特許第6254562号(P6254562)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6254562認知症介護支援システム、認知症介護支援サーバおよび認知症介護支援プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6254562
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】認知症介護支援システム、認知症介護支援サーバおよび認知症介護支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20120101AFI20171218BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   G06Q50/22
   A61B10/00 H
【請求項の数】15
【全頁数】48
(21)【出願番号】特願2015-192888(P2015-192888)
(22)【出願日】2015年9月30日
(65)【公開番号】特開2016-71897(P2016-71897A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2016年4月26日
(31)【優先権主張番号】特願2014-201088(P2014-201088)
(32)【優先日】2014年9月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】513218248
【氏名又は名称】株式会社プローバホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(74)【代理人】
【識別番号】100119390
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】川崎 健治
(72)【発明者】
【氏名】村上 雅紀
【審査官】 谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/109120(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/105678(WO,A1)
【文献】 特開2010−000244(JP,A)
【文献】 特開2009−089800(JP,A)
【文献】 特開2013−069013(JP,A)
【文献】 特開2007−282992(JP,A)
【文献】 特開2010−032578(JP,A)
【文献】 特開2006−031433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
A61B 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
介護施設に対して認知症介護支援サービスを提供する認知症介護支援サーバと、前記介護施設の施設利用者が使用する施設利用者用タブレット端末と、前記介護施設に設置される施設端末とを備え、認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームアプリであって前記施設利用者がタブレット端末を用いて単独で実行可能な複数のゲームアプリを用いて前記施設利用者の介護支援サービスを提供する認知症介護支援システムであって、
前記認知症介護支援サーバは、
前記施設利用者用タブレット端末および前記施設端末からのアクセスを受け付けて前記介護支援サービスを提供するWebサーバと、
前記施設利用者の現在の認知度レベルを含む施設利用者情報が記憶される施設利用者情報記憶部と、前記複数のゲームアプリのそれぞれについて少なくともゲームIDと対象評価指標区分と対象認知度レベル情報とが対応して記憶されるゲーム登録情報記憶部と、少なくとも認知度評価値情報の履歴情報が記憶されるユーザログ情報記憶部とを有するデータベースと、
を備え、
前記認知症介護支援システムは、
前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームのゲームアプリが前記ゲームIDに対応させて記憶されたゲームアプリ記憶手段と、
前記認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームによって認知度の測定を行う測定モードと、前記施設利用者が選択可能な複数のゲームのなかから当該施設利用者によって選択されたゲームによって認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードの2つのモードを個別に有し、前記測定モードと前記トレーニングモードのいずれを行うかを前記施設利用者に選択させるモード選択手段と、
前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報が測定モードである場合に、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれについて、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルと前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象評価指標区分と対象認知度レベル情報に基づいて測定モードにおいて実行するゲームを選択する測定モードゲーム選択手段と、前記測定モードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出して前記施設利用者用タブレット端末において実行する測定モードゲーム実行手段と、前記測定モードゲーム実行手段において実行されたゲームのゲーム実行結果に基づいて認知度評価値を演算して前記ユーザログ情報記憶部に登録する認知度評価値演算手段と、前記複数の評価指標のすべての評価指標についてのゲームの実行と認知度評価値の演算が完了したら、前記ユーザログ情報記憶部に記憶された当該測定モードの認知度評価値を集計した認知度レベル評価値を演算し、前記演算された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の認知度レベルを更新する機能を有する認知度レベル評価手段と、前記認知度レベル評価手段において演算された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者に対して測定結果を表示する測定結果表示手段と、を有する測定モード処理手段と、
前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報がトレーニングモードである場合に、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルと前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象認知度レベル情報に基づいてトレーニングモードにおいて当該施設利用者が選択可能な複数のゲームを選定し、前記選定された複数のゲームのなかからいずれのゲームを用いてトレーニングを行うかを前記施設利用者に選択させるトレーニングモードゲーム選択手段と、前記トレーニングモードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出して前記施設利用者用タブレット端末において実行するトレーニングモードゲーム実行手段と、を有するトレーニングモード処理手段と、
前記ユーザログ情報記憶部に記憶された認知度評価値の履歴情報に基づいて前記施設利用者のレポートを生成するレポート生成手段と、
を備えた、認知症介護支援システム。
【請求項2】
介護施設に対して認知症介護支援サービスを提供する認知症介護支援サーバと、前記介護施設の施設利用者が使用する施設利用者用タブレット端末と、前記介護施設に設置される施設端末とを備え、認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームアプリであって前記施設利用者がタブレット端末を用いて単独で実行可能な複数のゲームアプリを用いて前記施設利用者の介護支援サービスを提供する認知症介護支援システムであって、
前記ゲームアプリは、それぞれ対象認知度レベルが指定された難易度の異なる複数の問題を含み、
前記認知症介護支援サーバは、
前記施設利用者用タブレット端末および前記施設端末からのアクセスを受け付けて前記介護支援サービスを提供するWebサーバと、
前記施設利用者の現在の認知度レベルを含む施設利用者情報が記憶される施設利用者情報記憶部と、少なくとも前記複数のゲームアプリのそれぞれについてゲームIDと対象評価指標区分とが対応して記憶されるゲーム登録情報記憶部と、少なくとも認知度評価値情報の履歴情報が記憶されるユーザログ情報記憶部とを有するデータベースと、
を備え、
前記認知症介護支援システムは、
前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームのゲームアプリが前記ゲームIDに対応させて記憶されたゲームアプリ記憶手段と、
前記認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームによって認知度の測定を行う測定モードと、前記施設利用者が選択可能な複数のゲームのなかから当該施設利用者によって選択されたゲームによって認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードの2つのモードを個別に有し、前記測定モードと前記トレーニングモードのいずれを行うかを前記施設利用者に選択させるモード選択手段と、
前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報が測定モードである場合に、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれについて、前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象評価指標区分に基づいて測定モードにおいて実行するゲームを選択する測定モードゲーム選択手段と、前記測定モードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDとに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出し、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応する対象認知度レベルの問題を選択して前記施設利用者用タブレット端末において実行する測定モードゲーム実行手段と、前記測定モードゲーム実行手段において実行されたゲームのゲーム実行結果に基づいて認知度評価値を演算して前記ユーザログ情報記憶部に登録する認知度評価値演算手段と、前記複数の評価指標のすべての評価指標についてのゲームの実行と認知度評価値の演算が完了したら、前記ユーザログ情報記憶部に記憶された当該測定モードの認知度評価値を集計した認知度レベル評価値を演算し、前記演算された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の認知度レベルを更新する機能を有する認知度レベル評価手段と、前記認知度レベル評価手段において演算された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者に対して測定結果を表示する測定結果表示手段と、を有する測定モード処理手段と、
前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報がトレーニングモードである場合に、トレーニングモードにおいて選択可能な複数のゲームのなかからいずれのゲームを用いてトレーニングを行うかを前記施設利用者に選択させるトレーニングモードゲーム選択手段と、前記トレーニングモードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出し、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応する対象認知度レベルの問題を選択して前記施設利用者用タブレット端末において実行するトレーニングモードゲーム実行手段と、を有するトレーニングモード処理手段と、
前記ユーザログ情報記憶部に記憶された認知度評価値の履歴情報に基づいて前記施設利用者のレポートを生成するレポート生成手段と、
を備えた、認知症介護支援システム。
【請求項3】
前記複数の評価指標は、認知症の中核症状とされる見当識障害、記憶障害、理解・判断力障害、実行機能障害、感情表現の変化の5つの分野について認知症の状態を評価するための評価指標であって、前記5つの評価指標のそれぞれに対応する複数のゲームアプリによって認知度の測定と認知症のリハビリトレーニングを行えるようにした、請求項1または2に記載の認知症介護支援システム。
【請求項4】
前記施設利用者用タブレット端末は、筐体の傾きを検出する傾きセンサの情報を入力するセンサ情報入力部を備え、前記ゲームアプリ記憶手段に記憶されるゲームアプリとして、前記施設利用者に対して筐体の傾きを調節する問題を提示し、前記センサ情報入力部から入力される傾き情報に基づいて前記問題に対して筐体の傾きを正しく調節できたか否かを判定することにより認知症の実行機能障害の認知度の測定を行うことができるゲームアプリを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の認知症介護支援システム。
【請求項5】
前記測定モードゲーム実行手段において得られるゲーム実行結果は、ゲームの設問に対する正誤とゲームの実行に要した所要時間を含み、
前記認知症介護支援システムは、前記ゲームアプリ記憶手段に記憶されているゲーム毎に、認知度レベル別に、ゲームの設問の正誤に対する正誤点と、ゲームの実行に要した所要時間に対する基準時間と時間点と超過時間減点基準とが指定され、前記正誤点と前記時間点の合計値が認知度評価値となるものであって、前記時間点は前記基準時間に対する超過時間に応じて減点され、前記基準時間は認知度レベルが高いほど短く設定され、前記正誤点と前記時間点の合計値の最大値は認知度レベルが高いほど高くなるように設定され、1つのゲームに対して複数の認知度レベルの評価値を単一の認知度評価値として表すことができる演算パラメータが記憶された認知度評価値演算パラメータテーブルを備え、
前記認知度評価値演算手段は、前記認知度評価値演算パラメータテーブルから前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の認知度レベルに対応する正誤点と基準時間と時間点と超過時間減点基準を取得し、前記ゲーム実行結果の正誤と所要時間に対して、前記取得された正誤点と基準時間と時間点と超過時間減点基準に基づいて前記認知度評価値を演算する機能を有する、
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の認知症介護支援システム。
【請求項6】
前記ユーザログ情報記憶部は、前記測定モードにおいて実行されたゲームの実行履歴と前記トレーニングモードにおいて実行されたゲームの実行履歴が記憶される記憶領域を有し、
前記認知症介護支援システムは、前記測定モードゲーム実行手段において実行されたゲームの実行実績を登録する手段と、前記トレーニングモードゲーム実行手段において実行されたゲームの実行実績を登録する手段とを備え、
前記レポート生成手段は、
前記ユーザログ情報記憶部に記憶されている現在の認知度評価値情報に基づいて前記複数の評価指標別の現在の認知度評価値のバーチャートを生成する機能と、前記ユーザログ情報記憶部に記憶されている認知度評価値の履歴情報に基づいて認知度レベル評価値の推移と前記複数の評価指標別の認知度評価値の推移を示すグラフを生成する機能と、前記ユーザログ情報記憶部に記憶されているゲーム実行実績情報に基づいて評価指標別に測定モードでのゲームの実行実績とトレーニングモードでのゲームの実行実績を示すゲーム実行実績表示部を生成する機能とを有する、
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の認知症介護支援システム。
【請求項7】
前記認知症介護支援システムは、前記レポート生成手段によって生成されるレポートに表示する介護担当者へのアドバイスメッセージが前記複数の評価指標別に記憶されたアドバイス情報テーブルを備え、
前記レポート生成手段は、前記ユーザログ情報記憶部に登録されている認知度評価値の履歴情報に基づいて、前記複数の評価指標別に直近の短期の認知度評価値の平均値と長期の認知度評価値の平均値との差分に基づいて前記評価指標別の認知度評価値の変動状況を表す変動メッセージを生成する機能と、前記アドバイス情報テーブルから前記変動メッセージが生成された評価指標に対応するアドバイスメッセージを抽出する機能とを有する、
ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の認知症介護支援システム。
【請求項8】
前記ユーザログ情報記憶部は、トレーニングモードの認知度評価値の履歴情報が記憶される記憶領域を有し、
前記トレーニングモード処理手段は、前記トレーニングモードゲーム実行手段によるゲーム実行結果に基づいてトレーニングモードの認知度評価値を演算して前記ユーザログ情報記憶部に登録する機能を有するトレーニングモード認知度評価値演算手段を有し、
前記レポート生成手段は、前記ユーザログ情報記憶部に記憶されたトレーニングモードの認知度評価値の履歴情報に基づいて、前記トレーニングモードの認知度評価値の推移を示すレポートを生成する機能を有する、
ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の認知症介護支援システム。
【請求項9】
前記認知症介護支援システムは、前記施設利用者の介護担当者が使用する介護担当者用タブレット端末を備え、
前記認知症介護支援システムは、前記ゲームアプリ記憶手段に記憶されたゲーム毎に、前記介護担当者が前記施設利用者のゲームの実行に際して前記施設利用者をサポートすることが可能なサポート項目について前記施設利用者に対するサポートメッセージと当該サポートを行った場合に認知度評価値を補正するための認知度評価補正値とが対応して記憶されたサポート情報テーブルを備え、
前記測定モードゲーム実行手段は、ゲームの実行に際して、前記サポート情報テーブルから当該ゲームのサポートメッセージを取得して表示し、前記介護担当者が前記施設利用者に対して実際に行ったサポート項目を選択させるサポート項目選択手段を有し、
前記認知度評価値演算手段は、前記サポート情報テーブルから前記取得されたサポート項目に対応する認知度評価補正値を取得し、前記取得された認知度評価補正値に基づいて前記演算された認知度評価値を補正する機能を有する、
ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の認知症介護支援システム。
【請求項10】
介護施設の施設利用者が使用する施設利用者用タブレット端末と、前記介護施設に設置される施設端末に対して、認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームアプリであって前記施設利用者がタブレット端末を用いて単独で実行可能な複数のゲームアプリを用いて前記施設利用者の介護支援サービスを提供する認知症介護支援サーバであって、
前記施設利用者用タブレット端末および前記施設端末からのアクセスを受け付けて前記介護支援サービスを提供するWebサーバと、
前記施設利用者の現在の認知度レベルを含む施設利用者情報が記憶される施設利用者情報記憶部と、前記複数のゲームアプリのそれぞれについて少なくともゲームIDと対象評価指標区分と対象認知度レベル情報とが対応して記憶されるゲーム登録情報記憶部と、少なくとも認知度評価値情報の履歴情報が記憶されるユーザログ情報記憶部とを有するデータベースと、
を備え、
前記施設利用者用タブレット端末を、
前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームのゲームアプリが前記ゲームIDに対応させて記憶されたゲームアプリ記憶手段と、
前記認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームによって認知度の測定を行う測定モードと、前記施設利用者が選択可能な複数のゲームのなかから当該施設利用者によって選択されたゲームによって認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードの2つのモードを個別に有し、前記測定モードと前記トレーニングモードのいずれを行うかを前記施設利用者に選択させるモード選択手段と、
前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報が測定モードである場合に、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれについて、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルと前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象評価指標区分と対象認知度レベル情報に基づいて測定モードにおいて実行するゲームを選択する測定モードゲーム選択手段と、前記測定モードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出して実行する測定モードゲーム実行手段と、前記測定モードゲーム実行手段において実行されたゲームのゲーム実行結果に基づいて認知度評価値を演算して前記ユーザログ情報記憶部に登録する認知度評価値演算手段と、前記複数の評価指標のすべての評価指標についてのゲームの実行と認知度評価値の演算が完了したら、前記ユーザログ情報記憶部に記憶された当該測定モードの認知度評価値を集計した認知度レベル評価値を演算し、前記演算された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の認知度レベルを更新する機能を有する認知度レベル評価手段と、前記認知度レベル評価手段において演算された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者に対して測定結果を表示する測定結果表示手段と、を有する測定モード処理手段と、
前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報がトレーニングモードである場合に、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルと前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象認知度レベル情報に基づいてトレーニングモードにおいて当該施設利用者が選択可能な複数のゲームを選定し、前記選定された複数のゲームのなかからいずれのゲームを用いてトレーニングを行うかを前記施設利用者に選択させるトレーニングモードゲーム選択手段と、前記トレーニングモードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出して実行する機能を有するトレーニングモードゲーム実行手段と、を有するトレーニングモード処理手段と、
として機能させ、
前記施設端末を、前記ユーザログ情報記憶部に記憶された認知度評価値の履歴情報に基づいてレポートを生成するレポート生成手段として機能させる、
認知症介護支援サーバ。
【請求項11】
介護施設の施設利用者が使用する施設利用者用タブレット端末と、前記介護施設に設置される施設端末に対して、認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームアプリであって前記施設利用者がタブレット端末を用いて単独で実行可能な複数のゲームアプリを用いて前記施設利用者の介護支援サービスを提供する認知症介護支援サーバであって、
前記ゲームアプリは、それぞれ対象認知度レベルが指定された難易度の異なる複数の問題を含み、
前記施設利用者用タブレット端末および前記施設端末からのアクセスを受け付けて前記介護支援サービスを提供するWebサーバと、
前記施設利用者の現在の認知度レベルを含む施設利用者情報が記憶される施設利用者情報記憶部と、前記複数のゲームアプリのそれぞれについて少なくともゲームIDと対象評価指標区分とが対応して記憶されるゲーム登録情報記憶部と、少なくとも認知度評価値情報の履歴情報が記憶されるユーザログ情報記憶部とを有するデータベースと、
を備え、
前記施設利用者用タブレット端末を、
前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームのゲームアプリが前記ゲームIDに対応させて記憶されたゲームアプリ記憶手段と、
前記認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームによって認知度の測定を行う測定モードと、前記施設利用者が選択可能な複数のゲームのなかから当該施設利用者によって選択されたゲームによって認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードの2つのモードを個別に有し、前記測定モードと前記トレーニングモードのいずれを行うかを前記施設利用者に選択させるモード選択手段と、
前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報が測定モードである場合に、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれについて、前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象評価指標区分に基づいて測定モードにおいて実行するゲームを選択する測定モードゲーム選択手段と、前記測定モードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出し、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応する対象認知度レベルの問題を選択して実行する測定モードゲーム実行手段と、前記測定モードゲーム実行手段において実行されたゲームのゲーム実行結果に基づいて認知度評価値を演算して前記ユーザログ情報記憶部に登録する認知度評価値演算手段と、前記複数の評価指標のすべての評価指標についてのゲームの実行と認知度評価値の演算が完了したら、前記ユーザログ情報記憶部に記憶された当該測定モードの認知度評価値を集計した認知度レベル評価値を演算し、前記演算された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の認知度レベルを更新する機能を有する認知度レベル評価手段と、前記認知度レベル評価手段において演算された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者に対して測定結果を表示する測定結果表示手段と、を有する測定モード処理手段と、
前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報がトレーニングモードである場合に、トレーニングモードにおいて選択可能な複数のゲームのなかからいずれのゲームを用いてトレーニングを行うかを前記施設利用者に選択させるトレーニングモードゲーム選択手段と、前記トレーニングモードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出し、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応する対象認知度レベルの問題を選択して実行する機能を有するトレーニングモードゲーム実行手段と、を有するトレーニングモード処理手段と、
として機能させ、
前記施設端末を、前記ユーザログ情報記憶部に記憶された認知度評価値の履歴情報に基づいてレポートを生成するレポート生成手段として機能させる、
認知症介護支援サーバ。
【請求項12】
介護施設の施設利用者が使用する施設利用者用タブレット端末と、前記介護施設に設置される施設端末に対して、認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームアプリであって前記施設利用者がタブレット端末を用いて単独で実行可能な複数のゲームアプリを用いて前記施設利用者の介護支援サービスを提供する認知症介護支援サーバであって、
前記施設利用者用タブレット端末および前記施設端末からのアクセスを受け付けて前記介護支援サービスを提供するWebサーバと、
前記施設利用者の現在の認知度レベルを含む施設利用者情報が記憶される施設利用者情報記憶部と、前記複数のゲームアプリのそれぞれについて少なくともゲームIDと対象評価指標区分と対象認知度レベル情報とが対応して記憶されるゲーム登録情報記憶部と、少なくとも認知度評価値情報の履歴情報が記憶されるユーザログ情報記憶部とを有するデータベースと、
前記施設利用者用タブレット端末から受信されたモード選択情報が測定モードである場合に、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれについて、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルと前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象評価指標区分と対象認知度レベル情報に基づいて測定モードにおいて実行するゲームを選択し、測定モードゲーム選択情報を前記施設利用者用タブレット端末に送信する測定モードゲーム選択手段と、
前記施設利用者用タブレット端末から受信されたモード選択情報がトレーニングモードである場合に、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルと前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象認知度レベル情報に基づいてトレーニングモードにおいて当該施設利用者が選択可能な複数のゲームを選定し、トレーニングモードゲーム選定情報を前記施設利用者用タブレット端末に送信するトレーニングモードゲーム選定手段と、
前記施設利用者用タブレット端末から受信されたモード選択情報が測定モードである場合に、前記施設利用者用タブレット端末から受信されたゲーム実行結果に基づき認知度評価値を演算して前記ユーザログ情報記憶部に登録する認知度評価値演算手段と、
前記施設利用者用タブレット端末から受信されたモード選択情報が測定モードである場合であって、前記複数の評価指標のすべての評価指標についてのゲームの実行と認知度評価値の演算が完了したら、前記ユーザログ情報記憶部に記憶された当該測定モードの認知度評価値を集計した認知度レベル評価値を演算し、前記演算された認知度レベル評価値を前記施設利用者用タブレット端末に送信し、前記演算された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の認知度レベルを更新する機能を有する認知度レベル評価手段と、
前記ユーザログ情報記憶部に記憶された認知度評価値の履歴情報に基づいて前記施設利用者のレポートを生成し、前記生成されたレポートを前記施設端末に送信するレポート生成手段と、を備え、
前記施設利用者用タブレット端末を、
前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームのゲームアプリが前記ゲームIDに対応させて記憶されたゲームアプリ記憶手段と、
前記認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームによって認知度の測定を行う測定モードと、前記施設利用者が選択可能な複数のゲームのなかから当該施設利用者によって選択されたゲームによって認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードの2つのモードを個別に有し、前記測定モードと前記トレーニングモードのいずれを行うかを前記施設利用者に選択させ、入力されたモード選択情報を前記認知症介護支援サーバに送信する機能を有するモード選択手段と、
前記認知症介護支援サーバから受信されたトレーニングモードゲーム選定情報に基づいて、選定された複数のゲームのなかからいずれのゲームを用いてトレーニングを行うかを前記施設利用者に選択させるトレーニングモードゲーム選択手段と、
前記認知症介護支援サーバから受信された測定モードゲーム選択情報によるゲームのゲームIDと前記トレーニングモードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出して実行し、ゲーム実行結果を前記認知症介護支援サーバに送信するゲーム実行手段と、
前記認知症介護支援サーバより受信された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者に対して測定結果を表示する測定結果表示手段と、
として機能させ、
前記施設端末を、前記認知症介護支援サーバから受信されたレポートを表示するレポート表示手段として機能させる、
認知症介護支援サーバ。
【請求項13】
介護施設の施設利用者が使用する施設利用者用タブレット端末と、前記介護施設に設置される施設端末に対して、認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームアプリであって前記施設利用者がタブレット端末を用いて単独で実行可能な複数のゲームアプリを用いて前記施設利用者の介護支援サービスを提供する認知症介護支援サーバであって、
前記ゲームアプリは、それぞれ対象認知度レベルが指定された難易度の異なる複数の問題を含み、
前記施設利用者用タブレット端末および前記施設端末からのアクセスを受け付けて前記介護支援サービスを提供するWebサーバと、
前記施設利用者の現在の認知度レベルを含む施設利用者情報が記憶される施設利用者情報記憶部と、前記複数のゲームアプリのそれぞれについて少なくともゲームIDと対象評価指標区分と対象認知度レベル情報とが対応して記憶されるゲーム登録情報記憶部と、少なくとも認知度評価値情報の履歴情報が記憶されるユーザログ情報記憶部とを有するデータベースと、
前記施設利用者用タブレット端末から受信されたモード選択情報が測定モードである場合に、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれについて、前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象評価指標区分に基づいて測定モードにおいて実行するゲームを選択し、測定モードゲーム選択情報を前記施設利用者用タブレット端末に送信する測定モードゲーム選択手段と、
前記施設利用者用タブレット端末から受信されたモード選択情報が測定モードである場合に、前記施設利用者用タブレット端末から受信されたゲーム実行結果に基づき認知度評価値を演算して前記ユーザログ情報記憶部に登録する認知度評価値演算手段と、
前記施設利用者用タブレット端末から受信されたモード選択情報が測定モードである場合であって、前記複数の評価指標のすべての評価指標についてのゲームの実行と認知度評価値の演算が完了したら、前記ユーザログ情報記憶部に記憶された当該測定モードの認知度評価値を集計した認知度レベル評価値を演算し、前記演算された認知度レベル評価値を前記施設利用者用タブレット端末に送信し、前記演算された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の認知度レベルを更新する機能を有する認知度レベル評価手段と、
前記ユーザログ情報記憶部に記憶された認知度評価値の履歴情報に基づいて前記施設利用者のレポートを生成し、前記生成されたレポートを前記施設端末に送信するレポート生成手段と、
を備え、
前記施設利用者用タブレット端末を、
前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームのゲームアプリが前記ゲームIDに対応させて記憶されたゲームアプリ記憶手段と、
前記認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームによって認知度の測定を行う測定モードと、前記施設利用者が選択可能な複数のゲームのなかから当該施設利用者によって選択されたゲームによって認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードの2つのモードを個別に有し、前記測定モードと前記トレーニングモードのいずれを行うかを前記施設利用者に選択させ、入力されたモード選択情報を前記認知症介護支援サーバに送信する機能を有するモード選択手段と、
トレーニングモードにおいて選択可能な複数のゲームのなかからいずれのゲームを用いてトレーニングを行うかを前記施設利用者に選択させるトレーニングモードゲーム選択手段と、
前記認知症介護支援サーバから受信された測定モードゲーム選択情報によるゲームのゲームIDと前記トレーニングモードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出し、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応する対象認知度レベルの問題を選択して実行し、ゲーム実行結果を前記認知症介護支援サーバに送信するゲーム実行手段と、
前記認知症介護支援サーバより受信された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者に対して測定結果を表示する測定結果表示手段と、
として機能させ、
前記施設端末を、前記認知症介護支援サーバから受信されたレポートを表示するレポート表示手段として機能させる、
認知症介護支援サーバ。
【請求項14】
認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームアプリであって利用者がタブレット端末を用いて単独で実行可能な複数のゲームアプリを用いて前記利用者の介護支援を行う認知症介護支援プログラムであって、
コンピュータを、
前記利用者の認知度レベルを含む利用者情報が記憶される利用者情報記憶手段と、
前記複数のゲームアプリのそれぞれについて少なくともゲームIDと対象評価指標区分と対象認知度レベル情報とが対応して記憶されるゲーム登録情報記憶手段と、
少なくとも認知度評価値の履歴情報が記憶されるユーザログ情報記憶手段と、
前記ゲーム登録情報記憶手段に記憶された各ゲームのゲームアプリが前記ゲームIDに対応させて記憶されたゲームアプリ記憶手段と、
前記認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームによって認知度の測定を行う測定モードと、前記利用者が選択可能な複数のゲームのなかから当該利用者によって選択されたゲームによって認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードの2つのモードを個別に有し、前記測定モードと前記トレーニングモードのいずれを行うかを前記利用者に選択させるモード選択手段と、
前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報が測定モードである場合に、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれについて、前記利用者情報記憶手段に記憶されている当該利用者の現在の認知度レベルと前記ゲーム登録情報記憶手段に記憶された各ゲームの対象評価指標区分と対象認知度レベルに基づいて測定モードにおいて実行するゲームを選択する測定モードゲーム選択手段と、前記測定モードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出して実行する測定モードゲーム実行手段と、前記測定モードゲーム実行手段において実行されたゲームのゲーム実行結果に基づいて認知度評価値を演算して前記ユーザログ情報記憶手段に登録する認知度評価値演算手段と、前記複数の評価指標のすべての評価指標についてのゲームの実行と認知度評価値の演算が完了したら、前記ユーザログ情報記憶手段に記憶された当該測定モードの認知度評価値を集計した認知度レベル評価値を演算し、前記演算された認知度レベル評価値に基づいて前記利用者情報記憶手段に記憶されている当該利用者の認知度レベルを更新する機能を有する認知度レベル評価手段と、前記認知度レベル評価手段において演算された認知度レベル評価値に基づいて前記利用者に対して測定結果を表示する測定結果表示手段と、を有する測定モード処理手段と、
前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報がトレーニングモードである場合に、前記利用者情報記憶手段に記憶されている当該利用者の現在の認知度レベルと前記ゲーム登録情報記憶手段に記憶された各ゲームの対象認知度レベル情報に基づいてトレーニングモードにおいて当該利用者が選択可能な複数のゲームを選定し、前記選定された複数のゲームのなかからいずれのゲームを用いてトレーニングを行うかを前記利用者に選択させるトレーニングモードゲーム選択手段と、前記トレーニングモードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出して実行するトレーニングモードゲーム実行手段と、を有するトレーニングモード処理手段と、
前記ユーザログ情報記憶手段に記憶された認知度評価値の履歴情報に基づいてレポートを生成するレポート生成手段と、
として機能させる、認知症介護支援プログラム。
【請求項15】
認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームアプリであって利用者がタブレット端末を用いて単独で実行可能な複数のゲームアプリを用いて前記利用者の介護支援を行う認知症介護支援プログラムであって、
前記ゲームアプリは、それぞれ対象認知度レベルが指定された難易度の異なる複数の問題を含み、
コンピュータを、
前記利用者の認知度レベルを含む利用者情報が記憶される利用者情報記憶手段と、
前記複数のゲームアプリのそれぞれについて少なくともゲームIDと対象評価指標区分とが対応して記憶されるゲーム登録情報記憶手段と、
少なくとも認知度評価値の履歴情報が記憶されるユーザログ情報記憶手段と、
前記ゲーム登録情報記憶手段に記憶された各ゲームのゲームアプリが前記ゲームIDに対応させて記憶されたゲームアプリ記憶手段と、
前記認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームによって認知度の測定を行う測定モードと、前記利用者が選択可能な複数のゲームのなかから当該利用者によって選択されたゲームによって認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードの2つのモードを個別に有し、前記測定モードと前記トレーニングモードのいずれを行うかを前記利用者に選択させるモード選択手段と、
前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報が測定モードである場合に、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれについて、前記ゲーム登録情報記憶手段に記憶された各ゲームの対象評価指標区分に基づいて測定モードにおいて実行するゲームを選択する測定モードゲーム選択手段と、前記測定モードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出し、前記利用者情報記憶手段に記憶されている当該利用者の現在の認知度レベルに対応する対象認知度レベルの問題を選択して実行する測定モードゲーム実行手段と、前記測定モードゲーム実行手段において実行されたゲームのゲーム実行結果に基づいて認知度評価値を演算して前記ユーザログ情報記憶手段に登録する認知度評価値演算手段と、前記複数の評価指標のすべての評価指標についてのゲームの実行と認知度評価値の演算が完了したら、前記ユーザログ情報記憶手段に記憶された当該測定モードの認知度評価値を集計した認知度レベル評価値を演算し、前記演算された認知度レベル評価値に基づいて前記利用者情報記憶手段に記憶されている当該利用者の認知度レベルを更新する機能を有する認知度レベル評価手段と、前記認知度レベル評価手段において演算された認知度レベル評価値に基づいて前記利用者に対して測定結果を表示する測定結果表示手段と、を有する測定モード処理手段と、
前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報がトレーニングモードである場合に、トレーニングモードにおいて選択可能な複数のゲームのなかからいずれのゲームを用いてトレーニングを行うかを前記利用者に選択させるトレーニングモードゲーム選択手段と、前記トレーニングモードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出し、前記利用者情報記憶手段に記憶されている当該利用者の現在の認知度レベルに対応する対象認知度レベルの問題を選択して実行するトレーニングモードゲーム実行手段と、を有するトレーニングモード処理手段と、
前記ユーザログ情報記憶手段に記憶された認知度評価値の履歴情報に基づいてレポートを生成するレポート生成手段と、
として機能させる、認知症介護支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、介護施設の施設利用者の認知症の状態を評価し、リハビリを支援する認知症介護支援システム、認知症介護支援サーバおよび認知症介護支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
厚生省の調査によると、65歳以上の高齢者のうち認知症の人は推計で15%であり、2012年時点で約462万人に上るとされている。また、認知症になる可能性がある軽度認知障害の高齢者も約400万人いると考えられ、これを加えると65歳以上の4人に1人が認知症とその予備軍と推定される(非特許文献1参照)。
このように、認知症問題は、高齢化社会を迎えるわが国においてはきわめて深刻な課題となっており、認知症の状態を適切に評価して介護を支援する体制を確立することが急務となっている。
一方、認知症は、比較的軽度の段階で適切なリハビリトレーニングを行うことで、症状の進行を遅らせたり、症状を改善したりすることが可能であるとされている。
【0003】
現在、認知症患者あるいは認知症が疑われる人の状態を診断する方法として、改定長谷川式簡易知能評価スケール(HDS−R)やMini-Mental State Examination(MMSE)等のスケールを用いて検査を行うことが一般的に行われている(非特許文献2,3参照)。
HDS−Rは、長谷川和夫によって作成された「長谷川式簡易知能評価スケール」を元にして1991年に加藤らによって改定されたものであり、現在日本で最も広く使用されている。HDS−Rは、図26に示すようなスケールが用いられ、医療従事者や介護従事者が、対面式で、被験者の年齢や現在の日付、現在位置や物の名称、簡単な引き算などの9つの質問を行って評価するものであり、最高得点は30点で、20点以下を認知症の疑いありとする。
また、MMSEは、国際的に最も普及している方法であり、長谷川式認知症スケールと同様に医療従事者や介護従事者による対面式で検査が行われる。MMSEでは設問は11問であり、認知機能の低下による影響が大きいとされる視空間と構成能力を判断する図形の模写を求める設問が設けられている。満点は30点であり、現在では一般に23点以下が認知症とされている。
【0004】
しかしながら、このようなスケールを用いた従来の認知症の診断は、医療従事者や介護従事者による対面式で診断が行われるため、被験者が緊張して質問を聞き取れなかったりうまく答えられない場合が生ずること、テストであるために試されているという印象を被験者に与え、テストを拒否したり非協力的になったりする場合があること、質問項目が簡単であるため、正解できる場合もできない場合も被験者の感情を害しやすいことなど、被験者に対して精神的苦痛やストレスを与えるという問題があった。
【0005】
これに対して、近年、コンピュータを用いて認知症の診断を支援するシステムが提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
【0006】
特許文献1に記載の認知症検査支援システムは、検査実施における事前知識、注意事項、医療従事者がなすべき言動、被験者の応答の評価方法等を医療従事者端末に提示するものであって、医療従事者の認知症検査に対する習熟度に依存せずに均一な検査結果を得ることができるとしている。
【0007】
特許文献2に記載の認知症診断支援システムは、認知症の疑いのある患者に対して、非定型な質問を行うことによって認知症の症状レベルを診断することができるとしている。
【0008】
特許文献3に記載の認知症ケア支援システムは、患者または介護者への質問に対する患者および介護者の言動または情動の情報に基づいて対応策を患者または介護者に提示することができるとしている。
【0009】
特許文献4に記載の脳機能計測システムは、海馬機能を含む脳機能の計測に用いるテスト画像と計測データをコンピュータ管理することにより、脳機能活性度計測の信頼性を高め、高齢者に精神的苦痛やストレスを与えず、ゲーム感覚で楽しくテストすることができるとしている。
【0010】
特許文献5に記載の痴呆防止システムは、質問を文字と画像の組み合わせにより利用者に提示し、利用者の回答に対応した返答を画像と文字の組み合わせで示す対話型プログラムや、短時間で行うことができるもぐらたたき、神経衰弱等のゲームによって右脳を刺激し、認知症の予防や改善を図ることができるとしている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】政府広報オンライン、“お役立ち情報「認知症」”、[online]、平成25年8月5日、インターネット<URL: http://www.gov-online.go.jp/useful/index.html>
【非特許文献2】加藤信司他:「改定長谷川式簡易知能評価スケール(HDS−R)の作成」、老年精神医学雑誌、第2号、1991
【非特許文献3】森 悦郎他:「神経疾患患者における日本語版Mini−Mental Stateテストの有用性」、神経心理学、第1号、1895
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−259634号公報
【特許文献2】特開2007−282992号公報
【特許文献3】特開2013−058020号公報
【特許文献4】特開2005−192637号公報
【特許文献5】特開2003−107983号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、特許文献1に記載の認知症検査支援システムは、書面で行われていた従来の認知症検査において医療従事者がなすべき言動や被験者の応答の評価方法等を医療従事者に対して提示するシステムであり、認知症の診断を医療従事者が被験者との対面により行うという点では従来と同じであって、被験者が緊張してうまく答えられない場合があること、テストであるため試されているという印象を被験者に与えることなど、患者に対して精神的苦痛やストレスを与えるという従来の問題は解消されていない。
また、このシステムにおいて、認知症の進行を遅らせたり症状を改善したりするためのリハビリトレーニング機能は有していない。
【0014】
特許文献2に記載の認知症診断システムは、質問を生成して患者に直接提示して回答を得るものであって、患者の電子カルテ情報に基づいて特定される認知症の症状レベルに応じた質問を抽出し、情報記憶部に記憶された患者の情報に基づいて非定型な質問が生成されることなどの特徴を有するものであるが、基本的に文字情報を用いて患者に質問するものであり、テストであるため試されているという印象を与えることなど患者に対して精神的苦痛やストレスを与えるという従来の問題は解消されていない。
また、このシステムにおいても、認知症の進行を遅らせたり症状を改善したりするためのリハビリトレーニング機能は有していない。
【0015】
特許文献3に記載の認知症ケア支援システムは、簡単な文章による質問文を患者または介護者に提示して、回答を患者または介護者から選択肢の選択またはテキスト入力によって取得するものであるが、最初に医師による患者情報の入力を受け付けることや、患者または介護者が質問に対して回答している間の患者の言動・情動を取得することから、患者の質問応答に対して医師および介護者の立会いを要し、患者が緊張してうまく答えられない場合があること、テストであるために試されているという印象を患者に与えることなど、患者に対して精神的苦痛やストレスを与えるという従来の問題は解消されていない。
また、このシステムは、質問に対する回答や質問時の言動または情動等に基づいて対応策が患者または介護者に対して提示される機能を有するものであるが、図4のフローを見る限り、質問に対する回答および言動・情動の情報の受付直後に対応策が送信されていることから、対応策は基本的に各質問の回答に対して提示されるものであって、認知症の症状の変化を捉えた上で患者に対する対応策を支援する機能は有していない。
また、このシステムにおいても、認知症の進行を遅らせたり症状を改善したりするためのリハビリトレーニング機能は有していない。
【0016】
特許文献4に記載の脳機能計測システムは、画像データベースに格納された複数の画像から選択された一次画像と二次画像をディスプレイに順次表示させ、2つの画像が同じか異なるかを被験者に回答させることや、アイカメラを用いて被験者の瞳孔を撮影し、被験者がナレーションで指定された注視エリアを注視していたかを検出することにより脳機能の活性度を計測するものであるが、このような検査のみで認知症の中核症状とされる見当識障害、記憶障害、理解・判断力障害、実行機能障害、感情表現の変化のような複数の評価指標について認知症の状態を適切に評価することは困難である。
また、このシステムでは、脳機能計測に当たって、検査者が装置の操作方法の説明、アイカメラの装着やキャリブレーション等を行う必要があるため、被験者が単独で検査を行うことは困難であり、認知症患者に対しては多大な精神的苦痛やストレスを与えるものとなることが予想される。
また、このシステムにおいても、認知症の進行を遅らせたり症状を改善したりするためのリハビリトレーニング機能は有していない。
【0017】
特許文献5に記載の痴呆防止システムは、コンピュータ画面による対話型プログラムやゲームを提供することで、認知症の予防や改善を図るものであるが、認知症の状態を評価する機能を備えておらず、認知症の中核症状とされる複数の評価指標に対して適切に認知症の予防や改善が図られているか否かを評価することはできない。
【0018】
それ故に、本願発明の目的は、認知症の複数の評価指標に対して利用者にストレスを与えることなく利用者が単独で認知度の測定を行えるようにするとともに、同一のシステム内で同じ評価指標に対する認知症のリハビリトレーニングを行えるようにし、リハビリトレーニングによる認知症の改善効果を自律的に再評価することができる認知症介護支援システム、認知症介護支援サーバおよび認知症介護支援アプリケーションプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するために、この発明にかかる認知症介護支援システムは、介護施設に対して認知症介護支援サービスを提供する認知症介護支援サーバと、前記介護施設の施設利用者が使用する施設利用者用タブレット端末と、前記介護施設に設置される施設端末とを備え、認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームアプリであって前記施設利用者がタブレット端末を用いて単独で実行可能な複数のゲームアプリを用いて前記施設利用者の介護支援サービスを提供する認知症介護支援システムであって、前記認知症介護支援サーバは、前記施設利用者用タブレット端末および前記施設端末からのアクセスを受け付けて前記介護支援サービスを提供するWebサーバと、前記施設利用者の現在の認知度レベルを含む施設利用者情報が記憶される施設利用者情報記憶部と、前記複数のゲームアプリのそれぞれについて少なくともゲームIDと対象評価指標区分と対象認知度レベル情報とが対応して記憶されるゲーム登録情報記憶部と、少なくとも認知度評価値情報の履歴情報が記憶されるユーザログ情報記憶部とを有するデータベースとを備え、前記認知症介護支援システムは、前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームのゲームアプリが前記ゲームIDに対応させて記憶されたゲームアプリ記憶手段と、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームによって認知度の測定を行う測定モードと、前記施設利用者が選択可能な複数のゲームのなかから当該施設利用者によって選択されたゲームによって認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードの2つのモードを個別に有し、前記測定モードと前記トレーニングモードのいずれを行うかを前記施設利用者に選択させるモード選択手段と、前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報が測定モードである場合に、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれについて、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルと前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象評価指標区分と対象認知度レベル情報に基づいて測定モードにおいて実行するゲームを選択する測定モードゲーム選択手段と、前記測定モードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出して前記施設利用者用タブレット端末において実行する測定モードゲーム実行手段と、前記測定モードゲーム実行手段において実行されたゲームのゲーム実行結果に基づいて認知度評価値を演算して前記ユーザログ情報記憶部に登録する認知度評価値演算手段と、前記複数の評価指標のすべての評価指標についてのゲームの実行と認知度評価値の演算が完了したら、前記ユーザログ情報記憶部に記憶された当該測定モードの認知度評価値を集計した認知度レベル評価値を演算し、前記演算された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の認知度レベルを更新する機能を有する認知度レベル評価手段と、前記認知度レベル評価手段において演算された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者に対して測定結果を表示する測定結果表示手段とを有する測定モード処理手段と、前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報がトレーニングモードである場合に、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルと前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象認知度レベル情報に基づいてトレーニングモードにおいて当該施設利用者が選択可能な複数のゲームを選定し、前記選定された複数のゲームのなかからいずれのゲームを用いてトレーニングを行うかを前記施設利用者に選択させるトレーニングモードゲーム選択手段と、前記トレーニングモードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出して実行するトレーニングモードゲーム実行手段とを有するトレーニングモード処理手段と、前記ユーザログ情報記憶部に記憶された認知度評価値の履歴情報に基づいて前記施設利用者のレポートを生成するレポート生成手段とを備えたものである。
【0020】
この発明によれば、認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームアプリであって施設利用者がタブレット端末を用いて単独で実行可能な複数のゲームアプリを用いて施設利用者にゲームを実行させることによって認知度の測定を行うので、施設利用者はストレスを受けることなく楽しみながら認知症の状態を評価することができる。
また、この発明によれば、認知度の測定を行う測定モードと認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードを施設利用者に選択させるモード選択手段を備え、測定モードにおいては、認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームから選択されたゲームを用いて認知度の測定を行うので、認知症の全ての評価指標に対する認知度が測定され、施設利用者の認知症の状態を総合的に評価することができる。
また、この発明によれば、トレーニングモードにおいては、測定モードにおいて使用されるゲームアプリの中から施設利用者によって選択されたゲームを用いて認知症のリハビリトレーニングを行う。このように、施設利用者が認知度の測定に使用されるゲームを楽しみながら自由に実行する環境を提供することは、施設利用者の認知症の進行を遅らせたり症状を改善したりするリハビリ効果が見込まれる。特に、このシステムでは、認知度の測定に用いられるゲームと同じゲームアプリを使用するので、施設利用者が測定モードにおいて成績の悪かったゲームに対して改善したいという意欲が湧くことが期待され、評価の低い評価指標の認知度を効果的に改善させるリハビリトレーニング環境を提供することができる。そして、施設利用者がトレーニングモードの実施後に測定モードを実施することで、トレーニングモードによるリハビリ効果を施設利用者が自律的に再評価することができる。
特に、この発明によれば、測定モード処理手段では、各ゲームの認知度評価値を集計した認知度レベル評価値に基づいて施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の認知度レベルを更新する機能を有し、測定モード処理手段において、認知度レベルの測定に使用するゲームが施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設使用者の現在の認知度レベルに基づいて選択されるので、当該施設利用者にフィットしたゲームを用いて認知度レベルを測定することができ、施設利用者の認知度レベルを的確に評価することができる。
また、トレーニングモード処理手段において、施設利用者が選択することができるゲームが施設利用者情報記憶部に記憶されている現在の認知度レベルに基づいて選定されるので、トレーニングモードにおいて実行可能なゲームは当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応したものとなり、効果的な認知症のリハビリトレーニングを行うことができる。
【0021】
また、この発明にかかる認知症介護支援システムは、介護施設に対して認知症介護支援サービスを提供する認知症介護支援サーバと、前記介護施設の施設利用者が使用する施設利用者用タブレット端末と、前記介護施設に設置される施設端末とを備え、認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームアプリであって前記施設利用者がタブレット端末を用いて単独で実行可能な複数のゲームアプリを用いて前記施設利用者の介護支援サービスを提供する認知症介護施設支援システムであって、前記ゲームアプリは、それぞれ対象認知度レベルが指定された難易度の異なる複数の問題を含み、前記認知症介護支援サーバは、前記施設利用者用タブレット端末および前記施設端末からのアクセスを受け付けて前記介護支援サービスを提供するWebサーバと、前記施設利用者の現在の認知度レベルを含む施設利用者情報が記憶される施設利用者情報記憶部と、前記複数のゲームアプリのそれぞれについて少なくともゲームIDと対象評価指標区分とが対応して記憶されるゲーム登録情報記憶部と、少なくとも認知度評価値情報の履歴情報が記憶されるユーザログ情報記憶部とを有するデータベースとを備え、前記認知症介護支援システムは、前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームのゲームアプリが前記ゲームIDに対応させて記憶されたゲームアプリ記憶手段と、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームによって認知度の測定を行う測定モードと、前記施設利用者が選択可能な複数のゲームのなかから当該施設利用者によって選択されたゲームによって認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードの2つのモードを個別に有し、前記測定モードと前記トレーニングモードのいずれを行うかを前記施設利用者に選択させるモード選択手段と、前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報が測定モードである場合に、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれについて、前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象評価指標区分に基づいて測定モードにおいて実行するゲームを選択する測定モードゲーム選択手段と、前記測定モードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出し、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応する対象認知度レベルの問題を選択して前記施設利用者用タブレット端末において実行する測定モードゲーム実行手段と、前記測定モードゲーム実行手段において実行されたゲームのゲーム実行結果に基づいて認知度評価値を演算して前記ユーザログ情報記憶部に登録する認知度評価値演算手段と、前記複数の評価指標のすべての評価指標についてのゲームの実行と認知度評価値の演算が完了したら、前記ユーザログ情報記憶部に記憶された当該測定モードの認知度評価値を集計した認知度レベル評価値を演算し、前記演算された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の認知度レベルを更新する機能を有する認知度レベル評価手段と、前記認知度レベル評価手段において演算された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者に対して測定結果を表示する測定結果表示手段とを有する測定モード処理手段と、前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報がトレーニングモードである場合に、トレーニングモードにおいて選択可能な複数のゲームのなかからいずれのゲームを用いてトレーニングを行うかを前記施設利用者に選択させるトレーニングモードゲーム選択手段と、前記トレーニングモードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出し、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応する対象認知度レベルの問題を選択して前記施設利用者用タブレット端末において実行するトレーニングモードゲーム実行手段とを有するトレーニングモード処理手段と、前記ユーザログ情報記憶部に記憶された認知度評価値の履歴情報に基づいて前記施設利用者のレポートを生成するレポート生成手段とを備えたものでもよい。
【0022】
この発明によれば、前述の認知症介護支援システムにおいて、各ゲームアプリはそれぞれ対象認知度レベルが指定された難易度の異なる複数の問題を含み、測定モードゲーム実行手段とトレーニングモードゲーム実行手段において当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応する対象認知度レベルの問題を選択して実行するようにしたものであり、前述の認知症介護支援システムが奏する効果と同様の効果を奏する。
【0023】
また、この発明にかかる認知症介護支援システムは、前記複数の評価指標を、認知症の中核症状とされる見当識障害、記憶障害、理解・判断力障害、実行機能障害、感情表現の変化の5つの分野についての認知症の状態を評価するための評価指標とし、前記5つの評価指標のそれぞれに対応する複数のゲームアプリによって認知度の測定と認知症のリハビリトレーニングを行えるようにしたものでもよい。
【0024】
この発明によれば、認知症の複数の評価指標を認知症の中核症状とされる見当識障害、記憶障害、理解・判断力障害、実行機能障害、感情表現の変化の5つの評価指標(非特許文献1参照)としたので、公式の評価指標に基づく客観性の高い認知度の測定を行うことができ、認知症の症状を改善するリハビリトレーニングも効果的に行うことができる。
【0025】
また、この発明にかかる認知症介護支援システムは、前記施設利用者用タブレット端末には、筐体の傾きを検出する傾きセンサの情報を入力するセンサ情報入力部を備え、前記ゲームアプリ記憶手段に記憶されるゲームアプリとして、前記施設利用者に対して筐体の傾きを調節する問題を提示し、前記センサ情報入力部から入力される傾き情報に基づいて前記問題に対して筐体の傾きを正しく調節できたか否かを判定することにより認知症の実行機能障害の認知度の測定を行うことができるゲームアプリを含むものでもよい。
【0026】
この発明によれば、本願発明に使用するゲームアプリとして、タブレット端末に通常備えられている筐体の傾きを検出する傾きセンサを利用して、筐体の傾きを調節する問題を提示して施設利用者が筐体の傾きを正しく調節できたか否かを判定するゲームアプリを備えることで、認知症の実行機能障害について認知度を測定するゲームの1つとして使用することができる。
このようなゲームは、質問に対する回答を単に画面上の選択肢から選択する問題よりもゲーム感覚が高く、施設利用者がより楽しみながら認知度の測定を行うことができ、より効果的な認知症のリハビリトレーニングを提供することができる。
【0027】
また、この発明にかかる認知症介護支援システムは、前記測定モードゲーム実行手段において得られるゲーム実行結果としてゲームの設問に対する正誤とゲームの実行に要した所要時間を含み、前記ゲームアプリ記憶手段に記憶されているゲーム毎に、認知度レベル別に、ゲームの設問の正誤に対する正誤点と、ゲームの実行に要した所要時間に対する基準時間と時間点と超過時間減点基準とが指定され、前記正誤点と前記時間点の合計値が認知度評価値となるものであって、前記時間点は前記超過時間減点基準に従って前記基準時間に対する超過時間に応じて減点され、前記基準時間は認知度レベルが高いほど短く設定され、前記正誤点と前記時間点の合計値の最大値は認知度レベルが高いほど高くなるように設定され、1つのゲームに対して複数の認知度レベルの評価値を単一の認知度評価値として表すことができる演算パラメータが記憶された認知度評価値演算パラメータテーブルを備え、前記認知度評価値演算手段は、前記認知度評価値演算パラメータテーブルから前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応する正誤点と基準時間と時間点と超過時間減点基準を取得し、前記ゲーム実行結果の正誤と所要時間に対して、前記取得された正誤点と基準時間と時間点と超過時間減点基準に基づいて前記認知度評価値を演算する機能を有するものでもよい。
【0028】
この発明によれば、認知度評価値演算手段は、ゲーム実行結果の正誤と所要時間に対して、認知度評価値演算パラメータテーブルから施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応して取得された正誤点と基準時間と時間点と超過時間減点基準に基づいて認知度評価値を演算するものであって、正誤点と時間点の合計値が認知度評価値となり、時間点は基準時間に対する超過時間に応じて減点され、基準時間はゲーム実行者の認知度レベルが高いほど短く設定され、正誤点と時間点の合計値の最大値はゲーム実行者の認知度レベルが高いほど高くなるように設定された演算パラメータに基づいて認知度評価値が演算されるので、1つのゲームに対して複数の認知度レベルのゲーム実行者の評価値を単一の認知度評価値として表すことができ、同一のゲームを複数の認知度レベルの施設利用者の認知度の測定に用いることができる。
認知度評価値演算パラメータテーブルは、実行に要した所要時間に対する基準時間と時間点と超過時間減点基準については、時間をパラメータとした時間点として記述されたものを用いてもよい。また、認知度評価値演算パラメータテーブルは、認知度レベルに対して、正誤点と基準時間と時間点と超過時間減点基準をパラメータとする演算式で与えられたものを用いるようにしてもよい。
なお、認知度評価値演算パラメータテーブルは、ゲームアプリ記憶手段に記憶されるゲームアプリの一部としてゲームアプリ記憶手段内に備えるようにしてもよい。
【0029】
また、この発明にかかる認知症介護支援システムは、前記ユーザログ情報記憶部には、前記測定モードにおいて実行されたゲームの実行履歴と前記トレーニングモードにおいて実行されたゲームの実行履歴が記憶される記憶領域を有し、前記測定モードゲーム実行手段において実行されたゲームの実行実績を登録する手段と、前記トレーニングモードゲーム実行手段において実行されたゲームの実行実績を登録する手段とを備え、前記レポート生成手段は、前記ユーザログ情報記憶部に記憶されている現在の認知度評価値情報に基づいて前記複数の評価指標別の現在の認知度評価値のバーチャートを生成する機能と、前記ユーザログ情報記憶部に記憶されている認知度評価値の履歴情報に基づいて認知度レベル評価値の推移と前記複数の評価指標別の認知度評価値の推移を示すグラフを生成する機能と、前記ユーザログ情報記憶部に記憶されているゲーム実行実績情報に基づいて評価指標別に測定モードでのゲームの実行実績とトレーニングモードでのゲームの実行実績を示すゲーム実行実績表示部を生成する機能とを有するものでもよい。
【0030】
この発明によれば、施設利用者の認知症の評価指標別の現在の評価値をバーチャートで表示したレポートを生成する機能を有するので、当該施設利用者の各評価指標に対する認知度の偏りを直感的に把握することができる。
また、この発明によれば、施設利用者の認知度レベル評価値の推移と、評価指標別の評価値の推移とをグラフ表示する機能を有するので、施設利用者が評価指標別にトレーニングモードにおいてどの程度ゲームを実行しているかと、それによって各評価指標の認知度と認知度レベル評価値がどのように推移しているかを把握することができる。
【0031】
また、この発明にかかる認知症介護支援システムは、前記レポート生成手段によって生成されるレポートに表示する介護担当者へのアドバイスメッセージが前記複数の評価指標別に記憶されたアドバイス情報テーブルを備え、前記レポート生成手段は、前記ユーザログ情報記憶部に登録されている認知度評価値の履歴情報に基づいて、前記複数の評価指標別に直近の短期の認知度評価値の平均値と長期の認知度評価値の平均値との差分に基づいて前記評価指標認知度評価値の変動状況を表す変動メッセージを生成する機能と、前記アドバイス情報テーブルから前記変動メッセージが生成された評価指標に対応するアドバイスメッセージを抽出する機能とを有するものでもよい。
【0032】
この発明によれば、評価指標別に直近の短期の評価値の平均値と長期の評価値の平均値との差分に基づいて、当該施設利用者の評価指標別の評価値の変動状況を表す変動メッセージと当該評価指標に対するアドバイスメッセージを有するレポートが生成されるので、介護担当者は当該施設利用者に対して適切に介護支援を行うことができる。
【0033】
また、この発明にかかる認知症介護支援システムは、前記ユーザログ情報記憶部には、トレーニングモード認知度評価値の履歴情報が記憶される記憶領域を有し、前記トレーニングモード処理手段は、前記トレーニンモードゲーム実行手段によるゲーム実行結果に基づいてトレーニングモードの認知度評価値を演算して前記ユーザログ情報記憶部に登録する機能を有するトレーニングモード認知度評価値演算手段を備え、前記レポート生成手段は、前記ユーザログ情報記憶部に記憶されたトレーニングモードの認知度評価値の履歴情報に基づいて、トレーニングモードにおいて実行されたゲームの認知度評価値の推移を示すレポートを生成する機能を有するものでもよい。
【0034】
この発明によれば、トレーニングモードにおいても実行したゲームの認知度評価値が演算され、トレーニングモードにおいて実行されたゲームの認知度評価値の推移を示すレポートが生成されるので、トレーニングモードにおいて実行されたゲームによって認知度レベルがどのように推移しているかを把握することができ、当該ゲームをリハビリトレーニングに活用することの有効性を評価することができる。
【0035】
また、この発明にかかる認知症介護支援システムは、前記施設利用者の介護担当者が使用する介護担当者用タブレット端末を備え、前記ゲームアプリ記憶手段に記憶されたゲーム毎に、前記介護担当者が前記施設利用者のゲームの実行に際して前記施設利用者をサポートすることが可能なサポート項目について前記施設利用者に対するサポートメッセージと当該サポートを行った場合に認知度評価値を補正するための認知度評価補正値とが対応して記憶されたサポート情報テーブルを備え、前記測定モードゲーム実行手段は、ゲームの実行に際して、前記サポート情報テーブルから当該ゲームのサポートメッセージを取得して表示し、前記介護担当者が前記施設利用者に対して実際に行ったサポート項目を選択させるサポート項目選択手段を有し、前記認知度評価値演算手段は、前記サポート情報テーブルから前記取得されたサポート項目に対応する認知度評価補正値を取得し、前記取得された認知度評価補正値に基づいて前記演算された認知度評価値を補正する機能を有するものでもよい。
【0036】
この発明によれば、サポート情報テーブルには、ゲーム毎に、施設利用者のゲームの実行に際して介護担当者がサポートすることが可能なサポート項目についてサポートメッセージと当該サポートを行った場合の認知度評価値を補正するためのゲーム評価補正値とが対応して記憶され、測定モード実行手段において、サポート情報記憶手段から当該ゲームのサポートメッセージを取得して介護担当者用タブレット端末に表示させ、介護担当者が実際に行ったサポート項目を取得し、認知度評価値演算手段において、取得されたサポート項目に対応する認知度評価補正値に基づいて認知度評価値を補正するようにしたので、介護担当者は施設利用者の認知度の測定に際して施設利用者に対してどのようなサポートが可能かを知ることができ、実際に画面に表示されたサポートメッセージを用いて施設利用者をサポートした場合に、それによる認知度評価値の補正が自動的に行われる。通常、認知度の低い施設利用者には介護担当者が付き添っている場合が多いが、施設利用者がゲームの実行に行き詰っている場合に、介護担当者は介護担当者端末に表示されたサポートメッセージによって施設利用者に対して適切なサポートを行うことができ、実際にサポートを行った場合においても測定モードにおける認知度の測定を適切に行うことができる。
【0037】
この発明にかかる認知症介護支援サーバは、介護施設の施設利用者が使用する施設利用者用タブレット端末と、前記介護施設に設置される施設端末に対して、認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームアプリであって前記施設利用者がタブレット端末を用いて単独で実行可能な複数のゲームアプリを用いて前記施設利用者の介護支援サービスを提供する認知症介護支援サーバであって、前記施設利用者用タブレット端末および前記施設端末からのアクセスを受け付けて前記介護支援サービスを提供するWebサーバと、前記施設利用者の現在の認知度レベルを含む施設利用者情報が記憶される施設利用者情報記憶部と、前記複数のゲームアプリのそれぞれについて少なくともゲームIDと対象評価指標区分と対象認知度レベル情報とが対応して記憶されるゲーム登録情報記憶部と、少なくとも認知度評価値情報の履歴情報が記憶されるユーザログ情報記憶部とを有するデータベースとを備え、前記施設利用者用タブレット端末を、前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームのゲームアプリが前記ゲームIDに対応させて記憶されたゲームアプリ記憶手段と、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームによって認知度の測定を行う測定モードと、前記施設利用者が選択可能な複数のゲームのなかから当該施設利用者によって選択されたゲームによって認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードの2つのモードを個別に有し、前記測定モードと前記トレーニングモードのいずれを行うかを前記施設利用者に選択させるモード選択手段と、前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報が測定モードである場合に、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれについて、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルと前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象評価指標区分と対象認知度レベル情報に基づいて測定モードにおいて実行するゲームを選択する測定モードゲーム選択手段と、前記測定モードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出して実行する測定モードゲーム実行手段と、前記測定モードゲーム実行手段において実行されたゲームのゲーム実行結果に基づいて認知度評価値を演算して前記ユーザログ情報記憶部に登録する認知度評価値演算手段と、前記複数の評価指標のすべての評価指標についてのゲームの実行と認知度評価値の演算が完了したら、前記ユーザログ情報記憶部に記憶された当該測定モードの認知度評価値を集計した認知度レベル評価値を演算し、前記演算された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の認知度レベルを更新する機能を有する認知度レベル評価手段と、前記認知度レベル評価手段において演算された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者に対して測定結果を表示する測定結果表示手段とを有する測定モード処理手段と、前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報がトレーニングモードである場合に、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルと前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象認知度レベル情報に基づいてトレーニングモードにおいて当該施設利用者が選択可能な複数のゲームを選定し、前記選定された複数のゲームのなかからいずれのゲームを用いてトレーニングを行うかを前記施設利用者に選択させるトレーニングモードゲーム選択手段と、前記トレーニングモードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出して実行する機能を有するトレーニングモードゲーム実行手段とを有するトレーニングモード処理手段として機能させ、前記施設端末を、前記ユーザログ情報記憶部に記憶された認知度評価値の履歴情報に基づいてレポートを生成するレポート生成手段として機能させるものである。
【0038】
この発明によれば、認知症介護支援サーバ側にWebサーバとデータベースを備え、施設利用者用タブレット端末を、認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームアプリであって前記施設利用者がタブレット端末を用いて単独で実行可能な複数のゲームアプリを用いて認知度の測定と認知症のリハビリトレーニングを行うものであって、認知度の測定を行う測定モードと認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードを選択するモード選択手段と、測定モードにおいて認知度の測定を行う測定モード処理手段と、トレーニングモードにおいて認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモード処理手段として機能させ、施設端末を、施設利用者のレポートを生成して表示させるレポート生成手段として機能させるので、上述した認知症介護支援システムが奏する効果と同等の効果を奏する。
【0039】
また、この発明にかかる認知症介護支援サーバは、介護施設の施設利用者が使用する施設利用者用タブレット端末と、前記介護施設に設置される施設端末に対して、認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームアプリであって前記施設利用者がタブレット端末を用いて単独で実行可能な複数のゲームアプリを用いて前記施設利用者の介護支援サービスを提供する認知症介護支援サーバであって、前記ゲームアプリは、それぞれ対象認知度レベルが指定された難易度の異なる複数の問題を含み、前記施設利用者用タブレット端末および前記施設端末からのアクセスを受け付けて前記介護支援サービスを提供するWebサーバと、 前記施設利用者の現在の認知度レベルを含む施設利用者情報が記憶される施設利用者情報記憶部と、前記複数のゲームアプリのそれぞれについて少なくともゲームIDと対象評価指標区分とが対応して記憶されるゲーム登録情報記憶部と、少なくとも認知度評価値情報の履歴情報が記憶されるユーザログ情報記憶部とを有するデータベースとを備え、前記施設利用者用タブレット端末を、前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームのゲームアプリが前記ゲームIDに対応させて記憶されたゲームアプリ記憶手段と、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームによって認知度の測定を行う測定モードと、前記施設利用者が選択可能な複数のゲームのなかから当該施設利用者によって選択されたゲームによって認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードの2つのモードを個別に有し、前記測定モードと前記トレーニングモードのいずれを行うかを前記施設利用者に選択させるモード選択手段と、前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報が測定モードである場合に、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれについて、前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象評価指標区分に基づいて測定モードにおいて実行するゲームを選択する測定モードゲーム選択手段と、前記測定モードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出し、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応する対象認知度レベルの問題を抽出して前記施設利用者用タブレット端末において実行する測定モードゲーム実行手段と、前記測定モードゲーム実行手段において実行されたゲームのゲーム実行結果に基づいて認知度評価値を演算して前記ユーザログ情報記憶部に登録する認知度評価値演算手段と、前記複数の評価指標のすべての評価指標についてのゲームの実行と認知度評価値の演算が完了したら、前記ユーザログ情報記憶部に記憶された当該測定モードの認知度評価値を集計した認知度レベル評価値を演算し、前記演算された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の認知度レベルを更新する機能を有する認知度レベル評価手段と、前記認知度レベル評価手段において演算された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者に対して測定結果を表示する測定結果表示手段とを有する測定モード処理手段と、前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報がトレーニングモードである場合に、トレーニングモードにおいて選択可能な複数のゲームのなかからいずれのゲームを用いてトレーニングを行うかを前記施設利用者に選択させるトレーニングモードゲーム選択手段と、前記トレーニングモードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出して実行する機能を有するトレーニングモードゲーム実行手段とを有するトレーニングモード処理手段として機能させ、前記施設端末を、前記ユーザログ情報記憶部に記憶された認知度評価値の履歴情報に基づいてレポートを生成するレポート生成手段として機能させるものでもよい。
【0040】
この発明によれば、前述の認知症介護支援サーバにおいて、各ゲームアプリはそれぞれ対象認知度レベルが指定された難易度の異なる複数の問題を含み、測定モードゲーム実行手段とトレーニングモードゲーム実行手段において当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応する対象認知度レベルの問題を選択して実行するようにしたものであり、前述の認知症介護支援サーバが奏する効果と同様の効果を奏する。
【0041】
また、この発明にかかる認知症介護支援サーバは、介護施設の施設利用者が使用する施設利用者用タブレット端末と、前記介護施設に設置される施設端末に対して、認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームアプリであって前記施設利用者がタブレット端末を用いて単独で実行可能な複数のゲームアプリを用いて前記施設利用者の介護支援サービスを提供する認知症介護支援サーバであって、前記施設利用者用タブレット端末および前記施設端末からのアクセスを受け付けて前記介護支援サービスを提供するWebサーバと、前記施設利用者の現在の認知度レベルを含む施設利用者情報が記憶される施設利用者情報記憶部と、前記複数のゲームアプリのそれぞれについて少なくともゲームIDと対象評価指標区分と対象認知度レベル情報とが対応して記憶されるゲーム登録情報記憶部と、少なくとも認知度評価値情報の履歴情報が記憶されるユーザログ情報記憶部とを有するデータベースと、前記施設利用者用タブレット端末から受信されたモード選択情報が測定モードである場合に、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれについて、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルと前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象評価指標区分と対象認知度レベル情報に基づいて測定モードにおいて実行するゲームを選択し、測定モードゲーム選択情報を前記施設利用者用タブレット端末に送信する測定モードゲーム選択手段と、前記施設利用者用タブレット端末から受信されたモード選択情報がトレーニングモードである場合に、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルと前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象認知度レベル情報に基づいてトレーニングモードにおいて当該施設利用者が選択可能な複数のゲームを選定し、トレーニングモードゲーム選定情報を前記施設利用者用タブレット端末に送信するトレーニングモードゲーム選定手段と、前記施設利用者用タブレット端末から受信されたモード選択情報が測定モードである場合に、前記施設利用者用タブレット端末から受信されたゲーム実行結果に基づき認知度評価値を演算して前記ユーザログ情報記憶部に登録する認知度評価値演算手段と、前記施設利用者タブレット端末から受信されたモード選択情報が測定モードである場合であって、前記複数の評価指標のすべての評価指標についてのゲームの実行と認知度評価値の演算が完了したら、前記ユーザログ情報記憶部に記憶された当該測定モードの認知度評価値を集計した認知度レベル評価値を演算し、前記演算された認知度レベル評価値を前記施設利用者用タブレット端末に送信し、前記演算された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の認知度レベルを更新する機能を有する認知度レベル評価手段と、前記ユーザログ情報記憶部に記憶された認知度評価値の履歴情報に基づいて前記施設利用者のレポートを生成し、前記生成されたレポートを前記施設端末に送信するレポート生成手段とを備え、前記施設利用者用タブレット端末を、前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームのゲームアプリが前記ゲームIDに対応させて記憶されたゲームアプリ記憶手段と、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームによって認知度の測定を行う測定モードと、前記施設利用者が選択可能な複数のゲームのなかから当該施設利用者によって選択されたゲームによって認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードの2つのモードを個別に有し、前記測定モードと前記トレーニングモードのいずれを行うかを前記施設利用者に選択させ、入力されたモード選択情報を前記認知症介護支援サーバに送信する機能を有するモード選択手段と、前記認知症介護支援サーバから受信されたトレーニングモードゲーム選定情報に基づいて、選定された複数のゲームのなかからいずれのゲームを用いてトレーニングを行うかを前記施設利用者に選択させるトレーニングモードゲーム選択手段と、前記認知症介護支援サーバから受信された測定モードゲーム選択情報によるゲームのゲームIDと前記トレーニングモードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出して実行し、ゲーム実行結果を前記認知症介護支援サーバに送信するゲーム実行手段と、前記認知症介護支援サーバより受信された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者に対して測定結果を表示する測定結果表示手段として機能させ、前記施設端末を、前記認知症介護支援サーバから受信されたレポートを表示するレポート表示手段として機能させるものでもよい。
【0042】
この発明によれば、認知症介護支援サーバ側に、Webサーバと、データベースとともに、測定モードにおけるゲームの選択を行う測定モードゲーム選択手段と、トレーニングにおいて選択可能なゲームの選定を行うトレーニングモードゲーム選定手段と、ゲーム実行結果に基づいて認知度評価値を演算してデータベースのユーザログ情報記憶部に登録する認知度評価値演算手段と、施設利用者の認知度レベルを評価する認知度レベル評価手段と、ユーザログ情報記憶部に記憶された認知度評価値の履歴情報に基づいて施設利用者のレポートを生成するレポート手段とを備え、施設利用者用タブレット端末を、施設利用者に測定モードとトレーニングモードのいずれかを選択させるモード選択手段と、トレーニングモードにおいて使用するゲームを選択させるトレーニングモードゲーム選択手段と、認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームアプリであって前記施設利用者がタブレット端末を用いて単独で実行可能な複数のゲームアプリを用いてゲームを実行するゲーム実行手段として機能させ、施設端末を、施設利用者のレポートを表示させるレポート表示手段として機能させるので、上述した認知症介護支援システムが奏する効果と同等の効果を奏する。
【0043】
また、この発明にかかる認知症介護支援サーバは、介護施設の施設利用者が使用する施設利用者用タブレット端末と、前記介護施設に設置される施設端末に対して、認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームアプリであって前記施設利用者がタブレット端末を用いて単独で実行可能な複数のゲームアプリを用いて前記施設利用者の介護支援サービスを提供する認知症介護支援サーバであって、前記ゲームアプリは、それぞれ対象認知度レベルが指定された難易度の異なる複数の問題を含み、前記施設利用者用タブレット端末および前記施設端末からのアクセスを受け付けて前記介護支援サービスを提供するWebサーバと、前記施設利用者の現在の認知度レベルを含む施設利用者情報が記憶される施設利用者情報記憶部と、前記複数のゲームアプリのそれぞれについて少なくともゲームIDと対象評価指標区分とが対応して記憶されるゲーム登録情報記憶部と、少なくとも認知度評価値情報の履歴情報が記憶されるユーザログ情報記憶部とを有するデータベースと、前記施設利用者用タブレット端末から受信されたモード選択情報が測定モードである場合に、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれについて、前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象評価指標区分に基づいて測定モードにおいて実行するゲームを選択し、測定モードゲーム選択情報を前記施設利用者用タブレット端末に送信する測定モードゲーム選択手段と、前記施設利用者用タブレット端末から受信されたモード選択情報が測定モードである場合に、前記施設利用者用タブレット端末から受信されたゲーム実行結果に基づき認知度評価値を演算して前記ユーザログ情報記憶部に登録する認知度評価値演算手段と、前記施設利用者タブレット端末から受信されたモード選択情報が測定モードである場合であって、前記複数の評価指標のすべての評価指標についてのゲームの実行と認知度評価値の演算が完了したら、前記ユーザログ情報記憶部に記憶された当該測定モードの認知度評価値を集計した認知度レベル評価値を演算し、前記演算された認知度レベル評価値を前記施設利用者用タブレット端末に送信し、前記演算された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の認知度レベルを更新する機能を有する認知度レベル評価手段と、前記ユーザログ情報記憶部に記憶された認知度評価値の履歴情報に基づいて前記施設利用者のレポートを生成し、前記生成されたレポートを前記施設端末に送信するレポート生成手段とを備え、前記施設利用者用タブレット端末を、前記ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームのゲームアプリが前記ゲームIDに対応させて記憶されたゲームアプリ記憶手段と、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームによって認知度の測定を行う測定モードと、前記施設利用者が選択可能な複数のゲームのなかから当該施設利用者によって選択されたゲームによって認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードの2つのモードを個別に有し、前記測定モードと前記トレーニングモードのいずれを行うかを前記施設利用者に選択させ、入力されたモード選択情報を前記認知症介護支援サーバに送信する機能を有するモード選択手段と、トレーニングモードにおいて選択可能な複数のゲームのなかからいずれのゲームを用いてトレーニングを行うかを前記施設利用者に選択させるトレーニングモードゲーム選択手段と、前記認知症介護支援サーバから受信された測定モードゲーム選択情報によるゲームのゲームIDと前記トレーニングモードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出し、前記施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応する対象認知度レベルの問題を抽出して実行し、ゲーム実行結果を前記認知症介護支援サーバに送信するゲーム実行手段と、前記認知症介護支援サーバより受信された認知度レベル評価値に基づいて前記施設利用者に対して測定結果を表示する測定結果表示手段と、として機能させ、前記施設端末を、前記認知症介護支援サーバから受信されたレポートを表示するレポート表示手段として機能させるものでもよい。
【0044】
この発明によれば、前述の認知症介護支援サーバにおいて、各ゲームアプリはそれぞれ対象認知度レベルが指定された難易度の異なる複数の問題を含み、ゲーム実行手段において当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応する対象認知度レベルの問題を選択して実行するようにしたものであり、前述の認知症介護支援サーバが奏する効果と同様の効果を奏する。
【0045】
この発明にかかる認知症介護支援プログラムは、認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームアプリであって利用者がタブレット端末を用いて単独で実行可能な複数のゲームアプリを用いて前記利用者の介護支援を行う認知症介護支援プログラムであって、コンピュータを、前記利用者の認知度レベルを含む利用者情報が記憶される利用者情報記憶手段と、前記複数のゲームアプリのそれぞれについて少なくともゲームIDと対象評価指標区分と対象認知度レベル情報とが対応して記憶されるゲーム登録情報記憶手段と、少なくとも認知度評価値の履歴情報が記憶されるユーザログ情報記憶手段と、前記ゲーム登録情報記憶手段に記憶された各ゲームのゲームアプリが前記ゲームIDに対応させて記憶されたゲームアプリ記憶手段と、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームによって認知度の測定を行う測定モードと、前記利用者が選択可能な複数のゲームのなかから当該利用者によって選択されたゲームによって認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードの2つのモードを個別に有し、前記測定モードと前記トレーニングモードのいずれを行うかを前記利用者に選択させるモード選択手段と、前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報が測定モードである場合に、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれについて、前記利用者情報記憶手段に記憶されている当該利用者の現在の認知度レベルと前記ゲーム登録情報記憶手段に記憶された各ゲームの対象評価指標区分と対象認知度レベル情報に基づいて測定モードにおいて実行するゲームを選択する測定モードゲーム選択手段と、前記測定モードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出して実行する測定モードゲーム実行手段と、前記測定モードゲーム実行手段において実行されたゲームのゲーム実行結果に基づいて認知度評価値を演算して前記ユーザログ情報記憶手段に登録する認知度評価値演算手段と、前記複数の評価指標のすべての評価指標についてのゲームの実行と認知度評価値の演算が完了したら、前記ユーザログ情報記憶手段に記憶された当該測定モードの認知度評価値を集計した認知度レベル評価値を演算し、前記演算された認知度レベル評価値に基づいて前記利用者情報記憶手段に記憶されている当該利用者の認知度レベルを更新する機能を有する認知度レベル評価手段と、前記認知度レベル評価手段において演算された認知度レベル評価値に基づいて前記利用者に対して測定結果を表示する測定結果表示手段とを有する測定モード処理手段と、前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報がトレーニングモードである場合に、前記利用者情報記憶手段に記憶された当該利用者の現在の認知度レベルと前記ゲーム登録情報記憶手段に記憶されている各ゲームの対象認知度レベル情報に基づいてトレーニングモードにおいて当該利用者が選択可能な複数のゲームを選定し、前記選定された複数のゲームのなかからいずれのゲームを用いてトレーニングを行うかを前記利用者に選択させるトレーニングモードゲーム選択手段と、前記トレーニングモードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出して実行するトレーニングモードゲーム実行手段とを有するトレーニングモード処理手段と、前記ユーザログ情報記憶手段に記憶された認知度評価値の履歴情報に基づいてレポートを生成するレポート生成手段として機能させるものである。
【0046】
この発明によれば、利用者が使用するタブレット端末を、利用者情報記憶手段と、ゲーム登録情報記憶手段と、ユーザログ情報記憶手段と、認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームアプリであって利用者がタブレット端末を用いて単独で実行可能な複数のゲームアプリが記憶されたゲームアプリ記憶手段と、利用者に認知度の測定を行う測定モードと認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードのいずれかを選択させるモード選択手段と、測定モードにおいて選択されたゲームのゲームアプリを用いて認知度の測定を行う測定モード処理手段と、トレーニングモードにおいて選択されたゲームのゲームアプリを用いて認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモード処理手段と、施設利用者のレポートを生成するレポート生成手段として機能させるので、この発明の認知症介護支援プログラムを利用者のタブレット端末にインストールすることで上述した認知症介護支援システムが奏する効果と同等の効果を奏する。
【0047】
また、この発明にかかる認知症介護支援プログラムは、認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームアプリであって利用者がタブレット端末を用いて単独で実行可能な複数のゲームアプリを用いて前記利用者の介護支援を行う認知症介護支援プログラムであって、前記ゲームアプリは、それぞれ対象認知度レベルが指定された難易度の異なる複数の問題を含み、コンピュータを、前記利用者の認知度レベルを含む利用者情報が記憶される利用者情報記憶手段と、前記複数のゲームアプリのそれぞれについて少なくともゲームIDと対象評価指標区分とが対応して記憶されるゲーム登録情報記憶手段と、少なくとも認知度評価値の履歴情報が記憶されるユーザログ情報記憶手段と、前記ゲーム登録情報記憶手段に記憶された各ゲームのゲームアプリが前記ゲームIDに対応させて記憶されたゲームアプリ記憶手段と、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれに対応するゲームによって認知度の測定を行う測定モードと、前記利用者が選択可能な複数のゲームのなかから当該利用者によって選択されたゲームによって認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードの2つのモードを個別に有し、前記測定モードと前記トレーニングモードのいずれを行うかを前記利用者に選択させるモード選択手段と、前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報が測定モードである場合に、前記認知症の複数の評価指標のそれぞれについて、前記ゲーム登録情報記憶手段に記憶された各ゲームの対象評価指標区分に基づいて測定モードにおいて実行するゲームを選択する測定モードゲーム選択手段と、前記測定モードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出し、前記利用者情報記憶手段に記憶されている当該利用者の現在の認知度レベルに対応する対象認知度レベルの問題を選択して実行する測定モードゲーム実行手段と、前記測定モードゲーム実行手段において実行されたゲームのゲーム実行結果に基づいて認知度評価値を演算して前記ユーザログ情報記憶手段に登録する認知度評価値演算手段と、前記複数の評価指標のすべての評価指標についてのゲームの実行と認知度評価値の演算が完了したら、前記ユーザログ情報記憶手段に記憶された当該測定モードの認知度評価値を集計した認知度レベル評価値を演算し、前記演算された認知度レベル評価値に基づいて前記利用者情報記憶手段に記憶されている当該利用者の認知度レベルを更新する機能を有する認知度レベル評価手段と、前記認知度レベル評価手段において演算された認知度レベル評価値に基づいて前記利用者に対して測定結果を表示する測定結果表示手段とを有する測定モード処理手段と、前記モード選択手段によって取得されたモード選択情報がトレーニングモードである場合に、トレーニングモードにおいて選択可能な複数のゲームのなかからいずれのゲームを用いてトレーニングを行うかを前記利用者に選択させるトレーニングモードゲーム選択手段と、前記トレーニングモードゲーム選択手段によって選択されたゲームのゲームIDに基づいて前記ゲームアプリ記憶手段からゲームアプリを取り出し、前記利用者情報記憶手段に記憶されている当該利用者の現在の認知度レベルに対応する対象認知度レベルの問題を選択して実行するトレーニングモードゲーム実行手段とを有するトレーニングモード処理手段と、前記ユーザログ情報記憶手段に記憶された認知度評価値の履歴情報に基づいてレポートを生成するレポート生成手段として機能させるものでもよい。
【0048】
この発明によれば、前述の認知症介護支援プログラムにおいて、各ゲームアプリはそれぞれ対象認知度レベルが指定された難易度の異なる複数の問題を含み、測定モードゲーム実行手段とトレーニングモードゲーム実行手段において当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応する対象認知度レベルの問題を選択して実行するようにしたものであり、前述の認知症介護支援プログラムが奏する効果と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0049】
本願発明によれば、認知症の複数の評価指標に対して利用者にストレスを与えることなく単独で認知度の測定を行うことができ、同一のシステム内で同じ評価指標に対する認知症のリハビリトレーニングを行うことができ、リハビリトレーニングによる認知症の改善効果を自律的に再評価することができる。
【0050】
本願発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】本願発明の一実施形態にかかる認知症介護支援システムのシステム構成図である。
図2】本願発明の一実施形態にかかる認知症介護支援システムの施設利用者用タブレット端末において提供されるサービスの処理の流れを示す概略フロー図である。
図3】本願発明の一実施形態にかかる認知症介護支援システムの施設端末において提供されるサービスの処理の流れを示す概略フロー図である。
図4】本願発明の一実施形態にかかる認知症介護支援システムの管理端末において提供されるサービスの処理の流れを示す概略フロー図である。
図5】本願発明の一実施形態にかかる認知症介護支援システムの機能ブロック図である。
図6】本願発明の他の実施形態にかかる認知症介護支援サーバの機能ブロック図である。
図7】本願発明の他の実施形態にかかる認知症介護支援装置の機能ブロック図である。
図8】本願発明において施設利用者用タブレット端末に表示される表示画面例(ユーザ確認画面)を示す図である(ゲームアプリの見当識問題を兼ねる)。
図9】本願発明において施設利用者用タブレット端末に表示される表示画面例(モード選択画面)を示す図である。
図10】本願発明において施設利用者用タブレット端末に表示される表示画面例(ゲーム選択画面)を示す図である。
図11】本願発明において施設利用者用タブレット端末に表示されるゲームアプリの表示画面例(記憶問題「四択くん」)を示す図である。
図12】本願発明において施設利用者用タブレット端末に表示されるゲームアプリの表示画面例(記憶問題「県名くん」)を示す図である。
図13】本願発明において施設利用者用タブレット端末に表示されるゲームアプリの表示画面例(記憶問題「お話さん」)を示す図である。
図14】本願発明において施設利用者用タブレット端末に表示されるゲームアプリの表示画面例(理解・判断力問題「計算くん」)を示す図である。
図15】本願発明において施設利用者用タブレット端末に表示されるゲームアプリの表示画面例(理解・判断力問題「光るくん」)を示す図である。
図16】本願発明において施設利用者用タブレット端末に表示されるゲームアプリの表示画面例(理解・判断力問題「ぺたぺたさん」)を示す図である。
図17】本願発明において施設利用者用タブレット端末に表示されるゲームアプリの表示画面例(理解・判断力問題「刻むくん」)を示す図である。
図18】本願発明において施設利用者用タブレット端末に表示されるゲームアプリの表示画面例(実行機能問題「支払いくん」)を示す図である。
図19】本願発明において施設利用者用タブレット端末に表示されるゲームアプリの表示画面例(実行機能問題「転がしくん」)を示す図である。
図20】本願発明において施設利用者用タブレット端末に表示されるゲームアプリの表示画面例(実行機能問題「熟語さん」)を示す図である。
図21】本願発明において施設利用者用タブレット端末に表示されるゲームアプリの表示画面例(実行機能問題「間違いくん」)を示す図である。
図22】本願発明において施設利用者用タブレット端末に表示されるゲームアプリの表示画面例(感情表現チェック「喜怒哀楽さん」)を示す図である。
図23】本願発明において施設利用者用タブレット端末に表示される表示画面例(ゲーム実行結果表示画面)を示す図である。
図24】本願発明において施設利用者用タブレット端末に表示される表示画面例(認知度レベル測定表示画面)を示す図である。
図25】本願発明において生成されるレポートの例を示す図である。
図26】従来の認知症診断に用いられる改定長谷川式簡易知能評価スケールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1に、本願発明の一実施形態にかかる認知症介護支援システムの概略システム構成を示す。本願発明の認知症介護支援システムは、認知症介護支援サーバ10と、介護施設側設備30とがインターネット等の通信回線20を介して接続されたものである。
介護施設側設備30としては、通信回線20と接続する通信装置32と、介護施設に設置される施設端末34と、施設利用者が使用する施設利用者タブレット端末36-1、36-2、・・・36―nとを備える。
【0053】
認知症介護支援サーバ10は、介護施設側の端末からのアクセスを受け付けて認知症介護支援サービスを提供するWebサーバ12と、認知症介護支援サービスを提供するための情報が記憶されるデータベース14と、システム管理者が使用する管理者端末16と、Webサーバ12を通信回線20に接続するための通信装置18とを備える。
【0054】
データベース14には、施設情報、施設利用者情報、ゲーム登録情報、ユーザログ情報が記憶される。
施設情報には、施設ID・ログイン情報・施設名・住所・電話番号・入居者数・使用されているゲームに関する情報などが含まれる。
施設利用者情報には、ユーザID・所属施設ID・名前・性別・生年月日・認知度レベルなどが含まれる。
ゲーム登録情報には、ゲームID・ゲーム名称・対象評価指標区分・対象認知度レベル情報などが含まれる。ここで、対象認知度レベル情報は、当該ゲームが対象とする施設利用者の認知度レベルを意味するが、必ずしも単一の認知度レベルを指定するものである必要はなく、対象認知度レベルを範囲として指定するものでもよい。
ユーザログ情報には、ユーザID・実行したゲームのゲームIDとゲーム実行結果と認知度評価値などの履歴情報などが含まれる。
【0055】
管理者端末16は、パーソナルコンピュータ等によって構成されるものであって、Webサーバ12と接続して施設情報の管理、施設利用者情報の管理、レポート表示などを行う。ここでは、管理者端末16は便宜上Webサーバ12と直接接続されるように記載されているが、通信装置18に対して有線LAN接続または無線LAN接続することによってWebサーバ12と接続するようにしてもよく、通信回線20を介して遠隔地からWebサーバ12と接続するようにしてもよい。
【0056】
施設端末34は、パーソナルコンピュータ等によって構成されるものであって、通信装置32に対して有線LAN接続または無線LAN接続され、通信回線20を介してWebサーバ12と接続して施設利用者情報の管理、レポート表示などを行う。
【0057】
施設利用者用タブレット端末36は、タッチパネルを備えた画面表示部を有し、施設利用者が単独でゲームアプリを実行させることができるタブレット端末であって、通信装置32と無線LAN接続され、通信回線20を介してWebサーバ12と接続してゲームアプリによる認知度の測定とゲームアプリを用いた認知症のリハビリトレーニングを行い、測定結果がWebサーバに送信されてデータベースのユーザログ情報に記録される。
【0058】
本願発明の一実施形態にかかる認知症介護支援システムでは、施設利用者の認知症の状態を総合的に評価してリハビリトレーニングを行えるようにするため、認知症の中核症状とされる見当識障害、記憶障害、理解・判断力障害、実行機能障害、感情表現の変化の5つの評価指標のそれぞれについて認知度を評価するための見当識問題、記憶問題、理解・判断力問題、実行機能問題、感情表現のチェックのそれぞれに対応する複数のゲームアプリを用い、施設利用者に施設利用者用タブレット端末上でゲームアプリを実行させることによって、認知度の測定と認知症のリハビリトレーニングを行う。
【0059】
図2に、施設利用者用タブレット端末において提供されるサービスの概略フローを示す。施設利用者用タブレット端末が起動されると(S100)、最初にログイン処理が行われる(S102)。ログイン処理は、画面上にログイン画面(図示省略)を表示し、タッチパネル操作によって入力されたIDとパスワードを取得し、データベースの施設情報に登録されているログイン情報と照合することによって行う。ログインは、通常は介護施設の担当者によって行われ、ログインの完了したタブレット端末が施設利用者に手渡される。
【0060】
次に、当該タブレット端末を使用するユーザの選択が行われる(S104)。ユーザ選択は、例えば、図8の上段に示すように当該介護施設の施設利用者の名前が記載されたボタンが配列された画面を表示し、施設利用者に画面上の自分の名前のボタンをタッチさせることによって行う。施設利用者によっていずれかのボタンがタッチされたら、図8の中断に示すようにタッチされたボタンの名前を表示して施設利用者に正しいか否かを確認させる画面を表示し、正しいことが確認されたら、図8の下段に示すようなゲーム開始画面を表示する。
この処理は、タブレット端末を使用している施設利用者の名前を確認するものであり、以後のデータベースの参照はここで選択された施設利用者のユーザIDに基づいて行われる。なお、ここで施設利用者によって選択された名前が誤りである可能性もあるので、ログイン時に介護施設の担当者に当該タブレット端末を使用する施設利用者のユーザIDを入力させ、画面上で選択された施設利用者のユーザIDと照合することが好ましい。
【0061】
次に、施設利用者に認知度の測定を行う測定モードと認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードのいずれかを行うかを選択させるモード選択が行われる(S106)。モード選択は、例えば、図9に示すような画面を表示し、「始める」がタッチされたら測定モード、「練習をする」がタッチされたらトレーニングモードとする。
このように、「測定モード」を単に「始める」と表記することで、施設利用者は「脳の活人」というゲームに挑戦するという意識で認知度の測定に取り組むことができ、施設利用者にテスト感を与えることなくリラックスして認知度の測定が行えるようにしている。また、「トレーニングモード」を単に「練習する」と表記することで、施設利用者は「脳の活人」というゲームを練習できるという意識でゲームに取り組むことができ、意欲的なリハビリトレーニングが行えるようにしている。
【0062】
モード選択においてトレーニングモードが選択された場合には、複数のゲームの中から施設利用者が自由に選択したゲームを実行することができるトレーニング処理が行われる(S100)。リハビリトレーニングにおけるゲームの選択は、例えば、図10に示すようなゲーム選択画面によってゲームの名称が表示されたボタンを表示し、施設利用者に実行したいゲームのボタンをタッチさせることによってゲームの選択が行われ、選択されたゲームをタブレット画面上で実行させる。
ここで選択することができるゲームには、記憶問題として「四択くん」「県名くん」など、理解・判断力問題として「光くん」「ぺたぺたさん」「刻むくん」など、実行機能問題として「支払くん」「転がしくん」「熟語さん」「間違いくん」など、感情表現チャックでは「喜怒哀楽さん」などのように、各ゲームに対して親しみやすい名前をつけたボタン表示によってゲームを選択させることで、施設利用者に挑戦してみようという意欲をもたせるようにしている。
なお、本願発明に用いるゲームアプリの詳細については後述する。
【0063】
このようなトレーニングモード処理におけるゲームの選択とゲームの実行を繰り返し、ゲーム選択画面において終了が選択されたら、トレーニングモードを終了してモード選択画面に戻る。
【0064】
モード選択において測定モードが選択された場合には、見当識問題(S110)、記憶問題(S112)、理解・判断力問題(S114)、実行機能問題(S116)、感情表現チェック(S118)のそれぞれの評価項目について、使用するゲームを選択し、選択されたゲームをタブレット画面上で実行させ、実行結果に基づいて評価指標別の認知症評価値を演算する。全評価項目の認知度の測定が終了したら、各評価項目の認知度評価値の合計値として認知度レベル評価値を求めて測定結果を表示させる(S120)という測定モード処理が行われる。
測定モード処理が終了したらモード選択画面に戻り、モード選択画面において終了が選択されたら、処理を終了する。
【0065】
上記説明において、トレーニングモード処理(S100)には、見当識問題が含まれていないが、これは、見当識問題は、通常は、名前・今日の日付・今いる場所等を質問するという単純な問題であるため、質問が単調になる、テスト感が出てしまうという従来技術が有する問題を含むことから、この実施形態では見当識問題はトレーニングモードに用いるゲームからは除外している。
【0066】
なお、上記説明では、ユーザ選択、モード選択、ゲーム選択において、単に画面表示を行うとして説明したが、画面表示には文字による説明文が記載されており、同時に音声による説明がタブレット端末の音声出力部から出力されるようにしている。
【0067】
図3に、施設端末において提供されるサービスの概略フローを示す。施設端末が起動されると(S200)、最初にログイン処理が行われる(S202)。ログイン処理は、画面上にログイン画面(図示省略)を表示し、入力されたIDとパスワードを取得し、データベースの施設情報に登録されているログイン情報と照合することによって行う。正常にログインが完了すると、施設端末向のエントランス画面が表示される(S204)。エントランス画面には、メニューとして「ユーザ管理」と「ユーザレポート」とを備える。
【0068】
エントランス画面において「ユーザ管理」が選択されるとユーザ管理画面が表示される(S210)。ユーザ管理画面には、メニューとして「新規登録」、「レポート」、「編集」、「削除」を備えており、「新規登録」が選択されると、新規の施設利用者の登録を行うことができ、入力された新規の施設利用者の情報がデータベースの施設利用者情報に登録される(S212)。「レポート」が選択されると、データベースの施設利用者情報に基づいて施設利用者の管理レポートが作成され(S214)、印刷することが選択された場合には管理レポートの印刷画面が表示されて印刷することができる(S215)。「編集」が選択されると、データベースに現在登録されて施設利用者情報が画面表示され、これに対して画面上で行われた編集結果に基づいてデータベースの施設利用者情報が更新される(S216)。「削除」が選択されると、指定された施設利用者の情報がデータベースの施設利用者情報から削除される(S218)。このように「ユーザ管理」ではデータベースの施設利用者情報のメンテナンスを行うことができる。
エントランス画面で「ユーザレポート」が選択されると、指定された施設利用者のユーザログ情報に基づいてユーザレポート画面が生成され(S230)、印刷することが選択された場合にはユーザレポートの印刷画面が表示されて印刷することができる(S232)。ユーザレポートの詳細は後述する。
【0069】
図4に、管理者端末において提供されるサービスの概略フローを示す。管理者端末が起動されると(S300)、最初にログイン処理が行われる(S302)。ログイン処理は、画面上にログイン画面(図示省略)を表示し、入力されたIDとパスワードを取得し、データベースの管理者情報(図示省略)に登録されているログイン情報と照合することによって行う。正常にログインが完了すると、管理者端末向のエントランス画面が表示される(S304)。エントランス画面には、メニューとして「ユーザ管理」と「施設管理」とを備える。
【0070】
エントランス画面において「ユーザ管理」が選択されるとユーザ管理画面が表示される(S310)。ユーザ管理画面には、メニューとして「新規登録」(S312)、「レポート」(S314)「編集」(S316)、「削除」(S318)を備えており、前述の施設端末におけるユーザ管理と同様にデータベースの施設利用者情報のメンテナンスを行うことができる。
エントランス画面で「施設管理」が選択されると施設管理画面が表示される(S330)。施設管理画面には、メニューとして「新規登録」(S332)、「レポート」(334)、「編集」(S336)、「削除」(S338)を備えており、ユーザ管理と同様にデータベースの施設情報のメンテナンスを行うことができる。
【0071】
次に、本願発明の認知症介護支援システムの主要機能ついて機能ブロック構成図によって説明する。
【0072】
図5に、本願発明の一実施形態にかかる認知症介護支援システムの主要機能についての機能ブロック構成を示す。認知症介護支援サーバ10は、図1に示したように、Webサーバ12とデータベース14を備え、データベースには、施設情報が記憶される施設情報記憶部112と、施設利用者情報が記憶される施設利用者情報記憶部114と、ゲーム登録情報が記憶されるゲーム登録情報記憶部116と、ユーザログ情報が記憶されるユーザログ情報記憶部116とを有する。
なお、この機能ブロック構成図では、施設利用者用タブレット端末36と施設端末34は、それぞれ認知症介護支援サーバのWebサーバ12の所定のURLにアクセスし、処理の実行に必要なドキュメントがダウンロードされて端末上で機能することができるようになった状態における機能ブロック構成が記載されている。
【0073】
図5において、施設利用者用タブレット端末36は、認知症介護支援サーバのデータベースの施設利用者情報記憶部114にアクセスするための施設利用者情報アクセス部212と、同じくゲーム登録情報記憶部116にアクセスするためのゲーム登録情報アクセス部214と、同じくユーザログ情報記憶部118にアクセスするためのユーザログ情報アクセス部216とを備え、施設端末34は、認知症介護支援サーバのデータベースのユーザログ情報記憶部118にアクセスするためのユーザログ情報アクセス部300を備えるが、これらのデータベースアクセスは、機能ブロック図において端末側からデータベースをアクセスするために便宜上記載したものであって、実際にはデータベースに対して所定のURLを用いてアクセスすることで実現される。
【0074】
施設利用者用タブレット端末36は、ゲーム登録情報記憶部に記載された各ゲームアプリがゲームIDに対応させて記憶されたゲームアプリ記憶部206と、施設利用者情報記憶部からユーザ情報を取得してユーザ確認を行うユーザ確認部220と、施設利用者に、認知度の測定を行う測定モードと認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードのいずれかを選択させるためのモード選択画面を画面表示部に表示させ、タッチパネル情報入力部から施設利用者によって入力されたモード選択情報を取得するモード選択部230とを備える。
【0075】
また、施設利用者用タブレット端末36は、モード選択部によって取得されたモード選択情報が測定モードである場合に、認知症の複数の評価指標のそれぞれについて、施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルとゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象評価指標区分と対象認知度レベル情報に基づいて測定モードにおいて実行するゲームを選択する測定モードゲーム選択部242と、測定モードゲーム選択部によって選択されたゲームのゲームIDに基づいてゲームアプリ記憶部からゲームアプリを取り出して実行する測定モードゲーム実行部244と、測定モードゲーム実行部において実行されたゲームのゲーム実行結果に基づいて認知度評価値を演算してユーザログ情報記憶部に登録する認知度評価値演算部246と、すべての評価指標についてのゲームの実行と認知度評価値の演算が完了したら、ユーザログ情報記憶部に記憶された当該測定モードの認知度評価値を集計した認知度レベル評価値を演算し、演算された認知度レベル評価値に基づいて施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の認知度レベルを更新する機能を有する認知度レベル評価部248と、認知度レベル評価部において演算された認知度レベル評価値に基づいて施設利用者に対して測定結果を表示するための測定結果表示画面を画面表示部に表示させる測定結果表示部249とを有する測定モード処理部240を備える。
なお、測定モードゲーム選択部において、当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応するゲームが複数ある場合には、予め指定された順序、例えば登録順にゲームを選択するようにしてもよく、ランダムに選択するようにしてもよい。
また、測定モードゲーム実行部において、抽出された複数のゲームの全部または一部の複数のゲームを実行し、認知度評価値演算部において各ゲームに対する認知度評価値の平均をとるようにしてもよい。
【0076】
また、施設利用者用タブレット端末36は、モード選択部によって取得されたモード選択情報がトレーニングモードである場合に、施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルとゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象認知度レベル情報に基づいてトレーニングモードにおいて当該施設利用者が選択可能なゲームを選定し、施設利用者に、選定されたいずれのゲームを用いてトレーニングを行うかを選択させるためのゲーム選択画面を画面表示部に表示させ、タッチパネル情報入力部から施設利用者によって入力されたゲーム選択情報を取得するトレーニングモードゲーム選択部252と、トレーニングモードゲーム選択部によって選択されたゲームのゲームIDに基づいてゲームアプリ記憶部からゲームアプリを取り出して実行するトレーニングモードゲーム実行部254とを有するトレーニングモード処理部250を備える。
【0077】
上記のような施設利用者用タブレット端末上の機能は、例えば、タブレット端末固有の機能をJAVA(登録商標)アプレット等によって記述したHTML(Hyper Text Markup Language)テキストをWebサーバ上に保存し、施設利用者用タブレット端末からWebサーバの所定のURLにアクセスした際に施設利用者用タブレット端末に当該HTMLテキストがダウンロードされるように構成することで実現することができる。
なお、この場合において、JAVA(登録商標)アプレット等によって記述されるタブレット端末固有の機能の一部または全部を予め施設利用者用タブレット端末にダウンロードまたはインストールして常駐させるようにしてもよい。
【0078】
施設端末34は、ユーザログ情報記憶部に記憶された認知度評価値の履歴情報に基づいてレポートを生成し、生成されたレポートを表示するレポート生成部310を備える。
このような施設端末上の機能は、通常のHTMLテキストによって記述することができ、例えば、当該HTMLテキストをWebサーバ上に保存し、施設端末からWebサーバの所定のURLにアクセスした際に施設端末に当該HTMLテキストがダウンロードされるように構成することで実現することができる。
【0079】
図6に、本願発明の他の実施形態にかかる認知症介護支援システムの主要機能についての機能ブロック構成を示す。この図においては、簡単のため、認知症介護支援サーバ10におけるWebサーバ12とデータベース14の記載は省略し、主要機能の説明上必要となる施設利用者情報記憶部402とゲーム登録情報記憶部404とユーザログ情報記憶部406のみを記載している。この場合においても、施設利用者用タブレット端末36と施設端末34は、それぞれ認知症介護支援サーバのWebサーバ12の所定のURLにアクセスし、処理の実行に必要なドキュメントがダウンロードされて端末上で機能することができるようになった状態における機能ブロック構成が記載されている。
【0080】
本実施形態にかかる認知症介護支援システムは、施設利用者用タブレット端末では、ユーザ情報の取得と、モード選択と、トレーニングモードのゲーム選択と、ゲームの実行と、測定結果の表示のみを行い、施設端末では、レポートの表示のみを行い、その他の機能は認知症介護支援サーバ側で行うようにしたものであり、施設利用者用タブレット端末および施設端末から認知症介護支援サーバのデータベースを直接参照する必要がないようにした場合の実施形態である。そのため、認知症介護支援サーバと施設利用者用タブレット端末との間の情報通信手段として、認知症介護支援サーバ側には、ユーザ情報受信部410とモード選択情報受信部420と測定モードゲーム選択情報送信部430とトレーニングモードゲーム選定情報送信部440とゲーム実行結果受信部450と認知度レベル評価値送信部460とを備え、施設利用者用タブレット端末側には、ユーザ情報送信部510とモード選択情報送信部520と測定モードゲーム選択情報受信部530とトレーニングモードゲーム選定情報受信部540とゲーム実行結果送信部550と認知度レベル評価値受信部560とを備え、認知症介護支援サーバと施設端末との間の情報通信手段として、認知症介護支援サーバ側にはレポート情報送信部470を備え、施設端末側にはレポート情報受信部600を備える。
【0081】
認知症介護支援サーバ10は、施設利用者用タブレット端末および施設端末からのアクセスを受け付けて前記介護支援サービスを提供するWebサーバと、施設利用者情報記憶部402とゲーム登録情報記憶部404とユーザログ情報記憶部406とを有するデータベースと、施設利用者用タブレット端末から受信されたユーザ情報を施設利用者情報記憶部に記憶されたユーザ情報と照合してユーザ確認を行うユーザ確認部412と、施設利用者用タブレット端末から受信されたモード選択情報が測定モードである場合に、認知症の複数の評価指標のそれぞれについて、施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルとゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象評価指標区分と対象認知度レベル情報に基づいて測定モードにおいて実行するゲームを選択し、測定モードゲーム選択情報を施設利用者用タブレット端末に送信する測定モードゲーム選択部432と、施設利用者用タブレット端末から受信されたモード選択情報がトレーニングモードである場合に、施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルとゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームの対象認知度レベル情報に基づいてトレーニングモードにおいて当該施設利用者が選択可能なゲームを選定し、トレーニングゲーム選定情報を施設利用者用タブレット端末に送信するトレーニングモードゲーム選定部442と、施設利用者用タブレット端末から受信されたモード選択情報が測定モードである場合に、施設利用者用タブレット端末から受信されたゲーム実行結果に基づき認知度評価値を演算してユーザログ情報記憶部に登録する認知度評価値演算部452と、施設利用者用タブレット端末から受信されたモード選択情報が測定モードである場合であって、すべての評価指標についてのゲームの実行と認知度評価値の演算が完了したら、ユーザログ情報記憶部に記憶された当該測定モードの認知度評価値を集計した認知度レベル評価値を演算し、演算された認知度レベル演算値を施設利用者用タブレット端末に送信し、演算された認知度レベル評価値に基づいて施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の認知度レベルを更新する機能を有する認知度レベル評価部454と、ユーザログ情報記憶部に記憶された認知度評価値の履歴情報に基づいて施設利用者のレポートを生成し、生成されたレポートを施設端末に送信するレポート生成部472とを備える。
この場合においても、測定モードゲーム選択部において、当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応するゲームが複数ある場合には、予め指定された順序、例えば登録順にゲームを選択するようにしてもよく、ランダムに選択するようにしてもよい。
また、ゲーム実行部において、抽出された複数のゲームの全部または一部の複数のゲームを実行し、認知度評価値演算部において各ゲームに対する認知度評価値の平均をとるようにしてもよい。
【0082】
施設利用者用タブレット端末は、ゲーム登録情報記憶部に記憶された各ゲームのゲームアプリがゲームIDに対応させて記憶されたゲームアプリ記憶部506と、施設利用者からユーザ情報を取得して認知症介護支援サーバに送信するユーザ情報取得部512と、施設利用者に、認知症の測定を行う測定モードと認知症のリハビリトレーニングを行うトレーニングモードのいずれかを選択させるためのモード選択画面を画面表示部に表示させ、タッチパネル情報入力部から施設利用者によって入力されたモード選択情報を取得して認知症介護支援サーバに送信するモード選択部522と、認知症介護支援サーバから受信されたトレーニングモードゲーム選定情報に基づいて、施設利用者に、選定されたいずれのゲームを用いてトレーニングを行うかを選択させるゲーム選択画面を画面表示部に表示し、タッチパネル情報入力部から施設利用者によって入力されたゲーム選択情報をトレーニングモードゲーム選択情報として取得するトレーニングモードゲーム選択部542と、認知症介護支援サーバから受信された測定モードゲーム選択情報によって選択されたゲームとトレーニングモードゲーム選択部によって取得されたトレーニングモードゲーム選択情報によって選択されたゲームのゲームIDに基づいてゲームアプリ記憶部からゲームアプリを取り出して実行し、ゲーム実行結果を認知症介護支援サーバに送信するゲーム実行部552と、認知症介護支援サーバより受信された認知度レベル評価値に基づいて施設利用者に対して測定結果を表示するための測定結果表示画面を画面表示部に表示させる測定結果表示部562とを備える。
【0083】
上記のような認知症介護支援サーバ上の機能と施設利用者用タブレット端末上の機能は、例えば、認知症介護支援サーバ固有の機能をCGI(Common Gateway Interface)やJAVA(登録商標)サーブレット等によって記述し、タブレット端末固有の機能をJAVA(登録商標)アプレット等によって記述したHTML(Hyper Text Markup Language)テキストをWebサーバ上に保存し、施設利用者用タブレット端末からWebサーバの所定のURLにアクセスした際に施設利用者用タブレット端末に当該HTMLテキストがダウンロードされるように構成することで実現することができる。
なお、この場合においても、JAVA(登録商標)アプレット等によって記述されるタブレット端末側固有の機能の一部または全部を予め施設利用者用タブレット端末にダウンロードまたはインストールして常駐させるようにしてもよい。
【0084】
施設端末は、認知症介護支援サーバから受信されたレポートを表示する機能を有するレポート表示部610を有する。
このような施設端末上の機能は、通常のHTMLテキストによって記述することができ、例えば、当該HTMLテキストをWebサーバ上に保存し、施設端末からWebサーバの所定のURLにアクセスした際に施設端末に当該HTMLテキストがダウンロードされるように構成することで実現することができる。
【0085】
次に、本願発明に用いられるゲームアプリの基本的な考え方について説明する。
ゲームアプリは、認知症の中核症状とされる見当識障害、記憶障害、理解・判断力障害、実行機能障害、感情表現の変化の5つの評価指標に対して認知度の測定が行えるものであって、画像表示や動画表示を用いてユーザが単独でゲーム感覚で楽しく実行できるものであることが要求される。
【0086】
ゲームは、最初にルールの説明を画面表示と音声出力の両方により行うことを原則とする。ゲームの説明音声は、画面表示と同時に自動再生され、再生終了後にユーザから要求があれば繰り返し再生される。
ゲームの実行においては、「ゲーム開始」のボタンがタッチされてから回答が終了するまでの所要時間が計測され、指定された時間が経過すると自動終了する。
【0087】
以下に、本実施形態で用いられるゲームアプリの実施例の一部を表示画面ベースで紹介する。
図11は、「記憶障害」の評価指標を対象とする四択問題のゲームアプリの表示画面を示し、画面に表示された記号の意味を4つの選択肢の中から選んでもらうゲームであり、「四択くん」という名称が付けられている。
図12は、「記憶障害」の評価指標を対象とする県名問題のゲームアプリの表示画面を示し、画面上に表示された日本地図において着色されている県の名前を4つの選択肢の中から選んでもらうゲームであり、「県名くん」という名称が付けられている。
図13は、「記憶障害」の評価指標を対象とする昔話問題のゲームアプリの表示画面例を示し、短い昔話を画面に表示し、それに対する質問の回答を4つの選択肢の中から選んでもらうゲームであり、「お話さん」という名称が付けられている。
図14は、「理解・判断力障害」の評価指標を対象とする計算問題のゲームアプリの表示画面を示し、計算式の空欄に入る数字を4つの選択肢の中から選んでもらうゲームであり、「計算くん」という名称が付けられている。
図15は、「理解・判断力障害」の評価指標を対象とする電球が光った順序を再現するゲームアプリの表示画面を示し、電球が光った順番を覚えてその順番に電球にタッチしてもらうゲームであり、「光るくん」という名称が付けられている。
図16は、「理解・判断力障害」の評価指標を対象とする数字の配列を記憶して再現するゲームアプリの表示画面を示し、表示された数字と場所を覚えて小さい順に画面上の場所をタッチしてもらうゲームであり、「ぺたぺたさん」という名称が付けられている。
図17は、「理解・判断力障害」の評価指標を対象とする刻む動作のゲームアプリの表示画面を示し、指定された物品をタッチパネル上で切る動作をしてもらうゲームであり、「刻むくん」という名称がつけられている。
図18は、「実行機能障害」の評価指標を対象とするお金の支払いのゲームアプリの表示画面を示し、商品と値段が表示され、支払うお金を画面上に表示されているお金から選択して支払うゲームであり、「支払いくん」という名称が付けられている。
図19は、「実行機能障害」の評価指標を対象とするタブレット端末の傾きを調節するゲームアプリの表示画面を示し、施設利用者にタブレット端末を手で持って筐体の傾きを調節してもらい、ボールを所定のゴールに誘導してもらうゲームであり、「転がしくん」という名称が付けられている。この機能はタブレット端末に備えられている筐体の傾きを検出する傾きセンサの情報を取得し、取得された傾きセンサ情報と画面上の障害物情報に基づいてボールの移動をコントロールするアプリケーションによって実現することができる。
図20は、「実行機能障害」の評価指標を対象とする熟語問題のゲームアプリの表示画面を示し、空欄に入る文字を画面上で手書きしてもらうゲームであり、「熟語さん」という名称が付けられている。ここでは、画面上にタッチパネルで手書きした文字を文字認識するアプリケーションを用いる。
図21は、「実行機能障害」の評価指標を対象とする間違い探しのゲームアプリの表示画面を示し、画像の一部が異なる2つの画像を画面上に表示し、間違っている部分をタッチしてもらうゲームであり、「間違いくん」という名称が付けたれている。
図22は、「感情表現の変化」の評価指標を対象とする現在の気持ちを尋ねるゲームアプリの表示画面を示し、画面上に嬉しい、普通、落ち込む、困る、怒る、悲しいなどの表情別の似顔絵を表示し、今の気持ちに当てはまる顔にタッチしてもらうゲームであり、「喜怒哀楽さん」という名称が付けられている。
【0088】
各ゲームアプリには、原則として複数の問題が準備されており、画面内にスキップボタンが表示され、スキップボタンを押すことで問題をスキップすることができるようにしている。スキップボタンが押された場合には、次の問題が出題される。スキップは3回まで可能であり、点数には影響しないようにしている。
また、各ゲームアプリは、原則として正解情報を備えており、ゲームの実行が終了するとゲームアプリ内で正解か不正解かが判定され、その結果に基づいて、図23に示すようなゲーム実行結果表示画面によって当該ゲームにおける回答が正解であったか不正解であったかが画面表示される。
【0089】
ゲームの実行が終了したら、設問に対する回答の正誤と所要時間がゲーム実行結果として出力される。正誤情報は、通常は正解か不正解かの2択であるが、複数の問題が含まれる場合や段階的な判定がなされる場合には正誤点として出力されるようにしてもよい。
なお、上記「喜怒哀楽さん」は、現在の心境を答えてもらうものであるため、正誤情報は無く、所要時間の情報のみで評価される。
【0090】
上述したゲームアプリを用いて、測定モードでは、登録されているゲームから、見当識問題、記憶問題、理解・判断力問題、実行機能問題、感情表現チェックの問題を1つずつ選んで認知度の測定を行うが、見当識問題は最初に図8の「ユーザ確認」のゲームを行っているので、その結果を見当識問題の結果として用いるようにしてもよい。
【0091】
次に、この実施形態における認知度評価値演算部の概要について説明する。
各ゲームの実行結果に対する認知度評価値の演算は、各ゲームに対して備えられた認知度評価値演算パラメータテーブルに基づいて行われる。この認知度評価値演算パラメータテーブルには、ゲーム実行者の認知度レベル毎に、正誤に対する正誤点と、所要時間に対する基準時間と時間点と超過時間減点基準とが記憶されており、認知度評価値はこれらのパラメータに基づいて正誤点と時間点の合計値として演算される。
ここでは、1つの問題を複数の認知度レベルのユーザに対応できるようにするため、ゲーム実行の正誤点と時間点の合計の最高点をゲーム実行者の認知度レベルによって変えるようにしている。例えば、認知度レベル1(介護度2相当)では20点満点、認知度レベル2(介護度1相当)では40点満点、認知度レベル3(要支援2相当)では60点満点、認知度レベル4(要支援1相当)では80点満点、認知度レベル5(健常者相当)では100点満点となるように設定される。また、ゲーム実行の基準時間はゲーム実行者の認知度レベルによって変更され、認知度レベルが高くなると基準時間は短くなる。そして、時間点は基準時間に対して指定された超過時間区分毎に1割ずつ減点される。このようにすることで、全ての認知度レベルのゲーム実行者を単一の評価値で表すことができる。
【0092】
以下に、上記認知度評価値演算パラメータの設定例を示す。


認知度レベル 正誤点 時間点(下段は時間範囲 単位:秒)
1 10点 10点 9点 8点 7点 ……… 2点 1点 0点
~60s ~90s ~120s ~150s ……… ~300s ~330s 330s~
2 20点 20点 18点 16点 14点 ……… 4点 2点 0点
~50s ~75s ~100s ~125s ……… ~250s ~275s 275s~
3 30点 30点 27点 24点 21点 ……… 6点 3点 0点
~40s ~60s ~80s ~100s ……… ~200s ~220s 220s~
4 40点 40点 36点 32点 28点 ……… 8点 4点 0点
~30s ~45s ~60s ~75s ………. ~150s ~165s 165s~
5 50点 50点 45点 40点 35点 ………. 10点 5点 0点
~20s ~30S ~40s ~50s ………. ~100s ~110s 110s~

なお、認知度評価値の演算は、上述のような表形式で正誤点と時間点が定義された認知度評価値演算パラメータテーブルを参照することによって行うことができるが、上記認知度評価値演算パラメータテーブルを演算式として表したものを用いるようにしてもよい。
【0093】
認知度レベル評価部は、各評価指標における認知度評価値の合計として認知度レベル評価値を演算し、演算された認知度レベル評価値に基づいて施設利用者に対して測定結果を表示する。測定結果の表示は、施設利用者に対してはストレスを与えないように、例えば、図24に示すように座布団の枚数や色によって表現するようにしている。
なお、認知度レベル評価値は、ここでは各評価指標における認知度評価値の合計値を用いるようにしているが、平均値を用いるようにしてもよく、各評価指標別に適切な重み付けを行った加重平均演算等を用いるようにしてもよい。
【0094】
また、認知度レベル評価部は、演算された認知度レベル評価値に基づいてデータベースの施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の認知度レベルを更新する機能を有する。認知度レベルの更新は、現状では、認知度レベル評価値が満点に対して60%以上の場合にレベルアップを行い、0点の場合にレベルダウンを行い、その他の場合に維持するようにしているが、認知度レベルの更新条件は適宜設定することができる。
このように、測定モードにおける認知度の測定結果に基づいて施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の認知度レベルが自動的に更新されるので、次回の測定モードにおいて使用されるゲームのレベルがより当該施設利用者にフィットしたものとなり、当該施設利用者の認知度レベルをより的確に評価することができる。また、トレーニングモードにおいても、選択することができるゲームのレベルが自動的に変更されるので、より効果的な認知症のリハビリトレーニングを行うことができる。
【0095】
なお、測定モードにおいて、認知度評価値演算部において求められた認知度評価値がレベルアップ水準にある場合またはレベルダウン水準にある場合には、測定モードゲーム実行部に戻って、それぞれ1つ上または1つ下の対象認知度レベルのゲームを選択して実行させ、認知度評価値の演算をやり直すようにしてもよい。これにより、当該施設利用者の認知度レベルの変動が大きい場合においても1回の測定で所望の認知度レベルの測定を行うことが可能となる。
【0096】
一方、施設側には、後述のように、ここで得られた認知度評価値の履歴情報に基づいて施設利用者のレポートを生成し、閲覧・印刷できるようにしている。このように、本願発明では、施設利用者にはゲームを楽しんでもらい、施設側には施設利用者の認知度評価値を定量的に把握できるようにし、施設利用者の老化防止に役立てることができるようにしている。
【0097】
次に、この実施形態におけるレポート生成部の概要について説明する。
図25に、本実施形態のシステムにより生成される介護レポートの一例を示す。
この介護レポートの一番上の左側には、施設利用者の名前、年齢、性別、継続日数、最終プレイ日が表示され、中央には総プレイ時間、総プレイ回数が表示されている。また、この介護レポートの一番上の右側には、施設利用者の評価指標毎の現在の認知度レベル評価値の直近5回の平均値と全平均値が色分けしてバーチャート表示されている。この表示により、当該施設利用者の認知症の評価項目別の優劣を直感的に把握することができ、直近の取り組みによる変化傾向を把握することができる。
また、この介護レポートの二段目の左側には、当該施設利用者の認知度レベル評価値の推移が施設全体の認知度レベル評価値の平均と対比してグラフ表示されている。この表示により、施設内での当該施設利用者のポジションを把握することができ、当該施設利用者の介護方針を決定する際の参考とすることができる。
また、この介護レポートの二段目の右側には、当該施設利用者の評価指標別の評価値の履歴がグラフ表示されている。この表示により、当該施設利用者の評価指標別の認知度がどのように推移しているかを把握することができる。
また、この介護レポートの三段目の左側には、ゲームのプレイ回数(測定回数)と練習回数(トレーニング回数)の履歴がグラフ表示される。この表示により、当該施設利用者がどの時期にどれくらい積極的に測定とトレーニングに取り組んでいたかがわかる。
また、この介護レポートの三段目の右側には、評価値項目別の測定モードにおける現在の認知度レベルとゲームの実行回数、トレーニングモードにおけるゲームの実行回数が表示されている。この表示により、当該施設利用者がこれまでに評価項目別にゲームの実行にどれだけ取り組んできたかと、現在の評価項目別の認知度レベルが判る。
以上のような表示は、ユーザログ情報に記憶される測定モードにおけるゲームの実行実績とトレーニングモードのゲームの実行実績と測定モードにおける認知度評価値の履歴情報に基づいて生成することができる。
【0098】
介護レポートの一番下は、コメント表示欄であり、ここには評価項目別の変動メッセージと介護担当者へのアドバイスメッセージが表示されている。このような表示により、介護担当者は、どの評価項目でどのような変動が生じているかが文章化された表示によって認識されるとともに、変動メッセージが表示された評価項目について施設利用者に対してどのような介護をすればよいかについてのアドバイスが得られる。
【0099】
変動メッセージを生成するロジックは、評価項目別の認知度評価値の直近の短期の平均値と長期の平均値との差分をとり、差分がプラスであればポジティブ項目として、例えば「(評価項目名)が上昇しています。」のメッセージを生成し、差分がマイナスであればネガティブ項目として、例えば「(評価項目名)に変化が見られますね。」のメッセージを生成し、差分が一定範囲内にあれば、例えば「(評価項目名)が維持できていますね。」のメッセージを生成する。なお、この実施形態では、なるべくネガティブなメッセージは出さない方針としており、デフォルトとしてはポジティブ項目2項目とネガティブ項目1項目を抽出することとし、ポジティブ項目数がネガティブ項目数より多くなるようにメッセージを生成するようにしている。
【0100】
また、抽出された評価項目に対してアドバイスメッセージを表示させるために、この実施形態では、評価項目別に複数のアドバイスメッセージが記憶されたアドバイス情報テーブルを備え、抽出された評価項目について、アドバイス情報テーブルに登録されているアドバイスメッセージからランダムに選択したメッセージを表示するようにしている。
【0101】
各評価項目に対するアドバイスメッセージの一例を以下に示す。
(1)見当識の分野では、例えば「普段の会話の中に「今日は1日だからスーパーの特売日だね」等の日付を意識してもらう言葉を入れてみましょう。」のアドバイスメッセージが登録されている。
(2)記憶の分野では、例えば「一緒に見たテレビの登場人物や出来事について「誰だっけ?」「何だっけ?」と問いかけてみてください。」のアドバイスメッセージが登録されている。
(3)理解・判断力の分野では、例えば「場所等の説明が必要な場合は、言葉だけでなく、図や写真を用いて説明してあげてください。」のアドバイスメッセージが登録されている。
(4)実行機能の分野では、例えば「献立を伝えて買い物をしてもらって見ましょう。」のアドバイスメッセージが登録されている。
(5)感情表現の分野では、例えば「2ジャンル以上の音楽を聴くように勧めてみてください。」のアドバイスメッセージが登録されている。
【0102】
上記実施形態では、介護レポートのコメント表示欄に出力するアドバイスメッセージは、アドバイス情報テーブルに登録された評価項目別のアドバイスメッセージからランダムに選択するものとして説明したが、アドバイス情報テーブルに登録されるアドバイスメッセージを、ポジティブ項目用、ネガティブ項目用、変動なしの項目用に分けて登録し、認知度評価値の直近の短期の平均値と長期の平均値との差分に基づいてメッセージを選択するようにしてもよい。また、アドバイス情報テーブルに登録されるアドバイスメッセージに、対象とする認知度レベルを設定し、施設利用者の現在の認知度レベルに基づいてアドバイスメッセージを選択するようにしてもよい。
【0103】
上記実施形態では、認知症の状態を評価する複数の評価指標として、認知症の中核症状とされる見当識障害、記憶障害、理解・判断力障害、実行機能障害、感情表現障害の5つの分野としたが、本願発明はこれに限定されるものではなく、例えば、このうちの一部の評価項目を省略したものでもよく、記憶障害を長期記憶障害、短期記憶障害、エピソード記憶障害に細分化して、評価指標を長期記憶障害、短期記憶障害、エピソード記憶障害、実行機能障害、感情表現の変化の5つの分野としてもよい。また、例えば、認知症の中核症状の別の分類である記憶障害、実行機能障害、失認、失行、失語の5つの分野、またはこの一部を他の評価指標に置き換えたもの等としてもよい。
【0104】
また、施設利用者が使用する施設利用者用タブレット端末に加えて、施設利用者の介護を行う介護担当者が使用する介護担当者用タブレット端末を備え、施設利用者の認知度の測定やリハビリトレーニングにおいて、介護担当者用端末に施設利用者に対するサポートメッセージを表示させるようにしてもよい。
この場合に、ゲーム毎に、介護担当者が施設利用者のゲームの実行に際して施設利用者をサポートすることが可能なサポート項目について施設利用者に対するサポートメッセージと当該サポートを行った場合に認知度評価値を補正するための認知度評価補正値とが対応して記憶されたサポート情報テーブルを備え、測定モードゲーム実行部は、ゲームの実行に際して、サポート情報テーブルから当該ゲームのサポートメッセージを取得して表示し、介護担当者が施設利用者に対して実際に行ったサポート項目を選択させるサポート項目選択部を有し、認知度評価値演算部は、サポート情報テーブルから前記取得されたサポート項目に対応する認知度評価補正値を取得し、取得された認知度評価補正値に基づいて認知度評価値を補正する機能を有するようにしてもよい。
これにより、介護担当者は施設利用者の認知度の測定に際して施設利用者に対してどのようなサポートをすることが可能かを知ることができ、実際に画面に表示されたサポートメッセージを用いて施設利用者をサポートした場合に、それによる認知度評価値の補正が自動的に行われるので、介護担当者は介護担当者端末に表示されたサポートメッセージによって施設利用者に対して適切なサポートを行うことができ、実際にサポートを行った場合においても測定モードにおける認知度の測定を適切に行うことができる。
【0105】
上記実施形態では、施設利用者情報には、当該施設利用者の単一の認知度レベルが登録されるものとして説明したが、評価指標別に認知度レベルを登録可能とし、測定モード処理部の認知度レベル評価部において、各評価指標についての認知度評価値に基づいて施設利用者情報記憶部に記憶されている評価指標別に認知度レベルを更新するようにしてもよい。
これにより、測定モードにおいて、評価指標毎に認知度レベルの測定に使用するゲームを施設利用者情報記憶部に記憶されている評価指標別の現在の認知度レベルに基づいて選択することができるので、評価指標毎に当該施設利用者によりフィットしたゲームを用いて認知度レベルを測定することができ、当該施設利用者の認知度レベルをより的確に評価することができる。
また、トレーニングモードにおいて、施設利用者が選択することができるゲームを施設利用者情報記憶部に記憶されている評価指標別の現在の認知度レベルに基づいて選定することができるので、トレーニングモードにおいて施設利用者が実行可能なゲームは施設利用者の現在の評価指標別の認知度レベルに対応したものとなり、より効果的な認知症のリハビリトレーニングを行うことができる。
【0106】
また、上記実施形態では、ゲーム登録情報記憶部には、ゲーム毎に対象認知度レベル情報が設定されるものとし、測定モードやトレーニングモードにおけるゲーム選択において施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応するゲームを選択するものとして説明したが、ゲームアプリ記憶部に記憶される各ゲームアプリにおいて、それぞれ対象認知度レベルが指定された難易度の異なる複数の問題を含むようにし、ゲーム実行部において、施設利用者情報記憶部に記憶されている当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応する対象認知度レベルの問題を選択して出題するようにしてもよい。このようにすることで、単一のゲームアプリで複数の認知度レベルに対応させることができる。
この場合に、各評価指標において複数のゲームが登録されている場合に、評価指標別にそれぞれランダムにゲームを選択するようにしてもよいが、予め各評価指標に対してゲームの組み合わせを決めておき、一定期間毎にローテーションして認知度の測定を行うようにしてもよい。これにより各評価指標に対してバランスよくゲームを組み合わせた認知度の測定を行うことができる。
【0107】
なお、この場合においても、測定モードゲーム選択部において、当該施設利用者の現在の認知度レベルに対応する問題が複数ある場合には、予め指定された順序、例えば登録順に問題を出題するようにしてもよく、ランダムに出題するようにしてもよい。
また、測定モードゲーム実行部において、抽出された複数の問題の全部または一部の複数の問題を出題し、認知度評価値演算部において各問題の認知度評価値の平均をとるようにしてもよい。
【0108】
また、この場合においても、測定モードにおいて、認知度評価値演算部において求められた認知度評価値がレベルアップ水準にある場合またはレベルダウン水準にある場合には、測定モードゲーム実行部に戻って、それぞれ1つ上または1つ下の対象認知度レベルの問題を出題し、認知度評価値の演算をやり直すようにしてもよい。これにより、当該施設利用者の認知度レベルの変動が大きい場合においても1回の測定で所望の認知度レベルの測定を行うことが可能となる。
【0109】
また、本願発明に使用するゲームアプリとして、施設利用者に対して画面上に描画する問題を提示し、タッチパネル情報入力部から入力される画面上の位置の変化に基づいて問題に対して正しく描画できたか否かを判定するゲームアプリを備えるようにしてもよい。
この場合に、○・△などの図形を指定して描画させることで、理解・判断力問題として用いることができ、画面上に予め表示された図形をなぞるようにさせることで実行機能問題として用いることができる。
このようなゲームは、質問に対する回答を単に画面上の選択肢から選択する問題よりもゲーム感覚が高く、施設利用者がより楽しみながら認知度の測定を行うことができ、より効果的な認知症のリハビリトレーニングを提供することができる。
【0110】
また、施設利用者用タブレット端末をインターネットに常時接続して外出時にも認知度の測定や認知症のリハビリトレーニングを行えるようにし、本願発明に使用するゲームアプリとして、タブレット端末が備えるGPS機能を用いて地図情報を参照して現在の所在地情報を取得する機能を備え、施設利用者が現在いる場所を認識できているかどうかを確認するゲームを備えるようにしてもよい。この場合に、例えば、回答として地図上の位置を指し示すようにさせることで、理解・判断力問題として用いることができ、また例えば、介護施設名・自宅・動物園・公園などのなかから選択させることで見当識問題として用いることもできる。
【0111】
また、タブレット端末が備えるカメラを用いて施設利用者の顔を撮像して表情の認識を行なう表情認識機能を備え、本願発明に使用するゲームアプリとして、「笑って見てください」等のメッセージに対して正しく反応できているかを確認するゲームや、ショートコントの動画や思い出の写真、動画に対して表情の変化が見られるかどうかを判定するゲームを備えるようにしてもよい。このようなゲームは感情表現のチェックの問題として用いることができる。
【0112】
また、施設利用者情報に家族・親戚・友人の写真と名前を登録しておき、本願発明に使用するゲームアプリとして、施設利用者情報記憶部から抽出したいずれかの写真を画面表示し、その名前を覚えているかどうかを確認するゲームを備えるようにしてもよい。このようなゲームは記憶問題として用いることができる。
【0113】
上記実施形態では、認知症介護支援サーバと施設利用者端末の機能分担について、図5図6に示すような2つのケースについて記述したが、これ以外に端末の機能の一部をサーバ側で置換させたりサーバ側の機能の一部を端末側で置換させたりする実施形態が考えられる。しかしながら、このような置換は本願発明において本質的な部分ではなく、置換しても本願発明の効果を奏するものであって、置換をすることを当業者が容易に想到できるものであることから、いずれかの実施形態に対して均等な範囲であると認識される。
【0114】
図7に、本願発明の他の実施形態にかかる認知症介護支援装置の機能ブロック図を示す。この認知症介護支援装置は、図5の認知症介護支援システムの施設利用者用タブレット端末の施設利用者情報アクセス部212とゲーム登録情報アクセス部214とユーザログ情報アクセス部216のそれぞれを、それぞれ施設利用者情報に相当する利用者情報が記憶される利用者情報記憶部712とゲーム登録情報記憶部714とユーザログ情報記憶部716に置き換えたものであり、図5の認知症介護支援システムの施設利用者用タブレット端末の各部が備える機能に加えて、ユーザログ情報記憶部から取得されたユーザログ情報に基づいて当該利用者のレポートを生成するレポート生成部760を備えるので、タブレット端末単体で前述の認知症介護支援システムが奏する機能と同様の機能を有する認知症介護支援装置を構成することができる。
【0115】
このような認知症介護支援装置は、コンピュータに、図7に示した各機能ブロックの機能を実現させるための認知症介護支援プログラムをタブレット端末にインストールすることによって前述の認知症介護支援システムが奏する機能と同様の機能を奏する認知症介護支援装置を構成することができる。なお、このような認知症介護支援装置は、必ずしも介護施設において使用されるだけでなく、病院や自宅における認知度の測定や認知症のリハビリテーションにおいても活用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0116】
以上のように、本願発明によれば、認知症の複数の評価指標に対して利用者にストレスを与えることなく利用者が単独で認知度の測定を行えるようにするとともに、同一のシステム内で同じ評価指標に対する認知症のリハビリトレーニングを行えるようにし、リハビリトレーニングによる認知症の改善効果を自律的に再評価することができる認知症介護支援システム、認知症介護支援サーバおよび認知症介護支援アプリケーションプログラムが提供される。
【0117】
尚、本願発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、本願発明の効果を奏する限り、各実施形態で述べた構成要素を適宜入れ替えたり、新たな構成要素を追加したり、一部の構成要素を削除したりしてもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0118】
10 認知症介護支援サーバ
12 Webサーバ
14 データベース
30 介護施設側設備
34 施設端末
36 施設利用者用タブレット端末
206 ゲームアプリ記憶部
230 モード選択部
240 測定モード処理部
250 トレーニングモード処理部
310 レポート生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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