2の線状接合部15bとを有しており、第1の線状接合部15aと第2の線状接合部15bとが角度αをなして互いに交差している。角度αは、20°以上160°以下であることが好ましい。また、例えば各第2の線状接合部15bとX方向との交差角度は、前記角度αの約半分であることが好ましく、具体的には、10°以上80°以下であることが好ましい。このように、多数の線状接合部15が格子状に形成されていると、清掃用シート1のY方向への延び難さがより一層高められると共に、第1,第2の線状接合部15a,15bで囲まれた部分では、清掃用シート1の有する凸部2及び凹部3の形状の変化が起こり難い。第1の線状接合部15aの幅W1と第2の線状接合部15bの幅は同じであり、第1の線状接合部15aどうし間の間隔W2と第2の線状接合部15bどうし間の間隔も同じである。
【0019】
図1に示すように、第1,第2の線状接合部15a,15bの接合部幅W1は、清掃用シート1のダストの捕集性能を落とさずに、該線状接合部において繊維を確実に固着一体化する観点から、0.3mm以上、さらに好ましくは0.5mm以上であることが好ましく、5mm以下、さらに好ましくは3mm以下であることが好ましい。
第1の線状接合部15aどうし間の間隔及び第2の線状接合部15どうし間の間隔W2は、清掃用シート1のように格子状に形成されている場合においては、10mm以上、さらに好ましくは13mm以上であることが好ましく、40mm以下、さらに好ましくは30mm以下であることが好ましい。W1及びW2は、線に対して直交する方向に計測される。
【0020】
また、清掃用シート1においては、図1に示すように、線状接合部15と、最も近い距離で隣接する凸部2どうしの頂部を結ぶ仮想線ILとが、交差している。具体的に、清掃用シート1の一面1aを用いて説明すると、仮想線ILも、多数の線状接合部15と同様に、格子状に形成されており、互いに平行に且つ所定の間隔で形成された多数本の第1の仮想線ILaと、互いに平行に且つ所定の間隔で形成された多数本の第2の仮想線ILbとからなる。そして、清掃用シート1においては、図1に示すように、第1の仮想線ILaと、線状接合部15の第1の線状接合部15aとが、平行に延びておらず、角度γをなして互いに交差している。角度γは、3°以上30°以下であることが好ましい。また、 図1に示すように、第2の仮想線ILbと、線状接合部15の第2の線状接合部15bとが、平行に延びておらず、角度δをなして互いに交差している。角度δは、3°以上30°以下であることが好ましい。すなわち、清掃用シート1においては、第1の線状接合部15a、第2の線状接合部15bのいずれもが、第1の仮想線ILaおよび第2の仮想線ILbと交差している。このように、線状接合部15と仮想線ILとが交差していると、線状接合部15(15a,15b)の形成位置と一致する凹部3が少なくなり、ダスト捕集性能の低下を抑えることができ、凸部2及び凹部3をより有効に使うことができ、線状接合部15(15a,15b)がダストを捕集する際の誘導線となり凹部3でダストを捕集し易くなる。
【0021】
清掃用シート1は、図1図3に示すように、複数の凸部2及び凹部3それぞれの表面から起毛している繊維を有している。具体的に「起毛している繊維」とは、疎水性繊維集合体12の構成繊維14、または疎水性繊維集合体12の構成繊維14及び親水性繊維集合体11の構成繊維13である。このように、清掃用シート1は、凸部2の表面から構成繊維14(または疎水性繊維集合体12の構成繊維14及び親水性繊維集合体11の構成繊維13)が起毛しているのみならず、凹部3の表面からも疎水性繊維集合体12の構成繊維14(または疎水性繊維集合体12の構成繊維14及び親水性繊維集合体11の構成繊維13)が起毛している。ここで、本明細書における「起毛」とは、繊維端がシートの表面から突出している状態のみならず、繊維がループ状(繊維端は出現していない)にシート表面から突出している状態も含んでいる。
本実施形態の清掃用シート1の場合は、凸部2及び凹部3それぞれの表面から起毛される繊維は、主に、親水性繊維集合体11の両面11a,11bに配された疎水性繊維集合体12の構成繊維14であるため、以下の説明では、起毛される繊維は疎水性繊維集合体12の構成繊維14であるとして説明する。起毛繊維中に親水性繊維集合体11の構成繊維13が含まれている場合でも、その本数や長さを測定する場合には、疎水性繊維集合体12の構成繊維14と区別せずに測定する。
【0022】
清掃用シート1においては、繊維端が突出する状態の起毛繊維とループ状態の起毛繊維が混在している。清掃用シート1について詳述すると、図3に示すように、凹部3の表面から起毛している構成繊維14(凹部3の起毛している繊維)の本数が、凸部2の表面から起毛している構成繊維14(凸部2の起毛している繊維)の本数よりも多くなっている。ここで、「起毛している構成繊維14の本数」(起毛本数)とは、自然状態において、凸部2又は凹部3の表面から起毛している繊維の本数を意味し、起毛している構成繊維14を引っ張った状態での凸部2又は凹部3の表面からの本数を意味するものではない。後述する清掃用シート1の製造方法の説明において詳述するが、凹凸形状の賦形加工前に起毛加工を施すので、起毛加工処理直後の起毛本数等は一様である。しかし、清掃用シート1は、後述する清掃用シートの製造方法の説明の通り、起毛加工後に凹凸形状の賦形加工を施して、ロール取り、製品取りすることで重ねられる。その時に凸部2に位置する起毛している構成繊維14は潰されるが、凹部3に位置する起毛している構成繊維14は起毛状態が維持される。その為、清掃用シート1は、自然状態において、凹部3に位置する起毛している構成繊維14の見かけの起毛本数は多くなり、図3の状態となる。
【0023】
凸部2の起毛している構成繊維14(凸部2の起毛している繊維)の高さ(h2)は0.1mm以上、特に0.5mm以上であることが好ましく、30mm以下、特に20mm以下であることが好ましい。凹部3の起毛している構成繊維14(凹部3の起毛している繊維)の高さ(h3)は0.1mm以上、特に0.5mm以上であることが好ましく、30mm以下、特に20mm以下であることが好ましい。
【0024】
凸部2において起毛している構成繊維14(凸部2の起毛している繊維)の本数は、5本以上/10mm幅、特に10本以上/10mm幅であることが好ましく、80本以下/10mm幅、特に70本以下/10mm幅であることが好ましい。凹部3において起毛している構成繊維14(凹部3の起毛している繊維)の本数は、5本以上/10mm幅、特に10本以上/10mm幅であることが好ましく、100本以下/10mm幅、特に90本以下/10mm幅であることが好ましい。
また、清掃用シート1は、図3に示すように、凹部3の表面から起毛している構成繊維14(凹部3の起毛している繊維)の本数が、凸部2の表面から起毛している構成繊維14(凸部2の起毛している繊維)の本数よりも多くなっていることが好ましい。このように凹部3の起毛本数が凸部2の起毛本数よりも多いと、凹部に入り込んで捕集したゴミ等に起毛した繊維が絡みやすく、清掃時に保持しやすい効果を奏する。
起毛している構成繊維14の高さ及び本数は、以下の測定方法により測定する。
【0025】
<観察サンプルの製作>
観察範囲が50mm幅で観察できるように、清掃用シート1から、やや大きめ(CD方向に60〜70mm、MD方向に50mm程度)の観察サンプルを2枚切出し、図5に示すように、MD方向と直するように清掃用シート1を二つ折りして黒台紙の上に固定する。二つ折りする際には、観察サンプルの有する凹凸形状が断面視して観察できるような位置の折線でおる。折線は、複数の凸部及び凹部の略中心を通る線である。二つ折りした観察折部を刷毛(株式会社コメリ製、一般刷毛No.812 30mm)で軽く5回観察サンプルから黒台紙に方向に擦って構成繊維の起毛を観察し易くする。ここで、刷毛は、刷毛による撫での最中に測定対象領域93にかかる力(撫でる力)が5〜15gfの範囲に入るように調整する。撫でる力は、秤を用いて測定することができ、その測定値を参考にして調整することできる。
【0026】
<起毛本数と起毛高さの実測>
上述のように二つ折りした観察サンプルを株式会社キーエンス製デジタルマイクロスコープ(型式VHX−500)にて20倍の倍率で観察する。図6に示すように、デジタルマイクロスコープの測定モードの垂直線モードを使って測定する。凸部2または谷部(凹部3)での基準線を設定した後、構成繊維14の起毛最高点を凸部2及び凹部3それぞれの範囲で測定する。起毛高さは0.1mm程度の範囲から測定を行い、0.1mm以上を採用する。n=2以上の観察サンプルについて測定し、観察範囲は50mm幅における凸部2及び凹部3の全てについて起毛繊維の起毛高さの実測と本数を数える。ここで、凸部2又は凹部3で起毛している構成繊維14の本数は、例えば、凸部2を例にして詳述すると、観察範囲は50mm幅にある一方の面の全ての凸部2に存在する総本数(TN)を求め、図6に示す本数を数えた全ての凸部2の起毛数測定範囲の総合長さ(TL)を求めて、10mm長さ当たりに存在する凸部2での起毛繊維の本数に換算して得られる値である。具体的には、以下の式により求められる。

凸部2で起毛している構成繊維14の本数(本/10mm) = TN×10/TL

尚、凹部3で起毛している構成繊維14の本数(本/10mm)も同様に換算して得られる値である。
【0027】
起毛している構成繊維14の起毛高さは、基準線から最も高い位置とする。起毛している構成繊維14は、必ずしも繊維端が最も高い訳ではなく、ループ状の部分が最も高い場合もある。また、凸部2と凹部3を渡るようなループ状に起毛している構成繊維14の場合、凸部2及び凹部3のそれぞれにおいて1本で数え、高さは凸部2及び凹部3それぞれの基準線からの高さとする。
上記方法においては、起毛高さの測定は、0.1mm以上の高さで起毛している構成繊維14(起毛繊維)について測定する。
尚、起毛高さh2、h3は、測定された起毛高さの平均とする。
【0028】
凹部3において起毛している構成繊維14は、凸部2において起毛している構成繊維14よりも、起毛本数が、多くなる傾向にある。しかし、繊維直径が太い繊維が混綿される場合は、太い繊維の繊維剛性が高くなる為、凸部2において繊維は潰され難くなるので必ずしも凹部3の起毛本数が多くなるとは限らない。したがって、凹部3と凸部2とで起毛本数が同等となる傾向となる。
また、繊維直径が太い繊維の混綿率が高くなるに従い、同じ坪量の繊維直径が細い繊維のみに比べ、繊維の総本数が減少する、その為、起毛本数は減少する傾向となる。
起毛を有する構成繊維14は、上述した起毛本数と起毛高さの実測から求められる。
【0029】
凹部3の表面から起毛している構成繊維14の中には、図5で示されるような、ループ状の繊維がある。ここで、「ループ状の繊維」とは、自由端を有する繊維ではなく、繊維の両端に自由端を有していない繊維のことを意味する。
凸部2の表面から起毛している構成繊維14の中でのループ状の繊維の割合も同じである。起毛しているループ状の繊維には、「凸部表面」〜「凸部から凹部へと移行する区間部位」や、「凹部表面」〜「凹部から凸部へと移行する区間部位」や、「凸部表面」〜「凹部表面」に、構成繊維14が渡ってループ状になるものもある。
【0030】
清掃用シート1の厚み、即ち一面1aにおける凸部2の頂点から、他面1bにおける凸部2の頂点までの距離は、0.5mm以上、特に1.0mm以上であることが好ましく、7.0mm以下、特に4.0mm以下であることが好ましい。清掃用シート1の厚みは、例えば、株式会社大栄科学精器製作所製の厚さ測定器(型式FS−60DS)を用いて、0.3kPa荷重下で測定される。この荷重は、清掃用シート1を軽く手で押したときの圧力に相当する。尚、測定時に加圧する測定面積は20cm2である。
【0031】
また清掃用シート1は、前述の荷重よりも大きな荷重である0.7kPa荷重下での厚みが0.5mm以上、特に1.0mm以上であり、6.0mm以下、特に3.0mm以下であることが、清掃用シート1の使用時における嵩高感の維持の点から好ましい。この荷重は、清掃用シート1を清掃具に取り付けて床等を清掃するときに加わる荷重にほぼ相当する。
【0032】
清掃用シート1の坪量は、シート強度や捕集容量、捕集物の裏抜け性、生産効率等の観点から、30g/m2以上、特に40g/m2以上であることが好ましく、110g/m2以下、特に80g/m2以下であることが好ましい。
【0033】
清掃用シート1の骨格材となる親水性繊維集合体11は、保水性(吸水性)の観点から、親水性繊維を主体として形成されているが、シート強度及び(熱接合部による固着後の)保形性の観点から、熱融着性繊維を含んでいてもよい。親水性繊維の割合は、親水性繊維集合体11の構成繊維13中、50質量%以上、特に60質量%以上であることが好ましく、親水性繊維のみから構成されていることが特に好ましい。熱融着性繊維の割合は、親水性繊維集合体11の構成繊維13中、50質量%以下、特に40質量%以下であること好ましく、熱融着性繊維を含んでいないことが特に好ましい。
【0034】
親水性繊維集合体11としては、スパンレース不織布、湿式不織布、エアスルー不織布、湿式紙等が挙げられる。また、不織布化していない繊維ウェブの状態のものを用いて疎水性繊維集合体12と一体化してもよい。
親水性繊維としては、吸水性を有するレーヨン、コットン、パルプ等が挙げられる。これらの内の1種類のみを用いても良く、異なる2種類以上を用いても良い。
【0035】
親水性繊維集合体11に熱融着性繊維を含有する場合には、熱融着性繊維としては、熱融着成分と該熱融着成分よりも融点の高い高融点成分とからなる複合繊維であることが好ましく、より好ましくは、熱融着成分を鞘、高融点成分を芯とする芯鞘型複合繊維が用いられる。熱融着成分及び高融点成分は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱融着成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、又はこれらのランダム若しくはブロック共重合体等が挙げられ、これらの内の1種類のみを用いても良く、異なる2種類以上を用いても良い。高融点成分としては、例えば、ポリエチレンテレフテレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン−6やナイロン−66などのポリアミド等が挙げられる。
【0036】
親水性繊維集合体11の清掃用シート1全体に占める割合は、一度吸収した水を床面等の被清掃面から清掃用シート1にスムーズに移行させて吸収し易くし、且つ吸収した水を床面に戻し難くする観点から、30質量%以上、特に40質量%以上であることが好ましく、75質量%以下、特に70質量%以下であることが好ましい。また、同観点より、親水性繊維集合体11の坪量は、後述する片面当たりの疎水性繊維集合体12の坪量よりも高いことが好ましく、具体的に、親水性繊維集合体11がスパンレース不織布である場合には、20g/m2以上、特に30g/m2以上であることが好ましく、240g/m2以下、特に200g/m2以下であることが好ましい。
【0037】
清掃用シート1の一面1a及び他面1bを形成する疎水性繊維集合体12は、疎水性の合成繊維を主体とする構成繊維14からなり、構成繊維14どうしの繊維絡合で形成された繊維層であり、親水性繊維集合体11に積層されている。疎水性繊維集合体12は、図2に示すように、三次元状に凹凸形状に賦形された親水性繊維集合体11の凹凸形状に沿って親水性繊維集合体11に一体化され、清掃用シート1は不織布状となっている。それによって清掃用シート1全体としても複数の凸部2及び凹部3を有する三次元形状となっている。つまり、清掃用シート1における凸部2及び凹部3の形状は、親水性繊維集合体11における凸部及び凹部の形状とほぼ同じになっている。
【0038】
疎水性繊維集合体12を主体として構成する疎水性の合成繊維としては、各種不織布の構成繊維として通常用いられているものを用いることができ、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル;ナイロン(登録商標)、ナイロン6等のポリアミド;アクリル等の合成樹脂から作られた熱可塑性繊維等が挙げられる。また、合成繊維の繊維構成としては、1種類の樹脂からなる単一繊維でも良く、融点の異なる2種類以上の樹脂を含む複合繊維でも良い。複合繊維としては、相対的に融点の低い樹脂(低融点樹脂)を鞘部、相対的に融点の高い樹脂(高融点樹脂)を芯部とした芯鞘型;低融点樹脂と高融点樹脂とが所定方向に並列したサイドバイサイド型等が挙げられる。
【0039】
清掃用シート1においては、生産機の制限、シート強度、清掃シートとしてのゴミ及び髪の毛の捕集性の観点から、片面当たりの疎水性繊維集合体12の坪量が、10g/m2以上であることが好ましく、35g/m2以下、特に30g/m2以下であることが好ましい。親水性繊維集合体11の各面11a,11bに積層された各疎水性繊維集合体12の坪量は同一でもよく、或いは異なっていてもよい。
【0040】
疎水性繊維集合体12の構成繊維14としては、嵩高性、掻き取り性、ゴミや髪の毛の捕集性の観点から、平均繊維直径が、5μm以上、特に8μm以上であることが好ましく、60μm以下、特に45μm以下であることが好ましい。
また、疎水性繊維集合体12は、嵩高性、掻き取り性、大きい繊維空隙構造の形成の観点から、繊維直径が2倍以上異なる構成繊維14を2種以上混合して形成されていることが好ましい。疎水性繊維集合体12は、繊維直径5μm以上20μm未満の構成繊維(以下、繊維直径の細い繊維とも言う)の全構成繊維に占める割合が90質量%以下、特に70質量%以下であることが好ましく、10質量%以上、特に30質量%以上であることが好ましい。また、疎水性繊維集合体12は、繊維直径20μm以上60μm以下の構成繊維(以下、繊維直径の太い繊維とも言う)の全構成繊維に占める割合が10質量%以上、特に30質量%以上であることが好ましく、90質量%以下、特に70質量%以下であることが好ましい。
繊維直径の太い繊維は、生産機適正や繊維の交絡性、シートの掻き取り性の観点から、繊維直径の細い繊維の繊維直径の2倍以上異なることが好ましく、2.5倍以上異なることが更に好ましい。
合成繊維の繊維直径は次のようにして測定される。
【0041】
〔繊維直径の測定法〕
疎水性繊維集合体12の構成繊維14について、ランダムに5本抽出し、マイクロスコープを用いて、抽出した各構成繊維14の繊維直径を測定し、それら5本の測定値の平均値を、当該繊維の繊維直径とする。疎水性繊維集合体12が繊維直径の異なる2種以上の構成繊維14を含んでいる場合も同様に、各繊維について前記手順に準じて測定する。
また、下記式に基づいて、繊度から計算にて概算値を求める事も可能である。
dtex=πr2×10000×ρ×10-6
r=√(dtex/(πρ×10-2))、φμm=2r
【0042】
次に、本発明の清掃用シートの製造方法の好ましい実施態様を、上述した清掃用シート1を製造する場合を例にとり図7図10を参照しながら説明する。
本実施態様の清掃用シートの製造方法においては、先ず、親水性繊維集合体11の両面11a,11bに繊維ウェブの状態の疎水性繊維集合体12,12を積層する。次いで、親水性繊維集合体11の両面11a,11bに疎水性繊維集合体を積層した積層体の両面から高圧水流によって親水性繊維集合体11の構成繊維13と疎水性繊維集合体12の構成繊維14とを絡合させて一体化する。引き続き、一体化した積層体6の両面に起毛加工を施し、次いで、起毛加工された積層体6'の複数箇所に凹凸形状の賦形加工を施し、その後、凹凸賦形された積層体6''にシール加工を施し親水性繊維集合体11と疎水性繊維集合体12とを固着した線状接合部15を形成し清掃用シート1を形成する。以下、具体的に説明する。
【0043】
図7は、本実施態様の清掃用シート1の製造方法に好適に用いられる製造装置20を模式的に示したものである。製造装置20は、上流側から下流側に向かって、重ね合わせ部20A、交絡部20B、起毛加工部20C、凹凸立体賦形加工部20D、固着部20E及び冷却部20Fに大別される。
尚、各図中の符号xで示す矢印は、清掃用シート1の製造時の方向であり、繊維の配向方向に沿うMD方向(X方向)と一致し、各図中の符号yで示す矢印は、ローラ回転軸方向の方向であり、CD方向(Y方向)と一致する。
【0044】
重ね合わせ部20Aは、図7に示すように、上流側から下流側に向かって、繊維ウェブ12a及び12bをそれぞれ製造するカード機21A及び21Bと、繊維ウェブ12a及び12bを繰り出す際に用いるローラ22,22と、カード機21A及び21Bの間に配された親水性繊維集合体11のロール原反23から帯状の親水性繊維集合体11を繰り出す際に用いるローラ24とを備えている。
【0045】
交絡部20Bは、図7に示すように、上流側から下流側に向かって、無端ベルトからなるウェブ支持用ベルト25A及び後述する重ね合わせ体5の一面(片面、上面)側から構成繊維を水流交絡させるウォータージェットノズル26A、ウェブ支持用ベルト25Aの下流側に、無端ベルトからなるウェブ支持用ベルト25B及び後述する重ね合わせ体5の他面(残りの片面、下面)側から構成繊維を水流交絡させるウォータージェットノズル26B、並びにその下流側に乾燥機27を備えている。
【0046】
起毛加工部20Cは、後述する積層体6(清掃用シート1の元のシート)の構成繊維に起毛加工を施す部分であり、図7に示すように、上流側から下流側に向かって、周面に複数個の凸部310が設けられた凸ローラ31と、周面に複数個の凸部340が設けられた凸ローラ34とを備えている。凸ローラ31と凸ローラ34とは、同じローラであるが、凸ローラ31は、後述する一体化後の積層体6の一面(片面)を起毛するローラであり、凸ローラ34は、後述する一体化後の積層体6の他面(残りの片面)を起毛するローラである。凸ローラ31,34は、アルミニウム合金又は鉄鋼等の金属性の円筒形状のものである。凸ローラ31,34は、その回転軸に駆動手段(図示せず)からの駆動力が伝達されることによって回転する。凸ローラ31の回転速度(周速度V3)と凸ローラ34の回転速度(周速度V4)は、製造装置20の備える制御部(不図示)により制御されている。ここで、凸ローラ31の周速度V3とは、凸ローラ31表面での速度を意味し、具体的には、凸部310の先端を結ぶ仮想表面ではなく、凸部310の根元での表面を意味する。同様に凸ローラ34の周速度V4とは、凸ローラ34表面での速度を意味する。
【0047】
起毛加工部20Cは、図7図8に示すように、凸ローラ31の上流側及び下流側に、起毛加工を施す前の積層体6を凸ローラ31に搬送する際に用いるローラ32,33を備え、凸ローラ34の上流側及び下流側に、一面(片面)に起毛加工を施した積層体6'を凸ローラ34に搬送する際に用いるローラ35,36を備えている。積層体6の搬送速度V2は、製造装置20の備える制御部(不図示)により制御されている。ここで、起毛加工を施す前の積層体6の搬送速度V2とは、凸ローラ31に供給される積層体6表面での速度を意味する。各ローラ32,33,35,36は駆動源となるモータの付いていないフリーロールであるが、モータにより駆動されていてもよい。
【0048】
凸ローラ31,34の各凸部310,340は(図8参照)、凸ローラ31,34の周面から凸部310,340の頂点までの高さが、0.01mm以上であることが好ましく、3mm以下、特に1mm以下であることが好ましい。周方向に隣り合う凸部310,340同士の距離(ピッチ)は、0.01mm以上であることが好ましく、50mm以下、特に3mm以下であることが好ましく、回転軸方向に隣り合う凸部310,340同士の距離(ピッチ)は、0.01mm以上であることが好ましく、30mm以下、特に3mm以下であることが好ましい。凸部310,340の単位面積あたりの個数は500個/cm2以上20000個/cm2以下であることが起毛の作用点が多くなり、起毛量の多い積層体6'が得られる点でこのましい。凸ローラ31,34の各凸部310,340の頂部表面の形状に特に制限はなく、例えば、円形、多角形、楕円形等が用いられ、各凸部310,340の頂部表面の面積は、0.001mm2以上、特に0.01mm2以上であることが好ましく、20mm2以下、特に1mm2以下であることが好ましい。
【0049】
本実施形態の製造装置20においては、起毛加工を施す前の積層体6を更に効率よく起毛する観点から、図8に示すように、凸ローラ31の位置より、凸ローラ31の下流側のローラ33の位置を高く設定し、起毛加工を施す前の積層体6が凸ローラ31の接触面に、10〜180°の抱き角βで接触することが好ましく、30〜120°の抱き角βで接触することが更に好ましい。尚、凸ローラ34においても、同様の抱き角βで接触することが好ましい。
【0050】
凹凸立体賦形加工部20Dは、図7図9に示すように、起毛加工の施された積層体6'の複数箇所それぞれに熱変形または塑性変形加工を施す部分であり、本実施形態の製造装置20においては、図7図9に示すように、一対の凹凸ローラ41,42からなるスチールマッチングエンボスローラ43を備え、スチールマッチングエンボスローラ43には、所定温度に加熱可能なように加熱手段(図示せず)が取り付けられている。ここで言う、「熱変形または塑性変形」加工とは、例えば熱可塑性樹脂が軟化点以上に加熱されて変形し、その形状を維持することを意味する。また「軟化点」とは例えば熱可塑性樹脂が機械力等によって変形できる温度を意味する。
スチールマッチエンボスの特徴として凹凸ローラは接触して噛み合うのではなく、機械設定されたクリアランス(隙間)を維持して見掛け上、互いの凹凸が噛み合うような動作を行う。
【0051】
一対の凹凸ローラ41,42は、一方のローラ41が周面に複数個の凸部411を有し、他方のローラ42が、周面に一方のローラ41の凸部411に対応する位置に凸部411が入り込む凹部422を有している。また、他方のローラ42が周面に複数個の凸部421を有し、一方のローラ41が、周面に他方のローラ42の凸部421に対応する位置に凸部421が入り込む凹部412を有している。一対の凹凸ローラ41,42は、それぞれの周面に、凸部411,421及び凹部412,422が何れも千鳥状に配置されている。本実施形態の製造装置20においては、互いの凸部411,421が互いの凹部422,412に対応する位置に設けられている以外は、一方の凹凸ローラ41と他方の凹凸ローラ42とは同じローラである。従って、以下の説明では、同様な部分については、主に、一方の凹凸ローラ41の凸部411及び他方の凹凸ローラ42の凹部412について説明する。
【0052】
一対の凹凸ローラ41,42は、アルミニウム合金又は鉄鋼等の金属性の円筒形状のものである。図10に示すように、本実施形態の製造装置20の備えるスチールマッチングエンボスローラ43は、ローラ41の周面に設けられた複数個の凸部411とローラ42の周面に設けられた複数個の凹部422とが、互いに噛み合わせた際に、接触していないように形成されており、複数個の凸部411は、ローラ41の回転軸方向及び周方向にそれぞれ均一に且つ規則的に配されている。一対のローラ41,42は、ギア(図示せず)を用いて駆動手段(図示せず)からの駆動力が伝達されることによって回転する。尚、起毛している構成繊維の起毛状態が消失しないような観点から、ギアを用いて駆動力を一対のローラに伝達することが好ましい。
一対のローラ41,42の回転速度は、製造装置20の備える制御部(不図示)により制御されている。
【0053】
ローラ41の周面の凸部411の形状は、上部からみて円形、四角形、楕円形、ダイヤ形、長方形(搬送方向又は搬送方向に直交する方向に長い)でもよいが、起毛加工の施された積層体6'の強度低下が少ない点から円形が好ましい。また凸部411を側面から見た形状としては台形、四角形、湾曲形状等があげられ、ローラ回転時の擦り合わせが少ない点から、台形が好ましく、台形の底辺角が70度以上89度以下であることがさらに好ましい。また、積層体6'が接触するローラ41の凸部411の箇所には、予め微細凹凸部を設けておくことで、ローラ41から変形後の積層体6''がはがれる際の起毛処理効果や、起毛状態の回復を行うことができる。
【0054】
図10に示すように、凹凸立体賦形加工部20Dにおいて、ローラ41の各凸部411は、ローラ41の周面から凸部411の頂点までの高さhが、1mm以上、特に2mm以上であることが好ましく、10mm以下、特に7mm以下であることが好ましい。周方向に隣り合う凸部411同士の距離(ピッチP1)は、0.01mm以上、特に1mm以上であることが好ましく、20mm以下、特に6mm以下であることが好ましく、回転軸方向に隣り合う凸部411同士の距離(ピッチP2(不図示))は、0.01mm以上、特に1mm以上であることが好ましく、20mm以下、特に6mm以下であることが好ましい。尚、周方向に隣り合う凸部411同士の距離(ピッチP1)は、ローラ41の円弧の長さを測定して求める。ローラ41の各凸部411の頂部表面の形状に特に制限はなく、例えば、円形、多角形、楕円形等が用いられ、各凸部411の頂部表面の面積は、0.01mm2以上、特に0.1mm2以上であることが好ましく、500mm2以下、特に10mm2以下あることが好ましい。また、隣り合う各凸部411同士の間の各底面の面積は、0.01mm2以上、特に0.1mm2以上であることが好ましく、500mm2以下、特に10mm2以下であることが好ましい。また、凸部411のエッジ部がR形状であることが好ましい。この場合の凸部411の表面の面積は、Rの中間点(凸部を上面から投影して)とする。
【0055】
凹凸立体賦形加工部20Dにおいて、ローラ42の各凹部422は、図9図10に示すように、ローラ41の各凸部411に対応する位置に配されている。ローラ42の各凹部422は、図10に示すように、ローラ41の各凸部411とローラ42の各凸部との噛み合いの深さD(各凸部411と各凹部422とが重なっている部分の長さ)が、0.1mm以上、特に1mm以上であることが好ましく、10mm以下、特に8mm以下であることが好ましい。ローラ41の凸部411の頂部とローラ42の凹部422の底部との間は、起毛加工の施された積層体6'を供給した際に、積層体6'を挟持しないように間隔が開いている方が、変形加工後に得られる積層体6''が、噛み合いにより潰されず、よって起毛状態が消失しないので好ましい。
【0056】
また、凹凸立体賦形加工部20Dは、図7図9に示すように、スチールマッチングエンボスローラ43の上流側及び下流側に、起毛加工の施された積層体6'をスチールマッチングエンボスローラ43に搬送する際に用いるローラ44,45を備えている。
【0057】
固着部20Eは、図7図11に示すように、凹凸立体賦形加工の施された積層体6''にシール加工を施し固着する部分であり、本実施形態の製造装置20においては、図7図11に示すように、超音波ホーン51とパターンローラ52とを備えている。尚、本実施形態の製造装置20においては、超音波ホーン51及びパターンローラ52により超音波シール加工を施すが、ヒートシールローラによりヒートシール加工を施すようにしてもよい。パターンローラ52は、図11に示すように、アルミニウム合金又は鉄鋼等の金属性の円筒形状のものであり、その周面に、製造される清掃用シート1の線状接合部15に対応する凸部520を有している。凸部520は、清掃用シート1の第1の線状接合部15aに対応する第1の凸部520a及び清掃用シート1の第2の線状接合部15bに対応する第2の凸部520bからなる。パターンローラ52は、ギア(図示せず)を用いて駆動手段(図示せず)からの駆動力が伝達されることによって回転する。
パターンローラ52の回転速度は、製造装置20の備える制御部(不図示)により制御されている。
【0058】
凹凸立体賦形加工の施された積層体6''の凸部及び凹部の形状を潰し難い観点から、パターンローラ52の周面の凸部520は、パターンローラ52の周面から凸部520の頂点までの高さh1が、1mm以上、特に2mm以上であることが好ましく、10mm以下、特に8mm以下であることが好ましい。上述したように、第1の凸部520aは第1の線状接合部15aに対応し、第2の凸部520bは第2の線状接合部15bに対応しているので、第1,第2の凸部520a,520bは、上述した第1の線状接合部15aと第2の線状接合部15bとの角度αを満たし、上述した第1,第2の線状接合部15a,15bどうしの間隔W2を満たすように形成されている。第1,第2の凸部520a,520bの頂部の幅は、上述した第1,第2の線状接合部15a,15bの幅W1を満たすように形成されている。
【0059】
冷却部20Fは、図7に示すように、固着一体化後に得られる積層体6'''の一面に臨むエアブローダクト28及び積層体6'''の他面に臨むバキュームコンベア29を有している。エアブローダクト28からは、積層体6'''に向けて冷風が吹き出るようになっている。一方、バキュームコンベア29は、積層体6'''を搬送するメッシュ状の無端縁ベルトからなる。バキュームコンベア29は、メッシュ状のベルトを通じて、エアブローダクト28から吹き出された冷風を吸引する構造となっている。尚、冷却部20Fはこれに限られず、他の冷却手段を用いることもできる。例えば、内部に冷却水を流通させた水冷式ローラや、周面から内部に向けてエアの吸引が可能なバキューム式ローラを用いることができる。また、エアブローダクトから吹き出された空気によって、凹凸形状の賦形加工で倒れてしまった起毛繊維を起こす効果も期待できる。
【0060】
次に、上述した製造装置20を用いて伸縮性シート1を製造する実施態様について、図7図11を参照しながら説明する。
先ず、重ね合わせ部20Aにおけるカード機21A、21Bの各々から連続的に疎水性繊維集合体となる繊維ウェブ12a及び12bが、ローラ22、22を介してそれぞれ繰り出される。一方、カード機21A、21Bの間に配設された親水性繊維集合体11のロール原反23から、ローラ24を介して不織布状の親水性繊維集合体11が繰り出される。そして、親水性繊維集合体11の両面に、ローラ22、22により、繊維ウェブ12a及び12bがそれぞれ重ね合わされて重ね合わせ体5(積層体)が形成される。
【0061】
次いで、親水性繊維集合体11の両面11a,11bに疎水性繊維集合体を積層した重ね合わせ体5(積層体)の両面から高圧水流によって親水性繊維集合体11の構成繊維13と疎水性繊維集合体12の構成繊維14とを絡合させて一体化する。詳述すると、交絡部20Bにおいて、ウェブ支持用ベルト25上に移載され搬送される重ね合わせ体5は、その両面がウォータージェットノズル26A,26Bより噴出される高圧のジェット水流により交絡処理される。これにより、重ね合わせ体5中の繊維ウェブ12a,12bの構成繊維14どうしの間が絡合されて清掃用シート1の表面層となる疎水性繊維集合体12の繊維層が形成されると共に、疎水性繊維集合体12の構成繊維14が親水性繊維集合体11の内側に入り込んで構成繊維13と絡合して、三者を一体化した積層体6が得られ、乾燥機27によって水分除去された積層体6が得られる。この一体化した積層体6が、最終的に製造される清掃用シート1の元になるシートである。
【0062】
次いで、一体化した積層体6の両面に起毛加工を施す。詳述すると、起毛加工部20Cにおいて、積層体6に、積層体6の構成繊維14、即ち、清掃用シート1の元のシートを形成する疎水性繊維集合体12の構成繊維14(または疎水性繊維集合体12の構成繊維14及び親水性繊維集合体11の構成繊維13)を起毛して、該元のシートの表面から構成繊維14の端部を露出させる起毛加工を施す。本実施態様においては、図7に示すように、積層体6を、ローラ32,33により、周面に凸部310が設けられた凸ローラ31に供給し、図7の方向に回転している凸ローラ31によって、積層体6を形成する疎水性繊維集合体12の構成繊維14を積層体6の一面(上面)から起毛させ、一面(上面)から構成繊維14の端部を露出させる。更に、一面(上面)が起毛した積層体6を、ローラ35,36により、周面に凸部340が設けられた凸ローラ34に供給し、図7の方向に回転している凸ローラ34によって、積層体6を形成する疎水性繊維集合体12の構成繊維14を積層体6の他面(下面)からも起毛させ、他面(下面)から構成繊維14の端部を露出させる。尚、親水性繊維集合体11の状態又は一体化の状態によっては、親水性繊維集合体11の構成繊維13が、一面(上面)又は他面(下面)から起毛されることもある。
【0063】
本実施態様においては、積層体6の構成繊維14を積層体6の表面から効率的に起毛させ、ネックインや皺の少ない積層体6'を得ることができる観点から、図7図8に示すように、凸ローラ31の回転方向を、積層体6の搬送方向xに対して逆方向に回転させることが好ましい。このように逆方向に回転させる場合には、V3(凸ローラ31の周速度)/V2(積層体6の搬送速度)の値が0.3以上20以下であり、V3>V2であることが好ましく、V3/V2の値が1.1以上、特に1.5以上であることが好ましく、15以下、特に12以下であることが、十分な起毛ができローラに繊維の絡みつきも少ないため、特に好ましい。逆方向に回転させ周速度に差があることで、より起毛量が増える。
尚、凸ローラ31が逆方向でなく、積層体6の搬送方向xに対して正方向である場合には、積層体6の搬送速度V2と凸ローラ31の周速度V3との関係を、V3/V2の値が1.1以上、更に1.5以上、特に2以上とすることが好ましく、20以下、更に10以下、特に8以下とすることが好ましい。
【0064】
凸ローラ34の回転方向も凸ローラ31の回転方向と同様である。積層体6の搬送方向xに対して逆方向に回転させることが好ましい。このように逆方向に回転させる場合には、V4(凸ローラ34の周速度)/V2(積層体6の搬送速度)の値が0.3以上20以下であり、V4>V2であることが好ましく、V4/V2の値が1.1以上、特に1.5以上であることが好ましく、15以下、特に12以下であることが、十分な起毛ができローラに繊維の絡みつきも少ないため、好ましい。逆方向に回転させ周速度に差があることで、より起毛量が増える。尚、凸ローラ34が逆方向でなく、積層体6の搬送方向xに対して正方向である場合には、積層体6の搬送速度V2と凸ローラ34の周速度V4との関係を、V4/V2の値が1.1以上、更に1.5以上、特に2以上とすることが好ましく、20以下、更に10以下、特に8以下とすることが特に好ましい。
【0065】
尚、ローラ速度と凸ローラの形状によって任意に起毛状態を制御する事が出来る。つまり凸ローラの状態によって周速度比を適宜変更する。あるいは、周速度比は一定で凸ローラの形状を適宜変更する事で起毛状態を任意に変更する事が出来る。起毛状態とは、起毛本数や起毛高さを示す。
【0066】
次いで、起毛加工された積層体6'の複数箇所に凹凸形状の賦形加工を施す。詳述すると、凹凸立体賦形加工部20Dにおいて、起毛加工の施された積層体6'に複数の凸部2及び凹部3を有するように、積層体6'の複数箇所それぞれに凹凸形状の賦形加工を施す。本実施態様においては、図7図9に示すように、起毛加工の施された積層体6'を、ローラ44,45により凹凸立体賦形加工部20Dの有するスチールマッチングエンボスローラ43の一対のローラ41,42間に供給し、積層体6'に変形加工を施す。具体的には、ローラ44,45により搬送された積層体6'を、図9図10に示す、一方のローラ41の有する複数個の凸部411と、他方のローラ42の有する複数個の凹部422との間で挟圧し、変形加工によって、起毛加工の施された積層体6'の複数箇所それぞれに搬送方向x及び搬送方向に直交する幅方向yに変形加工を施し、変形加工の施された積層体6''を得る。変形加工の施された積層体6''には、ローラ41に施された凹凸形状に対応する凹凸形状が付与される。
【0067】
凹凸立体賦形加工部20Dにおいては、起毛加工の施された積層体6'にローラ41,42による凹凸形状を残し、クッション性に優れる積層体6''を得る観点、及び凹凸形状の凹部においても起毛させ、ゴミ捕集性に優れる積層体6''を得る観点から、積層体6'の骨格材である親水性繊維集合体11を構成する構成繊維の軟化点以上の温度で変形加工を施すことが好ましく、該構成繊維の融点以上の温度で行うことも効果的である。これによって、親水性繊維集合体11を確実に凹凸形状に賦形することができ、且つ凹凸形状を安定的に維持させることが可能となる。
【0068】
凹凸立体賦形加工部20Dにおいては、起毛加工の施された積層体6'における疎水性繊維集合体12(繊維ウェブ12a及び12b)がダストを捕集する性能を低下させない条件で行うことが好ましい。例えば、疎水性繊維集合体12(繊維ウェブ12a及び12b)の構成繊維14が熱可塑性の合成繊維を含む場合、該熱可塑性の合成繊維が溶融する温度で変形加工を行うと、疎水性繊維集合体12(繊維ウェブ12a及び12b)がダストを捕集する性能が低下してしまう。そこで、凹凸立体賦形加工部20Dの条件としては、ダスト捕集性能の低下を招き難い観点から、構成繊維14の熱可塑性の合成繊維の融点より低い温度で変形加工を施すことが好ましい。
【0069】
その後、凹凸賦形された積層体6''にシール加工を施し親水性繊維集合体11と疎水性繊維集合体12とを固着した線状接合部15を形成し、シール加工が施された積層体6'''が得られる。詳述すると、図7図11に示すように、固着部20Eにおいて、凹凸賦形された積層体6''を、超音波ホーン51とパターンローラ52との間に搬送し、凹凸賦形された積層体6''にシール加工を施し、パターンローラ52の周面に形成されている凸部520(第1の凸部520a及び第2の凸部520b)により、線状接合部15(第1の線状接合部15a及び第2の線状接合部15b)を形成し、線状接合部15(第1の線状接合部15a及び第2の線状接合部15b)にて、親水性繊維集合体11と親水性繊維集合体11の両面それぞれに配された疎水性繊維集合体12とを固着一体化する。シール加工は、一対の熱ローラを用いる熱シール加工に比べてローラに余熱が発生し難いので、凹凸賦形された凹凸形状を崩し難く有効である。
【0070】
凹凸立体賦形加工部20Dにより変形加工が施され、更に固着部20Eによりシール加工が施されて得られる積層体6'''は、変形加工及びシール加工によって温度が高い状態になっている。固着後も温度が高い状態が続くと、凹凸形状の賦形により三次元形状となった親水性繊維集合体11の嵩高性が減じられてしまう可能性がある。そこで、積層体6'''を冷却部20Fに通して冷却して、積層体6'''における親水性繊維集合体11の凹凸形状の賦形状態を固定化して清掃用シート1を連続的に製造する。尚、変形加工の条件によっては(例えば加熱温度が低い場合)、この冷却部20Fは必要ない場合があり、その場合には、起毛加工が施された後、シール加工が施されることにより、目的とする清掃用シート1が連続的に製造される。
【0071】
尚、製造された清掃用シート1の連続体は、通常、図7に示すように、ロール巻取において、ロール状に捲回されたロール状態で保管される。このようなロール状態で保管されることにより、清掃用シート1の凸部2の表面から起毛している繊維が潰れ易い。従って、清掃用シート1においては、図3に示すように、自然状態において、凹部3の表面から起毛している構成繊維14(凹部3の起毛している繊維)の見かけ本数が、凸部2の表面から起毛している構成繊維14(凸部2の起毛している繊維)の見かけ本数よりも多くなる。
または、製造された清掃用シート1の連続体は、図7に示すように、製品加工・包装部において、折畳み・積み上げ等の製品加工が施されるような場合でも清掃用シート1の凸部2の表面から起毛している繊維が潰れ易い。このような時も清掃用シート1においては、図3に示すように、凹部3の表面から起毛している構成繊維14の見かけ本数が、自然状態において、凸部2の表面から起毛している構成繊維14の見かけ本数よりも多くなる。
【0072】
尚、本実施態様の清掃用シート1の製造方法によれば、ロール状態や製品状態で保管されて、清掃用シート1の凹凸形状がいったんは潰れても、その後の使用時に、例えば熱風処理を施すことにより、凹凸形状の回復や凸部2の表面において潰れた構成繊維を、再び起毛させることができる。
【0073】
以上のように製造された清掃用シート1は、上述したように乾拭き用(乾式)の清掃用シートとして使用されるが、清掃用シート1に、用途に応じて、事前に油剤等を塗工した水拭き用(湿式)の清掃用シートとしても使用される。前記油剤としては、鉱物油、合成油、シリコーン油及び界面活性剤の内少なくとも1種類以上を含んでいるものが好ましい。鉱物油としては、パラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、芳香族炭化水素等が用いられる。合成油としては、アルキルベンゼン油、ポリオレフィン油、ポリグリコール油等が用いられる。シリコーン油としては、鎖状ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキサン又は各種変性シリコーン等が用いられる。界面活性剤は、陽イオン系としては、炭素数10以上22以下のアルキル基又はアルケニル基を有するモノ長鎖アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム塩、モノ長鎖アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩等が挙げられ、非イオン系としては、ポリオキシエチレン(6〜35モル)長鎖アルキル又はアルケニル(第1級又は第2級C8〜C22)エーテル、ポリオキシエチレン(6〜35モル)アルキル(C8〜C18)フェニルエーテル等のポリエチレングリコールエーテル型、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、あるいはグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルグリコシド等の多価アルコール型等が挙げられる。塗工工程は、凹凸立体賦形加工部20Dの前後どちらで行ってもよい。
【0074】
清掃用シート1を清掃用シートに用いる際には、図12に示すように、ヘッド部71及びヘッド部71に連結された柄72を備えた清掃具7におけるヘッド部71に装着されて使用される。ヘッド部71の装着面(底面)は、平面視で長方形状であり、清掃用シート1は、例えば、ヘッド部71の長手方向と、清掃用シート1の構成繊維の配向方向に沿うX方向とが一致するように装着される。清掃用シート1は、装着された際に、起毛面がヘッド部71の外方(清掃時の被清掃面の方向)に向くように、ヘッド部71の底面に配され、次に、清掃用シート1の長手方向に沿う両側縁部をヘッド部71の上面側に折り返し、折り返された両側縁部を、ヘッド部71における、スリットを有する可撓性の複数のシート保持部73内に押し込んで固定されて使用される。清掃用シート1の取り付けられた清掃具7は、通常の使用態様においては、ヘッド部71をその幅方向に移動(特に往復移動)させて清掃を行う。つまり、清掃具7の清掃方向は、ヘッド部71の幅方向であり、清掃用シート1のY方向である。清掃用シート1の取り付けられた清掃具7は、例えば、フローリング床、壁、天井、ガラス、畳、鏡や家具、家電製品、家の外壁、自動車のボディなどの硬質表面の拭き清掃に用いることができる。
【0075】
清掃用シート1の取り付けられた清掃具7が、フローリング床の拭き清掃に使用されると、親水性繊維集合体11と疎水性繊維集合体12とを固着した線状接合部15が形成されているので、掃除中に伸び難くワイパーからの外れ等の不具合が起こり難い。特に、線状接合部15が、X方向に交差する方向に形成されていれば、清掃用シート1がY方向に延び難くなり、更にワイパーからの外れの不具合が起こり難い。
また、清掃用シート1の取り付けられた清掃具7を、フローリング床の拭き清掃に使用する際に、掃除中に水はね等を見つけたとしても、乾拭きすることにより水を吸収することができる。ここで、清掃用シート1は、図3図4に示すように、疎水性繊維集合体12の構成繊維14が、親水性繊維集合体11の内側に入り込んで構成繊維13と絡合して形成されているので、一度吸収した水を、内側の親水性繊維集合体11にスムーズに移行させ易い。その為、一度吸収した水を内側の親水性繊維集合体11から親水性繊維集合体11の両面に配された疎水性の合成繊維を主体とする疎水性繊維集合体12に戻し難く、床面に戻し難い。
【0076】
また、清掃用シート1の取り付けられた清掃具7が、フローリング床の拭き清掃に使用されると、清掃用シート1が、図1に示すように、複数の凸部2及び凹部3を有するように三次元状に凹凸形状に賦形されており、構成繊維14が凸部2のみならず凹部3の表面からも起毛しているので、髪の毛や綿埃のゴミを更に効率よく捕集できると共に、凹部3に粒子状のゴミが立体的に保持されやすく、凹部3に保持された粒子状のゴミが構成繊維14により絡められ、粒子状のゴミが落ち難く、捕集効率が向上する。
【0077】
また、清掃用シート1の取り付けられた清掃具7が、フローリング床の拭き清掃に使用されると、清掃用シート1が、図1に示すように、複数の凸部2及び凹部3を有するように三次元状に凹凸形状に賦形されているので、汚れの捕集性能が向上し、特に湿潤時における綿埃の保持性能が向上する。更に、清掃用シート1が三次元状に凹凸形状に賦形されているので、清掃具7に装着して清掃する際の操作性が向上する。
【0078】
本発明は、前記実施形態に制限されない。
例えば、上述した清掃用シート1は、図1に示すように、親水性繊維を主体とする親水性繊維集合体11の両面11a,11bに直接、疎水性の合成繊維を主体とする疎水性繊維集合体12を配しているが、強度を出しつつ伸度を抑える観点から、親水性繊維集合体11の少なくとも片面に網状シートを配して、網状シートを介して疎水性繊維集合体12を配するようにしてもよい。このような網状シートは、例えば、全体として格子状に形成された樹脂製のネットである。網状シートの線径は好ましくは50μm以上、特に100μm以上であることが好ましく、600μm以下、特に400μm以下であることが好ましい。線間距離は好ましくは2mm以上、特に4mm以上であることが好ましく、30mm以下、特に20mm以下であることが好ましい。網状シートは、熱収縮性であってもなくてもよい。
【0079】
網状シートの構成材料としては、例えば、米国特許第5,525,397号明細書の第3欄39〜46行に記載の材料が使用できる。特に、各種熱可塑性樹脂が好適に用いられる。清掃用シート1に荷重が加わってもその嵩高性を維持する観点から、網状シートの構成材料は弾力性を有するものであることが好ましい。具体的には、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、ビニル系樹脂、ビニリデン系樹脂などが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブデン等が挙げられる。ポリエステル系樹脂としてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。ポリアミド系樹脂としてはナイロン等が挙げられる。ビニル系樹脂としてはポリ塩化ビニル等が挙げられる。ビニリデン系樹脂としてはポリ塩化ビニリデン等が挙げられる。これら各種樹脂の変成物や混合物等を用いることもできる。
【0080】
また、上述した清掃用シート1は、図1に示すように、一面1aのみならず他面1bも、起毛加工されているが、何れか一方の片面のみ起毛加工されていてもよい。このように、片面のみ(一面1aのみ又は他面1bのみ)起毛加工する場合、製造装置20の起毛加工部20Cの備える凸ローラ31及び凸ローラ34の何れか一方の凸ローラのみを備えるようにすればよい。
【0081】
また、上述した清掃用シート1は、図1に示すように、複数の凸部2及び凹部3を有するように三次元状に凹凸形状の賦形がされており、凸部2及び凹部3が千鳥格子状の配置パターンをなしているが、さらに、意匠性を持たせるため、凸部2凹部3をストライプ状に配置したり、凸部2凹部3にパターン的に模様をつけた賦形形状であったりしてもよい。また、凸部2凹部3全面に起毛が施される場合の他、シート表面を部分的に起毛させた後、凹凸形状に賦形する事で凹凸形状において部分的に起毛させたりすることも出来る。
【0082】
また、清掃用シート1の製造方法に用いられる製造装置20においては、図7に示すように、起毛加工部20Cに、周面に凸部310,340が設けられた凸ローラ31,34を備えているが、凸ローラ31,34に換えて、互いに噛み合う歯溝が周面に設けられた一対の歯溝ローラを備えていてもよいし、ローレット加工したローラや溶射加工したローラ、カードワイヤーでもよい。また摩擦抵抗のある素材、例えばゴムやサンドペーパー等を周面に設けたゴムローラやサンドローラであってもよい。さらに、清掃用シート1の積層体6を形成する重ね合わせ部20A、交絡部20B、起毛加工部20Cによる起毛加工、凹凸立体賦形加工部20D及び固着部20Eによる変形加工は連続して行ってもよく、断続的に行ってもよい。
【0083】
また、清掃用シート1の製造方法においては、図7に示すように、親水性繊維集合体11として、ロール原反23から繰り出される不織布状のものを用いていたが、繊維ウェブ状のものを用いてもよい。その場合、カード機21A、21Bの間に、別のカード機を配設し、該別のカード機から連続的に繊維ウェブ状の親水性繊維集合体11を繰り出すようにすればよい。
【0084】
前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記(清掃用シート、清掃用シートの製造方法)を開示する。
【0085】
<1>親水性繊維を主体とする親水性繊維集合体と該親水性繊維集合体の両面に配された疎水性の合成繊維を主体とする疎水性繊維集合体とを有し、該疎水性繊維集合体の構成繊維どうしが絡合していると共に、該疎水性繊維集合体の構成繊維が前記親水性繊維集合体の内側に入り込んで前記親水性繊維集合体の構成繊維と絡合して、該親水性繊維集合体と該疎水性繊維集合体とが一体化された清掃用シートであって、
前記清掃用シートは、両面に複数の凸部と複数の凹部とを有するように三次元状に凹凸形状に賦形されており、一面に形成された凸部は、もう一方の他面では凹部となっており、他面に形成された凸部は、一面では凹部となっており、前記親水性繊維集合体と前記疎水性繊維集合体とを固着した線状接合部を有している清掃用シート。
【0086】
<2>複数の前記凸部及び前記凹部それぞれの表面から起毛している繊維を有する前記<1>に記載の清掃用シート。
<3>前記起毛している繊維は、前記疎水性繊維集合体の構成繊維、または前記疎水性繊維集合体の構成繊維及び前記親水性繊維集合体の構成繊維である前記<2>に記載の清掃用シート。
<4>前記凹部の前記起毛している繊維の本数が、前記凸部の前記起毛している繊維の本数よりも多い前記<2>又は<3>に記載の複合シート。
<5>前記凹部の前記起毛している繊維の高さは0.1mm以上、特に0.5mm以上が好ましく、30mm以下、特に20mm以下が好ましい前記<2>〜<4>の何れか1に記載の清掃用シート。
<6>前記凹部の前記起毛している繊維の本数は5本以上/10mm幅,特に10本以上/10mm幅が好ましく、100本以下/10mm幅、特に90本以下/10mm幅が好ましい前記<2>〜<5>の何れか1に記載の清掃用シート。
<7>前記凸部の前記起毛している繊維の高さは0.1mm以上、特に0.5mm以上が好ましく、30mm以下、特に20mm以下が好ましい前記<2>〜<6>の何れか1に記載の清掃用シート。
<8>前記凸部の前記起毛している繊維の本数は5本以上/10mm幅,特に10本以上/10mm幅が好ましく、80本以下/10mm幅、特に70本以下/10mm幅が好ましい前記<2>〜<7>の何れか1に記載の清掃用シート。
<9>前記線状接合部と、最も近い距離dで隣接する前記凸部どうしの頂部を結ぶ仮想線とが、交差している前記<1>〜<8>の何れか1に記載の清掃用シート。
<10>前記仮想線と前記線状接合部とが交差する角度は、3°以上30°以下である前記<9>に記載の清掃用シート。
<11>前記清掃用シートを平面視したときの前記凸部の面積は1mm2以上、より好ましくは4mm2以上であり、100mm2以下、より好ましくは25mm2以下である前記<1>〜<10>の何れか1に記載の清掃用シート。
<12>前記清掃用シートを平面視したときの前記凹部の面積は1mm2以上、より好ましくは4mm2以上であり、100mm2以下、より好ましくは25mm2以下である前記<1>〜<11>の何れか1に記載の清掃用シート。
<13>前記線状接合部の接合部幅は、0.3mm以上、さらに好ましくは0.5mm以上であることが好ましく、5mm以下、さらに好ましくは3mm以下であることが好ましい前記<1>〜<12>の何れか1に記載の清掃用シート。
<14>長手方向(X方向)における凸部間及び凹部間それぞれの間隔は、1mm以上、より好ましくは4mm以上であることが好ましく、20mm以下である前記<1>〜<13>の何れか1に記載の清掃用シート。
<15>幅方向(Y方向)における凸部間及び凹部間それぞれの間隔は、1mm以上、より好ましくは4mm以上であることが好ましく、20mm以下である前記<1>〜<14>の何れか1に記載の清掃用シート。
ましい。
<16>線状接合部どうし間の間隔は、10mm以上、さらに好ましくは13mm以上であることが好ましく、40mm以下、さらに好ましくは30mm以下であることが好ましい前記<1>〜<15>の何れか1に記載の清掃用シート。
<17>親水性繊維集合体の清掃用シート全体に占める割合は、30質量%以上、特に40質量%以上であることが好ましく、75質量%以下、特に70質量%以下であることが好ましい前記<1>〜<16>の何れか1に記載の清掃用シート。
<18>前記親水性繊維集合体の坪量は、片面当たりの前記疎水性繊維集合体の坪量よりも高い前記<1>〜<17>の何れか1に記載の清掃用シート。
<19>前記線状接合部は、連続線、あるいは平面視において長方形、正方形、菱形、円形、十字等の多数の接合点が間欠的に連なって全体として連続線である前記<1>〜<18>の何れか1に記載の清掃用シート。
【0087】
<20>前記<2>に記載の清掃用シートの製造方法であって、
前記親水性繊維集合体の両面に前記疎水性繊維集合体を積層した積層体の両面から高圧水流によって該親水性繊維集合体の前記構成繊維と該疎水性繊維集合体の前記構成繊維とを絡合させて一体化し、一体化した積層体の両面に起毛加工を施し、起毛加工された積層体の複数箇所に凹凸形状の賦形加工を施し、凹凸賦形された積層体にシール加工を施し線状接合部を形成し前記親水性繊維集合体と前記疎水性繊維集合体とを固着一体化して清掃用シートを形成する清掃用シートの製造方法。
【0088】
<21>前記起毛加工は、回転している周面に複数個の凸部が設けられた凸ローラにより行われる前記<20>に記載の清掃用シートの製造方法。
<22>前記凸ローラの回転方向は、積層体の搬送方向に対して逆方向に回転されている前記<21>に記載の清掃用シートの製造方法。
<23>前記凸ローラの周速度V3と積層体の搬送速度V2との比(V3/V2)の値が、0.3以上、1.1以上がより好ましく、特に1.5以上が好ましく、20以下であり、15以下がより好ましく、特に12以下が好ましく、V3>V2であることが好ましい前記<22>に記載の清掃用シートの製造方法。
<24>前記凹凸形状の賦形加工は、一対の凹凸ローラからなるスチールマッチングエンボスローラで行われる前記<20>〜<23>の何れか1に記載の清掃用シートの製造方法。
<25>前記凸部は、前記仮想線が第1の方向になるように等間隔で複数配列され、該第1の方向と直交する第2の方向に前記距離と略同じ距離で隣接するように複数配列されており、4つの前記凸部で囲まれた部分には、それぞれ凹部が配列されたパターンの凹凸形状に賦形されている前記<9>〜<19>のいずれか1に記載の清掃用シート。
<26>前記線状結合部は、前記第1の方向および前記第2の方向と交差している前記<25>記載の清掃用シート。
<27>前記線状接合部は、互いに平行に且つ所定の間隔で形成された多数本の第1の線状接合部と、互いに平行に且つ所定の間隔で形成された多数本の第2の線状接合部とを有している<25>〜<26>のいずれか1に記載の清掃用シート。
<28>前記第1の線状接合部、前記第2の線状接合部いずれもが、前記第1の方向および前記第2の方向と交差している前記<27>記載の清掃用シート。
<29>前記第1の線状接合部と前記第2の線状接合部とのなす角度が、20度以上160度以下である前記<27>〜<28>の何れか1に記載の清掃用シート。
【実施例】
【0089】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例によって何ら制限されるものではない。
【0090】
[実施例1]
図7に示す方法で図1に示す清掃シートを製造した。ポリエステル繊維(1.45dtex繊維長38mm;100%)を原料とし、常法のカード法を用い坪量30g/m2の繊維ウェブを得た。骨格材である親水性繊維集合体としては、親水性繊維であるレーヨン繊維を100質量%含むスパンレース不織布(坪量40g/m2)を用いた。スパンレース不織布の上下面に繊維ウェブを重ね合わせた後、複数のノズルから噴出したジェット水流で絡合一体化し、その後乾燥し、疎水性繊維集合体を有する積層体を得た。次に、積層体の両面を凸ローラ31,34により起毛加工した。凸ローラ31,34は、積層体の搬送方向に対して、逆方向に回転させ、抱き角βはそれぞれ130度であった。凸ローラ31,34の凸部310,340の高さは約0.07mm、周方向に隣り合う凸部同士の距離(ピッチ)及び回転軸方向に隣り合う凸部同士の距離(ピッチ)は、それぞれ、約0.22mm、凸部の単位面積あたりの個数は2000個/cm2であった。次いで、スチールマッチングエンボスローラ43に通し、凹凸形状の賦形(変形)加工をした。ローラ41とローラ42の表面温度は105℃であった。ローラ41における各凸部411は、その高さが2.0mmであり、ローラ41の各凸部411とローラ42の各凹部422との噛み合いの深さは、1.6mmであった。また、回転軸方向に隣り合う凸部411同士の距離(ピッチ)は、7mmであり、周方向に隣り合う凸部411同士の距離(ピッチ)は、7mmであった。その後、超音波ホーン51とパターンローラ52との間に搬送して、線状接合部を形成し、スパンレース不織布とスパンレース不織布の上下面に配された繊維ウェブとを固着一体化した。形成された線状接合部については、第1の線状接合部15aと第2の線状接合部15bとの交差角度αは67度(各接合線はMD(X方向)に対して67/2度)であり、第1,第2の線状接合部の幅W1は1mmであり、第1の線状接合部15aどうし間の間隔及び第2の線状接合部15どうし間の間隔W2は22mmであった。以上の条件で、実施例1の清掃用シートを作製した。作製された清掃用シートは、隣接する凸部2どうしの頂部を結ぶ第1の仮想線ILaと第1の線状接合部15aとの交差角度γ10°であり、隣接する凸部2どうしの頂部を結ぶ第仮想線ILbと第2の線状接合部15bとの交差角度δは10°であった。
【0091】
[実施例2]
凸ローラ31,34を用いて起毛加工を施さない以外は、実施例1と同様にして、実施例2の清掃用シートを作製した。
【0092】
[実施例3]
スパンレース不織布の下面側にのみ網状シートを配し、スパンレース不織布の上面に繊維ウェブを重ね、スパンレース不織布の下面に網状シートを介して繊維ウェブを重ね合わせた後、ジェット水流で絡合一体化して積層体を得る以外は、実施例1と同様にして、実施例2の清掃用シートを作製した。
【0093】
[実施例4]
骨格材として、親水性繊維であるレーヨン繊維を80質量%とポリプロピレンとポリエチレンからなる芯鞘型繊維を20質量%含むスパンレース不織布(坪量50g/m2)を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例4の清掃用シートを作製した。
【0094】
[比較例1]
実施例1と同様に、ポリエステル繊維(1.45dtex繊維長38mm;100%)を原料とし、常法のカード法を用い坪量30g/m2の繊維ウェブを得た。実施例1と同様に、親水性繊維集合体としては、親水性繊維であるレーヨン繊維を100質量%含むスパンレース不織布(坪量40g/m2)を用いた。実施例1と同様に、スパンレース不織布の上下面に繊維ウェブを重ね合わせた後、複数のノズルから噴出したジェット水流で絡合一体化し、その後乾燥し、疎水性繊維集合体を有する積層体を得た。このように得られた積層体を比較例1の清掃用シートとした。このように、比較例1の清掃用シートは、実施例の清掃用シートに比べて、線状接合部により固着一体化されていないシートである。
【0095】
[比較例2]
市販の清掃用シート(商品名「クイックルワイパー 立体吸着ドライシート」、花王(株)製)を比較例2の清掃用シートとした。
【0096】
[比較例3]
実施例1と同様に、ポリエステル繊維(1.45dtex繊維長38mm;100%)を原料とし、常法のカード法を用い坪量30g/m2の繊維ウェブを得た。親水性繊維集合体を用いずに、繊維ウェブのみを、実施例1と同様に、複数のノズルから噴出したジェット水流で絡合させ、その後乾燥し、疎水性繊維集合体を得た。このように得られた繊維集合体を比較例3の清掃用シートとした。
【0097】
[比較例4]
実施例1の清掃用シートを作製する際に、親水性繊維集合体として用いた、親水性繊維であるレーヨン繊維を100質量%含むスパンレース不織布(坪量40g/m2)を比較例4の清掃用シートとした。
【0098】
〔性能評価〕
実施例1〜4、比較例1〜4の清掃用シートに関し、下記方法に従って、水はねの吸収性、髪の毛捕集性、微細ダスト捕集性、綿埃保持性、シート伸度、清拭抵抗をそれぞれ評価した。評価環境は室温20℃、湿度60%RHであった。それらの結果を下記表1に示す。
【0099】
〔水はねの吸収性能〕
クイックルワイパー(登録商標)〔花王(株)製〕のヘッド部に実施例1〜4、比較例1〜5の清掃用シートを装着した。30cm×90cmのフローリング(松下電工(株)製 ウッディF)上に、0.3mlのイオン交換水を滴下し、ヘッド部に装着した清掃用シートで一定のストローク(60cm)で片道1回清拭し、その後、清掃用シートに吸水したイオン交換水の質量を測定した。清掃用シートに吸水したイオン交換水の質量は、清拭後の清掃用シートの総質量から、予め測定した清掃用シートの総質量を差し引くことで測定される。この操作を連続5枚実施して、1.5ml中何mlのイオン交換水が吸収されたかを測定した。吸収されたイオン交換水の質量を1.5で除し、これに100を乗じて、水の吸収率(%)とした。
水はねの吸収性は以下の基準に基づいて評価した。
A:吸水率が70%以上であり、吸水性は良好。
B:吸水率が50%以上70%未満であり、吸水性は実用上十分なレベル。
C:吸水率が40%以上50%未満であり、吸水性にやや劣るが実用可能なレベル。
D:吸水率が40%未満であり、吸水性は実用不可レベル。
【0100】
〔髪の毛の捕集性能〕
<乾いた床(Dry床)の髪の毛捕集性能>
クイックルワイパー(登録商標)〔花王(株)製〕のヘッド部に実施例1〜4、比較例1〜4の清掃用シートを装着した。30cm×90cmのフローリング(松下電工(株)製 ウッディF)上に約10cmの髪の毛を10本散布し、その上に清掃用シートを装着したヘッド部を乗せて一定のストローク(60cm)で1往復清拭し、清掃用シートに捕集された髪の毛の本数を測定した。この操作を連続5枚実施して、50本中何本の髪の毛が捕集されたかを測定した。捕集された髪の毛の数を50で除し、これに100を乗じて、その値を髪の毛の捕集率(%)とした。
【0101】
〔髪の毛の捕集性能〕
<湿潤床(Wet床)の髪の毛捕集性能>
クイックルワイパー(登録商標)〔花王(株)製〕のヘッド部に実施例1〜4、比較例1〜4の清掃用シートを装着した。30cm×90cmのフローリング(松下電工(株)製 ウッディF)に0.3mlのイオン交換水を滴下して、ワイパーヘッドの大きさ(約10cm×25cm)の範囲で塗り広げた後、そこに約10cmの髪の毛を10本散布し、指でイオン交換水と髪の毛をなじませる。その上に清掃用シートを装着したヘッド部を乗せて一定のストローク(60cm)で5往復清拭し、清掃用シートに捕集された髪の毛の本数を測定した。この操作を連続5回実施して、50本中何本の髪の毛が捕集されたかを測定した。捕集された髪の毛の数を50で除し、これに100を乗じて、その値を髪の毛の捕集率(%)とした。
乾いた床、湿潤床におけるシートの髪の毛の捕集性は以下の基準に基づいて評価した。
A:捕集率80%以上であり、髪の毛捕集性は良好。
B:捕集率60%以上80%未満であり、髪の毛捕集性は実用上十分なレベル。
C:捕集率40%以上60%未満であり、髪の毛捕集性にやや劣るが実用可能なレベル。
D:捕集率40%未満であり、髪の毛捕集性は実用不可レベル。
【0102】
〔微細ダストの捕集性能〕
クイックルワイパー(登録商標)〔花王(株)製〕のヘッド部に実施例1〜4、比較例1〜4の清掃用シートを装着した。90cm×90cmのフローリング(松下電工(株)製 ウッディF)の略全面に、試験用ダスト7種(日本粉体工業技術協会製、「JIS Z 8901「試験用粉体及び試験用粒子」に規定する試験用粉体1の7種」)0.2g(7種の合計重量が0.2g)を散布した後、その上に清掃用シートを装着したヘッド部を乗せて一定のストローク(90cm)で該フローリング面の全域を2回清拭し、清掃用シートに付着したダストの質量を測定した。清掃用シートに付着したダストの質量は、清拭後の清掃用シートの総質量から、予め測定した清拭前の清掃用シートの総質量を差し引くことで測定される。以上の操作を、1種類の清掃用シートにつき5枚連続して実施して、5枚の清掃用シートによって捕集されたダストの総質量(捕集総質量)を記録した。そして、この捕集総質量を1.0(散布されたダストの総質量)で除し、更に100を乗じて得た値を微細ダスト捕集率(%)とし、その捕集率を以下の基準に基づき微細ダスト捕集性として評価した。
A:捕集率が70%以上であり、微細ダストの捕集性は良好。
B:捕集率50%以上70%未満であり、微細ダストの捕集性は実用上十分なレベル。
C:捕集率40%以上50%未満であり、微細ダストの捕集性にやや劣るが実用可能なレベル。
D:捕集率40%未満であり、微細ダストの捕集性は実用不可レベル。
【0103】
〔モデル綿埃の保持性能〕
クイックルワイパー(登録商標)〔花王(株)製〕のヘッド部に実施例1〜4、比較例1〜4の清掃用シートを装着した。清掃用シートとフローリングが接触する部分(約10cm×25cm)に、裁断して良くほぐした綿100%の脱脂綿((株)大和工場製)をモデル綿埃として0.05g付着させて、30cm×90cmのフローリング(松下電工(株)製 ウッディF)に乗せて一定のストローク(60cm)で60往復清拭し、シートとモデル綿埃を絡ませた後、フローリングに0.3mlのイオン交換水を滴下して、清掃用シートを装着したヘッド部で一定のストローク(60cm)で5往復清拭し、その後、フローリングに落ちたモデル綿埃を回収し、シートを替えずに、イオン交換水の滴下と清拭を合計5回繰り返した後、回収したモデル綿埃を電気乾燥機で乾燥させて質量が安定するまで室温20℃、湿度60%環境下に放置した後にモデル綿埃の質量を測定した。清掃用シートに保持されたモデル綿埃の質量は、フローリングに落ちたモデル綿埃の質量を差し引くことで測定される。以上の操作を、1種類の清掃用シートにつき3枚連続して実施して、3枚の清掃用シートによって保持された綿埃の総質量(保持総質量)を記録した。そして、この保持総質量を0.15(散布された綿埃の総質量)で除し、更に100を乗じて得た値をモデル綿埃の保持率(%)とし、その保持率を以下の基準に基づきモデル綿埃の保持性として評価した。
A:保持率80%以上であり、モデル綿埃の保持性は良好。
B:保持率60%以上80%未満であり、モデル綿埃の保持性は実用上十分なレベル。
C:保持率40%以上60%未満であり、モデル綿埃の保持性はやや劣るが実用可能なレベル。
D:保持率40%未満であり、モデル綿埃の保持性は実用不可レベル。
【0104】
〔シート伸度の評価方法〕
クイックルワイパー(登録商標)〔花王(株)製〕のヘッド部に実施例1〜4、比較例1〜4の清掃用シートを装着した。清掃用シートにはヘッド部の幅方向と同じ大きさである10cm間の両端に清掃用シートの長手方向に向けて直線を書いた。30cm×90cmのフローリング(松下電工(株)製 ウッディF)に1mlのイオン交換水を滴下して、ヘッド部に装着した清掃用シートで一定のストローク(60cm)で20往復清拭し、その後、清掃用シートを取り外して清掃用シートの長手方向に向けて書いた直線間の長さを測定した。そして、その長さを10(評価前に書いた直線間の長さ)で除し、更に100を乗じて得た値をシート伸度(%)とし、そのシート伸度を以下の基準に基づき評価した。
A:シート伸度が10%未満であり、被清掃面の清拭時や清掃具への装着時に清掃用シートが全く伸びることがなく、使用し易い。
B:シート伸度が10%以上20%未満であり、被清掃面の清拭時や清掃具への装着時に清掃用シートがほとんど伸びることがなく、実用上問題無いレベル。
C:シート伸度が20%以上40%未満であり、被清掃面の清掃時や清掃具への装着時に清掃用シートが伸びることがあり、使用性にやや劣るが実用可能なレベル
D:シート伸度が40%以上であり、被清掃面の清拭時や清掃具への装着時に清掃用シートが伸び、使用に適さない。
【0105】
〔清拭抵抗の評価方法〕
<乾いた床(Dry床)の清拭抵抗>
実施例1〜4、比較例1〜4の清掃用シートを、直径25mmの円形にカットしたものをサンプルとして5枚用意した。このサンプルの起毛処理面について、新東科学株式会社製のHEIDON トライボギア ミューズ TYPE:94iを用いて静摩擦係数μを測定した。5枚のサンプルの静摩擦係数μの平均値を以下の基準で清拭抵抗として評価した。
【0106】
<湿潤床(Wet床)の清拭抵抗>
実施例1〜4、比較例1〜4の清掃用シートを、直径25mmの円形にカットしたものをサンプルとして5枚用意した。このサンプルの起毛処理面について、サンプルの下に0.1mlのイオン交換水を滴下し、10秒間静止した後に新東科学株式会社製のHEIDON トライボギア ミューズ TYPE:94iを用いて静摩擦係数μを測定した。5枚のサンプルの静摩擦係数μの平均値を以下の基準で清拭抵抗として評価した。
A:前記平均値が0.40μ未満であり、清拭抵抗が小さく拭き心地が良い。
B:前記平均値が0.40μ以上0.60μ未満であり、清拭抵抗が大きく拭き心地にやや劣るが実用可能なレベル。
C:前記平均値が0.60μ以上であり、清拭抵抗が非常に大きく拭き心地に劣り、実用不可能なレベル。
【0107】
【表1】
【0108】
表1に示す結果から明らかなように、実施例1〜4の清掃用シート、特に実施例1,3〜4は、比較例1〜4の清掃用シートに比べ、湿潤床(Wet床)の髪の毛捕集性能及びモデル綿埃の保持性能が何れも高いシートであった。
また、表1に示す結果から明らかなように、実施例1〜4の清掃用シートは、乾いた床(DRY床)の髪の毛捕集性能が高いシートでもある。
また、 表1に示す結果から明らかなように、実施例1〜4の清掃用シートは、比較例2〜3の清掃用シートに比べ、水はねの吸収性能の高いシートであった。このように吸収性能が高くなると、一度吸収した水を床面に戻し難くなる。
また、表1に示す結果から明らかなように、実施例1〜4の清掃用シートは、乾いた床(DRY床)及び湿潤床(Wet床)での清拭抵抗が何れも低く、清掃具のヘッド部に装着して清掃する際の操作性の評価が高いシートであった。
【符号の説明】
【0109】
1 清掃用シート
1a 一面、1b 他面
11 親水性繊維集合体
11a 一面、11b 他面
13 構成繊維
12 疎水性繊維集合体
14 構成繊維
15 線状接合部
15a 第1の線状接合部
15b 第2の線状接合部
2 凸部
3 凹部
20 製造装置
20A 重ね合わせ部
21A,21B カード機
ローラ22,24
12a,12b 繊維ウェブ
23 親水性繊維集合体11のロール原反
20B 交絡部
25A,25B ウェブ支持用ベルト
26A,26B ウォータージェットノズル
27 乾燥機
20C 起毛加工部
31,34 凸ローラ
310,340 凸ローラ31,34の周面に有する凸部
32,33,35,36 ローラ
20D 凹凸立体賦形加工部(変形賦形部)
41,42 凹凸ローラ
411 ローラ41の周面に有する凸部
422 ローラ42の周面に有する凹部
43 スチールマッチングエンボスローラ
44,45 ローラ
20E 固着部
51 超音波ホーン
52 パターンローラ
520 凸部
520a 第1の凸部
520b 第2の凸部
20F 冷却部
28 エアブローダクト
29 バキュームコンベア
5 重ね合わせ体
6 積層体(加工前の元のシート)
6' 起毛加工の施された積層体
6'' 凹凸立体賦形加工の施された積層体
6''' 固着一体化後に得られる積層体
7 清掃具
71 ヘッド部
72 柄
73 シート保持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12