特許第6253865号(P6253865)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6253865
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】転送制御装置、車両及び転送制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 29/06 20060101AFI20171218BHJP
   H04L 13/08 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   H04L13/00 305Z
   H04L13/08
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-546752(P2017-546752)
(86)(22)【出願日】2015年12月4日
(86)【国際出願番号】JP2015084177
(87)【国際公開番号】WO2017094190
(87)【国際公開日】20170608
【審査請求日】2017年9月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】溝井国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】跡部 悠太
(72)【発明者】
【氏名】馬場 まどか
(72)【発明者】
【氏名】川上 大介
【審査官】 森谷 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−135430(JP,A)
【文献】 特開2010−274783(JP,A)
【文献】 特開2002−204243(JP,A)
【文献】 石谷 健 Takeshi Ishitani 他,車載ECU統合向け異種OS間通信ミドルウェア Communication middleware between different kind OSes for in-vehicle ECU integration,情報処理学会研究報告 平成22年度▲2▼ [CD−ROM],日本,一般社団法人情報処理学会,2010年 8月15日,組込みシステム(EMB) No.17,pp.1-11
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 29/06
H04L 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部のデバイスへ入力されるデータと前記デバイスから出力されるデータとのいずれかであるデバイスデータの転送時刻を指定して前記デバイスデータの転送要求を行う複数の機能部と、
前記複数の機能部のいずれかである要求元からの転送要求に応じて、機能部ごとに設けられ対応する機能部によりアクセスされる複数の第1領域のうち前記要求元に対応する第1領域と、前記複数の機能部により指定される転送時刻ごとに設けられた複数の第2領域のうち前記要求元により指定された転送時刻に対応する第2領域との間で前記デバイスデータを転送する第1制御部と、
時刻を通知するタイマーを有し、前記タイマーの通知時刻と同じ転送時刻に対応する第2領域があれば、その第2領域と、前記デバイスによりアクセスされる少なくとも1つの第3領域との間で前記デバイスデータを転送する第2制御部と
を備える転送制御装置。
【請求項2】
前記第2制御部は、前記タイマーの通知時刻と同じ転送時刻に対応する第2領域があれば、その第2領域へ、前記少なくとも1つの第3領域から、前記デバイスから出力されて前記少なくとも1つの第3領域に格納されたデータを前記デバイスデータとして転送し、
前記第1制御部は、前記要求元からの転送要求に応じて、前記要求元に対応する第1領域へ、前記要求元により指定された転送時刻に対応する第2領域から前記デバイスデータを転送し、
前記要求元は、前記要求元に対応する第1領域から前記デバイスデータを取得する請求項1に記載の転送制御装置。
【請求項3】
前記要求元は、前記要求元に対応する第1領域に、前記デバイスへ入力されるデータを前記デバイスデータとして格納し、
前記第1制御部は、前記要求元からの転送要求に応じて、前記要求元に対応する第1領域から、前記要求元により指定された転送時刻に対応する第2領域へ前記デバイスデータを転送し、
前記第2制御部は、前記タイマーの通知時刻と同じ転送時刻に対応する第2領域があれば、その第2領域から、前記少なくとも1つの第3領域へ前記デバイスデータを転送する請求項1又は2に記載の転送制御装置。
【請求項4】
前記複数の機能部は、前記デバイスデータの転送要求を行う際に、前記デバイスを識別するデバイスIDを指定し、
前記複数の第2領域は、転送時刻とデバイスIDとの組み合わせごとに設けられ、
前記第1制御部は、前記要求元からの転送要求に応じて、前記要求元に対応する第1領域と、前記要求元により指定された転送時刻とデバイスIDとの組み合わせに対応する第2領域との間で前記デバイスデータを転送し、
前記少なくとも1つの第3領域は、デバイスIDごとに設けられ、
前記第2制御部は、前記タイマーの通知時刻と同じ転送時刻に対応する第2領域があれば、その第2領域と、その第2領域と同じデバイスIDに対応する第3領域との間で前記デバイスデータを転送する請求項1から3のいずれか1項に記載の転送制御装置。
【請求項5】
転送時刻とデバイスIDとの対応関係の定義を記憶する記憶部
をさらに備え、
前記第2制御部は、前記タイマーの通知時刻と同じ転送時刻が前記記憶部に記憶された定義に含まれていれば、その転送時刻に対応するデバイスIDを当該定義から取得し、その転送時刻と取得したデバイスIDとの組み合わせに対応する第2領域と、取得したデバイスIDに対応する第3領域との間で前記デバイスデータを転送する請求項4に記載の転送制御装置。
【請求項6】
前記複数の機能部及び前記第1制御部と、前記第2制御部は、別々のハードウェアで動作する請求項1から5のいずれか1項に記載の転送制御装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の転送制御装置と、前記デバイスとが搭載された車両。
【請求項8】
転送制御装置の複数の機能部のいずれかである要求元が、前記転送制御装置の外部のデバイスへ入力されるデータと前記デバイスから出力されるデータとのいずれかであるデバイスデータの転送時刻を指定して前記デバイスデータの転送要求を行い、
前記転送制御装置の第1制御部が、前記要求元からの転送要求に応じて、機能部ごとに設けられ対応する機能部によりアクセスされる複数の第1領域のうち前記要求元に対応する第1領域と、前記複数の機能部により指定される転送時刻ごとに設けられた複数の第2領域のうち前記要求元により指定された転送時刻に対応する第2領域との間で前記デバイスデータを転送し、
時刻を通知するタイマーを有する、前記転送制御装置の第2制御部が、前記タイマーの通知時刻と同じ転送時刻に対応する第2領域があれば、その第2領域と、前記デバイスによりアクセスされる少なくとも1つの第3領域との間で前記デバイスデータを転送する転送制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転送制御装置、車両及び転送制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両制御における性能向上のニーズの高まりを発端に、ECU(Electronic・Control・Unit)と呼ばれる車載制御装置が導入されている。ECUには、センサ及びアクチュエータ等のデバイスが接続されている。ECUには、接続されているデバイスにアクセスし、演算を行う機能が備わっている。
【0003】
制御されるデバイス数の増加とともに、車両に搭載されるECU数も増加している。現在では、車両1台につき50個から100個ものECUが搭載されている。また、制御可能なデバイスの種類が拡大していく中で、各デバイスの協調制御が求められている。そのため、複数のECUがCAN(Controller・Area・Network)等のネットワークによって接続されている。
【0004】
特許文献1には、CANに接続された入出力装置が複数のECUへの出力を処理する技術が記載されている。この技術において、入出力装置は、複数のデバイスから出力されるデータをデータベースに記憶する。入出力装置は、それぞれのECUから必要とされるデータを所望の時点でデータベースから出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−231407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年では、車両1台におけるECU搭載数及びネットワーク通信量に限界が来ており、車両制御のさらなる性能向上の課題となっている。この課題に対し、近年の計算能力向上から、複数のECUで実現されている機能を単一のECUに統合させることが考えられる。機能の統合によって、車両1台におけるECU搭載数及びネットワーク通信量の削減が可能である。
【0007】
しかし、複数の機能が単一のECUに統合されることによって、各機能におけるデバイスアクセスの時点が所望の時点からずれる危険性がある。特に、CPU(Central・Processing・Unit)を搭載したECUに複数の機能が統合される場合は、CPUリソースの競合によってデバイスアクセスの時点のずれが生じやすくなる。デバイスアクセスの時点のずれが生じると、設計者が意図したデバイスデータを各機能で扱うことが困難となる。
【0008】
特許文献1に記載の技術では、それぞれのECUで実現されている機能に関わる処理の実行中でも、所望の時点で入出力処理を実行しなければならない。そのため、それぞれのECUにおいて、入出力処理の実行優先度を最高優先度に設定する必要がある。しかし、仮にインバータ制御等の非常に短い間隔で入出力処理を必要とする機能を統合させることを試みたとすると、入出力処理がCPUリソースをほぼ独占し、本来の機能に関わる処理の実行効率が著しく低下することになる。
【0009】
本発明は、本来の機能に関わる処理の実行効率を維持したまま、デバイスデータの入出力処理を所望の時点で実行可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る転送制御装置は、
外部のデバイスへ入力されるデータと前記デバイスから出力されるデータとのいずれかであるデバイスデータの転送時刻を指定して前記デバイスデータの転送要求を行う複数の機能部と、
前記複数の機能部のいずれかである要求元からの転送要求に応じて、機能部ごとに設けられ対応する機能部によりアクセスされる複数の第1領域のうち前記要求元に対応する第1領域と、前記複数の機能部により指定される転送時刻ごとに設けられた複数の第2領域のうち前記要求元により指定された転送時刻に対応する第2領域との間で前記デバイスデータを転送する第1制御部と、
時刻を通知するタイマーを有し、前記タイマーの通知時刻と同じ転送時刻に対応する第2領域があれば、その第2領域と、前記デバイスによりアクセスされる少なくとも1つの第3領域との間で前記デバイスデータを転送する第2制御部とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、タイマーを用いたデバイスデータの転送処理が、機能部の処理とは独立して実行される。このため、本発明によれば、本来の機能に関わる処理の実行効率を維持したまま、デバイスデータの入出力処理を所望の時点で実行可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1に係る転送制御装置の構成及び設置例を示すブロック図。
図2】実施の形態1に係る転送制御装置の第2領域の例を示す表。
図3】実施の形態1に係る転送制御装置の第3領域の例を示す表。
図4】実施の形態1に係る転送制御装置のプロセッサの動作を示すフローチャート。
図5】実施の形態1に係る転送制御装置の第1制御部の動作を示すフローチャート。
図6】実施の形態1に係る転送制御装置の第2制御部の動作を示すフローチャート。
図7】実施の形態1の変形例に係る転送制御装置の構成及び設置例を示すブロック図。
図8】実施の形態2に係る転送制御装置の構成及び設置例を示すブロック図。
図9】実施の形態2に係る転送制御装置の第2領域の例を示す表。
図10】実施の形態2に係る転送制御装置の記憶部に記憶される定義の例を示す表。
図11】実施の形態2に係る転送制御装置の第2制御部の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一又は相当する部分については、その説明を適宜省略又は簡略化する。
【0014】
実施の形態1.
本実施の形態に係る装置の構成、本実施の形態に係る装置の動作、本実施の形態の効果を順番に説明する。
【0015】
***構成の説明***
図1を参照して、本実施の形態に係る装置である転送制御装置100の構成を説明する。転送制御装置100の設置例も説明する。
【0016】
転送制御装置100は、少なくとも1つのデバイス200とともに車両300に搭載されている。なお、転送制御装置100は、何らかのデバイス200が搭載される物体であれば、任意の物体に設置されてよい。
【0017】
デバイス200は、具体的には、センサ又はアクチュエータである。デバイス200の数は、適宜変更してよいが、図1では、デバイス200の例として、デバイス200aと、デバイス200bと、デバイス200cとを示している。
【0018】
転送制御装置100は、コンピュータである。転送制御装置100は、プロセッサ101、メモリ102、デバイスコントローラ103といったハードウェアを備える。プロセッサ101は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0019】
転送制御装置100は、機能要素として、複数の機能部110と、第1制御部111と、第2制御部112とを備える。
【0020】
複数の機能部110及び第1制御部111の機能は、ソフトウェアにより実現される。機能部110の数は、適宜変更してよいが、図1では、機能部110の例として、機能部110aと、機能部110bとを示している。
【0021】
第2制御部112の機能は、デバイスコントローラ103により実現される。第2制御部112は、時刻を通知するタイマー113を有している。
【0022】
転送制御装置100は、デバイスデータを格納するための領域として、複数の第1領域121と、複数の第2領域122と、複数の第3領域123とを備える。デバイスデータは、転送制御装置100から転送制御装置100の外部のデバイス200へ入力されるデータと、デバイス200から転送制御装置100に対して出力されるデータとのいずれかである。
【0023】
第1領域121は、機能部110ごとに設けられている。それぞれの第1領域121は、対応する機能部110によりアクセスされる。本実施の形態において、それぞれの第1領域121は、対応する機能部110以外の機能部110によりアクセスされることはない。それぞれの第1領域121は、メモリ102により実現される。第1領域121の数は、機能部110の数に対応しており、図1では、第1領域121の例として、機能部110aに対応する第1領域121aと、機能部110bに対応する第1領域121bとを示している。
【0024】
第2領域122は、デバイスデータの転送時刻ごとに設けられている。転送時刻は、後述するように、それぞれの機能部110によって、デバイスデータの転送要求が行われる際に指定される。それぞれの第2領域122は、メモリ102により実現される。第2領域122の数は、適宜変更してよいが、図1では、第2領域122の例として、第2領域122aと、第2領域122bとを示している。
【0025】
図2に第2領域122の例を示す。
【0026】
本例において、第2領域122は、転送時刻とデバイスID(IDentifier)との組み合わせごとに設けられている。デバイスIDは、デバイス200を識別する識別子である。デバイスIDは、転送時刻と同じように、それぞれの機能部110によって、デバイスデータの転送要求が行われる際に指定される。第2領域122は、具体的には、デバイスIDが格納されるカラムと、転送時刻ごとに分かれ、デバイスデータが格納されるカラムとからなるテーブルにおいて、デバイスデータを格納する領域である。
【0027】
本例において、転送時刻は、「t1」から「t4」の4段階で管理されている。そのため、図2では、第2領域122として、転送時刻「t1」に対応する第2領域122aと、転送時刻「t2」に対応する第2領域122bと、転送時刻「t3」に対応する第2領域122cと、転送時刻「t4」に対応する第2領域122dとを示している。第2領域122dの具体例としては、転送時刻「t4」とデバイス200aとの組み合わせに対応する第2領域122daと、転送時刻「t4」とデバイス200bとの組み合わせに対応する第2領域122dbと、転送時刻「t4」とデバイス200cとの組み合わせに対応する第2領域122dcとを示している。
【0028】
転送時刻は、周期として管理されてもよいし、時点として管理されてもよい。仮に転送時刻「t4」が1秒の周期として管理されているとすれば、ある時点から1秒経過する度に、転送時刻「t4」に対応する第2領域122dに格納されているデバイスデータが更新されるか、或いは、デバイス200に向けて転送される。仮に転送時刻「t4」が特定のイベントの発生時点として管理されているとすれば、そのイベントが発生したときに、転送時刻「t4」に対応する第2領域122dに格納されているデバイスデータが更新されるか、或いは、デバイス200に向けて転送される。転送時刻になったときに、デバイスデータが更新されるのか、それとも転送されるのかは、デバイス200ごとに予め設定されている。具体的には、デバイス200がセンサであれば、デバイスデータが更新され、デバイス200がアクチュエータであれば、デバイスデータが転送される。
【0029】
第3領域123は、デバイス200ごとに設けられている。それぞれの第3領域123は、対応するデバイス200によりアクセスされる。本実施の形態において、それぞれの第3領域123は、対応するデバイス200以外のデバイス200によりアクセスされることはない。それぞれの第3領域123は、デバイスコントローラ103内のレジスタにより実現されるが、メモリ102又はその他の記録媒体により実現されてもよい。第3領域123の数は、デバイス200の数に対応しており、図1では、第3領域123の例として、デバイス200aに対応する第3領域123aと、デバイス200bに対応する第3領域123bと、デバイス200cに対応する第3領域123cとを示している。
【0030】
図3に第3領域123の例を示す。
【0031】
本例において、第3領域123は、デバイスIDごとに設けられている。第3領域123に格納されているデバイスデータは、デバイスコントローラ103内のレジスタのクロック周期で最新のデータに更新されるか、或いは、クロック周期でデバイス200に読み出される。クロック周期で、デバイスデータが更新されるのか、それとも読み出されるのかは、デバイス200ごとに予め設定されている。具体的には、デバイス200がセンサであれば、デバイスデータが更新され、デバイス200がアクチュエータであれば、デバイスデータが読み出される。
【0032】
プロセッサ101は、プロセッシングを行うIC(Integrated・Circuit)である。プロセッサ101は、具体的には、CPUである。
【0033】
メモリ102は、具体的には、フラッシュメモリ、又は、RAM(Random・Access・Memory)である。
【0034】
デバイスコントローラ103は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA(Gate・Array)、ASIC(Application・Specific・Integrated・Circuit)、又は、FPGA(Field−Programmable・Gate・Array)である。
【0035】
図示していないが、転送制御装置100は、ハードウェアとして、通信装置をさらに備えている。
【0036】
通信装置は、デバイス200からデータを受信するレシーバと、デバイス200にデータを送信するトランスミッタを含む。通信装置は、CAN等のネットワークを介してデバイス200と接続されている。通信装置は、具体的には、通信チップ又はNIC(Network・Interface・Card)である。
【0037】
図示していないが、転送制御装置100は、ハードウェアとして、入力装置とディスプレイとの少なくともいずれかをさらに備えていてもよい。
【0038】
入力装置は、具体的には、マウス、キーボード、又は、タッチパネルである。
【0039】
ディスプレイは、具体的には、LCD(Liquid・Crystal・Display)である。
【0040】
メモリ102には、複数の機能部110及び第1制御部111の機能を実現するプログラムが記憶されている。このプログラムは、プロセッサ101に読み込まれ、プロセッサ101によって実行される。メモリ102には、OS(Operating・System)も記憶されている。プロセッサ101はOSを実行しながら、複数の機能部110及び第1制御部111の機能を実現するプログラムを実行する。
【0041】
なお、複数の機能部110及び第1制御部111の機能を実現するプログラム及びOSは、補助記憶装置に記憶されていてもよい。補助記憶装置は、具体的には、フラッシュメモリ、又は、HDD(Hard・Disk・Drive)である。補助記憶装置に記憶されているプログラム及びOSは、メモリ102にロードされ、プロセッサ101によって実行される。
【0042】
転送制御装置100は、1つのプロセッサ101のみを備えていてもよいし、複数のプロセッサ101を備えていてもよい。複数のプロセッサ101が複数の機能部110及び第1制御部111の機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。
【0043】
複数の機能部110及び第1制御部111の処理の結果を示す情報、データ、信号値、及び、変数値は、メモリ102、補助記憶装置、又は、プロセッサ101内のレジスタ又はキャッシュメモリに記憶される。
【0044】
複数の機能部110及び第1制御部111の機能を実現するプログラムは、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD(Digital・Versatile・Disc)等の可搬記録媒体に記憶されてもよい。
【0045】
***動作の説明***
以下、本実施の形態に係る装置である転送制御装置100の動作を説明する。転送制御装置100の動作は、本実施の形態に係る転送制御方法に相当する。
【0046】
図4を参照して、プロセッサ101の動作を説明する。
【0047】
プロセッサ101は、転送制御装置100の電源が投入された場合に起動する。プロセッサ101が起動すると、複数の機能部110が起動する。
【0048】
ステップS11において、プロセッサ101は、スケジューリング処理を実行し、機能部110の処理の実行スケジュールを立てる。機能部110の処理とは、機能部110の本来の機能に関わる処理のことである。本来の機能の具体例としては、センサから得られるデバイスデータを利用して演算を行ったり、演算の結果に基づいてアクチュエータを制御するためのデバイスデータを生成したりする機能がある。
【0049】
それぞれの機能部110は、本来の機能に関わる処理を実行するために、必要に応じて、デバイスデータの転送時刻を指定してデバイスデータの転送要求を行う。それぞれの機能部110は、本実施の形態では、デバイスデータの転送要求を行う際に、デバイスデータの転送時刻だけでなく、デバイスIDも指定する。即ち、転送要求を行う機能部110である要求元は、転送要求に、アクセス先のデバイス200を特定するためのデバイスIDと、デバイスデータの転送時刻とを含める。必須ではないが、要求元は、転送要求に、さらに、デバイスデータの転送方向と、メモリ102における第1領域121の位置を示す位置情報とを含める。第1制御部111が、デバイス200と転送方向との対応関係の定義を記憶している場合、転送要求に、転送方向を含める必要はない。第1制御部111が、機能部110と第1領域121の位置との対応関係の定義を記憶している場合、転送要求に、位置情報を含める必要はない。
【0050】
転送方向がデバイス200へ向かう方向である場合、即ち、要求元からのデバイスデータの出力が要求される場合、要求元は、要求元に対応する第1領域121に、デバイス200へ入力されるデータをデバイスデータとして格納する。
【0051】
ステップS12において、プロセッサ101は、機能部110からのデバイスデータの転送要求の有無を判定する。
【0052】
ステップS12で転送要求があった場合、ステップS13において、プロセッサ101は、第1制御部111を起動し、第1制御部111に、後述する処理を実行させる。
【0053】
ステップS12で転送要求がなかった場合、ステップS14において、プロセッサ101は、ステップS11の処理結果に基づき、いずれかの機能部110の処理予定時刻になったかどうか判定する。
【0054】
ステップS14でいずれかの機能部110の処理予定時刻になっていた場合、ステップS15において、プロセッサ101は、該当する機能部110に、その機能部110の処理を実行させる。
【0055】
ステップS14でいずれの機能部110の処理予定時刻にもなっていなかった場合、フローはステップS11に戻る。
【0056】
図5を参照して、ステップS13における第1制御部111の動作を説明する。
【0057】
第1制御部111は、プロセッサ101によって起動される。
【0058】
ステップS21において、第1制御部111は、要求元からの転送要求を受信する。第1制御部111は、転送要求から、アクセス先のデバイス200を特定するためのデバイスIDと、デバイスデータの転送時刻と、デバイスデータの転送方向と、メモリ102における第1領域121の位置を示す位置情報とを抽出する。
【0059】
ステップS22において、第1制御部111は、ステップS21で抽出した転送方向が要求元へ向かう方向かどうかを判定する。
【0060】
ステップS22で転送方向が要求元へ向かう方向である場合、即ち、要求元へのデバイスデータの入力が要求された場合、ステップS23において、第1制御部111は、第2領域122のデバイスデータを第1領域121へ転送する。
【0061】
ステップS22で転送方向がデバイス200へ向かう方向である場合、即ち、要求元からのデバイスデータの出力が要求された場合、ステップS24において、第1制御部111は、第1領域121のデバイスデータを第2領域122へ転送する。
【0062】
ステップS23及びステップS24において、第1制御部111は、ステップS21で抽出した位置情報によって第1領域121を特定し、ステップS21で抽出したデバイスIDと転送時刻との組み合わせによって第2領域122を特定する。
【0063】
上記のように、第1制御部111は、複数の機能部110のいずれかである要求元からの転送要求に応じて、複数の第1領域121のうち要求元に対応する第1領域121と、複数の第2領域122のうち要求元により指定された転送時刻に対応する第2領域122との間でデバイスデータを転送する。具体的には、第1制御部111は、要求元からの転送要求に応じて、要求元に対応する第1領域121と、要求元により指定された転送時刻とデバイスIDとの組み合わせに対応する第2領域122との間でデバイスデータを転送する。
【0064】
転送方向が要求元へ向かう方向である場合、即ち、要求元へのデバイスデータの入力が要求された場合、第1制御部111は、要求元からの転送要求に応じて、要求元に対応する第1領域121へ、要求元により指定された転送時刻とデバイスIDとの組み合わせに対応する第2領域122からデバイスデータを転送する。要求元は、要求元に対応する第1領域121からデバイスデータを取得する。
【0065】
転送方向がデバイス200へ向かう方向である場合、即ち、要求元からのデバイスデータの出力が要求された場合、第1制御部111は、要求元からの転送要求に応じて、要求元に対応する第1領域121から、要求元により指定された転送時刻とデバイスIDとの組み合わせに対応する第2領域122へデバイスデータを転送する。
【0066】
図6を参照して、デバイスコントローラ103の動作、特に、第2制御部112の動作を説明する。
【0067】
ステップS31において、第2制御部112は、タイマー113の通知時刻を示すタイマー値を取得する。
【0068】
ステップS32において、第2制御部112は、ステップS31で取得したタイマー値の時刻が、いずれかの第2領域122に対応する転送時刻であるかどうか判定する。
【0069】
ステップS32でタイマー値の時刻が、いずれかの第2領域122に対応する転送時刻であった場合、即ち、タイマー113の通知時刻と同じ転送時刻に対応する第2領域122があれば、ステップS33において、第2制御部112は、その第2領域122と、その第2領域122と同じデバイスIDに対応する第3領域123との間でデバイスデータを転送する。
【0070】
それぞれのデバイス200は、デバイスコントローラ103内のレジスタのクロック周期で、デバイスデータを出力して第3領域123に格納するか、デバイスデータを第3領域123から取得して利用する。即ち、前述したように、第3領域123に格納されているデバイスデータが更新されるのか、それとも読み出されるのかは、デバイス200ごとに予め設定されている。よって、第2制御部112は、タイマー113の通知時刻と同じ転送時刻に対応する第2領域122があれば、その第2領域122へ、その第2領域122と同じデバイスIDであり、かつ、デバイスデータを更新するデバイス200のデバイスIDに対応する第3領域123からデバイスデータを転送する。また、第2制御部112は、タイマー113の通知時刻と同じ転送時刻に対応する第2領域122があれば、その第2領域122から、その第2領域122と同じデバイスIDであり、かつ、デバイスデータを読み出すデバイス200のデバイスIDに対応する第3領域123へデバイスデータを転送する。
【0071】
ステップS32でタイマー値の時刻が、いずれの第2領域122に対応する転送時刻でもなかった場合、即ち、タイマー113の通知時刻と同じ転送時刻に対応する第2領域122がなければ、フローはステップS31に戻る。
【0072】
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態では、タイマー113を用いたデバイスデータの転送処理が、機能部110の処理とは独立して実行される。このため、本実施の形態によれば、本来の機能に関わる処理の実行効率を維持したまま、デバイスデータの入出力処理を所望の時点で実行可能となる。
【0073】
本実施の形態では、複数の機能部110及び第1制御部111がプロセッサ101で動作し、第2制御部112がデバイスコントローラ103で動作する。即ち、複数の機能部110及び第1制御部111と、第2制御部112は、別々のハードウェアで動作する。よって、タイマー113を用いたデバイスデータの転送処理が、他の処理とリソース競合を起こすことを防止できる。仮にインバータ制御等の非常に短い間隔でデバイスアクセスを必要とする機能をプロセッサ101に統合させたとしても、デバイスアクセスがプロセッサ101とは別のハードウェアで処理されるため、本来の機能に関わる処理の実行効率を高めることができる。
【0074】
***他の構成***
本実施の形態では、複数の機能部110及び第1制御部111の機能がソフトウェアにより実現されるが、変形例として、複数の機能部110及び第1制御部111の機能がハードウェアにより実現されてもよい。この変形例について、主に本実施の形態との差異を説明する。
【0075】
図7を参照して、本実施の形態の変形例に係る転送制御装置100の構成を説明する。
【0076】
転送制御装置100は、処理回路109、デバイスコントローラ103といったハードウェアを備える。
【0077】
処理回路109は、複数の機能部110及び第1制御部111の機能を実現する専用の電子回路である。処理回路109は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、又は、FPGAである。
【0078】
複数の機能部110及び第1制御部111の機能は、1つの処理回路109により実現されてもよいし、複数の処理回路109に分散して実現されてもよい。
【0079】
別の変形例として、複数の機能部110及び第1制御部111の機能がソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。即ち、複数の機能部110及び第1制御部111の一部の機能が専用のハードウェアにより実現され、残りの機能がソフトウェアにより実現されてもよい。
【0080】
プロセッサ101、メモリ102、及び、処理回路109を、総称して「プロセッシングサーキットリ」という。つまり、転送制御装置100の構成が図1及び図7のいずれに示した構成であっても、複数の機能部110及び第1制御部111の機能は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
【0081】
第2制御部112の機能もソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されてよい。即ち、タイマー113等、第2制御部112の一部の機能が専用のハードウェアにより実現され、残りの機能がソフトウェアにより実現されてもよい。
【0082】
「部」を「工程」、「手順」又は「処理」に読み替えてもよい。
【0083】
実施の形態2.
本実施の形態に係る装置の構成、本実施の形態に係る装置の動作、本実施の形態の効果を順番に説明する。本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0084】
***構成の説明***
図8を参照して、本実施の形態に係る装置である転送制御装置100の構成を説明する。
【0085】
転送制御装置100は、実施の形態1と同じように、コンピュータである。転送制御装置100は、実施の形態1と同じように、プロセッサ101、メモリ102、デバイスコントローラ103を備えるほか、ハードウェアとして、別のメモリ104をさらに備える。
【0086】
転送制御装置100は、実施の形態1と同じように、複数の機能部110と、第1制御部111と、第2制御部112とを備えるほか、機能要素として、記憶部114をさらに備える。
【0087】
記憶部114の機能は、メモリ104により実現される。
【0088】
転送制御装置100は、デバイスデータを格納するための領域として、実施の形態1と同じように、複数の第1領域121と、複数の第2領域122と、複数の第3領域123とを備える。
【0089】
図9に第2領域122の例を示す。
【0090】
本例において、第2領域122は、転送時刻とデバイスIDとの組み合わせごとに設けられている。第2領域122は、具体的には、デバイスIDが格納されるカラムと、転送時刻が格納されるカラムと、デバイスデータが格納されるカラムとからなるテーブルにおいて、デバイスデータを格納する領域である。
【0091】
本例において、転送時刻は、「t1」から「t4」の4段階に限らず、任意の数の段階で管理される。これは、転送時刻の段階数が変化しても、テーブル構成、具体的には、カラム数を変更する必要がないからである。
【0092】
図10に、記憶部114に記憶される定義124の例を示す。
【0093】
記憶部114は、転送時刻とデバイスIDとの対応関係の定義124を記憶する。本例において、定義124は、転送時刻が格納されるカラムと、デバイスIDが格納されるカラムとからなるテーブルである。
【0094】
本実施の形態において、デバイスコントローラ103は、FPGA等の再構成可能なハードウェアであることが望ましい。
【0095】
***動作の説明***
以下、本実施の形態に係る装置である転送制御装置100の動作を説明する。転送制御装置100の動作は、本実施の形態に係る転送制御方法に相当する。
【0096】
プロセッサ101の動作については、実施の形態1のものとほぼ同じであるため、説明を省略する。
【0097】
図11を参照して、デバイスコントローラ103の動作、特に、第2制御部112の動作を説明する。
【0098】
ステップS41において、第2制御部112は、タイマー113の通知時刻を示すタイマー値を取得する。
【0099】
ステップS42において、第2制御部112は、ステップS41で取得したタイマー値の時刻が、記憶部114に記憶された定義124に転送時刻として含まれているかどうか判定する。
【0100】
ステップS42でタイマー値の時刻が定義124に含まれている場合、即ち、タイマー113の通知時刻と同じ転送時刻が定義124に含まれていれば、ステップS43において、第2制御部112は、その転送時刻に対応するデバイスIDを定義124から取得する。
【0101】
ステップS44において、第2制御部112は、タイマー113の通知時刻と同じ転送時刻と、ステップS43で取得したデバイスIDとの組み合わせに対応する第2領域122と、ステップS43で取得したデバイスIDに対応する第3領域123との間でデバイスデータを転送する。
【0102】
ステップS42でタイマー値の時刻が定義124に含まれていない場合、即ち、タイマー113の通知時刻と同じ転送時刻が定義124に含まれていなければ、フローはステップS41に戻る。
【0103】
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態では、記憶部114に記憶された定義124を変更することで、転送時刻のバリエーションを変更したり、増減させたりすることが可能となる。
【0104】
***他の構成***
本実施の形態では、実施の形態1と同じように、複数の機能部110及び第1制御部111の機能がソフトウェアにより実現されるが、実施の形態1の変形例と同じように、複数の機能部110及び第1制御部111の機能がハードウェアにより実現されてもよい。或いは、複数の機能部110及び第1制御部111の機能がソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。第2制御部112の機能もソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されてよい。
【0105】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらの実施の形態のうち、いくつかを組み合わせて実施しても構わない。或いは、これらの実施の形態のうち、いずれか1つ又はいくつかを部分的に実施しても構わない。具体的には、これらの実施の形態の説明において「部」として説明するもののうち、いずれか1つのみを採用してもよいし、いくつかの任意の組み合わせを採用してもよい。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0106】
100 転送制御装置、101 プロセッサ、102 メモリ、103 デバイスコントローラ、104 メモリ、109 処理回路、110,110a,110b 機能部、111 第1制御部、112 第2制御部、113 タイマー、114 記憶部、121,121a,121b 第1領域、122,122a,122b,122c,122d,122da,122db,122dc 第2領域、123,123a,123b,123c 第3領域、124 定義、200,200a,200b,200c デバイス、300 車両。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11