特許第6253466号(P6253466)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6253466
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】車両用燃料タンクの残燃料量検出装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/077 20060101AFI20171218BHJP
   B60K 15/067 20060101ALI20171218BHJP
   F02M 37/00 20060101ALI20171218BHJP
   F02D 45/00 20060101ALI20171218BHJP
   G01G 3/14 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   B60K15/077 A
   B60K15/067
   F02M37/00 301D
   F02D45/00 364L
   G01G3/14
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-60025(P2014-60025)
(22)【出願日】2014年3月24日
(65)【公開番号】特開2015-182558(P2015-182558A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2016年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100149261
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 秀治
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100161355
【弁理士】
【氏名又は名称】野崎 俊剛
(72)【発明者】
【氏名】荻原 直貴
(72)【発明者】
【氏名】若尾 真樹
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 健
(72)【発明者】
【氏名】田中 高太郎
(72)【発明者】
【氏名】田口 明弘
【審査官】 常盤 務
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−127171(JP,A)
【文献】 特開昭63−061919(JP,A)
【文献】 特開平10−260096(JP,A)
【文献】 特開2006−116991(JP,A)
【文献】 特開2008−024258(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第02260109(GB,A)
【文献】 特開2013−050410(JP,A)
【文献】 特開平09−068453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/077
B60K 15/067
F02M 37/00
F02D 45/00
G01G 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のフロアパネルの下方に配設された燃料タンク内の残燃料量を検出する車両用燃料タンクの残燃料量検出装置において、
前記燃料タンクを車体に固定するためのタンクバンドと、
前記タンクバンドに取り付けられる歪ゲージとを有し、
前記歪ゲージによって検出される前記タンクバンドの歪に基づいて前記残燃料量を求めるものであって、
前記タンクバンドは前記燃料タンクの下面に沿って取り付けられ、
前記燃料タンクの下面と前記タンクバンドの上面との間には、弾性部材が介装されており、
前記歪ゲージは、前記タンクバンドの表面のなかの、前記弾性部材が介装されていない下面に取り付けられて、前記燃料タンクの真下に配置されることを特徴とする車両用燃料タンクの残燃料量検出装置。
【請求項2】
車両のフロアパネルの下方に配設された燃料タンク内の残燃料量を検出する車両用燃料タンクの残燃料量検出装置において、
前記燃料タンクを車体に固定するためのタンクバンドと、
前記タンクバンドに取り付けられる歪ゲージとを有し、
前記歪ゲージによって検出される前記タンクバンドの歪に基づいて前記残燃料量を求めるものであって、
前記タンクバンドは、このタンクバンドの長手方向断面視略ハット状に形成されており、幅方向両側の縁部と、中央部にはこれらの縁部よりも前記燃料タンク側に突形状をした突形状部とを備え、
前記歪ゲージは、前記縁部の前記燃料タンク側の面に取り付けられていることを特徴とする車両用燃料タンクの残燃料量検出装置。
【請求項3】
前記タンクバンドは、このタンクバンドの長手方向断面視略ハット状に形成されており、幅方向両側の縁部と、中央部にはこれらの縁部よりも前記燃料タンク側に突形状をした突形状部とを備え、前記歪ゲージは、前記突形状部の長手方向の中央に取り付けられていることを特徴とする、請求項に記載の車両用燃料タンクの残燃料量検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される燃料タンク内の残燃料量を検出する残燃料量検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガソリンや軽油を燃料とする車両において、運転者が給油の時期、及び走行可能距離を判断するため、燃料タンク内に残っている残燃料量を表示することは必要不可欠である。
【0003】
従来、燃料タンクに残っている燃料の量を検出する装置としては、例えば特許文献1が知られている。特許文献1の装置は、燃料タンク内に残燃料の液面レベルに応じて上下移動するフロートを配置し、同フロートのフロートアームを抵抗板上で摺動させ、液面レベルを電位差に変換して液面高さを検出し、液面高さから算出した残燃料量を運転者に対し表示するというものである。
【0004】
ところが特許文献1の技術では、燃料タンク内にフロート等の残燃料量検出装置を配置するため、残燃料量検出装置の体積分だけ燃料タンクの容積が減少してしまう。また、燃料タンク内に残燃料量検出装置を配置しなければならないため、燃料タンクの形状が制限されてしまい、薄型や複雑な形状とすることができない。さらに、燃料タンク内の液面レベルは、車両の姿勢や走行状況によって大きく変動するため、適宜、正確な残燃料量を検出することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−50410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、十分な燃料タンクの容量を確保でき、また、車両の姿勢や走行状況にかかわらず燃料タンク内の残燃料量を正確に検出することができ、さらには、薄型や複雑な形状を有する燃料タンクであっても残燃料量を検出することができる残燃料量検出装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明は、車両のフロアパネルの下方に配設された燃料タンク内の残燃料量を検出する車両用燃料タンクの残燃料量検出装置において、燃料タンクを車体に固定するためのタンクバンドと、タンクバンドに取り付けられる歪ゲージとを有し、歪ゲージによって検出されるタンクバンドの歪に基づいて残燃料量を求めることを特徴とする。
【0008】
また、タンクバンドは燃料タンク下面に沿って取り付けられ、燃料タンクの下面とタンクバンドの上面との間には、弾性部材が介装されており、歪ゲージは、タンクバンドの表面のなかの、弾性部材が介装されていない下面に取り付けられて、燃料タンクの真下に配置されることが好ましい。
【0009】
さらに、タンクバンドは、このタンクバンドの長手方向断面視略ハット状に形成されており幅方向両側の縁部と、中央部にはこれらの縁部よりも燃料タンク側に突形状をした突形状部を備え、歪ゲージは、縁部の燃料タンク側の面に取り付けられていることが好ましい
【0010】
さらにまた、タンクバンドは、このタンクバンドの長手方向断面視略ハット状に形成されており幅方向両側の縁部と、中央部にはこれらの縁部よりも燃料タンク側に突形状をした突形状部を備え、歪ゲージは、突形状部の長手方向中央に取り付けられていることが好ましい
【発明の効果】
【0011】
発明においては、燃料タンクをフロアパネルの下方に配設し、かつ車体に固定するためのタンクバンドは、燃料タンクと残燃料の総重量を受ける。タンクバンドに取り付けられた歪ゲージは、前記総重量によるタンクバンドの歪を検出し、検出した信号に基づいて車両用燃料タンク内の残燃料量を求めることができる。したがって、燃料タンク内に残燃料量検出装置を配置する必要が無いため、燃料タンクの容量を十分に確保できる。また、燃料タンクの形状の自由度が増し、例えば薄い形状や複雑な形状の燃料タンクのように燃料タンク内に残燃料量検出装置を配置することができない燃料タンクであっても残燃料量を求めることができる。さらに、車両の姿勢や走行状況の影響を受けやすい液面レベルではなく、これらの影響を受けにくい重さによる歪に基づいて残燃料量を求めるため、車両の姿勢や走行状況にかかわらず、残燃料量を求めることができる。
【0012】
また、タンクバンドが燃料タンクの下面に沿って取り付けられ、燃料タンクの下面とタンクバンドの上面との間には、弾性部材が介装されており、歪ゲージは、燃料タンクの真下で、且つタンクバンドの表面のなかの、弾性部材が介装されていない面に取り付けられる。燃料タンクとタンクバンドとの間の弾性部材は、両者の緩衝材となるので、タンクバンドに加わる荷重を的確に受け、適切に燃料タンクを支持することができる。特に、車両が段差を乗り越える等大きな荷重がかかった場合であっても、燃料タンクがタンクバンドから離れることなく、燃料タンクは常にタンクバンドにより支持される状態を維持されるため、歪ゲージが取り付けられたタンクバンドが燃料タンクから受ける荷重による歪を間断なく検出し、残燃料量を求めることができる。
【0013】
さらに、タンクバンドは、このタンクバンドの長手方向断面視略ハット状に形成されており幅方向両側の縁部と、中央部にはこれらの縁部よりも燃料タンク側に突形状をした突形状部を備え、歪ゲージは、縁部の燃料タンク側の面に取り付けられている。そのため、タンクバンド上に弾性部材と歪ゲージを効率よく配置することができる。また、歪ゲージをタンクバンドの燃料タンク側に設置するため、車両の走行中、歪ゲージに道路上の石等の異物が当たりにくく、歪ゲージを保護することができる。
【0014】
さらにまた、タンクバンドは、このタンクバンドの長手方向断面視略ハット状に形成されており幅方向両側の縁部と、中央部にはこれらの縁部よりも燃料タンク側に突形状をした突形状部を備え、歪ゲージは、タンクバンドの突形状部の長手方向の中央に取り付けられている。当該部位は、他の部位と比べ、燃料タンク内の残燃料量の増減による荷重の変化を顕著に受けるため、荷重の変化が顕著に生じることになる。したがって、当該部位に取り付けられた歪ゲージは、他の部位に取り付けられた歪ゲージと比べ、残燃料量の増減により生じる顕著なタンクバンドの歪の変化を検出することができ、残燃料量を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る燃料タンクがフロアパネルの下方に配設された構成を車幅中央側から見た断面及びタンクバンドの平面を示す図である。
図2図1の2−2線に沿った断面図である。
図3図2に示される3部の拡大図である。
図4図1のタンクバンドの突形状部の長手方向中央に取り付けられた歪ゲージ近傍の断面図の拡大図である。
図5】残燃料量と応力の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0017】
先ず、本発明の構成を添付図1図3に基づいて説明する。なお、Frは車両10の前側、Rrは後側、Leは左側、Riは右側を示す。図1(a)は本発明に係る燃料タンク20がフロアパネル11aの下方に配設された構成を車幅中央側から見た断面図であり、図1(b)は燃料タンク20を車体11に固定するためのタンクバンド30の平面図である。乗用車、バス、トラック等の車両10の車体11のフロアパネル11aの下方には燃料タンク20が配設されている。フロアパネル11aと燃料タンク20の間にはゴムや軟質樹脂等からなる緩衝材12が介装されている。車体11は、フロアパネル11aの下を通るクロスメンバ13を有する。燃料タンク20は2本のタンクバンド30により支持され、2本のタンクバンド30の両端は車両10の車体のクロスメンバ13に固定されている。
【0018】
燃料タンク20は、合成樹脂により一体成形される。又は、燃料タンク20は鋼板又は合成樹脂製のタンクアッパー部と、同じく鋼板又は合成樹脂製のタンクロアー部を、それぞれの外周に沿って設けられたフランジ部を接着剤やボルト及びナットにより接合することにより構成してもよい。
【0019】
燃料タンク20の下面20aには、車両10の前後方向に伸びる2本の左右のタンクバンド30が当接する2本の左右のタンクバンド取り付け溝21が設けられている。また、燃料タンク20の上面には、燃料を車両10の給油口(図示せず)から燃料タンク20に給油するための給油管22とエア抜き管23、及び燃料ポンプ(図示せず)により燃料タンク20からエンジン(図示せず)に燃料を供給する燃料供給管24が設けられている。
【0020】
左右のタンクバンド30は、鋼板の折り曲げ成形品であり、その長手方向の全長にわたって、タンクバンド30の長手方向断面視で上面(燃料タンク20に対応する面)中央部に突形状の突形状部31と、その両側に縁部32を有している。つまり、タンクバンド30は、断面視略ハット状に形成されている。
【0021】
前記突形状部31は、それぞれタンクバンド30の長手方向に、車両10の前後方向に延びる水平部31aと、当該水平部31aの前側に前傾斜部31bを介して前取付部31cと、後側に後傾斜部31dを介して後取付部31eを有する。
【0022】
前記突形状部31のうち、水平部31aの全域、前傾斜部31b及び傾斜部31dの水平部31aに近い上面には、ゴムや軟質樹脂等からなる弾性部材33が接着剤により貼り付けられている。
【0023】
燃料タンク20は、フロアパネル11aの下の所定の位置に配設され、左右のタンクバンド30の弾性部材33の上面が左右のタンクバンド取り付け溝21に当接する。そして、左右2本のタンクバンド30の各前取付部31cに1つずつ開けられた前取付孔と、各後取付部31eに1つずつ開けられた後取付孔にそれぞれに支持ボルト34を挿入し、さらに支持ボルト34のネジ部を車両10の車体11のクロスメンバ13に設けられた孔に挿入し、支持ボルト34をタンク取り付けナット35によって締結する。これにより、燃料タンク20は、左右2本のタンクバンド30によりフロアパネル11aの下方に配設、車体11に固定され、支持される。
【0024】
燃料タンク20は、跳ね石等から燃料タンク20を保護するため、ゴムや軟質樹脂等を介して、燃料タンク20の全体、又は下面20aのみを金属製又は樹脂製カバーによって覆われてもよい。この場合、前記カバーの下面に、燃料タンク20のタンクバンド取り付け溝21と同じ働きをする左右のタンクバンドを取り付けるための溝が設けられている。
【0025】
左右一方のタンクバンド30の長手方向の中央部の突形状部31の縁部32には、歪ゲージ41が1つ取り付けられている。歪ゲージ41は1つで十分であるが、故障や破損などに備えて2つ以上取り付けられてもよい。また、歪ゲージ41は縁部32の裏面に取り付けられてもよい。
【0026】
歪ゲージ41は、この歪ゲージ41の長手方向がタンクバンド30の長手方向と平行になるように、タンクバンド30の縁部32に、接着剤により取り付けられる。なお、取り付けられた歪ゲージ41の上面をゴムや樹脂等からなる保護部材により覆ってもよい。
【0027】
歪ゲージ41から伸びるゲージリードは、電源回路、ブリッジ回路及び増幅器からなり、タンクバンド30の歪量を検出する歪量測定装置42に接続される。歪量測定装置42は、燃料タンク20以外の車両10に設置される。
【0028】
歪量測定装置42は、タンクバンド30の歪の量から残燃料45の重さ、更には残燃料45の重さから量を求める処理装置43に接続される。処理装置43は、燃料タンク20以外の車両10に設置される。
【0029】
処理装置43は、この処理装置43により求められた結果を表示する運転席のインストルメントパネル内に設置され、残燃料45が燃料タンク20の容量限度まで入っている状態からゼロの状態まで燃料タンク20の容量の割合に応じた残燃料45量を指針やバーグラフ等により表示する燃料計44に接続される。
【0030】
以上より、本発明の残燃料量検出装置40は、タンクバンド30と、歪ゲージ41と、歪量測定装置42と、処理装置43と、燃料計44とを含む。
【0031】
次に、残燃料量検出装置40が、歪ゲージ41により検出されるタンクバンド30の歪に基づいて燃料タンク20内の残燃料45量を求める方法について説明する。
【0032】
多くの金属は、力が加えられた場合、機械的な微小変化である伸び又は縮み(この伸び及び縮みを総称して「歪」という)が生じ、それに伴いその金属の電気抵抗が変化する。歪ゲージ41と歪ゲージ41が接続する歪量測定装置42は、当該金属に加えられた力に応じて発生する「歪」を電気信号として検出するセンサーである。歪の大きさと電気抵抗は抵抗変化率という定数をもって比例するが、この抵抗変化率は受動素子によって決まる。したがって、検出した歪に、歪ゲージ41の受動素子の抵抗変化率を乗じることにより、当該歪を発生させた力、すなわち荷重を求めることができる。本発明は、燃料タンク20中の残燃料45量を、燃料タンク20を支持するタンクバンド30に生じる「歪」を歪ゲージ41によって検出し、これに基づいて求める燃料タンク20内の残燃料量検出装置である。
【0033】
燃料は、車両10の給油口(図示せず)から給油管22を通って燃料タンク20に給油される。燃料タンク20に給油された燃料は、燃料ポンプ(図示せず)により燃料供給管24を通ってエンジン(図示せず)に供給される。
【0034】
燃料タンク20内の残燃料45量が給油により増えた場合には、燃料タンク20の重量と残燃料45の重量を合わせた燃料タンク20の総重量が増加する。他方、走行等によりエンジンが燃料を消費することにより残燃料45量が減った場合には燃料タンク20の総重量が減少する。すなわち、燃料タンク20の総重量は、残燃料45量の増減に比例して増減する。
【0035】
燃料タンク20の下面20aはタンクバンド30により支持され、車両10のフロアパネル11aの下方に配設、車体11に固定されているため、燃料タンク20の総重量はタンクバンド30にかかる。そのため、タンクバンド30には、燃料タンク20の総重量を荷重とする歪が生ることになる。
【0036】
タンクバンド30は、燃料タンク20内の残燃料45量の増加に伴い荷重が大きくなると、タンクバンド30の燃料タンク20側の面は、突形状部31とその縁部では伸び、突形状部31の前傾斜部31bと後傾斜部31では縮むことになる。
【0037】
この点、燃料タンク20を支持するタンクバンド30の平面図である図1(b)のとおり、3ヶ所に歪ゲージを取り付け、燃料を給油するに従い当該歪ゲージが検出する値を記録し、比較してみる。タンクバンド30の突形状部31の長手方向中央に取り付けた第1歪ゲージ(41a)(図4参照)、タンクバンド30の前傾斜部31bの縁部に取り付けた第2歪ゲージ(41b)及び、タンクバンド30の後傾斜部31dの縁部に取り付けた第3歪ゲージ(41c)それぞれにつき残燃料45量(L)に応じて検出した応力(MPa)をプロットしたところ、図5のグラフの通りとなった。図5から明らかなように、いずれの歪ゲージにも残燃料量に応じて歪ゲージが検出する応力の値は直線的に大きくなり(マイナスの場合は小さくなる)、残燃料量と応力との間には線形関係が認められる。他方、同じ残燃料45量でも、第2歪ゲージ(41b)が検出した応力及び第3歪ゲージ(41c)が検出した応力と比べ、第1歪ゲージ(41a)が検出した応力は約3〜5倍であるところ、他の歪ゲージと比較し、第1歪ゲージ(41a)は、残燃料45量が増加するに伴い生じるタンクバンドに係る応力をより大きなものとして検出することができることが認められる。即ちタンクバンド30の突形状部31の長手方向中央に取り付けた第1歪ゲージ(41a)が残燃料45量の増減を最もよく検出することができることが認められる。
【0038】
したがって、タンクバンド30の縁部32に取り付けられた歪ゲージ41及びタンクバンド0の突形状部31の長手方向の中央に取り付けられた第1歪ゲージ41aは、残燃料45量の増加に伴いタンクバンド30にかけられる荷重が大きくなると、タンクバンド30の伸びの歪を検出し、他方、残燃料45量の減少に伴いタンクバンド30にかけられる荷重が小さくなると、タンクバンド30の伸びが徐々に元にもどることによる歪の減少を検出する。
【0039】
歪ゲージ41は、タンクバンド30に生じた歪を電気信号として検出し、その電気信号を発する。
【0040】
歪量測定装置42は、歪ゲージ41から受けた電気信号に基づいてタンクバンド30の歪量を求め、その歪量データを処理装置43に送る。
【0041】
処理装置43は、歪量測定装置42から受けた歪量データに基づいて、残燃料45量を所定の演算式やマップによって求める。
【0042】
なお、残燃料45が燃料タンク20の容量限度まで入っている場合、燃料タンク20の総重量は燃料タンク20の重量に容量限度の残燃料45の重量を合計したものであり、タンクバンド30にかかる荷重は最も大きくなる。このとき生じる歪により生じる電気信号に基づいて処理装置43が求めた残燃料45量を燃料タンク20の限度容量とし、燃料計44の針が「F」(フル[Full]を意味する。)を表示するように設定する。
【0043】
また、燃料タンク20内の残燃料45量がゼロの場合、燃料タンク20の総重量は燃料タンク20の重量と同じであり、タンクバンド30にかかる荷重は最も小さくなる。このとき生じる歪により生じる電気信号に基づいて処理装置43が求めた残燃料45量をゼロとし、燃料計44の針を「E」(エンプティ[Empty]を意味する。)を表示するように設定する。
【0044】
燃料計44は、処理装置43から受けた残燃料45量の値を、燃料タンク20の容量に対する割合(満タンク、3/4、1/2、1/4、空タンク)として、目盛と指針、バーグラフ等により表示する。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、ガソリンや軽油を燃料とする車両のフロアパネルの下方に、燃料タンクを配設、固定する乗用車、貨物車、バス等の自動車やディーゼル機関車等様々なタイプの車両に好適である。
【符号の説明】
【0046】
10…車両、
11…車体、
11a…フロアパネル
12…緩衝材、
13…クロスメンバ
20…燃料タンク、
21…タンクバンド取り付け溝、
22…給油管、
23…エア抜き管、
24…燃料供給管、
30…タンクバンド、
32…縁部、
33…弾性部材、
34…支持ボルト、
35…ナット、
40…残燃料量検出装置、
41…歪ゲージ、
42…歪量測定装置、
43…処理装置、
44…燃料計、
45…残燃料。
図1
図2
図3
図4
図5