特許第6254269号(P6254269)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6254269バイオマス・クレアチニン触媒作用法によるポリ(ブチレンサクシネート−co−アジピン酸)(PBSA)合成プロセス方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6254269
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】バイオマス・クレアチニン触媒作用法によるポリ(ブチレンサクシネート−co−アジピン酸)(PBSA)合成プロセス方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 63/87 20060101AFI20171218BHJP
【FI】
   C08G63/87
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-524417(P2016-524417)
(86)(22)【出願日】2015年7月22日
(65)【公表番号】特表2016-535129(P2016-535129A)
(43)【公表日】2016年11月10日
(86)【国際出願番号】CN2015084742
(87)【国際公開番号】WO2016011939
(87)【国際公開日】20160128
【審査請求日】2016年4月19日
(31)【優先権主張番号】201410349247.4
(32)【優先日】2014年7月22日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510115007
【氏名又は名称】南京大学
【氏名又は名称原語表記】NANJING UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】李弘
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼全▲興▼
(72)【発明者】
【氏名】成娜
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼天▲栄▼
(72)【発明者】
【氏名】江▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】潘丙才
【審査官】 大久保 智之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−515164(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0121347(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第104031253(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 63
CAplus/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コハク酸、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを原材料として、バイオマス・バイオミメティック有機グアニジンであるクレアチニン化合物とオルトチタン酸エステルから構成される高効率複合触媒システムを採用し、使用する主触媒が無毒・無金属のバイオマス・バイオミメティック・ 有機グアニジンであるクレアチニン化合物であり、共触媒がオルトチタン酸エステル類化合物であり、脱水縮合重合反応を通じてPBSAのオリゴマーを得てから、脱アルコールエステル交換反応を通じてPBSAを得、具体的な合成手順は下記のステップ、即ち、
第1ステップ、脱水縮合重合反応:コハク酸、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを原材料として反応窯に入れてから、(その中で、前記コハク酸:アジピン酸のモル比例が0.2:0.8 - 0.8:0.2であり、その中で、前記1,4-ブタンジオールの投与モル数と二種のカルボン酸の総モル数とのモル比例が1.05:1.0 - 1.5:1.0である。)不活性ガス保護の条件の下で130℃まで昇温し、原料が十分に共溶するまで攪拌した後、反応窯温度を170-200℃に保持し、常圧の条件の下で、脱水反応を1-3 時間行い、重量平均分子量が4000-6000DaであるPBSAオリゴマーを得ることと、
第2ステップ、脱アルコールエステル交換反応:上のステップで常圧反応後の反応システムを100℃まで冷却し、バイオマス・バイオミメティック・ 有機グアニジンであるクレアチニン化合物とオルトチタン酸エステル(モル比:1:1)から構成される高効率複合触媒システムを採用し、高効率複合触媒システムの投与総量が原料総質量分率の万分の一〜千万分の一であり、不活性ガスの雰囲気の下で、高効率複合触媒システムと反応物との均一的な混合を保証するようかき混ぜてから、0.5-2h内で絶対圧力200pa以下になるよう真空化した後、温度を反応温度200-240℃まで向上し、10-20h反応させた後、分子量10万以上のPBSA共重合体を得ることを含むことを特徴とする一種のバイオマス・クレアチニン触媒作用法によるポリ(ブチレンサクシネート-co-アジピン酸)(PBSA)合成プロセス方法。
【請求項2】
前記高効率複合触媒システムの主触媒が無毒・無金属のバイオマス・バイオミメティック有機グアニジンであるクレアチニン化合物であり、クレアチニン、クレアチニン塩酸塩、クレアチニン酢酸塩、クレアチニン乳酸塩、クレアチニングリコール酸塩、クレアチニン安息香酸塩の中の一種の又は多種を含むことを特徴とする請求項1 記載の方法。
【請求項3】
前記高効率複合触媒システムの共触媒がオルトチタン酸エステル類化合物であり、オルトチタン酸テトラエチルTEOT、オルトチタン酸テトラプロピルTPOT、オルトチタン酸テトライソプロピルTi-POT、オルトチタン酸テトラブチルTBOT及びオルトチタン酸テトラ(tert-ブチル)Tt-BOTの中の一種又は多種を含むことを特徴とする請求項1 記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物分解可能な高分子材料製造分野に係り、特にバイオマスバイオミメティック有機グアニジン触媒システムを採用して生物分解性PBSAを合成する新型プロセス方法に係る。具体的に言うと、バイオマス・バイオミメティック有機グアニジンであるクレアチニン化合物(主触媒)とオルトチタン酸エステル(共触媒)から構成される一種の高効率複合触媒システムであり、脱水オリゴマー化と脱アルコールエステル交換反応のプロセスルートを通じて、 生物分解性ポリ(ブチレンサクシネート-co-アジピン酸)(PBSA)を合成するプロセス方法である。
【背景技術】
【0002】
近年、分解できない石油系由来のプラスチックによる「白い汚染」問題は、日増しに世界範囲における注目を受けて来る。従って、環境分解できる各種の環境適合材料についての研究及び応用は、幅広い注目を集めて来る。
【0003】
PBSAは、一種の脂肪族ポリエステルであり、微生物の作用の下で及び天然環境の下で、最終的に二酸化炭素と水等の物質に分解する。PBSAは良い熱機械的特性を持っているので、日用の包装プラスチック製品、農業用プラスチック製品及び生物医療用材料等の製造に使用できる。
【0004】
現在、PBSA合成に、主にオルトチタン酸テトラブチルを触媒として使用し、触媒の使用量 (0.05 Mol %) が大きく、製品の色つやが悪く、それに加えて、重金属触媒が製品を汚染し、材料の熱的性質に影響を与える(Panayiotou, C, Polymer Degradation and Stability, 2006, 367-376)。本発明は、両成分の触媒システムを採用し、触媒効率が高く、触媒使用量が少なく、僅かに入れた原料単体の万分の一〜千分の一であるので、これで、PBSA重合物にある残留触媒を大きく減少し、材料の安定性を向上し、それに加えて、食品、医学と農業等の分野での応用範囲を拡大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、既存の技術において、重金属触媒が製品を汚染し、材料の熱的性質に影響を与える等の問題を解決し、一種のバイオマス・クレアチニン触媒作用法によるポリ(ブチレンサクシネート-co-アジピン酸)(PBSA)合成プロセス方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に提供されている一種のバイオマス・クレアチニン触媒作用法によるポリ(ブチレンサクシネート-co-アジピン酸)(PBSA)合成プロセス方法は、コハク酸、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを原材料として、バイオマス・バイオミメティック有機グアニジンであるクレアチニン化合物(主触媒)とオルトチタン酸エステルから構成される高効率複合触媒システムを採用し、まず脱水縮合重合反応を通じてPBSAのオリゴマー(4000-6000)を得てから、脱アルコールエステル交換反応を通じてPBSA共重合体を得る。本発明において、触媒作用でPBSAを合成するプロセスは、具体的に下記のステップを含む。
【0007】
第1ステップ、脱水縮合重合反応:コハク酸、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを原材料として反応窯に入れる。その中で、前記コハク酸:アジピン酸のモル比例が0.2:0.8 - 0.8:0.2であり、その中で、前記1,4-ブタンジオールの投与モル数と二種のカルボン酸の総モル数とのモル比例が1.05:1.0 - 1.5:1.0である。不活性ガス保護の条件の下で130℃まで昇温し、原料が十分に共溶するまで攪拌した後、反応窯温度を170-200℃に保持し、常圧の条件の下で、脱水反応を1−3時間行い、重量平均分子量が4000-6000DaであるPBSAオリゴマーを得る。
【0008】
第2ステップ、脱アルコールエステル交換反応:上のステップで常圧反応後の反応システムを100℃まで冷却し、バイオマス・バイオミメティック有機グアニジンであるクレアチニン化合物とオルトチタン酸エステル(モル比:1:1)から構成される高効率複合触媒システムを採用し、高効率複合触媒システムの投与総量が原料総質量分率の万分の一〜千万分の一であり、不活性ガスの雰囲気の下で、高効率複合触媒システムと反応物との均一的な混合を保証するようかき混ぜてから、0.5-2h内で絶対圧力200pa以下になるよう緩く真空化した後、温度を反応温度200-240℃まで向上し、10-20h反応させた後、分子量が10万以上であるPBSA共重合体を得る。
【0009】
前記バイオマス・バイオミメティック有機グアニジンであるクレアチニン化合物は、主触媒とし、クレアチニン、クレアチニン塩酸塩、クレアチニン酢酸塩、クレアチニン乳酸塩、クレアチニングリコール酸塩、クレアチニン安息香酸塩の中の一種又は多種を含む。
【0010】
前記オルトチタン酸エステル類化合物は共触媒とし、オルトチタン酸テトラエチルTEOT、オルトチタン酸テトラプロピルTPOT、オルトチタン酸テトライソプロピルTi-POT、オルトチタン酸テトラブチルTBOT、オルトチタン酸テトラ(tert-ブチル)エステルTt-BOTの中の一種の又は多種を含む。
【発明の効果】
【0011】
1、使用した高効率複合触媒システムの主触媒は、無毒無金属のバイオマス・バイオミメティック有機グアニジンであるクレアチニン化合物であるので、重金属類触媒で合成した共重合体における金属残留による重合物汚染及び材料熱的性質低減等の問題避ける。
【0012】
2、使用した複合触媒の触媒作用効率が高く、使用する触媒含有量が少なく、僅かに入れた原料の万分の一〜千分の一であるので、これで、PBSA重合物にある残留触媒を大きく減少し、材料の耐熱性を向上し、食品と医療用材料面におけるPBSAの応用を拡大した。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0013】
(1)コハク酸、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを原材料として反応窯に入れた。その中で、前記コハク酸:アジピン酸のモル比が0.2:0.8 であり、その中で、前記1,4-ブタンジオールの投与モル数と二種のカルボン酸の総モル数とのモル比例が1.05:1.0であった。不活性ガス保護の条件の下で130℃まで昇温し、原料が十分に共溶するまで攪拌した後、反応窯温度を170℃に保持し、常圧の条件の下で、3時間脱水反応させた後、重量平均分子量が4000Daである PBSA オリゴマーを得た。
【0014】
(2)上のステップで常圧反応後の反応システムを100℃まで冷却し、高効率複合触媒システム(主触媒がクレアチニンであり、共触媒がオルトチタン酸テトラエチルTEOTであり、二者間のモル比例が1:1であった)を入れた。高効率複合触媒システムの投与総量が原料総質量分率の万分の一であり、不活性ガスの雰囲気の下で、高効率複合触媒システムと反応物との均一的な混合を保証するようかき混ぜてから、0.5h内で絶対圧力200pa以下になるよう緩く真空化した後、温度を反応温度200℃まで向上し、20 h反応させ、分子量が11.5万であるPBSA共重合体を得る。
【実施例2】
【0015】
(1)コハク酸、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを原材料として反応窯に入れた。その中で、前記コハク酸:アジピン酸のモル比が0.4:0.6 であり、その中で、前記1,4-ブタンジオールの投与モル数と二種のカルボン酸の総モル数とのモル比例が1.1:1.0 であった。不活性ガス保護の条件の下で130℃まで昇温し、原料が十分に共溶するまで攪拌した後、反応窯温度を180℃に保持し、常圧の条件の下で、2時間脱水反応させた後、重量平均分子量が4500DaであるPBSAオリゴマーを得た。
【0016】
(2)上のステップで常圧反応後の反応システムを100℃まで冷却し、高効率複合触媒システム(主触媒がクレアチニン塩酸塩であり、共触媒がオルトチタン酸テトラエチルTEOTであり、二者間のモル比例が1:1であった)を入れた。高効率複合触媒システムの投与総量が原料総質量分率の十万分の五であり、不活性ガスの雰囲気の下で、高効率複合触媒システムと反応物との均一的な混合を保証するようかき混ぜてから、1h内で絶対圧力200pa以下になるよう緩く真空化した後、温度を反応温度210℃まで向上し、15h反応させ、分子量が10.3万であるPBSA共重合体を得る。
【実施例3】
【0017】
(1)コハク酸、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを原材料として反応窯に入れた。その中で、前記コハク酸:アジピン酸のモル比が0.5:0.5 であり、その中で、前記1,4-ブタンジオールの投与モル数と二種のカルボン酸の総モル数とのモル比例が1.2:1.0であった。不活性ガス保護の条件の下で130℃まで昇温し、原料が十分に共溶するまで攪拌した後、反応窯温度を190℃に保持し、常圧の条件の下で、1時間脱水反応させた後、重量平均分子量が5000DaであるPBSAオリゴマーを得た。
【0018】
(2)上のステップで常圧反応後の反応システムを100℃まで冷却し、高効率複合触媒システム(主触媒がクレアチニン酢酸塩であり、共触媒がオルトチタン酸テトラプロピルTPOTであり、二者間のモル比例が1:1であった)を入れた。高効率複合触媒システムの投与総量が原料総質量分率の十万分の一であり、不活性ガスの雰囲気の下で、高効率複合触媒システムと反応物との均一的な混合を保証するようかき混ぜてから、1.5h内で絶対圧力200pa以下になるよう緩く真空化した後、温度を反応温度220℃まで向上し、15h反応させ、分子量が12.8万であるPBSA共重合体を得る。
【実施例4】
【0019】
(1)コハク酸、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを原材料として反応窯に入れた。その中で、前記コハク酸:アジピン酸のモル比が0.6:0.4 であり、その中で、前記1,4-ブタンジオールの投与モル数と二種のカルボン酸の総モル数とのモル比例が1.3:1.0であった。不活性ガス保護の条件の下で130℃まで昇温し、原料が十分に共溶するまで攪拌した後、反応窯温度を200℃に保持し、常圧の条件の下で、2時間脱水反応させた後、重量平均分子量が5500DaであるPBSAオリゴマーを得た。
【0020】
(2)上のステップで常圧反応後の反応システムを100℃まで冷却し、高効率複合触媒システム(主触媒がクレアチニン酢酸塩であり、共触媒がオルトチタン酸テトライソプロピルTi-POTであり、二者間のモル比例が1:1であった)を入れた。高効率複合触媒システムの投与総量が原料総質量分率の百万分の五であり、不活性ガスの雰囲気の下で、高効率複合触媒システムと反応物との均一的な混合を保証するようかき混ぜてから、2h内で絶対圧力200pa以下になるよう緩く真空化した後、温度を反応温度230℃まで向上し、20h反応させ、分子量が12.6万であるPBSA共重合体を得た。
【実施例5】
【0021】
(1)コハク酸、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを原材料として反応窯に入れた。その中で、前記コハク酸:アジピン酸のモル比が0.8:0.2 であり、その中で、前記1,4-ブタンジオールの投与モル数と二種のカルボン酸の総モル数とのモル比例が1.4:1.0 であった。不活性ガス保護の条件の下で130℃まで昇温し、原料が十分に共溶するまで攪拌した後、反応窯温度を190℃に保持し、常圧の条件の下で、1時間脱水反応させた後、重量平均分子量が5000DaであるPBSAオリゴマーを得た。
【0022】
(2)上のステップで常圧反応後の反応システムを100℃まで冷却し、高効率複合触媒システム(主触媒がクレアチニン酢酸塩であり、共触媒がオルトチタン酸テトラブチルTBOTであり、二者間のモル比例が1:1であった)を入れた。高効率複合触媒システムの投与総量が原料総質量分率の百万分の一であり、不活性ガスの雰囲気の下で、高効率複合触媒システムと反応物との均一的な混合を保証するようかき混ぜてから、1.5h内で絶対圧力200pa以下になるよう緩く真空化した後、温度を反応温度240℃まで向上し、10h反応させ、分子量が10.8万であるPBSA共重合体を得た。
【実施例6】
【0023】
(1)コハク酸、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを原材料として反応窯に入れた。その中で、前記コハク酸:アジピン酸のモル比が0.6:0.4であり、その中で、前記1,4-ブタンジオールの投与モル数と二種のカルボン酸の総モル数とのモル比例が1.5:1.0であった。不活性ガス保護の条件の下で130℃まで昇温し、原料が十分に共溶するまで攪拌した後、反応窯温度を200℃に保持し、常圧の条件の下で、3時間脱水反応させた後、重量平均分子量が6000DaであるPBSAオリゴマーを得た。
【0024】
(2)上のステップで常圧反応後の反応システムを100℃まで冷却し、高効率複合触媒システム(主触媒がクレアチニン安息香酸塩であり、共触媒がオルトチタン酸テトラ(tert-ブチル)Tt-BOTであり、二者間のモル比例が1:1であった)を入れた。高効率複合触媒システムの投与総量が原料総質量分率の千万分の五であり、不活性ガスの雰囲気の下で、高効率複合触媒システムと反応物との均一的な混合を保証するようかき混ぜてから、1.5h内で絶対圧力200pa以下になるよう緩く真空化した後、温度を反応温度220℃まで向上し、15h反応させ、分子量が12.4万であるPBSA共重合体を得た。
【実施例7】
【0025】
(1)コハク酸、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを原材料として反応窯に入れた。その中で、前記コハク酸:アジピン酸のモル比が0.5:0.5であり、その中で、前記1,4-ブタンジオールの投与モル数と二種のカルボン酸の総モル数とのモル比例が1.2:1.0であった。不活性ガス保護の条件の下で130℃まで昇温し、原料が十分に共溶するまで攪拌した後、反応窯温度を180℃に保持し、常圧の条件の下で、2時間脱水反応させた後、重量平均分子量が5000DaであるPBSAオリゴマーを得た。
【0026】
(2)上のステップで常圧反応後の反応システムを100℃まで冷却し、高効率複合触媒システム(主触媒がクレアチニンであり、共触媒がオルトチタン酸テトラプロピルTPOTであり、二者間のモル比例が1:1であった)を入れた。高効率複合触媒システムの投与総量が原料総質量分率の千万分の一であり、不活性ガスの雰囲気の下で、高効率複合触媒システムと反応物との均一的な混合を保証するようかき混ぜてから、0.5h内で絶対圧力200pa以下になるよう緩く真空化した後、温度を反応温度220℃まで向上し、15h反応させ、分子量が11.8万であるPBSA共重合体を得た。
【実施例8】
【0027】
(1)コハク酸、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを原材料として反応窯に入れた。その中で、前記コハク酸:アジピン酸のモル比が0.4:0.6であり、その中で、前記1,4-ブタンジオールの投与モル数と二種のカルボン酸の総モル数とのモル比例が1.1:1.0であった。不活性ガス保護の条件の下で130℃まで昇温し、原料が十分に共溶するまで攪拌した後、反応窯温度を180℃に保持し、常圧の条件の下で、3時間脱水反応させた後、重量平均分子量が4500DaであるPBSAオリゴマーを得た。
【0028】
(2)上のステップで常圧反応後の反応システムを100℃まで冷却し、高効率複合触媒システム(主触媒がクレアチニンとクレアチニン塩酸塩であり、共触媒がオルトチタン酸テトラエチルTEOT、オルトチタン酸テトラプロピルTPOTとオルトチタン酸テトライソプロピルTi-POTであり、五者間のモル比例が1:1:1:1:1であった)を入れた。高効率複合触媒システムの投与総量が原料総質量分率の千万分の五であり、不活性ガスの雰囲気の下で、高効率複合触媒システムと反応物との均一的な混合を保証するようかき混ぜてから、1h内で絶対圧力200pa以下になるよう緩く真空化した後、温度を反応温度230℃まで向上し、15h反応させ、分子量が12.2万であるPBSA共重合体を得た。
【実施例9】
【0029】
(1)コハク酸、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを原材料として反応窯に入れた。その中で、前記コハク酸:アジピン酸のモル比が0.2:0.8 であり、その中で、前記1,4-ブタンジオールの投与モル数と二種のカルボン酸の総モル数とのモル比例が1.05:1.0 であった。不活性ガス保護の条件の下で130℃まで昇温し、原料が十分に共溶するまで攪拌した後、反応窯温度を170℃に保持し、常圧の条件の下で、3時間脱水反応させた後、重量平均分子量が4000DaであるPBSAオリゴマーを得た。
【0030】
(2)上のステップで常圧反応後の反応システムを100℃まで冷却し、高効率複合触媒システム(主触媒がクレアチニン酢酸塩であり、共触媒がオルトチタン酸テトラプロピルTPOT、オルトチタン酸テトライソプロピルTi-POT、オルトチタン酸テトラブチルTBOTとオルトチタン酸テトラ(tert-ブチル)Tt-BOTであり、五者間のモル比例が1:1:1:1:1であった)を入れた。高効率複合触媒システムの投与総量が原料総質量分率の百万分の一であり、不活性ガスの雰囲気の下で、高効率複合触媒システムと反応物との均一的な混合を保証するようかき混ぜてから、1.5h内で絶対圧力200pa以下になるよう緩く真空化した後、温度を反応温度210℃まで向上し、12h反応させ、分子量が11.3万であるPBSA共重合体を得た
【実施例10】
【0031】
(1)コハク酸、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを原材料として反応窯に入れた。その中で、前記コハク酸:アジピン酸のモル比が0.4:0.6であり、その中で、前記1,4-ブタンジオールの投与モル数と二種のカルボン酸の総モル数とのモル比例が1.05:1.0 であった。不活性ガス保護の条件の下で130℃まで昇温し、原料が十分に共溶するまで攪拌した後、反応窯温度を175℃に保持し、常圧の条件の下で、2.5時間脱水反応させた後、重量平均分子量が4800DaであるPBSAオリゴマーを得た。
【0032】
(2)上のステップで常圧反応後の反応システムを100℃まで冷却し、高効率複合触媒システム(主触媒がクレアチニン乳酸塩、クレアチニングリコール酸塩とクレアチニン安息香酸塩であり、共触媒がオルトチタン酸テトラプロピルTPOTとオルトチタン酸テトラブチルTBOTであり、五者間のモル比例が1:1:1:1:1であった)を入れた。高効率複合触媒システムの投与総量が原料総質量分率の百万分の五であり、不活性ガスの雰囲気の下で、高効率複合触媒システムと反応物との均一的な混合を保証するようかき混ぜてから、0.5h内で絶対圧力200pa以下になるよう緩く真空化した後、温度を反応温度240℃まで向上し、10h反応させ、分子量が13.4万であるPBSA共重合体を得た。
【実施例11】
【0033】
(1)コハク酸、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを原材料として反応窯に入れた。その中で、前記コハク酸:アジピン酸のモル比が0.5:0.5であり、その中で、前記1,4-ブタンジオールの投与モル数と二種のカルボン酸の総モル数とのモル比例が1.4:1.0であった。不活性ガス保護の条件の下で130℃まで昇温し、原料が十分に共溶するまで攪拌した後、反応窯温度を180℃に保持し、常圧の条件の下で、3時間脱水反応させた後、重量平均分子量が5000DaであるPBSAオリゴマーを得た。
【0034】
(2)上のステップで常圧反応後の反応システムを100℃まで冷却し、高効率複合触媒システム(主触媒がクレアチニン、クレアチニン塩酸塩、クレアチニングリコール酸塩とクレアチニン安息香酸塩であり、共触媒がオルトチタン酸テトラ(tert-ブチル)Tt-BOTであり、五者間のモル比例が1:1:1:1:1であった)を入れた。高効率複合触媒システムの投与総量が原料総質量分率の十万分の一であり、不活性ガスの雰囲気の下で、高効率複合触媒システムと反応物との均一的な混合を保証するようかき混ぜてから、2h内で絶対圧力200pa以下になるよう緩く真空化した後、温度を反応温度220℃まで向上し、14h反応させ、分子量が11.9万であるPBSA共重合体を得た。
【実施例12】
【0035】
(1)コハク酸、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを原材料として反応窯に入れた。その中で、前記コハク酸:アジピン酸のモル比が0.5:0.5であり、その中で、前記1,4-ブタンジオールの投与モル数と二種のカルボン酸の総モル数とのモル比例が1.5:1.0であった。不活性ガス保護の条件の下で130℃まで昇温し、原料が十分に共溶するまで攪拌した後、反応窯温度を200℃に保持し、常圧の条件の下で、2時間脱水反応させた後、重量平均分子量が5500DaであるPBSAオリゴマーを得た。
【0036】
(2)上のステップで常圧反応後の反応システムを100℃まで冷却し、高効率複合触媒システム(主触媒がクレアチニン、クレアチニン塩酸塩とクレアチニン酢酸塩であり、共触媒がオルトチタン酸テトラエチルTEOT、オルトチタン酸テトラプロピルTPOT、オルトチタン酸テトライソプロピルTi-POTとオルトチタン酸テトラブチルTBOTであり、七者間のモル比例が1:1:1:1:1:1:1であった)を入れた。高効率複合触媒システムの投与総量が原料総質量分率の十万分の一であり、不活性ガスの雰囲気の下で、高効率複合触媒システムと反応物との均一的な混合を保証するようかき混ぜてから、0.5h内で絶対圧力200pa以下になるよう緩く真空化した後、温度を反応温度240℃まで向上し、12h反応させ、分子量が12.0万であるPBSA共重合体を得た。
【実施例13】
【0037】
(1)コハク酸、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを原材料として反応窯に入れた。その中で、前記コハク酸:アジピン酸のモル比が0.6:0.4であり、その中で、前記1,4-ブタンジオールの投与モル数と二種のカルボン酸の総モル数とのモル比例が1.5:1.0であった。不活性ガス保護の条件の下で130℃まで昇温し、原料が十分に共溶するまで攪拌した後、反応窯温度を180℃に保持し、常圧の条件の下で、3時間脱水反応させた後、重量平均分子量が5100DaであるPBSAオリゴマーを得た。
【0038】
(2)上のステップで常圧反応後の反応システムを100℃まで冷却し、高効率複合触媒システム(主触媒がクレアチニングリコール酸塩とクレアチニン安息香酸塩であり、共触媒がオルトチタン酸テトラエチルTEOT、オルトチタン酸テトラプロピルTPOT、オルトチタン酸テトライソプロピルTi-POT、オルトチタン酸テトラブチルTBOTとオルトチタン酸テトラ(tert-ブチル)Tt-BOTであり、七者間のモル比例が1:1:1:1:1:1:1であった)を入れた。高効率複合触媒システムの投与総量が原料総質量分率の十万分の一であり、不活性ガスの雰囲気の下で、高効率複合触媒システムと反応物との均一的な混合を保証するようかき混ぜてから、1.5h内で絶対圧力200pa以下になるよう緩く真空化した後、温度を反応温度200℃まで向上し、20h反応させ、分子量が11.6万であるPBSA共重合体を得た。
【実施例14】
【0039】
(1)コハク酸、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを原材料として反応窯に入れた。その中で、前記コハク酸:アジピン酸のモル比が0.8:0.2 であり、その中で、前記1,4-ブタンジオールの投与モル数と二種のカルボン酸の総モル数とのモル比例が1.2:1.0であった。不活性ガス保護の条件の下で130℃まで昇温し、原料が十分に共溶するまで攪拌した後、反応窯温度を170℃に保持し、常圧の条件の下で、3時間脱水反応させた後、重量平均分子量が4400DaであるPBSAオリゴマーを得た。
【0040】
(2)上のステップで常圧反応後の反応システムを100℃まで冷却し、高効率複合触媒システム(主触媒がクレアチニン、クレアチニン塩酸塩、クレアチニン酢酸塩、クレアチニン乳酸塩、クレアチニングリコール酸塩とクレアチニン安息香酸塩であり、共触媒がオルトチタン酸テトラプロピルTPOTであり、七者間のモル比例が1:1:1:1:1:1:1であった)を入れた。高効率複合触媒システムの投与総量が原料総質量分率の百万分の五であり、不活性ガスの雰囲気の下で、高効率複合触媒システムと反応物との均一的な混合を保証するようかき混ぜてから、1h内で絶対圧力200pa以下になるよう緩く真空化した後、温度を反応温度230℃まで向上し、15h反応させ、分子量が12.5万であるPBSA共重合体を得た。