(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6254610
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】分流器及び軸受支持体の結合
(51)【国際特許分類】
F01D 25/16 20060101AFI20171218BHJP
F01D 25/12 20060101ALI20171218BHJP
F01D 25/30 20060101ALI20171218BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20171218BHJP
F02C 7/06 20060101ALI20171218BHJP
F02C 7/18 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
F01D25/16 B
F01D25/12 E
F01D25/30 B
F02C7/00 B
F02C7/06 Z
F02C7/18 E
【請求項の数】20
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-550484(P2015-550484)
(86)(22)【出願日】2013年12月18日
(65)【公表番号】特表2016-504524(P2016-504524A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】US2013076168
(87)【国際公開番号】WO2014105572
(87)【国際公開日】20140703
【審査請求日】2016年9月29日
(31)【優先権主張番号】61/747,243
(32)【優先日】2012年12月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513047442
【氏名又は名称】ピーダブリュー パワー システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098914
【弁理士】
【氏名又は名称】岡島 伸行
(72)【発明者】
【氏名】ヴォ, トゥアン, ディー.
(72)【発明者】
【氏名】スコット, ジョナサン, エー.
【審査官】
瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/0079019(US,A1)
【文献】
特開2008−082323(JP,A)
【文献】
特開2001−182503(JP,A)
【文献】
特開2003−239705(JP,A)
【文献】
特開2011−127447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 9/00,25/00
F02C 7/00
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に分布され且つ外側ケースとインナハブとの間を径方向に延びる複数のストラットを含むフレームと、
前記外側ケースと前記インナハブとの間に前記フレームを略軸線方向に貫通して延びるフェアリングと、
前記フレームインナハブの径方向内側で前記フレームに取り付けられた単一の結合型軸受支持要素と
を備え、
前記結合型軸受支持要素は、軸受支持リング部と、該軸受支持リング部の後端回りに配置されたフレーム取り付けリング部と、前記軸受支持リング部の前端に連なる第1分流器リング部とを含む、ガスタービンモジュール。
【請求項2】
軸受区画取り付けフランジに固定され且つ前記軸受支持リング部の後端から支持された軸受区画を更に備える、請求項1に記載のガスタービンモジュール。
【請求項3】
前記軸受区画と前記フレームインナハブとの間の環状ギャップに配置された分流器キャビティを更に備える、請求項2に記載のガスタービンモジュール。
【請求項4】
前記軸受支持リング部及び前記第1分流器リング部は、前記分流器キャビティの連続した内壁を形成する、請求項3に記載のガスタービンモジュール。
【請求項5】
前記分流器キャビティは別体の第2分流器リング組立体を含み、該第2分流器リング組立体が分流器キャビティ外壁の少なくとも前部分を形成する、請求項3に記載のガスタービンモジュール。
【請求項6】
前記第2分流器リング組立体は相互に結合された複数のリング区分を含む、請求項5に記載のガスタービンモジュール。
【請求項7】
前記第1分流器リング部及び前記別体の第2分流器リング組立体の少なくとも1つを貫通して冷却剤内側入口ポートが形成されている、請求項5に記載のガスタービンモジュール。
【請求項8】
前記冷却剤内側入口ポートは回転タービン軸から排出された冷却空気を受け取るように構成されている、請求項7に記載のガスタービンモジュール。
【請求項9】
前記分流器キャビティの内壁は前記タービン軸から前記フレームインナハブに延びている、請求項8に記載のガスタービンモジュール。
【請求項10】
前記分流器キャビティは、前記複数のフレームストラットの1つを貫通して径方向に延びる通路に導く1つの開口を含む、請求項3に記載のガスタービンモジュール。
【請求項11】
前記結合型軸受支持要素は単一の鋳造品から形成されている、請求項1に記載のガスタービンモジュール。
【請求項12】
前記モジュールは、ガス排気ケース(TEC)組立体を備える、請求項1に記載のガスタービンモジュール。
【請求項13】
ガスタービンエンジンのためのフレームに軸受区画を取り付けるための略円筒形状の軸受支持リング部と、
前記軸受支持リング部の前端に連なる略円錐台形状の第1分流器リング部と
を備え、
前記軸受支持リング部及び前記第1分流器リング部は単一品であるガスタービンエンジンの軸受支持要素。
【請求項14】
前記軸受支持リング部の後端に配置され、前記軸受支持リング部の径方向内側に軸受区画を固定且つ支持する軸受区画フランジを更に備える、請求項13に記載の軸受支持要素。
【請求項15】
前記軸受支持リング部の後端回りに周方向に配置され、エンジンフレームの後端から結合型軸受支持要素を固定且つ支持するフレーム取り付けフランジを更に備える、請求項13に記載の軸受支持要素。
【請求項16】
前記軸受支持リング部及び第1分流器リング部は、分流器キャビティの連続した内壁面を形成する,請求項13に記載の軸受支持要素。
【請求項17】
前記連続した内壁面は、タービン軸と前記エンジンフレームとの間を略径方向に延びるべく構成されている、請求項16に記載の軸受支持要素。
【請求項18】
前記分流器リング部は、前記第1分流器リング部の径方向内側部分に少なくとも1つの第2分流器リング構成要素を取り外し可能に固定するフランジを含む、請求項16に記載の軸受支持要素。
【請求項19】
前記第1分流器リング部及び前記第2分流器リング構成要素の少なくとも1つを貫通して冷却剤内側入口ポートが形成されている、請求項18に記載の軸受支持要素。
【請求項20】
前記冷却剤内側入口ポートは前記タービン軸から排出された冷却空気を受け取るべく構成されている、請求項19に記載の軸受支持要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載された主題は一般的には、ガスタービンエンジン、より詳しくはガスタービンエンジンのための軸受支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンのためのタービン排気ケース(TEC)は、種々の高温作動流体流路及び冷却剤流路ばかりでなく多数の構造的な構成要素を含んでいる。冷却剤は、高温の作動流体に晒される構造的な構成要素の温度制御を提供し、エンジンの健全性及び効率を維持する。典型的には、冷却ダクトは相互に結合された多数の区分を有し、これら区分は支持構造体から分離して配置されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
分離したダクト区分は設計の自由度をより高めるもの、ここでの自由度はより複雑な組立のコストや漏れとなり、この漏れは作動効率を減少させる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ガスタービンエンジンは、フレーム、フェアリング組立体及び単一の結合型軸受支持要素を備える。フェアリング組立体は外側ケースとインナハブとの間でフレームを略軸線方向に貫通して延びている。単一の結合型軸受支持要素はフレームインナハブの径方向内側でフレームに取り付けられている。単一の軸受支持要素は、軸受支持リング部、軸受支持リングの後端回りに配置されたフレーム取り付けリング及び軸受支持リング部の前端に連なる第1分流器リング部を含む。
【0005】
ガスタービンエンジン軸受支持要素は、略円筒形状の軸受支持リング部と、略円錐台形状の第1分流器リング部とを備える。軸受支持リング部は、ガスタービンエンジンのためのフレームに軸受区画を取り付けるべく構成されている。略円錐台形状の第1分流器リング部は軸受支持リング部の前端に連なって、軸受支持リング部及び第1分流器リング部が単一品となっている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態のガスタービンエンジンを概略的に示す図である。
【
図3A】
図1に示されたガスタービンエンジンのための一実施形態のタービン排気ケース(TEC)の前側を示す等角図である。
【
図3B】
図3Aに示されたTEC分流器部の前側を拡大して示す等角図である。
【
図3D】
図3Cに示されたTEC軸受支持部の後側を拡大して示す等角図である。
【
図4】TEC分流器キャビティの分解斜視図である。
【
図5C】
図5A中の5C−5C線に沿う軸受支持要素の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、ガスタービンエンジン10、センタライン軸線12、低圧圧縮部16、高圧圧縮部18、燃焼部20、高圧タービン部22、低圧タービン部24、フリータービン部26、流入大気30、加圧空気32、燃焼ガス34、高圧ロータ軸36、低圧ロータ軸38、タービン排気ケース組立体40を含む。
【0008】
図1はガスタービンエンジン10を示し、該エンジンは図示の実施形態では産業ガスタービンエンジン10として構成されている。エンジン10は、中央の長手軸線、即ち、エンジンのセンタライン軸線12回りに周方向に配置され、直列にして低圧圧縮部16、高圧圧縮部18、燃焼部20、高圧タービン部22、低圧タービン部24を含む。幾つかの実施形態において、低圧タービン部24の真後ろにはフリータービン部26が配置されている。フリータービン部26はしばしば、「パワータービン」として記載され、1個以上の発電機、遠心ポンプ又は他の装置(図示しない)を回転駆動可能である。
【0009】
ガスタービンの技術分野では公知であるように、流入大気30は圧縮部16,18にて加圧空気32となる。燃料は燃焼部20にて加圧空気32と混合され、ここで燃焼される。一旦燃焼されると、燃焼ガス34はタービン部22,24及びパワータービン26を通じて膨脹する。タービン部22,24は高圧及び低圧ロータ軸36,38をそれぞれ駆動し、これらロータ軸は燃焼生成物に応じて、取り付けられた圧縮部18,16を回転させる。例えば、フリータービン26は発電機、ポンプ又はギヤボックス(図示しない)を駆動可能である。また、
図1にはタービン排気ケース(TEC)組立体40もまた示されており、該組立体40は低圧タービン部24とパワータービン26との間にて軸線方向に配置されている。TEC組立体40については以下に詳述する。
【0010】
図1は、産業ガスタービンエンジンにおける種々の部位の基本的な理解や概観、そして、基本的な作動を提示する。産業ガスタービンエンジンに関連して図示されているものの、記述される主題は、ファン減速ギヤボックスの有無に拘わらず、ファンを有するエアロエンジンや、図示よりも多い又は少ない中間圧スプール等の部位を備えたエンジンにも及ぶ。本願が航空宇宙分野への適用を含む全てのタイプのガスタービンエンジンに適用可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、産業ガスタービンエンジンのためのTEC組立体に対して主題が記載されていても、その教示は限定されるものではないが、航空機エンジンのためのミッド−タービンフレーム及び/又はタービン排ガスケース等の他の適用分野にも容易に適合可能である。
【0011】
図2は第1ガスタービンエンジンモジュール40を示し、また、燃焼ガス34、エンジン軸38、フレーム42、フレーム外側ケース44、フレームインナハブ46、フレームストラット48、フェアリング組立体50、メインエンジンガス流路51、外側プラットホーム52、内側プラットホーム54、複数のライナ56、結合型軸受(combination1 bearing)支持要素60、軸受区画61、分流器キャビティ62、環状ギャップ63、軸受支持リング部64、フレーム取り付けリング66、第1分流器リング部68、軸受支持リング部後端70、軸受支持リング部前端72、軸受区画取り付けフランジ74、径方向でみてキャビティ内壁76、キャビティ該壁78、第2分流器リング80、金属リング区分82A,82B,82C、TECフレーム内面84、複数の冷却空気内側ポート86、複数の軸出口開口88、ストラットの複数の径方向通路90、サービスライン91及びモジュール取り付けフランジ92A,92Bを示す。
【0012】
上述したように、図示の実施形態はTEC組立体である第1モジュール40に関して記載されているが、ここで記載された主題は他の幾つかのタービンへの適用にも容易に適合可能である。
図2に示されているように、第1モジュール40は、外側ケース44、インナハブ46及び周方向に分布された複数のストラット48(
図2にその1つのみが図示)を備えたフレーム42を含み、ストラット48は外側ケース44とインナハブ46との間を径方向に延びている。フェアリング組立体50は一般的に、フレーム42を軸線方向に貫通して延び、作動/燃焼ガス34のためのメインガス流路51を規定する。本実施形態において、フェアリング組立体50は外側フェアリングプラットホーム52、内側フェアリングプラットホーム54及び複数のストラットライナ56を含む。TEC組立体40はパワータービン等の下流モジュールに随意的に接続可能である。下流モジュール(例えば、
図1に示されたパワータービン26)は、ステータベーン及びロータブレード(
図2に図示せず)等の他の構成要素を含むことができ、これら他の構成要素は作動/燃焼ガス34の流れ方向でみて、フレーム42及びフェアリング組立体50の下流に配置されている。
【0013】
図示の実施形態において、フェアリング組立体50はフレーム42に張り付けられ、外側フェアリングプラットホーム52を外側ケース44の径方向内側に配置させる一方、内側フェアリングプラットホーム54をインナフレームハブ46の径方向外側に配置させるように構成可能である。また、ストラットライナ56はフレームストラット48の回りに配置されるべく構成可能である。組み立てられたとき、外側フェアリングプラットホーム52、内側フェアリングプラットホーム54及びフェアリングストラットライナ56は、エンジンの作動中、TEC組立体40を通過する燃焼ガス34のためのメインガス流路51の一部を形成する。また、メインガス流路51はガスタービンモジュール間や、フェアリング組立体50の縁回りでシール可能であり(図示せず)、これにより、不所望な漏れやフレーム42の加熱が低減される。
【0014】
また、TEC組立体40は結合型軸受支持要素60を含み、該支持要素60は単一の一体部品であり、TECフレーム42と軸受区画61との間にて荷重を受け且つ伝達するように働く。軸受区画61は軸受組立体(図示しない)を収容し、該軸受組立体はエンジンセンタライン12回りに軸38の回転を支持する。分流器キャビティ62は軸受区画61とTECフレーム42との間にて環状ギャップ63内に配置されている。分流器キャビティ62は、TECフレーム42の回りやTECフレーム42を通じてて所望の作動温度に維持するために、冷却剤の回収、管理及び方向付けを助ける。第1分流器リング部68と軸受リング部64とは結合されるか、溶接(又は他の冶金的結合)を使用して一緒のパーツに成形され、更には鍛造及び/又は鋳造等によって一体化可能である。或る実施形態において、結合型軸受支持要素60は単一の一体の鋳造品から機械加工される。
【0015】
結合型軸受支持要素60はフレーム42に対してフレームインナハブ46の径方向内側に取り付け可能である。結合型軸受支持要素60は軸受支持リング部64、フレーム取り付けリング66、第1分流器リング部68、軸受区画取り付けリング74を含むことができる。フレーム取り付けリング66は軸受リングの後端又はその近傍に配置可能であり、第1分流器リング部68は軸受支持リング部64の前端72に連なることができる。これら軸受支持要素60の1つ以上の部位は協働して径方向でみて分流器キャビティ62の連続した内壁74を形成する。
【0016】
本実施形態において、結合型軸受支持要素60はまた、軸受区画取り付けリング74を含み、該取り付けリング74は軸受区画61が取り付けられる周フランジを備えている。取り付けリング74は軸受支持リング後端70に配置でき、軸受支持リング部64の径方向内側にて軸受区画61を支持する。フレーム取り付けリング66は、軸受支持リング後端70の径方向外側に配置され、TECフレームインナハブ46に対して軸受支持リング64及び軸受区画61を固定する。フレーム取り付けリング66は軸受支持リング部64から荷重を受け取って、インナハブ46を介してフレーム42に伝達する。
【0017】
キャビティ62は径方向内側にキャビティ内壁面76を含み、該キャビティ内壁面76はエンジン10の内側部分(例えば、
図1に示されている下側のスプール軸38)とTECフレームのインナハブ46と間を延びている。本実施形態において、軸受支持リング部64、第1分流器リング部68及びフレーム取り付けリング66の全ては協働して連続したキャビティ内壁76を形成し、分流器キャビティ62の内壁76は軸38からフレームインナハブ46まで延びている。
【0018】
キャビティ外壁78は少なくとも一部が別体の第2分流器リング組立体80によって形成され、該リング組立体80は結合型軸受支持要素60の軸線方向前方に固定されている。第2分流器リング組立体80は1つ以上の径方向リング区分82A,82B,82Cを含むことができ、これら区分は一体に形成されるか、又は、スナップ又は干渉嵌合(interference fit)等で機械的に相互に連結されている。第1分流器リング部68の径方向内側部分はすくなくとも1つのリング区分82A,82B,82Cを受け入れるべく構成されている。リング区分82A,82B,82Cは、中空のタービン軸(例えば、下側のスプール軸38)に近接した第1分流器リング部68に取り外し可能に固定可能である。分流器キャビティの外壁面78の残りは例えば、TECフレームインナハブ46の内面84によって形成されている。
【0019】
本実施形態において、内側のリング区分82Aの回りには複数の冷却空気内側入口ポート86が周方向に配置されている。入口ポート86は回転軸38の対応した出口開口88から或る量の冷却空気を受け取るべく構成されている。冷却空気内側入口ポート86は第1分流器リング部68及び第2分流器リング80の少なくとも1つを貫通して形成されている。軸の出口開口88は周方向に分布され、且つ、分流器入口ポート86と径方向に整合されている。一実施形態において、軸38は分流器入口ポート86と軸の出口開口88との間の静的/回転インタフェースを横切り、分流器キャビティ62に空気を提供する。分流器キャビティ62は1つの以上の代替箇所を経て、付加的及び/又は代替的に冷却空気を受け取り、そして、伝達することができる。限定されるものではないが、分流器キャビティ62は漏れ空気のシール及び/又はストラット48を貫通して延びる複数の通路を含んでいる。
【0020】
一実施形態において、分流器キャビティ62は、TECフレーム42の高価な構造材料の使用を低減可能とするための大きな冷却計画に組み込まれている。分流器キャビティ62は、或る量の冷却空気を受け取り、そして、TEC組立体40回りやTEC組立体40を通じて冷却空気を方向付けするように構成することができる。このため、分流器キャビティ62は1つ以上の開口(
図3C,3Dに示されている)を含むことができ、該開口はフレームストラット48を貫通して径方向に延びる通路90に通じている。TEC組立体40は付加的又は代替的に1つ以上のサービスライン91を含むことができ、該サービスライン91は通路90及び分流器キャビティ62を径方向に貫通して延びている。
【0021】
図3A〜
図3Dは、一実施形態におけるTEC組立体モジュール40の多様な等角図であり、該モジュール40は結合型軸受支持要素60を組み込んでいる。
図3AはTEC組立体40の前面を示し、
図3Bは
図3Aの中央部の拡大図である。また、
図3A及び
図3Bは複数のストラット外側ボス94、複数のストラット外側ボア96及び前面シールサポート98を含んでいる。
【0022】
図1,2に関して記載したように、TEC組立体40は構造的なTECフレーム42を有し、該フレーム42は周方向に分配された複数のストラット48を含み、これらストラット48は外側ケース44とインナハブ46との間を径方向に延びている。フェアリング50はTEC組立体40を貫通するメインガス流路51を形成し、作動/燃焼ガス34(
図1,2に示されている)との直接的な接触からストラット48を保護する。
【0023】
図3A及び
図3Bは、タービン排気ケースの前後に配置される他のモジュール及び構成要素にTEC組立体40を組み付けるための種々の接続を示す。
図1の実施形態において、TEC組立体40の後端には後端モジュール取り付けフランジ92A回りにパワータービン26を組み付け可能であり、一方、TEC組立体40の前端には前端モジュール取り付けフランジ92B回りに低圧タービン24を組み付け可能である。ストラット外側ボス94は、サービスライン及び/又はサービスチューブ(図示しない)の通路及び取り付けのためのボア96を提供する。これらライン及びチューブは、フレーム42の内側と外側との間で通路90(
図2に図示)を通じて冷却空気、潤滑剤又は他の流体の連通を可能にする。本実施形態において、随意的な前端シールサポート98はインナハブ46に固定され、フェアリング50回りのメインガス流路51のシールに貢献する。また、TEC組立体40内及びその回りには他のシール組立体(
図3A,3Bに図示せず)が使用可能であり、他のシール組立体はモジュール内及びモジュール間の種々のキャビティ内への漏れを低減する。
【0024】
図3CはTEC組立体40の後端側を示し、
図3Dは
図3Cの中央部の拡大図であり、結合型軸受支持要素60の後端側を含んでいる。また、
図3C,3Dは軸受区画フランジ取り付けインタフェース102、フレーム取り付けフランジ104、複数のポート106,後端シールサポート108、後端シール組立体110及び後端シールインタフェース112を含んでいる。
【0025】
図3C,3Dに示されるように、結合型軸受支持要素60はフレームインナハブ46の径方向内側に取り付けられ、軸受支持リング部64、フレーム取り付けリング66及び第1分流器リング部68を含む。フレーム取り付けリング66は後端70の回りを延び、一方、第1分流器リング部68は軸受支持リング部64の前端72に連なっている。
【0026】
軸受支持リング64は軸受区画フランジ74を含み、該フランジ74は
図2に示されるように軸受区画61を固定し且つ片持ちするための取り付けインタフェース102を備えている。
図3D及び
図4に示されているように、フレーム取り付けリング66はフレーム取り付けフランジ104を含むことができ、該フランジ104は取り付けインタフェース102に対して反対の方向を向いている。フランジ104はフレームハブ46の径方向内側に軸受支持要素60を固定し且つ吊持すべく構成されている。軸受支持要素60の1つ以上のパーツを貫通して複数の開口106が形成可能である。ここで、軸受支持リング64は周方向に分布された開口106を含み、これら開口106はオイル供給チューブ、冷却空気供給チューブ及び/又は排水ライン等の対応するサービスライン(
図2に図示)の通過を可能にする。
【0027】
また、
図3Dの詳細図は随意的な後端シールサポート108及び後端シール組立体110を示す。後端シールサポート108の径方向内側には後端シールインタフェース112の回りにフレームハブ後端118が(例えば,固定具によって及び/又はスナップ嵌合として)固定可能である。
【0028】
図4は分流器キャビティの組み立てを示す部分的な分解図であり、フレーム42に対する結合型軸受支持要素60を含む。また、
図4はフレームハブ後端114、第2分流器リング外側フランジ116、フレームハブ後端118、フレームハブ前端119及び第2分流器リングフランジ120を含む。
【0029】
図4はフレーム取り付けフランジ104を示し、該フランジ104はフレームハブ後端118に結合型軸受支持要素60を固定する。この際、要素60、より詳しくは、軸受支持リング部64はフレームハブ46の径方向内側で片持ちにして吊持可能である。また、
図4は第2分流器リング80を示し、該リング80はフランジ116を備えた外端(例えば、外側リング区分82C)を有し、前記フランジ116はフレームハブ前端119(
図2に図示)上の対応した取り付け箇所に別体の第2分流器リング80を固定する。第2分流器リング80のフランジ120(例えば、内側区分82A)は第1分流器リング68上の対応した内側取り付けフランジ(
図2に図示)に固定可能である。これは、分流器キャビティ外壁78(2に図示)の一部としてハブ内面84が機能(operate)することを可能にし、また、通路90(
図2に図示)に対するアクセスを提供する。通路90はストラット48を貫通して径方向に形成されている。
【0030】
図4に示された実施形態において、分流器キャビティ62は内側入口ポート86を介して及び/又は開口106を経た冷却空気通路90を通じて冷却空気を受け取り可能である。漏れ、抜き取り及び/又は使用済みのキャビン空気の如何なる組合せからなる冷却空気は、燃焼ガス34(
図1,2に図示)に晒されるTECフレーム42及び他の構成要素(例えば、
図2に示されたフェアリング50)の大きな冷却計画の一部として管理される。
【0031】
図5Aは一実施形態における結合型軸受支持要素60の等角前面図である。
図5Bはその実施形態における結合型軸受支持要素60の後面図である。
図5Cは
図5A中、5C―5C線に沿う要素60の断面図である。また、
図5A〜5Cは分流器リングの径方向内側部分122、軸受要素ポート124,軸受要素外面125及び軸受凹所126を含んでいる。
【0032】
結合型軸受支持要素60は、一般的に円筒形状の軸受支持リング部64と、一般的に円錐台形状の第1分流器リング部68とを含み、該第1分流器リング部68は軸受支持リング部64の後端70に連なっている。軸受支持リング部64はガスタービンエンジンのフレーム(例えば、
図4に示されたフレーム42)に軸受区画(例えば、
図2に示された軸受区画61)を取り付けために備えられている。
【0033】
円錐台形状のフレーム取り付けリング66は一般的に後端70から外側に延び、フレームと軸受支持リング部64との間で荷重を伝達する。第1分流器リング部68は一般的に軸受支持リングの前端72から内側に延びることができ、第1分流器リング部68及び軸受支持部64は協働して分流器キャビティ62(
図2に図示)のための連続した内側境界壁76を提供する。
【0034】
分流器リング部68はフランジ120を含み、該フランジ120は径方向内側部分122に少なくとも1つの分流器構成要素(例えば
図2に示された第2分流器リング要素82A)を取り外し可能に固定する。また、
図2に示されているように、連続した内壁76は一般的にタービン軸38とフレーム42との間で径方向に延びるように構成可能である。
図2〜
図4は第2分流器リング要素82Aを示し、該要素82Aは冷却空気を受け入れるべく構成された複数の入口ポート86を備えている。一実施形態において、
図2に示されるように静的/回転的インタフェースを介して空気が複数の軸出口ポート88に供給される。しかしながら、分流器キャビティ62のための複数の冷却剤内側入口ポートはフランジ120に近接した分流器リング部68を通じて付加的又は代替的に形成可能である。
【0035】
軸受区画取り付けフランジ74は,
図2に示されたように軸受区画61を固定且つ片持ちするため、軸受支持リング後端70の内側回りに形成可能である。本実施形態において、軸受区画取り付けフランジ74は、鍛造、鋳造、機械加工等により軸受支持リング64の一部として形成されている。結合型軸受支持要素60の相対位置や寸法及び方向付けの変形には、フレーム42及び軸受区画61(
図2に図示)の異なる構成が必要となり、支持要素60は1つ以上の軸受リング部64、フレーム取り付けリング66及び第1分流器リング部68を含んでいる。
【0036】
連続した流路、簡単な製造及び漏れの低減を確保するため、結合型軸受支持要素60は鋳造されるか、鍛造され、又は、さもなければ単一の要素として一体的に形成される。鋳造において、軸受支持リング部64、フレーム取り付けリング66及び第1分流器リング部68は比較的一定の径方向厚さから処理を開始されるべきであり、これにより、適切且つ繰り返し可能な固形化処理(solidification)が可能となる。軽量にし且つ機械加工を簡単にするため、結合要素60は代替的に熱間鍛造され、1つの以上のリング部における初期厚さを減少させる。軸受支持要素60は頻繁に冷却空気に晒されるので、軸受支持要素60は熱的に保護される。従って、軸受支持要素60は鋳造されるか、鍛造され、さもなければ多様な超合金の1つから形成され、その超合金は最大の熱的性能よりも鋳造及び/又は加工の容易さで選択される。
【0037】
軸受支持要素リング部64と一体的な第1分流器部66とを単一品として結合することは要素60の製造を簡単にする。また、継ぎ目、シール及び固定具が殆ど必要でないので、軸38とTECフレーム42との間でのTEC40の漏れを低減し且つTEC40の剛性を増加させる。また、制限された空間をより効率的に利用することによって第2分流器リング68の幾何学構造が簡単になり、さもなければ、制限された空間は、軸受要素リングと弁体の分流器キャビティとの相互結合に必要な固定具又は干渉嵌合によって占有される。
【0038】
また、
図5A〜5Cは軸受支持要素リング部64を示し、該リング部64は複数ずつのポート124及び凹所126を備えている。これらポート及び凹所は複数の冷却空気供給チューブ又は排水ラインのための通路を維持し又は可能にするように構成可能である。ポート124は
図2に関して既に記載され、軸受支持リング部64を通じて随意的に形成可能である。凹所126は軸受要素外面125に形成できるが、要素60を完全に貫通してはいない。或る実施形態において、1つ以上の凹所126は、外面125に近接して終端となる冷却空気供給チューブを保持且つ支持し、冷却空気が供給チューブを通じて分流器キャビティ62(
図2に図示)に提供可能である。
【0039】
本発明は実施形態に関して記載されているが、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更や、本発明の要素と等価物との置換が可能であることは当業者によって理解される。付け加えて、発明の本質的な範囲を逸脱することなく、発明の教示に対して特別な状況又は材料に適合するように多くの変更をなすことも可能である。それ故、本発明は開示された実施形態に制限されるものでなく、添付の特許請求の範囲内の全ての実施形態を含む。