特許第6254082号(P6254082)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6254082熱交換器用の管端を摩擦撹拌溶接するための方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6254082
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】熱交換器用の管端を摩擦撹拌溶接するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 20/12 20060101AFI20171218BHJP
   F16L 13/02 20060101ALI20171218BHJP
   F28F 9/013 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   B23K20/12 360
   B23K20/12 368
   B23K20/12 340
   F16L13/02
   F28F9/013 J
【請求項の数】17
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-525152(P2014-525152)
(86)(22)【出願日】2012年8月9日
(65)【公表番号】特表2014-527467(P2014-527467A)
(43)【公表日】2014年10月16日
(86)【国際出願番号】US2012050183
(87)【国際公開番号】WO2013023083
(87)【国際公開日】20130214
【審査請求日】2015年7月31日
(31)【優先権主張番号】61/521,589
(32)【優先日】2011年8月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598111021
【氏名又は名称】ロッキード マーティン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】エラー, マイケル アール.
(72)【発明者】
【氏名】リ, ルシェン
【審査官】 岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公告第01310107(GB,A)
【文献】 英国特許出願公告第01303642(GB,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0000952(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0049915(US,A1)
【文献】 特開昭56−066380(JP,A)
【文献】 特開昭59−202185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 20/12
F16L 13/02
F28F 9/013
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管と管板との間の継手を形成する方法であって、
管の第一の端部を管板の主表面と実質的に同一平面に位置付けるステップであって、前記管の外径は、前記管の長さに沿ったものと実質的に等しく、前記管板内の開口の内径と実質的に等しい、前記ステップと、
前記第一の端部付近の前記管内に少なくとも一部分を有するアンビル組立体を形成するステップと、
前記アンビル組立体が前記管内にある間、前記アンビル組立体の前記一部分を前記管内に拡張するステップであって、前記アンビル組立体は、前記管と前記管板との溶接を可能にするように、取り外し可能な支持体を形成する、前記ステップと、
前記アンビル組立体上に、および、前記管の前記第一の端部および前記管板の前記主表面との接触面に座金を配置するステップと、
前記管を前記管板に溶接するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記管を前記管板に溶接することが摩擦撹拌溶接を含む、請求項1記載の管と管板との間の継手を形成する方法。
【請求項3】
前記管内に前記アンビル組立体がある間、前記アンビル組立体の前記一部分を前記管内に拡張するステップが、前記一部分を拡張して前記管板に対して前記管の前記第一の端部を保持することを含む、請求項1記載の管と管板との間の継手を形成する方法。
【請求項4】
前記アンビル組立体がアンカーを含む、請求項1記載の管と管板との間の継手を形成する方法。
【請求項5】
前記管の前記第一の端部内の前記アンビル組立体の前記一部分が弾性アンカーである、請求項1記載の管と管板との間の継手を形成する方法。
【請求項6】
前記管の第二の端部を保持するステップをさらに含む、請求項1記載の管と管板との間の継手を形成する方法。
【請求項7】
前記管の前記第二の端部を保持することが、第二のアンカーを前記管の前記第二の端部に配置することを含む、請求項6記載の管と管板との間の継手を形成する方法。
【請求項8】
前記管の前記第二の端部を保持することが、第二のアンビル組立体を前記管の前記第二の端部に連結することをさらに含み、この連結が、
前記管の前記第二の端部を第二の管板における開口を通るように延長することと、
バッキングバッフルを前記第二の管板に実質的に固定して取り付けることと、
第二のアンカーを前記管の前記第二の端部内部に配置することと、
前記第二のアンカーを前記バッキングバッフルに取り付けることと、をさらに含む、請求項6記載の管と管板との間の継手を形成する方法。
【請求項9】
第二のアンカーを前記管の前記第二の端部内部に配置することが、前記第二のアンカーを前記管の前記第二の端部内に拡張することを含む、請求項8記載の管と管板との間の継手を形成する方法。
【請求項10】
第一の管と第一の管板との間の継手、および第二の管と第二の管板との間の継手を形成する方法であって、
前記第一の管板の主表面と実質的に同一平面に前記第一の管の第一の端部を位置付けるステップであって、前記第一の管の前記第一の端部から前記第一の管の第二の端部まで前記第一の管は実質的に同一外径を有し、前記第一の管の前記外径は、前記第一の管板内の開口の内径と実質的に同一である、前記ステップと、
前記第一の管の前記第二の端部を前記第二の管板における開口を通るように位置付けるステップであって、前記第一の管の前記外径は、前記第二の管板における前記開口の前記内径と実質的に同一である、前記ステップと、
拡張可能なアンカー部を備える第一のアンビル組立体を前記第一の管の前記第一の端部内に少なくとも部分的に挿入するステップと、
前記第一のアンビル組立体の上に座金を配置するステップであって、前記座金は、前記第一の管の前記第一の端部の内径に適合する大きさの外径を有し、前記座金は、前記第一の管の前記第一の端部内に少なくとも部分的に配置される、前記ステップと、
前記第一のアンビル組立体の前記拡張可能なアンカー部を、前記第一のアンビル組立体が前記第一の管の前記第一の端部内にある間、拡張して、前記第一の管板に対して前記第一の管の前記第一の端部を保持するステップと、
前記第二の管板の前記第二の端部に対して前記第一の管の前記第二の端部を保持するステップと、
前記第一の管の前記第一の端部を前記第一の管板に溶接するステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記第一の管の前記第一の端部を前記第一の管板に溶接するステップが摩擦撹拌溶接を含む、請求項10記載の第一の管と第一の管板との間の継手、および第二の管と第二の管板との間の継手を形成する方法。
【請求項12】
前記第二の管板に対して前記第一の管の前記第二の端部を保持するステップが、配置されるバッキングバッフルを前記第二の管板に対するオフセット位置に取り付けることを含む、請求項10記載の第一の管と第一の管板との間の継手、および第二の管と第二の管板との間の継手を形成する方法。
【請求項13】
前記第二の管板に対して前記第一の管の前記第二の端部を保持するステップが、前記第一の管の前記第二の端部を前記バッキングバッフルに取り付けることを含む、請求項12記載の第一の管と第一の管板との間の継手、および第二の管と第二の管板との間の継手を形成する方法。
【請求項14】
前記第一の管の前記第二の端部を前記バッキングバッフルに取り付けることが、第二のアンビル組立体を前記第一の管の前記第二の端部および前記バッキングバッフルに取り付けることを含む、請求項13記載の第一の管と第一の管板との間の継手、および第二の管と第二の管板との間の継手を形成する方法。
【請求項15】
前記第二の管板と実質的に同一平面に形成することができるように前記第一の管の前記第二の端部が移動される、請求項10記載の第一の管と第一の管板との間の継手、および第二の管と第二の管板との間の継手を形成する方法。
【請求項16】
前記第一の管の前記第二の端部を前記第二の管板に溶接することをさらに含む、請求項10記載の第一の管と第一の管板との間の継手、および第二の管と第二の管板との間の継手を形成する方法。
【請求項17】
管と管板との間の継手を形成する方法であって、
管の第一の端部を管板の主表面と実質的に同一平面に位置付けるステップであって、前記管は、前記管の前記第一の端部から前記管の第二の端部まで実質的に同一の外径を有し、前記管の前記外径は、前記管板の開口の内径と実質的に等しい、前記ステップと、
拡張可能なアンカー部を備えるアンビル組立体を前記管の前記第一の端部内に少なくとも部分的に挿入するステップと、
前記アンビル組立体の上に座金を配置するステップであって、前記座金は、前記第一の管の前記第一の端部の内径に適合する大きさの外径を有し、前記座金は、前記第一の管の前記第一の端部内に少なくとも部分的に配置され、前記管シートに接触しない、前記ステップと、
工具を前記アンビル組立体に連結させ、前記拡張可能なアンカー部を拡張するように前記工具を回転させるステップと、
前記管板に前記管の前記第一の端部を溶接するステップと、
前記工具を前記アンビル組立体に連結させ、前記拡張可能なアンカー部を収縮させるように前記工具を回転させるステップと、
前記管から前記アンビル組立体を取り外すステップと、
を含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、参照により本明細書に組み入れられる2011年8月9日に出願された先の米国仮特許出願第61/521,589号の米国特許法第35条119(e)項に基づく利益を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本明細書に記述するさまざまな実施態様は、熱交換器における管の管端を圧力容器における管板に摩擦撹拌溶接するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
一般の工業用熱交換器は、2つの管板の間に配置され、圧力容器シェル内に密閉された複数の管を含む。異なる温度の流体または気体が熱交換器を通り抜け、ある媒体から他の媒体に熱エネルギーを移動させる。管は所定位置に圧入または溶接することができる。原子力熱交換器および化学プラントなどにあるように液体または気体の分離が重大である場合には、市場に出す前に、管を所定位置に溶接し、漏れのチェックを行う必要がある。熱交換管を溶接するプロセスには、以下を含む多くの欠点がある。(1)手作業の融接技術により管継手の全てを用意および溶接するための高い労働費、(2)複雑な手作業または半自動の融接プロセスに起因する欠損修復費用、および(3)融接継手の腐食感受性の増大。腐食は、特に、システムの一つが腐食性を有する場合には、作動流体の汚染の主な原因となる。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、管と熱交換器における管板とを接合する固相溶接継手を具現化する。固相溶接継手は、摩擦撹拌溶接(FSW)に類似する。管および管板は、同じまたは類似する材料から作ることができる。この結果、同じまたは類似する材料を用いて溶接が形成される。この方法が、多くの事例では材料の混合体を用いて溶接を形成する現在の融接プロセスに取って代わる。本発明の固相溶接継手は、かなりの費用、欠損を削減し、長期腐食に関連する不具合の削減または減少を通じて性能を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】例示の実施態様に従う、管板に対して位置付けられた、管端付近に位置付けられたアンカーを示す斜視図である。
図1B】例示の実施態様に従う、管端内に位置付けられたアンカーを持つ、管板に対して位置付けられた管端を示す斜視図である。
図2】例示の実施態様に従う、管端内に挿入されたアンカーの上に位置付けられた座金を示す斜視図である。
図3】例示の実施態様に従う、管端内のアンカー内部にねじ込まれたソケットヘッドキャップスクリューを示す斜視図である。
図4】例示の実施態様に従う、摩擦撹拌溶接プロセスのための支持体として用いるために配置されたアンビル組立体を含む管および管端を示す部分側断面図である。
図5A】例示の実施態様に従う、摩擦撹拌溶接に用いられる固定されたピンツールまたはデバイスの例を例証する側面図である。
図5B】例示の実施態様に従う、ワークピースの溶接中の固定されたピンツールまたはデバイスを示す概略図である。
図6】例示の実施態様に従う、据え付けられたアンビル組立体を持つ複数個の管端を有する管板を示す斜視図である。
図7】例示の実施態様に従う、摩擦撹拌溶接(FSW)を実行し、据え付けられたアンビルを持つ管端に向かい移動するピンツールを示す斜視図である。
図8】例示の実施態様に従う、管シートに溶接された2つの管端を示す斜視図である。例示の実施態様に従う、管内のアンカーから取り外された無傷のソケットキャップスクリューも示す。
図9】例示の実施態様に従う、機械加工およびデバリング後の管溶接を示す平面図である。
図10A】別の例示の実施態様に従う、ダブルウェッジアンカーを示す側面図である。
図10B】別の例示の実施態様に従う、内部にねじ込まれたドロップインアンカーを示す側面図である。
図10C】別の例示の実施態様に従う、弾性アンカーを示す側面図である。
図10D】別の例示の実施態様に従う、弾性アンカーを示す側面図である。
図10E】別の例示の実施態様に従う、弾性アンカーを示す側面図である。
図10F】別の例示の実施態様に従う、弾性アンカーを示す側面図である。
図10G】別の例示の実施態様に従う、弾性アンカーを示す側面図である。
図11】別の例示の実施態様に従う、熱交換器本体のフランジに取り付けられたバッキングアンビルバッフルプレートを示す斜視図である。
図12】別の例示の実施態様に従う、バッキングアンビルバッフルプレートおよび複数個の伸長したアンカー組立体を示す断面側面図である。
図13】別の例示の実施態様に従う、図12のバッキングアンビルバッフルプレートおよび複数個の伸長したアンカー組立体を示す拡大図である。
図14】例示の実施態様に従う、伸長したアンカー1200を示す斜視図である。
図15】例示の実施態様に従う、ランキンサイクルを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図15は、ランキンサイクル900の模式図である。示すサイクルは、ポンプ910、ボイラー920、タービン930、および凝縮器940を含む。凝縮器940は熱交換器を含み、これは、冷却液を用いてタービン930を通り抜けた後の気体から熱を除去する。冷却液は腐食性を有するものでもよい。気体も腐食性を有するものでもよい。凝縮器940に熱交換器が付随するため、これは特定の用途では腐食環境で動作する。熱交換器は、種々の方法で形成することができる。ある形態の熱交換器は、2つの管板の間に配置され、圧力容器シェル内に密閉された複数の管を含む。熱交換器は、それ故、管と管シートとの間に形成された一以上の継手を含む。熱交換器が本明細書に記述する装置および方法のための一つの適用例であり、本明細書に記述する装置および方法のための他の可能な適用例があることが理解されるべきである。
【0007】
摩擦撹拌溶接(FSW)は、固相接合プロセスであり、融接プロセスよりも優れたいくつかの利点がある。例として、この利点はより高い結合強度およびより低いゆがみを含む。さらに、摩擦撹拌溶接プロセスは、融接または他の溶接プロセスでは溶接することができない合金を接合することができる。これらの特性によって、摩擦撹拌溶接プロセスは、多くの産業において有益な接合プロセスとなっている。FSWをアルミニウムまたは他の高温の管合金に実行して管−管板継手を形成することができる。しかしながら、溶接したアルミニウムシェルおよび管熱交換器に適用可能な市場は、全世界のシェルおよび管市場のたった1%以下であると見積もられている。反対に、溶接した炭素鋼シェルおよび管熱交換器が、全世界の溶接したシェルおよび管市場の約70%を占める。溶接したシェルおよび管熱交換器の残りの29%以下は、ステンレス鋼、チタン、および他の高温合金から構成される。炭素鋼は、アルミニウム(および、他の高温金属)よりも遥かに多く出回っている。というのは、ポンド当たりの値段が遥かに安価であり、遥かに高い圧力および温度に耐性があり、粗い作動流体、例えば、油、気体および酸とより融和性があるからである。それ故、管−管板継手を形成するプロセスは、アルミニウム、アルミニウム合金、炭素鋼、ステンレス鋼、チタン、および他の高温の管合金に広く適用できる必要がある。管−管板継手の形成を可能な限り多くの高温の管合金に広く適用できるようにすることによって、熱交換器に適用可能な市場のシェア拡大に取り組むことができる。さらに、管−管板継手を形成するプロセスをより堅固にすることによって、大きなシェアを占める適用可能な市場がプロセスを受け入れる程度がより高くなる。
【0008】
FSW高温管−管板継手は、新規のアンビルおよびFSWにおける負荷に対応でき、発生した温度に耐性があり、溶接を汚染しない関連する技法を用いて溶解される。FSWを用いる場合では、回転ツールが継手に負荷を与えることがある。アンビル技法では、溶接プロセス中にツールによって生成される負荷に対抗する力に対応するか、力を生成するように継手を保持できる。
【0009】
図1Aは、例示の実施態様に従う、管板120に対して位置付けられた管端110付近のアンカー100の斜視図であり、図1Bは、管の管端110内に位置付けられたアンカー100を持つ、管板120に対して位置付けられた管端110の斜視図である。図2は、例示の実施態様に従う、管端110内に挿入されたアンカー100の上に位置付けられた座金200の斜視図である。図3は、例示の実施態様に従う、管端100内のアンカー100内部にねじ込まれたソケットヘッドキャップスクリュー300の斜視図である。ここで図1A図1B図2および図3を参照し、アンビル組立体310の第一の実施態様をさらに詳細に記載する。第一の実施態様では、アンビル組立体320は、コンクリートアンカー100、ソケットヘッドキャップスクリュー300、および座金200を含む。アンビル組立体320は取り外し可能な支持体として機能し、これにより、管111、より具体的には管端110および管板120を、摩擦撹拌溶接ツールおよびFSW技法を用いて溶接することができる。仮にアンビル組立体320がないと、FSW溶接プロセスの実行は遥かに困難となる。その結果、一貫性が少なくなる。
【0010】
図4は、例示の実施態様に従う、摩擦撹拌溶接プロセスのための支持体として用いるために配置されたアンビル組立体320を含む管111および管端110の部分側断面図である。形成されたアンビル組立体320は、円筒状の上部300(ソケットヘッドキャップスクリュー300の環状面)を含む。これを用いて、FSWを実行するツール、および管111の管端110内部にアンカーされたアンカー100をガイドし、一定の間隔に配置する。座金200が、管板120と実質的に同一平面に位置付けられたアンカー100に配置される。
【0011】
アンカー100は、第一の本体部131および第二の本体部132を含む。第一の本体部131および第二の本体部132は、内部ウェッジ(図示せず)に隣接する。アンカー100はねじ込み開口102を有する。アンカー100は、ねじ込み開口102の少なくとも一部分を含み得る内部ウェッジも有する。ねじ込み開口102が係合すると、ウェッジは、管板120および管111の管端110と実質的に同一平面にあるアンカー100の一方の端部に向かい移動する。ウェッジはてことして作動し、第一の本体部131および第二の本体部132を半径方向外側に押し進める。ウェッジは、管111、具体的には管端110と係合する。ウェッジは、結果的に管111のための固体支持体としても作動する。図4に示すように、ソケットヘッドネジ部300は、アンカー100の内部ネジ部と係合するねじ込み端部302を有する。ソケットヘッドネジ部300は環状ヘッド端部304も有する。
【0012】
図4に示すように、環状ヘッド端部304は六角形の開口306を有し、これは、その中にドライバー、例えば、六角レンチまたは同様のものを受け入れる寸法に形成される。一部の実施態様では、ねじ込みヘッド端部304はギザギザのある外面を有し、この外面により、人の指でねじ込み端部302を締め付けるかつ緩めることが可能になる。他の実施態様では、ねじ込みヘッド端部304は実質的に平坦な外面を有する。この平坦な外面により、固定されたピンツールの肩部520が、摩擦がほとんどまたは全くなく外面に係合するまたはそれを通り越すことが可能になる。管の内側に加えられる力の量は、ドライバー、例えば、六角レンチに加えるトルクを変化させることによって調節することができる。加えて、アンカー100のネジ部からソケットヘッドネジ部300を緩めることによって、アンカーを、管111、より具体的には、管端110の内壁から取り外すことができる。他の実施態様では、ソケットヘッドネジ部300は、ドライバーを受け入れるための他の開口を含むことができる。例として、ソケットヘッドネジ部300は、スクリュードライバーを受け入れるためのスロット、または十字ねじのスクリュードライバーを受け入れるための十字開口を有することができる。
【0013】
図4に示すように、ソケットヘッドネジ部300は、管端110の上部と、ソケットヘッドネジ部300の底部との間に座金200も保持する。座金200は、管111および管板120と同じ材料から作られる。これにより、溶接を形成する全ての材料が同じ材料から作られることが保証される。このことは、電流反応によって引き起こされることがある腐食の可能性を小さくする。ピン520が回転して摩擦に起因する熱を生成し、管111、管シート120、および座金の金属を加熱して、管端110を管板120に溶接する。
【0014】
ここで図1A図1B図2図3および図6に戻り、例示の実施態様に従う、管端110におけるアンビル組立体320の組立体を詳細に記載する。初めに、管プレート120と実質的に同一平面にある位置に管端110を備え付ける。アンビル組立体320のアンカー100を、管端110付近に位置付ける。次に、アンカー100を管端110内部および管111内部に挿入する。ねじ込み開口102を有する端部が管端111および管板120と実質的に同一平面にくるまで、アンカー100を挿入する。一実施態様では、管端110または端部付近の管111の一部分が拡張し、管板120における開口内により密接に適合する。座金200がアンカー100に位置付けられる。座金200の一方の側面は、管端110および管板120と実質的に同一平面にある。座金200の他方の側面は、管板120および管端110のわずかに前に位置付けられる。ソケットヘッドキャップスクリュー300が、座金200を通じてアンカー100のネジ部102内部に挿入される。ソケットヘッドキャップスクリュー300のねじ込み端部302が、アンカー100のネジ部102とねじ込み式に係合する。ツール、例えば、六角レンチ、スクリュードライバー、または他のドライバーを用いて、ソケットヘッドキャップスクリュー300を回転させる。例として、ソケットヘッドキャップスクリュー300を右回りのねじ山を用いて右回りに回転させることによって、それを内部ウェッジに係合させ、アンカーの本体部分を推し進めて管111の壁に係合させる。初期では、アンカーをその位置に保持しつつ、ソケットヘッドキャップスクリュー300の軽い押し込みまたは引き込みによってアンカーを移動可能な程度に、ソケットヘッドキャップスクリュー300をわずかに締め付ける。このようにして、アンカーが管111と管板120との接触面と実質的に同一平面にくるようにアンカーを位置付けることができる。この位置付けにより、アンカー100が拡張し始め、管111の内壁に噛み合うときに、座金200も管−管板表面に位置付けられる。最終的な締め付けトルクがソケットヘッドキャップスクリュー300に加えられることにより、ソケットヘッドキャップ300が座金200にきつく締められ、座金200の上面が管−管板表面と同一平面(または、わずかに突き出る)にくる。
【0015】
これは、管板120におけるいくつかの管111に繰り返される。図6は、例示の実施態様に従う、据え付けられたアンビル組立体320を持つ複数個の管端110を有する管板120を示す斜視図である。示すように、管端110にまたはその付近にアンビル組立体320が据え付けられた2つのサイト601、602がある。アンビル組立体が据え付けられていない2つのサイト603、604がある。管シートと管端との間の継手を仕上げるために、アンビル組立体をサイト603、604に据え付ける必要がある。当然ながら、管板120において終端処理されるさらに多くの管端を有する熱交換器がある。プロセスは、そのような管板と厳密に同じであろうが、その仕上がりは、管板120に摩擦撹拌溶接された2つのバンド110を有する必要があるより多くのサイトを生じるであろう。
【0016】
図5Aは、例示の実施態様に従う、摩擦撹拌溶接に用いられる固定されたピンツール500またはデバイスの例を例証する側面図である。摩擦撹拌溶接プロセス(たとえば、摩擦撹拌溶接プロセスまたは自動的に反応する摩擦撹拌溶接プロセス)に用いられるいくつかの異なる技法がある。第一の技法は、図1Aに例証する固定されたピンツール技法である。固定されたピンツール500は、肩部510およびピン520を含む。固定されたピンツール500は、一実施態様では、一体構造の材料(ピン520および肩部510を含む)から作られる。ピン520の全長は一定である。固定されたピンツール500を用いて、一定の厚さを持つプレートまたはワークピースを溶接する。
【0017】
図5Bは、例示の実施態様に従う、ワークピースの溶接中の固定されたピンツールまたはデバイスの概略図である。この実施態様では、ピン520および肩部510が共に回転し、互いと独立しては動かない。溶接中、ピンツールデバイス500は回転し、一方で同時に、一以上のワークピース、例えば、ワークピース530を横切るように溶接方向に平行移動する。ピンツールデバイス500によって圧力または力が一以上のワークピース530に加えられる。図1A図1B図2図3および図4の支持体またはアンビル組立体320が、ピンツールデバイス500からの圧力に耐えるように支える。支持体またはアンビル組立体320は、FSWプロセス中にピンツールデバイス500に加えられる力に対抗する反力も与える。前述のように、ピンツールデバイス500が一つの材料の固体片から作られるため、ピン520および肩部510は共に回転する。他の実施態様では、ピンが上方または上部肩部とは独立して回転し、肩部とは独立して上下に移動することによって、ピン全長を変化させることができる。これにより、テーパーまたは幅が可変のストックを溶接することができる。アンビル組立体320、具体的には、アンカー100も十分な熱質量を有し、FSWプロセスによって生成された熱の一部を吸収する。アンカー100の熱質量によって、管111の内側の溶接が防がれる。FSWで固定されたピンツール500を高い回転速度で駆動し、金属内部に突っ込む。ドライバーは、ピンを回転させることに加えて、管−管板継手周囲のピンツール500の平行移動も行う。これにより、ピンツールの肩部510を管端110および座金200の上で平行移動させるが、ソケットヘッドキャップスクリュー300が管の中心からはみ出ることは回避される。
【0018】
図7は、例示の実施態様に従う、摩擦撹拌溶接(FSW)を実行し、据え付けられたアンビル組立体320を持つ管端110に向かい移動するピンツール700の斜視図である。ピンツール700は、管111−管板120継手の周囲に、ピンツール500を回転させるドライバー710を含む。ピンツール700は、一実施態様では、コンピュータ化された装置ツールによって制御される。ピンツール700は、その制御によって、管端110と管板120との各々の摩擦撹拌溶接においてその周囲を平行移動する。1つまたは2つの管板継手が終了すると、装置ツールは、ピンツール700を次の管−管板継手に移動させる。
【0019】
図8は、例示の実施態様に従う、管シート120に溶接された2つの管端110の斜視図である。ピンツール500、700は、管板120にわずかなくぼみ、または渦巻きマークを残す。溶接の完了後、ソケットキャップスクリュー300を取り外すことができる。図8に、管111内のアンカー100から取り外された無傷のソケットキャップスクリュー300も示す。摩擦撹拌溶接後、アンカー100は管111内にとどまる。座金200も管端110を覆う。座金200は、管端110の上部に溶接される。溶接バリおよび表面の渦巻きマークは、装置ツール、例えば、一実施態様では、フライカッター、正面フライス、エンドミルを用いて取り除かれる。別の実施態様では、グラインダー、サンダーまたは研磨機を用いて、材料の必須の深みを取り除くことができる。材料の必須の深みの除去は、座金の継目の外径および管の内径が見えるときに成し遂げられる。
【0020】
図9は、例示の実施態様に従う、機械加工およびデバリング後の管溶接の平面図である。適切な量の材料を管板120から取り除いた時点で、金属棒を用いて裏面から部品を押し込むか、またはツールを用いて表面側からアンビル100と座金200との組み合わせを引き込むことによって、アンビル100と座金200との組み合わせを取り外すことができる。次に、管111の内径を、デバリングツールを用いてデバリングしてもよいし、円錐ドリルビットを用いて面取りしてもよい。仕上がりを図9に示す。図9に示す仕上がりが、管板120に溶接された2つの管111のみを含むことが留意されるべきである。多くの用途では、多数の管111が管板120に溶接される。
【0021】
前述の座金200は管および管板と同じ材料から作られ、これにより一貫性のある溶接特性を促進し、溶接内部へのあらゆる不純物の導き入れが回避される。ソケットキャップスクリュー300およびアンカー100は、溶接において消耗しないため、必ずしも同じ材料から作らなくてもよい。ソケットキャップスクリュー300およびアンカー100は、摩擦撹拌溶接プロセスにおいて発生する力および高温に対応する、適正な強度および高温への耐性を有する必要があることが留意されるべきである。熱交換器が低炭素鋼から作られる場合は、座金200、管110および管板120は全て低炭素鋼である。チタン管板120内部にチタン管110を溶接する場合は、座金200はチタンから作られるであろう。
【0022】
前の図に描写するアンカーは、ダブルウェッジアンカーである。他のアンカーを用いてアンビル100を形成できることが留意されるべきである。図10A図10Gに、他のアンカー1000A、1000B、1000C、1000D、1000E、1000F、および1000Gを示す。図10Aに示すような別のダブルウェッジアンカー1000Aを用いてアンビル100の一部を形成できる。図10Bに示すような内部にねじ込まれたドロップインアンカー1000Bを用いてアンビルの一部を形成できる。アンカー1000C、1000D、1000E、1000F、および1000Gの全ては、第二のプレートにおける第一のプレートの間に取り込まれた弾性材料を含む。ねじ込みファスナーが締め付けられると、第一のプレートが第二のプレートの方に引き付けられる。これにより、弾性材料が圧縮して外側に膨らむ。アンカー1000C、1000D、1000E、1000F、および1000Gは、管110内に引っかき傷または他のマーキングを生成する可能性が低いという利点を有する。引っかき傷または他のマーキングがある箇所は、腐食をより受けやすくなり得る。当然ながら、摩擦撹拌溶接に弾性材料を用いる場合は、弾性材料は、摩擦撹拌溶接プロセスによって発生する熱に耐性を持つことができるような十分な耐熱性質を有する必要がある。アンカー1000A、1000B、1000C、1000D、1000E、1000F、および1000Gは全て、スクリュー300がアンカー1000A、1000B、1000C、1000D、1000E、1000F、および1000Gの内部ねじ山内に挿入されたときに、管110壁の内側に対して外側に拡張するという点において同じ目的を果たす。
【0023】
他の実施態様では、これらの種類のアンカーの他の代替物を用いることができることが考慮される。代替物は、スプリングピン、スプリング圧縮式アンカー、圧入ピン、テーパーピン、および同類のものを含む。なおも他の実施態様では、座金を用いる代わりに、アンカーまたはスクリューヘッド、例えば、ソケットヘッドキャップ300を溶接中に消費して、ピンツールの肩部に接触するように達せさせることができる。
【0024】
図11は、別の例示の実施態様に従う、熱交換器本体1110上のフランジに取り付けられたバッキングアンビルバッフルプレート1100の斜視図である。熱交換器本体1110は、通常、フランジ1112または閉鎖フランジを含む。一部の実施態様では、バッキングアンビルバッフルプレート1100は、前の図1図9に記述するような管板120に溶接するときに、管110の自由端を保持するのに用いられる。バッキングアンビルプレート1100は、一実施態様では、約1/2インチの厚さであり、バッキングアンビルプレート1100における開口1130は、ドリルした穴をリーマーで広げる代わりに、パンチまたはレーザー切断で開けることが可能である。バッキングアンビルプレート1100は、フランジ1112とオフセットされる。バッキングアンビルプレート1100は、熱交換器本体1110のフランジ1112に隣接するフランジ1102も含む。フランジ1102における開口1104は、フランジ1112における開口に合致する。したがって、バッキングアンビルプレート1100をフランジ1112にボルトで留めてもよいし、別の方法で接続してもよい。バッキングアンビルプレート1100における開口1130は、熱交換器の管111に合致する。
【0025】
図12は、別の例示の実施態様に従う、バッキングアンビルバッフルプレート1100および複数個の伸長したアンカー組立体1200の断面側面図である。伸長したアンカー組立体1200を用いて、管111の自由端112をバッキングアンビルバッフルプレート1100に取り付ける。管111の内側および熱交換器シェルの内側の伸長したアンカー組立体1200を用いることによって、摩擦撹拌溶接プロセス中、熱交換器の他の端部における管板120の管端110が所定位置にさらに保持される。(図1〜9に示すような)管111の端部をバッキングアンビルバッフルプレート1100にアンカーすることによって、管板120に対する管端110の平行移動が防がれる。
【0026】
図13は、別の例示の実施態様に従う、図12のバッキングアンビルバッフルプレートおよび複数個の伸長したアンカー組立体1200の拡大図である。アンカー組立体1200は、約3インチの長さである。他の実施態様では、アンカー組立体1200の全長は異なる長さでもよい。アンカー組立体1200は、管111の自由端112内部に拡張する。管111の自由端112は、アンカー組立体1200を受け入れた後、わずかに拡張できる。しかしながら、切除される管の自由端が第二の管板1220に取り付けられる場合には、処理期間の後に管111の自由端を切除する。したがって、第二の管板1220に形成される管−管板継手のコーリング(calling)または汚染のリスクがない。管111の第一の端部110を管板120に溶接した後、アンカー1200およびバッキングアンビルバッフルプレート1100を取り外す。管111の自由端112における余分な丈は、管およびカッターツールを用いて削られて加工される。次に、自由端112を、図1図9に関して先に記載したのと同じ方法で管板1220に取り付ける。
【0027】
図14は、例示の実施態様に従う、伸長したアンカー1200の斜視図である。アンカー1200は、バッキングアンビルバッフルプレート1100における開口1130内に適合する襟を持つネジ部を含む。アンカー組立体1200は、管板120および管板1220における適切な位置にフィン管を保持する。ねじ込みタブ襟は、バッフルプレート1100と一体でもよいし、図14に示すように別個の部片1400が取り付けられてもよい。襟1400は、摩擦撹拌溶接プロセスによって生成する負荷に対応するように十分に強く設計される。本発明の他の実施態様では、管の自由端はバッフルプレート1100にエポキシ樹脂で接着される。前述のプロセスが固定されたピンツールを用いることも留意されるべきである。調節可能なピンツールを用いて、管端を管板内部に溶接できることも考慮される。調節可能なピンツールを使用して、ピンを固定された肩部に対して上下に移動することができる。調節可能なピンツールを用いて、プロセス中に必要に応じて管−管板溶接中の突き出しの深さを調節することができる。換言すると、摩擦撹拌プロセスが、既に摩擦撹拌溶接された先の管−管板継手を取り囲むことによって、管板120上にできた擦り傷に重なる場合には、ピンの深さをより短くすることができる。
【0028】
管と管板との間の継手を形成する方法を開示する。この方法は、管の第一の端部を管板の主表面と実質的に同一平面に位置付けることと、第一の端部付近の管内に少なくとも一部分を有するアンビル組立体を形成することと、アンビル組立体の一部分を管内に拡張することと、管を管板に溶接することと、を含む。一実施態様では、管を管板に溶接することは、摩擦撹拌溶接を含み、アンビル組立体の一部分を管内に拡張することは、一部分を拡張して管板に対して管端を保持することを含む。前の方法に用いられるアンビル組立体は、アンカーを含む。管と管板との間の継手を形成するためのリストした方法は、弾性アンカーの使用を含むことができる。前の方法のいずれかにおける管と管板との間の継手を形成する方法は、管の第二の端部を保持することをさらに含むことができる。管の第二の端部の保持は、第二のアンカーを管の第二の端部に配置することを含む。管の第二の端部の保持は、管の第二の端部を第二の管板における開口を通るように延長することによって、第二のアンビル組立体を管の第二の端部に連結することと、バッキングバッフルを第二の管板に実質的に固定して取り付けることと、第二のアンカーを管の第二の端部内部に配置することと、第二のアンカーをバッキングバッフルに取り付けることと、をさらに含む。前の方法のいずれかでは、第二のアンカーを管の第二の端部内部に配置することと、アンカーを管の第二の端部内に拡張することと、を含むことができる。
【0029】
第一の管と第一の管板との間の継手、および第二の管と第二の管板との間の継手を形成する方法は、第一の管板の主表面と実質的に同一平面に第一の管の第一の端部を位置付けることと、第二の管の第二の端部を第二の管板における開口を通るように位置付けることと、第一のアンビル組立体の一部分を第一の端部付近の管内に配置することと、アンビル組立体の一部分を管の第一の端部内に拡張して、第一の管板に対して管の第一の端部を保持することと、第二の管板の第二の端部に対して管の第二の端部を保持することと、管の第一の端部を第一の管板に溶接することと、を含む。先に論じたような、第一の管と第一の管板との間の継手、および第二の管と第二の管板との間の継手を形成する方法における、管の第一の端部を第一の管板に溶接することは、摩擦撹拌溶接を含む。先に論じたような、第一の管と第一の管板との間の継手、および第二の管と第二の管板との間の継手を形成する方法における、第二の管板に対して管の第二の端部を保持することは、配置されるバッキングバッフルを第二の管板に対するオフセット位置に取り付けることを含む。先に論じたような、第一の管と第一の管板との間の継手、および第二の管と第二の管板との間の継手を形成する方法における、第二の管板に対して管の第二の端部を保持することは、管の第二の端部をバッキングバッフルに取り付けることを含む。先に論じたような、第一の管と第一の管板との間の継手、および第二の管と第二の管板との間の継手を形成する方法における、管の第二の端部をバッキングバッフルに取り付けることは、第二のアンビル組立体を、管の第二の端部およびバッキングバッフルに取り付けることを含む。先に論じたような、第一の管と第一の管板との間の継手、および第二の管と第二の管板との間の継手を形成する方法では、管の第二の端部が、第二の管板と実質的に同一平面に形成することができるように取り外される。前の方法の第一の管と第一の管板との間の継手、および第二の管と第二の管板との間の継手を形成する方法は、管の第二の端部を第二の管板に溶接することをさらに含む。前の方法の第一の管と第一の管板との間の継手、および第二の管と第二の管板との間の継手を形成する方法では、管の第二の端部を第二の管板に溶接する。
【0030】
これは開示した主題に含まれる本発明の一部の例示的な実施態様(一つまたは複数)の詳細な説明である。そのような発明(一つまたは複数)は、実際に一つ以上が開示される場合には、任意の単一発明または発明概念に本願の範囲を制限することを意図することなく、単に便宜上、用語「発明」によって本明細書に個々および/または集合的に参照することができる。詳細な説明は添付図面を参照し、この図面は、本発明に関する一部を形成し、本発明の一部の具体的な実施態様を実例として示すが制限せず、好ましい態様を含む。これらの実施態様は、当業者が発明の主題を理解および具現化できるように十分に詳細に記述される。他の実施態様を利用でき、発明の主題の範囲から逸することなく変化を為すことができる。したがって、具体的な実施態様を本明細書に例証および記述したが、同じ目的を達成するように計算された任意の配置を、示す具体的な実施態様と置き換えることができる。この開示は、さまざまな実施態様の任意および全ての適応または変更をカバーすることが意図される。前の実施態様と、本明細書に具体的には記述しない他の実施態様との組み合わせが、前の説明を検討する当業者に明らかである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図10G
図11
図12
図13
図14
図15