特許第6253403号(P6253403)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6253403
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】衣料用洗剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/29 20060101AFI20171218BHJP
   C11D 1/92 20060101ALI20171218BHJP
   C11D 1/90 20060101ALI20171218BHJP
   C11D 1/22 20060101ALI20171218BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   C11D1/29
   C11D1/92
   C11D1/90
   C11D1/22
   C11D1/72
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-271108(P2013-271108)
(22)【出願日】2013年12月27日
(65)【公開番号】特開2015-124337(P2015-124337A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2016年9月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100098408
【弁理士】
【氏名又は名称】義経 和昌
(72)【発明者】
【氏名】黎 俊傑
(72)【発明者】
【氏名】石塚 仁
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 佐知子
【審査官】 古妻 泰一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0312226(US,A1)
【文献】 特開2013−032499(JP,A)
【文献】 特開2013−010902(JP,A)
【文献】 特開2013−185073(JP,A)
【文献】 特開2013−151607(JP,A)
【文献】 特表2003−500522(JP,A)
【文献】 特開2011−089107(JP,A)
【文献】 特開2011−153234(JP,A)
【文献】 特開2003−096490(JP,A)
【文献】 米国特許第05853743(US,A)
【文献】 特開2002−294298(JP,A)
【文献】 特開2002−294299(JP,A)
【文献】 特開2005−200642(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0031712(US,A1)
【文献】 特開平08−104888(JP,A)
【文献】 米国特許第05932534(US,A)
【文献】 米国特許第05856292(US,A)
【文献】 米国特許第06013611(US,A)
【文献】 特表平09−505088(JP,A)
【文献】 米国特許第05616781(US,A)
【文献】 特表平08−503732(JP,A)
【文献】 米国特許第05736503(US,A)
【文献】 特開2007−161915(JP,A)
【文献】 特開2008−260852(JP,A)
【文献】 特開2003−041296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/29
C11D 1/22
C11D 1/72
C11D 1/90
C11D 1/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩
(b)成分:スルホン酸系陰イオン界面活性剤
(c)成分:スルホベタイン、アミドベタイン及びカルボベタインからなる群から選ばれる1種以上の両性界面活性剤
を含有する衣料用洗剤組成物であって、
(a)成分、(b)成分及び(c)成分の含有量の合計が0.1質量%以上、50質量%以下であり、
(b)成分/(a)成分の質量比が0/10以上、7/3以下であり、
当該洗剤組成物1gを20℃の水1Lに溶解したときのpHが3以上、5.0以下である、
衣料用洗剤組成物。
【請求項2】
[(a)成分+(b)成分]/(c)成分の質量比が、60/40以上、90/10以下である、請求項1に記載の衣料用洗剤組成物。
【請求項3】
(a)成分が、炭素数10以上、20以下のアルキル基を有し、エチレンオキシ基の平均付加モル数が0超、5以下のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩である、請求項1又は2に記載の衣料用洗剤組成物。
【請求項4】
(b)成分が、炭素数が10以上、20以下のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、炭素数10以上、20以下のアルケニル基を有するα−オレフィンスルホン酸又はその塩、炭素数10以上、20以下のアルキル基を有するアルカンスルホン酸又はその塩、炭素数10以上、20以下のアルキル基を有するα−スルホ脂肪酸メチルエステル又はその塩からなる群から選ばれる1種以上の陰イオン界面活性剤である、請求項1〜3の何れか1項に記載の衣料用洗剤組成物。
【請求項5】
(b)成分/(a)成分の質量比が、0/10以上、6/4以下である、請求項1〜4の何れか1項に記載の衣料用洗剤組成物。
【請求項6】
(c)成分が、炭素数8以上、18以下のアルキル基を有するスルホベタイン及び炭素数8以上、18以下のアルキル基を有するカルボベタインからなる群から選ばれる1種以上の両性界面活性剤である、請求項1〜5の何れか1項に記載の衣料用洗剤組成物。
【請求項7】
更に、(d)成分として、アルキル基の炭素数が10以上、20以下であり、エチレンオキシ基の平均付加モル数が2以上、40以下であるポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含有する、請求項1〜6の何れか1項に記載の衣料用洗剤組成物。
【請求項8】
界面活性剤の全量中、(a)成分及び(b)成分の含有量の合計が、50質量%以上、90質量%以下である、請求項1〜7の何れか1項に記載の衣料用洗剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣料用洗剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
衣料用洗剤組成物では、洗浄液のpHをアルカリ性にすることで脂肪酸の自己乳化によって洗浄力が向上するため、一般的にアルカリ成分が配合されている。
【0003】
特許文献1には、特定の両性化合物、特定のポリエーテル化合物や非石鹸系陰イオン界面活性剤などを含有する液体アルカリ洗浄剤組成物が、衣料等の洗濯において、優れた洗浄力を有し、起泡性と濯ぎ性の両方に優れていることが開示されている。
【0004】
近年では、アジア地域の洗濯機の普及が増加する傾向があるが、洗浄力や経済性の観点などから、手洗い洗濯が依然として広く行われている。手洗い洗濯は、洗濯機による洗濯と比較した場合、汚れの落ち具合、洗濯ものの種類など、状況に応じたきめ細かい洗浄が可能となる。
【0005】
しかし、洗濯をする者にとって、手洗い洗濯は肉体的、精神的疲労感が伴いやすく、また、アルカリ成分などによる手肌への影響も考慮すべき事項である。そのため、衣料用洗剤に関しても、食品由来の油汚れやエリ汚れなどの汚れに対する高洗浄力を有することはもちろん、マイルド成分を使用した商品や化学成分を低減した商品も求められている。
【0006】
特許文献2には、洗濯洗剤、特に、標準的洗濯機の洗浄水内で6前後のpHを提供することができる重質液体洗濯洗剤が、布地上の黒ずみを生じる付着物を分解すること、改良されたグリース洗浄及びお茶やワインなどの漂白可能な汚れの洗浄のために有用であり得ることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−213993号公報
【特許文献2】特表2008−519148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2の洗剤組成物では、有用な好適なアニオン性界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸類及びそれらの塩類が用いられ、さらに非イオン性界面活性剤が併用されている。しかし、このような洗剤組成物は、アジア地域で課題とされている食品由来の油汚れに対する洗浄力が低く、洗浄性能の点において改善の余地があった。ここで、食品由来の油汚れとしては、色素を含む大豆油、菜種油、ゴマ油などの食用油が挙げられる。
【0009】
本発明の課題は、油汚れ、なかでも食品由来の油汚れに対する高洗浄力を有する衣料用洗剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
(a)成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩
(b)成分:スルホン酸系陰イオン界面活性剤
(c)成分:スルホベタイン、アミドベタイン及びカルボベタインからなる群から選ばれる1種以上の両性界面活性剤
を含有する衣料用洗剤組成物であって、
(a)成分、(b)成分及び(c)成分の含有量の合計が0.1質量%以上、50質量%以下であり、
(b)成分/(a)成分の質量比が0/10以上、7/3以下であり、
当該洗剤組成物1gを20℃の水1Lに溶解したときのpHが3以上、6.8未満である、
衣料用洗剤組成物。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、衣料の洗濯において、洗浄水のpHを弱酸性にすることで、食品由来の油汚れに対して高い洗浄力を有する洗浄剤組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の衣料用洗剤組成物は、(a)成分、(b)成分及び(c)成分に加えて、後述する組成物の洗浄pHの条件が重要である。
【0013】
<(a)成分>
本発明の(a)成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素数10以上、好ましくは12以上であり、そして、20以下、好ましくは16以下、より好ましくは14以下のアルキル基を有し、エチレンオキシ基の平均付加モル数が0超、好ましくは0.5以上、好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上であり、そして、5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩が挙げられる。塩としてはアルカリ金属塩が好ましく、よりナトリウム塩又はカリウム塩が好ましく、よりナトリウム塩が好ましい。
【0014】
<(b)成分>
本発明の(b)成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素数が10以上、20以下のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、炭素数10以上、20以下のアルケニル基を有するα−オレフィンスルホン酸又はその塩、炭素数10以上、好ましくは12以上であり、そして20以下、好ましくは14以下のアルキル基を有するアルカンスルホン酸又はその塩、好ましくは2級アルカンスルホン酸又はその塩、炭素数10以上、20以下のアルキル基を有するα−スルホ脂肪酸メチルエステル又はその塩等が好ましく挙げられる。
【0015】
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。
【0016】
(b)成分は、油汚れ洗浄性能の理由から、アルキル基の炭素数が10以上、好ましくは12以上であり、そして、20以下、好ましくは16以下、より好ましくは14以下である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩から選ばれる陰イオン界面活性剤がより好ましい。
【0017】
本発明の衣料用洗剤組成物は、油汚れ洗浄性能の観点から、(b)成分/(a)成分の質量比が0/10以上、好ましくは1/9以上であり、そして7/3以下、好ましくは6/4以下、より好ましくは5/5以下、より好ましくは4/6以下、より好ましくは3/7以下、より好ましくは2/8以下である。
【0018】
<(c)成分>
本発明の(c)成分は、油汚れに対する洗浄性能および濯ぎ性能の理由から、スルホベタイン、アミドベタイン及びカルボベタインからなる群から選ばれる1種以上の両性界面活性剤である。本発明の(c)成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素数8以上、18以下のアルキル基を有するスルホベタイン、炭素数8以上、18以下のアルキル基を有するアミドベタイン、炭素数8以上、18以下のアルキル基を有するカルボベタイン等が挙げられる。好ましくは炭素数8以上、18以下のアルキル基を有するスルホベタイン及び炭素数8以上、18以下のアルキル基を有するカルボベタインからなる群から選ばれる1種以上の両性界面活性剤である。
【0019】
具体的には、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。これらのうち、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインが好ましく、脂肪酸部分の炭素数が10以上、15以下である脂肪酸アミドプロピルベタイン、及び炭素数10以上、15以下のアルキル基を有するアルキルジメチルアミノ酢酸ベタインからなる群から選ばれる1種以上の両性界面活性剤がより好ましく、炭素数10以上、15以下のアルキル基を有するアルキルジメチルアミノ酢酸ベタインから選ばれる両性界面活性剤がより好ましく、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインがより好ましい。
【0020】
本発明の衣料用洗剤組成物は、洗浄性能の観点から、[(a)成分+(b)成分]/(c)成分の質量比が、好ましくは20/80以上、より好ましくは50/50以上、より好ましくは60/40以上、より好ましくは70/30以上であり、そして、好ましくは90/10以下、好ましくは85/15以下、より好ましくは80/20以下である。
【0021】
更に、本発明の洗浄剤組成物においては、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、(d)成分として、非イオン界面活性剤を含有しても良い。
【0022】
具体的には、(d)非イオン界面活性剤として、蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキシド付加物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルグリコシド、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリルモノエーテル等が挙げられる。(d)成分としては、アルキル基の炭素数が10以上、20以下であり、エチレンオキシ基の平均付加モル数が2以上、40以下であるポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。
【0023】
本発明の組成物中、洗浄性能の観点から、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の含有量の合計は0.1質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、そして、50質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
【0024】
また、本発明の組成物中、洗浄性能の観点から、(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分の含有量の合計は0.15量%以上、好ましくは3.5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、より好ましくは12質量%以上であり、そして、55質量%以下、好ましくは45質量%以下、より好ましくは35質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。
【0025】
本発明の衣料用洗剤組成物では、油汚れに対する洗浄性能の観点から、界面活性剤の全量中、(a)成分及び(b)成分の含有量の合計は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
【0026】
また、本発明の衣料用洗剤組成物では、油汚れに対する洗浄性能の観点から、界面活性剤の全量中、陰イオン界面活性剤の含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。陰イオン界面活性剤の全量中、(a)成分及び(b)成分の含有量の合計が100質量%であってもよい。
【0027】
本発明の衣料洗浄剤組成物は、当該洗剤組成物1gを水温20℃の水1Lに溶解したときのpHが3以上、6.8未満である。油汚れに対する洗浄性能の観点から、このpHは、好ましくは6.5以下、より好ましくは6.0以下、より好ましくは5.5以下、より好ましくは5.0以下である。一方、このpHは、好ましくは3.5以上、より好ましくは4.0以上である。
【0028】
本発明の衣料用洗剤組成物の形態は問わないが、水を含有する液体組成物であることが好ましい。その場合、組成物自体の20℃のpHは1.0以上、更に1.5以上、そして3.0以下、更に2.5以下が好ましい。但し、当該洗剤組成物1gを水温20℃の水1Lに溶解したときのpHは上記の範囲内である。
【0029】
希釈液や液体組成物の原液を前記のpHとするために、本発明の衣料用洗浄剤組成物は、pH調整剤を配合することが好ましい。pH調整剤としては、無機酸及び有機酸からなる群から選ばれる1種以上の酸が挙げられ、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、多価カルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸類等の有機酸が挙げられる。
【0030】
本発明の洗剤組成物は衣料用である。衣料には、寝具、タオル等の衣料以外の繊維製品を含む。
【0031】
<洗浄方法>
本発明の衣料用洗剤組成物を用いた洗浄方法として、本発明の衣料用洗剤組成物と水とを混合して得たpH3以上、好ましくは3.5以上、より好ましくは4.0以上、そして、6.8未満、好ましくは6.5以下、より好ましくは6.0以下、より好ましくは5.5以下、より好ましくは5.0以下の洗浄水を用いて、食品由来の油汚れが付着した衣料を洗浄する、衣料の洗浄方法が挙げられる。食品由来の油汚れは、色素を含むものが挙げられる。
【0032】
本発明の洗浄方法は、洗浄後の衣料を水で濯ぐ工程を有することができる。
【0033】
洗浄水の調製に用いる水及び/又はすすぎに用いる水のpHは7.0の近傍が好ましい。例えば、pH6.0以上、好ましくは6.5以上であり、そして、8.0以下、好ましくは7.5以下の水を用いることができる。
【0034】
また、本発明の洗剤組成物は、洗浄水の調製に用いる水及び/又はすすぎに用いる水の硬度が1°dH以上、更に2°dH以上、更に3°dH以上、更に5°dH以上、更に10°dH以上であっても使用できる。一方、本発明の洗剤組成物は、洗浄力とすすぎ性の観点から、当該水の硬度が50°dH以下、更に40°dH以下、更に30°dH以下、更に25°dH以下、更に20°dH以下が好ましい。
【0035】
本発明の洗剤組成物は、家庭での洗濯機洗い及び手洗いに好ましく用いられる。洗浄性能及び手肌への優しさの観点から、手洗い洗濯用として好適であり、衣料、布帛、寝具、タオル等の繊維製品の手洗い洗濯用として好適である。
【0036】
本発明のより具体的な態様を以下に例示する。
<1>
(a)成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩
(b)成分:スルホン酸系陰イオン界面活性剤
(c)成分:スルホベタイン、アミドベタイン及びカルボベタインからなる群から選ばれる1種以上の両性界面活性剤
を含有する衣料用洗剤組成物であって、
(a)成分、(b)成分及び(c)成分の含有量の合計が0.1質量%以上、50質量%以下であり、
(b)成分/(a)成分の質量比が0/10以上、7/3以下であり、
当該洗剤組成物1gを20℃の水1Lに溶解したときのpHが3以上、6.8未満である、
衣料用洗剤組成物。
【0037】
<2>
(b)成分/(a)成分の質量比が0/10以上、好ましくは1/9以上であり、そして、6/4以下、好ましくは5/5以下、より好ましくは4/6以下、より好ましくは3/7以下、2/8以下である、前記<1>に記載の衣料用洗剤組成物。
【0038】
<3>
[(a)成分+(b)成分]/(c)成分の質量比が、20/80以上、好ましくは50/50以上、より好ましくは60/40以上、より好ましくは70/30以上であり、そして、90/10以下、好ましくは85/15以下、より好ましくは80/20以下である、前記<1>又は<2>に記載の衣料用洗剤組成物。
【0039】
<4>
界面活性剤の全量中、陰イオン界面活性剤の含有量は、20質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上であり、そして、90質量%以下、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下である、前記<1>〜<3>の何れかに記載の衣料用洗剤組成物。
【0040】
<5>
界面活性剤の全量中、(a)成分及び(b)成分の含有量の合計が、20質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上であり、そして、90質量%以下、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下である、前記<1>〜<4>の何れかに記載の衣料用洗剤組成物。
【0041】
<6>
当該洗剤組成物1gを水温20℃の水1Lに溶解したときのpHが、3.5以上、好ましくは4.0以上であり、そして、6.5以下、好ましくは6.0以下、より好ましくは5.5以下、より好ましくは5.0以下である、前記<1>〜<5>の何れかに記載の衣料用洗剤組成物。
【0042】
<7>
(a)成分が、炭素数10以上であり、そして20以下、好ましくは16以下のアルキル基を有し、エチレンオキシ基の平均付加モル数が0超、好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上であり、そして、5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩である、前記<1>〜<6>の何れかに記載の衣料用洗剤組成物。
【0043】
<8>
(b)成分が、炭素数が10以上、20以下のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、炭素数10以上、20以下のアルケニル基を有するα−オレフィンスルホン酸又はその塩、炭素数10以上、20以下のアルキル基を有するアルカンスルホン酸又はその塩、炭素数10以上、20以下のアルキル基を有するα−スルホ脂肪酸メチルエステル又はその塩からなる群から選ばれる1種以上の陰イオン界面活性剤である、前記<1>〜<7>の何れかに記載の衣料用洗剤組成物。
【0044】
<9>
(b)成分が、アルキル基の炭素数が10以上、好ましくは12以上であり、そして、20以下、好ましくは14以下である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩から選ばれる陰イオン界面活性剤である、前記<1>〜<8>の何れかに記載の衣料用洗剤組成物。
【0045】
<10>
(c)成分が、炭素数8以上、18以下のアルキル基を有するスルホベタイン及び炭素数8以上、18以下のアルキル基を有するカルボベタインからなる群から選ばれる1種以上の両性界面活性剤である、前記<1>〜<9>の何れかに記載の衣料用洗剤組成物。
【0046】
<11>
(a)成分、(b)成分及び(c)成分の含有量の合計が、0.1質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、そして、50質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である、前記<1>〜<10>の何れかに記載の衣料用洗剤組成物。
【0047】
<12>
更に、(d)成分として、蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキシド付加物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルグリコシド、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はグリセリルモノエーテルを含有する、前記<1>〜<11>の何れかに記載の衣料用洗剤組成物。
【0048】
<13>
更に、(d)成分として、アルキル基の炭素数が10以上、20以下であり、エチレンオキシ基の平均付加モル数が2以上、40以下であるポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含有する、前記<1>〜<12>の何れかに記載の衣料用洗剤組成物。
【0049】
<14>
(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分の含有量の合計は0.15量%以上、好ましくは3.5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、より好ましくは12質量%以上であり、そして、55質量%以下、好ましくは45質量%以下、より好ましくは35質量%以下、より好ましくは25質量%以下である、前記<1>〜<13>の何れかに記載の衣料用洗剤組成物。
【0050】
<15>
手洗い洗濯用である、前記<1>〜<13>の何れかに記載の衣料用洗剤組成物。
【0051】
<16>
水を含有する液体組成物である、前記<1>〜<15>の何れかに記載の衣料用洗剤組成物。
【0052】
<17>
前記<1>〜<16>の何れかに記載の衣料用洗剤組成物と水とを混合して得たpH3以上、好ましくは3.5以上、より好ましくは4.0以上、そして、6.8未満、好ましくは6.5以下、より好ましくは6.0以下、より好ましくは5.5以下、より好ましくは5.0以下の洗浄水を用いて、食品由来の油汚れが付着した衣料を洗浄する、衣料の洗浄方法。
【0053】
<18>
洗浄後の衣料を水で濯ぐ工程を有する、前記<17>に記載の衣料の洗浄方法。
【0054】
<19>
洗浄水の調製に用いる水及び/又はすすぎに用いる水のpHが、6.0以上、好ましくは6.5以上であり、そして、8.0以下、好ましくは7.5以下である、前記<17>又は<18>に記載の衣料の洗浄方法。
【0055】
<20>
洗浄水の調製に用いる水及び/又はすすぎに用いる水の硬度が、1°dH以上、更に2°dH以上、更に3°dH以上、更に5°dH以上、更に10°dH以上である、前記<17>〜<19>の何れかに記載の衣料の洗浄方法。
【実施例】
【0056】
下記の配合成分及び表1又は表2の成分を用いて、表1又は表2に示す衣料用液体洗剤組成物を調製し、下記の方法で評価を行った。結果を表1に示す。
【0057】
[1]pHの測定法
pHメーター(HORIBA製 pH/イオンメーター F−23)にpH測定用複合電極(HORIBA製 ガラス摺り合わせスリーブ型)を接続し、電源を投入した。pH電極内部液としては、飽和塩化カリウム水溶液(3.33モル/L)を使用した。
【0058】
次に、pH4.01標準液(フタル酸塩標準液)、pH6.86(中性リン酸塩標準液)、pH9.18標準液(ホウ酸塩標準液)をそれぞれ100mLビーカーに充填し、20℃の恒温槽に30分間浸漬した。恒温に調整された標準液にpH測定用電極を3分間浸し、pH6.86→pH9.18→pH4.01の順に校正操作を行った。
【0059】
洗剤組成物1gを水温20℃の水1Lに溶解した濃度の試料又は洗剤組成物の原液を適量100mLビーカーに充填し、20℃の恒温槽内にて20℃に調整した。恒温に調整された前記試料又は洗剤組成物の原液にpH測定用電極を3分間浸し、pHを測定した。
【0060】
[2]洗浄力の評価方法
硬度10゜dH、pH6.8の水1Lに対して表1又は表2に示す洗剤組成物1gを溶解した後、下記の通り調製したラー油汚染布5枚を入れ、ターゴトメータを用いて100回転/分の条件で20℃(液温)、10分間洗濯を行った。硬度10゜dHの水で、十分すすいだ後に乾燥させ、下記の式により洗浄率を測定した。洗浄及びすすぎに用いた水は、硬度成分としてカルシウム/マグネシウム=6/4(モル比)にするために、塩化カルシウム・2水和物78.50g及び塩化マグネシウム・6水和物73.58gを1Lのイオン交換水で溶解することによって得られた濃厚原液を、イオン交換水によって希釈し、10゜dH、pH6.8に調整したものを用いた。結果を表1又は表2に示す。
洗浄率(%)=[(洗浄後の反射率−洗浄前の反射率)/(白布の反射率−洗浄前の反射率)]×100
反射率は日本電色工業(株)製NDR−10DPで460nmフィルターを使用して測定した。
【0061】
[ラー油汚染布の調製]
市販のS&Bラー油(エスビー食品(株)製、2013年6月購入)0.1mLを6cm×6cmの綿メリヤス布に均一に塗布し、温度25℃、湿度65RH%、15時間乾燥させたものを試験に供した。
【0062】
[3]配合成分
・AES−Na(1):炭素数10〜16の直鎖1級アルキル基を有するポリオキシエチレン(平均付加モル数2)アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、エマール270S(花王(株)製)
・AES−Na(2):炭素数12の直鎖1級アルキル基を有するポリオキシエチレン(平均付加モル数3)アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、エマール20C(花王(株)製)
・AES−Na(3):炭素数12の直鎖1級アルキル基を有するポリオキシエチレン(平均付加モル数1)アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、エマール170S(花王(株)製)
【0063】
・LAS−Na:ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ネオペレックスG−15(花王(株)製)
【0064】
・ベタイン(1):n−ドデシルジメチルカルボキシメチルベタイン、アンヒトール20BS(花王(株)製)
・ベタイン(2):N−(2−ヒドロキシ−3−スルホナトプロピル)ドデシルジメチルアミニウム、アンヒトール20HD(花王(株)製)
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
※1 洗剤組成物1gを水温20℃の水1Lに溶解したときのpH
※2 洗剤組成物の原液の20℃でのpH