特許第6254162号(P6254162)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6254162ピン分離用構造体を有するハーメチック端子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6254162
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】ピン分離用構造体を有するハーメチック端子
(51)【国際特許分類】
   H01R 9/16 20060101AFI20171218BHJP
【FI】
   H01R9/16 101
【請求項の数】24
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-526546(P2015-526546)
(86)(22)【出願日】2013年7月12日
(65)【公表番号】特表2015-528631(P2015-528631A)
(43)【公表日】2015年9月28日
(86)【国際出願番号】US2013050294
(87)【国際公開番号】WO2014025494
(87)【国際公開日】20140213
【審査請求日】2016年3月18日
(31)【優先権主張番号】13/572,225
(32)【優先日】2012年8月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500510010
【氏名又は名称】エマソン エレクトリック コー.
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(72)【発明者】
【氏名】シュックマン、スコット
(72)【発明者】
【氏名】コルクマン、アルベルトゥス・ヤン・ヘンドリク
【審査官】 高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05017740(US,A)
【文献】 特開昭57−126080(JP,A)
【文献】 特表2007−501499(JP,A)
【文献】 特開平06−185463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面及び複数の第1の開口を備えたほぼ平坦な底壁と、周側壁とを有するカップ形状の金属ボディ部材と、
少なくとも1つが第1の開口の各々を貫通している複数の導電性のピンと、
前記複数の第1の開口内で前記導電性のピンをハーメチックシールしている、第1の開口と導電性のピンとの間で延びた誘電体のシール材と、
前記ボディ部材に取着され、下側のベース部及び上側のバリア部を有する誘電体のピン分離用構造体とを具備し、
前記ベース部は、前記底壁の外面の周囲に密に適合するようなサイズと形状とを有し、また、前記上側のバリア部は、前記ベース部から、ハーメチック端子の中心軸にほぼ平行な第1の方向に延び、導電性のピンの外端部を超えて終端しているほぼ垂直方向に起立した複数のほぼ平坦で平行でないリブを有しており、
前記ピン分離用構造体は、前記導電性のピン間の空気が存在するパスを長くし
前記ベース部は、前記ベース部と前記外面との間にキャビティを形成するように、前記ボディ部材の外面の一部に少なくとも近接している下面を有し、
前記キャビティ内を占めている誘電体の射出成型モールド材料を更に具備している、ハーメチック端子。
【請求項2】
前記ベース部は、前記ボディ部材の複数の第1の開口と夫々アラインメントしている複数の第2の開口を有しており、
前記複数の導電性のピンは、前記複数の第2の開口に夫々挿入されている、請求項1のハーメチック端子。
【請求項3】
前記第2の開口と導電性のピンとの間のスペース内の誘電体の射出成型モールド材料を更に具備している請求項2のハーメチック端子。
【請求項4】
前記複数の第2の開口の各々は、首部と、この首部に隣接した第1の肩部と、前記ボディ部材の底壁の外面に近接した、ベース部の前記下面の一部を形成している第2の肩部1とを有しており、
前記第2の開口の首部は、前記導電性のピンの各々と密接して適合している、請求項3のハーメチック端子。
【請求項5】
前記射出成型モールド材料は、前記第2の開口の少なくとも1に近接して、前記ベース部の上面に少なくとも1つの拡大された保持ヘッドを形成している請求項2のハーメチック端子。
【請求項6】
外面及び複数の第1の開口を備えたほぼ平坦な底壁と、周側壁とを有するカップ形状の金属ボディ部材と、
少なくとも1つが第1の開口の各々を貫通している複数の導電性のピンと、
前記複数の第1の開口内で前記導電性のピンをハーメチックシールしている、第1の開口と導電性のピンとの間で延びた誘電体のシール材と、
前記ボディ部材に取着され、下側のベース部及び上側のバリア部を有する誘電体のピン分離用構造体とを具備し、
前記ベース部は、前記底壁の外面の周囲に密に適合するようなサイズと形状とを有し、また、前記上側のバリア部は、前記ベース部から、ハーメチック端子の中心軸にほぼ平行な第1の方向に延び、導電性のピンの外端部を超えて終端しているほぼ垂直方向に起立した複数のほぼ平坦で平行でないリブを有しており、
前記ピン分離用構造体は、前記導電性のピン間の空気が存在するパスを長くし、
前記上側のバリア部は、前記ベース部の下面に貫通するように延びた通路を備えた円筒体を有し、
前記通路内に誘電体の射出成型モールド材料を更に具備している、ハーメチック端子。
【請求項7】
前記射出成型モールド材料は、中心部に対して、前記通路の外に拡大された保持ヘッドを形成している請求項6のハーメチック端子。
【請求項8】
前記導電性のピン間の空気が存在するパスが、前記ピン分離用構造体を超えるか回るかして延びている非線形のパスを有している請求項1のハーメチック端子。
【請求項9】
前記ピン分離用構造体は、モールド成型可能なポリマー材料により形成されている一体成型されたボディを有している請求項8のハーメチック端子。
【請求項10】
前記モールド成型可能なポリマー材料は、ポリフェニレンサルファイドである請求項9のハーメチック端子。
【請求項11】
前記ベース部は、上面と側面と下面とを更に有し、
誘電体の接着剤が、前記ピン分離用構造体を前記ボディ部材に取着させるように、ボディ部材の外面と前記下面との間に含まれている、請求項8のハーメチック端子。
【請求項12】
誘電体の接着剤が、前記ピン分離用構造体を前記ボディ部材に取着させるように、ボディ部材の外面と前記ベース部との間に含まれている請求項8のハーメチック端子。
【請求項13】
外面及び複数の第1の開口を備えた壁を有するボディと、
前記第1の開口の各々をこの中でシールされて貫通し、前記ボディとは電気的に絶縁している複数の導電性のピンと、
前記ボディに取着され、前記壁の外面の周囲に密に適合するようなサイズと形状とを有し、前記ピンの長軸とほぼ平行な第1の方向に延び、前記第1の方向でピンの外端部を超えて終端している複数のリブを有している誘電体のバリアとを具備し、
前記バリアは、前記ピン間の空気が存在するパスを長くし
前記バリアは、前記外面の一部に少なくとも近接した下面を備えたベース部を更に有しこのベース部と前記外面との間にキャビティが形成され、
前記キャビティ内を占めている誘電体の射出成型モールド材料を更に具備している、ハーメチック端子。
【請求項14】
誘電体の接着剤が、前記バリアを前記ボディに取着させるように、バリアとボディの外
面との間に含まれている請求項13のハーメチック端子。
【請求項15】
前記導電性のピン間の空気が存在するパスが、前記バリアを超えるか回るかして延びて
いる非線形のパスを有している請求項14のハーメチック端子。
【請求項16】
前記バリアは、モールド成型可能なポリマー材料により形成されている請求項14のハーメチック端子。
【請求項17】
前記モールド成型可能なポリマー材料は、フェノール類か液体シリコーンゴムかである請求項16のハーメチック端子。
【請求項18】
前記ボディは、周側壁を更に有し、
前記複数のリブは、前記ピンの長軸にほぼ直交する第2の方向に延び、第2の方向で前記周側壁の近くで終端している、請求項13のハーメチック端子。
【請求項19】
前記ベース部は、前記複数の第1の開口と夫々アラインメントしている複数の第2の開口を更に有しており、
前記複数の第2の開口には、夫々前記複数の導電性のピンが挿入されている、請求項13のハーメチック端子。
【請求項20】
前記誘電体の射出成型モールド材料は、前記第2の開口と導電性のピンとの間のスペースを占めている請求項19のハーメチック端子。
【請求項21】
前記複数の第2の開口の各々は、首部と、この首部に隣接した第1の肩部と、前記ボディの底壁の外面に近接した、ベース部の前記下面の一部を形成している第2の肩部1とを有しており、
前記第2の開口の首部は、前記導電性のピンの各々と密接して適合している、請求項20のハーメチック端子。
【請求項22】
前記ベース部は、上面を更に有し、
前記射出成型モールド材料は、前記第2の開口の少なくとも1に近接して、前記上面に少なくとも1つの拡大された保持ヘッドを形成している請求項20のハーメチック端子。
【請求項23】
前記バリアは、上部を有し、この上部は、複数のリブと、前記ベース部の下面に貫通するように延びた通路を備えた円筒体を有している中心部とを有している、請求項13のハーメチック端子。
【請求項24】
前記射出成型モールド材料は、円筒体に対して、前記通路の外に配置された拡大された保持ヘッドを形成している請求項23のハーメチック端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は、ハーメチック電力端子フィールドスルーに係り、特に、端子の電気的なショートを防ぐための誘電体オーバ面保護体を使用したハーメチック電力端子フィールドスルーに係る。
【0002】
このセクションは、必要ではない従来技術である本開示に関連した背景の情報を提供している。
【0003】
一般のハーメチック電力端子フィールドスルー(「ハーメチック端子」と称されている)は、A/Cコンプレッサのようなハーメチックシールされる装置と一緒になって使用するための気密の電気端子である。このような装置では、装置から又は装置への端子によるリークを効果的に防止する必要がある。ハーメチックされた電力端子フィールドスルーを、意図した目的のために安全かつ効果的に機能させるために、ハーメチック端子は、導電性のピンが挿入される端子のボディにハーメチックにシールされ、このボディから電気的に絶縁させる必要がある。更に、ピン自体の相互間と、ボディの互いに対向する側でピンの互いに近接した部分間とに、空気が存在する最適なパスを確保して、端子での電気的ショートカットの発生の可能性を最小に維持しなければならない。
【0004】
この分野で良く知られている構造を有する一例のハーメチック端子1とこれに関連したコネクタブロック2とが、図1乃至4に示されている。このような一般のハーメチック端子1において、導電性のピンのハーメチック、金属のボディを貫通した開口中に、その場所で、ピンと端子のボディとの間にハーメチックなガラス−金属シールを形成する溶融可能なシール用ガラスにより、固定される。
【0005】
弾性的な電気絶縁体が、ボディ外面と、ガラス対金属シール及び導電性のピンの一部とに渡って接着される。前記絶縁体は、端子のボディの外面の実質的な部分と導電性のピンの実質的な一部のために覆う誘電体オーバ面を与えている。このようにすることにより、絶縁体は、導電性のピンと端子のボディとの互いに近接した非絶縁部分間(全体に渡るピン間ではないけれど)の空気が通る流路を増し、前記ピンとボディとの間の端子の所で電気的ショートを生じさせるであろう望ましくない電流路を形成するような汚染物、破片等(例えば、金属の削り屑)の発生を減じている。
【0006】
オプションでは、図2,3A、3Bに示されているようなコネクタブロック2が、ハーメチック端子1と関連付けられて使用され得る。図3A、3Bに示されているように、コネクタブロック2は、ハーメチック端子1の複数の導電性のピンの一端部と動作的に係合して、ハーメチック端子のリード線に取着させるための装着固定物となっている。前記リード線は、ハーメチック端子1の一側に配置された電源に電気的に接続され得る。
【発明の概要】
【0007】
このセクショハーメチック、本記載の要約を示し、全範囲もしくは特徴の全ての包括の記載ではない。
【0008】
本記載は、ほぼ平坦な底壁と、この壁の少なくとも開口とを備えたボディ部材を有するハーメチック端子を提供する。少なくとも1つが第1の開口を貫通した導電性のピンである少なくとも2つの導電性のピンが、誘電体のシール材により、第1の開口中にハーメチックシールされている。複数の導電性のピンのうち隣り合うピン間の動作的な空気通過スペースを長くする手段が、また設けられ、また、従来から必要であった大径のハーメチック端子の適用のためのハーメチック端子のUL電力の要求した使用に合うような小径のハーメチック端子が可能である。従って、小径のハーメチック端子が、高電圧の適用で使用されることができる。更に、小径のハーメチック端子を使用したコンプレッサのための圧力規格は、高圧に耐えることができて、高圧の冷凍機の使用を可能にするコンプレッサでの端子の比較的小さい占有面積(footprint)のために、高くされることができる。
【0009】
本開示の他の態様では、ハーメチック端子は、ほぼ平坦な底壁と、周側壁とを有するカップ形状の金属ボディ部材を有している。この底壁は、外面及び複数の第1の開口を有している。複数の導電性のピンが、前記第1の開口の各々を貫通している。前記導電性のピンをハーメチックシールしている誘電体のシール材が、前記第1の開口内に配置されている。前記ボディ部材に取着された誘電体のピン分離用構造体が、前記導電性のピン間の空気が存在するパスを長くしおり、下側のベース部と、上側のバリア部とを有している。前記ベース部は、前記底壁の外面の周囲に密に適合するようなサイズと形状とを有している。前記上側のバリア部は、前記ベース部から、ハーメチック端子の中心軸にほぼ平行な第1の方向に延びた、ほぼ垂直方向に起立した複数のほぼ平坦なリブを有している。これらリブは、導電性のピンの外端部を超えて終端している。
【0010】
本開示の更に他の態様では、ハーメチック端子は、外面及び複数の第1の開口を備えた壁を有するボディを有している。導電性のピンが、前記第1の開口の各々をこの中でシールされて貫通し、前記ボディとは電気的に絶縁している。誘電体のバリアが、前記ボディに取着され、前記壁の外面の周囲に密に適合するようなサイズと形状とを有している。また、このバリアは、前記ピンの長軸とほぼ平行な第1の方向に延び、前記第1の方向でピンの外端部を超えて終端している複数のリブを有している。また、このバリアは、前記ピン間の空気が存在するパスを長くしている。
【0011】
適用可能な他の領域は、この明細書に与えられた記載から明らかになるであろう。この要約での記載と特別な例とは、説明の目的のみを意図としており、本開示の範囲を制限することは意図していない。
【0012】
詳細な説明
ここに挙げられている図面は、選定された実施の形態の説明の目的のみであり、可能な実施の全てではなく、また、本開示の範囲を制限するものではない。
【0013】
実施の形態が、添付の図面を参照して以下に、充分に説明されるであろう。
【0014】
図4A並びに4Bに示されている例のようなマルチピンハーメチック端子は、種々の空調並びに冷凍コンプレッサ設備で使用され、所定の電力定格の要求を満たすようにデザインされている。しかし、ハーメチック端子の電力定格に影響する重要なファクターの1つは、ハーメチック端子の近接した導電性の端子間を通る空気の量である。この点に関して、UL(a/k/a Underwriterの実験)は、所定の電圧のために承認されるハーメチック端子のための仕様を提供している。さらに、ハーメチック端子の外側(即ち、外の環境にさらされる側)は、ULの仕様のもとで、電気的なスペースに対して非常に厳しい要求を持っている。そして、電気的な接続が、ハーメチック端子の外面でなされる方法は、一般的に、ハーメチック端子の製造業者の制御を超えているので、ハーメチック端子の製造業者は、例えば、コネクタブロックへのハーメチック端子の設置の後に、導電性のピンの電気的スペースを増すよう待ったかの使用者により使用され得る追加の電気的バリアとは独立したULの仕様に合うようにデザインしている。
【0015】
マルチピンハーメチック端子において、導電性のピyハーメチック、既知のようにして、端子の周りに等しい間隔で中心に配置される。ピンサークルとして知られているように、複数の導電性のピンの各々の中心を通る円は、ピンサークル直径と称されている直径を有している。従って、ハーメチック端子の電力定格は、ハーメチック端子の空気が存在するピン間のスペースの増加は、ピンサークルの直径を長くすることによりなされるので、ピンサークル直径に関係している。しかし、ピンサークルの直径を長くすると、全体的に大型のハーメチック端子になってしまう。かくして、低い電圧閾値のために規格されたハーメチック端子は、一般に、高い電圧閾値のために規格されたハーメチック端子よりも、短い全直径を有している。
【0016】
空調並びに冷凍コンプレッサ設備で使用されるハーメチック端子の標準化をなすために、ハーメチック端子のための2つの閾値電力定格が、即ち、300電圧定格と600電亜定格とが、いままで確立されている。従って、製造業者は、空調並びに冷凍コンプレッサ設備のための2つの電圧定格に合ったハーメチック端子2つのサイズ(例えば、直径)に標準化することができる。このことは、例えば、中にハーメチック端子が装着されるコンプレッサのシエルの切欠開口に対して2つの異なるサイズにしなければならないことを意味し、また、コンプレッサのシエル中へのハーメチック端子の溶着をする機械は、2つの異なるサイズのハーメチック端子を許容するよう構成しなければならない。
【0017】
ここに記載の発明は、しかし、大径のハーメチック端子に前から要求されている適用のための電圧定格を達成しながら、UL仕様に合った小径のハーメチック端子を可能にしている。この結果、製造業者は、単一のサイズのハーメチック端子に対するようにデザインと工具とを標準化することができる。
【0018】
更に、小径のハーメチック端子が使用され得るので、コンプレッサに対する圧力定格を増すことができる。これは、比較的小さいコンプレッサのフットプリント(footprint in compressor)を有するハーメチック端子は、高圧に耐えることができて、コンプレッサを比較的高い圧力定格すねとともに比較的高圧の冷凍機を使用することができるからである。例えば、ハーメチック端子を一般の端子よりも全体のディメンションよりも小さくなるように製造されることができるので、コンプレッサの高圧力環境にさらされる表面領域が減じられる。従って、端子にかかる力もまた、減じられる(圧力が一定に維持されるので)。かくして、減じられた力は、ハーメチック端子のボディを、一般の端子よりも薄い部材で形成されることが可能である。この結果、端子のボディは、高い生産速度で動くことができる小型で安価な工具により、製造されることができる。
【0019】
図面、特に、図4A、4Bを参照すると、ハーメチック端子10は、ほぼ平坦な底壁14と、外方に広がったリム18を備えた周側壁16とを有するほぼカップ形状の金属ボディ部材12を具備している。このボディ12の底壁14は、皿側の内面20と、外面22と、複数の開口24とを有している。これら開口24の各々は、内壁面28を備えた環状の突出縁部26と、ボディ部材12の皿側の自由端縁部30と、ボディ部材12の外面側の湾曲部32とにより規定されている。前記ボディ部材12は、スチールのように金属材により製造されることができる。
【0020】
複数の導電性のピン34が、ボディ部材12の前記複数の開口24を夫々貫通して延びている。各導電性のピン34は、外端部36と内端部38とを有しており、これには、図1及び3Aに最も良く示されている一般の電気接続ストラップ40もしくは電気クイック接続タブ42が取着されることができる。図4Aに示されているように、マルチピンハーメチック端子では、複数の導電性のピン34は、端子の中央で互いに間隔を有して配置されている。これら導電性のピン34は、ピンサークル直径Dを有するピンサークル50に位置している。そして、これら導電性のピン34は、S1のピン対ピンからとS2のピン対ボディとからの空気が存在するスペースを有している。
【0021】
各導電性のピン34は、固体の銅もしくはスチールのような導電性の金属材料により形成されることができる。代わって、高導電性で良好なハーメチック接着(bonding)特性を有するバイメタルで銅がコアのワイヤもまた、利用されることができる。
【0022】
各導電性のピン34は、ボディ部材12の夫々対応した前記開口24中に、開口24を満たしボディ部材12と導電性のピン34との両者をハーメチックに接着させる誘電体のシール材44により、シールされている。適したシール材44は、開口内でボディ部材12と導電性のピン34の両者に対して融着可能なシール用のガラス材である。このシール用のガラス材44は、導電性のピン34と開口34とのバスによるハーメチック端子を通るリークが効果的に防止される非導電性のガラス対金属のシールを形成する。適当なシール用のガラス材は、この分野では良く知られている。
【0023】
絶縁部材46を形成する誘電材の層が、ボディ部材12の外面22と導電性のぴん34の下部48とを覆うように配設され、絶縁性の接着剤等により、これらに取着されている。この絶縁部材46は、ガラス対金属のシールを覆って保護する助けをなし、ボディ部材12の外面22と導電性のピン34との実質的な部分のための誘電体の表面を覆うカバーを形成している。この絶縁部材46は、シリコーンゴムを有することができる。
【0024】
本開示のピン分離用構造体102,202を含んだハーメチック端子では、開示の装置の実施の形態が図5では100で、また図6では200で示されている。
【0025】
図5,7A、7Bには、本開示のピン分離用構造体102を含んだ第1の実施の形態のハーメチック端子100が示されている。このピン分離用構造体102は、ハーメチック端子100の一部を構成し、ピンサークルの直径並びに/もしくは端子のボディ部材12のサイズの対応した増大の必要が無く、端子の導電性のピン34間の動作的に空気を通すスペース(即ち、実質的に空気が通るピン対ピン間のスペースS3)を効果的に増す機能を有している。従って、ハーメチック端子100の電力定格は、同様に増す。
【0026】
図示されているように、ピン分離用構造体102は、概略的には、絶縁、誘電材で形成された一体成型されたボディ104を有している。このピン分離用構造体102のボディ104は、下側のベース部106と上側のバリア部108とを有している。このベース部106は、ハーメチック端子100のボディ部材12の底壁14の外面22の周囲に密に適合するようなサイズと形状とを有している。また、このベース部106は、上面110と側壁112と下面114とを有している。このベース部106の下面114は、端子のボディ部材12の外面22の少なくとも一部からオフセット、即ち、離間して、ベース部106と端子のボディ部材12の外面22との間にギャップ、即ちスペースを形成する内側空間部116を形成している。
【0027】
前記ピン分離用構造体102は、ポリフェニレンサルファイドのようなモールド成型可能な合成樹脂材料により形成されることができる。適当な材料は、RYTON(登録商標)が一般的に利用可能である。
【0028】
前記ピン分離用構造体102のベース部106は、また、複数の開口118を有している。これら開口118は、ハーメチック端子100のボディ部材12の前記複数の開口24と対応し、かつアラインメントし、ハーメチック端子100の前記複数の導電性のピン34と対応し、これらピンを受けている。拡大された詳細な図7Bに示されているように、各開口118は、首部120と、この首部120に隣接した第1の肩部122と、端子のボディ部材12の底壁14の外面22に近接した、ベース部106の前記下面114の一部を形成している第2の肩部124とを有している。前記首部120の所で、前記開口118は、導電性のピン34と密接して適合している。
【0029】
前記ピン分離用構造体102の上側の前記バリア部108は、中心部128と、ほぼ垂直方向に起立した複数の平板状のリブ130とを有している。前記中心部128は、ベース部106の下面114の所まで貫通するように延びた通路132を備えた円筒部材を有している。
【0030】
前記垂直方向に起立した複数の平板状のリブ130は、ベース部106の上面110から、ハーメチック端子100の中心長軸Z(導電性のピン34の長軸とほぼ平行)に沿って上方に延びている。図7Aに示されているように、前記リブ130は、長さLと幅Wと厚さTとを有する矩形の形状として一般に示されている。これらリブ130は、矩形で示されているけれども、リブ130は、他の幾何学的形状にすることができる。Z軸の方向で、リブ130は、ベース部106から長さLだけ長手方向に延びており、導電性のピン34の外端部36を超えて終端している。X軸の方向で、リブ130の幅Wは、前記中心部128から端子のボディ部材12の周側壁16近くまで横方向外方に延びている。図5に示されているように、前記ピン分離用構造体102は、中心部128から端子100の側壁16に向かって外方に延び、ハーメチック端子100の3つの導電性のピン34を分離するように約120°で等しく離間した3つのリブ130を有している。勿論、ハーメチック端子100の形態に応じて、より少ないか多い導電性のピン34が存在することができ、従って、リブ130の数と間隔とが、変更可能である。
【0031】
図5に示されるように、上側のバリア部108のリブ130は、ハーメチック端子100の隣り合う導電性のピン34間の直接かつ線形の空気が存在するパスを塞いでいる。この結果、1つの導電性のピン34から他の導電性のピン34への線134,136で示されているような空気が存在するパスは、ピン分離用構造体102を超えている/もしくは回って延びている非線形のパスを有している。
【0032】
前記ハーメチック端子100への前記ピン分離用構造体102の組み込みは、これをハーメチック端子100のボディ部材12の外面22に取着させることによりなされる。この点に関して、誘電体の射出成型モールド材料138が、内側空間部116中へモールド射出される。射出成型モールド材料138が硬化された後は、ピン分離用構造体102は、ハーメチック端子100に接着されている。オプションでは、(接着の促進剤もしくはプライマーのような)誘電体接着剤139が、ボディ部材12の外面22並びに/もしくは内側空間部116並びに/もしくは導電性のピン34に、射出成型される前に与えられて、射出成型モールド材料138とボディ部材12並びに/もしくは導電性のピン34並びに/もしくはピン分離用構造体102との間の接着性を高めることができる。
【0033】
一実施の形態において、ピン分離用構造体102のボディ104の部分(例えば、下面114と開口118)と、ハーメチック端子100の底壁14の外面22とで、ピン分離用構造体102とハーメチック端子100とのに射出成型モールド材料138を射出するためのモールドキャビティを形成することができる。例えば、ピン分離用構造体102を、ピン分離用構造体102のベース部106がハーメチック端子100のボディ部材12の外面22を覆うように、ハーメチック端子100の上に最初に置かれることができる。前述されたように、内側空間部116が、形成され、この内側空間部116が、射出成型モールド材料138を射出成型するためのモールドキャビティとして機能することができる。そして、前記射出成型モールド材料138が、ピン分離用構造体102の中心部128内の通路132を介してモールドキャビティ中に射出されることができる。この射出成型モールド材料138が、モールドキャビティ内を完全に占めるように流れ、そしてもし必要であれば、余分の射出成型モールド材料138が、開口118及び通路132を通って外に流れでることができる。射出成型モールド材料138は、硬化されると、ピン分離用構造体102とハーメチック端子100との両方(例えば、ボディ部材12の外面22と導電性のピン34の各々の外面との両方)に接着され、両部品を一緒に接着する。前記開口118内の首部120及び第1の肩部122と、中心部128を通った通路132とは、射出成型モールド材料138が全体に渡って露出されているピン分離用構造体102の表面領域を増すことにより、適当な強い接着を果たす助けをしている。
【0034】
本開示の発明に使用されるのに適した射出成型モールド材料は、液体シリコーンゴム(LSR)である。更に、誘電体接着プライマー剤が、射出成型モールド材料138と、ピン分離用構造体102と、端子100との間の良好な接着を助長するために使用されることができる。
【0035】
ピン分離用構造体102をハーメチック端子100に固定する接着ボンデングに加えて、射出成型モールド材料138は、ピン分離用構造体102とハーメチック端子100との間の接着を良くするために、ボディ104の部分との機械的接続を、また、果たすことができる。このことに関して、図7A、7Bを参照すると、射出成型モールド材料138は、首部120の対向した両側の周りと首部120と導電性のピン34との間との開口118のスペース内を占めることができる。更に、開口118の直ぐ外側で、ベース部106の上面110に接して、
射出成型モールド材料138が、硬化により、拡大された保持ヘッド140に形成されることができる。同様に、射出成型モールド材料138は、中心部128通路132から流れ出て、硬化して、上側のバリア部108に対する他の拡大された保持ヘッド142に形成されることができる。これら保持ヘッド140,142は、機械的締め具の機能を奏することにより、ハーメチック端子100へのピン分離用構造体102の接続強度を高めることができる。
【0036】
図6には、本開示のピン分離用構造体202を装着した異なる実施の形態のハーメチック端子200が示されている。このピン分離用構造体202は、好ましくは、絶縁、誘電体材料により形成された一体成型されたボディ204を有している。
【0037】
図示されているように、前記ピン分離用構造体202は、下側のベース部206と上側のバリア部208とを有している。このベース部206は、ハーメチック端子200のボディ部材12の底壁14の外面22の周囲に密に適合するようなサイズと形状とを有している。更に、このベース部は、導電性のピン34の露出面を部分的に覆っているカラー部材207を有することができる。
【0038】
前記バリア部208は、ハーメチック端子200の中心長軸Z2に沿って、導電性のピン34の長軸とほぼ平行に上方に延びいるほぼ垂直方向に起立した複数の平板状のリブ230を有している。図6に示されているように、これらリブ230は、長さL2と幅W2と厚さT2とを有する矩形の形状として一般に示されている。Z2軸の方向で、リブ230は、ベース部206から長さL2だけ長手方向に延びており、導電性のピン34外端部36を超えて終端している。X2軸の方向で、リブ230の幅W2は、前記中心部228から端子のボディ部材12の周側壁16近くまで横方向外方に延びている。図6に示されているように、前記ピン分離用構造体202は、中心部228から端子のボディ部材12の周側壁16に向かって外方に延びている。図6に示されているように、ピン分離用構造体202は、中心部228から端子のボディ部材12の側壁16に向かって外方に延び、約120°で等しく離間した3つのリブ230を有している。これらリブ130は、端子の隣り合う導電性のピン間の直接かつ線形の空気が存在するパスを塞いでいる。この結果、1つの導電性のピン34から他の導電性のピン34への空気が存在するパスは、ピン分離用構造体202を超えて並びに/もしくは回って延びた非線形のパスを有し、234,236で示されているように、導電性のピン34からピンへの空気が存在するパスの距離を長くしている。
【0039】
この異なる実施の形態において、前記ピン分離用構造体202は、ピン分離用構造体202(例えば、ベース部206の下面)並びに/もしくは端子100(例えば、ベース部材の外面22並びに/もしくは導電性のピン34)に与えられて、ピン分離用構造体202と端子100との間の優れた接着を果たす誘電体の接着剤により、ボディ部材12の外面22とハーメチック端子200の導電性のピン34に取着されることができる。
【0040】
前記ピン分離用構造体202は、また、端子のボディ部材12の外面22と導電性のピン34との実質的な部分を覆う誘電体カバー面を与えて、ガラスシール44を覆って保護している。
【0041】
図8、9A、9Bには、本開示のピン分離用構造体102、202を装着したハーメチック端子100、200と共に使用するためのコネクタブロック300が示されている。このコネクタブロック300は、ハーメチック端子100,200の複数の導電性のピン34の端部36を共同して補償し、ハーメチック端子100,200の一側に配置された電源(図示していない)に電気的に接続されることが可能な、ハーメチック端子100,200のリードワイヤ(図示していない)に取着するための装着構造体を構成している。
【0042】
図8を参照すると、コネクタブロック300は、フェノール類のような誘電体プラスチック材料により形成された一体的なプラスチックボディ302を有することができる。このボディ302は、全体的にほぼT字形状であり、中心の通路304と、互いに離間した3つのチャンネル306,308,310とを有している。
【0043】
前記中心の通路304は、導電性のピン34の外端部を中に受けるようにサイズと形状とが設定され、導電性のピン34に取着される接続ストラップ40と、ハーメチック端子100,200のピン分離用構造体102、202とを含んでいる。前記中心の通路304の外周壁312には、アラインメント用のスロット、即ち、案内路314が形成されている。この案内路は、ピン分離用構造体102、202のリブ130,230と共同動作可能なように係合して、ハーメチック端子100,200に対してコネクタブロック300を適当に方向付けする。
【0044】
内側の第1のチャンネル306は、ボディ302のほぼ中間に位置し、リードワイヤ(図示していない)を収容するように、一端部にリードワイヤ用の開口314を有している。また、この第1のチャンネル306は、内側のストラップ装着面316と互いに対向した側壁318,320とを有している。この第1のチャンネル306の両外側には、第2のチャンネル308,310が配置されている。これら第2のチャンネル308,310の各々は、内側のストラップ装着面322を有している。各第2のチャンネル308,310の外周を外壁324が規定しており、この外壁は、前記第1のチャンネル306の両側壁318,320と共同して、リードワイヤ(図示していない)を収容するように、各第2のチャンネル308,310の一端部にリードワイヤ用の開口326を形成している。
【0045】
前記第1及び第2のチャンネル306、308,310のストラップ装着面316、322は、ハーメチック端子100,200の導電性のピン34に取着される接続ストラップ40のための装着場所として機能する。図9A、9Bにみられるように、前記接続ストラップ40は、ストラップ装着面316、322と係合するように、折られるか曲げられることができる。更に、内側のストラップ装着面316、322の各々は、ねじ付きインサート330を収容するための開口328を有している。このねじ付きインサート330は、リードワイヤ(図示していない)をハーメチック端子100,200に電気的に接続するように、ねじ付締め部品(図示していない)により、係合されている。
【0046】
例示の実施の形態は、本開示が詳細であり、当業者に範囲を充分に知らせるように記載されている。種々の詳細な説明が、本開示の実施の形態を充分理解に理解するように、部品、装置、方法の例としてなされている。例示の実施の形態が、多くの異なる形態で具体化され、また、開示の範囲を制限するように構成される必要が無いことは、当業者にとって明らかであろう。幾つかの例示の実施の形態において、既知の方法、既知の装置の構成、既知の技術は、詳細には説明されていない。
【0047】
実施の形態の前記説明は、図示及び記載のために与えられている。開示を徹底及び限定する意図ではない。特別な実施の形態の個々の部材もしくは態様は、これら特別な実施の形態のものに限定されるものではないが、適用できる場合には、図示や記載が無くても、選択された実施の形態で交換かつ使用可能である。同様のことが、多くの場合に変更可能である。このような変更は、開示から逸脱するとみなされるものではなく、このような変更は、全て、開示の範囲内に含まれるべきものである。
以下に出願当初の特許請求の範囲を参考のために、付記として記載する。
付記1
外面及び複数の第1の開口を備えたほぼ平坦な底壁と、周側壁とを有するカップ形状の金属ボディ部材と、
少なくとも1つが第1の開口の各々を貫通している複数の導電性のピンと、
前記複数の第1の開口内で前記導電性のピンをハーメチックシールしている、第1の開口と導電性のピンとの間で延びた誘電体のシール材と、
前記ボディ部材に取着され、下側のベース部及び上側のバリア部を有する誘電体のピン分離用構造体とを具備し、
前記ベース部は、前記底壁の外面の周囲に密に適合するようなサイズと形状とを有し、また、前記上側のバリア部は、前記ベース部から、ハーメチック端子の中心軸にほぼ平行な第1の方向に延び、導電性のピンの外端部を超えて終端しているほぼ垂直方向に起立した複数のほぼ平坦なリブを有しており、
前記ピン分離用構造体は、前記導電性のピン間の空気が存在するパスを長くしている、ハーメチック端子。
付記2
前記ベース部は、前記ベース部と前記外面との間にキャビティを形成するように、前記ボディ部材の外面の一部に少なくとも近接している下面を有している付記1のハーメチック端子。
付記3
前記キャビティ内を占めている誘電体の射出成型モールド材料を更に具備している付記2のハーメチック端子。
付記4
前記ベース部は、前記ボディ部材の複数の第1の開口と夫々アラインメントしている複数の第2の開口を有しており、
前記複数の導電性のピンは、前記複数の第2の開口に夫々挿入されている、付記3のハーメチック端子。
付記5
前記第2の開口と導電性のピンとの間のスペース内の誘電体の射出成型モールド材料を更に具備している付記4のハーメチック端子。
付記6
前記複数の第2の開口の各々は、首部と、この首部に隣接した第1の肩部と、前記ボディ部材の底壁の外面に近接した、ベース部の前記下面の一部を形成している第2の肩部とを有しており、
前記第2の開口の首部は、前記導電性のピンの各々と密接して適合している、付記5のハーメチック端子。
付記7
前記射出成型モールド材料は、前記第2の開口の少なくとも1に近接して、前記ベース部の上面に少なくとも1つの拡大された保持ヘッドを形成している付記4のハーメチック端子。
付記8
前記上側のバリア部は、前記ベース部の下面に貫通するように延びた通路を備えた円筒体を有している付記1のハーメチック端子。
付記9
前記通路内に誘電体の射出成型モールド材料を更に具備している付記8のハーメチック端子。
付記10
前記射出成型モールド材料は、中心部に対して、前記通路の外に拡大された保持ヘッドを形成している付記9のハーメチック端子。
付記11
前記複数のリブは、前記ベース部から長手方向に延び、前記導電性のピンの上端部を超えて終端するような長さと、前記ハーメチック端子の中心軸から前記ボディ部材の周側壁近くに横方向外方に延びた幅とを有するほぼ矩形の形状をしている付記1のハーメチック端子。
付記12
前記ピン分離用構造体は、前記ハーメチック端子の中心軸から前記ボディ部材の周側壁に向かって延び、約120°で等しく離間した3つのリブを有し、
これらリブは、隣り合う前記導電性のピン間の直接かつ線形の空気通路を塞ぐように、隣り合う導電性のピンを分離している付記1のハーメチック端子。
付記13
前記導電性のピン間の空気が存在するパスが、前記ピン分離用構造体を超えるか回るかして延びている非線形のパスを有している付記1のハーメチック端子。
付記14
前記ピン分離用構造体は、モールド成型可能なポリマー材料により形成されている一体成型されたボディを有している付記13のハーメチック端子。
付記15
前記モールド成型可能なポリマー材料は、ポリフェニレンサルファイドである付記14のハーメチック端子。
付記16
前記ベース部は、上面と側面と下面とを更に有し、
射出成型モールド材料、
誘電体の接着剤が、前記ピン分離用構造体を前記ボディ部材に取着させるように、ボディ部材の外面と前記下面との間に含まれている、付記13のハーメチック端子。
付記17
誘電体の接着剤が、前記ピン分離用構造体を前記ボディ部材に取着させるように、ボディ部材の外面と前記ベース部との間に含まれている付記13のハーメチック端子。
付記18
外面及び複数の第1の開口を備えた壁を有するボディと、
前記第1の開口の各々をこの中でシールされて貫通し、前記ボディとは電気的に絶縁している導電性のピンと、
前記ボディに取着され、前記壁の外面の周囲に密に適合するようなサイズと形状とを有し、前記ピンの長軸とほぼ平行な第1の方向に延び、前記第1の方向でピンの外端部を超えて終端している複数のリブを有している誘電体のバリアとを具備し、
前記バリアは、前記ピン間の空気が存在するパスを長くしている、ハーメチック端子。
付記19
誘電体の接着剤が、前記バリアを前記ボディに取着させるように、バリアとボディの外面との間に含まれている付記18のハーメチック端子。
付記20
前記導電性のピン間の空気が存在するパスが、前記バリアを超えるか回るかして延びている非線形のパスを有している付記19のハーメチック端子。
付記21
前記バリアは、モールド成型可能なポリマー材料により形成されている付記19のハーメチック端子。
付記22
前記モールド成型可能なポリマー材料は、フェノール類か液体シリコーンゴムかである付記21のハーメチック端子。
付記23
前記ボディは、周側壁を更に有し、
前記複数のリブは、前記ピンの長軸にほぼ直交する第2の方向に延び、第2の方向で前記周側壁の近くで終端している、付記18のハーメチック端子。
付記24
前記バリァは、前記外面の一部に少なくとも近接した下面を備えたベース部を更に有しこのベース部と前記外面との間にキャビティが形成されている、付記18のハーメチック端子。
付記25
前記キャビティ内を占めている誘電体の射出成型モールド材料を更に具備している付記24のハーメチック端子。
付記26
前記ベース部は、前記複数の第1の開口と夫々アラインメントしている複数の第2の開口を更に有しており、
前記複数の第2の開口には、夫々前記複数の導電性のピンが挿入されている、付記25のハーメチック端子。
付記27
前記誘電体の射出成型モールド材料は、前記第2の開口と導電性のピンとの間のスペースを占めている付記26のハーメチック端子。
付記28
前記複数の第2の開口の各々は、首部と、この首部に隣接した第1の肩部と、前記ボディ部材の底壁の外面に近接した、ベース部の前記下面の一部を形成している第2の肩部とを有しており、
前記第2の開口の首部は、前記導電性のピンの各々と密接して適合している、付記27のハーメチック端子。
付記29
前記ベース部は、上面を更に有し、
前記射出成型モールド材料は、前記第2の開口の少なくとも1に近接して、前記上面に少なくとも1つの拡大された保持ヘッドを形成している付記27のハーメチック端子。
付記30
前記バリアは、上部を有し、この上部は、複数のリブと、前記ベース部の下面に貫通するように延びた通路を備えた円筒体を有している中心部とを有している、付記25のハーメチック端子。
付記31
前記前記射出成型モールド材料は、円筒体に対して、前記通路の外に配置された拡大された保持ヘッドを形成している付記30のハーメチック端子。
付記32
前記端子は、3つの導電性のピンを有し、
前記バリアは、前記ハーメチック端子の中心軸から前記ボディの周側壁に向かって延び、約120°で等しく離間した3つのリブを有し、
前記複数のリブは、隣り合う前記導電性のピン間の直接かつ線形の空気通路を塞ぐように、隣り合う導電性のピンを分離している付記18のハーメチック端子。
付記33
隣り合う前記導電性のピン間の最短の空気が存在するパスが、前記バリアを超えるか回るかして延びている非線形のパスを有している付記32のハーメチック端子。
付記34
少なくとも第1の開口を備えたほぼ平坦な底壁を有するボディ部材と、
少なくとも1つが第1の開口の各々を貫通している少なくとも2つの導電性のピンと、
前記少なくとも1つの第1の開口内で前記導電性のピンをハーメチックシールしている誘電体のシール材と、
隣接した導電性のピン間の空気が存在するパスを長くするための手段とを具備しているハーメチック端子。
付記35
前記空気が存在するパスを長くするための手段は、前記ボディ部材に取着され、下側のベース部及び上側のバリア部を有する誘電体のピン分離用構造体を有し、
前記ベース部は、前記底壁の外面の周囲に密に適合するようなサイズと形状とを有し、また、前記上側のバリア部は、前記ベース部から、第1の方向である長手方向に延び、第1の方向で、導電性のピンの外端部を超えて終端しているほぼ垂直方向に起立した複数のリブを有している付記34のハーメチック端子。
付記36
前記ピン分離用構造体を前記ボディ部材に取着させるように、前記ベース部と前記ボディ部材の外面との間に、誘電体の接着剤を更に具備する付記35のハーメチック端子。
付記37
前記ボディ部材は、周側面を更に有し、
前記複数のリブは、前記第1の方向にほぼ直交する第2の方向に延び、第2の方向で前記周側壁の近くで終端している付記36のハーメチック端子。
付記38
隣り合う前記導電性のピン間の空気が存在するパスが、前記ピン分離用構造体を超えるか回るかして延びている非線形のパスを有している付記36のハーメチック端子。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1図1は、従来技術のハーメチック端子の上側からの斜視図である。
図2図2は、図1のハーメチック端子と共に使用される従来技術のコネクタブロックの上側からの斜視図である。
図3A図3Aは、図2のコネクタブロックに結合された図1のハーメチックを示す側面図である。
図3B図3Bは、図2のコネクタブロックに結合された図1のハーメチックを示す上面図である。
図4A図4Aは、従来技術のハーメチック端子の上面図である。
図4B図4Bは、図4Aの線B−Bに沿った従来技術のハーメチック端子の断面図である。
図5図5は、本発明のハーメチック端子の第1の実施の形態の前からの斜視図である。
図6図6は、本発明のハーメチック端子の第2の実施の形態の前からの斜視図である。
図7A図7Aは、図5のハーメチック端子の前から見た断面図である。
図7B図7Bは、図7Aの一部の拡大図である。
図8図8は、図5及び6のハーメチック端子と共に使用するための本発明のコネクタブロックの上からの斜視図である。
図9A図9Aは、図8のコネクタブロックに結合された本発明のハーメチック端子の上からの斜視図である。
図9B図9Bは、図8のコネクタブロックに結合された本発明のハーメチック端子の上面図である。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B