特許第6253632号(P6253632)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6253632
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】排気装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 13/08 20100101AFI20171218BHJP
   F01N 1/08 20060101ALI20171218BHJP
   B60R 19/48 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   F01N13/08 B
   F01N1/08 A
   B60R19/48 L
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-250810(P2015-250810)
(22)【出願日】2015年12月24日
(65)【公開番号】特開2017-115655(P2017-115655A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2016年9月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】桐生 大輔
【審査官】 首藤 崇聡
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5559097(JP,B2)
【文献】 登録実用新案第3167024(JP,U)
【文献】 実開昭60−107318(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 13/08
B60R 19/48
F01N 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、2つ以上のテールパイプを有し、パワープラントが排出するガスを排気する排気装置において、
前記パワープラントの低負荷時に前記ガスの排気量を低減する制御弁を備えたテールパイプと、
前記制御弁を備えていない他のテールパイプと、
を有し、
前記制御弁を備えたテールパイプは、前記制御弁を備えていない他のテールパイプと比較して、排出口が下方を向いていることを特徴とする排気装置。
【請求項2】
少なくとも、2つ以上のテールパイプを有し、パワープラントが排出するガスを排気する排気装置において、
前記パワープラントの低負荷時に前記ガスの排気量を低減する制御弁を備えたテールパイプと、
前記制御弁を備えていない他のテールパイプと、
を有し、
前記制御弁を備えたテールパイプは、車両前後方向でリヤバンパと重畳することを特徴とする排気装置。
【請求項3】
少なくとも、2つ以上のテールパイプを有し、パワープラントが排出するガスを排気する排気装置において、
前記パワープラントの低負荷時に前記ガスの排気量を低減する制御弁を備えたテールパイプと、
前記制御弁を備えていない他のテールパイプと、
を有し、
前記制御弁を備えたテールパイプは、車両後方から見たときにリヤバンパで隠れることを特徴とする排気装置。
【請求項4】
少なくとも、2つ以上のテールパイプを有し、パワープラントが排出するガスを排気する排気装置において、
前記パワープラントの低負荷時に前記ガスの排気量を低減する制御弁を備えたテールパイプと、
前記制御弁を備えていない他のテールパイプと、
を有し、
前記制御弁を備えたテールパイプの排出口を、その周囲に同化させることにより、車両後方からみた者が前記排出口を視認し難く、又は、視認不可能になることを特徴とする排気装置。
【請求項5】
請求項4記載の排気装置において、
前記制御弁を備えたテールパイプの排出口を含む近傍部分の外表面が黒色で着色されることにより、前記排出口は、車体下部の陰影と同化することを特徴とする排気装置。
【請求項6】
請求項4記載の排気装置において、
前記制御弁を備えたテールパイプの排出口を含む近傍部分の外表面がリヤバンパと同色に着色されることにより、前記排出口は、前記リヤバンパと同化することを特徴とする排気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のパワープラントが排出するガスを排気する排気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、サイレンサから車両後方に向かって2本のテールパイプが突出する排気装置が開示されている。2本のテールパイプ中、一方のテールパイプの管内には、排気圧力を制御する圧力制御弁が配置され、他方のテールパイプの管内には、圧力制御弁が配置されていない。この圧力制御弁は、ノーマルクローズタイプのバルブからなり、排気ガスの排気圧力が低い低負荷時において、コイルスプリングのばね力によって閉弁状態に保持されている。
【0003】
排気圧力が高い高負荷時において、排気ガスの排気圧力がコイルスプリングのばね力よりも大きくなった場合、圧力制御弁は、閉弁状態から開弁状態に切り替わるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5559097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示された排気装置では、例えば、排気圧力が低い低負荷時に、圧力制御弁が配置されていない他方のテールパイプのみから排気ガスが排出される。このため、2本のテールパイプがそれぞれ車両後方へ向かうように並列に配置されている場合、外部から視認して不自然であって商品性が低下するおそれがある。
【0006】
また、場合によっては、外部から視認する者により、排気ガスを排出していない一方のテールパイプが目詰まり等によって故障しているのではないか、と誤認されるおそれがある。
【0007】
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、商品性の低下や誤認を回避することが可能な排気装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、本発明は、少なくとも、2つ以上のテールパイプを有し、パワープラントが排出するガスを排気する排気装置において、前記パワープラントの低負荷時に前記ガスの排気量を低減する制御弁を備えたテールパイプと、前記制御弁を備えていない他のテールパイプと、を有し、前記制御弁を備えたテールパイプは、前記制御弁を備えていない他のテールパイプと比較して、排出口が下方を向いていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、制御弁を備えたテールパイプの排出口が、制御弁を備えていないテールパイプの排出口よりも下方を向いて配置されることで、車両後方から車体後部を視認した場合、制御弁を備えたテールパイプの排出口を視認することが困難となる。この結果、本発明では、制御弁を備えていないテールパイプのみからガスが排出されるようにみえる不自然性を無くして、商品性が低下することを回避することができる。また、本発明では、テールパイプが目詰まり等によって故障しているのではないか、と誤認されることを回避することができる。
【0010】
また、本発明は、少なくとも、2つ以上のテールパイプを有し、パワープラントが排出するガスを排気する排気装置において、前記パワープラントの低負荷時に前記ガスの排気量を低減する制御弁を備えたテールパイプと、前記制御弁を備えていない他のテールパイプと、を有し、前記制御弁を備えたテールパイプは、車両前後方向でリヤバンパと重畳することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、制御弁を備えたテールパイプとリヤバンパとを車両前後方向で重畳させることで、車両後方から車体後部を視認した場合、制御弁を備えたテールパイプの排出口を視認することが困難となる。この結果、本発明では、商品性が低下することや誤認等の問題を回避することができる。
【0012】
さらに、本発明は、少なくとも、2つ以上のテールパイプを有し、パワープラントが排出するガスを排気する排気装置において、前記パワープラントの低負荷時に前記ガスの排気量を低減する制御弁を備えたテールパイプと、前記制御弁を備えていない他のテールパイプと、を有し、前記制御弁を備えたテールパイプは、車両後方から見たときにリヤバンパで隠れることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、制御弁を備えたテールパイプを、車両後方から見たときにリヤバンパで隠れることにより、車両後方から車体後部を視認した場合、制御弁を備えたテールパイプの排出口を視認することが困難となる。この結果、本発明では、商品性が低下することや誤認等の問題を回避することができる。
【0014】
さらにまた、本発明は、少なくとも、2つ以上のテールパイプを有し、パワープラントが排出するガスを排気する排気装置において、前記パワープラントの低負荷時に前記ガスの排気量を低減する制御弁を備えたテールパイプと、前記制御弁を備えていない他のテールパイプと、を有し、前記制御弁を備えたテールパイプの排出口を、その周囲に同化させることにより、車両後方からみた者が前記排出口を視認し難く、又は、視認不可能になることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、制御弁を備えたテールパイプの排出口を、その周囲に同化させることにより、車両後方からみた者が排出口を視認し難く、又は、視認不可能とすることができる。これにより、本発明では、商品性が低下することや誤認等の問題を回避することができる。
【0016】
この場合、周囲に同化させるとは、例えば、制御弁を備えたテールパイプの排出口を含む近傍部分の外表面を黒色で着色することで、排出口が車体下部の陰影と同化する。また、制御弁を備えたテールパイプの排出口を含む近傍部分の外表面をリヤバンパと同色に着色することで、排出口がリヤバンパと同化する。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、商品性の低下や誤認を回避することが可能な排気装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る排気装置の斜視図である。
図2図1に示す排気装置の要部断面図である。
図3図1に示す排気装置に組み込まれた圧力制御弁の閉弁状態を示す斜視図である。
図4図3に示す圧力制御弁の平面図である。
図5図3に示す圧力制御弁の側面図である。
図6】(a)は、2つのテールパイプを有するサイレンサを車両後方の斜め方向から見た透過斜視図、(b)は、2つのテールパイプを車幅方向から見た側面拡大図である。
図7】(a)は、リヤバンパの下部にフィニッシャを付設した状態を車両後方から見た説明図、(b)は、(a)のVII−VII線に沿った横断面図である。
図8】(a)は、リヤバンパにフィニッシャを内蔵した状態を車両後方から見た説明図、(b)は、(a)のVIII−VIII線に沿った横断面図である。
図9】他の実施形態に係る排気装置の要部拡大断面図である。
図10】さらに他の実施形態に係る排気装置の要部拡大断面図である。
図11】さらに他の実施形態に係る排気装置において、圧力制御弁を備えたテールパイプの排出口を含む近傍部分の外表面を黒色で着色した状態を示す透過斜視図である。
図12】さらに他の実施形態において、圧力制御弁を備えたテールパイプの排出口を含む近傍部分の外表面をリヤバンパと同色で着色した状態を示す透過斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る排気装置の斜視図、図2は、図1に示す排気装置の要部断面図である。
【0020】
排気装置100は、図示しない排気浄化機構を介して、エンジン(パワープラント)の排気マニホールドに接続されている。図1に示されるように、排気装置100は、フロントパイプ32と、エグゾーストチャンバ33と、ミドルパイプ34と、エグゾーストチャンバ35と、二股に分岐したリヤパイプ36と、車幅方向に沿って並設された2つのサイレンサ37と、各サイレンサ37に接続されるバルブカバー38及びテールパイプ40と、バルブカバー38に接続されるテールパイプ39とを備えて構成されている。なお、フロントパイプ32の前端には、エンジンの排気マニホールドに接続されるフランジ31が設けられている。
【0021】
この場合、上流側に配置されたエグゾーストチャンバ33が、前段サイレンサとして機能し、下流側に配置されたエグゾーストチャンバ35が、中段サイレンサとして機能し、並設された2つのサイレンサ37が、後段サイレンサとして機能する。このように、排気装置100は、3段のサイレンサで構成されている。
【0022】
フランジ31から流れ込んだ排気ガス(ガス)は、フロントパイプ32を流通してエグゾーストチャンバ33に流入する。エグゾーストチャンバ33では、前段サイレンサとして、吸音式サイレンサ構造が採用されている。エグゾーストチャンバ33内には、例えば、グラスウール等の吸音材が収容されている。
【0023】
排気ガスは、エグゾーストチャンバ33から、ミドルパイプ34を流通してエグゾーストチャンバ35に流入する。エグゾーストチャンバ35では、中段サイレンサとして、吸音式サイレンサ構造が採用されている。エグゾーストチャンバ35内には、例えば、グラスウール等の吸音材が収容されている。
【0024】
さらに、排気ガスは、エグゾーストチャンバ35からリヤパイプ36を流通してサイレンサ37に流入する。サイレンサ37では、後段サイレンサとして、膨張式サイレンサ(大容量サイレンサ)構造が採用されている。なお、サイレンサ37の構造は、後記で詳細に説明する。
【0025】
排気ガスは、エグゾーストチャンバ35からリヤパイプ36を流通してサイレンサ37に流入する。サイレンサ37に流入した排気ガスは、2つのルートに沿って大気中に排出される。図2に示されるように、第1ルートは、排気ガスがバルブカバー38及びテールパイプ39を流通してテールパイプ39の排出口39aから大気中に排出されるルートである。第2ルートは、テールパイプ40を流通してテールパイプ40の排出口40aから大気中に排気されるルートである。なお、本実施形態では、2つのテールパイプ39、40を有する場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、少なくとも2つ以上のテールパイプを備えていればよい。
【0026】
エグゾーストチャンバ33及びサイレンサ37には、それぞれステイ41が取り付けられている。排気装置100は、ステイ41を介して、車両の車体下部に吊り下げられている。
【0027】
サイレンサ37は、膨張式サイレンサ(大容量サイレンサ)構造が採用されている。サイレンサ37に流入した排気ガスは、リヤパイプ36からインパイプ44を流通して、大容量の容器42内に放出される。これにより、排気ガスの流路面積が急変(急拡大)し、音響エネルギが減衰する。容器42内の排気ガスは、セパレータ43を透過し、パイパス排気管45に流入する。パイパス排気管45の一端は、容器42の内部で開口し、バイパス排気管45は、容器42を貫通している。容器42を貫通したパイパス排気管45の他端は、容器42の外部に露出して、圧力制御弁(制御弁)1が装着されている。
【0028】
また、容器42内に位置するバイパス排気管45の中間部には、バイパス排気管45から分岐したメイン排気管46が接続されている(図2参照)。メイン排気管46は、管径がバイパス排気管45より細く、1回、渦巻き状にとぐろを巻き、管の長さをバイパス排気管45より長くしている。メイン排気管46は、テールパイプ40に接続されている。テールパイプ40の排出口40aには、ねじ部材48(後記する図6参照)を介して略円筒状のフィニッシャ50が取り付けられている。バイパス排気管45の容器42の外側部分及び圧力制御弁1は、それぞれバルブカバー38によって被覆されている。バルブカバー38は、圧力制御弁1のカバーとして機能するだけでなく、圧力制御弁1から流出した排気ガスを、テールパイプ39へ導入する導入管としても機能する。
【0029】
エンジンの低負荷時(例えば、エンジンの始動、アイドリング回転を含む低速回転域にあるとき)には、排気ガスのバイパス排気管45内の排気圧力が低いため、圧力制御弁1は、バイパス排気管45の開口端2を閉塞した閉弁状態に保持されている。従って、排気ガスは、図2の実線矢印で示されるように、メイン排気管46を流通する。排気ガスの略全ては、メイン排気管46を経由して大気中に排出される。これにより、低負荷時のエンジンの排気騒音を効率良く低減することができる。
【0030】
エンジンの高負荷時(例えば、追い越し等の高速回転域にあるとき)には、排気ガスのバイパス排気管45内の排気圧力が高くなり、圧力制御弁1の閉塞力よりも高くなり、圧力制御弁1は、バイパス排気管45の開口端2を開放する。これにより、排気ガスの一部は、図2の破線矢印で示されるように、バイパス排気管45から、バイパス排気管45の開口端2を開放した圧力制御弁1、バルブカバー38、及び、テールパイプ39を順次経由して大気中に排出される。
【0031】
同時に、排気ガスの一部は、バイパス排気化45から分岐したメイン排気管46、及び、テールパイプ40の順次経由して大気中に排出される。これにより、排気抵抗を低減することができ、圧力制御弁1は、開放時の排気圧力の上昇を抑制する制御、すなわち、排気圧力の圧力制御をすることができる。
【0032】
図3は、図1に示す排気装置に組み込まれた圧力制御弁の閉弁状態を示す斜視図、図4は、図3に示す圧力制御弁の平面図、図5は、図3に示す圧力制御弁の側面図である。
【0033】
圧力制御弁1は、バイパス排気管45の下流側の開口端2に配置され、バルブカバー38によって被覆されている。圧力制御弁1は、バイパス排気管45の管壁に支持されている。圧力制御弁1は、支持部3を備えている。この支持部3は、バイパス排気管45の下流側の開口端2の近傍の管壁に設けられている。支持部3には、支軸4が回動可能に軸支されている。支軸4の軸方向に沿った両端は、それぞれ、ブッシュ4aが嵌め込まれた支持部3の軸受に支持されている。支軸4の軸方向は、バイパス排気管45の開口端2の開口面S(図4参照)の延長平面と略平行になっている。支軸4の両端の支持部3の軸受の外側には、弁体として機能するフラップ弁6が固定されている。これにより、フラップ弁6は、支軸4を回動軸として所定角度回動することで、開口端2を開放乃至閉塞することができる。
【0034】
また、支持部3には、ばね軸5cが支持されている。ばね軸5cの軸方向は、支軸4の軸方向と略平行であり、且つ、バイパス排気管45の開口端2の開口面Sの延長平面と略平行になっている。ばね軸5cは、支軸4の軸芯と異軸で、支軸4から離間するように設けられている。
【0035】
ばね軸5cには、2つのねじりコイルばね5a、5h(5)が共に外嵌支持されている(図3参照)。ねじりコイルばね5aは、一方の端部に固定アーム5faを備え、他方の端部に可動アーム5maを備えている。また、ねじりコイルばね5bは、一方の端部に固定アーム5fbを備え、他方の端部に可動アーム5mbを備えている。各固定アーム5fa、5fbは、それぞれ、バイパス排気管45に固定された支持部3に引っ掛けられて係止されている。各可動アーム5ma、5mbは、それぞれ、開口端2(フラップ弁6)の前方において、ジョイント7によって連結されている。ジョイント7は、バイパス排気管45の側方から開口端2(フラップ弁6)の前方にかけて配置され、略平面視してコ字状に形成された部材で構成されている。
【0036】
図3及び図4に示されるように、ジョイント7には、複数の加締め部7a、7b、7c、7dが設けられている。加締め部7a、7b、7cを介して、可動アーム5maにジョイント7が固定されている。また加締め部7c、7dを介して、可動アーム5mbにジョイント7が固定されている。これにより、ジョイント7と可動アーム5ma、5mbとが一体的に動作するように設けられている。
【0037】
ジョイント7は、開口端2(フラップ弁6)の前方において、コロ8を備えている。このコロ8は、球体であり、コロ8に形成された貫通孔を可動アーム5maが貫通している。コロ8は、可動アーム5maを回動軸として回動可能に設けられている。
【0038】
コロ8は、フラップ弁6に設けられたガイド6aに圧接されている。コロ8は、フラップ弁6の開放動作及び閉塞動作に伴って、ガイド6aに圧接した状態を保持しながらガイド6a上を転動可能に設けられている。バイパス排気管45の開口端2の内側には、ラッパ状のシール材9が貼着されている。シール材9には、円環状の開口側シール面2aが形成されている。フラップ弁6には、開口端2の閉塞時に、開口側シール面2aに対し全周にわたって面接触する弁体側シール面6bが形成されている(図5参照)。
【0039】
2つのねじりコイルばね5a、5bは、ジョイント7とコロ8を介して、フラップ弁6にばね力(付勢力)を付与して、開口端2を閉塞している。この場合、バイパス排気管45内の排気圧力が前記ばね力(付勢力)よりも大きくなると、フラップ弁6が開口端2から離間して開口端2が開放される。
【0040】
図6(a)は、2つのテールパイプを有するサイレンサを車両後方の斜め方向から見た透過斜視図、図6(b)は、2つのテールパイプを車幅方向から見た側面拡大図である。
【0041】
圧力制御弁1を備えたテールパイプ39は、大気中に向かって排気ガスを排出する排出口39aを有する。この排出口39aは、車両後方側に傾斜する斜め下方を向いて配置されている(図6(b)参照)。また、圧力制御弁1を備えたテールパイプ39と、車体後部でテールパイプ39よりも車体後方位置に設けられたリヤバンパ52とは、車両前後方向で重畳するように配置されている。この結果、圧力制御弁1を備えたテールパイプ39は、リヤバンパ52で隠されているため、車体後方から車体後部を視認したときにテールパイプ39を視認することが困難になっている。
【0042】
圧力制御弁1を備えていないテールパイプ40は、大気中に向かって排気ガスを排出する排出口40aを有する。この排出口40aは、略水平方向で車両後方を向いて配置されている。圧力制御弁1を備えていないテールパイプ40の排気口40aには、ねじ部材48を介して略円筒状のフィニッシャ50が装着されている。テールパイプ40の排出口40aに装着されたフィニッシャ50は、リヤバンパ52の凹部54を介して車体後方から突出し車両後方から視認可能に設けられている(図6(a)参照)。なお、フィニッシャ50は、車体のリヤビューの意匠性を向上させるものである。
【0043】
圧力制御弁1を備えたテールパイプ39の排出口39aは、圧力制御弁1を備えていないテールパイプ40の排出口40aと比較して、下方を向いて配置されている(図6(b)参照)。
【0044】
これにより、車両後方から車体後部を視認した場合、圧力制御弁1を備えたテールパイプ39の排出口39aを視認することが困難となる。この結果、圧力制御弁1を備えていないテールパイプ40のみから排気ガスが排出されるようにみえる不自然性を無くして、商品性が低下することを好適に回避することができる。また、一方のテールパイプ39の排出口39aと他方のテールパイプ40の排出口40aとが並んでメガネ状に見えていて一方のテールパイプ39の排出口39aから白煙が出ていない場合、テールパイプ39が目詰まり等によって故障しているのではないか、と誤認されることを好適に回避することができる。さらに、車体後部を視認する視認者に対して違和感を与えることを無くすことができる。なお、圧力制御弁1備えていないテールパイプ40の排出口40aから排気ガスが排出されている状態を車両の後方位置から視認することが可能であり、テールパイプ40及びフィニッシャ50を意匠性向上部品として用いることができる。
【0045】
図7(a)は、リヤバンパの下部にフィニッシャを付設した状態を車両後方から見た説明図、図7(b)は、図7(a)のVII−VII線に沿った横断面図、図8(a)は、リヤバンパにフィニッシャを内蔵した状態を車両後方から見た説明図、図8(b)は、図8(a)のVIII−VIII線に沿った横断面図である。
【0046】
リヤバンパ52の下部には、車両後方から見て略矩形状で車幅方向に沿って拡幅したフィニッシャ56が付設されている。このフィニッシャ56は、中空の枠体からなる本体部58と、円形状の貫通孔60を有し本体部58の車両後方端面を遮蔽する遮蔽板62とを備えている。円形状の貫通孔60は、圧力制御弁1を備えていないテールパイプ40の排出口40aの外径と略同径、又は、それよりも若干大径に形成されている。
【0047】
圧力制御弁1を備えたテールパイプ39と、フィニッシャ56の遮蔽板62とは、車体前後方向で重畳する位置に配置されている。これにより、車両の後方位置から見て、圧力制御弁1を備えたテールパイプ39は、フィニッシャ56の遮蔽板62によって覆い隠されて視認することが困難になっている。
【0048】
なお、図8(a)、(b)に示すフィニッシャ56は、リヤバンパ52に内蔵されている点、及び、遮蔽板62に矩形状の開口部64が形成されている点が相違するのみで、その他の構成乃至作用効果は、図7(a)、(b)に示すフィニッシャ56と同一である。
【0049】
図9は、他の実施形態に係る排気装置の要部拡大断面図、図9は、さらに他の実施形態に係る排気装置の要部拡大断面図である。なお、図1図6に示される排気装置100と同一の構成要素には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
また、図9及び図10中では、圧力制御弁1を備えていないテールパイプ40の図示を省略している。
【0050】
図9に示されるように、他の実施形態に係る排気装置200では、圧力制御弁1を被覆するバルブカバー38から車両後方に向かって突出するテールパイプ39を除去し、バルブカバー38の車両後方端の下部に排気ガスを排出する排出口66を設けている点に特徴がある。
【0051】
図10に示されるように、さらに他の実施形態に係る排気装置300では、圧力制御弁1を被覆するバルブカバー38及びテールパイプ39をそれぞれ除去すると共に、圧力制御弁1をサイレンサの容器42内に収納している点に特徴がある。容器の車両後方端の下部には、排気ガスを排出する排出口68が形成されている。
【0052】
この排気装置200、300では、圧力制御弁1を備えていないテールパイプ40のみとなり、部品点数の削減によって製造コストを低減することができると共に、意匠性の低下や誤認等の問題を確実に回避することができる。
【0053】
図11は、さらに他の実施形態に係る排気装置において、圧力制御弁を備えたテールパイプの排出口を含む近傍部分の外表面を黒色で着色した状態を示す透過斜視図、図12は、さらに他の実施形態において、圧力制御弁を備えたテールパイプの排出口を含む近傍部分の外表面をリヤバンパと同色で着色した状態を示す透過斜視図である。
【0054】
図11に示されるように、さらに他の実施形態に係る排気装置400では、圧力制御弁1を備えたテールパイプ39の排出口39aを含む近傍部分の外表面が黒色(図11中の網点参照)で着色される(例えば、黒色で塗装する)ことにより、排出口39aが車体下部の陰影Sと同化する。
【0055】
図12に示されるように、さらに他の実施形態に係る排気装置500では、圧力制御弁1を備えたテールパイプ39の排出口39aを含む近傍部分の外表面がリヤバンパ52と同色で着色される(リヤバンパ52と同色で塗装する)ことにより(図12中の網点参照)、排出口39aがリヤバンパ52と同化する。
【0056】
このように、排気装置400、500では、圧力制御弁1を備えたテールパイプ39の排出口39aを、その周囲(例えば、車体下部の陰影Sやリヤバンパ52)に同化させることにより、車両後方からみた者が排出口39aを視認し難く、又は、視認不可能とすることができる。これにより、意匠性の低下や誤認等の問題を容易に回避することができる。
【0057】
なお、本実施形態では、パワープラントとしてエンジンを備える車両を用いて説明しているが、例えば、パワープラントとして燃料電池を備える燃料電池車にも適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 圧力制御弁(制御弁)
39 テールパイプ
39a 排出口
40 テールパイプ
40a 排出口
52 リヤバンパ
100、200、300、400、500 排気装置
S 陰影
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12