(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記2つの隣接する分岐の各々の中でオンに切り替えられる前記ユニット電流源は、前記所望の位相が前記2つの隣接する分岐の前記特定の位相のいずれか1つにどのくらい近いかに比例する、
請求項4に記載の位相補間器。
前記2つの隣接する分岐の各々の中でオンに切り替えられる前記ユニット電流源は、前記所望の位相が前記2つの隣接する分岐の前記割り当てられた位相のいずれか1つにどのくらい近いかに比例する、
請求項11に記載の方法。
前記2つの隣接する分岐の各々の中でオンに切り替えられる前記ユニット電流源は、前記所望の位相が前記2つの隣接する分岐の前記割り当てられた位相のいずれか1つにどのくらい近いかに比例する、
請求項16に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0026]上述のように、位相補間器ベースのクロックデータ復元(CDR)回路の単純さは、それの使用の普及をもたらしたが、このアーキテクチャの欠点のうちの1つは、CDR内の位相補間器の非線形性による過大なクロックジッタを含む。
【0012】
[0027]本明細書で説明するいくつかの実施形態は、電流コーディングスキームとサイズコーディングスキームとを組み合わせることによって位相補間器の線形性を改善することを提供する。本明細書を読めば、様々な実装形態および適用例において本発明をどのように実装すべきかが明らかになろう。本発明の様々な実装形態について本明細書で説明するが、これらの実装形態は、限定ではなく、例としてのみ提示されることを理解されたい。したがって、様々な実装形態のこの詳細な説明は、本発明の範囲または広さを制限するものと解釈されるべきでない。
【0013】
[0028]位相補間器または位相回転子は、所望の位相を有する差動出力信号を生成するために、異なる位相の複数の差動入力信号を受信し、位相間を補間する。クロック信号を生成する際に、信号の位相は、データが遷移していないときにクロック信号の遷移がデータ信号の中央(「眼」)の近くに生じるように調整される。
【0014】
[0029]
図2は、位相が互いに90度ずれている4つの入力信号(In
1+、In
2+、In
3+、In
4+)をもつ一般的な位相補間器200を示す機能ブロック図である。一般に、信号は、正弦波であると仮定される。したがって、In
1+信号(Clk 0°)がsin(ωt)として表される場合、In
2+信号(Clk 90°)はcos(ωt)として表され、In
3+信号(Clk 180°)は−sin(ωt)として表され、In
4+信号(Clk 270°)は−cos(ωt)として表される。
【0015】
[0030]
図3は、一実施形態による、電流コーディングスキームで構成された位相補間器300の詳細な概略図である。
図3の図示の実施形態では、位相補間器300は、2つの負荷抵抗器R
1およびR
2と、4つの分岐310、320、330、340とを含む。各分岐は、差動入力信号を受信するソース結合されたトランジスタの差動ペアを含む。
【0016】
[0031]第1の分岐310は、位相が180度ずれている差動入力信号In
1+およびIn
1-を受信するソース結合されたトランジスタM1、M2の差動ペアを含む。トランジスタM1のドレイン端子は、R
1を通して電源電圧(V
DD)に接続し、トランジスタM2のドレイン端子は、R
2を通してV
DDに接続する。第1の分岐310はまた、テール電流源(I
cc1)を含む。第2の分岐320は、位相が180度ずれている差動入力信号In
2+およびIn
2-を受信するソース結合されたトランジスタM3、M4の差動ペアを含む。上述のように、入力信号In
2+(Clk 90°)はIn
1+(Clk 0°)と位相が90度ずれている。したがって、位相補間器300は、入力信号In
1+の位相0°と入力信号In
2+の位相90°との間を補間するために第1および第2の分岐を使用する。トランジスタM3のドレイン端子は、R
1を通して電源電圧(V
DD)に接続し、トランジスタM4のドレイン端子は、R
2を通してV
DDに接続する。第2の分岐320はまた、テール電流源(I
cc2)を含む。第3の分岐330は、位相が180度ずれている差動入力信号In
3+およびIn
3-を受信するソース結合されたトランジスタM5、M6の差動ペアを含む。上述のように、入力信号In
3+(Clk 180°)はIn
2+(Clk 90°)と位相が90度ずれている。したがって、位相補間器300は、入力信号In
2+の位相90°と入力信号In
3+の位相180°との間を補間するために第2および第3の分岐を使用する。トランジスタM5のドレイン端子は、R
1を通して電源電圧(V
DD)に接続し、トランジスタM6のドレイン端子は、R
2を通してV
DDに接続する。第3の分岐330はまた、テール電流源(I
cc3)を含む。第4の分岐340は、位相が180度ずれている差動入力信号In
4+およびIn
4-を受信するソース結合されたトランジスタM7、M8の差動ペアを含む。上述のように、入力信号In
4+(Clk 270°)はIn
3+(Clk 180°)と位相が90度ずれている。したがって、位相補間器300は、入力信号In
3+の位相180°と入力信号In
4+の位相270°との間を補間するために第3および第4の分岐を使用する。位相補間器300は、入力信号In
4+の位相270°と入力信号In
1+の位相360°(すなわち、0°)との間を補間するために第4および第1の分岐を使用する。トランジスタM7のドレイン端子は、R
1を通して電源電圧(V
DD)に接続し、トランジスタM8のドレイン端子は、R
2を通してV
DDに接続する。第4の分岐340はまた、テール電流源(I
cc4)を含む。
【0017】
[0032]電流ステアリングデジタルアナログ変換器(DAC)では、スイッチは、抵抗器または電流センサーに電流をルーティングするために使用される。一般に、スイッチは、アナログ値に変換されるバイナリデジタル値によって駆動される。バイナリデジタル値が変更されたとき、いくつかのスイッチは、開かれる必要があり得、他スイッチは、閉じられる必要があり得る。しかしながら、スイッチの遷移は、閉じるスイッチが閉じるための時間と、開くスイッチが開くための時間との間の不整合を生じ得る。いくつかの状況では、これは、値が解決および安定させられるとき、出力においてグリッチを生じ得る。したがって、一実施形態では、2つの負荷抵抗器の各々の中を流れる全電流は、バイナリコーディングを使用する上記で説明したグリッチ問題を回避するために、計数される数にコード中の1の数が加算される温度計コーディングを使用して制御される。たとえば、温度計コーディングでは、数1は「000001」として表され、数2は「000011」として表され、数3は「000111」として表され、以下同様である。したがって、温度計コーディングでは、デジタル値が変化するとき、変化するスイッチは、すべて開いているか、またはすべて閉じているかのいずれかである。たとえば、デジタル値が1から3に変化したとき、LSBのためのスイッチは同じ位置にとどまるが、第2および第3のLSBのためのスイッチは閉じ、開かれる必要があるスイッチはない。デジタル値が3から1に変化したとき、第2および第3のLSBのためのスイッチは開き、閉じられる必要があるスイッチはない。したがって、温度計コーディングは、高速適用例におけるスイッチを制御するための単純で有効な方法を提供する。
【0018】
[0033]温度計コードは、テール電流がどのように分割されるかにかかわらず、2つの負荷抵抗器R
1およびR
2の各々の中を流れる全電流が常に一定(n*I
unit/2)であるような方法で設定される。たとえば、すべての電流が第1の分岐310中を流れる場合、出力位相は0度である。すべての電流が第2の分岐320を通して引き込む場合、出力位相は90度である。0度と90度との間の出力位相が望まれる場合、全電流(n*I
unit)は、第1の分岐310と第2の分岐320との間で分配される。この場合、電流は第3の分岐330および/または第4の分岐340中を流れない。したがって、所望の出力位相が0と90との間にある場合、電流分配は分岐1と分岐2との間になる。所望の出力位相が90と180との間にある場合、電流分配は分岐2と分岐3との間になる。所望の出力位相が180と270との間にある場合、電流分配は分岐3と分岐4との間になる。所望の出力位相が270と0との間にある場合、電流分配は分岐4と分岐1との間になる。概して、いかなる出力位相の場合も、全電流(n*I
unit)は、(循環的な情況では)2つの隣接する分岐間でのみ分配されることになり、ここにおいて、第1および最後の分岐は、隣接すると見なされる。したがって、分岐1および2、分岐2および3、分岐3および4、ならびに分岐4および1は、隣接する分岐であると見なされる。
【0019】
[0034]一実施形態では、テール電流の分配比は、変数x(ただし、0<x<1)によって表される。たとえば、所望の出力位相が0度と90度との間にあり、第2の分岐320中を流れる電流が、x×全電流(すなわち、x*n*I
unit)であるとき、第1の分岐310中を流れる電流は、(1−x)*n*I
unitに等しい。したがって、xは、温度計コードを使用して直接制御され得る。
【0020】
[0035]位相補間器300は、180度だけ分離された差動信号を出力する2つの出力端子OUTPおよびOUTNをさらに含む。端子OUTPは、テール電流源中のテール電流(I
cc)の分配によって制御される出力位相をもつ信号を出力する。一実施形態では、テール電流源は、n個のスイッチとユニット電流源とをもつ(
図4に示されている)nビット電流源として構成される。スイッチの構成は、nビット温度計コードを与える。したがって、分岐のすべての中でいつでもオンに切り替えられるユニット電流源の総数は、単一の分岐中のユニット電流源の総数に等しい。
【0021】
[0036]したがって、端子OUTPにおける出力電圧は、以下のように表され得る。
【0023】
[0037]ただし、g
m1およびg
m2は、それぞれ、第1の分岐および第2の分岐中の差動ペアの相互コンダクタンスであり、R
1=R
2は負荷抵抗であり、φ(x)は出力位相であり、amp(x)は出力電圧の振幅である。したがって、位相補間器300の線形性はφ(x)の線形性として定義され得る。
【0024】
[0038]MOSトランジスタモデルの場合の相互コンダクタンス(g
m(x))は、以下のように導出され得る。
【0026】
ここにおいて、I(x)はドレインソース間電流であり、μ
nは電荷キャリア有効モビリティであり、C
oxはゲート酸化物層のキャパシタンスであり、Wはゲート幅であり、Lはゲート長であり、V
gsはゲートソース間バイアスであり、V
thはしきい値電圧である。
【0027】
[0039]導出を簡略化するために、g
mは以下のように正規化される。
【0029】
[0040]この正規化は、出力伝達関数φ(x)に影響を及ぼさないであろう。したがって、第1の分岐のための相互コンダクタンス(g
m1(x))、および第2の分岐のための相互コンダクタンス(g
m2(x))は、以下のようになる。
【0031】
[0041]したがって、電流コーディングスキームの場合、出力位相伝達関数φ(x)は、以下のようになる。
【0033】
[0042]電流コーディングスキームの場合のこの出力位相伝達関数は、破線曲線として
図5に示されている。実線は理想的な線形伝達関数を表す。しかしながら、(
図3に示されている)4つのソースノードS
1〜S
4における電圧変動は、(
図5中で点として示されている)出力位相に実質的に影響を及ぼし、出力位相の線形性を劣化させる。位相出力(点)は、入力パラメータのための以下の値、すなわち、μ
nC
ox=800μA/0.06V
2、R
1=R
2=1400オーム、I=400μA、および入力振幅100mVを用いてシミュレートされた。
図5に示されているグラフによれば、ソースノード影響のない(破線曲線)(1.57LSBに等しい)最大DNLは、約8.85度の位相誤差をもつ第1および最後のステップにおいて生じる。しかしながら、ソースノード影響がある場合、(2.90LSBに等しい)最大DNLは、約16.5度の位相誤差をもつ最後のステップにおいて生じる。したがって、出力位相に対するソースノード(すなわち、
図3中のノードS1、S2、S3、S4)の影響を低減する必要がある。
【0034】
[0043]
図6は、一実施形態による、容量性要素を使用する電流コーディングスキームで構成された位相補間器600の概略図である。
図6の図示の実施形態では、4つの結合キャパシタC
CC1-2、C
CC2-3、C
CC3-4、およびC
CC4-1は、(
図5に示されている)ソースノードにおける電圧変動を低減し、したがって、出力位相線形性の劣化を低減するために、差動ペア(M
1〜M
8)のソースノードS
1〜S
4を接続するために使用される。結合キャパシタC
CC1-2は、第1および第2の分岐のソースノードを結合するために使用され、結合キャパシタC
CC2-3は、第2および第3の分岐のソースノードを結合するために使用され、結合キャパシタC
CC3-4は、第3および第4の分岐のソースノードを結合するために使用され、結合キャパシタC
CC4-1は、第4および第1の分岐のソースノードを結合するために使用される。結合キャパシタの値は、トランジスタの差動ペアのゲートソース間キャパシタンスに相当するように選択される。一実施形態では、各結合キャパシタの値は、互いにほぼ等しくなる(すなわち、C
CC1-2≒C
CC2-3≒C
CC3-4≒C
CC4-1)ように選択される。さらに、結合キャパシタのための値の範囲はCMOS技術に依存し、それは、65nmよりも大きいCMOS技術の場合、約10〜50フェムトファラドであるべきであり、それは、通常バイパスキャパシタンスと比較して極めて小さい。
【0035】
[0044]
図7は、一実施形態による、サイズコーディングスキームで構成された位相補間器700の概略図である。
図7の図示の実施形態では、位相補間器700は、
図3に示されている電流コーディングスキームで構成された位相補間器300と同様に、2つの負荷抵抗器R
1およびR
2と4つの分岐とを含む。しかしながら、電流コーディングスキームで構成された位相補間器300とは異なり、サイズコーディングスキームにおけるテール電流(I
SC)はすべての分岐に固定および結合される。さらに、電流コーディングスキームで構成された位相補間器300とは異なり、各分岐中のソース結合されたトランジスタの各差動ペアは、n個のスイッチのセットを使用してオンまたはオフにされるトランジスタのn個の差動ペアで構成される。
【0036】
[0045]たとえば、
図8は、一実施形態による、n個のスイッチのセットを使用してオンまたはオフにされるトランジスタのn個の差動ペアを含む1つの分岐の概略図である。
図8の図示の実施形態では、スイッチC
1は、トランジスタの第1の差動ペアをオンまたはオフにするために使用され、スイッチC
2は、トランジスタの第2の差動ペアをオンまたはオフにするために使用され、スイッチC
nがトランジスタのn番目の差動ペアをオンまたはオフにするために使用されるまで以下同様である。したがって、各分岐中のスイッチは、C
1〜C
nについて、
図3に示されている電流コーディングスキームにおけるものと同じ温度計コードによって制御され得る。したがって、サイズコーディングされた位相補間器700は、オンまたはオフにされるトランジスタの差動ペアの数を制御することによって出力位相(および電流)を選択し、それにより、各分岐の差動ペアのサイズを決定する。したがって、分岐のすべての中でいつでもオンにされるスイッチの総数は、単一の分岐中のスイッチの総数(n)に等しい。
【0037】
[0046]
図9は、一実施形態による、
図8に示されている1つの分岐の概略レイアウトである。
図9の図示の実施形態では、トランジスタのn個の差動ペアは、基板上に配置されたゲート端子とソース端子とドレイン端子とで構成される。したがって、各差動ペアは同じ次元を有する。ラベルWおよびLは、それぞれ、ゲート幅およびゲート長を表す。
【0038】
[0047]スイッチC
1〜C
nを制御するために使用される温度計コードを参照すると、温度計コードは、テール電流が異なる分岐にどのように分割されるかにかかわらず、オンにされる差動ペアの数が一定(n)のままであるように構成される。たとえば、第1の分岐710の差動ペアがすべてオンにされた場合、出力位相は0度である。第2の分岐720の差動ペアがすべてオンにされた場合、出力位相は90度である。0度と90度との間の出力位相が望まれる場合、第1の分岐710と第2の分岐720の両方は、オンにされる一定数の差動ペアを有することになる。この場合、第3の分岐730および第4の分岐740中の差動ペアは、オンにされないことになる。概して、任意の出力位相について、2つの隣接する分岐(すなわち、分岐1および2、分岐2および3、分岐3および4、分岐4および1)中のトランジスタの差動ペアは、オンにされる。第1および最後の分岐も、隣接すると見なされる。
【0039】
[0048]一実施形態では、2つの隣接する分岐の場合、オンまたはオフにされるトランジスタの差動ペアの分配比は、変数x(ただし、0<x<1)によって表される。たとえば、所望の出力位相が0度と90度との間にあり、第2の分岐720中のオンにされる差動ペアの数がx×差動ペアの総数(すなわち、x*n)であるとき、第1の分岐710中のオンにされる差動ペアの数は、(1−x)*nに等しい。したがって、xは、温度計コードを使用して直接制御され得る。
【0040】
[0049]サイズコーディングスキームの場合のMOSトランジスタモデルの相互コンダクタンス(g
m(x))は、電流コーディングスキームと同様に導出され得るが、サイズコーディングスキームの場合、項W/Lも、以下のようにxの関数である。
【0042】
[0050]再び、g
mは、以下のように正規化される。
【0044】
[0051]したがって、サイズコーディングスキームの場合、第1の分岐の相互コンダクタンス(g
m1(x))、および第2の分岐の相互コンダクタンス(g
m2(x))は、以下のように導出される。
【0046】
[0052]再び、端子OUTPにおける出力電圧は、以下のように表され得る。
【0048】
しかしながら、変数g
m1(x)およびg
m2(x)は、それぞれ、第1の分岐および第2の分岐中のトランジスタの差動ペアの総相互コンダクタンスを表す。
【0049】
[0053]したがって、サイズコーディングスキームの場合、出力位相伝達関数φ(x)は、以下のようになる。
【0051】
[0054]
図10は、理想的な線形事例(実線)と、電流コーディングスキーム(破線)と、サイズコーディングスキーム(一点短鎖線)との場合の出力位相をプロットする位相伝達関数である。
図10に示されているプロットによれば、電流コーディングモードの場合、(1.57LSBに等しい)最大DNLは、約9.50度の位相誤差をもつ第1および最後のステップにおいて生じるが、サイズコーディングモードの場合、(0.32LSBに等しい)最大DNLは、約4.10度の位相誤差をもつ第1および最後のステップにおいて生じる。サイズコーディングは線形性を改善するが、それの最小DNLは、数学的制限により0.32LSBよりも小さくなり得ない。さらに、電流コーディングスキームとサイズコーディングスキームとの出力位相は、反対の極性を有する。したがって、固定重み(K)を用いて2つのスキームを組み合わせることは、電流コーディングスキーム位相補間器またはサイズコーディングスキーム位相補間器のいずれかと比較して、複合位相補間器の場合、より高い線形性を生じる。
【0052】
[0055]
図11は、一実施形態による、電流コーディングスキームをサイズコーディングスキームと組み合わせた複合スキームで構成された位相補間器1100の概略図である。
図11の図示の実施形態では、電流コーディング分岐1110およびサイズコーディング分岐1120は、2つの負荷抵抗器R
1およびR
2において加算される。重み付け係数Kは、サイズ合計と電流とに関する2つの分岐の比を表す。比を表す式は、以下で示される。
【0054】
[0056]複合スキーム位相補間器の場合の端子OUTPにおける出力電圧は、以下のように表され得る。
【0057】
[0057]したがって、複合スキームの場合の出力位相伝達関数φ(x)は、以下のようになる。
【0059】
[0058]
図12は、理想的な線形事例(実線)と、電流コーディングスキーム(破線)と、サイズコーディングスキーム(一点短鎖線)と、複合スキーム(点線)との場合の出力位相のプロットを示す位相伝達関数である。複合スキームは、最適重み比としてK=0.3を用いてプロットされた。
【0060】
[0059]
図13Aは、理想的なターゲット事例(実線の直線)と、電流コーディングスキーム(破線)と、サイズコーディングスキーム(実線の曲線)と、複合スキーム(点線)とを含む異なるコーディングスキームの場合の位相誤差の絶対値のプロットである。
図13のプロットでは、複合方法(点線)の最大位相誤差は約1.0度であり、それは、(約4.1度の最大位相誤差を有する)約76%だけのサイズコーディングスキームからの改善であり、(最大位相誤差が約9.5度であるを有する)約90%だけの電流コーディングスキームからの改善である。
【0061】
[0060]
図13Bは、係数Kの変化に伴う最大位相誤差のプロットである。
図13Bの図示されたプロットでは、K=0はサイズコーディング構成に対応し、K−>∞は電流コーディング構成であり、K=0.3は、最大位相誤差がその値において最も低い最適ポイントである。表1に、係数Kの様々な値について最大位相誤差のための値を(度数で)示す。
【0063】
[0061]
図14は、別の実施形態による、容量性要素を使用する電流コーディングスキームをサイズコーディングスキームと組み合わせた複合スキームで構成された位相補間器1400の概略図である。
図14の図示の実施形態では、電流コーディング分岐1410は、ソースノードにおける電圧変動を低減し、したがって、出力位相線形性の劣化を低減するために、差動ペア(M
1〜M
8)のソースノードS
1〜S
4を接続するために使用される4つの結合キャパシタC
CC1-2、C
CC2-3、C
CC3-4およびC
CC4-1を含む。サイズコーディング分岐1420は、
図11中のサイズコーディング分岐1120と同様に構成される。
【0064】
[0062]本発明のいくつかの実施形態について上記で説明したが、本発明の多くの変形形態が可能である。たとえば、図示の実施形態は、位相が互いに90度ずれている4つの入力信号をもつ位相補間器について説明したが、他の実施形態が可能である。たとえば、位相補間器は8つの入力信号を有することができる、位相が互いに45度ずれている。さらに、様々な実施形態の特徴は、上記で説明した組合せとは異なる組合せで組み合わせられ得る。その上、明瞭なおよび簡単な説明のために、システムおよび方法の多くの説明が簡略化されている。多くの説明は、特定の規格の用語および構造を使用する。しかしながら、開示されるシステムおよび方法は、より広く適用可能である。
【0065】
[0063]当業者は、本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的なブロックおよびモジュールが様々な形態で実装され得ることを諒解されよう。いくつかのブロックおよびモジュールについて、概してそれらの機能に関して上記で説明した。そのような機能がどのように実装されるかは、全体的なシステムに課せられる設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装し得るが、そのような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱を生じるものと解釈されるべきではない。さらに、モジュール、ブロック、またはステップ内の機能のグループ化は、説明を簡単にするためのものである。本発明から逸脱することなく、特定の機能またはステップが1つのモジュールまたはブロックから移され得る。
【0066】
[0064]本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的な論理ブロック、ユニット、ステップ、構成要素、およびモジュールは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素などのプロセッサ、あるいは本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。さらに、本明細書で説明する実施形態および機能ブロックおよびモジュールを実装する回路は、様々なトランジスタタイプ、論理ファミリーおよび設計方法を使用して実現され得る。
【0067】
[0065]開示した実施形態の上記の説明は、当業者が本発明を製作または使用できるように提供したものである。これらの実施形態への様々な修正は当業者には容易に明らかであり、本明細書で説明した一般原理は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用され得る。したがって、本明細書で提示する説明および図面は、本発明の現在好ましい実施形態を表し、したがって、本発明によって広く企図される主題を表すことを理解されたい。本発明の範囲は、当業者に明らかになり得る他の実施形態を完全に包含することと、したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲以外のものによって限定されないこととをさらに理解されたい。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
電源電圧に結合され、第1の負荷抵抗器と第2の負荷抵抗器とを含む負荷抵抗器のペアと、
負荷抵抗器の前記ペアに結合された複数の分岐、各分岐は、第1のトランジスタと第2のトランジスタとを含むソース結合されたトランジスタの差動ペアを含み、前記第1のトランジスタは、第1のゲート端子において第1の差動入力信号を受信し、前記第2のトランジスタは、第2のゲート端子において前記第1の差動入力信号と位相が相補的な第2の差動入力信号を受信し、前記第1のトランジスタはまた、第1のドレイン端子と第1のソース端子とを有し、前記第2のトランジスタはまた、第2のドレイン端子と第2のソース端子とを有し、前記第1のソース端子は、ソースノードを形成するために前記第2のソース端子に接続される、と、
第1の出力端子において第1の差動出力信号を生成し、第2の出力端子において前記第1の差動出力信号と相補的な第2の差動出力信号を生成するように構成される前記複数の分岐と、
ここにおいて、前記第1の出力端子は、前記第1の負荷抵抗器と前記第1のドレイン端子とに接続され、前記第2の出力端子は、前記第2の負荷抵抗器と前記第2のドレイン端子とに接続される、
複数のテール電流源、各テール電流源は、前記ソースノードのうちの1つに結合された、と、
複数の結合キャパシタ、各結合キャパシタが、前記複数の分岐のうちの2つの隣接する分岐中の前記ソースノード間に結合される、と
を備える、位相補間器。
[C2]
前記各テール電流源は、複数のユニット電流源および複数のスイッチとして構成され、
各ユニット電流源は、前記複数のスイッチからの対応するスイッチを使用してオンまたはオフに切り替えられる、
C1に記載の位相補間器。
[C3]
前記複数の分岐のすべての中でいつでもオンに切り替えられるユニット電流源の総数は、単一の分岐中のユニット電流源の総数に等しい、
C2に記載の位相補間器。
[C4]
前記各分岐の前記第1の差動入力信号は、前記複数の分岐の総数によって360度を等しく分割することから生じる特定の位相を割り当てられ、
2つの隣接する分岐中のユニット電流源は、前記2つの隣接する分岐の特定の位相間の所望の位相を有する前記第1の差動出力信号を生成するためにオンに切り替えられる、
C2に記載の位相補間器。
[C5]
前記2つの隣接する分岐の各々の中でオンに切り替えられる前記ユニット電流源は、前記所望の位相が前記2つの隣接する分岐の前記特定の位相のいずれか1つにどのくらい近いかに比例する、
C4に記載の位相補間器。
[C6]
前記各結合キャパシタの値は、ソース結合されたトランジスタの前記差動ペアのゲートソース間キャパシタンスに相当する、
C1に記載の位相補間器。
[C7]
前記各結合キャパシタの前記値は、約10〜300フェムトファラドの範囲内にある、
C6に記載の位相補間器。
[C8]
複数の分岐中で構成された位相補間器の線形性を改善するための方法であって、
対応する複数の分岐において複数の差動入力信号を受信すること、各分岐は、ソース結合されたトランジスタの差動ペアを含み、各差動入力信号が、割り当てられた位相を有する、と、
ここにおいて、前記ソース結合されたトランジスタのソース端子は、ソースノードを形成するために接続される、
前記各分岐の前記ソースノード中を流れる電流量を制御することによって前記複数の差動入力信号の前記割り当てられた位相間を補間することと、
前記複数の分岐のうちの隣接する分岐のペアの前記ソースノード間のキャパシタンスを結合することと
を備える、方法。
[C9]
前記各分岐の前記ソースノード中を流れる電流量を制御することによって補間することは、
各分岐について複数のユニット電流源をオンまたはオフに切り替えることを備え、
前記各分岐の前記ソースノード中を流れる前記電流量は、オンに切り替えられるユニット電流源の数によって制御される、
C8に記載の方法。
[C10]
前記複数の分岐のすべての中でいつでもオンに切り替えられるユニット電流源の総数は、単一の分岐中のユニット電流源の総数に等しい、
C9に記載の方法。
[C11]
前記各差動入力信号の前記割り当てられた位相は、前記複数の分岐の総数によって360度を等しく分割することによって割り当てられ、
前記ユニット電流源は、2つの隣接する分岐の前記割り当てられた位相間の所望の位相を有する差動出力信号のペアを生成するために前記2つの隣接する分岐中で切り替えられる、
C9に記載の方法。
[C12]
前記2つの隣接する分岐の各々の中でオンに切り替えられる前記ユニット電流源は、前記所望の位相が前記2つの隣接する分岐の前記割り当てられた位相のいずれか1つにどのくらい近いかに比例する、
C11に記載の方法。
[C13]
複数の分岐中で構成された位相補間器の線形性を改善するための装置であって、
対応する複数の分岐において複数の差動入力信号を受信するための手段、各分岐は、ソース結合されたトランジスタの差動ペアを含み、各差動入力信号が、割り当てられた位相を有する、と、
ここにおいて、前記ソース結合されたトランジスタのソース端子は、ソースノードを形成するために接続される、
前記各分岐の前記ソースノード中を流れる電流量を制御することによって前記複数の差動入力信号の前記割り当てられた位相間を補間するための手段と、
前記複数の分岐のうちの隣接する分岐のペアの前記ソースノード間のキャパシタンスを結合するための手段と
を備える、装置。
[C14]
前記各分岐の前記ソースノード中を流れる電流量を制御することによって前記補間するための手段は、
各分岐について複数のユニット電流源をオンまたはオフに切り替えるための手段を備え、
前記各分岐の前記ソースノード中を流れる前記電流量は、オンに切り替えられるユニット電流源の数によって制御される、
C13に記載の装置。
[C15]
前記複数の分岐のすべての中でいつでもオンに切り替えられるユニット電流源の総数は、単一の分岐中のユニット電流源の総数に等しい、
C14に記載の装置。
[C16]
前記各差動入力信号の前記割り当てられた位相は、前記複数の分岐の総数によって360度を等しく分割することによって割り当てられ、
前記切り替えるための手段は、2つの隣接する分岐の前記割り当てられた位相間の所望の位相を有する差動出力信号のペアを生成するために前記2つの隣接する分岐中のユニット電流源を切り替える、
C14に記載の装置。
[C17]
前記2つの隣接する分岐の各々の中でオンに切り替えられる前記ユニット電流源は、前記所望の位相が前記2つの隣接する分岐の前記割り当てられた位相のいずれか1つにどのくらい近いかに比例する、
C16に記載の装置。