【実施例】
【0016】
以下の例は、現在最もよく知られた本発明の実施形態を説明する。しかしながら、以下は本発明の原理の例示的な又は説明のための適用にすぎないことを理解されるべきである。多数の修正及び代替の組成物、方法、並びに系が、当業者により本発明の精神及び範囲から逸脱することなく考案され得る。添付の特許請求の範囲はそのような修正及び処理の範囲にわたることが意図されている。かくして、本発明は特殊性と共に上に記載されているが、以下の例は、最も現実的で好ましい本発明の実施形態であると現在考えられることに関連してさらなる詳細を提供している。
【0017】
(例1)
(2S,5R)−硫酸モノ−{2−カルボキシアミド−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンのナトリウム塩の調製
ステップ−1:(2S,5R)−2−カルボキシアミド−6−ベンジルオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンの調製:
【0018】
方法−1:
出発化合物((2S,5R)−ナトリウム6−ベンジルオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシレート、式(II)の化合物)は、インド特許出願第699/MUM/2013号に開示されている手順に従って調製された。磁気撹拌機を備えた100mlの丸底フラスコに、(2S,5R)−ナトリウム6−ベンジルオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシレート(10.0g、0.033mol)を、続いて新たに調製したHOBt.アンモニア錯体(10.0g、0.066mol)、EDCヒドロクロリド(9.62g、0.050mol)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(4.51g、0.033mol)を仕込んだ。この固体の混合物に、水(30ml)を約35℃で添加し、撹拌を開始した。沈殿が30分後に起こった。その反応混合物を、約35℃でさらに20時間撹拌した。ジクロロメタン(150ml)をその懸濁液に添加し、その反応塊をそのまま10分間撹拌した。層を分離した。水性層をさらなるジクロロメタン(50ml)で洗浄した。合わせた有機層を、真空下で蒸発させ、残渣(21g)を得た。その残渣を、アセトン(21ml)で30分間撹拌し、吸引下で濾過して、約45℃での真空下の乾燥後、白色固体として(2S,5R)−2−カルボキシアミド−6−ベンジルオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンを、5.5gの量の60%の収率で得た。
【0019】
分析
H
1NMR (DMSO-d
6)
7.35 -7.45 (m, 6H), 7.25 (bs, 1H), 4.89 - 4.96 (dd, 2H), 3.68 (d, 1H), 3.62 (s, 1H), 2.90 (s, 2H), 2.04 - 2.07 (m, 1H), 1.70-1.83 (m, 1H), 1.61-1.66 (m, 2H).
MS (ES+) C
14H
17N
3O
3 = 276.1 (M+1)
純度:HPLCにより測定して93.95%。
比旋光度:[α]
25D−8.51°(c 0.5%、CHCl
3)
【0020】
方法−2:
別法では、上記の化合物は、以下のプロセスを使用して調製された。磁気撹拌機を備えた50mlの丸底フラスコに、水(15ml)中の(2S,5R)−ナトリウム6−ベンジルオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシレート(1g、0.003mol)の溶液、続いて撹拌下の35℃で、EDCヒドロクロリド(1g、0.005mol)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.39g、0.003mol)を仕込んだ。その反応塊を、白色の懸濁液を得るために1時間撹拌した。この時点で、アンモニア水(2ml、容積当たり40質量%)を撹拌下で添加した。その反応混合物をさらに5時間撹拌した。その懸濁液を濾過し、さらなる水(10ml)で洗浄し、45℃の真空下で乾燥後、0.21g量の(2S,5R)−2−カルボキシアミド−6−ベンジルオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]を得た。
ステップ−2:(2S,5R)−2−カルボキシアミド−6−スルホオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンのテトラブチルアンモニウム塩の調製:
パールシェーカーボトル(Parr shaker bottle)に、(2S,5R)−2−カルボキシアミド−6−ベンジルオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン(7.0g、0.025mol)を、続いてN,N−ジメチルホルムアミドとジクロロメタンの1:1の混合物(35ml:35ml)を仕込んだ。その透明な溶液に、10%パラジウム炭素(1.75g)を添加し、そして水素圧を50psiまでかけた。その懸濁液を、35℃で3時間振盪した。その触媒を、その反応混合物をセライト床(celite bed)により濾過することによって除去した。その触媒床を、ジクロロメタン(30ml)で洗浄した。合わせた濾液は、40℃未満の真空下で蒸発させ、油状の残渣を得た。その油状の残渣(4.72g)を、N,N−ジメチルホルムアミド(35ml)に溶解し、その透明な溶液に、三酸化硫黄.DMF錯体を撹拌下の10℃で1回で添加した。その混合物を、さらに2時間35℃でそのまま撹拌した。TLCが完全な変換を示したとき、酢酸テトラブチルアンモニウムの10%水溶液(9.44g、0.031mol、30mlの水中)を、撹拌下で添加し、その反応混合物を終夜撹拌し、次いで温度が40℃を超えないロータリーエバポレーターに基づく高真空蒸留にかけ、残渣を得た。キシレン(50ml)をその残渣に添加し、DMFの痕跡が除去されるように同様に蒸発させた。かくして得られた乾燥残渣を、水(70ml)と共に撹拌し、ジクロロメタンで抽出した(70ml×2)。合わせた有機抽出物を、硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を40℃未満の真空下で蒸発させ、粗生成物として7gの量で油状の残渣を得た。それを、メチルイソブチルケトン(21ml)と共に約35℃で30分間撹拌し、(2S,5R)−2−カルボキシアミド−6−スルホオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンのテトラブチルアンモニウム塩としての5.9gの量の白色固体を純粋な形で46%の収率で得た。
【0021】
分析
NMR: (CDCl
3)
6.63 (s, 1H), 5.48 (s, 1H), 4.34 (br s, 1H), 3.90 (d, 1H), 3.27-3.40 (m, 9H), 2.84 (d, 1H), 2.38 (dd, 1H), 2.21-2.20 (m, 1H), 1.60-1.71 (m, 12H), 1.40-1.50 (m, 8H), 1.00 (t, 12H).
MS(ES−)C
7H
10N
3O
6S.N(C
4H
9)
4=遊離のスルホン酸として264.0(M−1)。
純度:HPLCにより測定して98.98%。
比旋光度:[α]
25D −30.99°(c 0.5%、MeOH)
【0022】
ステップ−3:(2S,5R)−2−カルボキシアミド−6−スルホオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンのナトリウム塩の合成
磁気撹拌機を備えた100mlの丸底フラスコに、(2S,5R)−2−カルボキシアミド−6−スルホオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンのテトラブチルアンモニウム塩(5.5g、0.0108mol)、続いてエタノール(28ml)を仕込み、約35℃での撹拌下で透明な溶液を得た。この反応混合物に、エタノール(28ml)中に溶解した2−エチルヘキサン酸ナトリウム(3.6g、0.021mol)の溶液を撹拌下で1回で添加し、沈殿をもたらした。この懸濁液を、さらに2時間撹拌し、約35℃で完全な沈殿を達成した。その反応混合物を吸引下で濾過し、そのウェットケーキをアセトンで洗浄した(30ml×2)。そのウェットケーキを、真空下の40℃で乾燥し、白色固体として(2S,5R)−2−カルボキシアミド−6−スルホオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンのナトリウム塩を2.6gの量での83%の収率で得た。
【0023】
分析
H
1NMR (DMSO-d
6)
7.39 (s, 1H), 7.24 (s, 1H), 3.98 (s, 1H), 3.68 (d, 1H), 3.02 (d, 1H), 2.92 (d, 1H), 2.00-2.10 (m, 1H), 2.80-2.90 (m, 1H), 1.55-1.70 (m, 2H).
MS(ES−)C
7H
10N
3O
6SNa=遊離のスルホン酸として264.0(M−1)。
純度:HPLCにより測定して97.98%。
比旋光度:[α]
25D−49.37°(c 0.5%、水)
粉末X線ディフラクトグラム:(度2シータ):
8.69(±0.2)、9.65(±0.2)、11.22(±0.2)、12.44(±0.2)、13.01(±0.2)、16.48(±0.2)、17.48(±0.2)、18.58(±0.2)、19.35(±0.2)、20.89(±0.2)、22.27(±0.2)、25.03(±0.2)、26.07(±0.2)、28.14(±0.2)、29.74(±0.2)、34.28(±0.2)、36.01(±0.2)、及び37.18(±0.2)。
【0024】
典型的なX線分析は、以下のようにして実施した。試験物質を、ふるい#100BSSに通すか、又は乳鉢と乳棒でそれを優しくこすり回してすりつぶす。その試験物質を一面に空洞表面を有する試料保持器上に均一に置き、その試料を押圧し、スライドガラスを使用して試料の表面が平らでむらがないように薄い均一なフィルムに切断する。X線回折図を以下の装置パラメーターを使用して記録する。
【0025】
【表1】