(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つの発光要素に結合された光学アセンブリをさらに備え、前記光学アセンブリは、前記少なくとも1つの発光要素から放出された光を前記組織に伝達し、前記組織を所望の照射パターンで照射するように構成されている、請求項1に記載の医療器具。
前記光学アセンブリは、前記第1のジョー部材または前記第2のジョー部材のうちの少なくとも1つによって画定される縦軸に沿って、前記第1のジョー部材または前記第2のジョー部材のうちの少なくとも1つ内を平行移動するように構成されている、請求項5に記載の医療器具。
前記組織接触表面のうちの少なくとも1つは、吸収性要素を含み、前記吸収性要素は、前記少なくとも1つの発光要素から放出される光エネルギーを吸収し、これにより、前記組織の一部、前記第1のジョー部材、前記第2のジョー部材、これらの組み合わせのうちの少なくとも1つを加熱するように構成されている、請求項1に記載の医療器具。
前記少なくとも1つの発光要素は、前記第1のジョー部材または前記第2のジョー部材のうちの少なくとも1つの縦軸に沿って、前記第1のジョー部材または前記第2のジョー部材のうちの少なくとも1つ内を平行移動するように構成されている、請求項1に記載の医療器具。
前記光の測定された少なくとも1つの特性に基づいて、所望の組織効果が達成されたかどうかを決定するように構成されているコントローラをさらに備えている、請求項12に記載の医療器具。
前記組織接触表面のうちの少なくとも1つは、その上に配置されている吸収性コーティングを含み、前記吸収性コーティングは、前記少なくとも1つの発光要素から放出される光エネルギーを吸収し、前記第1のジョー部材および前記第2のジョー部材のうちの少なくとも1つの少なくとも一部を加熱するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
前記組織接触表面のうちの少なくとも1つは、その上に配置されている反射コーティングを含み、前記反射コーティングは、前記少なくとも1つの発光要素から放出される光エネルギーを反射するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、
図1Aおよび1Bを参照すると、内視鏡下外科手術用鉗子10および直視下用鉗子10’が、それぞれ、示される。本明細書における目的のために、内視鏡下器具または直視下手術器具のいずれも、本明細書に説明されるエンドエフェクタアセンブリの実施形態のいずれかとともに使用され得る。異なる電気、光学、および機械的接続ならびに他の考慮点が、各特定のタイプの器具に適用され得ることに留意されたい。しかしながら、エンドエフェクタアセンブリおよびその動作特性に関する新規側面は、概して、内視鏡下または直視下手術設計の両方に関して、一貫したままである。また、以下に説明される実施形態のいずれもまた、従来の脈管封止能力を含むように構成され得ることに留意されたい。
【0015】
本開示は、光エネルギーを使用して組織を封止するための装置、システム、および方法を提供する。光(例えば、約200nm〜約11,000nm)は、光の吸収によって、組織を加熱するために使用される。光エネルギーの吸収、透過、および散乱は、組織、組織の状態(例えば、水和、疾患状態、治療段階等)、および光の波長に依存する。本開示は、これらの要因を利用して、波長の適切な選択に基づいて、組織内のエネルギーの分布を制御する。より具体的には、組織によって著しく吸収される波長は、組織の表面のより近くにエネルギーを堆積させる一方、組織によってあまり吸収されない波長は、より大きな割合の入射エネルギーを組織内のより深部に堆積させるために使用される。特に、組織は、ある赤外線波長において、光に対して比較的に透明であるので、赤外線周波数における光エネルギーは、より深部のエネルギー堆積のために使用され得る。
【0016】
図1Aでは、鉗子10は、組織を治療するように適合された光エネルギーを生成するための光エネルギー源(例えば、発生器40)に連結される。発生器40は、種々のタイプのエネルギー、例えば、波長約200nm〜約11,000nmを有する光エネルギーを出力するように構成される。鉗子10は、それらの間で光エネルギーおよび制御信号を伝送するように適合されたケーブル34を介して、発生器40に連結される。前述の光エネルギーを利用する鉗子10の種々の実施形態は、以下により詳細に論じられる。
【0017】
鉗子10は、エンドエフェクタアセンブリ(例えば、エンドエフェクタアセンブリ100)を支持するように構成される。鉗子10は、鉗子10およびエンドエフェクタアセンブリ100が、組織を把持、封止、分割および/または感知するように互に協働することを可能にする、筐体20と、ハンドルアセンブリ22と、トリガアセンブリ25と、回転アセンブリ28とを含む。鉗子10は、概して、筐体20と、可動ハンドル24および筐体20と一体型の固定ハンドル26を含むハンドルアセンブリ22とを含む。ハンドル24は、組織を把持するために、駆動アセンブリ(図示せず)を介して、エンドエフェクタアセンブリ100を作動させるように、固定ハンドル26に対して移動可能である。
【0018】
いくつかの実施形態では、トリガアセンブリ25は、以下にさらに詳細に説明されるように、鉗子10または別の構成要素の切断機能を作動させるように構成され得る。鉗子10はまた、エンドエフェクタアセンブリ100に機械的に係合する、遠位部分16と、回転アセンブリ28に近接する筐体20と機械的に係合する、近位部分14とを有する、シャフト12を含む。回転アセンブリ28は、回転アセンブリ28の回転移動が、同様の回転移動をシャフト12に与え、順に、エンドエフェクタアセンブリ100を回転させるように、シャフト12に機械的に関連付けられる。
【0019】
エンドエフェクタアセンブリ100は、2つのジョー部材110および120を含む。一方または両方のジョー部材110および120は、ピン19を中心として、枢動可能であり、一方または両方は、ジョー部材110および120が他方に対して離間される、第1の位置から、ジョー部材110および120が、閉鎖され、その間に組織を把持するように協働する、第2の位置に移動可能である。
【0020】
各ジョー部材110および120は、それぞれ、その内側に面した表面上に配置される、組織接触表面112および122を含む(
図2B参照)。組織接触表面112および122は、発生器40からのエネルギーの印加に応じて、その間に保持された組織を把持および封止するように協働する。組織接触表面112および122は、光エネルギーが、その間に保持された組織におよび/またはそれを通して伝送され得るように、発生器40に接続される。
【0021】
第1および第2のスイッチアセンブリ30および32は、選択的に、光エネルギーをエンドエフェクタアセンブリ100に提供するように構成される。より具体的には、第1のスイッチアセンブリ30は、第1のタイプの外科手術手技(例えば、封止、切断、および/または感知)を行なうように構成され得、第2のスイッチアセンブリ32は、第2のタイプの外科手術手技(例えば、封止、切断、および/または感知)を行なうように構成され得る。本開示される実施形態は、任意の数の好適なスイッチアセンブリを含み得、スイッチアセンブリ30および32のみに限定されないことに留意されたい。本開示される実施形態はさらに、任意の好適な外科手術手技を行なうように構成され得、封止、切断、および感知のみに限定されないことに留意されたい。
【0022】
ハンドルアセンブリ20はさらに、鉗子10を発生器40に接続するケーブル34等、1つ以上の光を伝達可能な要素を含む。ケーブル34は、複数の光ファイバを含み、種々の経路を通して、最終的には、エンドエフェクタアセンブリ100および1つ以上の光ファイバに光エネルギーを伝送する。
【0023】
第1および第2のスイッチアセンブリ30および32はまた、1つ以上のパラメータまたは閾値の検出に応じて、第1のモード(例えば、封止モード)と第2のモード(例えば、切断モード)との間を切り替えるためのスイッチのうちの1つを自動的にトリガする、コントローラ42(例えば、論理回路、コンピュータ、プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ等)と協働し得る。いくつかの実施形態では、コントローラ42はまた、種々のセンサフィードバックを受信し、センサフィードバックに基づいて、発生器40を制御するように構成される。本開示の実施形態は、ジョー部材110および120が、光エネルギーを使用して、組織を封止および/または切断することを可能にする。いくつかの実施形態では、コントローラ42は、以下のパラメータ:組織温度、光学感知、組織のインピーダンスの経時的変化および/または組織に印加される光パワーまたは電力あるいは電流の経時的変化、これらの特性の変化率、ならびにそれらの組み合わせのうちの1つ以上に基づいて、組織封止が完了するときを示すフィードバックループを含み得る。可聴または可視フィードバックモニタが、全体的封止の質または効果的組織封止の完了に関する情報を外科医に伝えるために採用され得る。
【0024】
次に、
図1Bを参照すると、直視下用鉗子10’が、描写され、一対の伸長いシャフト部分12a’および12b’を含む、ハンドルアセンブリ22’に取り付けられたエンドエフェクタアセンブリ100(鉗子10と同様に)を含む。各伸長いシャフト部分12a’および12b’は、それぞれ、近位端14a’および14b’と、遠位端16a’および16b’とを有する。エンドエフェクタアセンブリ100は、シャフト12a’および12b’の遠位端16a’および16b’にそれぞれ連結されたジョー部材110および120を含む。ジョー部材110および120は、ジョー部材110および120が、第1の位置から第2の位置に互に対して駆動し、組織を治療することを可能にするように、枢動ピン19’を中心として接続される(前述のように)。組織接触表面112および122は、対向するジョー部材110および120に接続される。
【0025】
各シャフト12a’および12b’は、それぞれ、その近位端14a’および14b’に配置される、ハンドル17a’および17b’を含む。ハンドル17a’および17b’は、互に対するシャフト12a’および12b’の移動を促進し、順に、ジョー部材110および120が互に対して離間関係に配置される、開放位置から、ジョー部材110および120がその間に組織を把持するように協働する、クランプ締めまたは閉鎖位置に、ジョー部材110および120を枢動させる。
【0026】
いくつかの実施形態では、シャフトの一方または両方、例えば、シャフト12a’は、第1のスイッチアセンブリ30’および第2のスイッチアセンブリ32’を含む。第1および第2のスイッチアセンブリ30’および32’は、選択的に、エネルギーをエンドエフェクタアセンブリ100に提供するように構成され得る。より具体的には、第1のスイッチアセンブリ30’は、第1のタイプの外科手術手技(例えば、封止、切断、または感知)を行なうように構成され得、第2のスイッチアセンブリ32’は、第2のタイプの外科手術手技(例えば、封止、切断、または感知)を行なうように構成され得る。いくつかの実施形態では、一方または両方のシャフト、例えば、12b’は、追加のレーザファイバ、例えば、レーザファイバ230aおよび/または230bの作動のためのトリガアセンブリ25’を含み得る(
図3参照)。
【0027】
図1Bを継続して参照すると、鉗子10’は、鉗子10’を発生器40に接続するケーブル34’を有するように描写される。鉗子10と同様の方式において、ケーブル34’は、シャフト12b’内で、内部で分割され、種々の伝送経路を通して、エンドエフェクタアセンブリ100の構成要素に光エネルギーを伝送する。
【0028】
次に、
図1Cを参照すると、鉗子10が、ポータブル構成を有するように示され、1つ以上のワイヤ50aを介して、バッテリ区画52に動作可能に連結される、光エネルギーを生成するための内部エネルギー源50を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のバッテリ動作式レーザダイオードまたはファイバレーザもまた、ポータブル光エネルギー源を提供するために使用され得る。内部エネルギー源50は、1つ以上のレーザファイバ50bまたは任意の他の好適な伝送媒体を介して、光エネルギーをエンドエフェクタアセンブリ100および光学要素に提供するように構成され得る。バッテリ区画52は、好適なエネルギーを内部エネルギー源50に提供するために、1つ以上のバッテリ54を受け取るように構成され得る。いくつかの実施形態では、コントローラ42もまた、鉗子10(例えば、筐体)内に配置され得る。
【0029】
バッテリ区画52は、
図1Cに示されるように、固定ハンドル26等の鉗子10の筐体20の任意の好適な部分内に画定され得る。好適なバッテリとして、限定されないが、ニッケル−カドミウム、リチウム−イオン、または任意の他の好適なタイプが挙げられ得る。内部エネルギー源50の場所は、オペレータに、鉗子10を用いて外科手術治療を行なうとき、操縦性および利便性の向上をもたらす。
【0030】
図2Aおよび2Bは、前述の器具10または器具10’あるいは任意の他の好適な外科手術器具のいずれかとの使用のために構成される、本開示のある実施形態による、エンドエフェクタアセンブリ100を図示する。しかしながら、簡潔性および一貫性の目的のために、エンドエフェクタ100は、器具10を参照して本明細書に後述されるであろう。
【0031】
エンドエフェクタアセンブリ100は、ジョー部材110および120を含み、各々は、それぞれ、ジョー部材110および120内に、溝またはチャネル130および140を画定する、近位端110a、120aおよび遠位端110b、120bを有する。ジョー部材110は、組織接触表面112上またはそれに沿って配置される、光拡散要素132を含む。光拡散要素132は、艶消しサファイア結晶等の任意の好適な光拡散材料から作製され得る。光拡散要素132は、チャネル130内に配置される。組織接触表面112および122は、その上に配置される反射表面を含み得る。いくつかの実施形態では、表面は、限定ではないが、研磨された金属、コーティング、または光を反射するように適合された任意の他の材料を含む。
【0032】
他の実施形態では、組織接触表面112および122はまた、コーティングまたはカバー112aおよび122aを含み得る。いくつかの実施形態では、コーティング112aおよび122aは、光吸収材料(例えば、光吸収性コーティング)、透明材料、散乱材料、または反射材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、コーティング112aは、ある材料(例えば、透明)から形成され得る一方、コーティング122aは、異なる材料(例えば、吸収性または反射性)から形成され得る。さらなる実施形態では、コーティング112aおよび122aは両方とも、反射材料等の同一の材料から形成され得る。両組織接触表面112および122に、反射表面を提供することは、光が、複数回、組織を通過するので、組織に供給される光の吸収を増加させ、したがって、治療時間を短縮させる。
【0033】
さらなる実施形態では、コーティング112aおよび122aは、その上に配置されるゲルまたは別の生体適合性フィルムを含み得る。ゲルまたはフィルムは、光エネルギーを特定の波長において吸収するように設計された特定の色の染料を含み得る。いくつかの実施形態では、ゲルは、治療に先立って、組織に塗布され得る。
【0034】
別の実施形態では、コーティング112aおよび122aは、温度が増加するにつれて、吸収特性を増加させるように構成される、サーモクロミック材料から形成された吸収性コーティングである。本明細書で使用される場合、用語「サーモクロミック」は、温度変化に応答して、色を変化させる、任意の材料を指す。ジョー部材110および120の温度が、エネルギーの印加の間に増加するにつれて、吸収性コーティング112aおよび122aは、徐々に、より吸収性となり、より多くの熱を組織に提供する。
【0035】
光拡散要素132は、1つ以上の光輸送または光生成ファイバをその中に含むケーブル34を介して、発生器40に連結される。発生器40は、所望の波長約200nm〜約11,000nmの光を生成し、ケーブル34に沿って、鉗子10、10’、より具体的には、光拡散要素132に光エネルギーを伝送するように適合される。
【0036】
光拡散要素132は、実質的に、円柱形または円錐形形状を有し得、好適な光伝導材料(例えば、サファイア結晶、結晶ガラス、プラスチックファイバ等)から形成され得る。より具体的には、光拡散要素132は、所望の拡散特性を取得するために、任意の好適なレーザまたは光伝導媒体から製造され得る。
【0037】
溝140は、ジョー部材110および120が閉鎖位置に配置されると、光拡散要素132の周囲またはまわりに適合するように構成され得る。溝140はまた、光拡散要素132から放出される光が、組織を通過し、続いて、組織内に反射され、所望の照射パターンを形成し得るように、反射表面を有し得る。いくつかの実施形態では、溝140は、光吸収特性を有する、および/または光吸収特性(例えば、光吸収性コーティング)を有する材料を含み得る。このように、光が吸収されると、溝140および/または吸収性材料は、好適な温度まで熱くなり、ジョー部材110と120との間に保持された組織を動作可能に治療し得る。
【0038】
動作の間、組織が組織接触表面112と122との間に把持されると、レーザ光は、発生器40から光拡散要素132に伝送され、次いで、光エネルギーを組織内に放出する。組織接触表面112および122は、光を反射するように適合されているので、光拡散要素132によって放出される光エネルギーは、ジョー部材110と120との間の体積内に集中され、これは、順に、周囲組織を傷つけずに、その間に把持された組織を加熱する。事前に設定された持続時間後、または1つ以上のセンサからの信号に応じて(以下にさらに詳細に説明される)、エネルギーは、終了され、組織治療(例えば、封止または切断)が完了したことを示す。
【0039】
次に、
図3を参照すると、本開示されるエンドエフェクタアセンブリの別の実施形態が、エンドエフェクタアセンブリ200として示される。エンドエフェクタアセンブリ200は、組織接触表面212および222を有する、ジョー部材210および220を含む。前述の論じられるジョー部材110および120と同様に、ジョー部材210および220は、その間に組織を把持するように協働する。各ジョー部材210および220は、それに沿って配置されるチャネルまたは溝を画定する。より具体的には、ジョー部材210は、溝230、230a、および230bを含み、ジョー部材220は、溝240、240a、および240bを含む。いくつかの実施形態では、ジョー部材210は、ジョー部材210の長さに沿って、それぞれの溝230、230a、および230b内で延びる複数のレーザ光ファイバ(例えば、232、234a、および234b)を含む。レーザファイバは、ジョー部材210と220との間およびその長さに沿って、レーザ光を放出するように構成される。
【0040】
ジョー部材210は、チャネル230内に配置される、中心に位置付けられたレーザファイバ232を含む。チャネル230とともに、ジョー部材210はまた、チャネル230から側方に位置付けられ、周辺レーザファイバ234aおよび234bを含む、チャネルまたは溝230aおよび230bを画定する。レーザファイバ234aおよび234bは、以下により詳細に説明されるように、そこに供給される光エネルギーのタイプ、ジョー部材210および220に印加される圧力、ならびにファイバのまわりに配置される溝の反射または吸収特性に基づいて、組織を封止するために構成され得る。いくつかの実施形態では、組織接触表面212および222は、
図2Aおよび2Bの組織接触表面112および122と同様に、その表面上に配置される透明コーティングまたはカバーを含み得る。レーザファイバ232は、効果的封止がレーザ封止ファイバ234aおよび234bによって達成された後、組織を切断するように構成され得る。いくつかの実施形態では、切断は、封止から独立して行なわれ得る。加えて、反射溝240は、レーザ光がレーザファイバ232から放出されると、レーザ光が、反射溝240から組織を通して反射し、所望の照射パターンを形成するように、ジョー部材220上に配置され得る。加えて、または代替として、レーザファイバ234aおよび234bはまた、前述のように、対向するジョー部材220内にそれぞれの反射または吸収溝240aおよび240bを有し得る。
【0041】
任意の数のレーザファイバが、本開示に論じられる実施形態のいずれかにおいて使用され、レーザファイバを通して伝送される光エネルギーに基づいて、組織封止または切断を達成し得ることに留意されたい。同様に、任意の数のレーザ切断ファイバ(例えば、レーザ切断ファイバ232)が、本開示に論じられる実施形態のいずれかにおいて使用され得る。いくつかの実施形態では、単一レーザファイバはまた、本開示の実施形態のいずれかにおいて、封止および切断能力を含むように構成され得る。レーザファイバのうちの任意の1つは、外科手術治療(例えば、封止、切断、および/または感知)に応じて、異なる波長においてエネルギーを伝送するように構成され得ることに留意されたい。他の実施形態では、特定のレーザまたは光ファイバは、特定の外科手術治療(例えば、封止、切断、および/または感知)を行なうように構成され得る。1つ以上のセンサが、採用され得、またはフィードバック回路が、エンドエフェクタ200に対して統合され、効果的封止および/または効果的分離後、ユーザに信号伝達し得る。スイッチ、例えば、スイッチ32の単回起動を使用して、プロセスを始動させる、自動封止および切断アルゴリズムもまた、本目的のために採用され得る。
【0042】
次に、
図4A−4Cを参照すると、図示されるのは、エンドエフェクタアセンブリ300の別の実施形態である。エンドエフェクタアセンブリ300は、近位端310a、320aと、遠位端310b、320bとをそれぞれ有するジョー部材310および320を含む。各ジョー部材310および320は、それぞれ、組織接触表面312および322を有する。いくつかの実施形態では、組織接触表面312および322は、
図2Aおよび2Bの組織接触表面112および122と同様に、その表面上に配置される透明コーティングまたはカバーを含み得る。加えて、ジョー部材310は、近位および遠位端332aおよび332bを有する外科手術治療レーザファイバ332(例えば、封止、切断、および/または感知)を含むように構成されている、それに沿って画定されたチャネルまたは溝330を含む。外科手術治療レーザファイバ332は、ジョー部材310内およびチャネル330内に画定された縦軸「X−X」に沿って、平行移動するように構成される。例えば、外科手術治療レーザファイバ332は、ジョー部材310の近位端310aから遠位端310b(例えば、遠位方向「A」)に平行移動され、ジョー部材310と320との間に把持されている組織を切断、封止、および/または感知し得る。加えて、または代替として、外科手術治療レーザファイバ332は、ジョー部材310の遠位端310bから近位端310a(例えば、近位方向「B」)に平行移動され、その間に把持されている組織を切断、封止、および/または感知し得る。外科手術治療レーザファイバは、ジョー部材310および320のうちの任意の1つ内で静止したものであり得ることに留意されたい。他の実施形態では、任意の他の好適なタイプの光エネルギーが、前述のファイバによって伝送され得、レーザ光エネルギーのみに限定されるべきではない。
【0043】
図4A−4Cを参照すると、レーザファイバの遠位端332bは、画定された立体角336内にレーザビームを放出し、所望の照射パターンを形成するように構成される、レーザエミッタ334を含む。レーザファイバ332は、いわゆる「端面発光」または「側面発光」レーザファイバであり得る。用語「端面発光」は、本明細書で使用される場合、ジョー部材310によって画定された縦軸「X−X」に沿って光を放出する能力を有する、レーザファイバを指す。用語「側面発光」は、本明細書で使用される場合、ジョー部材310の縦軸「X−X」に非平行な光(または、任意の他の好適な光エネルギー)を放出する能力を有する、レーザファイバを指す。レーザエミッタ334は、種々の構成要素、例えば、1つ以上の反射表面(例えば、鏡)、1つ以上の光ファイバ、1つ以上のレンズ、あるいはレーザビームを放出および/または分散させるための任意の他の好適な構成要素を含み得る。より具体的には、レーザエミッタ334は、可変または事前に決定され得る外側境界を有する立体角336内に光を放出するように構成される。立体角336を変動させ、またはそれを調節することによって、レーザ標的区域338は、治療、切開、または切断されている組織および組織の区域を照射するレーザ光エネルギーの強度を変動させるように調節され得る。レーザ標的区域338は、任意の好適な標的形状、例えば、限定されないが、楕円形、長方形、正方形、および三角形を画定し得る。いくつかの実施形態では、レーザエミッタ334はまた、ジョー部材間に把持された組織を封止および/または切断するように構成され得る。
【0044】
縦軸「X−X」に沿ったレーザエミッタ334の縦方向移動に加え、レーザエミッタ334はまた、軸「X−X」を中心として回転され、および/またはそれに対して側方に(例えば、横方向に)移動され得る。レーザエミッタ334の縦方向、側方、および回転運動は、光エネルギーを任意の所望の方向に向け、所望の組織治療効果を達成することを可能にする。
【0045】
反射溝340は、研磨された金属から作製され得、または、ジョー部材320が非金属および/または非反射材料(例えば、プラスチック)から形成される場合、コーティングがジョー部材320に塗布され得る。反射溝340は、組織を通して、レーザ光を反射して戻す。レーザエミッタ334は、反射されたレーザ光を受信し、処理のために、信号を発生器40に返送し得る。種々のタイプのデータが、種々の転帰をレンダリングするために、または組織治療を制御するために、透過または反射された光に基づいて統合および計算され得る。
【0046】
図5は、所望の照射パターンを形成するためのエンドエフェクタアセンブリ400の別の実施形態を図示する。エンドエフェクタアセンブリ400は、組織接触表面412および422を有する、ジョー部材410および420を含む。前述のジョー部材と同様に、ジョー部材410および420は、その間に組織を把持するように協働する。ジョー部材410は、レーザファイバ432を含むように構成されたチャネルまたは溝430をそれに沿って画定し、レーザファイバ432は、ジョー部材410に沿って延び、かつジョー部材410の長さ内で、それに沿ってレーザ光を放出するように構成されている。いくつかの実施形態では、ファイバ432は、本開示に説明される任意のレーザ源、例えば、ファイバレーザ(例えば、波長可変タリウムファイバレーザ)によって置き換えられ得る。さらなる実施形態では、組織接触表面412および422は、
図2Aおよび2Bの組織接触表面112および122と同様に、その表面上に配置される透明コーティングまたはカバーを含み得る。
【0047】
ジョー部材420は、レーザファイバ432から放出されるレーザ光を受信するように構成される、その中に画定された空洞444内に配置される、受信ファイバ440を含む。いくつかの実施形態では、ファイバ440は、本開示に説明される任意の光学検出器または他の好適な光学検出器によって置き換えられ得る。光学窓442は、レーザファイバ432と受信ファイバ440との間のジョー部材420の表面に沿って配置される。光学窓442は、レーザファイバ432から放出されるレーザ光を受信ファイバ440に向けるように構成される、任意の好適なタイプの光学レンズであり得る。空洞444は、ガスまたは任意の他の媒体を含み、受信ファイバ440によるレーザファイバ432によって放出されたレーザ光の受け取りを促進するように構成され得る。
【0048】
組織の光学特性は、加熱の間、変化することが知られている。特性、例えば、吸収係数(μ
a)、散乱係数(μ
s)、および異方性係数(g)が、温度および時間の関数として、変化することが示されている。これらの特性は、組織と相互作用する場合、光の透過および反射に影響を及ぼす。本開示は、封止サイクルの間、組織を通したレーザファイバ432からのレーザ光の透過の変化を検出および/または監視し、所望の組織効果が達成されたときを決定するために使用され得る、受信ファイバ440を組み込む。本構成では、切断完了、例えば、組織が分離されたときもまた、受信ファイバ440を使用して、検出および/または監視され得る。
【0049】
図6は、概して、所望の照射パターンを形成するエンドエフェクタアセンブリ500として描写される、エンドエフェクタアセンブリの別の実施形態を図示する。エンドエフェクタアセンブリ500は、組織接触表面512および522を有する、ジョー部材510および520を含む。前述のジョー部材と同様に、ジョー部材510および520は、その間に組織を把持するように協働する。加えて、ジョー部材510は、ジョー部材510の近位および遠位端532aと532bとの間に延びるレーザ切断ファイバ532を含むように構成されるチャネルまたは溝530をそれに沿って画定する。レーザファイバ532は、ジョー部材510および520の長さ内で、それに沿ってレーザ光を放出するように構成される。対向する側には、受信ファイバ540が、ジョー部材520内に配置され、その長さに沿って延び、レーザファイバ532から放出されたレーザ光を受信するように構成される。
【0050】
受信ファイバ540は、近位および遠位端540aおよび540bを含み、また、1つ以上のセンサ542をその間に含む。センサ542は、封止サイクルの間、温度を監視し、封止サイクルが完了すると、それに関するフィードバックを提供するように構成される。圧力は、封止治療後の封止の質における要因であるので、センサ542はまた、組織がジョー部材510、520間に把持されているときに印加された機械的負荷から生じる、ジョー部材510および520内の歪みを測定することによって、ジョー圧力を決定し得る。本構成では、適切な組織封止を達成するために、エネルギー起動に先立って、適切なジョー圧力が達成されたかどうかについて、フィードバックがオペレータおよび/またはコントローラ42に提供され得る。
【0051】
図7Aおよび7Bは、所望の照射パターンを形成するためのエンドエフェクタアセンブリ600の別の実施形態を図示する。エンドエフェクタアセンブリ600は、組織接触表面612および622を有する、ジョー部材610および620を含む。前述のジョー部材と同様に、ジョー部材610および620は、その間に組織を把持するように協働する。ジョー部材610および620の各々は、それぞれ、それらのそれぞれの近位端610a、620bからそれらのそれぞれの遠位端610b、620bに延びる縦方向軸「Z−Z」および「Y−Y」を画定する。縦方向軸「Z−Z」および「Y−Y」は、閉鎖構成から開放構成に枢動されると、ジョー部材610および620が互から分離されるにつれて増加する、角度「β」を画定する。
【0052】
エンドエフェクタアセンブリ600は、ジョー部材610の長さに沿って画定されたチャネル630内に配置される、1つ以上の発光要素632a、632b、632c、および632dを含む。各発光要素632a、632b、632c、および632dは、ジョー部材610および620の長さ内およびそれに沿って、光エネルギーを放出するように構成される。発光要素632a、632b、632c、および632dは、任意の好適なタイプの発光要素、例えば、限定されないが、医療用途および/または組織治療のために構成される高強度LED、光ファイバあるいは光を組織中に放出するように構成される他の光学要素であり得る。発光要素632a、632b、632c、および632dは、選択的に起動可能であり得(例えば、1度に1個または数個)、光を異なる波長で放出し得る。1つ以上の受光要素642a、642b、642c、および642dが、ジョー部材620の長さに沿って画定されたチャネル640内に配置される。各受光要素642a、642b、642c、および642dは、発光要素632a、632b、632c、および632dから放出される光エネルギーを検出するように構成される。発光要素632a、632b、632c、および632dと、受光要素642a、642b、642c、および642dとは、光を透過するように構成される、保護基板636の背後に配置され得る。
【0053】
受光要素642a、642b、642c、および642dは、任意の好適な受光要素、例えば、レンズ、光ファイバ、または光検出器であり得、組織の光学特性を測定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、受光要素は、光を集め、封止完了を決定し、特定の組織タイプおよびその成分(例えば、コラーゲン、タンパク質、水等)を識別するために好適な、ラマン分光法を含む、種々の分光測定を提供するように構成される光学システムにその光を伝送し得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、受光要素642a、642b、642c、および642dと発光要素632a、632b、632c、および632dとは、ジョー部材610および620の各々が、1つ以上の受信モジュールおよび1つ以上の発光要素を含むように、ジョー部材610と620との間に散在され得る。本構成は、各ジョー部材610および620において、光学特性(例えば、反射および透過データ)を測定することを提供し、ジョー部材610と620との間に把持された組織の画像を得るために、光コヒーレンストモグラフィの使用を可能にする。光学組織特性を決定するための他の技法は、共同所有の米国特許出願第12/665,081号「Method and System for Monitoring Tissue During an Electrosurgical Procedure」(その全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0055】
各発光要素632a、632b、632c、および632dは、独立して、角度「β」に応じて、ジョー部材610に沿って、光エネルギーの放出を調節するように構成され得る。例えば、角度「β」が約45度(例えば、ジョー部材610および620が開放構成に向かって移動されるとき)であるとき、最遠位発光要素632dは、最近位発光要素632aを上回る強度を伴う光エネルギーを放出し得る。角度「β」が、約2度まで減少するにつれて(例えば、ジョー部材610および620が閉鎖構成に向かって移動されるとき)、発光要素632a、632b、632c、632dは、実質的に、同一の強度を伴うエネルギーを放出するように構成される。
【0056】
前述のような個々の強度を含む、発光要素632a、632b、632c、および632dを通して伝送される光エネルギーの強度は、ジョー部材610と620との間の測定された角度「β」および/または間隙距離に基づいて、コントローラ42によって調節され得る。本明細書で使用される場合、本明細書で使用される用語「間隙距離」は、組織接触表面612と622との間の距離を指す。ジョー部材610および620は、互に対して枢動可能であるので、その間の角度「β」は、間隙距離に直接関連し、2つの概念は、同じ意味で使用される。角度「β」は、ジョー部材610および620内にそれぞれ配置される任意の好適な近接センサ633a、633bを使用して、測定され得る。センサ633a、633bは、コントローラ42に連結され得、ホール効果センサ、RFベースのセンサ等が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、センサ633a、633bは、一対の対応する光送信機/受信機要素であり得る。特に、センサは、光検出器(例えば、ピンダイオード)と対にされた発光要素(例えば、LED)であり得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、角度「β」は、組織の厚さと光エネルギーの光学深度を一致させるために、ジョー部材610と620との間の所望の間隙距離を達成するように制御され得る。組織の厚さが、組織を通される光の光学深度を上回らない場合、光エネルギーは、完全に吸収されないであろう。これは、組織が、使用されている光エネルギーの光学深度より浅くなるように圧縮されている場合に生じる。加えて、組織が、十分に圧縮されていない場合、光エネルギーは、圧縮された組織を完全に貫通せず、組織の非均一加熱をもたらす。実質的に、光エネルギーの光学深度と組織の厚さを一致させるような間隙距離の制御は、光エネルギーが最適に吸収されることを確実にする。
【0058】
ジョー部材610および620が、ジョー部材110および120等の反射表面を含む、いくつかの実施形態では、角度「β」はまた、組織接触表面612および622からの光の反射を考慮しながら制御され得る。
【0059】
コントローラ42は、測定に基づいて、角度「β」をセンサ633a、633bから取得し、間隙距離を決定する。コントローラ42はまた、発生器40によって送達されている光エネルギーの波長を取得する。これは、一過性(例えば、ランダムアクセスメモリ)または非一過性(例えば、フラッシュメモリ)のいずかであり得る、メモリまたは任意の他のコンピュータ読み取り可能な記憶デバイス内に波長の値を記憶することによって、達成され得る。コントローラ42は、次いで、記憶された波長値および記憶された組織特性に基づいて、所望の間隙距離を計算する。コントローラ42はまた、実際の間隙距離および/または角度「β」と、波長に基づいて計算された所望の間隙距離および/または角度「β」を比較する。比較に基づいて、コントローラ42は、ジョー部材610と620との間の間隙距離および/または角度「β」を自動的に調節し、および/またはユーザのために、差異を出力し得る。自動調節は、ジョー部材610および620に、自動閉鎖機構、例えば、電気外科手術用鉗子のための自動間隙制御を開示する、共同所有の米国特許第7,491,202号「Electrosurgical Forceps With Slow Closure Sealing Plates and Method of Sealing Tissue」(その全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されるものを提供することによって、達成され得る。
【0060】
手動間隙調節のために、コントローラ42は、可聴/可視様式において、実際のものと所望の間隙距離および/または角度「β」との間の差異を出力し得る。いくつかの実施形態では、実際のものと所望の間隙距離および/または角度「β」あるいはその間の差異は、数値的および/または図式的に(例えば、色分けされ)表され得る。差異はまた、可聴アラーム(例えば、音のパルスの周波数または振幅を調節すること)によって表され得る。
【0061】
前述の実施形態に論じられるように、発光要素632a、632b、632c、および632dと、受信モジュール642a、642b、642c、および642dとは、各対の発光要素および受信モジュール(例えば、発光要素632aおよび受信モジュール642a)が、特定の位置において、封止プロセスを監視するために使用され得る、光学感知特性を有するように構成され得る。発光要素632a、632b、632c、および632dと、受信モジュール642a、642b、642c、および642dとはまた、封止デバイス内およびその周囲における他の材料の存在および状態を監視するように構成され得、また、収集された情報に基づいて、封止アルゴリズムを修正し得る。
【0062】
他の実施形態では、発光要素632a、632b、632c、および632dと、受信モジュール642a、642b、642c、および642dとはまた、熱パルスを投入し、組織「T」の応答を測定し、透過および/または反射におけるスペクトル特性を測定し、異なる位置におけるスペクトル特性を測定し、異なる光周波数におけるスペクトル特性を測定するように構成され得る。発光要素632a、632b、632c、および632dと、受信モジュール642a、642b、642c、および642dとはまた、ジョー部材610および620の近位端と遠位端との間の1つ以上の場所における温度を測定するように構成され得る。
【0063】
次に、
図8A−8Cを参照すると、エンドエフェクタアセンブリの別の実施形態が、所望の照射パターンを形成するためのエンドエフェクタアセンブリ700として示される。エンドエフェクタアセンブリ700は、組織接触表面712および722を有する、ジョー部材710および720を含む。前述のジョー部材と同様に、ジョー部材710および720は、その間に組織を把持するように協働する。ジョー部材710、720は、ジョー部材710、720間に把持された組織を治療するための光エネルギーを提供する光ファイバ702を介して、発生器40に動作可能に接続される。
【0064】
各ジョー部材710、720は、光ファイバ702を介して、発生器40から光エネルギーを放出および受信するように構成される、1つ以上の垂直に整列された光ファイバ732を有する、1つ以上のチャネル730を含む。いくつかの実施形態では、ジョー部材710の光ファイバ732は、光連通が確立されるように、ジョー部材720の光ファイバ742と垂直に整合される。すなわち、光ファイバのうちの1つは、伝光ファイバ(例えば、光ファイバ732)であり、対向するファイバは、受信ファイバ(例えば、光ファイバ742)である。任意の数の伝光ファイバ732が、ジョー部材710に配置され得る。加えて、または代替として、任意の数の伝光ファイバ742が、ジョー部材720に配置され得る。したがって、他の実施形態では、光ファイバ732および742の垂直整列は、特に、必要ない。
【0065】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタアセンブリ700はまた、オペレータおよび/または発生器40によって、ジョー部材710および720へのおよびそこからの光エネルギーの選択的起動および検出を提供する、1つ以上の光学スイッチ750を含み得る。光エネルギーの検出は、光学検出器752等によって提供され得る。いくつかの実施形態では、各チャネル730は、透明カバー736によって覆われ、ジョー部材710と720との間の光連通を可能にし得る。任意のタイプの検出デバイスが、本開示の実施形態のいずれかとともに使用され得、例えば、限定されないが、フォトダイオードおよび電荷結合素子(CCD)アレイが挙げられることに留意されたい。
【0066】
図8Bは、前述のように、カバー736によって覆われた複数の光ファイバ732を含む、それを通して画定された単一チャネル730を有する、ジョー部材710を図示する。カバー736は、光ファイバ732と742との間の光連通を可能にするように構成される、任意の好適な材料であり得る。別の実施形態では、
図8Cは、それを通して複数のチャネル730aおよび730bを画定する、ジョー部材710を図示し、また、カバー736によって覆われる複数の光ファイバ732を含む。
【0067】
次に、
図9を参照すると、エンドエフェクタアセンブリの別の実施形態が、所望の照射パターンを形成するためのエンドエフェクタアセンブリ800として示される。エンドエフェクタアセンブリ800は、組織接触表面812および822を有する、ジョー部材810および820を含む。前述のジョー部材と同様に、ジョー部材810および820は、その間に組織を把持するように協働する。ジョー部材810、820は、発生器40を介して光を提供する、エネルギー源に動作可能に接続される。
【0068】
ジョー部材810は、それを通して画定された光学要素830を含む。光学要素830は、発生器40から受け取られた光エネルギーを反射するように構成される、反射表面832を含む。本実施形態では、発生器40は、ビームB1(例えば、単一ビーム)を光学偏向器838(例えば、鏡)に向かって放出するように構成される。光学偏向器838は、治療される組織に向かって、ビームB2として、発生器40によって放出されるビームB1の全部または実質的な量を反射するように構成される。
【0069】
ジョー部材820は、光ファイバ702を介して、受信ファイバ842と光学的に連通するように構成される、光学検出器752と光連通する。本構成では、ジョー部材810および820の位置は、ジョー部材810および820によって伝送および受信された光学情報によって、随時、決定され得る。光学検出器752または鉗子10、10’内の任意の他の論理回路(例えば、発生器40および種々のセンサ)は、受信ファイバ842によって受け取られた光ビームB3を変換し、ジョー部材810および820の位置を決定する。閉鎖されると、組織を加熱するためのより強力な光エネルギー(または、RFエネルギー)が、発生器40から放出され得、光ファイバ702は、光学検出器752と通信し、フィードバックを発生器40に提供するように構成され得る。
【0070】
次に、
図10を参照すると、エンドエフェクタアセンブリの別の実施形態が、所望の照射パターンを形成するためのエンドエフェクタアセンブリ900として示される。エンドエフェクタアセンブリ900は、組織接触表面912および922を有する、ジョー部材910および920を含む。前述のジョー部材と同様に、ジョー部材910および920は、その間に組織を把持するように協働する。ジョー部材910、920は、発生器40を介して光を提供する、エネルギー源に動作可能に接続される。
【0071】
いくつかの実施形態では、ジョー部材910および920は、それぞれ、チャネル930および940を画定する。チャネル930は、光ファイバ902を介して、発生器40から受け取られた光エネルギーを放出するように構成される、光ファイバ932を含む。光ファイバ932は、他の実施形態において前述のように、拡散ファイバであり得る。加えて、または代替として、伝光ファイバ932は、
図10に示されるように、チャネル930の長さに沿って延びる伝光エフェクタ932a、932b、932cを有し得る。
【0072】
チャネル940は、ジョー部材910の伝光ファイバ932および/または伝光エフェクタ932a、932b、および932cから受け取られた光エネルギーを反射するように構成される、反射表面942を含む。本実施形態では、ジョー部材910は、光学光エフェクタ932a、932b、932cを介して、1つ以上の光ビームB4を放出するように構成され、反射表面942は、光ビームB4を光学修正器(例えば、レンズ948)に向かって、1つ以上の光ビームB5に反射する。反射表面942は、ジョー部材920に沿って位置付けられることに留意されたい。いくつかの実施形態では、光学レンズ948が、ジョー部材920内に画定されたチャネル940内に配置され得る。
【0073】
ジョー部材920は、光学レンズ948を介して、光学レンズ948と光学的に連通するように構成される、画像検出器952と光連通する。本構成では、ジョー部材910および920の位置は、ジョー部材910および920によって伝送および受信された光学情報によって、随時、決定され得る。すなわち、ジョー920がジョー910に対して枢動されるにつれて、反射表面942もまた、光ビームB4に対して移動され、反射された光ビームB5をそれに応じてレンズ948に対してシフトさせる。画像検出器952または鉗子10、10’内の任意の他の論理回路(例えば、発生器40および種々のセンサ)は、他の実施形態において前述のように、組織を通過する光の強度を測定し、ジョー部材910および920の位置および/または種々の組織特性を決定する。別の実施形態では、検出器952は、組織を撮像するために使用され得、これは、画像検出器952によって事後処理され得る。
【0074】
図11および12Aおよび12Bは、概して、所望の照射パターンを形成するためのエンドエフェクタアセンブリ1000として示される、本開示されるエンドエフェクタアセンブリの別の実施形態を示す。エンドエフェクタアセンブリ1000は、組織接触表面1012および1022を有する、ジョー部材1010および1020を含む。前述のジョー部材と同様に、ジョー部材1010および1020は、その間に組織を把持するように協働する。ジョー部材1010、1020は、光エネルギーを提供する、エネルギー源(例えば、発生器40)に動作可能に接続される。光エネルギーは、前述のように、異なる形態、例えば、限定されないがレーザ光、発光ダイオード光、および任意の他の好適なタイプの光エネルギーにおいて提供され得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、ジョー部材1010および1020は、それぞれ、それに沿って、チャネル1014および1024を画定する。チャネル1014および1024は一緒に、光ファイバ1032が挿入され、送達光ファイバ(図示せず)を介して、発生器40から受け取られた光エネルギーを放出するように構成されるような区域を画定する。光ファイバ1032は、他の実施形態において前述のように、拡散結晶またはファイバであり得る。加えて、または代替として、光ファイバ1032は、最初は、外科手術器具10、10’のシャフト12、12’内に配置され、ジョー部材1010および1020によって画定された縦軸に沿って、遠位方向「A」および近位方向「B」に選択的に平行移動され得る。すなわち、光ファイバ1032は、
図11に示されるように、チャネル1014および1024の長さに沿って平行移動され得る。いくつかの実施形態では、光ファイバ1032は、トリガアセンブリ25、25’によって、ジョー部材1010および1020の長さに沿って平行移動され得る(
図1Aおよび1B参照)。
【0076】
光ファイバ1032は、遠位端1032aに収束する、円筒形または円錐形形状を有するように構成される。遠位端1032aは、光ファイバ1032が、ジョー部材1010と1020との間で組織を通して遠位方向に平行移動されるにつれて、組織を貫通するように構成される。いくつかの実施形態では、光ファイバ1032は、組織を貫通せずに、側方におよび組織に沿って、平行移動され得る。光ファイバ1032は、任意の好適な形状、例えば、限定されないが、長方形、卵形、および多角形を有し得る。加えて、遠位端1032aはまた、種々の好適な構成の形態(例えば、尖ったまたは尖っていない)をとり得る。
【0077】
図12Aに関して、チャネル1014および1024の各々は、それぞれ、光ファイバ1032から受け取られるおよび/または放出される光エネルギーを反射するように構成される、反射表面1040および1042を含む。本実施形態では、光ファイバ1032は、半径方向(例えば、光ファイバ1032の円周の周囲)に光エネルギーを放出し、反射表面1040および1042は、そこから放出される光エネルギーを受信する。いくつかの実施形態では、反射表面1040および1042の各々は、それぞれ、それらのそれぞれのチャネル1014、1024の表面を包むように、またはコーティングするように構成される。反射表面1040および1042はまた、チャネル1014および1024の収束遠位端1014aおよび1024aに沿って湾曲する、遠位端1040aおよび1042aを含み得る。このように、光ファイバ1032の遠位端1032aから放出される光エネルギーは、組織を通過し、反射表面1040および1042の遠位端1040aおよび1042aから、ジョー1010と1020との間に把持された組織上に反射される。
【0078】
図12Bに示されるように、光ファイバ1032はまた、切断のために使用され得る。光ファイバ1032は、チャネル1014および1024を介して、ジョー部材1010と1020との間で平行移動され、それによって、光エネルギーは、光ファイバ1032により放出される光エネルギーによって切断または切るように、選択的に放出される。いくつかの実施形態では、光ファイバ1032は、ジョー部材110と1020との間に把持された組織に穿刺し、それによって、組織表面内またはその内側から光エネルギー(例えば、第1の用量)を放出し、その間に把持された組織全体を通して、光エネルギーを放射するように構成される。本構成はまた、前述のいくつかの実施形態において論じられるように、組織を圧縮することによって、組織を封止するために使用され得る。
【0079】
次に、
図13および14を参照すると、エンドエフェクタアセンブリの別の実施形態が、概して、エンドエフェクタアセンブリ1100として示される。エンドエフェクタアセンブリ1100は、組織接触表面1112および1122を有する、ジョー部材1110および1120を含む。前述のジョー部材110および120と同様に、ジョー部材1110および1120は、その間に組織を把持するように協働する。ジョー部材1110、1120は、光エネルギーを提供するエネルギー源(例えば、発生器40)に動作可能に接続される。
【0080】
いくつかの実施形態では、ジョー部材1110および1120は、それぞれ、その中およびそれに沿って画定されたチャネル1114および1124を含む。チャネル1124は、送達光ファイバ(図示せず)を介して発生器40から受け取られた光エネルギーを放出するように構成される、光ファイバ1132を含む。チャネル1124は、実質的に、同様の寸法を有する、チャネル1014および1024と異なり、チャネル1114より深い深度を有するように示される。本構成は、ファイバ1132をジョー部材1120内に完全に封入し、組織表面に沿った光ファイバ1132の側方平行移動を可能にし、組織を貫通せずに、組織の封止および/または切断をもたらす。
【0081】
光ファイバ1132は、他の実施形態において前述のように、拡散ファイバであり得る。加えて、または代替として、光ファイバ1132は、最初は、外科手術器具10、10’のシャフト12、12’内に配置され、遠位方向「A」および近位方向「B」に選択的に平行移動され得る。すなわち、光ファイバ1132は、
図13に示されるように、チャネル1124の長さに沿って平行移動し得る。光ファイバ1132は、トリガアセンブリ25、25’によって、ジョー部材1110および1120に沿って、選択的に平行移動され得る(
図1Aおよび1B参照)。代替として、光ファイバ1132は、光ファイバ1132が任意の方向に移動しないように、チャネル1124内で静止し、その中に固定され得る。
【0082】
光ファイバ1132は、例えば、遠位端1132aで終端する、円柱形形状を有するように構成され得る。光ファイバ1132はまた、他の好適な形状の形態、例えば、長方形、卵形、および多角形をとり得る。故に、チャネル1124はまた、光ファイバ1132の形状の形態をとり得る。このように、光ファイバ1132は、そのそれぞれのチャネル1124と幾何学的適合を有し得る。
【0083】
チャネル1114および1124の各々は、それぞれ、光ファイバ1132から受け取られるおよび/または放出される光エネルギーを反射するように構成される反射表面1140および1142を含む。本例示的実施形態では、光ファイバ1132は、反射表面1140および1142がそこから放出される光エネルギーを受信するように、半径方向(例えば、光ファイバ1132の円周の周囲)に光エネルギーを放出する。反射表面1140および1142の各々は、それぞれ、それらのそれぞれのチャネル1114、1124の表面を包むように、またはコーティングするように構成される。反射表面1140および1142はまた、チャネル1114および1124の収束遠位端1114aおよび1124aに沿って湾曲する、遠位端1140aおよび1142aを含み得る。このように、光ファイバ1132の遠位端1132aから放出される光エネルギーは、反射表面1140および1142の遠位端1140aおよび1142aから、ジョー1110と1120との間に把持された組織上に反射される。本実施形態では、光ファイバ1132は、ジョー部材1120のチャネル1124内に全体的に常駐するように構成され得る。同様に、チャネル1114は、ジョー部材1110内に浅く画定され得る。
【0084】
使用時、光ファイバ1132は、組織を分割するために、チャネル1124内で選択的に平行移動される。さらに、ジョー部材1110および1120が閉鎖され、組織を把持すると、組織は、チャネル1124内に押し付けられ、分離を促進する。代替として、光ファイバ1132は、組織治療の間、チャネル1124内に展開された状態で配置され得る。組織が光エネルギーで治療されると、光ファイバ1132は、組織を切断するために後退され得る。
【0085】
次に、組織接触表面1112の平面図を示す、
図14を参照すると、チャネル1124が光ファイバ1132を完全に封入するので、窓1150が、チャネル1124の上部に配置され得る。窓1150は、光ファイバ1132、反射表面1142、およびチャネル1124を封入し、組織および外科手術残骸がその中に進入することを防止するように構成される。窓1150はまた、光ファイバ1132から放出される光エネルギーが、それを通過し、ジョー部材1110と1120との間に把持された組織を治療することを可能にするように構成される。窓1150は、任意の好適な透明な材料、例えば、限定されないが、ガラスから製造され得る。
【0086】
ここで、
図15A−15Dを参照すると、内視鏡下用鉗子2010の一実施形態が、種々の外科手術手技との使用のために示される。本明細書の目的のために、脈管封止鉗子が、図示および説明されるが、しかしながら、他のタイプの鉗子または鋏が、焼灼、凝固、または他の目的のために、組織を治療し、かつ前述のようにも利用され得ることが想定される。さらに、図面は、内視鏡下外科手術手技との使用のための鉗子2010を描写するが、本開示は、より従来の直視下外科手術手技のために使用され得る。本明細書の目的のために、鉗子2010は、内視鏡下器具の観点から説明されるが、しかしながら、鉗子2010の直視下用バージョンもまた、
図1Bに関して前述のような同一または同様の動作構成要素および特徴を含み得ることが想定される。
【0087】
鉗子2010は、概して、筐体2020、ハンドルアセンブリ2030と、回転アセンブリ2080と、トリガアセンブリ2070と、組織を把持、治療、および分割するように互に協働する、エンドエフェクタアセンブリ2100とを含む。本明細書の目的のために、ハンドルアセンブリ2030、回転アセンブリ、トリガアセンブリ2070およびエンドエフェクタアセンブリ100は、
図1A−1Cに関してより詳細に前述されている。
【0088】
鉗子2010は、エンドエフェクタアセンブリ2100に機械的に係合するように寸法を決められた遠位端2016と、筐体2020に機械的に係合する近位端2014とを有する、シャフト2012を含む。
図15Aに最も良く見られるように、鉗子10はまた、鉗子2010をエネルギー源、例えば、発生器40に接続する、ケーブル2310を含む。ケーブル2310は、限定されないが光ファイバ、電気導線等を含む、出力をエンドエフェクタ2100に供給するために好適なケーブル導線に内部で分割される。
【0089】
ハンドルアセンブリ2030は、固定ハンドル2050と可動ハンドル2040とを含む。固定ハンドル2050は、筐体2020に一体的に関連付けられ、ハンドル2040は、固定ハンドル2050に対して移動可能である。回転アセンブリ2080は、筐体2020に一体的に関連付けられ得、縦軸「C−C」を中心として、両方向に約180度回転可能である。
【0090】
前述のように、エンドエフェクタアセンブリ2100は、シャフト2012の遠位端2016に取り付けられ、一対の対向するジョー部材2110および2120を含む。ハンドルアセンブリ2030の可動ハンドル2040は、最終的には、ジョー部材2110および2120が互に対して離間関係に配置される、開放位置から、ジョー部材2110および2120がその間に組織を把持するように協働する、クランプ締めまたは閉鎖位置に、ジョー部材2110および2120の移動を与えるように機械的に一緒に協働する、内部に配置される駆動アセンブリ(図示せず)に接続される。
【0091】
ここで、
図15A−16に関して説明されるように、本開示の一実施形態のより詳細な特徴を参照する。
図15Aおよび15Dに最も良く見られるように、エンドエフェクタアセンブリ2100は、封止目的のために、組織を効果的に把持するように協働する対向するジョー部材2110および2120を含む。エンドエフェクタアセンブリ2100は、片側性アセンブリとして設計され、すなわち、ジョー部材2120は、シャフト2012に対して固定され、ジョー部材2110は、枢動ピン2103を中心として枢動し、組織を把持する。
【0092】
図15Dに最も良く示されるように、ジョー部材2110および2120の各々は、それぞれ、ジョー筐体2116および2126と、組織封止表面2112および2122とを含む。組織封止表面2112および2122は、
図1−14に関して前述の光エネルギー封止部材のいずれかを組み込み得る。
【0093】
より具体的には、片側性エンドエフェクタアセンブリ2100は、シャフト2012に対して固定関係に搭載された1つの静止または固定ジョー部材2120と、静止ジョー部材2120に取り付けられた枢動ピン2103を中心として搭載された枢動ジョー部材2110とを含む。往復運動外筒2060は、シャフト2012内に摺動可能に配置され、前述のように、ジョー部材2110および2120を開閉鎖するようにハンドル2040と協働する、駆動アセンブリ(図示せず)によって遠隔で動作可能である。枢動ジョー部材2110は、ジョー部材2110から往復運動外筒2060内に配置された開口2062を通して延びる戻り止めまたは突出2117を含む(
図15D)。枢動ジョー部材2110は、開口2062が枢動ジョー部材2110上の戻り止め2117に当接するように、シャフト2012内で軸方向に外筒2060を摺動させることによって作動される。外筒2060を近位に引張すると、その間に把持された組織のまわりにジョー部材2110および2120を閉鎖し、外筒2060を遠位に押すと、接近および把持目的のために、ジョー部材2110および2120を開放させる。
【0094】
作動されると、ハンドル2040は、枢動点を中心として、固定ハンドル2050に向かって、略弧状方式で移動し、それは、駆動フランジ(図示せず)を駆動アセンブリ(図示せず)に対して近位に押し付け、順に、往復運動外筒2060を略近位方向に引っ張り、ジョー部材2110をジョー部材120に対して閉鎖させる。さらに、ハンドル2040の近位回転は、係止フランジ2044を解放させる、すなわち、選択的作動のために、トリガアセンブリ2070を「係止解除」する。
【0095】
ここで、本開示の動作特性を参照すると、図の大部分に見られるように、鉗子2010は、組織の封止(前述のような脈管封止または他の同様の器具を用いた凝固または焼灼のいずれかによって)および組織の切開の両方のために設計される。例えば、
図15A−Dおよび16−18は、選択的に延長され、かつ選択的に起動され、組織を治療し得る、光切開要素2154を含む、鉗子2010の一実施形態を示す。
【0096】
切開要素2154は、光ファイバ2155を介して、発生器40に連結される。光ファイバ2155は、ケーブル2310内に配置される。切開要素2154はまた、切開先端2156を含む。いくつかの実施形態では、切開先端2156は、限定されないが合成サファイア等を含む、任意の好適な光透過性材料から形成され得る。切開先端2156は、限定されないが、円錐形、円錐切頭形、角柱形、円筒形、任意の他の粒状表面、それらの組み合わせ等を含む、光エネルギーを透過および/または集束させるための任意の好適な形状を有し得る。
【0097】
図15A−15Dおよび16−18は、切開要素2154が、エンドエフェクタアセンブリ2100の一方のジョー部材、例えば、ジョー部材2120内に、選択的延長のために格納される、一実施形態を示す。より具体的には、切開要素2154は、ナイフアセンブリ2180から独立して移動するように設計され、トリガアセンブリ2070(
図15A、16および17)のさらなる近位移動または別個のアクチュエータ2450(
図18)によって延長され得る。
【0098】
図15Aおよび15Cに最も良く示されるように、トリガアセンブリ2070は、可動ハンドル2040の上部に搭載され、切開要素2154(
図16−17)と協働し、選択的に、組織を通して切開要素2154を平行移動させる。より具体的には、トリガアセンブリ2070は、フィンガアクチュエータ2071と、トリガアセンブリ2070を筐体2020に搭載する、枢動ピン2073とを含む。フィンガアクチュエータ2071は、ハンドル2040が非作動位置に配置されると、すなわち、ジョー部材2110および2120が開放されると、ハンドル2040上の係止フランジ2044に当接するように寸法を決められる。
【0099】
いくつかの実施形態では、切開要素2154は、
図15Bに最も良く見られるように、シャフト2012の外側周縁内の伸長い切り欠き2013を通して延びる、往復運動ロッド2065に接続される。トリガアセンブリ2070は、ジョー部材2110および2120が開放または閉鎖位置にあるときに、切開要素2154が延長され得るように設計され得る。例えば、トリガ2071は、切開要素2154を前進させるために、その元の静置された中立または作動前位置から遠位に(または、上向きに)移動され得る。代替として、切開要素2154は、ジョー部材2110および2120の配向に関係なく前進され得る。例えば、トリガアセンブリ2070は、側方に(すなわち、縦軸「C」に垂直)移動され、切開要素2154を前進させ得るように設計され得る、あるいはトリガアセンブリ2070は、トリガ2071が最近位位置(すなわち、前述のように、「切断」位置を越えて)に移動されると、および/またはトリガ2071が中立または作動前配向から遠位に前進されると、切開要素2154が延長可能であるように設計され得る。戻りばね(図示せず)は、トリガ2071の解放に応じて、切開要素2154を非延長位置に戻るために含まれ得る。
【0100】
切開要素2154の延長に応じて、発生器2300は、自動的に、鉗子2010を封止モード(すなわち、ジョー部材2110および2120へのエネルギー送達を停止する)から光学切開起動モード(すなわち、切開要素2154を起動する)に切り替えるように構成される。
【0101】
前述のように、鉗子2010が封止動作のために構成されると、スイッチ2200の起動は、エネルギーをジョー部材2110および/またはジョー部材2120から封止組織に伝達する。切開モードでは、スイッチ2200(または、別個のスイッチ、例えば、フットスイッチ)の起動は、光エネルギーを切開要素2154に供給する。切開要素2154の起動は、外科医が、血管組織構造を迅速に治療し、および/または薄い組織平面を迅速に切開することを可能にする。
【0102】
いくつかの実施形態では、トリガアセンブリ2070はまた、延長されると、光エネルギーを切開要素2154に伝送するように構成される。例えば、トリガアセンブリ2070は、トリガ2071の最近位作動(
図15C)が、切開要素2154を延長かつ起動させるように構成され得る。自動安全回路(図示せず)は、切開要素2154が延長されると、スイッチ200が光エネルギーをジョー部材2110および2120に供給することを防止するように採用され得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、切開要素2145は、ジョー部材2110および2120の一方内に配置され得、スイッチ2200を介して、選択的に、起動され得る。
図18Aおよび18Bに示されるように、さらなる実施形態では、光切開要素2445は、ジョー部材2110および2120の一方の外側周縁上に配置され得る。簡潔性のために、単一ジョー部材、すなわち、ジョー部材2110のみ、論じられる。
【0104】
切開部材2445は、
図2Aおよび2Bに関して前述の光拡散器132等の光拡散要素であり得る。切開部材2445は、光ファイバ2446を介して、発生器40に連結され、ジョー部材2110の外側周縁2110aの少なくとも一部上またはそれに沿って配置される。用語「外側周縁」は、組織封止接触表面2112または2122ではない、ジョー筐体2116等のジョー部材2110の任意の表面を指す。切開部材2445は、切開部材2145と同様に、スイッチ2200を介して、選択的に起動され得、例えば、切開部材2145に関して前述のように、光エネルギーが封止表面2112および2122に伝送されることを防止する、同様の特徴を組み込み得る。
【0105】
次に、
図19を参照すると、エンドエフェクタアセンブリの別の実施形態が、所望の照射パターンを形成するためのエンドエフェクタアセンブリ1900として示される。エンドエフェクタアセンブリ1900は、組織接触表面1912および1922を有する、ジョー部材1910および1920を含む。前述のジョー部材と同様に、ジョー部材1910および1920は、その間に組織を把持するように協働する。ジョー部材1910、1920は、光ファイバ1911を介して、光エネルギー源(例えば、発生器40)に動作可能に接続される。特に、光ファイバ1911は、ジョー部材1910に連結される。光は、限定されないがレーザ、発光ダイオード、および任意の他の好適なタイプの光エネルギーを含む、異なる形態で提供され得る。
【0106】
ジョー部材1910は、外側反射コーティング1910aを有する、光学的に透過性の材料から形成される。透過性材料は、光学的拡散材料、例えば、艶消しサファイア結晶、または光学的散乱材料、例えば、DuPont(Willmington, DE)から市販の商標名DELRIN(登録商標)下で販売されている、ポリアセタールであり得る。光ファイバ1911からの光は、ジョー部材1910に伝送され、反射コーティング1910aによって、その中に封じ込められる。これは、表面1912に接触する組織を通して以外、光がジョー部材1910の外側に逃散することを防止する。
【0107】
ジョー部材1920は、任意の光学的に吸収性または反射性の組織材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、ジョー部材1920は、組織接触表面1922上に光学的に吸収性または反射性のコーティング1920aを含み得る。コーティング1920aおよび/またはジョー部材1920は、光がジョー部材1920を通過することを遮断し、光エネルギーをジョー部材1910と1920との間に把持された組織に集中させる。
【0108】
次に、
図20−24を参照すると、エンドエフェクタアセンブリの別の実施形態が、所望の照射パターンを形成するためのエンドエフェクタアセンブリ3100として示される。エンドエフェクタアセンブリ3100は、それぞれ、組織接触表面3112aおよび3122aを画定する、組織接触部材3112および3122を有する、ジョー部材3110および3120を含む。前述のジョー部材と同様に、ジョー部材3110および3120は、その間に組織「T」を把持するように協働する。ジョー部材3110、3120は、光ファイバ3111を介して、光エネルギー源(例えば、発生器40)に動作可能に接続される。特に、光ファイバ3111は、ジョー部材3110に連結される。光は、限定されないがレーザ、発光ダイオード、および任意の他の好適なタイプの光エネルギーを含む、異なる形態で提供され得る。
【0109】
組織接触部材3112は、光学的拡散材料、例えば、艶消しサファイア結晶または光学的散乱材料、例えばDuPont(Willmington,DE)から市販の商標名DELRIN(登録商標)下で販売されている、ポリアセタールであり得る、光学的に透過性の材料から形成され得る。組織接触部材3122はまた、組織接触部材3112と同様の材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、組織接触部材3122は、任意の光学的に吸収性または反射性の組織材料から形成され得る。
【0110】
ジョー部材3110はさらに、ファイバ3111によって、光線3114内の組織接触表面3112aに向かって伝送される光を集束させるための円筒形レンズ3113を含む。
図21は、ジョー部材3110の上面図を示す。いくつかの実施形態では、光は、約90°角度で反射される。この角度は、任意の好適な量であり得、組織接触表面3112aまでのファイバ3111の位置に依存する。
【0111】
レンズから集束された光は、次いで、レンズ3113と組織接触部材3112との間に配置される、回折格子3115を通過される。回折格子3115は、
図22および23に示されるように、その中に配置される複数の貫通線3117に基づいて、光線3114を2つ以上の光ビーム3116a、3116b、3116cに分離するように構成される。
【0112】
図22および23に示されるように、回折格子3115はまた、中心に配置された切断細隙3118を含む。回折格子3115は、3つの光ビーム3116a、3116b、3116cを生成し得る。光ビーム3116aおよび3116cは、格子3115を通過するにつれて、ジョー部材3110、3120の周縁に産生される。光ビーム3116bは、切断細隙3118を通過し、光ビーム3116aおよび3116cより強い強度を有する。光ビーム3116aおよび3116cは、そのより低い強度により、組織を封止するために好適である一方、光ビーム3116cは、そのより高い強度により、切断組織により好適である。ジョー部材3120の組織接触部材3122は、切断細隙3118と整列する、その中に配置される切断チャネル3123を含む。いくつかの実施形態では、組織接触部材3122は、平坦な非改変表面を有し得る。さらなる実施形態では、
図24に図示されるように、組織接触部材3122は、組織接触表面3122a上の中心に配置された突出部材3126を有し、ジョー部材3110と3120との間に把持された組織に追加の圧力を提供し得る。突出部材3126は、より迅速に加熱し、かつ切断を向上させるための吸収特性を有し得る。
【0113】
光エネルギーは、分子レベルにおける吸収によって、熱エネルギーに変換されるので、組織を封止するために好適である。特に、ある分子は、ある波長における光を吸収する。加えて、組織が治療されるにつれ、組織は物理的および化学変化を受け、したがって、光が最適に吸収される波長もまた、変化する。いくつかの実施形態では、光エネルギーは、2つ以上の波長で提供され、2つ以上の分子(例えば、組織タイプ)によって最適に吸収される光エネルギーを提供し得る。
【0114】
図25は、発生器40と、鉗子10とを含む、光エネルギー外科手術システム2600を示す。鉗子10は、前述のジョー部材の実施形態のいずれかを含み得る。発生器40は、鉗子10と組み合わせて、所望の波長を有する光を生成するために利用され得る。発生器40は、単一または複数の波長において光エネルギーを産生し得、複数の波長で光を産生可能な前述の複数のレーザ源を含み得る。発生器40は、組織成分の大部分を対象とする、波長約100nm〜約10,000nmを有するレーザ光を生成する、複数のレーザ光源を含む。特に、発生器40は、ArFエキシマレーザ2602a、KrFエキシマレーザ2602b、XeClエキシマレーザ2602c、アルゴン−ダイレーザ2602d、Nd:YAGレーザ2602e、Ho:YAGレーザ2602f、Er:YAGレーザ2602gを含む。
【0115】
鉗子10は、
図7Aおよび7Bに関して前述でさらに詳細に説明されるように、組織の状態および組成物を決定するために使用され得る。
図26は、紫外線(UV)スペクトルから赤外線(IR)スペクトルまでの波長の関数として、種々の組織成分の吸収を図示する、グラフを示す。特に、
図27はまた、組織成分の吸収係数に最良に一致する波長において光を生成する、発生器40内で提供されるレーザ光源2602a−2602gを列挙する。組織内で遭遇する組織成分として、水、血管系、表皮および他の皮膚層、全血、メラノソーム、コラーゲン等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0116】
動作の間、鉗子10は、その吸収の測定を含め、組織を分析するために使用される。吸収測定は、発生器40のコントローラ42によって分析され、次いで、光エネルギーの最適吸収を取得するために起動されるべき1つ以上のレーザ光源2602a−2602gを決定する。コントローラ42は、マルチプレクサ(図示せず)および/または別の光学出力切替装置に連結され、レーザ光源2602a−2602gの起動を制御し得る。
【0117】
鉗子10は、封止手技の間、光学組織特性を継続的に感知し、強度を含む光エネルギー出力および起動されるべきレーザ光源2602a−2602gを変動させ得る。封止手技が完了したと決定されると、コントローラ42は、封止された組織を切断するために最も好適な具体的レーザ光源2602a−2602gを起動させ得る。
【0118】
本開示のいくつかの実施形態が、図面に示され、および/または本明細書で論じられたが、本開示がそれらに限定されることを意図するものではなく、本開示が、当該分野が許容する限りの広範囲であり、明細書も同様に読まれることを意図する。したがって、前述の説明は、限定としてではなく、単に、特定の実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付の請求項の範囲および精神内において、他の修正も想起するであろう。