【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
一実施形態において、本発明は、式B−Xの化合物を含む調節可能な発色団に関しており、
ここで、
i)Bは、基礎発色団化合物であり、
ii)Xは、調節可能な化学部分であって、該調節可能な部分は、所定の電磁放射線への曝露の際に残りの化学部分(C)を形成し、それによって化合物B−Cを形成する、調節可能な部分であり、
iii)上記化合物B−Cは、上記化合物B−Xより高い光吸収を提供し、
iv)上記残りの化学部分(C)は、共役二重結合を含む。
【0010】
本発明はまた、ポリマー材料、および上記ポリマー材料内に分布した調節可能な発色団化合物(本明細書に記載されるとおりの化合物)を含むレンズに関する。上記発色団化合物を含む材料は、代表的には、より多くの量の上記化合物B−Cが、上記調節可能な化合物B−Xから形成されるにつれて、徐々により高い波長の光を吸収し得る。
【0011】
本発明はまた、インビボもしくはインビトロでレンズを調節する方法に関する。上記方法は、眼にレンズを移植する前もしくは移植した後のいずれかに、本明細書に記載される所定の電磁放射線を、上に記載されるレンズに方向付けて、上記化合物B−Cを形成する工程を包含する。
【0012】
本発明はまた、反応系
【0013】
【化1】
【0014】
の一部として、式B−XもしくはB−Cの化合物を含む調節可能な発色団システムに関しており、
ここで、
i)Bは、基礎発色団化合物であり、
ii)Xは、第1の所定の電磁放射線への曝露の際に、残りの化学部分(C)を形成し、それによって、上記化合物B−Cを形成する調節可能な化学部分であり、
iii)上記化合物B−Cは、上記化合物B−Xより高い光吸収を提供し、
vi)上記残りの化学部分(C)は、共役二重結合を含み、そして、
v)必要に応じて、上記化合物B−Cは、分離可能な基(S)の補助を伴いつつかもしくは補助なしのいずれかで、第2の所定の電磁放射線への曝露の際に、上記化合物B−Xを形成する。
【0015】
上記レンズの基礎発色団、上記調節可能な発色団のシステムは、好ましくは、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、アゾ色素および桂皮酸エステルからなる群より選択される。上記化合物B−Cは、代表的には、顕著な量のUV光、青色光もしくはその両方を吸収する。さらに、上記調節可能な化学部分Xは、好ましくは、環式部分(例えば、ジシクロペンタジエン)である。
一実施形態において、例えば、以下の項目が提供される。
(項目1)
式B−Xの化合物を含む調節可能な発色団であって、
ここで、
v)Bは、基礎発色団化合物であり、
vi)Xは、調節可能な化学部分であって、該調節可能な化学部分は、所定の電磁放射線への曝露の際に、残りの化学部分(C)を形成し、それによって化合物B−Cを形成する、調節可能な化学部分であり、
vii)該化合物B−Cは、該化合物B−Xより大きな光吸収を提供し、
viii)該残りの化学部分(C)は、共役二重結合を含む、
発色団。
(項目2)
前記基礎発色団化合物は、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、アゾ色素および桂皮酸エステルからなる群より選択される、項目1に記載の発色団。
(項目3)
前記基礎発色団化合物は、ベンゾトリアゾールである、項目1または2に記載の発色団。
(項目4)
前記化合物B−Cは、顕著な量のUV光、青色光、もしくはその両方を吸収する、項目1、2または3に記載の発色団。
(項目5)
前記化合物B−Cは、顕著な量の青色光を吸収する、項目1〜4のいずれかに記載の発色団。
(項目6)
前記調節可能な化学部分Xは、環式部分である、項目1〜5のいずれかに記載の発色団。
(項目7)
前記調節可能な化学部分Xは、ジシクロペンタジエンである、項目1〜6のいずれかに記載の発色団。
(項目8)
ポリマー材料、および
該ポリマー材料内に分布した項目1〜7のいずれかに記載の調節可能な発色団化合物を含むレンズであって、
ここで、該材料は、徐々により大きな波長の光を吸収し得、より多量の前記化合物B−Cが、前記調節可能な化合物B−Xから形成される、
レンズ。
(項目9)
インビボもしくはインビトロでレンズを調節する方法であって、
眼に該レンズを移植する前もしくは移植した後に、所定の電磁放射線を、項目8に記載のレンズに方向付けて、前記化合物B−Cを形成する工程
を包含する、方法。
(項目10)
調節可能な発色団システムであって、
反応系
【化10】
の一部として、式B−XもしくはB−Cの化合物を含み、
ここで、
i)Bは、基礎発色団化合物であり、
ii)Xは、調節可能な化学部分であって、該調節可能な化学部分は、第1の所定の電磁放射線への曝露の際に、残りの化学部分(C)を形成し、それによって、該化合物B−Cを形成する、調節可能な化学部分であり、
iii)該化合物B−Cは、該化合物B−Xより大きな光吸収を提供し、
vi)該残りの化学部分(C)は、共役二重結合を含み、そして、
v)必要に応じて、該化合物B−Cは、分離可能な基(S)の補助を伴いつつかもしくは補助なしのいずれかで、第2の所定の電磁放射線への曝露の際に、該化合物B−Xを形成する、
発色団システム。
(項目11)
前記基礎発色団化合物は、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、アゾ色素および桂皮酸エステルからなる群より選択される、項目10に記載のシステム。
(項目12)
前記基礎発色団化合物は、ベンゾトリアゾールである、項目10または11に記載のシステム。
(項目13)
前記化合物B−Cは、顕著な量のUV光、青色光もしくはその両方を吸収する、項目10、11または12に記載のシステム。
(項目14)
前記化合物B−Cは、顕著な量の青色光を吸収する、項目10〜13のいずれかに記載のシステム。
(項目15)
前記調節可能な化学部分Xは、環式部分である、項目10〜14のいずれかに記載のシステム。
(項目16)
前記調節可能な化学部分Xは、ジシクロペンタジエンである、項目10〜15のいずれかに記載のシステム。
(項目17)
レンズであって、
ポリマー材料、および
該ポリマー材料内に分布した項目10〜16のいずれかに記載の調節可能な発色団
を含む、レンズ。
(項目18)
レンズをインビボもしくはインビトロで調節する方法であって、
眼にレンズを移植する前もしくは移植した後に、項目10〜16のいずれかに記載の所定の第1のもしくは第2の電磁放射線を、項目17に記載のレンズに方向付けて、前記化合物B−CもしくはB−Xを形成する工程
を包含する、方法。