特許第6254336号(P6254336)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6254336
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】ペン型針アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/31 20060101AFI20171218BHJP
   A61M 5/24 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   A61M5/31
   A61M5/24
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2010-210948(P2010-210948)
(22)【出願日】2010年9月21日
(65)【公開番号】特開2011-62527(P2011-62527A)
(43)【公開日】2011年3月31日
【審査請求日】2013年8月29日
【審判番号】不服2016-3075(P2016-3075/J1)
【審判請求日】2016年2月29日
(31)【優先権主張番号】12/563,092
(32)【優先日】2009年9月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア ディー.ホーヴァス
(72)【発明者】
【氏名】ディアドリー コリンズ
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ ジー.ファン
(72)【発明者】
【氏名】ポール アッパム
(72)【発明者】
【氏名】ショーン サリヴァン
(72)【発明者】
【氏名】エド ランジル
【合議体】
【審判長】 内藤 真徳
【審判官】 関谷 一夫
【審判官】 二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0015444(US,A1)
【文献】 米国特許第2467678(US,A)
【文献】 特開2000−262616(JP,A)
【文献】 特開2001−245979(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/31
A61M 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハブと、該ハブに接続された針と、前記ハブおよび前記針を覆う外カバーであって、前記針を受容する寸法の第1端部分および前記ハブを受容する寸法の第2端部分を有する外カバーと、をそれぞれが含む複数のペン型針と、
前記外カバーとテーパ部ではない前記第1端部分でのみ係合して、前記複数のペン型針と互いに接続するための接続部材と、
を具えたことを特徴とするペン型針アセンブリ。
【請求項2】
前記接続部材が雄部材を具備し、前記第1端部分が雌部材を具備することを特徴とする請求項1に記載のペン型針アセンブリ。
【請求項3】
前記接続部材は、前記第1端部分と係合して前記複数のペン型針の各々を取り外し可能に接続する背を具備することを特徴とする請求項1に記載のペン型針アセンブリ。
【請求項4】
前記背および前記第1端部分の一方がボール部材を有し、前記背および前記第1端部分の他方がソケット部材を有し、前記ボール部材が前記ソケット部材に取り外し可能に受容されることを特徴とする請求項3に記載のペン型針アセンブリ。
【請求項5】
前記背は、前記第1端部分を受容するのに適合した開口を複数有することを特徴とする請求項3に記載のペン型針アセンブリ。
【請求項6】
前記ソケット部材が前記第1端部分の外面に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のペン型針アセンブリ。
【請求項7】
前記背が、第1側面から延在する第1の複数のボール部材と、第2側面から延在する第2の複数のボール部材とを有することを特徴とする請求項4に記載のペン型針アセンブリ。
【請求項8】
前記ハブが封止部によって覆われていることを特徴とする請求項4に記載のペン型針アセンブリ。
【請求項9】
前記第1端部分は、前記背の開口と係合する溝を有する管状部分を具備することを特徴とする請求項5に記載のペン型針アセンブリ。
【請求項10】
前記管状部分は拡大されたヘッドを具備することを特徴とする請求項9に記載のペン型針アセンブリ。
【請求項11】
前記ハブが封止部によって覆われていることを特徴とする請求項5に記載のペン型針アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のペン型針(pen needle)と、これらを取り外し可能に互いに接続するための接続部材と、を含んだペン型針アセンブリに関するものである
【背景技術】
【0002】
ある状況下では、薬剤をヒトの組織に直接注入することが望まれる。一般に、注射器ないしはペン型注入デバイスを用いて、筋肉組織層、皮下組織層および皮内組織層などの組織領域内に薬剤が注入される。
【0003】
一般的なペン型注入デバイスのアセンブリおよび操作は、図1および図2に示すように、2006年10月12日に公開された特許文献1に記載されており、参照によってその全体をここに包含するものとする。
【0004】
例示されるペン型注入器100は、図1に示されるように、一般にノブ/ボタン24、外側スリーブ13およびキャップ21を具備している。投薬(dose)ノブ/ボタン24によって、ユーザは注入すべき用量の薬剤をセットすることができる。外側スリーブ13は、薬剤注入時にユーザによって把持される。キャップ21は、ペン型注入デバイス100をシャツのポケット、パース(purse)その他の適切な位置にユーザがしっかりと保持しておくのに用いられる。
【0005】
図2は、図1に例示した薬物供給ペンの分解図である。投薬ノブ/ボタン24は二重の目的を有しており、注入すべき用量の薬剤をセットすることと、薬剤カートリッジ12を通る送りねじ7およびストッパ15を介して投薬される薬剤を注入することと、の双方に用いられる。薬剤カートリッジ12は下方ハウジング17を通して薬物供給ペンに取り付けられている。標準的な薬物供給ペンにおいては、投薬および注入機構はすべて外側スリーブ13内に見出され、従来技術の知識を有する者には理解されているのでここでは詳述しない。薬剤カートリッジ12内でのプランジャすなわちストッパ15の遠位方向への移動によって、ハブ20の針11内へと薬剤が押しやられる。薬剤カートリッジ12は隔膜16によって封止されており、これはハブ20内に配置された隔膜貫通針カニューレ18によって穿孔される。ハブ20は、好ましくは下部ハウジング17にねじ止めされるものであるが、カートリッジに取り付けるなど他の取り付け手段を用いることも可能である。ユーザあるいはペン型注入デバイス100を取り扱う他の者を保護するため、ハブ20に取り付けられるカバー69がハブを覆っている。外カバー69内で、内側遮蔽部59が患者用の針11を覆っている。締まり嵌めあるいはスナップ嵌合などの適切な手段により、内側遮蔽部59をハブ20に固定し、患者用の針11を覆うことができる。外カバー69および内側遮蔽部59は使用に先立って取り外される。キャップ21が外側スリーブ13に対してぴったりと嵌合していることよって、ユーザは薬物供給ペン100をしっかり携帯する(carry)ことができる。
【0006】
薬剤カートリッジ12は、一般に、一端が隔膜16によって封止され、他端がストッパ15によって封止されたガラス管である。隔膜16は、ハブ20内の隔膜貫通針カニューレ18によって穿孔可能であるが、薬剤カートリッジ12に対しては移動しない。ストッパ15は、流体密封シールを維持しながら軸方向に変位可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0229562号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ハブ20、針11、外側遮蔽部69および内側遮蔽部59を含むペン型針は、一般に1回の注入に使用された後には処分される。従って、ある期間で複数回の注入を実施するべく、患者はペン型針をいくつか携帯していなければならない。ペン型針は、概して束ねていない状態で収納容器に保管されており、患者にとって複数のペン型針を保持する上で簡便なものではない。従って、複数のペン型針を取り外し可能互いにに接続し。複数のペン型針を携帯する上での簡便性を患者に提供する必要がある。
【0009】
薬物供給ペンを扱うユーザにとって生じる他の問題としては、ペン型針からパッケージを除去し、ペン型針を薬物供給ペンに取り付けるのが難しい、ということがある。一般に、フォイルシールが外カバーの非患者側針端部(non-patient needle end)を覆っているが、薬物供給ペンにペン型針を接続するに先立ってこれを取り外さなければならない。加えて、外カバーが小寸法であることがペン型針の取り扱いおよび接続を難しいものにしてしまう。従って、ユーザが容易に開放して把持できるペン型針を提供する必要がある。
【0010】
ユーザにとって生じる他の問題として、外カバーをハブアセンブリに戻そうとする際にも外カバーを取り扱わなければならないが、不慮の針刺しにつながり得る、ということがある。さらに、針の非注入端は覆われていないため、これも不慮の針刺しにつながり得る。外カバー用のキャップに対しては、針の非注入端を包囲する非穿刺性のキャップとするさらなる必要がある。
【0011】
注入後には、使用済みの針ないしは「先鋭物(sharps)」が適切に処分されなければならない。使用済み先鋭物は体液その他によって汚染されていることがあり、使用後にそれらを取り扱い得る他者に危険をもたらすことがある。先鋭物処分用収納容器に使用済み先鋭物を保管し、それに対してはいかなるものも意図的ではない接触が生じることがないようにされる。従って、外カバーに対しては、使用後においてペン型針を非穿刺性のカバー内に封入してキャップする、というさらなる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一形態では、接続部材が複数のペン型針を取り外し可能に互いに接続し、複数のペン型針を持つユーザにとっての簡便性を提供する。
【0013】
本発明の他の形態では、ペン型針の外カバーが、ユーザにとって取り扱いやすい形状および把持部材を有する。
【0014】
本発明のさらなる形態では、キャップが、ペン型針の外カバーの第1端を受容する第1開口と、外カバーの第2端を受容する第2開口とを有している。
【0015】
本発明の目的、利点および顕著なる特徴は、添付の図面と関連させながら本発明の例示的な実施形態を開示する後述の詳細な説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】既存のペン型針アセンブリを組立て状態で示す斜視図である。
図2図1のペン型アセンブリの要素を示す分解斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係るペン型針用外カバーの分解斜視図であり、外カバーが接続可能な状態を示している。
図4】本発明の他の実施形態に係る接続部材の分解斜視図であり、複数のペン型針を受容している状態を示している。
図5】本発明の他の実施形態に係る接続部材の分解斜視図であり、複数のペン型針を受容している状態を示している。
図6】本発明の他の実施形態に係る接続部材の分解斜視図であり、複数のペン型針を受容している状態を示している。
図7】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの斜視図である。
図8】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの上面図である。
図9】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの側面図である。
図10】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの正面図である。
図11】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの底面図である。
図12】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの斜視図である。
図13】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの上面図である。
図14】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの側面図である。
図15】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの底面図である。
図16】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの斜視図である。
図17】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの上面図である。
図18】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの側面図である。
図19】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの底面図である。
図20】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの斜視図である。
図21図20とは逆の方向から見た、本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの斜視図である。
図22】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの上面図である。
図23】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの側面図である。
図24】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの正面図である。
図25】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの底面図である。
図26】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの斜視図である。
図27】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの上面図である。
図28】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの正面図である。
図29】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの側面図である。
図30】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの底面図である。
図31】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの斜視図である。
図32】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの上面図である。
図33】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの側面図である。
図34】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの正面図である。
図35】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの底面図である。
図36】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの斜視図である。
図37図36とは逆の方向から見た、本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの斜視図である。
図38】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの上面図である。
図39】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの側面図である。
図40】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの正面図である。
図41】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの底面図である。
図42】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの斜視図である。
図43図42とは逆の方向から見た、本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの斜視図である。
図44】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの上面図である。
図45】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの側面図である。
図46】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの正面図である。
図47】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの底面図である。
図48】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの斜視図である。
図49】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの斜視図である。
図50】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの側面図である。
図51】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの正面図である。
図52】本発明の他の実施形態に係る外カバーおよびリッドの底面図である。
図53】本発明の他の実施形態に係る図20図25に示したペン型針用の接続可能な外カバーの斜視図であり、複数の外カバーが互いに接続された状態を示している。
図54】本発明の他の実施形態に係る図20図25に示したペン型針用の接続可能な外カバーの側面図であり、複数の外カバーが互いに接続された状態を示している。
図55】本発明の他の実施形態に係るペン型針用の外カバーの側面図である。
図56図55の外カバーの上面図である。
図57図55の外カバーの低面図である。
図58図55の外カバーの斜視図である。
図59図55の外カバーの斜視図であり、リッドを閉じた状態で示している。
図60】本発明の他の実施形態に係るペン型針用の外カバーのためのキャップを上方から見た斜視図である。
図61図60のキャップを下方から見た斜視図である。
図62図60のキャップの斜視図であり、ペン型針外カバーの患者側端を受容している状態で示している。
図63図62のペン型針およびキャップの分解斜視図である。
図64図60のキャップの斜視図であり、ペン型針外カバーの非患者側端を覆っている状態で示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
上述した有用性および本発明の種々実施形態の他の利点は、本発明の例示的な実施形態について以下に詳述する説明および添付の図面からより明らかとなる。
【0018】
添付図の全体を通じ、同様の参照番号は、同様の部品、要素および構造を参照するものとして理解される。
【0019】
例示される本発明の一実施形態では、図3図6に示すように、接続部材が複数のペン型針を取り外し可能に互いに接続しており、これによって複数のペン型針を携帯する患者にとっての簡便性が提供される。
【0020】
図3に示すように、ペン型針111の接続部材101は雄部材103および雌部材105を含んでいる。ペン型針111は針119を受容するハブ117と、ハブに接続されて針の患者側端を覆う内側遮蔽部115と、内側遮蔽部およびハブを覆う外側遮蔽部113を含んでいる。封止部110はハブ117の非患者側針端を覆う。
【0021】
フランジ102は外カバー113の一端に配設されている。ピンなどの雄部材103がフランジ102に接続されている。リングなどの雌部材105もまたフランジ102に接続されている。好ましくは、雄部材103および雌部材105は、それぞれ、フランジ102の直径方向の反対側にある。図3に示すように、第1のペン型針111の雄部材103は第2のペン型針111の雌部材を受容することで、ペン型針の連鎖が形成できるようになっている。注入が行われるときには、患者は連鎖の一端にあるペン型針を取り外し、これを薬物供給ペン100に接続する(図1および図2)。従って、複数のペン型針は取り外し可能に互いに接続され、これによって患者は複数のペン型針を容易に携帯することができる。
【0022】
図4に示すように、接続部材131は複数のペン型針141を取り外し可能に受容する。ペン型針141は、針149を受容するハブ147と、ハブに接続され、針の患者側端を覆う内側遮蔽部145と、内側遮蔽部およびハブを覆う外カバー143とを含んでいる。封止部140はハブ147の非患者側端を覆う。外カバー143は、それに形成されたソケット部材144を有する。
【0023】
接続部材131は、それに複数のボール部材133が接続された背(spine)135を含んでいる。好適には、ボール部材133は背135の対向側部に配設される。図4に示される接続部材131は、実質的に直線状の背135を有している。しかし接続部材は、平面状、球状あるいは円形状など、適切な形状を有するものであってもよい。ボール部材133は外カバー143のソケット部材144を取り外し可能に受容する。注入を行う際には、患者はペン型針141を接続部材131から取り外し、ペン型針を薬物供給ペン100に接続する(図1および図2)。従って、接続部材131は複数のペン型針141を取り外し可能に受容し、これによって患者は複数のペン型針を容易に携帯することができる。
【0024】
図5に示すように、接続部材151は複数のペン型針161を取り外し可能に受容する。ペン型針161は、針169を受容するハブ167と、ハブに接続され、針の患者側端を覆う内側遮蔽部165と、内側遮蔽部およびハブを覆う外カバー163とを含んでいる。封止部160はハブ167の非患者側端を覆う。外カバー163の管状部分162の自由端は拡大されたヘッド154を有し、管状部分162には溝166が形成されている。
【0025】
接続部材151は、それに複数の開口157が接続された背155を含んでいる。図5に示される接続部材151は、実質的に直線状の背155を有している。しかし接続部材は、平面状、球状あるいは円形状など、適切な形状を有するものであってもよい。ペン型針151を接続部材151に接続するために、外カバー163の拡大ヘッド164を開口157に通し、溝166が開口157に係合するようにする。注入を行う際には、患者はペン型針161を接続部材151から取り外し、ペン型針を薬物供給ペン100に接続する(図1および図2)。従って、接続部材151は複数のペン型針161を取り外し可能に受容し、これによって患者は複数のペン型針を容易に携帯することができる。
【0026】
図6に示すように、接続部材171は複数のペン型針181を取り外し可能に受容する。ペン型針181は、針189を受容するハブ187と、ハブに接続され、針の患者側端を覆う内側遮蔽部185と、内側遮蔽部(図5の符号165)およびハブを覆う外カバー183とを含んでいる。封止部180はハブ187の非患者側端を覆う。外カバー183の管状部分182の自由端は拡大されたヘッド184を有し、管状部分182には溝186が形成されている。
【0027】
接続部材171は、それに複数の開口177が接続された背175を含んでいる。開口177は、背175の第1側172から第2側174を貫いている。開口177の第1部分176は、外カバー183の溝186を受容するのに適合したものとなっている。開口177の第2部分178は、第1部分176の反対側に配され、外カバー183のフランジ188を受容するのに適合したものとなっている。第2部分178は、タブあるいは締まり嵌めなど、適切な方法でフランジを保持することができる。好ましくは、開口177の第1および第2部分は背175の各側に交互に配置される。
【0028】
使用前には、ペン型針181は接続部材171に取り外し可能に接続され、溝186が開口177の第1部分171に受容されるようになっている。ペン型針181が使用された後には、外カバー183のフランジ188が第2部分178に受容され、これによって針189の非患者側端180に対するカバーが提供される。図6に示される接続部材171は、実質的に直線状の背175を有している。しかし接続部材は、平面状、球状あるいは円形状など、適切な形状を有するものであってもよい。
【0029】
ペン型針181を接続部材171に接続するために、外カバー183の拡大ヘッド184を開口177の第1部分176に通し、溝186が開口177の第1部分176に係合するようにする。注入を行う際には、患者はペン型針181を接続部材171から取り外し、封止部180を取り外し、ペン型針を薬物供給ペン100に接続する(図1および図2)。注入を行った後には、外カバー183のフランジ188が開口177の第2部分178に接続され、使用済みのペン型針が接続部材171に固定されるとともに、針189の非患者側端190が覆われる。従って、接続部材171は使用前および使用後の双方において複数のペン型針181を取り外し可能に受容し、これによって患者は複数の、新しいペン型針および使用済みのペン型針を容易に携帯することができる。
【0030】
図7図59にはペン型針用の外カバーおよびリッドの種々の構成が示されており、これらはペン型針を開放および把持するのに有用なものである。これらの外カバーおよびリッドはまた、針が使用された後の尖鋭物収納容器としても機能する。従って、ハブアセンブリは非穿刺性の外カバーおよびリッド内に完全に封入される。図21図47図53および図54に示される外カバーによって、外カバー同士を互いに接続することが可能となり、ユーザは複数のペン型針を携帯することができるようになる。
【0031】
図7図11は第1の実施形態によるペン型針201を示している。外カバー203は、その内部にハブおよび針を受容する(図2)。複数のリブ206が外カバー203の外表面209に沿って軸方向に延在していることで、外カバーを把持する助けとなる。外カバー203は実質的に平坦なベース205を有し、ペン型針201が直立した状態で置かれるようになっている。リッド207は、ベース205の反対側の外カバー203の端部に接続されている。ディスク形状ハンドル208がリッド207から上方に延在していることで、ペン型針201を開放してハブおよび針にアクセスする助けとなる。
【0032】
図12図15は第2の実施形態によるペン型針221を示している。外カバー223は、その内部にハブおよび針を受容する(図2)。複数の第1の溝226が外カバー223の外表面229に沿って軸方向に延在していることで、外カバーを把持する助けとなる。外カバー223は実質的に平坦なベース225を有し、ペン型針221が直立した状態で置かれるようになっている。リッド227は、ベース225の反対側の外カバー223の端部に接続されている。複数の第2の溝228がリッド227の傾斜部分231に沿って延在していることで、リッドを把持してペン型針221を開放し、ハブおよび針にアクセスする助けとなる。リッド227は丸みのついた頂部233を有している。
【0033】
図16図19は第3の実施形態によるペン型針241を示している。外カバー243は、その内部にハブおよび針を受容する(図2)。複数の第1の溝246が外カバー243の外表面249に沿って軸方向に延在していることで、外カバーを把持する助けとなる。外カバー243は実質的に平坦なベース245を有し、ペン型針241が直立した状態で置かれるようになっている。リッド247は、ベース245の反対側の外カバー243の端部に接続されている。複数の第2の溝248がリッド247の傾斜部分251に沿って延在していることで、リッドを把持してペン型針241を開放し、ハブおよび針にアクセスする助けとなる。リッド247は実質的に平坦な頂部253を有している。
【0034】
図20図25図53および図54は第4の実施形態によるペン型針261を示している。外カバー263は、その内部にハブおよび針を受容する(図2)。複数の第1のリブ266が外カバー263の外表面269に沿って軸方向に延在していることで、外カバーを把持する助けとなる。外カバー263は実質的に平坦なベース265を有し、ペン型針261が直立した状態で置かれるようになっている。リッド267は、ベース265の反対側の外カバー263の端部に接続されている。複数の第2のリブ268がリッド267に沿って軸方向に延在していることで、リッドを把持してペン型針261を開放し、ハブおよび針にアクセスする助けとなる。ユーザによる把持性を助けることに加え、リブは成型に関して一定の壁厚を提供する。雄接続部材271および雌接続部材273は外カバー263の反対側に配されている。図53および図54に示すように、第1のペン型針261の雌接続部材273は第2のペン型針275の雄接続部材276に接続可能であり、複数のペン型針が互いに接続できるようになっている。
【0035】
図26図30は第5の実施形態によるペン型針281を示している。外カバー283は、その内部にハブおよび針を受容する(図2)。複数の第1のリブ286が外カバー283の外表面289に沿って軸方向に延在していることで、外カバーを把持する助けとなる。外カバー283は実質的に平坦なベース285を有し、ペン型針281が直立した状態で置かれるようになっている。リッド287は、ベース285の反対側の外カバー283の端部に接続されている。複数の第2のリブ288がリッド287に沿って軸方向に延在していることで、リッドを把持してペン型針281を開放し、ハブおよび針にアクセスする助けとなる。好ましくは、外カバー283およびリッド287を実質的に卵形状とすることで、ユーザによる把持性をさらに向上することができる。雄接続部材291および雌接続部材293は外カバー283の反対側に配されている。図53および図54に示すように、第1の外カバーの雄接続部材は第2の外カバーの雌接続部材に接続可能であり、複数のペン型針が互いに接続できるようになっている。
【0036】
図31図35は第6の実施形態によるペン型針301を示している。外カバー303は、その内部にハブおよび針を受容する(図2)。第1のリブ304および第2のリブ306が外カバー303の外表面309に沿って軸方向に延在していることで、外カバーを把持する助けとなる。外カバー303は実質的に平坦なベース305を有し、ペン型針301が直立した状態で置かれるようになっている。リッド307は、ベース305の反対側の外カバー303の端部に接続されている。第3のリブ311および第4のリブ313がリッド307に沿って軸方向に延在していることで、リッドを把持してペン型針301を開放し、ハブおよび針にアクセスする助けとなる。雄接続部材315および雌接続部材317は外カバー303の反対側に配されている。第1の外カバーの雄接続部材は第2の外カバーの雌接続部材に接続可能であり、複数のペン型針が互いに接続できるようになっている。図31図35に示した構成は外カバー303およびリッド307を製造するのに要するプラスチックの量を低減する。
【0037】
図36図41は第7の実施形態によるペン型針321を示している。外カバー323は、その内部にハブおよび針を受容する(図2)。複数の第1のリブ326が外カバー323の外表面329に沿って軸方向に延在していることで、外カバーを把持する助けとなる。外カバー323は実質的に平坦なベース325を有し、ペン型針321が直立した状態で置かれるようになっている。リッド327は、ベース325の反対側の外カバー323の端部に接続されている。複数の第2のリブ328がリッド327に沿って軸方向に延在していることで、リッドを把持してペン型針321を開放し、ハブおよび針にアクセスする助けとなる。雄接続部材331および雌接続部材333は外カバー323の反対側に配されている。第1の外カバーの雄接続部材は第2の外カバーの雌接続部材に接続可能であり、複数のペン型針が互いに接続できるようになっている。図36図41に示した構成は外カバー323およびリッド327を製造するのに要するプラスチックの量を低減する。
【0038】
図42図47は第8の実施形態によるペン型針341を示している。外カバー343は、分離した2つのハブ・針アセンブリをその内部に受容する(図2)、2つのセクション345および347を有する。第1セクション345は第1のハブ・針を受容し、第2セクション347は第2のハブ・針を受容する。外カバー343が非対称な実質的楕円形状であることで、外カバーを把持する助けとなる。第1リッド349は外カバー343の第1セクション345に接続される。第2リッド351は外カバー343の第1セクション347に接続される。複数の第1のリブ350が第1リッド349に沿って軸方向に延在していることで、第1リッドを把持してペン型針341の第1セクション345を開放し、ハブおよび針にアクセスする助けとなる。複数の第2のリブ352が第2リッド351に沿って軸方向に延在していることで、第2リッドを把持してペン型針341の第2セクション347を開放し、ハブおよび針にアクセスする助けとなる。雄接続部材353および雌接続部材355は外カバー343の反対側に配されている。第1の外カバーの雄接続部材は第2の外カバーの雌接続部材に接続可能であり、複数のペン型針が互いに接続できるようになっている。
【0039】
図48図52は第9の実施形態によるペン型針361を示している。外カバー303は、その内部にハブおよび針を受容する(図2)。第1のリブ364および第2のリブ366が外カバー363の外表面369に沿って軸方向に延在していることで、外カバーを把持する助けとなる。外カバー363は実質的に平坦なベース365を有し、ペン型針301が直立した状態で置かれるようになっている。リッド367は、ベース365の反対側の外カバー363の端部に接続されている。第3のリブ371および第4のリブ373がリッド367に沿って軸方向に延在していることで、リッドを把持してペン型針361を開放し、ハブおよび針にアクセスする助けとなる。図48図52に示した構成は外カバー363およびリッド367を製造するのに要するプラスチックの量を低減する。製造に要するプラスチック量の低減は、リブ364、366、371および373の各々を通る軸方向開口を備えることでさらに促進される。
【0040】
図55図59は第10の実施形態によるペン型針381を示している。外カバー383は、その内部にハブおよび針を受容する(図2)。複数の第1のリブ386が外カバー383の外表面389に沿って軸方向に延在していることで、外カバーを把持する助けとなる。外カバー383は実質的に平坦なベース385を有し、ペン型針381が直立した状態で置かれるようになっている。リッド387は、ベース385の反対側の外カバー383の端部に、可撓性アーム391によって接続されている。可撓性アーム391がノッチ393を有していることで、リッド387を開放位置(図55)と閉鎖位置(図59)との間で移動させるアームの動きを助ける。外カバー383、リッド387および可撓性アーム391は、一つのピースとして一体に形成されることが好ましい。複数の第2のリブ388がリッド387に沿って軸方向に延在していることで、リッドを把持してペン型針381を開放し、ハブおよび針にアクセスする助けとなる。リッド387は、そこから外方に延在するハンドル395を有し、ユーザが外カバー383に対してリッドを開閉するための把持面を提供する。
【0041】
図60図64に示すように、キャップ411は、針が注入のために使用された後、ペン型針401の針403の非患者側端を覆う。薬剤の注入後、内側遮蔽部407を針403の患者側端上に付加的に配置し、針を遮蔽して不慮の針刺しを防止するようにしてもよい。そして、図62図64に示すように、ハブ408および内側遮蔽部407は外側遮蔽部409内に配置される。キャップ411は、図62に示すように外カバー409の狭い端部410、あるいは図64に示すようにフランジ付きの端部432のいずれかを受容するのに適合している。
【0042】
図60および図61に示すように、キャップ411はベース414を有し、そこから凸部412が上方に延在している。凸部には第1開口413が形成され、ベース414に延在している。側壁415はベース414から下方に延在し、第2開口441を画成している。側壁415の自由端443は実質的に平坦であり、これによりキャップ411を平面上で平らに置くことができる。側壁415には一対のノッチ417および419が形成され、これらは直径方向の反対方向にあって互いに対向している。側壁415の内面からは、タブ424〜429が内方に延在している。6つのタブが図示されているが、適切な個数のタブを用いることができる。
【0043】
注入に続いて内側遮蔽部407が針403上に配置された後、キャップ411は平面上に置かれる。外カバー409の狭い端部410は凸部412内の第1開口413内に配置され、それらの間で摩擦嵌合が行われるようになっている。そしてユーザは、外カバー409を保持することなくハブ408および内側遮蔽部407を外カバーの開口402内に配置することで、ハブ408および内側遮蔽部407を再遮蔽することができる。
【0044】
そして、再遮蔽されたペン型針401はキャップ411から取り外され、キャップを外カバー409のフランジ431上に配置することで、第2開口441が外カバー409のフランジ431に受容されるようになっている。キャップ411が外カバー409上で押下されると、フランジがタブ424〜429上で移動し、これによってキャップ411とペン型針401との間でスナップ嵌合がなされ、図64に示すように、キャップ411はペン型針401に対してしっかりとロックされる。キャップ411のノッチ417および419は外カバー409のウィング433および435を受容する。キャップ411をペン型針から取り外し可能にすることが望まれるのであれば、図7のハンドル208などのハンドルないしタブをキャップに設けることができる。
【0045】
上述した実施形態および利点は単なる例示であって、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本発明の例示した実施形態の記載は、説明を企図したものであって、本発明の範囲を限定するものではない。本技術分野において通常の知識を有するものであれば、当業者であれば、種々の修正、代替および変更を行い得ることは明らかであり、それらは特許請求の範囲に記載された請求項およびそれらに相当するものに規定された本発明の範囲にあることを意味する。
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