【実施例】
【0086】
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。これらは説明のために記述されるものであって、本発明の範囲が下記の実施例によって限定されるものではない。
【0087】
実施例及び比較例における各種評価は次の通りに行った。
(重量平均分子量の測定)
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、下記の条件により測定した。重量平均分子量を算出するための検量線は、スタンダードポリスチレン(東ソー社製)を用いて作成した。
溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド(和光純薬工業社製、高速液体クロマトグラフ用)を用い、測定直前に24.8mmol/Lの臭化リチウム一水和物(和光純薬工業社製、純度99.5%)及び63.2mmol/Lのリン酸(和光純薬工業社製、高速液体クロマトグラフ用)を加えたもの
カラム:Shodex KD−806M(昭和電工社製)
流速:1.0mL/分
カラム温度:40℃
ポンプ:PU−2080Plus(JASCO社製)
検出器:RI−2031Plus(RI:示差屈折計、JASCO社製)、UV―2075Plus(UV−VIS:紫外可視吸光計、JASCO社製)
【0088】
(脂環式テトラカルボン酸二無水物に由来する部分のイミド基濃度の算出)
脂環式酸二無水物に由来する部分のイミド基濃度は、ポリイミド前駆体ワニスについて測定した
13C−NMRシグナルの積分値から算出した。
13C−NMR測定は、下記条件で行った。
測定装置:日本電子社製JNM−GSX400型
測定温度:23℃
測定溶媒:重ジメチルスルホキシド溶媒(DMSO−d
6)
脂環式テトラカルボン酸二無水物に由来する部分のイミド結合、アミド結合及びカルボン酸の各炭素に帰属されるシグナルは、下記の磁場強度に表れる:
脂環式テトラカルボン酸二無水物に由来する部分のイミド結合炭素に帰属されるシグナル:177ppm付近(A)
脂環式テトラカルボン酸二無水物に由来する部分のアミド結合炭素に帰属されるシグナル:172ppm付近(B)
脂環式テトラカルボン酸二無水物に由来する部分のカルボキシル基炭素に帰属されるシグナル:177ppm付近(C)
ここで、アミド酸(イミド化されていない)部位については、BとCの積分値は同じ値になる。イミド化した部位におけるイミド結合炭素の積分値と、イミド化されていない部位におけるアミド結合炭素の積分値は、それぞれ、下記式で表される:
イミド結合炭素の積分値:Aの積分値―Bの積分値
アミド結合炭素とカルボキシル基炭素の積分値:Bの積分値×2
よって、イミド基濃度は下記計算式で表される:
イミド基濃度(%)=100×(Aの積分値―Bの積分値)/(Aの積分値―Bの積分値+Bの積分値×2)=100×(Aの積分値―Bの積分値)/(Aの積分値+Bの積分値)
【0089】
(ワニス保存安定性の評価)
下記の実施例及び比較例のそれぞれで調製した組成物ワニスを、室温で3日間静置したサンプルを調製後のサンプルとして23℃における粘度測定を行った。その後さらに室温で4週間静置したサンプルを4週間後のサンプルとし、再度23℃における粘度測定を行った。
上記の粘度測定は、温調機付粘度計(東機産業械社製TV−22)を用いて行った。
上記の測定値を用いて、下記数式により室温4週間粘度変化率を算出した。
室温4週間粘度変化率(%)=[(4週間後のサンプルの粘度)−(調製後のサンプルの粘度)]/(調製後のサンプルの粘度)×100
室温4週間粘度変化率は、下記基準で評価した。結果を表2に示した。
◎:粘度変化率が5%以下(保存安定性「優良」)
○:粘度変化率が10%以下(保存安定性「良好」)
×:粘度変化率が10%より大きい(保存安定性「不良」)
【0090】
(積層体及び単離フィルムの作製)
各実施例及び比較例で得たポリイミド前駆体のワニスを、無アルカリガラス基板(厚さ0.7mm)上にバーコーターを用いて塗工した。続いて、室温において5分間〜10分間のレベリングを行った後、熱風オーブン中で140℃において60分間加熱し、さらに窒素雰囲気下で所定の温度において60分間加熱して、前記基板上に塗膜を有する積層体を作製した。積層体における塗膜の膜厚は、キュア後の膜厚が20μmとなるようにした。次いで所定の温度でキュア(硬化処理)して塗膜をイミド化した。キュア後の積層体を室温において24時間静置した後、ポリイミドフィルムをガラスから剥離することにより、フィルムを単離した。
以下の破断強度、黄色度及び線膨張係数の評価においては、この所定の温度でキュアしたポリイミドフィルムをサンプルとして用いた。
【0091】
(伸度の評価)
所定の温度でキュアした、幅5mm、長さ50mm、厚み20μmのポリイミドフィルムのサンプルについて、引張り試験機(株式会社エーアンドディ製:RTG−1210)を用いて、速度100mm/分で引張り測定した。破断伸度が20%以上であった場合を◎(伸度「優良」)、15%以上20%未満であった場合を○(伸度「良好」)、10%以上15%未満をであった場合を△(伸度「不良」)、10%未満であった場合を(伸度「劣悪」)×として評価した。
【0092】
(黄色度(YI値)の評価)
所定の温度でキュアした、厚み20μmのポリイミドフィルムを、日本電色工業(株)製(Spectrophotometer:SE600)にてD65光源で測定した。YI値が8.0以下であった場合を◎(黄色度「優良」)、8.0超10.0以下であった場合を○(黄色度「良好」)、10.0超15.0以下であった場合を△(黄色度「不良」)、15.0超であった場合を×(黄色度「劣悪」)として評価した。
【0093】
(線膨張係数(CTE)の評価)
所定の温度でキュアしたポリイミドフィルムについて、島津製作所製熱機械分析装置(TMA−50)を用いて、熱機械分析により、以下の条件下で試験片伸びの測定を行った。
荷重:5g
昇温速度:10℃/分
測定雰囲気:窒素雰囲気
窒素流量:20ml/分)
測定温度範囲:50〜450℃
この時の100〜300℃の温度範囲におけるポリイミドフィルムのCTEを求め、CTEが20ppm/℃以下であった場合を◎(CTE「優良」)、20ppm/℃超25ppm/℃以下であった場合を○(CTE「良好」)、25ppm/℃超30ppm/℃以下であった場合を△(CTE「不良」)、30ppm/℃超であった場合を×(CTE「劣悪」)として評価した。
【0094】
(ポリイミドフィルム上に形成した無機膜の表面粗さの測定)
上記実施例及び比較例のそれぞれで調製した組成物ワニスを用いて、表面にアルミ蒸着層を設けた6インチシリコンウエハー基板に、ポリイミドフィルム及び無機膜がこの順に積層された積層体ウェハーを、以下のように形成した。
先ず、上記基板上に各組成物ワニスを回転塗布した後、熱風オーブンにて140℃において60分間加熱し、さらに窒素雰囲気下、320℃において60分間加熱することにより、膜厚20μmのポリイミドフィルムを有するウエハーを得た。
その後、上記で形成したポリイミドフィルム上に、CVD法を用いて350℃において、無機膜である窒化ケイ素(SiN
x)膜を100nmの厚さで形成した。次に、形成した窒化ケイ素の表面粗さを、AFMであるナノピクス2100(SIIナノテクノロジーズ社製、商品名)を用いて、100μm×100μmのスケールで測定した。試験はN=5で行い、その平均値をとって表面粗さRaとした。
結果を表2に示した。
【0095】
(Hazeの評価)
上記で得られた積層体ウエハーを希塩酸水溶液に浸漬し、無機膜及びポリイミドフィルムの二層を一体としてウエハーから剥離することにより、表面に無機膜が形成されたポリイミドフィルムのサンプルを得た。このサンプルを用いて、スガ試験機社製SC−3H型ヘイズメーターを用いてJIS K7105透明度試験法に準拠してHazeの測定を行った。
測定結果は下記基準で評価した。
◎:Hazeが5以下(Haze「優良」)
○:Hazeが5より大きく15以下(Haze「良好」)
×:Hazeが15より大きい(Haze「不良」)
結果を表2に示した。
【0096】
(水蒸気透過率の評価)
上記で得られた、表面に無機膜が形成されたポリイミドフィルムの水蒸気透過率を、モコン(MOCON)社製の水蒸気透過率透過率測定装置(機種名:PERMATRAN(登録商標) W3/31)を使用して、温度40℃、湿度90%RH及び測定面積80mmφの条件下で測定した。測定回数は各5回とし、その平均値を水蒸気透過率とし、下記基準で評価した。
◎:水蒸気透過率が0.01g/(m
2・24h)以下(水蒸気透過率「優良」)
○:水蒸気透過率が0.01g/(m
2・24h)より大きく0.1g/(m
2・24h)以下(水蒸気透過率「良好」)
×:水蒸気透過率が0.1g/(m
2・24h)より大きい(水蒸気透過率「不良」)
結果を表2に示した。
【0097】
[参考例1]
窒素雰囲気下、500mlセパラブルフラスコに、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)を15.69g(49.00mmol)及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を178.95g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。その後、ピロメリット酸二無水物(PMDA)を1.09g(5.0mmol)、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)を3.10g(10.0mmol)及び1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA)を6.86g(35.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリアミド酸のNMP溶液(以下、「ワニス」ともいう。)を得た。得られたポリアミド酸の重量平均分子量(Mw)は、116,500であった。330℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を、以下の表2に示した。
【0098】
[参考例2]
原料の仕込みを、TFMB15.69g(49.0mmol)、NMP180.42g、PMDA3.27g(15.0mmol)、ODPA3.10g(10.0mmol)及びCBDA4.90g(25.0mmol)に変更した以外は、参考例1と同様にしてワニスを得た。得られたポリアミド酸の重量平均分子量(Mw)は120,000であった。330℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0099】
[参考例3]
原料の仕込みを、TFMB15.69g(49.0mmol)、NMP186.58g、PMDA1.09g(5.00mmol)、ODPA6.20g(20.0mmol)及びCBDA4.90g(25.0mmol)に変更した以外は、参考例1と同様にしてワニスを得た。得られたポリアミド酸の重量平均分子量(Mw)は128,000であった。330℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0100】
[実施例4]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(H−PMDA)を2.24g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。次いでフラスコ内容物を40℃まで冷却した後に、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを168.43g、PMDAを6.54g(30.0mmol)及びODPAを3.10g(10.0mmol)加えて80℃においてで4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は82,000であった。350℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0101】
[参考例5]
原料の仕込みを、TFMB15.69g(49.0mmol)、NMP178.14g、PMDA5.45g(25.0mmol)、ODPA1.55g(5.0mmol)及びCBDA3.92g(20mmol)に変更した以外は、参考例1と同様にしてワニスを得た。得られたポリアミド酸の重量平均分子量(Mw)は119,000であった。330℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0102】
[参考例6]
原料の仕込みを、TFMB15.69g(49.0mmol)、NMP187.38g、PMDA2.18g(10.0mmol)、ODPA6.20g(20.0mmol)及びCBDA3.92g(20.0mmol)に変更した以外は、参考例1と同様にしてワニスを得た。得られたポリアミド酸の重量平均分子量(Mw)は123,000であった。330℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0103】
[参考例7]
原料の仕込みを、TFMB15.69g(49.0mmol)、NMP175.19g、PMDA1.09g(5.0mmol)、ODPA1.55g(5.0mmol)及びCBDA7.84g(40.0mmol)に変更した以外は、参考例1と同様にしてワニスを得た。得られたポリアミド酸の重量平均分子量(Mw)は123,000であった。330℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0104】
[参考例8]
原料の仕込みを、TFMB15.69g(49.0mmol)、NMP189.59g、PMDA5.45g(25.0mmol)、ODPA6.20g(20.0mmol)及びCBDA0.98g(5.0mmol)に変更した以外は、参考例1と同様にしてワニスを得た。得られたポリアミド酸の重量平均分子量(Mw)は103,000であった。330℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0105】
[実施例9]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを2.24g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却した後に、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを171.51g、PMDAを5.45g(25.0mmol)及びODPAを4.65g(15.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は123,000であった。350℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0106】
[実施例10]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを2.24g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却した後に、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを174.59g、PMDAを4.36g(20.0mmol)及びODPAを6.20g(20.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は81,000であった。350℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0107】
[実施例11]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを6.28g(19.6mmol)、NMPを32.28g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを4.48g(20.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却した後に、TFMBを9.42g(29.4mmol)、NMPを76.44g、PMDAを5.45g(25.0mmol)及びODPAを1.55g(5.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合組成物の重量平均分子量(Mw)は68,000であった。350℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0108】
[実施例12]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを6.28g(19.6mmol)、NMPを32.28g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを4.48g(20.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却した後に、TFMBを9.42g(29.4mmol)、NMPを78.28g、PMDAを4.36g(20.0mmol)及びODPAを3.10g(10.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は68,000であった。350℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0109】
[実施例13]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを0.63g(1.96mmol)、NMPを3.22g及びトルエンを30g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを0.45g(2.00mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却した後に、TFMBを15.06g(47.0mmol)、NMPを186.57g、PMDAを6.33g(29.0mmol)及びODPAを5.89g(19.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は112,000であった。350℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0110】
[実施例14]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを2.24g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却した後に、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを166.88g、PMDAを7.09g(32.5mmol)及びODPAを2.33g(7.5mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合組成物の重量平均分子量(Mw)は79,000であった。350℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0111】
[実施例15]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを9.42g(29.4mmol)、NMPを48.42g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを6.78g(30.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却した後に、TFMBを6.28g(19.6mmol)、NMPを60.54g、PMDAを3.27g(15.0mmol)及びODPAを1.55g(5.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合組成物の重量平均分子量(Mw)は56,000であった。350℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0112】
[実施例16]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.80mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを2.24g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却した後に、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを168.43g、PMDAを4.36g(20.0mmol)、ODPAを3.10g(10.0mmol)及びCBDAを1.96g(10.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌し、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は71,000であった。350℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0113】
[参考例17]
原料の仕込みを、TFMB15.69g(49.0mmol)、NMP162.24g、PMDA6.54g(30.0mmol)、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)4.44g(10.0mmol)及びCBDA1.96g(10mmol)に変更した以外は、参考例1と同様にしてワニスを得た。得られたポリアミド酸の重量平均分子量(Mw)は159,000であった。330℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0114】
[実施例18]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(H−PMDA)を2.24g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却した後に、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを147.70g、PMDAを6.54g(30.0mmol)及び6FDAを4.44g(10.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は85,000であった。350℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0115】
[実施例19]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを2.24g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却して、赤外分光分析(IR)によりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、フラスコに、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを153.4g、PMDAを5.45g(25.0mmol)及び6FDAを6.66g(15.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は88,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0116】
[実施例20]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを2.24g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを159.8g、PMDAを4.36g(20.0mmol)及び6FDAを8.88g(20.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は86,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0117】
[実施例21]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを6.28g(19.6mmol)、NMPを32.28g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを4.48g(20.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを9.42g(29.4mmol)、NMPを124.9g、PMDAを5.45g(25.0mmol)及び6FDAを2.22g(5.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は76,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0118】
[実施例22]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを6.28g(19.6mmol)、NMPを32.28g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを4.48g(20.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを9.42g(29.4mmol)、NMPを131.3g、PMDAを4.36g(20.0mmol)及び6FDAを4.44g(10.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は77,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0119】
[実施例23]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを0.45g(2.00mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを158.3g、PMDAを6.33g(29.0mmol)及び6FDAを8.44g(19.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は89,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0120】
[実施例24]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを2.24g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを143.9g、PMDAを7.09g(32.5mmol)及び6FDAを3.33g(7.5mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は89,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0121】
[実施例25]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを9.42g(29.4mmol)、NMPを48.42g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを6.78g(30.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを6.28g(19.6mmol)、NMPを109.5g、PMDAを3.27g(15.0mmol)及び6FDA2.22g(5.0mmol)を加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は75,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0122】
[実施例26]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを2.24g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを153.5g、PMDAを3.27g(15.0mmol)、BPDAを4.41g(15.0mmol)及び6FDAを4.44g(10.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は87,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0123】
[実施例27]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを2.24g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを143.3g、PMDAを6.54g(30.0mmol)、ODPAを1.55g(5.0mmol)及び6FDAを2.22g(5.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は86,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0124】
[実施例28]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを1.12g(5.0mmol)、CBDAを0.98g(5.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを146.3g、PMDAを6.54g(30.0mmol)及び6FDAを4.44g(10.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は90,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0125】
[実施例29]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを0.34g(1.5mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを147g、PMDAを6.54g(30.0mmol)、6FDAを4.44g(10.0mmol)及びH−PMDAを1.9g(8.5mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は71,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0126】
[実施例30]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを0.56g(2.5mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを147g、PMDAを6.54g(30.0mmol)、6FDAを4.44g(10.0mmol)及びH−PMDAを1.68g(7.5mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は75,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0127】
[実施例31]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを0.78g(3.5mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを147g、PMDAを6.54g(30.0mmol)、6FDAを4.44g(10.0mmol)及びH−PMDAを1.46g(6.5mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は78,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0128】
[実施例32]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを0.62g(2.75mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを153.3g、PMDAを6.54g(30.0mmol)、6FDAを6.66g(15.0mmol)及びH−PMDAを0.5g(2.25mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は80,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0129】
[実施例33]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを1.68g(7.5mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを160.1g、PMDAを6.54g(30.0mmol)、6FDAを2.22g(5.0mmol)及びH−PMDAを5.1g(22.5mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は71,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0130】
[実施例34]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、CBDAを1.96g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを166.5g、PMDAを6.54g(30.0mmol)及びODPAを3.10g(10.0mmol)加えて80℃で4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は120,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0131】
[実施例35]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、CBDAを0.98g(5.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを191.3g、PMDAを5.45g(25.0mmol)及び6FDAを8.88g(20.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は95,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0132】
[実施例36]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、CBDAを1.96g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを175.5g、PMDAを6.54g(30.0mmol)及び6FDAを4.44g(10.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は100,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0133】
[実施例37]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを9.42g(29.4mmol)、NMPを48.42g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、CBDAを5.88g(30.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを6.28g(19.6mmol)、NMPを169.5g、PMDAを6.54g(30.0mmol)及び6FDAを4.44g(10.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は100,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0134】
[実施例38]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、CBDAを0.29g(1.5mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを175.5g、PMDAを6.54g(30.0mmol)、6FDAを4.44g(10.0mmol)及びCBDAを1.67g(8.5mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は95,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0135】
[実施例39]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、CBDAを0.53g(2.75mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを183.8g、PMDAを6.54g(30.0mmol)、6FDAを6.66g(15.0mmol)及びCBDAを0.45g(2.25mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は80,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0136】
[実施例40]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、CBDAを1.47g(7.5mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを186.8g、PMDAを6.54g(30.0mmol)、6FDAを2.22g(5.0mmol)及びCBDAを4.41g(22.5mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は91,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0137】
[実施例41]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを2.24g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを160g、BPDAを8.83g(30.0mmol)及び6FDAを4.44g(10.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は86,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0138】
[実施例42]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを2.24g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した後に、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを147.8g、PMDAを6.54g(30.0mmol)及び4,4’−ビフェニルビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物(TAHQ)を4.58g(10.0mmol)入れ80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は84,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0139】
[実施例43]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、CPDAを2.1g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを146.3g、PMDAを6.54g(30.0mmol)及び6FDAを4.44g(10.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は71,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0140】
[実施例44]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−BPDAを3.06g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを151.7g、PMDAを6.54g(30.0mmol)及び6FDAを4.44g(10.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は73,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0141】
[実施例45]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、BCDAを2.36g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを147.7g、PMDAを6.54g(30.0mmol)及び6FDAを4.44g(10.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより」、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は75,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0142】
[実施例46]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物(BOTDA)を2.48g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを148.4g、PMDAを6.54g(30.0mmol)及び6FDAを4.44g(10.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は74,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0143】
[実施例47]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン(mTB)を2.08g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にmTBを溶解させた。そこに、H−PMDAを2.24g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、mTBを8.32g(39.2mmol)、NMPを117.2g、PMDAを6.54g(30.0mmol)及び6FDAを4.44g(10.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は82,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0144】
[実施例48]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、4,4’−ジアミノベンズアニリド(DABA)を2.23g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にDABAを溶解させた。そこに、H−PMDAを2.24g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、DABAを8.91g(39.2mmol)、NMPを121.4g、PMDAを6.54g(30.0mmol)及び6FDAを4.44g(10.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は83,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0145】
[実施例49]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、4−アミノフェニル−4−アミノベンゾエート(APAB)を2.24g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にAPABを溶解させた。そこに、H−PMDAを2.24g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、APABを8.95g(39.2mmol)、NMPを121.6g、PMDAを6.54g(30.0mmol)及び6FDAを4.44g(10.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は82,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0146】
[実施例50]
実施例9で得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスに、樹脂100重量部に対して、0.5重量部換算のアルコキシシラン化合物1(ROSi1)を溶解させ、0.1μmのフィルターで濾過することにより、樹脂組成物を調整した。この組成物及びその硬化膜の特性を前記の評価方法に従って測定した。得られた結果を表2に示した。
[実施例51]
実施例19で得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスに、樹脂100重量部に対して、0.5重量部換算のアルコキシシラン化合物1を溶解させ、0.1μmのフィルターで濾過することにより、樹脂組成物を調整した。この組成物及びその硬化膜の特性を前記の評価方法に従って測定した。得られた結果を表2に示した。
[実施例52]
実施例9で得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスに、樹脂100重量部に対して、0.05重量部換算の界面活性剤1(Surf1)を溶解させ、0.1μmのフィルターで濾過することにより、樹脂組成物を調整した。この組成物及びその硬化膜の特性を前記の評価方法に従って測定した。得られた結果を表2に示した。
[実施例53]
実施例19で得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスに、樹脂100重量部に対して、0.05重量部換算の界面活性剤1を溶解させ、0.1μmのフィルターで濾過することにより、樹脂組成物を調整した。この組成物及びその硬化膜の特性を前記の評価方法に従って測定した。得られた結果を表2に示した。
[比較例1]
原料の仕込みを、TFMB14.39g(44.9mmol)、NMP163.23g、PMDA10.0g(45.8mmol)、ODPA0g(0mmol)及びCBDA0g(0mmol)に変更した以外は、参考例1と同様にしてワニスを得た。得られたワニス中のポリアミド酸の重量平均分子量(Mw)は47,000であった。350℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0147】
[比較例2]
原料の仕込みを、TFMB10.12g(31.6mmol)、NMP134.65g、PMDA0g(0mmol)、ODPA10.0g(32.2mmol)及びCBDA0g(0mmol)に変更した以外は、参考例1と同様にしてワニスを得た。得られたワニス中のポリアミド酸の重量平均分子量(Mw)は65,500であった。350℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0148】
[比較例3]
原料の仕込みを、TFMB16.00g(50.0mmol)、NMP174.00g、PMDA0g(0mmol)、ODPA0g(0mmol)及びCBDA10.00g(51.0mmol)に変更した以外は、参考例1と同様にしてワニスを得た。得られたワニス中のポリアミド酸の重量平均分子量(Mw)は221,000であった。330℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0149】
[比較例4]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを14.00g(43.7mmol)、NMPを160.62g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを10.00g(44.6mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。その後、フラスコの内容物を室温まで冷却することにより、ポリイミドのワニスを得た。得られたワニス中のポリイミドの重量平均分子量(Mw)は50,600であった。350℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0150】
[比較例5]
原料の仕込みを、TFMB8.79g(27.4mmol)、NMP60.6g、PMDA5.50g(25.2mmol)及びODPA0.87g(2.8mmol)に変更した以外は、参考例1と同様にしてワニスを得た。得られたワニスに含有される重合体の重量平均分子量(Mw)は47,000であった。350℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び破断強度を以下の表2に示した。
【0151】
[比較例6]
原料の仕込みを、TFMB16.44g(51.3mmol)、NMP184.18g、PMDA8.00g(36.7mmol)、ODPA0g(0mmol)及びCBDA3.08g(15.7mmol)に変更した以外は、参考例1と同様にしてワニスを得た。得られたワニスに含有される重合体の重量平均分子量(Mw)は121,900であった。330℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び破断強度を以下の表2に示した。
【0152】
[比較例7]
原料の仕込みを、TFMB14.17g(44.2mmol)、NMP171.31g、PMDA0g(0mmol)、ODPA7.00g(22.6mmol)及びCBDA4.43g(22.6mmol)に変更した以外は、参考例1と同様にしてワニスを得た。得られたワニスの重量平均分子量(Mw)は105,000であった。330℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び破断強度を以下の表2に示した。
【0153】
[比較例8]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを2.24g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却した後に、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを186.91g及びODPAを12.41g(40.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は66,700であった。350℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0154】
[比較例9]
原料の仕込みを、TFMB15.69g(49.0mmol)、NMP175.05g、PMDAを6.54g(30.0mmol)、ODPA0g(0mmol)及びCBDA3.92g(20.0mmol)に変更した以外は、参考例1と同様にしてワニスを得た。得られたワニスに含有される重合体の重量平均分子量(Mw)は91,200であった。330℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び破断強度を以下の表2に示した。
【0155】
[比較例10]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを2.24g(10.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却した後に、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを162.26g及びPMDAを8.72g(40.0mmol)加えて80℃で4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合組成物のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合組成物の重量平均分子量(Mw)は226,000であった。350℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0156】
[比較例11]
原料の仕込みを、TFMB15.69g(49.0mmol)、NMP193.54g、PMDA0g(0mmol)、ODPA9.31g(30.0mmol)及びCBDA3.92g(20.0mmol)に変更した以外は、参考例1と同様にしてワニスを得た。得られたワニスに含有される重合体の重量平均分子量(Mw)は125,100であった。330℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び破断強度を以下の表2に示した。
【0157】
[比較例12]
原料の仕込みを、TFMB15.69g(49.0mmol)、NMP178.27g、PMDA0g(0mmol)、ODPA3.10g(10.0mmol)及びCBDA7.84g(40.0mmol)に変更した以外は、参考例1と同様にしてワニスを得た。得られたワニスに含有される重合体の重量平均分子量(Mw)は120,900であった。330℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び破断強度を以下の表2に示した。
【0158】
[比較例13]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを64.56g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを8.97g(40.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却した後に、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを46.48g及びODPAを3.1g(10.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は49,800であった。350℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0159】
[比較例14]
原料の仕込みを、TFMB7.06g(22.0mmol)、NMP96.67g、PMDA0g(0mmol)及び6FDAを10.00g(22.5mmol)に変更した以外は、参考例1と同様にしてワニスを得た。得られたワニス中のポリアミド酸の重量平均分子量(Mw)は110,000であった。350℃キュアしたフィルムのCTE、YI値及び伸度を以下の表2に示した。
【0160】
[比較例15]
窒素雰囲気下、500mlセパラブルフラスコに、TFMBを15.69g(49.00mmol)及びNMPを203.4g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。次いで、BPDAを14.71g(50.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリアミド酸のNMP溶液(ワニス)を得た。得られたポリアミド酸の重量平均分子量(Mw)は49,000であった。330℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0161】
[比較例16]
窒素雰囲気下、500mlセパラブルフラスコに、TFMBを15.69g(49.00mmol)及びNMPを258.4g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。次いで、TAHQを22.92g(50.0mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリアミド酸のNMP溶液(ワニス)を得た。得られたポリアミド酸の重量平均分子量(Mw)は64,000であった。330℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0162】
[比較例17]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを15.69g(49.0mmol)、NMPを175.3g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、CPDAを10.51g(100.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。その後、フラスコの内容物を室温まで冷却することにより、ポリイミドのワニスを得た。得られたワニス中のポリイミドの重量平均分子量(Mw)は51,600であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0163】
[比較例18]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを15.69g(49.0mmol)、NMPを175.3g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−BPDAを15.32g(100.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。その後、フラスコの内容物を室温まで冷却することにより、ポリイミドのワニスを得た。得られたワニス中のポリイミドの重量平均分子量(Mw)は54,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0164】
[比較例19]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを15.69g(49.0mmol)、NMPを175.3g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、BCDAを11.82g(100.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。その後、フラスコの内容物を室温まで冷却することにより、ポリイミドのワニスを得た。得られたワニス中のポリイミドの重量平均分子量(Mw)は50,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0165】
[比較例20]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを15.69g(49.0mmol)、NMPを175.3g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、BOTDAを12.41g(100.0mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。その後、フラスコの内容物を室温まで冷却することにより、ポリイミドのワニスを得た。得られたワニス中のポリイミドの重量平均分子量(Mw)は54,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0166】
[比較例21]
ディーンシュタルク装置及び還流器を装着したセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、TFMBを3.14g(9.8mmol)、NMPを16.14g及びトルエンを50g入れ、撹拌下にTFMBを溶解させた。そこに、H−PMDAを0.16g(0.7mmol)加えて、180℃において2時間還流した後、3時間かけて共沸溶媒であるトルエンを除去した。フラスコの内容物を40℃まで冷却し、IRによりアミド結合に由来する1,650cm
−1付近の吸収(C=O)が消失していることを確認した。その後、TFMBを12.55g(39.2mmol)、NMPを147g、PMDAを6.54g(30.0mmol)、6FDAを4.44g(10.0mmol)及びH−PMDAを2.08g(9.3mmol)加えて80℃において4時間撹拌することにより、ポリイミド−ポリアミド酸重合体のワニスを得た。得られたポリイミド−ポリアミド酸重合体の重量平均分子量(Mw)は51,000であった。350℃キュアしたフィルムの評価結果を表2に示した。
【0167】
[比較例22]
韓国特許公開第10−2013−0077946号に記載の方法に準拠して、ワニスの調製を行った。
窒素雰囲気下、1,000mlセパラブルフラスコに、ジメチルアセトアミド(DMAc) 270mlを入れ、室温にてTFMB32.02g(100.0mmol)を完全に溶解させた。次いで、6FDA111.1g(25.0mmol)、PMDA109.1g(50.0mmol)及びH−PMDA56.04g(25.0mmol)を順次に添加して、室温において12時間撹拌した。その後、120℃のオイルバスにより20分加熱した後、常温において12時間攪拌することにより、ポリアミド酸溶液(ワニス)を得た。得られたポリアミド酸の重量平均分子量(Mw)は32,000であった。
上記のワニスを用い、80℃から250℃まで8時間かけて加熱した後、徐々に冷却することによって得られたポリイミドフィルムの評価結果を表2に示した。
【0168】
[比較例23]
韓国特許公開第10−2013−0077946号に記載の方法に準拠してワニスの調製を行った。
原料の仕込みを、6FDA88.85g(20.0mmol)、PMDA87.25g(40.0mmol)及びH−PMDA89.67g(40.0mmol)に変更した以外は、比較例22と同様に操作を行った。得られたポリイミドフィルムの評価結果を表2に示した。
【0169】
[比較例24]
韓国特許公開第10−2013−0077946号に記載の方法に準拠してワニスの調製を行った。
原料の仕込みを、6FDA177.7g(40.0mmol)、PMDA87.25g(40.0mmol)及びH−PMDA44.83g(20.0mmol)に変更した以外は、比較例22と同様に操作を行った。得られたポリイミドフィルムの評価結果を表2に示した。
【0170】
【表1】
【0171】
【表2】
【0172】
【表3】
【0173】
【表4】
【0174】
【表5】
【0175】
【表6】
【0176】
【表7】
【0177】
【表8】
【0178】
表1に記載の成分の略称は、それぞれ以下の意味である。
[芳香族テトラカルボン酸二無水物1]
PMDA:ピロメリット酸二無水物
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物
[芳香族テトラカルボン酸二無水物2]
ODPA:4,4’−オキシジフタル酸二無水物
6FDA:4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物
TAHQ:4,4’−ビフェニルビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)
[脂環式テトラカルボン酸二無水物]
CBDA:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
H−PMDA:1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物
CPDA:1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物
H-BPDA:1,2,4,5−ビシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物
BCDA:ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸2,3:5,6−二無水物
BOTDA:ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物
【0179】
[ジアミン]
TFMB:2,2’‐ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン
mTB:2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン
DABA:4,4’−ジアミノベンズアニリド
APAB:4−アミノフェニル−4−アミノベンゾエート
[他の添加剤]
ROSi1:アルコキシシラン化合物1、下記構造式の化合物
【0180】
【化7】
【0181】
Surf1:界面活性剤1、シリコーン型非イオン界面活性剤 DBE224(商品名、Gelest社製)
【0182】
表に示したように、脂環式テトラカルボン酸二無水物に由来する構造、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物1に由来する構造及び前記芳香族テトラカルボン酸二無水物2に由来する構造のすべてを有するポリイミド前駆体を含む樹脂組成物(ワニス)は、
(0)4週間室温保存時の粘度変化率が10%以下であり、
前記組成物を硬化して得られるポリイミドフィルムは、膜物性において、以下の条件:
(1)CTEが25ppm以下
(2)YI値が10以下
(3)伸度が15%以上
を同時に満たし、
前記ポリイミドフィルムに無機膜を形成した積層体は、
(4)Hazeが15以下
(5)水蒸気透過率が0.1g/(m
2・24h)以下
を同時に満たすことが確認された。
【0183】
また、
比較例1〜4、14及び15〜20の評価結果からは、1種類のテトラカルボン酸二無水物に由来する構造のみを有するポリイミド前駆体を用いたポリイミドフィルムは、上記(0)〜(5)すべての膜物性を同時に満たすことはできないことが;
比較例5〜13の評価結果からは、2種類のテトラカルボン酸二無水物にそれぞれ由来する2種類の構造を有するポリイミド前駆体を用いたポリイミドフィルムであっても、上記(0)〜(5)すべての膜物性について、十分な性能を付与するに至らないことが、
それぞれ確認された。さらに、
比較例21〜25の評価結果からは、前記3種類のテトラカルボン酸二無水物にそれぞれ由来する3種類の構造を有するポリイミド前駆体を用いたポリイミドフィルムであっても、該ポリイミド前駆体の脂環式テトラカルボン酸二無水物に由来するアミド結合のイミド化率が10〜100%の範囲外である場合には、上記(0)〜(5)すべての膜物性について、十分な性能を付与するに至らないことが確認された。
以上の結果から、ポリイミド前駆体が脂環式テトラカルボン酸二無水物に由来する構造、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物1に由来する構造及び前記芳香族テトラカルボン酸二無水物2に由来する構造のすべてを有し、且つ脂環式テトラカルボン酸二無水物に由来するアミド結合のイミド化率が10〜100%の範囲である場合に限って、該ポリイミド前駆体を含む組成物は保存安定性に優れ、当該組成物を硬化して得られるポリイミドフィルムは、無色透明であるとともに線膨張係数が低く、さらに伸度に優れ、当該ポリイミドフィルムに無機膜を形成した積層体は、Hazeが小さく、水蒸気透過率に優れることが確認された。