【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために本発明は以下の構成を提供する。なお括弧内の数字は後述する図面中の符号であり、参考のために付するものである。
【0009】
本発明の一態様は、フランジ高さ(H)の異なる鋼矢板を把持するためのバイブロハンマの把持装置(10)であって、
(a)固定爪(11)と、鋼矢板のフランジ高さ方向に駆動可能な可動爪(12)とをそれぞれ具備しかつ鋼矢板のピッチ幅方向に離間して位置する2つのチャック(1A,1B)と、
(b)前記2つのチャック(1A,1B)の上方に位置するアダプタ(3)と、
(c)前記2つのチャック(1A,1B)の各々を前記アダプタ(3)の底板(32)に固定するための固定手段と、を備え、前記固定手段は、
(c1)前記2つのチャック(1A,1B)の各々の上面に設けられかつフランジ高さ方向に延在するレール溝(24)を具備するスライドベース(21)と、
(c2)前記レール溝(24)にヘッド部(22a)が脱落不能に挿入されかつ螺子部(22b)が該レール溝(24)から上方に突出する複数のボルト(22)と、
(c3)前記アダプタ(3)の底板(32)に穿設された複数の孔(35)と、
(c4)前記複数の孔(35)を貫通した前記複数のボルト(22)とそれぞれ締結される複数のナット(23)と、を具備し、
(c5)前記アダプタ(3)の前記底板(32)に穿設された複数の孔(35)は、フランジ高さ方向に沿った1つの列に前記複数のボルト(22)より多い数の孔(35)が配置されており、
(d)フランジ高さ方向において、前記アダプタ(3)に対する前記2つのチャック(1A,1B)の固定位置をそれぞれ変更することにより、フランジ高さ(H)の異なる鋼矢板の2箇所のウェブを把持可能であることを特徴とする。
【0010】
上記態様において、前記アダプタ(3)の底板(32")に穿設された複数の孔(35)の列が、さらにピッチ幅方向に複数列配置されており、ピッチ幅方向において、前記アダプタ(3)に対する前記2つのチャック(1A,1B)の固定位置を変更することにより、ピッチ幅(W)の異なる鋼矢板の2箇所のウェブを把持可能であるようにできる。
【0011】
本発明の別の態様は、フランジ高さ(H)の異なる鋼矢板を把持するためのバイブロハンマの把持装置(10)であって、
(a)固定爪(11)と、鋼矢板のフランジ高さ方向に駆動可能な可動爪(12)とをそれぞれ具備しかつ鋼矢板のピッチ幅方向に離間して位置する2つのチャック(1A',1B')と、
(b)前記2つのチャック(1A',1B')の上方に位置するアダプタ(3)と、
(c)前記2つのチャック(1A',1B')の各々を前記アダプタ(3)の底板(32)に固定するための固定手段と、を備え、前記固定手段は、
(c1)複数のボルト(27
A)と、
(c2)前記アダプタ(3)の底板(32)に穿設された複数の孔(35)と、
(c3)前記2つのチャック(1A',1B')の各々の上面に形成され前記複数の孔(35)を貫通した前記複数のボルト(27
A)がそれぞれ締結される複数の螺子穴(13A)と、を具備し、
(c4)前記アダプタ(3)の底板(32)に穿設された複数の孔(35)は、フランジ高さに沿った1つの列に前記複数のボルト(27
A)より多い数の孔(35)が配置されており、
(d)フランジ高さ方向において、前記アダプタ(3)に対する前記2つのチャック(1A',1B')の固定位置を変更することにより、フランジ高さ(H)の異なる鋼矢板の2箇所のウェブを把持可能であることを特徴とする。
【0012】
本発明のさらに別の態様は、ピッチ幅(W)の異なる鋼矢板を把持するためのバイブロハンマの把持装置(10)であって、
(a)固定爪(11)と、鋼矢板のフランジ高さ方向に駆動可能な可動爪(12)とをそれぞれ具備しかつ鋼矢板のピッチ幅方向に離間して位置する2つのチャック(1A',1B')と、
(b)前記2つのチャック(1A',1B')の上方に位置するアダプタ(3)と、
(c)前記2つのチャック(1A',1B')の各々を前記アダプタ(3)の底板(32')に固定するための固定手段と、を備え、前記固定手段は、
(c1)複数のボルト(27
A)と、
(c2)前記アダプタ(3)の前記底板(32')に穿設された複数の孔(35)と、
(c3)前記2つのチャック(1A',1B')の各々の上面に形成され前記複数の孔(35)を貫通した前記複数のボルト(27
A)がそれぞれ締結される複数の螺子穴(13A)と、を具備し、
(c4)前記アダプタ(3)の底板(32')に穿設された複数の孔(35)は、フランジ高さ方向に沿った1つの列に前記複数のボルト(27
A)と同数の孔(35)が配置され、さらにピッチ幅方向に複数列配置されており、
(d)ピッチ幅方向において、前記アダプタ(3)に対する前記2つのチャック(1A',1B')の固定位置を変更することにより、ピッチ幅(W)の異なる鋼矢板の2箇所のウェブを把持可能であることを特徴とする。
【0013】
本発明のさらに別の態様は、フランジ高さ(H)及び/又はピッチ幅(W)の異なる鋼矢板を把持するためのバイブロハンマの把持装置(10)であって、
(a)固定爪(11)と、鋼矢板のフランジ高さ方向に駆動可能な可動爪(12)とをそれぞれ具備しかつ鋼矢板のピッチ幅方向に離間して位置する2つのチャック(1A',1B')と、
(b)前記2つのチャック(1A',1B')の上方に位置するアダプタ(3)と、
(c)前記2つのチャック(1A',1B')の各々を前記アダプタ(3)の底板(32")に固定するための固定手段と、を備え、前記固定手段は、
(c1)複数のボルト(2
7A)と、
(c2)前記アダプタ(3)の前記底板(32")に穿設された複数の孔(35)と、
(c3)前記2つのチャック(1A',1B')の各々の上面に形成され前記複数の孔(35)を貫通した前記複数のボルト(2
7A)がそれぞれ締結される複数の螺子穴(13A)と、を具備し、
(c4)前記アダプタ(3)の前記底板(32")に穿設された複数の孔(35)は、フランジ高さ方向に沿った1つの列に前記複数のボルト(27
A)より多い数の孔(35)が配置され、さらにピッチ幅方向に複数列配置されており、
(d)フランジ高さ方向及び/又はピッチ幅方向において、前記アダプタ(3)に対する前記2つのチャック(1A',1B')の固定位置を変更することにより、フランジ高さ(H)及び/又はピッチ幅(W)の異なる鋼矢板の2箇所のウェブを把持可能であることを特徴とする。
【0014】
上記いずれかの態様において、前記2つのチャック(1A,1B)
又は前記2つのチャック(1A',1B')において、2つのチャックの一方を下側に他方を上側にして前記把持装置(10)を載置した際に、該2つのチャッ
クの互いに対向する側面同士の間に連結される着脱式ストッパ(4)を備え、前記着脱式ストッパ(4)は、所定の範囲で上下方向に伸縮可能であるようにできる。
【0015】
本発明のさらに別の態様は、上記いずれかのバイブロハンマの把持装置(10)を用いて鋼矢板(SP)の2箇所のウェブを把持し、鋼矢板(SP)の打ち込み又は引き抜きを行うことを特徴とする鋼矢板の施工方法である。