(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像処理装置から画像データをファイル送信する際に、画像処理装置を操作しているユーザが自分のフォルダを宛先として画像データを送信し、格納したい場合がある。このとき、ユーザが自分のフォルダのパス情報を入力するのに手間がかかるという問題がある。
【0006】
この問題に対処するために、画像処理装置にログインする際にユーザが入力したユーザIDを用いてユーザ毎のフォルダのパス情報を自動的に設定することが考えられる。これにより、ユーザは、自分のフォルダのパス情報を送信毎に入力したり、アドレス帳に登録されている多数のパス情報から自分のフォルダのパス情報を選択したりする手間から解放される。
【0007】
また特に、ユーザが入力したユーザIDを、複数のユーザに共通のものとして予め設定されている共通パスの後に追加する形でパス情報を生成するようにすれば、ファイルサーバ内の共通の階層に各ユーザのフォルダが作成されることになる。これにより、管理者にとって管理が容易になるというメリットがある。
【0008】
一方、画像処理装置へのログインにドメインコントローラ(ドメインサーバ)を利用する環境が増えてきている。ドメインコントローラとは、特定ドメインのアカウント情報を一元的に管理するサーバである。ドメインコントローラを利用することにより、装置毎にアカウント情報を管理する必要がなくなる。
【0009】
ドメインコントローラには、認証に使用するユーザIDにドメイン情報を含むことを要求する種別のものと要求しない種別のもの(即ち、ドメイン情報を含まないユーザIDを要求するもの)が存在する。例えば、ユーザ固有の情報が「userx」であり、ドメイン情報が「domainx」である場合、前者のドメインコントローラを利用する際にはユーザIDとして「domainx\userx」を入力しなければならない。後者のドメインコントローラを利用する場合は、ユーザIDとして「userx」を入力すればよい。なお、「\」は区切り記号であって、この記号よりも前がドメイン情報であり、この記号よりも後がユーザ固有の情報であることを示している。区切り記号は、「\」の他に「@」や「¥」が知られている。
【0010】
ここで、第1ドメインコントローラによって認証されるユーザと第2ドメインコントローラによって認証されるユーザが、同一の共通パスを用いて画像データをファイル送信する場合について考える。このとき、各ドメインコントローラが前者の種別(認証に使用するユーザIDにドメイン情報を含むことを要求する種別)のものであれば、各ユーザが送信する画像データは必ず別のフォルダに格納される。なぜなら、前述の通り、この種別のドメインコントローラを使用する場合はドメイン情報を含むユーザIDを入力する必要があり、これをパス情報の一部として使用することでドメイン情報に対応するフォルダに画像データが振り分けられるからである。
【0011】
一方、各ドメインコントローラが後者の種別(認証に使用するユーザIDにドメイン情報を含むことを要求しない種別)のものである場合には、入力されるユーザIDにドメイン情報が含まれないため、パス情報にもドメイン情報が含まれない。従って、送信された画像データは、共通パスが示すフォルダの直下に置かれている、ユーザID(ドメイン情報を含まないもの)に対応するフォルダに格納されることになる。しかしながら、第1ドメインコントローラで認証されるユーザと第2ドメインコントローラで認証されるユーザが偶然同じユーザIDを使用していると、別人物である2人が送信した画像データが結果的に同じフォルダに格納されてしまうことになる。この場合、格納先のフォルダをユーザ毎に分けることができないため使い勝手が悪く、またユーザの混乱を生じさせる可能性がある。
【0012】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであり、ユーザの認証に使用されるユーザIDにドメイン情報を追加したものを、画像データの宛先となるフォルダのパス情報の一部として設定する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために本発明の画像処理システムは、ユーザIDの入力を受け付ける受付手段と、
ログイン先のドメインを指定する指定手段と、前記受付手段が受け付けたユーザIDに基づくユーザの認証が成功した後、前記受付手段が受け付けたユーザIDに
前記指定手段により指定されたドメインに対応するドメイン情報を追加し、画像データの宛先となるフォルダのパス情報の一部として設定する設定手段と、前記パス情報が示すフォルダを宛先として画像データを送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザの認証に使用されるユーザIDにドメイン情報を追加したものを、画像データの宛先となるフォルダのパス情報の一部として設定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0017】
図1は、画像処理システムの全体図である。LAN(Local Area Network)100上には、MFP101、認証サーバ102及び103、ファイルサーバ104が互いに通信可能に接続されている。MFP101は、画像処理装置の一例である。本実施形態では画像処理装置の一例としてMFPを説明するが、単機能のスキャナ装置など、画像データを送信する機能を有していればMFPでなくとも良い。認証サーバ102及び103は、認証装置の一例である。
【0018】
ファイルサーバ104は、ファイル管理装置の一例である。MFP101は、ファイルサーバ104内のフォルダを宛先としてSMBやFTP、WebDAVを用いて画像データのファイル送信を行うことができる。また、MFP101は、図示しないメールサーバを介して画像データを電子メールで送信することができる。
【0019】
認証サーバ102及び103は、それぞれドメインコントローラの機能を有する。認証サーバ102は「Domain A」というドメインを管理し、認証サーバ103は「Domain B」というドメインを管理している。MFP101のユーザは、「Domain A」にログインする場合は認証サーバ102によって認証され、「Domain B」にログインする場合は認証サーバ103によって認証される。
【0020】
なお、画像処理システムは、MFP101、認証サーバ102及び103、ファイルサーバ104を含むものとするが、MFP101、認証サーバ102及び103のみ、或いはMFP101のみを画像処理システムと称することもできる。
【0021】
図2は、MFP101の構成を示すブロック図である。CPU211を含む制御部210は、MFP101全体の動作を制御する。CPU211は、ROM212に記憶された制御プログラムを読み出して読取制御や送信制御などの各種制御を行う。RAM213は、CPU211の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。なお、MFP101は、1つのCPU211が1つのメモリ(RAM213またはHDD214)を用いて後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の態様であっても構わない。例えば、複数のCPUや複数のRAMまたはHDDを協働させて後述するフローチャートに示す各処理を実行するようにすることもできる。
【0022】
HDD214は、画像データや各種プログラムを記憶する。操作部I/F215は、操作部219と制御部210を接続する。操作部219には、タッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボードなどが備えられ、ユーザの指示を受け付ける受付部として機能する。
【0023】
プリンタI/F216は、プリンタ220と制御部210を接続する。プリンタ220で印刷すべき画像データはプリンタI/F216を介して制御部210から転送され、プリンタ220において記録媒体上に印刷される。
【0024】
スキャナI/F217は、スキャナ221と制御部210を接続する。スキャナ221は、原稿上の画像を読み取って画像データ(画像ファイル)を生成し、スキャナI/F217を介して制御部210に入力する。MFP101は、スキャナ221で生成された画像データ(画像ファイル)をファイル送信またはメール送信することができる。
【0025】
ネットワークI/F218は、制御部210(MFP101)をLAN100に接続する。ネットワークI/F218は、LAN100上の外部装置(認証サーバ102及び103やファイルサーバ104など)に画像データや情報を送信したり、LAN100上の外部装置から各種情報を受信したりする。
【0026】
図3は、認証サーバ102の構成を示すブロック図である。CPU311を含む制御部310は、認証サーバ102全体の動作を制御する。CPU311は、ROM312に記憶された制御プログラムを読み出して各種制御処理を実行する。RAM313は、CPU311の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。なお、認証サーバ102は、1つのCPU311が1つのメモリ(RAM313またはHDD314)を用いて後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の態様であっても構わない。例えば、複数のCPUや複数のRAMまたはHDDを協働させて後述するフローチャートに示す各処理を実行するようにすることもできる。
【0027】
HDD314は、画像データや各種プログラムを記憶する。ネットワークI/F315は、制御部310(認証サーバ102)をLAN100に接続する。ネットワークI/F315は、LAN100上の他の装置との間で各種情報を送受信する。なお、認証サーバ103及びファイルサーバ104の構成は、認証サーバ102と同様(
図3)であるため、説明は省略する。
【0028】
図4(a)(b)は、操作部219に表示される操作画面の一例を示す図である。ユーザは、MFP101の使用を開始する前に、領域401にユーザIDを、領域402にパスワードを、それぞれ入力する必要がある。また、ユーザはログイン先のドメインを指定する必要がある。具体的には、領域403にドロップダウン形式で示される選択肢から、ログイン先のドメインを選択する。ここでは、認証サーバ102が管理する「Domain A」と認証サーバ103が管理する「Domain B」が選択肢として示される。
【0029】
図4(a)に示す状態でユーザがログインの実行を指示すると、MFP101は認証サーバ102に対して「usera」及び「xyz」を送信し、ユーザ認証を依頼する(ユーザによるMFP101の使用可否を問い合わせる)。同様に、
図4(b)に示す状態でユーザがログインの実行を指示すると、MFP101は認証サーバ103に対して「domainb\usera」及び「xyz」を送信し、ユーザ認証を依頼する(ユーザによるMFP101の使用可否を問い合わせる)。
【0030】
図4(a)の領域401と
図4(b)の領域404を比較すると、領域404の方には「domainb\」という文字列が付加されていることが分かる。このうち「domainb」は、認証サーバ103が管理する「Domain B」に対応するドメイン情報である。また、「\」は区切り記号であって、この記号よりも前がドメイン情報であり、この記号よりも後がユーザ固有の情報であることを示している。区切り記号は、「\」の他に「@」や「¥」が知られている。
【0031】
領域404の方にドメイン情報が付加されているのは、認証サーバ103がユーザIDにドメイン情報を含めることを要求する種別のドメインコントローラであるためである。一方、認証サーバ102は、ユーザIDにドメイン情報を含めることを要求しない種別のドメインコントローラであるため、領域401の方にはドメイン情報が含まれていない。このように、ユーザは、ログイン先として選択したドメインに応じて、ユーザIDにドメイン情報を含めるか否かを判断して入力する必要がある。
【0032】
図5は、操作部219に表示される操作画面の一例を示す図である。ユーザは、
図5の画面において、「スキャンして送信」キー501または「コピー」キー502を操作することにより、機能を選択することができる。
図5は、「スキャンして送信」キー501が操作された状態を示している。なお、
図5では、機能として「スキャンして送信」及び「コピー」を例示しているが、MFP101がこれら以外の機能を備えていてもよい。
【0033】
「スキャンして送信」キー501を操作したユーザは、操作キー521乃至523のいずれかを操作することにより、送信する画像データの宛先を設定することができる。「アドレス帳」キー521を操作すると、HDD214に保持されているアドレス帳の内容が表示され、ユーザは、アドレス帳に登録された内容を参照し、画像データの宛先として設定することができる。
【0034】
「新規入力」キー522を操作すると、ユーザからの新規入力を受け付ける画面が表示される。ユーザは、表示された画面を介して宛先情報を入力し、画像データの宛先として設定することができる。
【0035】
「自分へファイル送信」キー523は、ユーザが自分自身のフォルダを画像データの宛先として設定したい場合に操作する操作キーである。ユーザが「自分へファイル送信」キー523を操作すると、ユーザ自身のフォルダのパス情報が画像データの宛先として自動的に設定される(詳細は後述する)。
【0036】
領域510は、操作キー521乃至523を用いて設定された宛先が示される。領域510に表示された宛先の1つを選択した状態で「詳細情報」キー511を操作すると、選択された宛先の詳細情報が表示される(
図8)。
【0037】
「読取設定」キー531は、カラー/モノクロなどの読取設定を行う場合に使用する操作キーである。「解像度」キー532は、読取解像度を設定する場合に使用する操作キーである。「ファイル形式」キー533は、送信する画像データのファイル形式を設定する場合に使用する操作キーである。「両面原稿」キー534は、片面/両面読取の設定を行う場合に使用する操作キーである。「読取サイズ」キー535は、読取サイズを設定する場合に使用する操作キーである。
【0038】
図6は、操作部219に表示される操作画面の一例を示す図である。
図6の画面は、管理者のみが操作可能であり、一般のユーザがMFP101を操作する場合には表示されない。領域601には、複数のユーザに共通して使用される共通パスが入力される。ここで設定された共通パスは、RAM213に記憶され、
図4(a)の領域401に入力されたユーザID、または
図4(b)の領域404に入力されたユーザIDと組み合わされ、画像データの格納先となるフォルダのパス情報として使用される。
【0039】
共通パスが
図6に示すように設定された状態で、
図5の「自分へファイル送信」キー523が操作されると、
図5の画面は
図7に示す状態へと遷移する。
図7の画面では、領域510に「\\123.45.6.7」という宛先が1件表示されている。ここでは、
図6の領域601で設定された共通パスのうち、ファイルサーバ104のホスト名に相当する部分のみが表示される。領域510に表示された「\\123.45.6.7」を選択した状態で「詳細情報」キー511を操作すると、
図8(a)または(b)の画面が表示される。
【0040】
図8(a)(b)は、操作部219に表示される操作画面の一例を示す図である。
図8(a)は、
図4(a)に示す状態でログインしたユーザが「自分へファイル送信」キー523を操作した場合の例を示す。領域801には、
図4(a)の領域401に入力されたユーザID「usera」にドメイン情報「domaina」が追加されたものが、共通パスの「\\123.45.6.7\共有」に続いて記述されている。この結果、「\\123.45.6.7\共有\domaina\usera」というパス情報を用いて画像データが送信されることになる。
【0041】
このように、パス情報を「\\123.45.6.7\共有\usera」とせずに、ドメイン情報「domaina」を追加しているのは、次のような問題に対処するためである。即ち、認証サーバ102と同じ種別(ユーザIDにドメイン情報を含めることを要求しない種別)の認証サーバが別に存在する場合、認証サーバ102で管理している「usera」と同じユーザIDを用いて別のユーザが管理されている可能性がある。このような場合に、「\\123.45.6.7\共有\usera」のようにドメイン情報を含まないパス情報を用いて画像データを送信すると、異なるユーザからの画像データが同じフォルダに格納されてしまうという問題が生じる。
【0042】
そこでMFP101には、ドメイン情報を含まないユーザIDをパス情報の一部として使用する場合に、ドメイン情報を自動的に追加する構成が設けられている。これにより、複数の認証サーバで偶然同じユーザIDが管理されていたとしても、追加されたドメイン情報によって画像データが異なるフォルダに格納されるようになる。
【0043】
領域802には、
図4(a)の領域401に入力されたユーザIDの「usera」がファイルサーバへの接続に使用される認証情報のユーザ名として設定されている。ここでは、ユーザID「usera」へのドメイン情報の追加は行われない。また、領域803には、
図4(a)の領域402に入力されたパスワードの「xyz」がファイルサーバへの接続に使用される認証情報のパスワードとして設定されている。
【0044】
図8(b)は
図4(b)に示す状態でログインしたユーザが操作キー523を操作した場合の例を示す。領域804には、共通パスの「\\123.45.6.7\共有」と
図4(b)の領域404に入力された「domainb\usera」が組み合わされた、「\\123.45.6.7\共有\domainb\usera」というパス情報が設定されている。
【0045】
領域805には、
図4(b)の領域404に入力されたユーザIDの「domainb\usera」がファイルサーバへの接続に使用される認証情報のユーザ名として設定されている。また、領域806には、
図4(b)の領域405に入力されたパスワードの「xyz」がファイルサーバへの接続に使用される認証情報のパスワードとして設定されている。
【0046】
図9は、MFP101におけるログイン動作(ユーザがMFP101の使用を開始するときの一連の動作)を説明するフローチャートである。
図9のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0047】
ステップS901では、操作部219に表示した画面(
図4)を介して、ユーザからのユーザID及びパスワードの入力を受け付ける。
【0048】
ステップS902では、ステップS901で受け付けたユーザID及びパスワードを認証サーバ102または103に送信し、ユーザ認証を依頼する(ユーザによるMFP101の使用可否を問い合わせる)。送信先の認証サーバは、
図4の領域403を用いたログイン先の選択に応じて切り替えられる。
【0049】
ステップS903では、認証サーバから通知される内容が、認証OKであるか認証NGであるかを判定する。この結果、認証OKである場合にはステップS904に進み、ユーザによるMFP101の各機能の使用を許可するとともに、ステップS901で受け付けたユーザID及びパスワードをRAM213に記憶する。一方、認証NGである場合にはそのまま処理を終了する(或いは、ステップS901に戻り、ユーザID及びパスワードを入力するための画面を再表示する)。
【0050】
図10は、MFP101におけるパス情報設定動作を説明するフローチャートである。
図10のフローチャートは、「自分へファイル送信」キー523が操作された場合に開始される。
図10のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0051】
ステップS1001では、
図6の領域601に入力され、HDD214に記憶されている共通パスを取得する。ステップS1002では、ステップS901で受け付けられ、ステップS904でRAM213に記憶されたユーザIDを取得する。
【0052】
ステップS1003では、ステップS1002で取得したユーザIDにドメイン情報が含まれるか否かを、区切り記号の有無に基づいて判定する。具体的には、ステップS1002で取得したユーザIDに区切り記号「\」が含まれていればドメイン情報が含まれると判定し、ステップS1007に進む。一方、ステップS1002で取得したユーザIDに区切り記号「\」が含まれていなければドメイン情報が含まれていないと判定し、ステップS1004に進む。
【0053】
ステップS1004では、ステップS1002で取得したユーザIDにドメイン情報を追加するか否かを判定する。ユーザIDからドメイン情報を追加するか否かは、
図11の画面を介して管理者によって予め設定されている。
【0054】
図11は、操作部219に表示される操作画面の一例を示す図である。
図11の画面は、管理者のみが操作可能であり、一般のユーザがMFP101を操作する場合には表示されない。
図11の画面において管理者が「する」キー1101を操作すれば、ユーザIDにドメイン情報を追加することが選択される。
【0055】
一方、管理者が「しない」キー1102を操作すれば、ユーザIDにドメイン情報を追加しないことが選択される。この場合、たとえユーザIDにドメイン情報が含まれていないとしても、ドメイン情報が追加されることなく、ドメイン情報を含まないユーザIDがパス情報の一部として設定される。例えば、システム内にドメイン(認証サーバ)が一つしか存在しない場合や、複数のドメインに同じユーザIDが重複しないように管理されている環境の場合は、異なるユーザの画像データが同じフォルダに格納されるという問題が発生しない。それにも関わらずドメイン情報を追加すると、画像データが必要以上に一つ深い階層のフォルダに格納されることになり、逆に使い勝手が悪くなってしまう。このような場合に、ドメイン情報を追加しないように設定すれば良い。
【0056】
ステップS1004では、ユーザIDにドメイン情報を追加することが選択されていれば、ドメイン情報を追加すると判定し、ステップS1005に進む。一方、ユーザIDにドメイン情報を追加しないことが選択されていれば、ドメイン情報を追加しないと判定し、ステップS1007に進む。
【0057】
ステップS1005では、ステップS1002で取得したユーザIDにドメイン情報を追加する。MFP101のHDD214には、
図4の領域403で選択可能な複数のドメイン(認証サーバ)のそれぞれに対応付けて、ユーザIDに追加するためのドメイン情報が記憶されている。ステップS1005では、HDD214に記憶されているドメイン情報を読み出して使用する。
【0058】
続くステップS1006では、ドメイン情報が追加されたユーザIDを共通パス部分の後に追加したものをフォルダのパス情報として設定する。一方、ステップS1007では、ドメイン情報を含まないユーザIDを共通パス部分の後に追加したものをフォルダのパス情報として設定する。なお、ステップS1004の判定を行わず、ユーザIDにドメイン情報が含まれない場合は常にドメイン情報を追加するようにしても構わない。
【0059】
図12は、MFP101における送信動作を説明するフローチャートである。
図12のフローチャートは、画像データの宛先が設定された後、図示しないスタートキーが操作された場合に開始される。
図12のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0060】
ステップS1201では、スキャナ221が原稿上の画像を読み取って画像データを生成する。ステップS1202では、
図10のステップS1006またはS1007で設定されたパス情報に従ってファイルサーバ104に接続する。このとき、
図8の画面に示されるユーザ名及びパスワードがファイルサーバ104へのログインに使用される。
【0061】
ステップS1203では、ファイルサーバ104との接続が成功したか否かを判定する。ファイルサーバ104との接続が成功するとステップS1204に進み、成功しなければそのまま処理を終了する。
【0062】
ステップS1204では、
図10のステップS1006またはS1007で設定されたパス情報が示すフォルダがファイルサーバ104に存在するか否かを判定する。該当するフォルダが存在すればステップS1206に進み、存在しなければステップS1205に進む。
【0063】
ステップS1205では、
図10のステップS1006またはS1007で設定されたパス情報が示すフォルダをファイルサーバ104内に新規作成する。具体的には、ファイルサーバ104に対してフォルダの新規作成を要求するコマンドを送信する。なお、
図10のステップS1006またはS1007で設定されたパス情報が示すフォルダがファイルサーバ104に存在しない場合に、そのままエラー終了するようにしても良い。
【0064】
ステップS1206では、ファイルサーバ104に画像データを送信し、
図10のステップS1006またはS1007で設定されたパス情報が示すフォルダに格納する。
【0065】
以上の処理により、ユーザIDにドメイン情報が含まれない場合であっても、ドメイン情報を含むパスを画像データの宛先として簡単に設定することができる。
【0066】
また、上述した説明では、ユーザがMFP101の使用を開始するときに
図9のフローチャートに従ってユーザを認証する例を説明したが、他の態様であっても構わない。例えば、ユーザがある特定の機能を選択した後に、その機能を使用するためのユーザ認証を
図9のフローチャートに従って行うようにしてもよい。
【0067】
なお、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0068】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。