(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記台車選択部で選択された台車に、前記取得した製番情報の乗りかごの製造に用いる種類および数の補強部材がすべて積載されたか否かを判断する積載完了判断部をさらに備え、
前記支援情報生成部は、前記積載完了判断部で前記補強部材がすべて積載されたと判断すると、前記補強部材を運搬する作業者に通知するための積載完了通知を、補強部材の運搬作業のための支援情報として生成する
ことを特徴とする、請求項1に記載のエレベータの乗りかごに用いる補強部材の運搬作業支援システム。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態による運搬作業支援システムの構成を示す全体図。
【
図2】第1実施形態による運搬作業支援システムの構成を示すブロック図。
【
図3】第1実施形態〜第4実施形態による運搬作業支援システムの集中管理装置の補強部材情報記憶部に記憶される情報の一例。
【
図4】第1実施形態〜第4実施形態による運搬作業支援システムの集中管理装置の台車情報記憶部に記憶される情報の一例。
【
図5】第1実施形態による運搬作業支援システムの動作を示すシーケンス図。
【
図6】第2実施形態による運搬作業支援システムの構成を示すブロック図。
【
図7】第2実施形態による運搬作業支援システムの集中管理装置の補強部材情報記憶部に記憶される情報の一例。
【
図8】第2実施形態による運搬作業支援システムの動作を示すシーケンス図。
【
図9】第2実施形態による運搬作業支援システムの荷重計に台車が載っている状態を示す外観斜視図。
【
図10】第3実施形態による運搬作業支援システムの構成を示すブロック図。
【
図11】第3実施形態による運搬作業支援システムの台車および台車を撮影するカメラ装置を示す外観斜視図。
【
図12】第3実施形態による運搬作業支援システムの動作を示すシーケンス図。
【
図13】第3実施形態による運搬作業支援システムの台車および台車を撮影する3Dスキャナを示す外観斜視図。
【
図14】第4実施形態による運搬作業支援システムの構成を示すブロック図。
【
図15】第4実施形態による運搬作業支援システムの動作を示すシーケンス図。
【
図16】第4実施形態による搬作業支援システムの台車が積載完了台車置き場にある状態を示す外観斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
エレベータの乗りかごの製造現場には、作業内容ごとに独立した複数の作業エリアが設けられている。作業エリアとしては例えば、乗りかごの側板や天井を構成するパネルの補強部材を加工する補強部材加工エリアや、加工した補強部材をパネルに接合するパネル接合エリア等がある。以下の実施形態では、補強部材加工エリアで加工された補強部材を、次工程の作業場所であるパネル接合エリアに作業者が運搬する際の作業を支援するためのシステムについて説明する。
【0011】
《第1実施形態》
〈第1実施形態による運搬作業支援システムの構成〉
本発明の第1実施形態による、エレベータの乗りかごに用いる補強部材の運搬作業支援システムの構成について、
図1を参照して説明する。本実施形態による運搬作業支援システム1Aは、エレベータの乗りかごの製造現場内の補強部材加工エリアXの近傍に設置された第1作業エリア端末10Aと、当該製造現場の管理を行う管理室等に設置され、第1作業エリア端末10に接続された集中管理装置20Aとを備える。第1作業エリア端末10Aと集中管理装置20Aとの通信接続は、有線であっても無線であってもよい。製造現場の補強部材加工エリアXの近傍には、加工された補強部材を作業者がパネル接合エリアYに運搬する際に利用する複数種類の台車が置かれた台車置き場Zがある。台車置き場Zには、第1台車30−1〜第6台車30−6の置き場である第1台車置き場Z1〜第6台車置き場Z6が設けられている。第1台車30−1〜第6台車30−6にはそれぞれ、周辺の作業者から注意をひくための警告灯やアラーム報知器で構成される報知装置31−1〜31−6が装着されている。
図1では、第1台車30−1および第2台車30−2が現在使用中であるため台車置き場Zになく、第3台車30−3〜第6台車30−6が現在未使用であり台車置き場Zにある状態を示している。
【0012】
第1作業エリア端末10Aおよび集中管理装置20Aの詳細な構成について、
図2を参照して説明する。本実施形態において第1作業エリア端末10Aは、補強部材加工エリアXで作業する作業者P1の操作により、製造対象の乗りかごの製番情報を入力して集中管理装置20Aに送信する入力部11と、集中管理装置20Aから送信される情報を出力する出力部12とを有する。
【0013】
集中管理装置20Aは、補強部材情報記憶部21と、台車情報記憶部22と、製番情報取得部23と、台車選択部24と、支援情報生成部25とを有する。補強部材情報記憶部21は、乗りかごの製番ごとに予め設定された、製造に用いる補強部材の種類および数の情報を記憶する。台車情報記憶部22は、第1台車30−1〜第6台車30−6それぞれに関する、積載可能な補強部材の種類および数の情報を記憶する。製番情報取得部23は、第1作業エリア端末10Aから送信された、製造対象の乗りかごの製番情報を取得する。台車選択部24は、製番情報取得部23で取得した製番情報と、補強部材情報記憶部21に記憶された情報と、台車情報記憶部22に記憶された情報とに基づいて、取得した製番情報で指定される乗りかごの製造に用いる種類および数の補強部材を積載可能な台車を選択する。支援情報生成部25は、台車選択部24で選択された台車の情報を、補強部材の運搬作業のための支援情報として生成する。
【0014】
〈第1実施形態による運搬作業支援システムの動作〉
次に、本実施形態による運搬作業支援システム1Aの動作について説明する。本実施形態において、補強部材情報記憶部21に記憶されている、乗りかごの製番ごとに予め設定された、製造に用いる補強部材の種類および数の情報の一例を、
図3に示す。
【0015】
図3では、乗りかごの製番01の製造に用いる補強部材は、補強部材a:30個、および補強部材b:20個であり、乗りかごの製番02の製造に用いる補強部材は、補強部材a:20個、および補強部材b:10個であり、乗りかごの製番03の製造に用いる補強部材は、補強部材a:20個、および補強部材b:20個であることが示されている。
【0016】
また、台車情報記憶部22に記憶されている第1台車30−1〜第6台車30−6それぞれに関する、台車の大きさと、積載可能な補強部材の種類および数の情報と、使用状況との一例を、
図4に示す。
図4では、第1台車30−1に関する情報として、台車の大きさが「大」であり、積載可能な補強部材が補強部材a:30個および補強部材b:30個であり、現在製番01の乗りかごの製造作業に使用中であることが示されている。また、第2台車30−2に関する情報として、台車の大きさが「大」であり、積載可能な補強部材が補強部材a:30個および補強部材b:30個であり、現在未使用であることが示されている。また、第3台車30−3に関する情報として、台車の大きさが「中」であり、積載可能な補強部材が補強部材a:20個および補強部材b:20個であり、現在製番03の乗りかごの製造作業に使用中であることが示されている。また、第4台車30−4に関する情報として、台車の大きさが「中」であり、積載可能な補強部材が補強部材a:20個および補強部材b:20個であり、現在未使用であることが示されている。また、第5台車30−5および第6台車30−6に関する情報として、台車の大きさが「小」であり、積載可能な補強部材が補強部材a:10個および補強部材b:10個であり、現在未使用であることが示されている。
【0017】
これらの情報が集中管理装置20Aに記憶された状態で、運搬作業支援システム1Aで実行される処理について、
図5のシーケンス図を参照して説明する。まず、補強部材加工エリアXの作業者の操作により、第1作業エリア端末10Aにおいて製造対象の乗りかごの製番情報が入力される。ここでは、製造対象の乗りかごの製番情報として、「製番02」が入力されたものとする。入力された製番情報「製番02」は、第1作業エリア端末10Aから集中管理装置20Aに送信される(S1)。
【0018】
集中管理装置20Aでは、第1作業エリア端末10Aから送信された製番情報「製番02」が製番情報取得部23で取得され、台車選択部24に送出される。台車選択部24では、補強部材情報記憶部21に記憶された情報に基づいて、当該製番情報「製番02」の乗りかごの製造に用いる補強部材が、補強部材a:20個および補強部材b:10個であることが特定される。さらに台車選択部24では、台車情報記憶部22に記憶された情報に基づいて、当該乗りかごの製造に用いる補強部材a:20個および補強部材b:10個を積載可能であり現在未使用の台車が、使用対象として選択される(S2)。ここでは、第4台車30−4が選択されたものとする。
【0019】
次に、支援情報生成部25において、台車選択部24で選択された第4台車30−4の情報が、補強部材の運搬作業のための支援情報として生成され、第1作業エリア端末10Aに送信される(S3)。第1作業エリア端末10Aでは、集中管理装置20Aから送信された支援情報が取得されると、当該支援情報に基づいて、作業に用いる台車が第4台車30−4であることを示す表示情報または音声アナウンス情報により出力される(S4)。
【0020】
出力された情報により、補強部材加工エリアXの作業者P1が、作業に用いる台車が第4台車30−4であることを認識し、台車置き場Zから補強部材加工エリアXに第4台車30−4を持ってくる(S5)。そして、補強部材加工エリアXで補強部材aおよびbを製造し、順次台車に載せる(S6)。必要数の補強部材aおよびbをすべて第4台車30−4に載せ終わると、作業者P1は第4台車30−4の報知装置31−4により報知情報を出力させる操作を行う(S7)。例えば、警告灯を点灯させ、アラームを鳴動させる。
【0021】
報知情報が出力されたことにより、パネル接合エリアYの作業者P2が、第4台車30−4への補強部材の積載作業が完了したことを認識し、補強部材加工エリアXに当該第4台車30−4を取りに行き(S8)、パネル接合エリアYに運搬して次工程の作業に移行する。
【0022】
以上の第1実施形態によれば、乗りかごの製造に用いる補強部材を加工して次工程の作業場所に運搬する際に、該当するすべての補強部材を積載可能な台車の情報を作業者に提供することにより、作業者がスムーズに運搬作業を行うことができるようになる。
【0023】
《第2実施形態》
〈第2実施形態による運搬作業支援システムの構成〉
本発明の第2実施形態による、エレベータの乗りかごに用いる補強部材の運搬作業支援システム1Bは、
図6に示すように、第1作業エリア端末10Bと、集中管理装置20Bと、第1台車30−1〜第6台車30−6にそれぞれ設置された報知装置31−1〜31−6と、補強部材加工エリアXの近傍に設置された荷重計40とを備える。報知装置31−1〜31−6はそれぞれ、周辺の作業者から注意をひくための警告灯やアラーム報知器で構成される。荷重計40は、第1台車30−1〜30−6のいずれかが設置されたときに、その積載物の積載重量を計測する。報知装置31−1〜31−6および荷重計40はそれぞれ、無線通信機能を有している。
【0024】
第1作業エリア端末10Bは、無線通信部13を備える他は、第1実施形態で説明した第1作業エリア端末10Aの構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。無線通信部13は、荷重計40および、補強部材加工エリアX近傍にある台車の報知装置31−1〜31−6との無線通信を行う。
【0025】
集中管理装置20Bは、補強部材総重量算出部26と、台車情報取得部27と、積載完了判断部28とを有する他は、第1実施形態で説明した集中管理装置20Aの構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。本実施形態において、補強部材情報記憶部21には、補強部材の種類ごとの寸法情報、重量情報、および形状を認識するためのCAD情報がさらに記憶されている。また、補強部材総重量算出部26は、製番情報取得部23で取得した製番情報と、補強部材情報記憶部21に記憶された情報と、台車情報記憶部22に記憶された情報とを用いて、取得した製番情報の乗りかごの製造に用いる種類および数の補強部材の総重量を算出する。台車情報取得部27は、第1作業エリア端末10Bで通信中の台車の情報や、台車30−1〜30−6の荷重計40で計測された積載重量の情報を、第1作業エリア端末10Bを介して取得する。積載完了判断部28は、補強部材総重量算出部26で算出された総重量の情報と、台車情報取得部27で取得された積載重量の情報に基づいて、台車選択部24で選択された台車に、製番情報取得部23で取得した製番情報の乗りかごの製造に用いる種類および数の補強部材がすべて積載されたか否かを判断する。また、支援情報生成部25は、積載完了判断部28で補強部材がすべて積載されたと判断すると、補強部材を運搬する作業者に通知するための積載完了通知を、補強部材の運搬作業のための支援情報として生成する。
【0026】
〈第2実施形態による運搬作業支援システムの動作〉
次に、本実施形態による運搬作業支援システム1Bの動作について説明する。本実施形態において補強部材情報記憶部21には、第1実施形態と同様に乗りかごの製番に予め設定された、製造に用いる補強部材の種類および数の情報とともに、
図7に示すような、補強部材の種類ごとの寸法情報、重量情報と、各補強部材のCAD情報が記憶されている。
図7では、補強部材aの縦×横×高さの寸法が2000mm×100mm×100mmであり、重量が2kgであることが示され、また、補強部材bの寸法が500mm×30mm×25mmであり、重量が0.3kgであることが示されている。また、台車情報記憶部22には、第1台車30−1〜第6台車30−6それぞれに関する、積載可能な補強部材の種類、数、寸法、重量、および形状等の情報が記憶されている。
【0027】
これらの情報が集中管理装置20Bに記憶された状態で、運搬作業支援システム1Bで実行される処理について、
図8のシーケンス図を参照して説明する。本実施形態において、第1実施形態の場合と同様に第1作業エリア端末10Bにおいて製造対象の乗りかごの製番情報が入力されると、当該製番情報が集中管理装置20Bに送信され(S11)、集中管理装置20Bにおいて使用対象の台車が選択される。その際、当該乗りかごの製造に用いる補強部材の種類、数、寸法、重量、およびCAD情報による形状の情報に基づいて、積載可能な台車が選択される(S12)。選択された台車の情報(第4台車30−4)は、補強部材の運搬作業のための支援情報として生成され、第1作業エリア端末10Bに送信され(S13)、出力される(S14)。そして、出力された情報により、補強部材加工エリアXの作業者P1が、作業に用いる台車が第4台車30−4であることを認識し、台車置き場Zから補強部材加工エリアXに第4台車30−4を持ってくる(S15)。
【0028】
作業者P1が第4台車30−4を補強部材加工エリアXに持ってきて荷重計40の上に設置すると、第1作業エリア端末10Bの無線通信部13により、当該第4台車30−4に設置されている報知装置31−4が無線接続され、第4台車30−4が検出される(S16)。第4台車30−4が検出されると、当該検出情報が第1作業エリア端末10Bから集中管理装置20Bに送信される。
【0029】
集中管理装置20Bでは、第1作業エリア端末10Bから送信された第4台車30−4の検出情報が台車情報取得部27から取得され、補強部材総重量算出部26に送出される。補強部材総重量算出部26では、補強部材情報記憶部21に記憶された情報と、台車情報記憶部22に記憶された情報とを用いて、ステップS11で取得した製番情報の乗りかごの製造に用いる種類および数の補強部材の総重量が算出される(S17)。
【0030】
一方、作業者P1は、補強部材加工エリアXで補強部材aおよびbを製造し、順次第4台車30−4に載せる(S18)。製造された補強部材aおよびbが第4台車30−4に積載されると、荷重計40においてその積載重量が計測される(S19)。
図9に、荷重計40に載せた第4台車30−4に、補強部材aおよびbを積載した状態を示す。荷重計40で計測された積載重量は、第1作業エリア端末10Bに無線送信され、さらに集中管理装置20Bに送信される。
【0031】
集中管理装置20Bでは、第1作業エリア端末10Bから送信された第4台車30−4の積載重量が台車情報取得部27から取得され、積載完了判断部28に送出される。積載完了判断部28では、ステップS17で算出された総重量の情報と、台車情報取得部27から取得された積載重量の情報に基づいて、当該乗りかごの製造に用いる種類および数の補強部材がすべて第4台車30−4に積載されたか否かが判断される(S20)。具体的には、取得された積載重量が、ステップS17で算出された総重量に達したときに、該当する補強部材がすべて積載されたと判断される。
【0032】
該当する補強部材がすべて積載されたと判断されると(S20の「YES」)、支援情報生成部25において、補強部材を運搬する作業者に通知するための積載完了通知が、補強部材の運搬作業のための支援情報として生成され、第1作業エリア端末10Bを介して第4台車30−4の報知装置31−4に送信される(S21)。報知装置31−4では、取得された報知情報が、警告灯の点灯やアラームの鳴動により出力される(S22)。
【0033】
報知情報が出力されたことにより、パネル接合エリアYの作業者P2が、第4台車30−4への補強部材の積載作業が完了したことを認識し、補強部材加工エリアXに当該第4台車30−4を取りに行き(S23)、パネル接合エリアYに運搬して次工程の作業に移行する。
【0034】
以上の第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、台車への積載重量により補強部材の台車への積載完了を自動で検知して、これをより簡易に次工程の作業者に報知することができる。
【0035】
上述した実施形態においては、集中管理装置に積載完了判断部を設ける場合について説明したが、当該積載完了判断部を第1作業エリア端末または荷重検知器に設けるようにしてもよい。この場合、集中管理装置で算出した補強部材の総重量情報を、第1作業エリア端末または荷重検知器に送信しておくことで、これらの機器で積載完了の判断処理を行うことができる。
【0036】
《第3実施形態》
〈第3実施形態による運搬作業支援システムの構成〉
本発明の第3実施形態による、エレベータの乗りかごに用いる補強部材の運搬作業支援システム1Cは、
図10に示すように、第1作業エリア端末10Cと、集中管理装置20Cと、第1台車30−1〜第6台車30−6にそれぞれ設置された報知装置31−1〜31−6と、補強部材加工エリアXの近傍に設置された複数台(本実施形態では5台)のカメラ装置50−1〜50−5とを備える。カメラ装置50−1〜50−5は、
図11に示すように、補強部材加工エリアX近傍にある台車への補強部材の積載状況を認識できるように、台車の上方向から撮影する位置と上下左右の4方向の側部から撮影する位置とに設置されている。報知装置31−1〜31−6およびカメラ装置50−1〜50−5はそれぞれ、無線通信機能を有している。
【0037】
第1作業エリア端末10Cの無線通信部13は、台車30−1〜30−6のうち、補強部材加工エリアX近傍にある台車の報知装置31−1〜31−6およびカメラ装置50−1〜50−5と無線通信を行う。
【0038】
集中管理装置20Cは、台車情報取得部27と、積載完了判断部28とを有する他は、第1実施形態で説明した集中管理装置20Aの構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。本実施形態において台車情報取得部27は、第1作業エリア端末10Cで検知された台車の情報や、カメラ装置50−1〜50−5で撮影された撮像情報を、第1作業エリア端末10Cを介して取得する。積載完了判断部28は、台車情報取得部27で取得された撮像情報を解析して、台車選択部24で選択された台車に、製番情報取得部23で取得した製番情報の乗りかごの製造に用いる種類および数の補強部材がすべて積載されたか否かを判断する。また、支援情報生成部25は、積載完了判断部28で補強部材がすべて積載されたと判断すると、補強部材を運搬する作業者に通知するための積載完了通知を、補強部材の運搬作業のための支援情報として生成する。
【0039】
〈第3実施形態による運搬作業支援システムの動作〉
次に、本実施形態による運搬作業支援システム1Cの動作について説明する。本実施形態において、第1実施形態と同様に補強部材情報記憶部21および台車情報記憶部22に情報が記憶されている状態で、運搬作業支援システム1Cで実行される処理について、
図12のシーケンス図を参照して説明する。本実施形態において、ステップS31〜S35で実行される処理は、第1実施形態で説明したステップS1〜S5の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0040】
本実施形態において、ステップS35において、使用対象の台車として選択された第4台車30−4を作業者P1が補強部材加工エリアXに持ってくると、第1作業エリア端末10Cの無線通信部13により、当該第4台車30−4に設置されている報知装置31−4が無線接続され、第4台車30−4が検出される(S36)。第4台車30−4が検出されると、当該検出情報が第1作業エリア端末10Cから集中管理装置20Cに送信されるとともに、カメラ装置50−1〜50−5に無線送信される。
【0041】
カメラ装置50−1〜50−5では、第4台車30−4の検出情報が取得されると、当該第4台車30−4の撮影が開始され、撮像情報が所定時間間隔で第1作業エリア端末10Cに無線送信され、さらに集中管理装置20Cに送信される(S37)。
【0042】
集中管理装置20Cでは、第1作業エリア端末10Cから送信された第4台車30−4の検出情報およびカメラ装置50−1〜50−5から送信された第4台車30−4の撮像情報が台車情報取得部27から取得され、積載完了判断部28に送出される。積載完了判断部28では、第4台車30−4の検出情報を取得すると撮像情報の解析が開始され、解析情報に基づいて当該乗りかごの製造に用いる種類および数の補強部材がすべて第4台車30−4に積載されたか否かが判断される(S38)。
【0043】
該当する補強部材がすべて積載されたと判断されると(S38の「YES」)、支援情報生成部25において、補強部材を運搬する作業者に通知するための積載完了通知が、補強部材の運搬作業のための支援情報として生成され、第1作業エリア端末10Cを介して第4台車30−4の報知装置31−4に送信される(S39)。報知装置31−4では、取得された報知情報が、警告灯の点灯やアラームの鳴動により出力される(S40)。
【0044】
報知情報が出力されたことにより、パネル接合エリアYの作業者P2が、第4台車30−4への補強部材の積載作業が完了したことを認識し、補強部材加工エリアXに当該第4台車30−4を取りに行き(S41)、パネル接合エリアYに運搬して次工程の作業に移行する。
【0045】
以上の第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、台車を撮影した撮像情報により補強部材の台車への積載完了を自動で検知して、これをより簡易に次工程の作業者に報知することができる。
【0046】
上述した実施形態においては、台車への補強部材の積載状況を、複数のカメラ装置で異なる方向から撮影した撮像情報を用いて認識する場合について説明したが、
図13に示すように、3Dスキャナ60を用いて認識するようにしてもよい。3Dスキャナ60を用いることにより、上述した第3実施形態のように複数方向からの撮像情報を得るために複数台のカメラ装置を設置する必要がなく、1台の撮像装置で台車の積載状況を正確に認識することができるため、システムの構築が簡易になり省スペース化を図ることができる。
【0047】
上述した第2実施形態または第3実施形態において、補強部材加工エリアXで製造した補強部材の運搬先であるパネル接合エリアYの近傍に、集中管理装置20Bまたは20Cに接続された第2作業エリア端末80を設置してもよい。このように構成することにより、支援情報生成部25で生成された積載完了通知を第2作業エリア端末80から表示または音声アナウンス情報で出力させることができ、さらに確実にパネル接合エリアYの作業者P2に積載作業完了を報知することができる。
【0048】
《第4実施形態》
〈第4実施形態による運搬作業支援システムの構成〉
本発明の第4実施形態による、エレベータの乗りかごに用いる補強部材の運搬作業支援システム1Dは、
図14に示すように、第1作業エリア端末10Dと、集中管理装置20Dと、第1台車30−1〜第6台車30−6にそれぞれ設置された報知装置31−1〜31−6と、補強部材が積載された台車が一時駐車される補強部材加工エリアXの近傍の積載完了台車置き場に設置された台車検知センサ70とを備える。報知装置31−1〜31−6および台車検知センサ70はそれぞれ無線通信機能を有している。台車検知センサ70は、積載完了台車置き場に駐車された台車を検知し、検知した台車の報知装置から報知情報を出力させる。
【0049】
第1作業エリア端末10Dは、第1実施形態で説明した第1作業エリア端末10Aと同様の構成を有し、集中管理装置20Dは集中管理装置20Aと同様の構成を有するため、これらの装置の各機能部の詳細な説明は省略する。
【0050】
〈第4実施形態による運搬作業支援システムの動作〉
次に、本実施形態による運搬作業支援システム1Dの動作について説明する。本実施形態において、第1実施形態と同様に補強部材情報記憶部21および台車情報記憶部22に情報が記憶されている状態で、運搬作業支援システム1Dで実行される処理について、
図15のシーケンス図を参照して説明する。本実施形態において、ステップS51〜S56で実行される処理は、第1実施形態で説明したステップS1〜S6の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0051】
ステップS56において必要数の補強部材aおよびbをすべて第4台車30−4に載せ終わると、作業者P1は第4台車30−4を、
図16に示すように積載完了台車置き場に移動させる(S57)。積載完了台車置き場に第4台車30−4が駐車されると、台車検知センサ70で第4台車30−4が検知され、検知情報が第4台車30−4の報知装置31−4に送信される(S58)。報知装置31−4では、取得された報知情報が、警告灯の点灯やアラームの鳴動により出力される(S59)。
【0052】
以上の第4実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、補強部材を積載した台車を、作業員が所定の積載完了台車置き場に移動させ報知情報を出力させることにより、次工程の作業員に補強部材の積載作業完了を報知することができる。
【0053】
上述した第4実施形態において、補強部材加工エリアXで行う補強部材の加工作業の次工程の作業を行うパネル接合エリアYの近傍に、台車検知センサ70に無線接続される第2作業エリア端末80を設置してもよい。このように構成することにより、台車検知センサ70で検知された台車の情報を第2作業エリア端末80から表示または音声アナウンス情報で出力させることができ、さらに確実にパネル接合エリアYの作業者P2に積載作業完了を報知することができる。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【課題】 エレベータの乗りかごの製造に用いるために加工された補強部材を、効率よく次工程の作業場所に運搬する作業を支援するための、エレベータの乗りかごに用いる補強部材の運搬作業支援システムを提供する。
【解決手段】 実施形態によれば運搬作業支援システムは、補強部材情報記憶部と台車情報記憶部と製番情報取得部と支援情報生成部とを備える。台車選択部は、製番情報取得部で取得した製番情報と、補強部材情報記憶部に記憶された情報と、台車情報記憶部に記憶された情報とに基づいて、取得した製番情報の乗りかごの製造に用いる種類および数の補強部材を積載可能な台車を選択する。支援情報生成部は、台車選択部で選択された台車の情報を、補強部材の運搬作業のための支援情報として生成する。