【実施例】
【0046】
実施例1
以下のテストでは、水溶性ゲルを増粘するこめに、従来技術の粘調化剤(HASE)と、本発明の結合性粘調化剤とを使用した。
各テスト1〜6では、テストする一定量(10.7グラム)の増粘剤と一緒に、1グラムの28%水酸化アンモニウム中和溶液とを、215グラムの脱イオン水と、175グラムのアクリルバインダ(DSM社のNeocryl XK 90)とから成る水溶液の40グラム中に導入した。
【0047】
テスト1
このテストは従来技術を示し、コアテックス(COATEX)社からRheotech(登録商標)2100の名称で市販のHASE−タイプの結合性増粘剤を使用した。この増粘剤はアルキルフェノールを含む。
【0048】
テスト2
このテストも従来技術を示し、ローム(ROHM&HAAS)社からAcrysol(登録商標)RM5の名称で市販のHASE−タイプ結合性増粘剤を使用した。
【0049】
テスト3
このテストは本発明を示し、各モノマー(重量%)が下記から成るポリマーである本発明によるHASE−タイプの結合性増粘剤を使用した:
(a)35.5%のメタアクリル酸、
(b)52.5%のアクリル酸エチル、
(c)12.0%の式(I)のモノマー(ここで、m=30、n=0、
AOはオキシエチレンを表し、Rはメタクリレート基を表し、R'は式(II)の基を表し、p+q=10、r=0である)。
【0050】
このポリマーは、水である反応媒体中で、ドデシルメルカプタンである連鎖移動剤の存在下で、上記全てのモノマーを接触させて得られる。
実際には、1リットルの反応装置中に、409グラムのバイパーミューテッド水(bipermuted water)と、5.6グラムのドデシル硫酸ナトリウムとを秤量する。その後、タンクの底を82℃±2℃に加熱する。
【0051】
この反応で、ビーカーで秤量して下記のプレ・エマルションが製造された:
116.8グラムのバイパーミューテッド水、
1.96グラムのドデシル硫酸ナトリウム、
0.139グラムのドデシルメルカプタン、また関係する全てのモノマー重量に対して556ppmのメルカプタン
88.84グラムのメタアクリル酸、
131.1グラムのアクリル酸エチル、
30.0グラムのマクロモノマー
【0052】
次に、第1の触媒用に、0.8グラムの過硫酸アンモニウムを秤量し、6グラムのバイパーミューテッド水に希釈し、第2の触媒用に、0.08グラムのメタ重亜硫酸ナトリウムを4グラムのバイパーミューテッド水に希釈した。タンク底部が所望温度になった時に両方の触媒を加え、プレ・エマルションを同時に添加して、重合を84℃±2℃で2時間実行する。ポンプを20グラムのバイパーミューテッド水で洗浄し、84℃±2℃で1時間燃焼する。最後に、外界温度まで冷却し、濾過する。
【0053】
テスト4
このテストは本発明を示す。各モノマー(重量%)が下記から成るポリマーである本発明によるHASE−タイプの結合性増粘剤を使用した:
(a)35.5%のメタアクリル酸、
(b)52.5%のアクリル酸エチル、
(c)12.0%の式(I)のモノマー(ここで、m=25、n=0、
AOはオキシエチレンを表し、Rはメタクリレート基を表し、R'は式(II)の基を表し、p+q=10、r=0である)
【0054】
このモノマーは市販の化合物Lial 123をエトキシ化し、それをメタクリレート基を使用して官能化し、重合可能にして得た。エトキシ化は当業者に周知の方法で行った。官能化も同様である。
上記ポリマーは560ppmのドデシルメルカプタンである連鎖移動剤の存在下で上記の全てのモノマーを水である反応媒体中で接触させて得た。合成はテスト3に記載の方法で実行した。
【0055】
テスト5
このテストは本発明を示し、各モノマー(重量%)が下記から成るポリマーである本発明によるHASE−タイプの結合性増粘剤を使用した:
(a)35.5%のメタアクリル酸、
(b)52.5%のアクリル酸エチル、
(c)12.0%の式(I)のモノマー(ここで、m=25、n=0、
AOはオキシエチレンを表し、Rはメタクリレート記載を表し、R'は式(II)の記載を表し、p+q=10、r=0である)。
【0056】
このモノマーは市販の化合物Lial 123のエトキシ化で得られ、それをメタクリレート基を用いて官能化して重合可能になる。エトキシ化は当業者に周知の方法で行うことができる。官能化も同様である。
このポリマーは水である反応媒体中で、ドデシルメルカプタンである560ppmの連鎖移動剤の存在下で、上記の全てのモノマーを接触させて得られる。合成はテスト3に
記載の方法で行った。
【0057】
テスト6
このテストは本発明を示し、各モノマー(重量%)が下記から成るポリマーである本発明によるHASE−タイプの結合性増粘剤を使用した:
(a)34.0%のメタアクリル酸、
(b)51.0%のアクリル酸エチル、
(c)15.0%の式(I)のモノマー(ここで、m=25、n=0、
AOはオキシエチレンを表し、Rはメタクリレート基を表し、R'は式(II)の基を表し、p+q=10、r=0)
【0058】
このモノマーは市販の化合物Lial 123のエトキシ化で得られ、それを、メタクリレート基を用いて官能化し、重合可能にする。エトキシ化は当業者に周知の方法で行う。官能化も同様である。このポリマーは水である反応媒体中で、ドデシルメルカプタンである560ppmの連鎖移動剤の存在下で、上記全てのモノマーを接触して得られる。合成はテスト3に示す方法で行う。
【0059】
[表1]はブルックフィールド(登録商標、Brookfield)粘度が10rpmおよび100rpm(ブルック粘度、10rpm、100rpm、mPa.s)、ストーマ(Stormer、KU)およびICI(登録商標)と、10rpmでのブルックフィールド(登録商標)粘度/ICI(登録商標)の比を示す。
【0060】
【表1】
【0061】
この結果は、本発明のHASEポリマー
は従来技術
参照RM5のHASEポリマーよりもはるかに顕著にニュートニアン・プロフィルにすることができ、高い剪断勾配でより大きな増粘効果を有するということを示している。ニュートニアン特性に関しては、アルキル・フェノールを含む製品Rheotech(登録商標)2100の性能に少なくとも等しく、ICI粘度に関しては大幅に改良される。
【0062】
実施例2
このテストは、水溶性ゲルを増粘するために本発明の結合性粘調化剤を使用した例を示す。特に増粘剤の合成時に使用する連鎖移動剤の量の影響を示す。
テスト7〜12の各々でテストする増粘剤の量は10.7グラムに固定し、それを1グラムの28%水酸化アンモニウム中和溶液と一緒に、40グラムの脱イオン水と175グラムのDSM社からNeocryl XK90の名称で市販のアクリルバインダとから成る215グラムの水溶液に導入する。
【0063】
テスト7
このテストは従来技術を示し、COATEXT社からCoapur(登録商標)2025の名所で市販のHEUR−タイプの結合性増粘剤を使用した。
【0064】
テスト8
このテストは本発明を示し、各モノマー(重量%)が下記から成るポリマーである本発明によるHASE−タイプの結合性増粘剤を使用した:
(a)35.5%のメタアクリル酸、
(b)52.5%のアクリル酸エチル、
(c)12.0%の式(I)のモノマー(ここで、m=25、n=0、
AOはオキシエチレンを表し、Rはメタクリレート基を表し、R'は式(II)の基を表し、p+q=10、r=0である)。
【0065】
このモノマーは市販の化合物Lia1(登録商標)123のエトキシ化で得られ、それをメタクリレート基を用いて官能化して重合可能にする。エトキシ化は当業者に周知の方法で行い、官能化も同様である。このポリマーは水である反応媒体中で、ドデシルメルカプタンである1,392ppmの連鎖移動剤の存在下で、上記の全てのモノマーを接触させて得られる。その合成はテスト3の方法で行う。
【0066】
テスト9
このテストは本発明を示し、テスト8で使用したものと同じポリマーである本発明のHASE−タイプの結合性増粘剤を使用する。このポリマーは水である反応媒体中で、ドデシルメルカプタンである1,944ppmの連鎖移動剤の存在下で、上記の全てのモノマーを接触させて得られる。その合成はテスト3の方法で行う。
【0067】
テスト10
このテストは本発明を示し、テスト8で使用したものと同じポリマーである本発明のHASE−タイプの結合性増粘剤を使用する。このポリマーは水である反応媒体中で、ドデシルメルカプタンである2,840ppmの連鎖移動剤の存在下で、上記の全てのモノマーを接触させて得られる。その合成はテスト3の方法で行う。
【0068】
テスト11
このテストは本発明を示し、テスト8で使用したものと同じポリマーである本発明のHASE−タイプの結合性増粘剤を使用する。このポリマーは水である反応媒体中で、ドデシルメルカプタンである4,160ppmの連鎖移動剤の存在下で、上記の全てのモノマーを接触させて得られる。その合成はテスト3の方法で行う。
【0069】
テスト12
このテストは本発明を示し、テスト8で使用したものと同じポリマーである本発明のHASE−タイプの結合性増粘剤を使用する。このポリマーは水である反応媒体中で、ドデシルメルカプタンである5,600ppの連鎖移動剤の存在下で、上記の全てのモノマーを接触させて得られる。その合成はテスト3の方法で行う。
【0070】
[表2]はブルックフィールド(登録商標、Brookfield)粘度が10rpmおよび100rpm(ブルック粘度、10rpm、100rpm、mPa.s)、ストーマ(Stormer、KU)およびICI(登録商標)と、10rpmでのブルックフィールド(登録商標)粘度/ICI(登録商標)の比を示す。
【0071】
【表2】
【0072】
この表からも本発明ポリマーは広範囲の剪断勾配で水溶性ゲルを増粘できる能力があるということを示しており、さらに、上記ゲルのレオロジに与える連鎖移動剤の割合の影響も示している。
10romでのブルックフィールド粘度/ICI粘度の比の値はこの割合が増加すると実質的に低下し、正にニュートンの挙動になる。
この比とICI粘度の維持との間の最適バランスは本発明の好ましい変形例を示すテスト9と10で得られる。この変形例に従うと従来技術のHEUR増粘剤の結果がニュートニアン挙動、特に高剪断勾配での増粘性能が改良される。
【0073】
実施例3
このテストは本発明を示すが、連鎖移動剤を使用しない、各モノマーが下記重量比から成るポリマーの水性乳剤に関するものである:
(a)35.5%メタアクリル酸、
(b)52.5%アクリル酸エチル、
(c)12.0%の式(I)を有するモノマー(ここで、m=30、n=0、
AOはオキシエチレンを表し、Rはメタクリレート基を表し、R'は式(II)の基を表し、p+q=9、r=0である)(オキソ用語でC
12EO
30とよばれる)
このポリマーは水である反応媒体中で上記の全てのモノマーを接触させて得られる。この合成は連鎖移動剤を使用しないこと以外はテスト14〜19に記載のものに対応する。
【0074】
テスト14〜19
これらのテストは本発明を示し、(本発明の製造方法の好ましい変形例である)ドデシルメルカプタンである連鎖移動剤の使用量を増加させた時の、下記重量%のモノマーから成るポリマーの水性乳剤に関するものである:
(a)35.5%メタアクリル酸、
(b)52.5%アクリル酸エチル、
(c)12.0%の式(I)のモノマー(ここで、m=30、n=0、
AOはオキシエチレンを表し、Rはメタクリレート基を表し、R'は式(II)を表し、p+q=9、r=0である(オキソ用語ではC
12EO
30とよばれる)。
【0075】
このポリマーは水である反応媒体中でドデシルメルカプタンである連鎖移動剤の所定量の存在下で、上記の全てのモノマーを接触させて得られる。
具体的には560ppmのメルカプタンの存在下(テスト14)でポリマーを合成する場合、最初に1リットルの反応装置に409グラムのバイパーミューテッド水(bipermuted water)と5.6グラムのラウリル硫酸ナトリウムとを秤量する。次に、合成反応装置を82℃±2℃に加熱する。
プレ・エマルションが作られ、ビーカーで下記が計量される:
116.8グラムのバイパーミューテッド水、
1.96グラムのラウリル硫酸ナトリウム、
0.139グラムのドデシルメルカプタン(すなわち、全モノマー量に対して556ppmのメルカプタン)、
88.84グラムのメタアクリル酸、
131.1グラムのアクリル酸エチル、
30.0グラムのマクロモノマー。
【0076】
次に、0.8グラムの過硫酸アンモニウムを秤量し、第1の触媒用に6グラムのバイパーミューテッド水で希釈し、第2の触媒用に0.08グラムの重亜硫酸ナトリウムを4グラムのバイパーミューテッド水で希釈する。合成反応装置が所定温度になった時に2つの触媒を加え、プレ・エマルションを添加しながら、84℃±2℃で2時間重合を実行する。ポンプを20グラムのバイパーミューテッド水で洗浄し、さらに84℃±2℃でクッキングを1時間続ける。最後に生成物を室温まで冷却し、濾過する。テスト15〜19に対応する合成はメルカプタンの量を調整することで同様の方法で実行した。
【0077】
観察
特定のオキソ・アルコール−ベースのモノマーと連鎖移動剤とを含むテストだけで低ブルックフィールド(登録商標)粘度値が得られることがわかる(乾燥重量が25%の場合でも)([表4])。
さらに、これらの完全に予備中和された各エマルションはアクリルバインダ溶液([表5])を効果的に増粘する。最高の結果はテスト17と18のエマルションで得られる。これらは乾燥抽出物が25%の場合でも10rpmで測定したブルックフィールド(登録商標)粘度が20,000mPa.s以下であるが、剪断勾配とは無関係に有意に増粘される。これらは商業的に重要な乾燥抽出物で安定かつハンドリングが可能な、フェノールを含まない、予備中和されたエマルションである、水溶液中でラテックスを効果的に増粘することができる。
【0078】
テスト20
このテストは本発明を示し、上記のものとは異なる結合性モノマー(メタクリル−ウレタン結合)を使用して実行する。す。このテストはドデシルメルカプタンである所定量の連鎖移動剤を使用し、下記重量%の各モノマーから成るポリマーの水性エマルジョンに関するものである:
(a)35.5%メタアクリル酸、
(b)52.5%アクリル酸エチル、
(c)12.0%の式(I)のモノマー(ここで、m=30、n=0、
AOはオキシエチレンを表し、Rはメタアクリル性−ウレタン基を表し、R'は式(II)の基を表し、p+q=9、r=0(オキソ用語でC
12EO
30とよばれる)。
このポリマーは水である反応媒体中で上記と同じ手順に従って上記の全てのモノマーを接触させて得られる。
【0079】
テスト21と22
このテストは本発明を示し、上記テストで使用したものとは異なる結合性モノマーを使用して実行した(テスト14〜19で使用したものに類似しているが、オキシエチルが25倍、ここでの結合性モノマーの%は10%と15%である)。
【0080】
このテストは所定量の連鎖移動剤(ドデシルメルカプタンである)で実行し、下記重量%の各モノマーから成るポリマーの水性エマルジョンに関するものである:
(a)33.5%および37.5%のメタアクリル酸(テスト9と10)、
(b)52.5%のアクリル酸エチル、
(c)10.0%および15%の式(I)のモノマー(テスト21および22)(ここで、m=25、n=0、
AOはオキシエチレンを表し、Rはメタクリレート基を表し、R'基は式(II)の基を表し、p+q=9、r=0である)(オキソ用語ではC
12EO
25といわれる)。
このポリマーは上記と同じ手順で水である反応媒体中で上記の全てのモノマーを接触させて得られる。
【0081】
観察
テスト20〜22の結果はテスト14〜19で得られた結果と一致し、低ブルックフィールド(登録商標)粘度が観測される。これらは商業的に重要な乾燥抽出でハンドリング可能な安定したHASEタイプの予備中和されたエマルションであり、フェノールを含まず、水溶液でラテックスを増粘できる。
【0082】
テスト23〜27
これらのテストは本発明外のものを示し、特に上記テスト使用したものとは異なる結合性モノマーで実行し、ノニルフェノールは含まない。2,110ppmのドデシルメルカプタンである連鎖移動剤を含む場合(テスト25〜27)または含まない場合(テスト23、24)がある。下記の重量%の各モノマーから成るポリマーの水性エマルジョンである:
(a)35.5%メタアクリル酸、
(b)52.5%アクリル酸エチル、
(c)12.5%の下記モノマー:
【0083】
テスト23では、式(I)のモノマー(ここで、m=36、n=0、
AOはオキシエチレンを表し、Rはメタクリレート基を表し、R'は
20個の炭素原子を有する分岐鎖アルキル基である(イソC
20EO
36とよばれる)、
テスト24では、式(I)のモノマー(ここで、m=25、n=0、
AOはオキシエチレンを表し、Rはメタクリレート基を表し、R'は12個の炭素原子を有する直鎖アルキル基を表す(C
12EO
25と呼ばれる)、
テスト25では、テスト23と同じモノマー、
テスト26では、式(I)のモノマー(ここで、m=23、n=0、
AOはオキシエチレンを表し、Rはメタクリレート基を表し、R'は12個の炭素原子を有する直鎖アルキル基を表す、
テスト27ではテスト26と同じモノマー(この特定テストでは5,600ppmのメルカプタンを使用して実行する)、
上記ポリマーは上記と同じ手順で、水である反応媒体中で上記の全てのモノマーを接触させて得た。
【0084】
観察
テスト23〜27は本発明に含まれないモノマーを選択するか、連鎖移動剤を使用しないものを選択したものは、乾燥抽出物で10rpmで測定したブルックフィールド(Brookfield、登録商標)粘度が極めて急速に上昇するのが観測される。従って、これらのエマルションは粘性が極めて高いため予備中和に適していない。
最大量の連鎖移動剤(5,600ppm)を用いて実行したテスト19とテスト27との比較によって、レオロジーに関して本発明のエマルションが最善の結果が得られることがわかる。
テスト23〜27では乾燥抽出物が20%で、予備中和されたハンドリング可能なエマルションにならないため、アクリルバインダでのテストができなかった。
されてはなら
【0085】
テスト28
このテストは本発明外のもので、コアテックス(COATEX)社からRheotech(登録商標)2100の名称で市販の、ノニルフェノールを含む、HASEポリマーのエマルションで実行した。
観察
25%の乾燥抽出物で、10rpmで測定した非常に低いブルックフィールド(登録商標)粘度値と、ラテックスバインダで剪断勾配とは無関係に顕著な増粘力が観測された。しかも、このエマルションはノニルフェノールを含む。
【0086】
テスト29、30
これらのテストは本発明外のものを示し、本発明の特定のモノマーを含まず、ローム(ROHM & HAAS)社からAcrysol(登録商標)615およびAcrysol(登録商標)TT935の名称で市販のHASEポリマーのエマルションで実行した
観察
これらのエマルションも粘度に関して満足なものでなく、10%の乾燥抽出物でも10rpmで測定したブルックフィールド(登録商標)粘度が極めて高い。そのため、アクリルバインダでのテストはしていない。
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
【表5】
【0090】
[表5]から本発明のエマルションを用いることでレオロジカル挙動が大きく変化する配合組成物にすることができることがわかる。
【0091】
実施例4
このテストは水溶性ゲルを増粘するために従来技術(HASE)および本発明の結合性増粘剤を用いて実行した。テスト31〜33の各々では、40グラムの脱イオン水と、175グラムのDSMTM社から市販のNeocryl XK90のアクリルバインダとを含む215グラムの水溶液中に、10.7グラムのテストする同じ量の増粘剤と、1グラムの28%水酸化アンモニウム溶液中和溶液とを導入した。このプロトコルはテスト1で記載のものと同じである。
【0092】
テスト31〜33
これらのテストは本発明を示し、ドデシルメルカプタンである連鎖移動剤の量を増加して使用し(本発明の製造方法の好ましい変形例)、下記重量%の各モノマーから成るポリマーの水性エマルジョンに関するものである:
(a)35.5%メタアクリル酸、
(b)52.5%アクリル酸エチル、
(c)12.0%の式(I)のモノマー(ここで、
AOはオキシエチレンを表し、
BOはオキシプロピレンを表し、Rはメタクリレート基を表し、R'は式(II)の基を表し、p+q=9、r=0(オキソ用語でC
19EO
30とよばれる)であり、テスト31ではm=50、n=0、テスト32ではm=40、n=10、テスト33ではm=15、n=0である)
【0093】
これらのポリマーは、水である反応媒体中で560ppmのドデシルメルカプタンの存在下で上記の全てのモノマーを接触させて得られる。テスト14と比較して、ここではエチレンおよびプロピレンオキシド単位の数を変えた。
【0094】
[表6]は10rpmおよび100rpmでのブルックフィールド(登録商標)粘度(ブルョク10rpm、ブルック100rpmm、Pa.s)、ストルマー(Stormer、登録商標)(KU)および10rpmでのブルックフィールド(登録商標)粘度とICI(登録商標)粘度との間の関係を示す。
【0095】
【表6】
【0096】
これらの結果は本発明のHASEポリマーは従来技術のHASEポリマー(RM5)より著しく高いニュートニアン・プロフィルを示し、高剪断勾配下でのより大きな増粘効果を有することを示している。
ニュートニアン特性のレベルで、アルキルフェノールを含製品Rheotech(登録商標)2100の運転性能と少なくとも等しくなり、ICI粘度に関しては大きく改良される。
【0097】
実施例5
このテストは水溶性ゲルの増粘のために、従来法(HASE)および本発明の結合性増粘剤で実行した。テスト34〜36の各々で、40グラムの脱イオン水と、175グラムのDSM社から市販のNeocrylXK90のアクリルバインダとから成る215グラムの水溶液中に、テストする固定量(10.7グラム)の増粘剤と1グラムの28%水酸化アンモニウム中和溶液とを導入する。このプロトコルはテスト1に記載のものと同じである。
【0098】
テスト34〜36
これらのテストは本発明を示し、ドデシルメルカプタンである連鎖移動剤の量を増加して使用し(本発明の製造方法の好ましい変形例)、下記重量%の各モノマーから成るポリマーの水性エマルジョンに関するものである:
(a)テスト34、35、36でそれぞれ38%、36%、33%のメタアクリル酸、
(b)テスト34、35、36でそれぞれ57%、56%、54%のアクリル酸エチル、
(c)テスト34、35、36でそれぞれ5%、8%、15%の式(I)のモノマー(ここで、
AOはオキシエチレンを表し、m=30、n=0、Rはメタクリレート族を表し、R'は式(II)の基を表し、p+q=9、r=0(オキソ用語でC
12EO
30とよばれる)。
【0099】
これらのポリマーは水である反応媒体中で560ppmのドデシルメルカプタンの存在下で上記の全てのモノマーを接触させて得られる。比較例のテスト14ではモノマー比を変えた。
[表7]は10rpmおよび100rpmでのブルックフィールド(登録商標)粘度(ブルック10rpm、ブルック100rpmm、Pa.s)、ストルマー(Stormer、登録商標)(KU)および10rpmでのブルックフィールド(登録商標)粘度とICI(登録商標)粘度との間の関係を示す。
【0100】
【表7】
【0101】
この結果は本発明のHASEポリマーは、従来法のHASEポリマー(RM5)より著しく高いニュートニアン・プロフィルを示し、高剪断勾配ではるかに大きな増粘効果を有するということを示している。
ニュートニアン特性のレベルでアルキル・フェノールを含む製品Rheotech(登録商標)2100の性能に少なくとも等しくなり、ICI粘度に関しては大きく改良される。