(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被収容物を収容し、被収容物を取り出す開口を有する略直方体形状の収容部と、前記開口の後側開口縁にヒンジを介して回動可能に連結され、前記開口を開閉する蓋部と、を含むヒンジリッドパッケージであって、
前記収容部の下側に設けられ、前記被収容物を載置し、前記蓋部の開閉に連動して昇降する昇降部と、
前記蓋部と前記昇降部とを連結し、前記蓋部の開閉に連動して前記昇降部を昇降させる連結部と、
前記蓋部と連なり下側に延出する舌状片であって、前記連結部と接し、前記蓋部の開閉に連動して前記連結部の昇降を補助する舌状片と、を備えるヒンジリッドパッケージ。
前記昇降部は、被収容物を複数列に分けて収容する小箱であって、前記蓋部の開閉に連動して列毎に昇降する小箱と、前記小箱を前後方向に接続する接続部と、を有する、請求項1から4の何れか1項に記載のヒンジリッドパッケージ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術として、蓋の開閉に連動してシガレット束がリフトアップするものが存在する。このような従来技術では、蓋を開閉するだけで、シガレット束がリフトアップされるため、シガレットをパッケージから容易に取り出すことができる。但し、このような従来技術は、リフトアップできる範囲が小さい、構造上又は強度上安定的にリフトアップしないといった課題も存在した。また、蓋の開閉とは異なる操作によってシガレット束をリフトアップする従来技術が存在する。但し、このような従来技術では、蓋の開閉動作とは別にリフトアップするための操作を行わなければならない。なお、上記課題は、シガレットを収容するパッケージに限らず、被収容物を収容するパッケージにおいても存在する。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑み、蓋の開閉に連動して、被収容物を昇降できる新たなヒンジリッドパッケージに関する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するため、蓋の開閉に連動して昇降する連結部の昇降を補助する舌状片を設けることとした。
【0008】
詳細には、本発明は、被収容物を収容し、被収容物を取り出す開口を有する略直方体形状の収容部と、前記開口の後側開口縁にヒンジを介して回動可能に連結され、前記開口を開閉する蓋部と、を含むヒンジリッドパッケージであって、前記収容部の下側に設けられ、前記被収容物を載置し、前記蓋部の開閉に連動して昇降する昇降部と、前記蓋部と前記昇降部とを連結し、前記蓋部の開閉に連動して前記昇降部を昇降させる連結部と、前記蓋部と連なり下側に延出する舌状片であって、前記連結部と接し、前記蓋部の開閉に連動して前記連結部の昇降を補助する舌状片と、を備えるヒンジリッドパッケージである。
【0009】
本発明に係るヒンジリッドパッケージは、被収容物を載置する昇降部が蓋部の開閉に連動して昇降する。そのため、蓋部を開閉するだけで、換言すると、昇降するための操作を別途行うことなく、被収容物が昇降するので、被収容物をヒンジリッドパッケージから容易に取り出すことができる。また、本発明に係るヒンジリッドパッケージは、舌状片を備えることで、蓋部の開閉に連動してリフトアップする従来のパッケージと比較して、強度も向上し、安定的に昇降部を昇降することができる。単に、蓋部と昇降部を連結して昇降部を昇降させる構成では、蓋部と昇降部を連結する部分に負荷が集中するが、本発明では舌状片で昇降を補助することで、負荷が分散される。その結果、強度も向上し、昇降部の安定的な昇降が可能となる。また、舌状片の長さを調整することで、昇降の移動範囲を調整することができる。したがって、例えば、舌状片の長さを調整して、従来のパッケージよりも昇降の移動範囲を大きくすることができる。
【0010】
昇降部は、被収容物を載置して蓋部の開閉に連動して昇降できればよい。したがって、昇降部は、上昇した際に後側が高くなる傾斜面によって構成してもよく、また上昇した際に後方に向けて段階的に高くなる構成でもよい。また、舌状片は、連結部と接して連結部の昇降を補助できればよい。舌状片の位置、大きさ、形状、数等は、特に限定されない。
【0011】
ここで、舌状片は、連結部と接し、蓋部を開閉する際、舌状片の先端で連結部を押しながら、連結部の昇降を補助することができる。但し、連結部の前側には収容部に収容された被収容物が存在している。したがって、特に収容部が被収容物で満たされている場合、連結部が被収容物と舌状片に挟まれ、連結部の昇降が被収容物との干渉によって妨げられることが想定される。そこで、本発明では、蓋部を開閉する際、ヒンジを後側に逃がすようにしてもよい。
【0012】
具体的には、本発明に係るヒンジリッドパッケージは、前記収容部の後側角部に沿って設けられ、前記ヒンジから下側に延出する切り込みを更に備える構成としてもよい。これにより、蓋部を開閉する際、ヒンジを後側に逃がすことができ、連結部と被収容物との干渉を抑制することができる。
【0013】
具体的には、本発明に係るヒンジリッドパッケージは、前記ヒンジの下側に設けられた第2ヒンジと、前記収容部の後側角部に沿って設けられ、前記ヒンジから前記第2ヒンジ側に延出する切り込みと、を更に備える構成とすることができる。
【0014】
これにより、蓋部を開閉する際、ヒンジを後側に更に逃がすことができ、連結部と被収容物との干渉を抑制することができる。その結果、蓋部の開閉に連動して、より円滑に昇降部を昇降することができる。切り込みは、第2ヒンジまで延出していることが好ましいが、第2ヒンジよりも下側まで延出していてもよい。また、第2ヒンジを設けず、切り込みだけ設けてもよい。この場合、蓋を開閉する際、ヒンジを後方に逃がす機能は第二ヒンジを設けたときに比べ劣るが、より簡易にパッケージの組み立てを行うことができる。
【0015】
また、本発明に係るヒンジリッドパッケージでは、被収容物が上昇するため、蓋部を閉じる際、蓋部が被収容物の上側端部と干渉し、蓋部の開閉が妨げられることが想定される。そこで、本発明では、更に、ヒンジと切り込みを設けるようにしてもよい。
【0016】
具体的には、本発明に係るヒンジリッドパッケージは、前記ヒンジの上側に設けられた第3ヒンジと、前記蓋部の後側角部に沿って設けられ、前記ヒンジから前記第3ヒンジ側に延出する切り込みと、を更に備える構成でもよい。
【0017】
これにより、蓋部の開度をより大きくすることができ、蓋部と被収容物との干渉を抑制し、蓋部の開閉を更に円滑に行うことができる。その結果、被収容物をパッケージから更に容易に取り出すことができる。
【0018】
また、前記昇降部は、被収容物を複数列に分けて収容する小箱であって、前記蓋部の開閉に連動して列毎に昇降する小箱と、前記小箱を前後方向に接続する接続部とを有する構成でもよい。これにより、列毎で被収容物を昇降することができる。また、小箱同士が接続部で接続されており、蓋部の開閉に連動して、複数の小箱を昇降させることができる。
【0019】
ここで、小箱内の被収容物の数が少なくなると、例えば、被収容物が斜めになることがある。この場合、小箱が上昇しても被収容物の上側端部が突出しないことから、小箱が上昇しても被収容物の上側端部を摘めないことがある。そこで、前記小箱は、被収容物の移動を抑制する小片を有する構成でもよい。これにより、仮に被収容物の数が少なくなった場合でも、被収容物の移動が抑制され、例えば非収容物が斜めになることが低減される。その結果、被収容物の数が減った場合でも、被収容物の取り易さを維持することができる。
【0020】
また、本発明に係るヒンジリッドパッケージは、収容部が蓋部の開閉を規制する爪部を更に有する構成としてもよい。これにより、蓋部の開閉を規制することができる。
【0021】
ここで、上述したように、従来技術では、被収容物の数が減ると、被収容物を容易に取り出すことができないといった課題が存在する。
【0022】
そこで、本発明は、このような課題を解決するものとして特定することもできる。詳細には、本発明は、被収容物を収容し、被収容物を取り出す開口を有する略直方体形状の収容部と、前記開口を少なくとも覆う蓋部と、を含むパッケージであって、前記被収容物を複数列に分けて収容し、列毎に昇降する小箱と、前記小箱を列が連なる前後方向に接続し、かつ、当該小箱の上昇に伴い、小箱同士の間に間隔を形成する接続部と、を有する昇降部と、前記昇降部と連結し、当該昇降部を昇降させる連結部と、を備えるパッケージである。
【0023】
本発明に係るパッケージは、昇降部が列毎で区分けされている。そのため、被収容物の数が減った場合でも、昇降部が区分けされていない場合と比較すると、被収容物の移動範囲を少なくすることができる。その結果、本発明に係るパッケージは、被収容物の数が減った場合でも、被収容物が斜めになるようなことが低減される。つまり、本発明に係るパッケージでは、被収容物を収容する小箱が列毎で昇降し、更に、被収容物が小箱に収容されることで移動範囲が少なくなるため、被収容物をパッケージから容易に取り出すことができる。また、小箱同士が接続部で接続されており、連結部の昇降に連動して、複数の小箱を昇降させることができる。更に、接続部によって、小箱同士の間に間隔を形成することができ、被収容物同士が前後方向において離間するため掴み易くなる。そのため、小箱同士が接近している場合と比較して、被収容物をパッケージから容易に取り出すことができる。
【0024】
ここで、前記昇降部は、前記小箱が上昇する際、各小箱に収容される被収容物同士の前記前後方向の間隔が、当該被収容物の上側になるにつれて徐々に広がるように昇降することができる。換言すると、小箱に収容された被収容物は、側面視扇状に広がるように上昇することができる。本発明に係るパッケージでは、列毎に小箱が上昇することに加えて、前後方向の間隔が広がることから、被収容物の上側が非常に掴み易く、小箱に収容されている被収容物を容易に取り出すことができる。
【0025】
また、前記被収容物同士の間隔は、前記接続部の前記前後方向の長さによって定めることができる。例えば、接続部の前記前後方向の長さを長くすることで、被収容物同士の間隔を長くすることができる。接続部の前記前後方向の長さは、被収容物の大きさ、形状、被収容物の主なユーザ層等に応じて適宜設計することができる。
【0026】
また、前記連結部は、前記昇降部と前記蓋部とを連結し、前記蓋部の開閉に連動して前記昇降部を昇降させるようにしてもよい。連結部は、昇降部と蓋部とを連結することで、蓋部の開閉に連動して昇降部を昇降させることができる。つまり、蓋部を開閉するだけで、換言すると、昇降するための操作を別途行うことなく、被収容物が昇降するので、被収容物をパッケージから容易に取り出すことができる。
【0027】
前記接続部は、前後の小箱の上縁同士を接続することができる。また、前記接続部は、前後の小箱の下縁同士を接続することもできる。更に、前記接続部は、前後の小箱の上縁、又は下縁以外の領域同士を接続することもできる。小箱同士の接続位置は特に限定されないが、前後の小箱の上縁同士を接続することで、前後方向における被収容物の間隔をより効率よく広げることができる。また、小箱の上縁同士を接続することで、小箱の前後方向の広がりを規制することができる。例えば、複数の接続部の前後方向の長さを統一することで、小箱同士を同一間隔で広げることができる。その結果、小箱を側面視扇状に広げた際の美観をより向上することができる。
【0028】
また、前記収容部は、前記昇降部が上昇した際、被収容物が前側に傾斜するよう、前側の少なくとも一部が開口し、前記蓋部は、前記収容部の開口を覆うようにしてもよい。収容部の前側の一部(例えば、上部)を開口することで、被収容物の取り出しが容易になり、また、前後方向における被収容物の間隔が広がり易くなる。その結果、被収容物をパッケージから更に容易に取り出すことができる。
【0029】
また、本発明に係るパッケージは、前記収容部の前側角部に沿って設けられ、前記前側の開口の縁から下側に延出する切り込みを更に備える構成としてもよい。これにより、前後方向における被収容物の間隔が広がり易くなり、その結果、被収容物をパッケージから更に容易に取り出すことができる。
【0030】
また、本発明に係るパッケージは、前記蓋部と連なり、下側に延出する舌状片であって、前記連結部と接し、前記蓋部の開閉に連動して前記連結部の昇降を補助する舌状片を更に備える構成としてもよい。
【0031】
本発明に係るパッケージは、舌状片を備えることで、従来の蓋部の開閉に連動してリフトアップするパッケージと比較して、強度も向上し、安定的に昇降部を昇降することができる。単に、蓋部と昇降部を連結して昇降部を昇降させる構成では、蓋部と昇降部を連結する部分に負荷が集中するが、舌状片が昇降を補助することで、負荷も分散される。その結果、強度も向上し、昇降部の安定的な昇降が可能となる。また、舌状片の長さを調整することで、昇降の移動範囲を調整することができ、例えば従来のパッケージよりも昇降の移動範囲を大きくすることができる。
【0032】
ここで、舌状片は、連結部と接し、蓋部を開閉する際、舌状片の先端で連結部を押しながら、連結部の昇降を補助することができる。但し、連結部の前側には収容部に収容された被収容物が存在している。したがって、特に収容部が被収容物で満たされている場合、連結部が被収容物と舌状片に挟まれ、連結部の昇降が被収容物との干渉によって妨げられることが想定される。そこで、本発明は、蓋部を開閉する際、ヒンジを後側に逃がすようにしてもよい。
【0033】
具体的には、本発明に係るパッケージは、前記ヒンジの下側に設けられた第2ヒンジと、前記収容部の後側角部に沿って設けられ、前記ヒンジから前記第2ヒンジ側に延出する切り込みと、を更に備える構成とすることができる。
【0034】
これにより、蓋部を開閉する際、ヒンジを後側に逃がすことができ、連結部と被収容物との干渉を抑制することができる。その結果、蓋部の開閉に連動して、より円滑に昇降部を昇降することができる。切り込みは、第2ヒンジまで延出していることが好ましいが、第2ヒンジよりも下側まで延出していてもよい。また、第2ヒンジを設けず、切り込みだけ設けてもよい。この場合は蓋を開閉する際、ヒンジを後方に逃がす機能は第二ヒンジを設けたときに比べ劣るが、より簡易にパッケージの組み立てを行うことができる。
【0035】
また、本発明に係るパッケージでは、被収容物が上昇するため、蓋部を閉じる際、蓋部が被収容物の上側端部と干渉し、蓋部の開閉が妨げられることが想定される。そこで、本発明では、更に、ヒンジと切り込みを設けるようにしてもよい。
【0036】
具体的には、本発明に係るパッケージは、前記ヒンジの上側に設けられた第3ヒンジと、前記蓋部の後側角部に沿って設けられ、前記ヒンジから前記第3ヒンジ側に延出する切り込みと、を更に備える構成でもよい。
【0037】
これにより、蓋部の開度をより大きくすることができ、蓋部と被収容物との干渉を抑制し、蓋部の開閉を更に円滑に行うことができる。その結果、被収容物をパッケージから更に容易に取り出すことができる。
【0038】
また、本発明に係るパッケージは、収容部が蓋部の開閉を規制する爪部を更に有する構成としてもよい。これにより、蓋部の開閉を規制することができる。
【0039】
なお、本発明は、上述した昇降部を含む昇降装置として特定することもできる。例えば、本発明は、被収容物を複数列に分けて収容し、列毎に昇降する小箱と、前記小箱を列が連なる前後方向に接続し、かつ、当該小箱の上昇に伴い、小箱同士の間に間隔を形成する接続部と、を有する昇降部と、昇降部と連結し、当該昇降部を昇降させる連結部とを備える昇降装置である。
【0040】
ヒンジリッドパッケージの収容部に収容する被収容物は特に限定されるものではないが、棒状物品の集合体、例えばたばこ商品を被収容物として好適に例示できる。すなわち、本発明に係る被収容物はたばこ商品であってもよい。なお、たばこ商品とは、例えば紙巻たばこ(フィルタシガレット、両切たばこ(フィルタ無し))、シガー(葉巻)、シガリロ、スヌース、嗅ぎたばこ、チューイングたばこ、電子たばこ等が例示できる。
【0041】
なお、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて採用することができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、蓋の開閉に連動して、被収容物を昇降できる新たなヒンジリッドパッケージに関する技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0044】
次に、本発明に係るヒンジリッドパッケージの実施形態について、図面に基づいて説明する。本発明が適用されるヒンジリッドパッケージに収容する被収容物は特定のものに限定されないが、ここでは、フィルタシガレットや両切シガレット等のたばこ商品をパッケージに収容する場合を例に説明する。また、本実施形態に記載されている構成要素の、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0045】
<第1実施形態>
<<構成>>
第1実施形態に係るヒンジリッドパッケージ(以下、単に“パッケージ”という)101は、略直方体形状を有する所謂ヒンジ蓋付きボックス型パッケージである。パッケージ101は、収容部としてのパッケージ本体1と、パッケージ本体1に第1ヒンジH1を介して回動自在に連結される蓋部としてのリッド2と、内部にリッド2の開閉に連動して昇降する昇降部としての小箱3と、リッド2と小箱3とを連結する連結部としての連結プレート4と、連結プレート4の昇降を補助する補助部としての舌状片5とを主な構成とする。以下、本明細書では、特に言及する場合を除いて、パッケージ100aの正面側を“前方”と定義し、背面側を“後方”と定義する。また、パッケージ100aのリッド側を“上方”と定義し、反対側(パッケージの底側)を“下方”と定義する。また、パッケージ100aの側壁側を“側方”又は“横方向”と定義する。第1実施形態に係るパッケージ101は、例えば紙材、又は樹脂によって構成することができるが、これには限定されない。
【0046】
<<パッケージ本体>>
パッケージ本体1は、シガレット6を収容するもので、直方体形状の上端側が斜めに切り欠かれた形状を有する箱体である。パッケージ本体1は、パッケージ本体の前壁11、パッケージ本体の後壁12、パッケージ本体の側壁13、パッケージ本体の下壁14を有する。パッケージ本体の前壁11及びパッケージ本体の後壁12は夫々長方形であり、パッケージ本体の前壁11はパッケージ本体の後壁12に比べて高さ寸法が長尺の長方形であり、パッケージ本体の後壁12と対向している。一組のパッケージ本体の側壁13は、パッケージ本体の前壁11及びパッケージ本体の後壁12の両側縁と連結され、長方形の上端が斜辺となった台形状である。すなわち、パッケージ本体の側壁13の上端縁131は、パッケージ本体の前壁11の上端とパッケージ本体の後壁12の上端とを結ぶように傾斜している。パッケージ本体の下壁14は、長方形であり、パッケージ本体の前壁11及びパッケージ本体の後壁12の下端に連結されている。また、パッケージ本体の後壁12には、第1ヒンジH1、舌状片5、第2ヒンジH2、切り込み7が形成されている。
【0047】
第1ヒンジH1は、パッケージ本体の後壁12とリッドの後壁22との境界に形成され、後部間に亘って延伸し、パッケージ本体の後壁12とリッド2とを相互に回動自在に連結している。
【0048】
舌状片5は、第1ヒンジH1の中央付近から下方に向けて形成されている。舌状片5は、パッケージ本体の後壁12を第1ヒンジH1の中央付近でU字状に切り欠くことで形成されている。舌状片5は、リッドの後壁22と連なっており、リッド2の開閉に連動して回動し、先端が昇降する。また、舌状片5は、内面が連結プレート4の外面と接している。そのため、舌状片5がリッド2の開閉に連動して回動すると、舌状片5と接する連結プレート4も舌状片5の動きに連動して昇降する。本実施形態の舌状片5は、下端縁が湾曲している。但し、舌状片5の形状は、特に限定されず、例えば矩形状でもよい。
【0049】
第2ヒンジH2は、第1ヒンジH1及び舌状片5よりも下方で、後部間に亘って延伸している。第2ヒンジH2は、リッド2の回動軸の一つとして機能するとともに、リッド2の開閉時、第1ヒンジH1を後方に逃がす。
【0050】
切り込み7は、パッケージ本体の後壁とパッケージ本体の側壁13との間に形成される角部のうち、第1ヒンジH1から第2ヒンジH2まで形成されている(例えば、
図2A参照)。切り込み7は、リッド2の開閉時、第2ヒンジH2とともに第1ヒンジH1を後方に逃がす。また、切り込み7は、リッド2の開度をより大きくする機能を担う。
【0051】
以上のように構成されるパッケージ本体1は、上端に開口を備えている。そして、この開口の後側縁に、第1ヒンジH1を介してリッド2が、回動(旋回)自在に接合(連結)されている。
【0052】
<<リッド>>
リッド2は、パッケージ本体1の開口を覆う。リッド2は、第1ヒンジH1に連結されている長方形のリッドの後壁22と、リッドの後壁22に直交するように連結されている長方形のリッドの上壁24と、リッドの上壁24と直交するように連結されている一組の三角形のリッドの側壁23とを有している。リッドの側壁23は、夫々が、リッドの後壁22、リッドの上壁24の各側縁と連結されている。リッド2が開状態では、パッケージ本体1の開口からシガレット6の出し入れが自在となる(例えば、
図3参照)。一方で、リッド2が閉状態では、リッドの側壁23の斜辺、すなわち傾斜する下端縁231とパッケージ本体の側壁13の斜辺、すなわち傾斜する上端縁131とが合致する。また、リッドの上壁24の前側縁241と、パッケージ本体の前壁11の上端縁111とが合致する。その結果、パッケージ本体1の開口がリッド2によって覆われ、パッケージ本体1の内部が閉空間となる。また、本実施形態では、リッドの上壁24の内面のうち、前側縁の近傍かつ中央付近に、下方に向けて僅かに突出するリッドの爪25が形成されている。リッドの爪25は、リッド2が閉状態において、パッケージ本体の前壁11の上端縁111と係合する。これにより、リッド2の閉状態が維持される。
【0053】
<<連結プレート>>
連結プレート4は、リッド2と小箱3とを連結し、リッド2の開閉に連動して小箱3を昇降させる。連結プレート4は、長方形のプレートからなり、一端がリッドの後壁22の内面に接続され、他端が後方小箱33の後壁312に連なっている。また、連結プレート4は、上下方向の中央よりも上側に横方向に延びる直線状の折れ部41が形成されている。より詳細には、折れ部41は、舌状片5の下端縁と合致する位置に形成されている。連結プレート4は、リッド2が閉状態では、平面状である。一方、連結プレート4は、リッド2が開状態では、リッド2が後方に倒れるように、折れ部41で折れ曲がる。なお、連結プレート4を可撓性部材で構成した場合、連結プレート4が撓むことができる。この場合、折れ部41は省略することができる。
【0054】
<<小箱>>
図2A、
図2Bに示すように、小箱3は、前方小箱31、中央小箱32、後方小箱33からなり、各小箱3が接続部8を介して前後方向に相互に接続されている。各小箱3は、シガレット6が横方向に連なるように、シガレット6を列状に収容し、リッド2の開閉に連動して昇降する。
【0055】
前方小箱31は、パッケージ本体の前壁11側に位置し、7本のシガレットを列状に収容する。後方小箱33は、パッケージ本体の後壁12側に位置し、前方小箱31と同じく、7本のシガレットを列状に収容する。中央小箱32は、前方小箱31と後方小箱33に挟まれ、6本のシガレットを列状に収容する。各小箱3は、小箱の前壁311、小箱の後壁312、小箱の側壁313、小箱の下壁314を有する。小箱の前壁311及び小箱の後壁312は、夫々横長の長方形であり、ほぼ同じ面積であり、対向している。小箱の側壁313は、小箱の前壁311及び小箱の後壁312の両側縁と連結され、縦長の長方形である。小箱の下壁314は、長方形であり、小箱の前壁311及び小箱の後壁312の下端縁に連結されている。なお、後方小箱33の後壁312には、上方に延出する、当該後壁312と一体的に形成された連結プレート4が連なっている。
【0056】
小箱の前壁311には、シガレット6の移動を規制するための小片9が一方の小箱の側壁313側に形成されている。この小片9は、小箱の前壁311の幅の半分程度の幅を有し、小箱の内側に突出している。小片9には、幅方向に折れ部91が形成され、小片は折れ部91を中心に湾曲しており、弾性部材として機能する。そして、小片9は、小箱3に収容されるシガレット6を内側に押圧することで、シガレット6の移動を規制する。小箱の後壁312にも、同様の小片9が他方の小箱の側壁313側に形成されている。
【0057】
接続部8は、パッケージ本体の前壁11と前方小箱31とを接続する第1接続部81、前方小箱31と中央小箱32とを接続する第2接続部82、中央小箱32と後方小箱33とを接続する第3接続部83を含む。第1接続部81は、パッケージ本体の前壁11の内面に接続され、パッケージ本体の前壁11と平行なプレート状の前方接続部811と、上端縁が前方小箱31の前壁311の上端縁に接続され、下端縁が前方接続部811の下端縁と接続され、前方小箱31の前壁311と平行な後方接続部812とを備える。後方接続部812の下部は、折畳自在な折畳部813によって形成されている。そのため、後方接続部812は、折畳部813の状態により、上下方向の長さが変化する。折畳部813は、第1山折部814、第1小プレート815、第2山折部816、第2小プレート817、谷折部818を含み、各折部で折れ曲がることで、上下方向の長さが変化する。前方接続部811は、パッケージ本体の前壁11の内面に接続される糊代であり、糊代として機能するために必要な上下方向の長さを有している。後方接続部812の上下方向の長さは前方接続部811の上下方向の長さよりも長い。後方接続部812は、折畳部813が縮んだ状態よりも伸びた状態において、上下方向の長さが長くなる。したがって、第1接続部81の後方接続部812に接続される前方小箱31も上下方向に移動すること、換言すると昇降することが可能となる。第2接続部82、及び第3接続部83は、構成が同じである。第3接続部83を例に説明すると、前方接続部831の上端縁が、中央小箱32の後壁312の上端縁に接続される点で第1接続部81と異なるが、それ以外の構成は同じである。折畳部813が折り畳まれた状態では、後方接続部832の上下方向の長さは前方接続部831の上下方向の長さと同じである。一方、折畳部833が伸びた状態では、後方接続部832の上下方向の長さは前方接続部831の上下方向の長さよりも長くなる。したがって、第3接続部83の後方接続部832に接続される後方小箱33も上下方向に移動すること、換言すると昇降することが可能となる。
【0058】
<<ブランク>>
第1実施形態において、パッケージ101は、パッケージ本体1及びリッド2を成形する第1ブランクB1と、連結プレート4及び小箱3を成形する第2ブランクB2の各所を折り込み、接合することで成形することができる。
図7Aは、第1ブランクB1を示し、
図7Bは、第2ブランクB2を示す。第1ブランクB1,第2ブランクB2にはカード紙、マニラボール紙等の紙材、又はプラスチックシートなどの樹脂を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、ブランクの説明では、図の上下方向を基準に説明する。
【0059】
<<第1ブランクB1>>
図7Aに示すように、第1ブランクB1は、パッケージ本体1となる本体区域R1、リッド2となる蓋区域R2を有している。本体区域R1は、パッケージ本体の前壁11となる本体の前壁パネルP1を有しており、本体の前壁パネルP1の両側縁には、パッケージ本体の側壁13となる本体の側壁パネルP2,P2が連なっている。
【0060】
また、本体の前壁パネルP1の上縁(
図7Aにおける上縁)には、パッケージ本体の下壁14となる本体の下壁(底板)パネルP3が連なっている。本体の下壁パネルP3には、本体の前壁パネルP1とは反対側に位置してパッケージ本体の後壁12となる本体の後壁パネルP4が連なっている。本体の後壁パネルP4の両側縁には、パッケージ本体の側壁13となる本体のインナサイドフラップP5,P5が連なっている。また、本体のインナサイドフラップP5,P5の下縁には、本体のインナボトムフラップP6が連なっており、これら本体のインナボトムフラップP6は本体の下壁パネルP3に重ね合わされ、パッケージ本体の下壁14の補強をなす。また、本体の後壁パネルP4には、第2ヒンジH2となる第2ヒンジラインL2が形成されている。また、本体の後壁パネルP4の両縁には、上縁(後述する第1ヒンジラインL1)から第2ヒンジラインL2まで切り込み7となる直線状の切欠きC1が形成されている。
【0061】
蓋区域R2は、リッドの後壁22となるリッドの後壁パネルP7を有しており、リッドの後壁パネルP7の下縁は、第1ヒンジH1となる第1ヒンジラインL1を介して本体区域R1の本体の後壁パネルP4と連結されている。また、リッドの後壁パネルP7には、舌状片5を形成するU字状の切欠きC2が形成されている。また、蓋区域R2のリッドの後壁パネルP7の上縁には、リッドの上壁24となるリッドの上壁パネルP8が連なっている。リッドの上壁パネルP8の両縁には、リッドの側壁となるリッドの側壁パネルP9,P9が夫々連なっている。また、リッドの後壁パネルP7の両側縁には、リッドの側壁23の一部となるリッドのインナサイドフラップP10が夫々連なっている。そして、リッドのインナサイドフラップP10がリッドの側壁パネルP9に重ね合わされ、リッドの側壁23の補強をなす。
【0062】
更に、リッドの上壁パネルP8の上縁には、折り返されてリッドの上壁24の補強をなす、リッドのインナトップフラップP11が連なっている。リッドのインナボトムフラップP11には、リッドの爪25となる逆U字状の切欠きC3が形成されている。
【0063】
<<第2ブランクB2>>
図7Bに示すように、第2ブランクB2は、接続部8となる接続領域R3−1,R3−2,R3−3、小箱3となる小箱領域R4−1,R4−2,R4−3、連結プレート4となる連結領域R5を有している。これらの領域は、接続領域R3−1、小箱領域R4−1、接続領域R3−2、小箱領域R4−2、接続領域R3−3、小箱領域R4−3、連結領域R5の順に連なっている。
【0064】
接続領域R3−1,R3−2,R3−3は、前方接続部811となる前方接続パネルP21、第1小プレート815となる第1小パネルP22、第2小プレート817となる第2小プレートP23、後方接続部812となる後方接続パネルP24を有する。前方接続パネルP21の上縁に第1小パネルP22が連なり、第1小パネルP22の上縁に第2小パネルP23が連なり、第2小パネルP23の上縁に後方接続パネルP24が連なっている。上記のように構成される接続領域R3−1には、小箱領域R4−1が連なっている。第1接続部81の前方接続部811となる前方接続パネルP21は、第2接続部82及び第3接続部83の前方接続部811となる前方接続パネルP21よりも上下方向の長さが短く形成されている。
【0065】
小箱領域R4−1,R4−2,R4−3は、小箱の前壁311となる小箱の前壁パネルP25を有している。小箱の前壁パネルP25には、小片9となる切欠きC4が形成されている。また、小箱の前壁パネルP25の両側縁には、小箱の側壁313となる小箱の側壁パネルP26,P26が連なっている。また、小箱の前壁パネルP25の上縁には、小箱の下壁314となる小箱の下壁パネルP27が連なっている。また、小箱の下壁パネルP27の上縁には、小箱の後壁312となる小箱の後壁パネルP28が連なっている。この小箱の後壁パネルP28には、小片9となる切欠きC4が形成されている。また、小箱の後壁パネルP28の両側縁には、小箱の側壁313を補強する小箱のインナサイドフラップP29,P29が連なっている。また、小箱のインナサイドフラップP29,P29の下縁には、小箱のインナボトムフラップP30が連なっており、これら小箱のインナボトムフラップP30は小箱の下壁パネルP27に重ね合わされ、小箱の下壁314の補強をなす。
【0066】
連結領域R5は、連結プレート4となる連結パネルP31を有している。連結パネルP31には、直線状の折れ部41となるラインL3が形成されている。
【0067】
上述した第1ブランクB1は、
図7A中破線で示した折り込み線で夫々折り込まれる。その結果、
図1から
図6に示すようなパッケージ本体1とリッド2を含むパッケージ101が成形される。第1ブランクB1の本体区域R1においては、各折り込み線で折り込まれ、本体のインナボトムフラップP6が本体の下壁パネルP3に重ねられ、本体のインナサイドフラップP5が本体の側壁パネルP2に接着されることで、パッケージ本体1が成形される。
【0068】
一方、第1ブランクB1の蓋区域R2においては、各折り込み線で折り込まれ、リッドのインナサイドフラップP10がリッドの側壁パネルP9に接着され、リッドのインナトップフラップP11がリッドの上壁パネルP8に重ねられることで、リッド3が成形される。
【0069】
上述した第2ブランクB2は、
図7B中破線で示した折り込み線で夫々折り込まれる。その結果、
図1から
図6に示すような小箱3、接続部8、連結プレート4が成形される。第2ブランクB2の接続領域R3−1,R3−2,R3−3においては、各折り込み線で折り込まれることで接続部8が成形される。第2ブランクB2の小箱領域R4−1,R4−2,R4−3では、小箱のインナボトムフラップP30が小箱の下壁パネルP27に重ねられ、小箱のインナサイドフラップP29が小箱の側壁パネルP26に接着されることで、小箱3が成形される。
【0070】
図2A、
図2Bに示すように、連結プレート4の上部がリッド2に接着され、第1接続部81の前方接続部811がパッケージ本体の前壁12に接続されることで、パッケージ101が成形される。
【0071】
<<開閉動作>>
次に、パッケージ101におけるリッド2の開閉動作について説明する。以下に説明する動作は、リッド2の開閉に連動して行われる。
【0072】
図1A、
図1Bに示すように、パッケージ101は、リッド2が閉状態では、リッド2がパッケージ本体1の開口を覆っている。パッケージ101に収容されているシガレット6を取り出す必要が無い場合は、通常、パッケージ101は、閉状態である。閉状態では、リッドの爪25がパッケージ本体の前壁11の上端縁と係合しており、リッド2の開閉が規制されている。
【0073】
図3から
図6に示すように、パッケージ101に収容されているシガレット6を取り出す場合、リッド2が開かれる。具体的には、リッドの爪25とパッケージ本体の前壁11の上端縁との係合が解除され、リッド2が回動し始める(
図3(a)、
図4(a)、
図5(a)、
図6(a))。パッケージ101は、第1ヒンジH1と第2ヒンジH2を備えており、リッド2は、第1ヒンジH1と第2ヒンジH2の双方を軸に回動する。
図3(a)、
図4(a)、
図5(a)、
図6(a)に示すように、回動序盤では、リッド2は、第1ヒンジH1よりも、第2ヒンジH2を軸に回動する。リッド2の回動に連動して、連結プレート4が徐々に引き上げられ、上昇し始める。また、リッド2に連動して舌状片5が第1ヒンジH1を軸として回動し始める。その際、舌状片5は、連結プレート4を前方に押しながら、連結プレート4を上昇させる。舌状片5が連結プレート4を前方に押す力の反力により、第1ヒンジH1が後方に徐々に移動する。また、連結プレート4は、リッド2に引き上げられるとともに、舌状片5によって押し上げられる。その結果、連結プレート4がリッド2に連動して上昇し始め、連結プレート4が上昇し始めることで、第3接続部の後方接続部812の折畳部813が伸び始める。その結果、小箱3のうち、まずは、後方小箱33が徐々に上昇し始める。
【0074】
図3(b)、
図4(b)、
図5(b)、
図6(b)に示すように、回動中盤では、リッド2は、第2ヒンジH2よりも、第1ヒンジH1を軸に回動する。リッド2の回動に連動して、連結プレート4が更に引き上げられ、上昇する。また、リッド2に連動して舌状片5が第1ヒンジH1を軸として更に回動する。その際、舌状片5は、連結プレート4を前方に押しながら、連結プレート4を上昇させる。舌状片5が水平になると、連結プレート4を前方に押す力の反力がより強く作用し、第1ヒンジH1が後方に更に移動する。また、連結プレート4は、リッド2に引き上げられるとともに、舌状片5によって更に押し上げられる。その結果、第3接続部の後方接続部812の折畳部813に続いて、第2接続部の後方接続部812の折畳部813も伸び始める。その結果、小箱3のうち、後方小箱33に続いて中央小箱32も徐々に上昇し始める。
【0075】
図3(c)、
図4(c)、
図5(c)、
図6(c)に示すように、回動終盤では、リッド2は、第2ヒンジH2よりも、第1ヒンジH1を軸に回動する。リッド2の回動に連動して、連結プレート4が更に引き上げられ、上昇する。また、リッド2に連動して舌状片5が第1ヒンジH1を軸として更に回動する。その際、舌状片5は、連結プレート4を前方、又は斜め上方に押しながら、連結プレート4を上昇させる。舌状片5が垂直状態から徐々に傾斜し水平状態となり、更に水平状態から徐々に傾斜し始めると、連結プレート4を前方に押す力の反力は徐々に弱まり、リッド2を開くために加えられる下向きの力が第1ヒンジH1を支点として連結プレート4を上昇させる力に変換される。また、連結プレート4は、リッド2に引き上げられるとともに、舌状片5によって更に押し上げられる。その結果、第3接続部の後方接続部812の折畳部813に続いて、第2接続部の後方接続部812の折畳部813、更に、第1接続部の後方接続部812も伸び始める。その結果、全ての小箱3が上昇する。また、後方小箱33が最も高く上昇し、次に、中央小箱32が高く上昇し、最後に、前方小箱31が上昇する。
【0076】
<<効果>>
第1実施形態に係るパッケージ101は、シガレット6を収容する小箱3がリッド2の開閉に連動して昇降する。そのため、リッド2を開閉するだけで、換言すると、昇降するための操作を別途行うことなく、シガレット6が昇降するので、シガレット6をパッケージ101から容易に取り出すことができる。また、実施形態に係るパッケージ101は、舌状片5を備えることで、蓋部の開閉に連動してリフトアップする従来のパッケージと比較して、強度も向上し、安定的に小箱3を昇降することができる。単に、蓋部と昇降部を連結して昇降部を昇降させる構成では、蓋部と昇降部を連結する部分に負荷が集中するが、第1実施形態に係るパッケージ101では、舌状片5で昇降を補助することで、負荷も分散される。その結果、強度も向上し、小箱3の安定的な昇降が可能となる。また、舌状片5の長さと連結プレートの折れ部41の位置を調整することで、昇降の移動範囲を調整することができ、例えば従来のパッケージよりも昇降の移動範囲を大きくすることができる。
【0077】
また、第1実施形態に係るパッケージ101では、小箱3が列毎で区分けされ、更に、小箱3には小片9が設けられている。そのため、シガレット6の数が減った場合でも、シガレット6の移動を抑制することができる。その結果、第1実施形態に係るパッケージ101は、シガレット6の数が減った場合でも、シガレット6が斜めになり難いので、シガレット6が取り出し難くなることが少ない。つまり、第1実施形態に係るパッケージ101では、シガレット6を収容する小箱3が列毎で昇降し、更に、小箱3に収容されたシガレット6の移動範囲が少ないため、シガレット6の数に関わらず、シガレット6をパッケージ101から容易に取り出すことができる。
【0078】
<第2実施形態>
例えば
図11に示すように、第2実施形態に係るパッケージ100aは、リッド2aの開閉に連動して各小箱3aが列毎に昇降する。更に、小箱3a同士を接続する接続部8aによって、小箱3a同士の間に間隔が形成される。その結果、シガレット6は、列毎に上昇するだけでなく、前後方向において互いに間隔が形成される。そのため、シガレット6がより掴み易く、パッケージ100aから取り出しやすくなっている。
【0079】
図8Aから
図8D、及び
図9Aから
図9C等に示すように、第2実施形態に係るパッケージ100aは、直方体形状を有する所謂ヒンジ蓋付きボックス型パッケージである。パッケージ100aは、収容部としてのパッケージ本体1aと、パッケージ本体1aに第1ヒンジH1を介して回動自在に連結される蓋部としてのリッド2aと、リッド2aの開閉に連動して昇降する昇降部として小箱3aと、リッド2aと小箱3aと連結する連結部としての連結プレート4aと、連結プレート4aの昇降を補助する補助部としての舌状片5aとを主な構成とする。第2実施形態に係るパッケージ100aは、例えば紙材、又は樹脂によって構成することができるが、これには限定されない。
【0080】
<<パッケージ本体>>
パッケージ本体1aは、シガレット6を収容するもので、直方体形状の上端側が斜めに切り欠かれるとともに、前方が大きく開放された形状を有する箱体である。パッケージ本体1aは、パッケージ本体の前壁11a、パッケージ本体の後壁12a、パッケージ本体の側壁13a、パッケージ本体の下壁14aを有する。パッケージ本体の後壁12aは縦長の長方形である。一方、パッケージ本体の前壁11aは、パッケージ本体の後壁12aに比べて高さ寸法が短く形成されている。パッケージ本体の前壁11aとパッケージ本体の後壁12aは対向している。一組のパッケージ本体の側壁13aは、パッケージ本体の前壁11a及びパッケージ本体の後壁12aの両側縁と連結され、長方形の上端が曲線状の斜辺となった形状である。パッケージ本体の側壁13aの上端縁131aは、パッケージ本体の前壁11a側が低くなるように傾斜している。パッケージ本体の下壁14aは、長方形であり、パッケージ本体の前壁11a、パッケージ本体の後壁12a、及びパッケージ本体の側壁13aの下端縁に連結されている。また、パッケージ本体の後壁12aには、第1ヒンジH1、舌状片5a、第2ヒンジH2、切り込み7aが形成されている。
【0081】
第1ヒンジH1は、パッケージ本体の後壁12aとリッドの後壁22aとの境界に形成され、後部間に亘って延伸し、リッド2aの回動軸の一つとして機能するとともに、リッド2aの開閉時、第3ヒンジH3を後方に逃がす。
【0082】
舌状片5aは、第1ヒンジH1の中央付近から下方に向けて形成されている。舌状片5aは、パッケージ本体の後壁12aを第1ヒンジH1の中央付近でU字状に切り欠くことで形成されている。舌状片5aは、リッドの後壁22aと連なっており、リッド2aの開閉に連動して回動し、先端が昇降する。また、舌状片5aは、内面が連結プレート4aの外面と接している。そのため、舌状片5aがリッド2aの開閉に連動して回動すると、舌状片5aと接する連結プレート4aも舌状片5aの動きに連動して昇降する。本実施形態の舌状片5aは、下端縁が湾曲している。但し、舌状片5aの形状は、特に限定されず、例えば矩形状でもよい。
【0083】
第2ヒンジH2は、パッケージ本体の後壁12aのうち、第1ヒンジH1及び舌状片5aよりも下方に形成され、後部間に亘って延伸している。第2ヒンジH2は、リッド2aの回動軸の一つとして機能するとともに、リッド2aの開閉時、第1ヒンジH1及び第3ヒンジH3を後方に逃がす。
【0084】
切り込み7aは、パッケージ本体の後壁12aとパッケージ本体の側壁13aとの間に形成される角部、及びリッドの後壁22aとリッドの側壁23aとの間に形成される角部に形成され、第3ヒンジH3から第2ヒンジH2まで形成されている。切り込み7aは、リッド2aの開閉時、第1ヒンジH1及び第2ヒンジH2とともに、第1ヒンジH1及び第3ヒンジH3を後方に逃がす。また、切り込み7aは、リッド2aの開度をより大きくする機能を担う。なお、第2ヒンジH2を設けず、切り込み7aだけ設けてもよい。この場合、リッド2aを開閉する際、第1ヒンジH1及び第3ヒンジH3を後方に逃がす機能は第二ヒンジH2を設けたときに比べ劣るが、より簡易にパッケージの組み立てを行うことができる。
【0085】
以上のように構成されるパッケージ本体1aは、パッケージ本体の後壁12a上端縁に、第1ヒンジH1を介してリッド2aが、回動(旋回)自在に接合(連結)されている。
【0086】
<<リッド>>
リッド2aは、パッケージ本体1aの開口を覆う。リッド2aは、第1ヒンジH1に連結されている長方形のリッドの後壁22aと、リッドの上壁24aと、一組の長方形のリッドの側壁23aと、リッドの前壁20aと、リッドの下壁26aとを備える箱型形状である。リッドの後壁22aは、リッドの前壁20aと対向するが、その面積は、リッドの前壁20aと比較すると非常に小さい。そのため、リッド2aは、後方の殆どの領域が開放された(リッドの後壁22a以外の領域が全て開放された)箱型形状である。リッドの側壁23aには、リッド2aの開閉時に、リッド2aを操作するための、半円状に切り欠かれた操作部27aが形成されている。リッド2aが開状態では、パッケージ本体1aの開口(上方、及び前方)からシガレット6の出し入れが自在となる。一方で、リッド2aが閉状態では、リッド2aがパッケージ本体1aの開口を含め、パッケージ本体1aの後壁を除く領域を包み込むように覆う。
【0087】
リッドの上壁24aとリッドの後壁22aとの間の境界(閉状態において角部)には、第3ヒンジH3が形成されている。第3ヒンジH3は、リッドの後壁22aの上端縁に形成され、後部間に亘って延伸している。第3ヒンジH3は、リッド2aの回動軸の一つとして機能する。
【0088】
<<連結プレート>>
連結プレート4aは、リッド2aと小箱3aとを連結し、リッド2aの開閉に連動して小箱3aを昇降させる。連結プレート4aは、長方形のプレートからなり、一端がリッドの後壁22a及び上壁24aの内面に接続され、他端が、小箱3aのうち、後方小箱33aの後壁312aに連なっている。また、連結プレート4aは、上下方向の中央よりも上側に横方向に延びる直線状の折れ部41aが形成されている。より詳細には、折れ部41aは、舌状片5aの下端縁(先端縁)と合致する位置に形成されている。連結プレート4aの折れ部41aは、リッド2aが閉状態では、平面状である。一方、連結プレート4aの折れ部41aは、リッド2aが開状態では、リッド2aが後方に倒れるように折れ曲がる。折れ部41aの位置と舌状片5aの長さを調整することで、小箱3aが上昇する量を適宜変更することができる。なお、連結プレート4aを可撓性部材で構成した場合、連結プレート4aが撓むことができる。この場合、折れ部41aは省略することができる。また、連結プレート4aを可撓性部材で構成した場合、舌状片5aの長さを調整するだけで、小箱3aが上昇する量を適宜変更することができる。
【0089】
<<小箱>>
特に、
図9Aから
図9Fに示すように、小箱3aは、前方小箱31a、中央小箱32a、後方小箱33aからなり、各小箱3aが接続部8aを介して前後方向に相互に連なっている。各小箱3aは、シガレット6が横方向に連なるように、シガレット6を列状に収容し、リッド2aの開閉に連動して昇降する。
【0090】
前方小箱31aは、パッケージ本体の前壁11a側に位置し、7本のシガレットを列状に収容する。後方小箱33aは、パッケージ本体の後壁12a側に位置し、前方小箱31aと同じく、7本のシガレットを列状に収容する。中央小箱32aは、前方小箱31aと後方小箱33aに挟まれ、6本のシガレットを列状に収容する。各小箱3aは、小箱の前壁311a、小箱の後壁312a、小箱の側壁313a、小箱の下壁314aを有する。小箱の前壁311a及び小箱の後壁312aは、夫々横長の長方形であり、対向している。各小箱3aでは、小箱の後壁312aの高さ寸法が、小箱の前壁311aよりも高く形成されている。具体的には、
図9B、及び
図9Cに示すように、第2接続部82aや第3接続部83aの高さ寸法に相当する長さ分だけ、小箱の後壁312aの高さ寸法が、小箱の前壁311aよりも高く形成されている。後方小箱33aの後壁312aは、連結プレート4aと連なっており、連結プレート4aとの境界が明らかではないが、前方小箱31aや中央小箱32aの後壁312aと同じ高さ寸法を有している。小箱の側壁313aは、縦長の長方形であり、小箱の前壁311a及び小箱の後壁312aの両側縁と連結されている。小箱の下壁314aは、長方形であり、小箱の前壁311a、小箱の後壁312a、及び小箱の側壁313aの下端縁に連結されている。なお、後方小箱33aの後壁312aには、上方に延出する、当該後壁と一体的に形成された連結プレート4aが連なっている。また、前方小箱31aの前壁311aには、当該前壁と一体的に形成された第1接続部81aが連なっている。
【0091】
接続部8aは、パッケージ本体の前壁11aと前方小箱31aとを接続する第1接続部81a、前方小箱31aと中央小箱32aとを接続する第2接続部82a、中央小箱32aと後方小箱33aとを接続する第3接続部83aを含む。第1接続部81aは、前方小箱31aの前壁311aの上端縁に接続された長方形のプレートであり、パッケージ本体の前壁11aに連なっている。第1接続部81aは、上下方向の中心付近に横方向に延びる折れ部811aが形成されている。折れ部811aが前壁11aの上縁よりも高い位置にあることで、前方小箱31aが前方に倒れることができる。この折れ部811aよりも下側の接続領域812aが、パッケージ本体の前壁11aの内面と接続される。一方、折れ部811aよりも上方の非接続領域813aは、上端縁が、前方小箱31aの前壁311aの上端縁に連なっている。第2接続部82aは、細長い小プレートからなり、前方小箱31aの後壁の上端縁と中央小箱32aの前壁311aの上端縁と連なっている。第3接続部83aは、第2接続部82aと同様に、細長い小プレートからなり、中央小箱32aの後壁312aの上端縁と後方小箱33aの前壁311aの上端縁と連なっている。
【0092】
図9Bに示すように、接続部8a(第1接続部81a,第2接続部82a,第3接続部83a)を完全に折り曲げた状態では、第1接続部81aは、前方小箱31の前壁311aに折り重なり、第2接続部82aは、前方小箱31aの後壁312aに折り重なり、第3接続部83aは、中央小箱32aの後壁312aに折り重なっている。第2接続部82aや第3接続部83aの高さ寸法に相当する長さ分だけ、小箱後壁312aの高さ寸法が、小箱の前壁311aよりも高く形成されている。そのため、接続部8aを完全に折り曲げた状態では、各小箱3aが互いに接近し、また、各小箱3aが同じ高さ位置にある。
【0093】
図9Cに示すように、第2接続部82a及び第3接続部83aを広げた状態では、第2接続部82a、及び第3接続部83aが略水平状態となる。その結果、各小箱3aの間に、第2接続部82aや第3接続部83aの高さ寸法に相当する間隔が形成される。
【0094】
図9B及び
図9Cに加えて、
図9Dから
図9Eにも示すように、小箱の前壁311aには、シガレット6の移動を規制するための小片9aが一方の小箱の側壁313a側(前方からみて左側)に形成されている。この小片9aは、小箱の前壁311aの横方向の長さの半分程度の長さを有し、小箱の内側に突出している。小片9aは、小箱の前壁311aを横長のU字状に切り欠くことで形成されている。小片9aには、横方向に延びる折れ部91aが形成されている。小片9aは折れ部91aを基準に内側に湾曲しており、弾性部材として機能する。そして、小片9aは、小箱3aに収容されるシガレット6を押圧することで、シガレット6の移動を規制する。小箱の後壁312aにも、同様の小片9aが他方の小箱の側壁313a側(前方からみて右側)に形成されている。小箱内における小片9aは小箱の前壁311aと小箱の後壁312aに分かれて、それぞれ横方向の長さの半分程度まで伸びている。これにより、小片9aが小箱の前壁311aのみ若しくは小箱の後壁312aのみに小箱3aの横方向の一端から他端まで伸びている場合に比べて、小箱3aの強度を向上させることができる。
【0095】
<<ブランク>>
パッケージ100aは、パッケージ本体1a及びリッド2aを成形する第1ブランクB1aと、連結プレート4a及び小箱3aを成形する第2ブランクB2aの各所を折り込み、接合することで成形することができる。
図10Aは、第1ブランクB1aを示し、
図10Bは、第2ブランクB2aを示す。第1ブランクB1a,第2ブランクB2aにはカード紙、マニラボール紙等の紙材、又はプラスチックシートなどの樹脂を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、ブランクの説明では、図の上下方向を基準に説明する。
【0096】
<<第1ブランクB1a>>
図10Aに示すように、第1ブランクB1aは、パッケージ本体1aとなる本体区域R1a、リッド2aとなる蓋区域R2aを有している。本体区域R1aは、パッケージ本体の前壁11aとなる本体の前壁パネルP1aを有しており、本体の前壁パネルP1aの両側縁には、パッケージ本体の側壁13aとなる本体の側壁パネルP2a,P2aが連なっている。
【0097】
また、本体の前壁パネルP1aの上縁には、パッケージ本体の下壁14aとなる本体の下壁(底板)パネルP3aが連なっている。本体の前壁パネルP1aと本体の下壁パネルP3aとの間には、Rとなる複数の折り込み線からなるR部が形成されている。本体の下壁パネルP3aには、本体の前壁パネルP1aとは反対側に位置してパッケージ本体の後壁12aとなる本体の後壁パネルP4aが連なっている。本体の後壁パネルP4aの両側縁には、パッケージ本体の側壁13aとなる本体のインナサイドフラップP5a,P5aが連なっている。また、本体のインナサイドフラップP5a,P5aの下縁には、本体のインナボトムフラップP6aが連なっており、これら本体のインナボトムフラップP6aは本体の下壁パネルP3aに重ね合わされ、パッケージ本体の下壁14aの補強をなす。また、本体の後壁パネルP4aには、第2ヒンジH2となる第2ヒンジラインL2a、第1ヒンジH1となる第1ヒンジラインL1aが形成されている。また、本体の後壁パネルP4aの両側縁には、リッドの後壁パネルP7aの第3ヒンジラインL3aから第2ヒンジラインL2aまで延び、切り込み7aとなる直線状の切欠きC1aが形成されている。更に、本体の後壁パネルP4aには、舌状片5aを形成するU字状の切欠きC2aが形成されている。
【0098】
蓋区域R2aは、リッドの後壁22aとなるリッドの後壁パネルP7aを有している。リッドの後壁パネルP7aの上縁には、第3ヒンジH3となる第3ヒンジラインL3aを介して、リッドの上壁24aとなるリッドの上壁パネルP8aが連なっている。リッドの上壁パネルP8aの両側縁には、リッドの側壁23aの一部となるリッドのインナサイドフラップP9a,P9aが夫々連なっている。また、リッドの上壁パネルP8aの上縁には、リッドの前壁20aとなるリッドの前壁パネルP10aが連なっている。更に、リッドの前壁パネルP10aの両側縁には、リッドの側壁23aとなるリッドの側壁パネルP11aが夫々連なっている。リッドの側壁パネルP11aは、操作部27aとなる円形の切欠きC5aが形成されている。リッドの側壁パネルP11aは、横方向中央(円の中心)付近に上下方向に延びる折り込み線で折り返され、間にリッドのインナサイドフラップP9aとリッドのインナサイドフラップP13aを挟み込み、リッドの側壁23aを構成する。
【0099】
更に、リッドの前壁パネルP10aの上縁には、リッドの下壁26aとなるリッドの下壁パネルP12aが連なっている。リッドの前壁パネルP10aとリッドの下壁パネルP12aとの間には、Rとなる複数の折り込み線からなるR部が形成されている。リッドの下壁パネルP12aの両側縁には、リッドのインナサイドフラップP13aが夫々連なっている。また、リッドの下壁パネルP12aの上縁には、折り返されてリッドの下壁26aの補強をなす、リッドのインナボトムフラップP14aが連なっている。
【0100】
<<第2ブランクB2a>>
図10Bに示すように、第2ブランクB2aは、接続部8aとなる接続領域R3a−1,R3a−2,R3a−3、小箱3aとなる小箱領域R4a−1,R4a−2,R4a−3、連結プレート4aとなる連結領域R5aを有している。これらの領域は、接続領域R3a−1、小箱領域R4a−1、接続領域R3a−2、小箱領域R4a−2、接続領域R3a−3、小箱領域R4a−3、連結領域R5aの順に連なっている。
【0101】
接続領域R3a−1は、第1接続部81aとなる第1接続パネルP21aを有する。第1接続パネルP21aは、横長の長方形であり、上下方向の中心付近に横方向に延び、折れ部811aとなる折り込み線が形成されている。この折り込み線よりも下方の領域が、パッケージ本体の前壁11aの内面と接続され、折り込み線よりも上方の領域の縁は、前方小箱31aの前壁311aの上端縁に連なっている。
【0102】
接続領域R3a−2,及びR3a−3は、第2接続部82a、及び第3接続部83aとなる第2接続パネルP22a,P22aを有する。
【0103】
小箱領域R4a−1,R4a−2,R4a−3は、小箱の前壁311aとなる小箱の前壁パネルP25aを有している。小箱の前壁パネルP25aには、小片9aとなる切欠きC4aが形成されている。また、小箱の前壁パネルP25aの両側縁には、小箱の側壁313aとなる小箱の側壁パネルP26a,P26aが連なっている。また、小箱の前壁パネルP25aの上縁には、小箱の下壁314aとなる小箱の下壁パネルP27aが連なっている。また、小箱の下壁パネルP27aの上縁には、小箱の後壁312aとなる小箱の後壁パネルP28aが連なっている。この小箱の後壁パネルP28aには、小片9aとなる切欠きC4aが形成されている。また、小箱の後壁パネルP28aの両側縁には、小箱の側壁313aを補強する小箱のインナサイドフラップP29a,P29aが連なっている。また、小箱のインナサイドフラップP29a,P29aの下縁には、小箱のインナボトムフラップP30aが連なっており、これら小箱のインナボトムフラップP30aは小箱の下壁パネルP27aに重ね合わされ、小箱の下壁314aの補強をなす。
【0104】
連結領域R5aは、連結プレート4aとなる連結パネルP31aを有している。連結パネルP31aには、直線状の折れ部41aとなるラインL4aが形成されている。
【0105】
上述した第1ブランクB1aは、
図10A中破線で示した折り込み線で夫々折り込まれる。その結果、
図8Aから
図8D、及び
図9に示すようなパッケージ本体1aとリッド2aを含むパッケージ100aが成形される。第1ブランクB1aの本体区域R1aにおいては、各折り込み線で折り込まれ、本体のインナボトムフラップP6aが本体の下壁パネルP3aに重ねられ、本体のインナサイドフラップP5aが本体の側壁パネルP2aに接着されることで、パッケージ本体1aが成形される。
【0106】
一方、第1ブランクB1aの蓋区域R2aにおいては、各折り込み線で折り込まれ、リッドのインナサイドフラップP9a、及びリッドのインナサイドフラップP13aがリッドの側壁パネルP11aに挟み込まれて接着され、リッドのインナボトムフラップP14aがリッドの下壁パネルP12aに重ねられることで、リッド2aが成形される。
【0107】
上述した第2ブランクB2aは、
図10B中破線で示した折り込み線で夫々折り込まれる。その結果、
図9Aから
図9Fに示すような小箱3a、接続部8a、連結プレート4aが成形される。第2ブランクB2aの接続領域R3a−1,R3a−2,R3a−3においては、各折り込み線で折り込まれることで接続部8a(第1接続部81a,第2接続部82a,第3接続部83a)が成形される。第2ブランクB2aの小箱領域R4a−1,R4a−2,R4a−3では、小箱のインナボトムフラップP30aが小箱の下壁パネルP27aに重ねられ、小箱のインナサイドフラップP29aが小箱の側壁パネルP26aに接着されることで、小箱3aが成形される。
【0108】
例えば、
図9Aに示すように、連結プレート4aの上部がリッド2aに接着され、第1接続部81aの前方接続部811aがパッケージ本体の前壁パネル11aに接続されることで、パッケージ100aが成形される。
【0109】
<<開閉動作>>
次に、パッケージ100aにおけるリッド2aの開閉動作について説明する。以下に説明する動作は、リッド2aの開閉に連動して行われる。
図11から
図14は、異なる方向から見たパッケージ100aの開閉状態を示す。また、
図15A、
図15Bは、第2実施形態に係るパッケージの動作説明図を示す。
【0110】
リッド2aが閉状態では、リッド2aがパッケージ本体1aの後方以外の面を覆っている。パッケージ100aに収容されているシガレット6を取り出す必要が無い場合は、通常、パッケージ100aは、閉状態である。閉状態では、リッドの下壁26aとパッケージ本体1aの下壁が面で接しており、リッド2aの開閉が規制されている。
【0111】
パッケージ100aに収容されているシガレット6を取り出す場合、リッド2aが開状態とされる。具体的には、リッドの下壁26aとパッケージ本体の下壁14aとの面接触状態が解除され、リッド2aが回動し始める(
図11(b)、
図12(b)、
図13(b)、
図14(b)、
図15A(b))。パッケージ100aは、第1ヒンジH1、第2ヒンジH2、及び第3ヒンジH3を備えており、リッド2aは、第1ヒンジH1、第2ヒンジH2、及び第3ヒンジH3を軸に回動する。例えば、
図15A(b)に示すように、回動序盤では、リッド2aは、主に第3ヒンジH3を軸に回動し始める。また、リッド2aに連動して舌状片5aが第1ヒンジH1を軸として回動し始める。その際、舌状片5aは、連結プレート4aを前方に押しながら、連結プレート4aを上昇させる。また、リッド2aを開状態とする際、後方に力が働くことから、リッド2aの回動に連動して第3ヒンジH3が後方に徐々に移動する。
【0112】
図11(c)、
図12(c)、
図13(c)、
図14(c)、
図15B(c)(特に
図15B(c))に示すように、回動中盤では、リッド2aの回動に連動して、連結プレート4aが徐々に引き上げられ、上昇する。また、リッド2aに連動して舌状片5aが第1ヒンジH1を軸として更に回動する。その際、舌状片5aは、連結プレート4aを前方に押しながら、連結プレート4aを更に上昇させる。舌状片5aが連結プレート4aを前方に押す力の反力により、第1ヒンジH1が後方に移動する。また、第3ヒンジH3が更に後方に移動する。また、連結プレート4aは、リッド2aに引き上げられるとともに、舌状片5aによって押し上げられる。その結果、連結プレート4aがリッド2aに連動して更に上昇する。その結果、後方小箱33a,中央小箱32a,前方小箱31aが上昇する。連結プレート4aが上昇すると、後方小箱33aが上昇し、後方小箱33aと中央小箱32aとを接続する第3接続部83aが水平状態若しくはこれに近い状態となる。また、後方小箱33aが上昇すると、次に中央小箱32aも上昇し、中央小箱32aが上昇すると、中央小箱32aと前方小箱31aとを接続する第2接続部82aが水平状態若しくはこれに近い状態となる。各小箱3aは、横方向及び前後方向の移動が完全に規制されていると、小箱3a同士の間隔が広がることはできない。但し、パッケージ100aでは、パッケージ本体の前壁11aが、パッケージ本体の後壁12aに比べて高さ寸法が短く形成されている。具体的には、パッケージ本体の前壁11aの高さ寸法は、小箱3aの高さ寸法の半分程度に設計されている。そのため、小箱3aの下部では前後方向の移動が規制されるが、上部では前後方向の移動が許容される。第2接続部82aや第3接続部83aの高さ位置には、パッケージ本体の前壁11aが存在せず、小箱3aの前後方向への移動が許容される。その結果、第2接続部82aや第3接続部83aは、水平状態又はこれに近い状態となる。一方、小箱3aの下部では、上記のように前後方向への移動が規制されているため、小箱3a同士の間隔は、下方が狭く、上方に向かって徐々に広がるようになる。
【0113】
図11(d)、
図12(d)、
図13(d)、
図14(d)、
図15B(d)(特に
図15B(d))に示すように、回動終盤では、リッド2aは、第2ヒンジH2よりも、第1ヒンジH1を軸に回動する。リッド2aの回動に連動して、連結プレート4aが更に上昇する。また、リッド2aに連動して舌状片5aが第1ヒンジH1を軸として更に回動する。その際、舌状片5aは、連結プレート4aを前方に押しながら、連結プレート4aを上昇させる。舌状片5aが水平を越えると、連結プレート4aを前方に押す力の反力は徐々に弱まり、リッド2aを開くために加えられる下向きの力が第1ヒンジH1を支点として連結プレート4aを上昇させる力に変換される。また、連結プレート4aは、リッド2aに引き上げられるとともに、舌状片5aによって更に押し上げられる。その結果、後方小箱33a、中央小箱32a、前方小箱31aが更に上昇する。また、後方小箱33aが最も高く上昇し、次に、中央小箱32aが高く上昇し、次に、前方小箱31aが上昇する。また、後方小箱33a、中央小箱32a、前方小箱31aが更に上昇することで、小箱3aの上部における前後方向の移動を規制する力が更に弱まり、小箱3a同士の間隔が更に広がる。一方で、小箱3aの下部では、上記のように前後方向への移動が規制されている。その結果、小箱3a同士の間隔は、下方は狭いままで、上方に向かって徐々に更に広がるようになる。その結果、小箱3aに収容されたシガレット6は、側面視扇状に広がる。
【0114】
<<効果>>
第2実施形態に係るパッケージ100aは、シガレット6を収容する小箱3aがリッド2aの開閉に連動して昇降する。そのため、リッド2aを開閉するだけで、換言すると、昇降するための動作を別途行うことなく、シガレット6が昇降するので、シガレット6をパッケージ100aから容易に取り出すことができる。また、実施形態に係るパッケージ100aは、舌状片5aを備えることで、蓋部の開閉に連動してリフトアップする従来のパッケージと比較して、強度も向上し、安定的に小箱3aを昇降することができる。また、舌状片5aの長さ及び連結プレートの折れ部41aの位置を調整することで、昇降の移動範囲を調整することができ、例えば従来のパッケージよりも昇降の移動範囲を大きくすることができる。また、パッケージ100aは、小箱3aが昇降するだけでなく、小箱3a同士を接続する接続部8aによって、小箱3a同士の間に間隔を形成することができる。その結果、シガレット6は、上昇するだけでなく、前後方向において互いに間隔が形成される。そのため、シガレット6がより掴み易く、パッケージ100aから取り出しやすくなっている。更に、パッケージ100aでは、小箱3aが列毎で区分けされ、更に、小箱3aには小片9aが設けられている。そのため、シガレット6の数が減った場合でも、シガレット6の移動を抑制することができる。その結果、シガレット6の数が減った場合でも、シガレット6が斜めになることでシガレット6を取り出しにくいといったことが起こりにくい。また、小箱3aの上縁同士を接続することで、小箱の前後方向の広がりを規制することができる。その結果、小箱3aを側面視扇状に広げた際の美観をより向上することができる。
【0115】
<変形例1>
第1実施形態、及び第2実施形態では、昇降部の一例として小箱について説明した。昇降部は、上記態様に限定されるものではなく、例えば、上昇した際に後側が高くなる傾斜面によって構成してもよい。
図16は、変形例1に係るパッケージ103を示す。変形例1に係るパッケージ103は、小箱3に代えて昇降プレート3bによって構成されている。昇降プレート3bは、リッド2の回動に連動して昇降する。リッド2が閉状態では、昇降プレート3bは水平であり、パッケージ本体の下壁14と接している。一方、リッド2が開状態では、昇降プレート3bの後方側が上昇することで傾斜する。そのため、昇降プレート3bに載置されたシガレット6は、前方のシガレット6よりも後方のシガレット6の方が高い位置くる。その結果、シガレット6をパッケージ103から容易に取り出すことができる。
【0116】
<変形例2>
第1実施形態、及び第2実施形態では、舌状片の一例として、第1ヒンジH1の中央付近から下方に向けて形成された態様について説明した。舌状片は、上記態様に限定されるものではなく、例えば、第1ヒンジH1の両端部付近から下方に向けて形成されたものでもよい。
図17は、変形例2に係るパッケージを後方から見た斜視図を示す。変形例2に係るパッケージ104は、舌状片5cが、第1ヒンジH1の端部近傍に2カ所設けられている。
【0117】
<その他の変形例>
また、小箱3、小箱3aの数は、3個である必要は無く、例えば、2個、若しくは4個以上としてもよい。また、小箱33aに収めるシガレットの数は、特に限定されない。すなわち、小箱3、3aの横方向の長さを第1実施形態や第2実施形態よりも短くして、第1実施形態や第2実施形態よりも少ない本数のシガレットを収容できるようにしてもよい。また、小箱3、3aの横方向の長さを第1実施形態や第2実施形態よりも長くして、第1実施形態や第2実施形態よりも少多い本数のシガレットを収容できるようにしてもよい。
【0118】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係るヒンジリッドパッケージは、可能な限り各実施例を組み合わせて実施することができる。また、本実施形態では、ヒンジリッドパッケージに収容する被収容物の好適な適用例として、フィルタシガレットや両切シガレット等のたばこ商品を挙げたが、これには限定されず、たばこ商品以外の物品をパッケージに収容してもよい。