(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ノンプリズム測定可能であり、レーザポインタ光を照射するレーザポインタと、望遠鏡部を介して測距光を射出し、反射光を受光して測定点の測距を行い、又測定点の測角を行う測定部と、前記望遠鏡部を介してターゲットを含む画像を取得する撮像部と、前記望遠鏡部を介して追尾光を射出し、前記ターゲットからの反射光を受光して該ターゲットの追尾を行う追尾部と、前記望遠鏡部を水平方向、鉛直方向に回転させる駆動部と、前記ターゲットからの前記追尾光の反射光が前記撮像部の撮像素子上の所定位置に位置する様前記駆動部を制御し前記ターゲットを追尾させる制御装置とを具備し、前記測距光の光軸と前記追尾光の光軸とは既知の関係にあり、前記レーザポインタ光の光軸は前記追尾光の光軸から所定角度分オフセットされたことを特徴とする測量装置。
前記測定部の前記測距光の光軸が前記レーザポインタ光の光軸と同軸であり、前記レーザポインタ光の光軸が前記撮像素子上の中心に位置し、前記追尾光の光軸が前記レーザポインタ光の光軸からオフセットされた請求項1の測量装置。
前記測定部の前記測距光の光軸と前記追尾光の光軸が同軸であり、前記レーザポインタ光の光軸は前記追尾光の光軸からオフセットされ、測定点への前記レーザポインタ光の誘導後、前記制御装置は前記測距光の光軸が設定されたオフセット角を0にする様移動する様前記駆動部を制御する請求項1の測量装置。
前記望遠鏡部を鉛直回転させる水平軸と、該水平軸に対し相対回転可能なオフセット軸と、該オフセット軸を回転させるオフセット駆動部と、前記オフセット軸の端面に設けられ前記レーザポインタ光を反射させるミラーとを更に具備し、前記オフセット軸を前記水平軸に対して相対回転させることで前記レーザポインタ光のオフセット角を変更可能とした請求項1〜請求項4のうちいずれかの測量装置。
レーザポインタ光を照射するレーザポインタと、望遠鏡部を介して測距光を射出し、反射光を受光して測定点の測角を行う測定部と、前記望遠鏡部を介してターゲットを含む画像を取得する撮像部と、前記望遠鏡部を介して追尾光を射出し、前記ターゲットからの反射光を受光して該ターゲットの追尾を行う追尾部と、前記望遠鏡部を水平方向、鉛直方向に回転させる駆動部と、前記ターゲットからの前記追尾光の反射光が前記撮像部の撮像素子上の所定位置に位置する様前記駆動部を制御し、前記ターゲットを追尾させる制御装置とを具備し、前記測距光の光軸と前記追尾光の光軸とは既知の関係にあり、前記レーザポインタ光の光軸は前記追尾光の光軸から所定角度分オフセットされたことを特徴とする測量装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は斯かる実情に鑑み、容易で確実な測定点への誘導を可能とし、作業効率の向上を図る測量装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ノンプリズム測定可能であり、レーザポインタ光を照射するレーザポインタと、望遠鏡部を介して測距光を射出し、反射光を受光して測定点の測距を行い、又測定点の測角を行う測定部と、前記望遠鏡部を介してターゲットを含む画像を取得する撮像部と、前記望遠鏡部を介して追尾光を射出し、前記ターゲットからの反射光を受光して該ターゲットの追尾を行う追尾部と、前記望遠鏡部を水平方向、鉛直方向に回転させる駆動部と、前記ターゲットからの前記追尾光の反射光が前記撮像部の撮像素子上の所定位置に位置する様前記駆動部を制御し前記ターゲットを追尾させる制御装置とを具備し、前記測距光の光軸と前記追尾光の光軸とは既知の関係にあり、前記レーザポインタ光の光軸は前記追尾光の光軸から所定角度分オフセットされた測量装置に係るものである。
【0011】
又本発明は、前記測定部の前記測距光の光軸が前記レーザポインタ光の光軸と同軸であり、前記レーザポインタ光の光軸が前記撮像素子上の中心に位置し、前記追尾光の光軸が前記レーザポインタ光の光軸からオフセットされた測量装置に係るものである。
【0012】
又本発明は、前記制御装置は、前記レーザポインタ光の反射光の受光信号が発せられない様前記撮像素子をマスク処理する測量装置に係るものである。
【0013】
又本発明は、前記測定部の前記測距光の光軸と前記追尾光の光軸が同軸であり、前記レーザポインタ光の光軸は前記追尾光の光軸からオフセットされ、測定点への前記レーザポインタ光の誘導後、前記制御装置は前記測距光の光軸が設定されたオフセット角を0にする様移動する様前記駆動部を制御する測量装置に係るものである。
【0014】
又本発明は、前記望遠鏡部を鉛直回転させる水平軸と、該水平軸に対し相対回転可能なオフセット軸と、該オフセット軸を回転させるオフセット駆動部と、前記オフセット軸の端面に設けられ前記レーザポインタ光を反射させるミラーとを更に具備し、前記オフセット軸を前記水平軸に対して相対回転させることで前記レーザポインタ光のオフセット角を変更可能とした測量装置に係るものである。
【0015】
更に又本発明は、レーザポインタ光を照射するレーザポインタと、望遠鏡部を介して測距光を射出し、反射光を受光して測定点の測角を行う測定部と、前記望遠鏡部を介してターゲットを含む画像を取得する撮像部と、前記望遠鏡部を介して追尾光を射出し、前記ターゲットからの反射光を受光して該ターゲットの追尾を行う追尾部と、前記望遠鏡部を水平方向、鉛直方向に回転させる駆動部と、前記ターゲットからの前記追尾光の反射光が前記撮像部の撮像素子上の所定位置に位置する様前記駆動部を制御し、前記ターゲットを追尾させる制御装置とを具備し、前記測距光の光軸と前記追尾光の光軸とは既知の関係にあり、前記レーザポインタ光の光軸は前記追尾光の光軸から所定角度分オフセットされた測量装置に係るものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ノンプリズム測定可能であり、レーザポインタ光を照射するレーザポインタと、望遠鏡部を介して測距光を射出し、反射光を受光して測定点の測距を行い、又測定点の測角を行う測定部と、前記望遠鏡部を介してターゲットを含む画像を取得する撮像部と、前記望遠鏡部を介して追尾光を射出し、前記ターゲットからの反射光を受光して該ターゲットの追尾を行う追尾部と、前記望遠鏡部を水平方向、鉛直方向に回転させる駆動部と、前記ターゲットからの前記追尾光の反射光が前記撮像部の撮像素子上の所定位置に位置する様前記駆動部を制御し前記ターゲットを追尾させる制御装置とを具備し、前記測距光の光軸と前記追尾光の光軸とは既知の関係にあり、前記レーザポインタ光の光軸は前記追尾光の光軸から所定角度分オフセットされたので、前記レーザポインタ光は前記ターゲットに反射されることなく照射され、作業者は前記レーザポインタ光の照射点及び測定点を目視しながら該レーザポインタ光を容易且つ確実に測定点迄誘導することができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0017】
又本発明によれば、前記測定部の前記測距光の光軸が前記レーザポインタ光の光軸と同軸であり、前記レーザポインタ光の光軸が前記撮像素子上の中心に位置し、前記追尾光の光軸が前記レーザポインタ光の光軸からオフセットされたので、前記レーザポインタ光を測定点に誘導した後、測定を行う為に前記測距光の光軸の位置を補正する必要がなく、作業性を向上させることができる。
【0018】
又本発明によれば、前記制御装置は、前記レーザポインタ光の反射光の受光信号が発せられない様前記撮像素子をマスク処理するので、追尾の際に前記レーザポインタ光の反射光が追尾されるのを防止することができ、前記ターゲットの追尾の安定性を向上させることができる。
【0019】
又本発明によれば、前記測定部の前記測距光の光軸と前記追尾光の光軸が同軸であり、前記レーザポインタ光の光軸は前記追尾光の光軸からオフセットされ、測定点への前記レーザポインタ光の誘導後、前記制御装置は前記測距光の光軸が設定されたオフセット角を0にする様移動する様前記駆動部を制御するので、前記追尾光の光軸と前記レーザポインタ光の光軸との間のオフセット角に制限がなく、測定点が天井にある等手動での誘導が困難な場合であっても、前記レーザポインタ光を測定点迄誘導し、測定を行うことができる。
【0020】
又本発明によれば、前記望遠鏡部を鉛直回転させる水平軸と、該水平軸に対し相対回転可能なオフセット軸と、該オフセット軸を回転させるオフセット駆動部と、前記オフセット軸の端面に設けられ前記レーザポインタ光を反射させるミラーとを更に具備し、前記オフセット軸を前記水平軸に対して相対回転させることで前記レーザポインタ光のオフセット角を変更可能としたので、測定点の位置に応じてオフセット角を自在に設定することができ、作業効率を向上させることができる。
【0021】
更に又本発明によれば、レーザポインタ光を照射するレーザポインタと、望遠鏡部を介して測距光を射出し、反射光を受光して測定点の測角を行う測定部と、前記望遠鏡部を介してターゲットを含む画像を取得する撮像部と、前記望遠鏡部を介して追尾光を射出し、前記ターゲットからの反射光を受光して該ターゲットの追尾を行う追尾部と、前記望遠鏡部を水平方向、鉛直方向に回転させる駆動部と、前記ターゲットからの前記追尾光の反射光が前記撮像部の撮像素子上の所定位置に位置する様前記駆動部を制御し、前記ターゲットを追尾させる制御装置とを具備し、前記測距光の光軸と前記追尾光の光軸とは既知の関係にあり、前記レーザポインタ光の光軸は前記追尾光の光軸から所定角度分オフセットされたので、前記レーザポインタ光は前記ターゲットに反射されることなく照射され、作業者は前記レーザポインタ光の照射点及び測定点を目視しながら該レーザポインタ光を容易且つ確実に測定点迄誘導することができ、作業効率の向上を図ることができるという優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0024】
先ず、
図1、
図2を参照して、本発明の第1の実施例に係る測量装置について説明する。
【0025】
図1中、1はトータルステーション等の測量装置、2は反射体を有するターゲット、3は携帯端末であるコントローラを示しており、該コントローラ3が前記測量装置1に指示できる様、該測量装置1と前記コントローラ3はそれぞれ通信部を具備している。
【0026】
前記ターゲット2は棒状の支持体4を有し、該支持体4の先端に反射体が設けられている。該反射体には、例えば複数の3角錐状のプリズムが放射状に組合わされて構成された全周プリズム5が用いられる。尚、前記コントローラ3は携帯可能としてもよく、或は前記ターゲット2と一体化されていてもよい。
【0027】
前記測量装置1は、測量装置本体7、水平回動部8を有し、三脚6等の支持装置を介して既知の点に配置される。前記水平回動部8は前記測量装置本体7を鉛直軸心を中心に360°全周回転させることが可能となっており、水平角検出器10により前記測量装置本体7の回転量、即ち水平角が検出できる様になっている。又、該測量装置本体7は測定結果や測定の進行状態等を表示する表示部9、測定条件の設定や測定結果の表示操作等を行う操作部11を有している。尚、前記表示部9は、タッチパネルとして表示部と操作部とを兼用させてもよい。
【0028】
前記測量装置本体7は望遠鏡部12を有し、該望遠鏡部12は水平軸13(
図8参照)を介して筐体14に支持されている。図示しない水平軸モータにより前記水平軸13が駆動されることで、前記望遠鏡部12が鉛直方向に回転される様になっている。尚、前記水平回動部8と前記水平軸モータにより、前記望遠鏡部12を水平方向及び鉛直方向に回転させる駆動部が構成される。
【0029】
前記望遠鏡部12は視準望遠鏡(図示せず)を備え、該視準望遠鏡は5°程度の視野角を有し、測定点を視準可能となっている。
【0030】
前記望遠鏡部12には撮像部29が内蔵され、該撮像部29は前記視準望遠鏡を透して画像を撮像可能であり、又前記撮像部29は撮像素子31(後述、
図3参照)として、CCD、CMOSセンサ等を有し、デジタル画像データを出力する様になっている。
【0031】
又、前記望遠鏡部12は、光波距離計(EDM)32、追尾部20、レーザポインタ照射部30、オフセット部40を内蔵している。
【0032】
前記光波距離計32は、プリズム測定及びノンプリズム測定が可能であり、少なくともプリズム測定が可能となっている。前記光波距離計32は測距光軸33を介して測距光を測定対象物に射出し、該測定対象物からの反射光を受光し、受光結果に基づき該測定対象物迄の測距を行う。前記追尾部20は追尾光軸49を有し、該追尾光軸49上に追尾光を射出し、追尾対象物からの反射光を受光し、受光結果に基づき前記追尾対象物の追尾を行う様になっている。又、前記レーザポインタ照射部30はレーザポインタ光軸34を有し、該レーザポインタ光軸34上に可視光のレーザ光線(レーザポインタ光)を照射する様になっており、測定点又は測定点近傍を照射する。
【0033】
又前記オフセット部40は前記追尾光軸49を前記測距光軸33、前記レーザポインタ光軸34に対して所要のオフセット角度に設定できる様になっている。尚、オフセット角が固定の場合には、前記オフセット部40は省略してもよい。
【0034】
前記光波距離計32、前記追尾部20、前記レーザポインタ照射部30は、いずれも光学系として前記望遠鏡部12を共用しており、該望遠鏡部12から測距光、追尾光、レーザポインタ光が射出される様になっている。
【0035】
第1の実施例は、ノンプリズム測定に関するものであり、前記測距光軸33と前記レーザポインタ光軸34とは合致し、前記追尾光軸49は、前記オフセット部40により、前記測距光軸33、前記レーザポインタ光軸34に対して所要角度オフセットされている。
【0036】
前記測量装置本体7の内部には制御装置35が設けられている。該制御装置35は、演算部36、記憶部37、通信部38、モータ駆動部39、前記表示部9、前記操作部11を具備している。
【0037】
前記演算部36は、前記操作部11或は前記コントローラ3からの操作入力に基づき、前記水平回動部8の水平回転の制御、前記望遠鏡部12の鉛直回転の制御を行い、又、前記光波距離計32による測距、前記水平角検出器10及び鉛直角検出器18の検出結果に基づく水平角、鉛直角の測定、前記撮像部29による画像の取得等を行う様になっている。
【0038】
尚、前記撮像素子31には、前記測距光軸33と一致した点に原点を有する座標系が設定され、前記撮像素子31を構成する各画素は前記座標系によって位置が特定される様になっている。
【0039】
尚、前記光波距離計32、前記水平角検出器10、前記鉛直角検出器18により測定部が構成される。
【0040】
次に、
図2に於いて、前記測量装置1及び前記コントローラ3の制御系について説明する。
【0041】
前記記憶部37には、前記光波距離計32を制御して測距を行う為の測距プログラム、前記オフセット部40を駆動制御し前記レーザポインタ光軸34のオフセット角を設定する為のオフセットプログラム、前記操作部11或は前記コントローラ3からの操作入力に基づき前記水平回動部8、図示しない水平軸モータを駆動させる為の駆動制御プログラム、設定されたオフセット角を維持した状態で前記ターゲット2を追尾する為の追尾プログラム、前記撮像部29により取得された画像に画像処理を施す画像処理プログラム、送受信を制御する通信プログラム等のプログラムが格納されている。
【0042】
前記通信部38は、前記コントローラ3に設けられる通信部43(後述)との間で、操作指令信号(コマンド)、測距データ、画像データ等のデータ通信を行う。
【0043】
前記モータ駆動部39は、前記演算部36からのコマンドに従い、前記水平回動部8、前記望遠鏡部12の駆動モータの駆動制御を行うと共に、前記オフセット部40を駆動させてオフセット量(オフセット角)を設定する。
【0044】
又、前記コントローラ3は、主に演算部41、記憶部42、前記通信部43、表示部44、操作部45を有している。
【0045】
前記記憶部42には、予め入力された測定点の座標や、前記測量装置1から送られた画像中の前記レーザポインタ光軸34の位置と測定点の座標とを比較し、前記表示部44に測定点迄の誘導情報を表示する誘導情報表示プログラム等のプログラムが格納されている。
【0046】
前記表示部44に表示される画像の中心は原点であり、前記撮像素子31の原点と対応している。又、前記表示部44には前記撮像素子31からの画像データに基づき画像が表示され、該撮像素子31の受光状態が1:1で表示される。
【0047】
図3は該撮像素子31を示しており、
図3中では該撮像素子31の原点を示す為便宜上十字状のマーク46が示されている。該マーク46の交点が前記撮像素子31の原点となっており、該原点は前記測距光軸33及び前記レーザポインタ光軸34と一致している。
【0048】
前記撮像素子31の中心(原点)にはレーザポインタ光26の反射光が表示され、前記撮像素子31の原点から設定されたオフセット角分だけ離れた位置に、前記ターゲット2で反射された追尾光が表示される。図示では水平方向(x軸方向)にα、鉛直方向(y軸方向)にβずれた状態を示している。
【0049】
図3中には便宜上原点からオフセット角分だけ離れた位置に十字状のマーク48が示され、該マーク48の交点が前記追尾光軸49と一致している。本実施例に於いては、前記追尾光軸49から前記撮像素子31上の所定距離内に前記ターゲット2が位置する様(追尾反射光が受光される様)、前記水平回動部8及び水平軸モータ(図示せず)がフィードバック制御されることで、前記測量装置本体7が前記ターゲット2を追尾する様になっている。
【0050】
尚、
図3中には便宜上前記レーザポインタ光26の反射光が表示されているが、実際には、前記撮像素子31の画素の内、前記レーザポインタ光26を受光する所定範囲に含まれる画素からの信号を無効にする等の処理が行われる。例えば、
図4に示される様に、前記反射光にマスク47を被せるマスク処理を行い、前記レーザポインタ光26の反射光が前記撮像素子31に検出されない様にしている。前記レーザポインタ光26の反射光が検出されないことで、前記測量装置本体7が誤作動を起して前記レーザポインタ光26の反射光を追尾するのを防止でき、追尾を安定させることができる。
【0051】
尚、前記レーザポインタ光26の反射光が前記撮像素子31に受光されない様に、前記追尾部20に前記レーザポインタ光26の波長をカットする波長選択フィルタを設けてもよい。
【0052】
前記測量装置1により取得された画像等は前記通信部38を介して送信され、前記通信部43を介して前記コントローラ3に受信され、前記表示部44に表示される。又、前記操作部45を介して追尾の開始及び停止、測距開始等の指示(コマンド)が入力されると、各コマンドが前記通信部43を介して前記通信部38に送信され、該通信部38を介して前記測量装置1に入力される。
【0053】
前記レーザポインタ光26による誘導を行う際には、該レーザポインタ光26を照射し、追尾光を射出し、前記ターゲット2の追尾を開始した状態で、作業者が該ターゲット2を持って測定点付近迄移動する。
【0054】
この時、前記撮像素子31では、前記ターゲット2からの反射光(以下追尾反射光)が原点(前記測距光軸33)からオフセットした位置(前記マーク48が示す位置)で受光され、前記ターゲット2を移動させることで、前記撮像素子31上での前記ターゲット2からの追尾反射光の受光位置が、前記追尾光軸49を中心として所定の範囲内となる様に前記測量装置本体7が前記ターゲット2を追尾する。
【0055】
次に、
図5のフローチャートを用い、第1の実施例に於ける前記測量装置1による測定点の測定について説明する。尚、測距はノンプリズム測定で行われる。
【0056】
STEP:01 前記測量装置1が既知の位置に設置される。該測量装置1による測定を開始する際には、先ず前記追尾光軸49を前記測距光軸33及び前記レーザポインタ光軸34から既知の値でオフセットする。尚、オフセット量が固定されている場合は、この作業は省略できる。次に、前記コントローラ3より前記レーザポインタ光26の照射開始を入力することで、前記レーザポインタ照射部30が駆動され、前記レーザポインタ光26が照射される。
【0057】
STEP:02 次に、前記コントローラ3により前記ターゲット2の追尾開始を入力することで前記追尾部20から追尾光が射出され、前記ターゲット2からの追尾反射光が前記追尾部20で受光されると、追尾が開始される。前記ターゲット2の動きに追従し、追尾反射光が前記撮像素子31に受光される様に、前記水平回動部8を介して前記測量装置本体7が水平方向に回動し、又前記水平軸13を介して前記望遠鏡部12が鉛直方向に回転する。
【0058】
STEP:03 追尾開始後、作業者は前記ターゲット2を測定点付近に移動させ、測定点及びレーザポインタ光26の照射点を目視しながら該レーザポインタ光26を測定点迄誘導する。
【0059】
STEP:04、STEP:05 前記レーザポインタ光26を測定点迄誘導した後、該レーザポインタ光26の照射点が測定点と一致しているかどうかが判断され、一致していないと判断された場合には再度前記レーザポインタ光26の誘導を行う。又、該レーザポインタ光26の照射点が測定点と一致していると判断された場合には、前記コントローラ3を介して追尾及び前記レーザポインタ光26の照射を停止する。
【0060】
STEP:06 追尾及び該レーザポインタ光26の照射終了後、前記コントローラ3を介して測定開始を入力することで、測定開始のコマンドが前記コントローラ3から前記測量装置1に送信される。前記測量装置1が測定点の測定を開始し、ノンプリズム測距及び測角が行われる。この時、前記測距光軸33と前記レーザポインタ光軸34が一致しているので、測定点の測定を行う際に水平角及び鉛直角の補正を行う必要がない。
【0061】
STEP:07 測定点の測定後、測定点迄の距離及び測定点の角度(水平角、鉛直角)を前記記憶部37に保存する。
【0062】
STEP:08 測定結果の保存後は、前記ターゲット2からの反射光(即ち、追尾反射光)が前記追尾光軸49を中心とした所定範囲内に位置する様、前記測量装置本体7を駆動させ、前記ターゲット2を追尾可能な状態とするプリズムロック処理を行い、次の測定が行える状態とする。
【0063】
尚、1箇所の測定点のみを測定する場合には、STEP:08は省略してもよい。
【0064】
又、複数の測定点の測定を行う際には、再度STEP:01、STEP:02の処理を行い、前記レーザポインタ光26の照射及び追尾を開始させた後、作業者が前記ターゲット2を移動させて前記レーザポインタ光26を誘導し、STEP:05〜STEP:08の処理を行う。
【0065】
尚、測定点間の距離が離れている或は測定点の場所が不明である等、次の測定点を目視するのが困難である場合には、前記表示部44に表示された誘導情報に基づいて前記ターゲット2を概略の位置迄移動させた後、再度STEP:01〜STEP:08の処理を行ってもよい。
【0066】
上述の様に、第1の実施例では、前記レーザポインタ光26の前記レーザポインタ光軸34と、前記ターゲット2を追尾する前記追尾光軸49とがオフセットされており、前記レーザポインタ光26が前記ターゲット2に反射されることなく照射されるので、作業者は前記レーザポインタ光26の照射点を目視しながら手動で測定点迄誘導することができる。
【0067】
従って、前記視準望遠鏡の限られた視野にて視準を行う必要がないので、測定点を容易に特定でき、又特徴が少なく同程度の輝度の壁面が続く場所、周期的な模様が付いた場所、或は暗い場所であっても、前記レーザポインタ光26を確実に測定点迄誘導することができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0068】
又、作業者が前記コントローラ3の前記表示部44を毎回見て測定点を選択する必要がないので、毎回前記表示部44を見ることなく前記レーザポインタ光26を直接誘導し、前記レーザポインタ光軸34が測定点と一致したかを直に確認することができる。
【0069】
又、測定点付近で前記レーザポインタ光26を測定点に誘導すればよく、前記測量装置1側から測定点の視準を行う必要がないので、測定点と前記測量装置1の距離が離れている場合であっても迅速に且つ確実に前記レーザポインタ光26を測定点迄誘導することができる。
【0070】
又、前記コントローラ3を介してではなく、前記ターゲット2を手動で移動させながら目視で前記レーザポインタ光26を測定点迄誘導するので、測定対象点群が傾斜している等前記表示部44を見ながらでは感覚的に誘導し難い場合であっても、目視にて容易に誘導させることができる。
【0071】
次に、
図6に於いて、本発明の第2の実施例について説明する。尚、
図6中、
図3中と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0072】
第2の実施例に於いては、追尾光軸49(
図1参照)と測距光軸33(
図1参照)とが一致しており、前記追尾光軸49と前記測距光軸33からレーザポインタ光軸34(
図1参照)が所定のオフセット角分だけオフセットされている。
【0073】
又、前記追尾光軸49は撮像素子31の中心に位置し、前記レーザポインタ光軸34は、設定されたオフセット角分だけ前記追尾光軸49からオフセットされている。例えば、
図6に示される様に、前記レーザポインタ光軸34は前記追尾光軸49からY軸方向にのみオフセット(
図6中、βで示す)され、前記レーザポインタ光軸34は前記撮像素子31の受光範囲外に位置している。
【0074】
測定を行う際には、前記レーザポインタ光軸34のオフセット角を設定する。尚、第1の実施例と同様、オフセット角が固定的に設定されている場合は、オフセット角の設定作業は省略できる。追尾部20より追尾光を射出させ、追尾反射光を前記撮像素子31に受光させ、追尾を開始する。作業者がターゲット2を測定点に移動させ、測量装置1に前記ターゲット2を追尾させてレーザポインタ光26を測定点迄誘導する。誘導完了後、コントローラ3に誘導完了を入力すると、誘導完了信号が前記測量装置1に送信され、演算部36は、設定したオフセット角分だけ望遠鏡部12を回転させ、前記測距光軸33を測定点に移動させて測距及び測角を行う様になっている。
【0075】
第2の実施例では、追尾工程に於いて前記レーザポインタ光26の前記レーザポインタ光軸34が撮像範囲内にある必要がなく、
図6に示される様に、前記レーザポインタ光26の反射光が撮像範囲から外れる様に、オフセット角を設定すれば、前記撮像素子31に前記レーザポインタ光26の反射光が映込むことがなく、前記測量装置1が前記レーザポインタ光26の反射光を追尾する誤作動を防止でき、追尾の安定性を向上させることができる。更に、第1の実施例の様に、マスク処理、フィルタによる前記レーザポインタ光26のカット等が必要なくなる。
【0076】
又、レーザポインタ照射部30(
図2参照)に、光軸の傾斜を変更可能な機構を追加し、前記レーザポインタ光軸34と前記追尾光軸49間のオフセット角を任意に設定可能とすれば、天井に測定点がある場合等測定点の近くでの誘導が困難な場所であっても、前記レーザポインタ光26の照射点を目視しながら測定点迄手動で容易に誘導することができ、作業性の向上、作業効率の向上を図ることができる。
【0077】
尚、第2の実施例に於いては、前記レーザポインタ光26の前記レーザポインタ光軸34をY軸方向にのみオフセットしているが、第1の実施例と同様、X軸方向とY軸方向の2方向にオフセットしてもよい。
【0078】
次に、
図7により第3の実施例を説明する。
【0079】
該第3の実施例では、レーザポインタ25を望遠鏡部12の外部に設け、更に、該望遠鏡部12の光軸に対してレーザポインタ光軸34のオフセット角を自在に設定できる様にしたものである。尚、
図7中、
図1中で示したものと同一のものには同符号を付してある。
【0080】
前記望遠鏡部12は水平軸13を介して筐体14に設けられ、前記望遠鏡部12は前記水平軸13と一体に回転する様になっている。尚、
図7中、28は視準望遠鏡を示している。
【0081】
前記水平軸13の端面には、該水平軸13と同心に円板15が固着され、該円板15の円周部にはアブソリュートエンコーダパターン等のエンコーダパターン16が形成されている。又、前記筐体14に読取り部17が設けられ、該読取り部17により前記エンコーダパターン16の回転量を検出することで、前記望遠鏡部12の回転量、即ち鉛直角が検出される。前記エンコーダパターン16、前記読取り部17は、鉛直角検出器18を構成する。
【0082】
前記水平軸13の端部には、該水平軸13と同心で前記円板15を貫通するオフセット軸19が前記水平軸13に相対回転可能に設けられている。前記オフセット軸19には継手21を介して補助軸22が設けられ、該補助軸22は前記水平軸13の端面より突出している。又、前記補助軸22は前記水平軸13に対して前記継手21を介して傾動可能となっている。又、前記オフセット軸19の端面にはミラー23が設けられ、該ミラー23の反射面は前記オフセット軸19の軸心を含む様に設定されている。
【0083】
前記円板15にはレーザポインタ支持部24が突設されている。該レーザポインタ支持部24には前記レーザポインタ25が設けられており、該レーザポインタ25の前記レーザポインタ光軸34は、前記オフセット軸19の軸心と直交し、前記ミラー23の反射面に入射する様設定されている。前記レーザポインタ25より照射された前記レーザポインタ光26は、前記ミラー23により測定点方向に反射される様になっている。
【0084】
又、前記円板15には、モータとエンコーダが一体化されたオフセット駆動部であるオフセット軸モータ27が設けられている。該オフセット軸モータ27は2軸方向に回転駆動可能となっており、該オフセット軸モータ27は前記オフセット軸19を前記水平軸13に対してY軸方向に相対的に回転させると共に、前記継手21を中心に前記補助軸22をX軸方向(Y軸に対して直交する方向)に傾動させる様になっている。又、前記オフセット軸モータ27は、X軸方向、Y軸方向の前記オフセット軸19の回転量をそれぞれ検出可能となっている。尚、前記オフセット軸19と前記オフセット軸モータ27とでオフセット部40(
図2参照)が構成される。
【0085】
前記オフセット軸モータ27により、前記オフセット軸19をY軸方向に回転させ、前記補助軸22をX軸方向に傾動させることで、前記ミラー23が前記継手21と一体に2方向に回転及び傾動し、前記ミラー23に反射される前記レーザポインタ光26の照射方向、即ちオフセット角を変化させることができる。オフセットが完了すると、前記オフセット軸19は前記水平軸13と一体に回転し、オフセット角は固定となる。
【0086】
尚、オフセット角が予め決っており、調整が不要である場合には、前記オフセット軸19を設けず、
図8(A)(B)に示される様に、前記レーザポインタ25を直接前記水平軸13に取付けてもよい。
【0087】
次に、
図9のフローチャートを用い、第3の実施例に於ける測量装置1による測定点の測定について説明する。
【0088】
STEP:11 先ず、前記レーザポインタ25を駆動させ、前記レーザポインタ光26を照射させる。
【0089】
STEP:12 次に、コントローラ3の操作部45(
図2参照)を介して前記レーザポインタ光軸34のオフセット角を既知の値で設定し、前記レーザポインタ光26の光軸をオフセットする。
【0090】
STEP:13 該レーザポインタ光26の光軸のオフセット後、前記コントローラ3を介して測量装置本体7から追尾光を射出させ、前記ターゲット2の追尾を開始させる。
【0091】
STEP:14 追尾開始後、作業者は該ターゲット2を測定点付近に移動させ、前記レーザポインタ光26の照射点を目視しながら前記レーザポインタ光26を測定点迄誘導する。
【0092】
STEP:15、STEP:16 該レーザポインタ光26を測定点迄誘導した後、該レーザポインタ光26の照射点が測定点と一致しているかどうかが判断され、一致していないと判断された場合には、再度前記レーザポインタ光26の誘導を行う。又、該レーザポインタ光26の照射点が測定点と一致していると判断された場合には、前記コントローラ3を介して追尾及び前記レーザポインタ光26の照射を停止すると共に誘導完了を入力する。尚、誘導完了を入力することで、前記レーザポインタ光26の照射を停止させてもよい。
【0093】
STEP:17 該レーザポインタ光26の照射及び追尾の停止後、誘導完了を入力されると、誘導完了の信号が通信部43(
図2参照)より前記測量装置1の通信部38(
図2参照)に送信され、演算部36(
図2参照)は誘導完了の信号に基づきSTEP:12にて設定したオフセット角分だけ前記水平軸13をオフセットと逆の方向に回転させ、測距光軸33を測定点に視準させる。
【0094】
STEP:18 次に、前記コントローラ3を介して測定開始を入力することで、前記測量装置1による測定点の測定を開始し、ノンプリズム測距及び測角が行われる。
【0095】
STEP:19 測定点の測定後、測定点迄の距離及び測定点の角度を記憶部37(
図2参照)に保存する。
【0096】
STEP:20 測定結果の保存後は、前記ターゲット2が追尾光軸49を中心とした所定範囲内に位置する様前記測量装置本体7を駆動させ、前記ターゲット2を追尾可能な状態とするプリズムロック処理を行い、次の測定が行える状態とする。
【0097】
尚、第1の実施例と同様、測定する測定点が1箇所のみである場合には、STEP:20の処理は省略してもよい。
【0098】
又、第1の実施例及び第2の実施例では、前記ターゲット2として全周プリズム5(
図1参照)を用いているが、反射テープ等他の反射体を用いてもよいのは言う迄もない。
【0099】
更に、第1の実施例及び第2の実施例共に、測定点の測角のみでよい場合は、測定点の測距は必要なく、前記レーザポインタ25で測定点を示した時の前記測距光軸33を測角し、更にオフセット量だけ補正をすれば測定点の測角を行えるので、ノンプリズム測定の機能は省略してもよい。