【文献】
Hou-Jun Hsu, et al.,"A Novel High Coplanarity Lead Free Copper Pillar Bump Fabrication Process",Proceedings of the 2009 IEEE International Interconnect Technology Conference,2009年 6月,pp. 169-170
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書を通して使用される場合、文脈上明確に別途示されない限り、以下の略語は以下の意味を有するものとする:A=アンペア;A/dm
2=アンペア/平方デシメートル=ASD;℃=セ氏温度;UV=紫外線放射;g=グラム;ppm=100万分率=mg/L;L=リットル、μm=ミクロン=マイクロメートル;mm=ミリメートル;cm=センチメートル;DI=脱イオン化;mL=ミリリットル;mol=モル;mmol=ミリモル;Mw=重量平均分子量;Mn=数平均分子量;SEM=走査型電子顕微鏡;FIB=集束イオンビーム;WID=ダイ内;TIR=全振れ量=軸偏心量=読みの最大差=FIM;RDL=再配線層;及びAvg.=平均。
【0012】
本明細書を通して使用される場合、「めっき」という用語は金属電気めっきを指す。「析出」及び「めっき」は、本明細書を通して同義に使用される。「促進剤」は、電気めっき浴のめっき速度を増大させる有機添加剤を指す。「抑制剤」は、電気めっき中に金属のめっき速度を抑制する有機添加剤を指す。「アレイ」という用語は、順序付けられた構成を意味する。「部分」という用語は、官能基全体または官能基の一部のいずれかを基礎構造として含み得る分子またはポリマーの一部を意味する。「部分」及び「基」という用語は、本明細書を通して同義に使用される。「開口部」という用語は、開放、穴、または間隙を意味する。「形態」という用語は、物品の形、形状、及び構造を意味する。「全振れ量」または「軸偏心量」という用語は、最大測定値と最小測定値との差であり、すなわち、他の円筒状のフィーチャまたは同様の状態との平坦度、真円度(円形度)、円筒度、同心度からの偏差の量を示す、ある部分の平面状、円筒状、または曲線状の表面上の指示器の読み取り値である。「形状測定法」という用語は、物体の測定及びプロファイリングにおける技術の使用、または三次元物体の表面測定を行うためのレーザーもしくはコンピュータ生成白色光画像の使用を意味する。「ピッチ」という用語は、基板上でフィーチャが互いから位置する頻度を意味する。「正規化する」という用語は、%TIRとしての割合等のサイズ変数に対する値に到達するために縮尺変更することを意味する。「平均」という用語は、パラメータの中心となるまたは典型的な値を表す数を意味する。「パラメータ」という用語は、システムを定義するかまたはその動作の条件を設定するセットのうちの1つを形成する、数因子または他の測定可能な因子を意味する。冠詞「a」及び「an」は、単数形及び複数形を指す。
【0013】
全ての数の範囲は、そのような数の範囲が合計で100%となることを余儀なくされることが明らかである場合を除いて、包括的であり、また任意の順序で組み合わせ可能である。
【0014】
本発明の銅/フォトレジスト画定フィーチャを電気めっきするための方法及び浴は、フィーチャが、実質的に平滑で、ノジュールが存在せず、ピラー、ボンドパッド、及び線幅/線間フィーチャに関して、実質的に平坦なプロファイルを有する形態を有するように、フォトレジスト画定フィーチャのアレイが平均%TIRを有することを可能にする。本発明のフォトレジスト画定フィーチャは、基板上に残ったフォトレジストで電気めっきされ、基板の平面を超えて延在する。これは、典型的には、基板の平面を超えて延在するが、基板内に嵌め込まれたフィーチャを画定するためにフォトレジストを使用しない、デュアルダマシン及びプリント回路板のめっきとは対照的である。フォトレジスト画定フィーチャとダマシン及びプリント回路板のフィーチャとの重要な違いは、ダマシン及びプリント回路板に関して、側壁を含むめっき表面が全て導電性であるということである。デュアルダマシン及びプリント回路板のめっき浴は、ボトムアップフィリングまたはコンフォーマルフィリングを提供する浴配合を有し、フィーチャの底部が、フィーチャの上部よりも迅速にめっきされる。フォトレジスト画定フィーチャにおいて、側壁は非導電性フォトレジストであり、めっきは導電性のシード層を有するフィーチャの底部でのみ生じ、どこで析出しようともコンフォーマルなまたは同じめっき速度で進行する。
【0015】
本発明は、実質的に、環状形態を有する銅ピラーを電気めっきする方法に関して記載されるが、本発明は、ボンドパッド及び線幅/線間フィーチャ等の他のフォトレジスト画定フィーチャにも適用される。概して、フィーチャの形状は、円形または円筒状に加えて、例えば、楕円形、八角形、及び長方形であり得る。本発明の方法は、好ましくは銅の円筒状ピラーを電気めっきするためのものである。
【0016】
電気銅めっき法は、−5%〜+12%、好ましくは−3%〜+10%の平均%TIRを有する、銅ピラー等の銅/フォトレジスト画定フィーチャのアレイを提供する。
【0017】
概して、基板上のフォトレジスト画定フィーチャのアレイの平均%TIRは、単一基板上のフィーチャのアレイから個々のフィーチャの%TIRを決定し、それらを平均化することを含む。典型的には、平均%TIRは、基板上の低密度またはより大きなピッチの領域の個々のフィーチャの%TIR、及び高密度またはより小さなピッチの領域の個々のフィーチャの%TIRを決定し、その値を平均化することによって決定される。様々な個々のフィーチャの%TIRを測定することによって、平均%TIRは、基板全体の代表値となる。
【0018】
%TIRは、以下の方程式によって決定され得、
%TIR=[高さ
center−高さ
edge]/高さ
max×100
式中、高さ
centerは、その中心軸に沿って測定されるピラーの高さであり、高さ
edgeは、エッジ上の最も高い点でそのエッジに沿って測定されるピラーの高さである。高さ
maxは、ピラーの底部からその上部の最も高い点までの高さである。高さ
maxは、正規化因子である。
【0019】
個々のフィーチャのTIRは、以下の方程式によって決定され得、
TIR=高さ
center−高さ
edge
式中、高さ
center及び高さ
edgeは、上で定義した通りである。
【0020】
さらに、電気銅めっきの方法及び浴は、5%〜14%、好ましくは5%〜9%の%WIDを有する銅/フォトレジスト画定フィーチャのアレイを提供し得る。%WIDまたはダイ内%は、以下の方程式によって決定され得、
%WID=1/2×[(高さ
max−高さ
min)/高さ
avg]×100
式中、高さ
maxは、ピラーの最も高い部分で測定される、基板上に電気めっきされたピラーのアレイの最も高いピラーの高さである。高さ
minは、ピラーの最も高い部分で測定される、基板上に電気めっきされたピラーのアレイの最も短いピラーの高さである。高さ
avgは、基板上に電気めっきされた全てのピラーの平均高さである。
【0021】
最も好ましくは、本発明の方法は、平均%TIRが−5%〜+12%の範囲であり、%WIDが5%〜14%の範囲であり、好ましい範囲は上で開示した通りであるように、平均%TIRと%WIDとの間に均衡が存在する基板上のフォトレジスト画定フィーチャのアレイを提供する。
【0022】
TIR、%TIR、及び%WIDを決定するためのピラーのパラメータは、白色光LEICA DCM 3Dまたは同様の装置を用いる等、光学的形状測定法を使用して測定され得る。ピラー高さ及びピッチ等のパラメータは、そのようなデバイスを使用して測定され得る。
【0023】
概して、電気銅めっき浴から電気めっきされた銅ピラーは、3:1〜1:1、または2:1〜1:1等のアスペクト比を有し得る。RDL型構造は、1:20(高さ:幅)の大きさのアスペクト比を有し得る。
【0024】
基板は、限定されないが、半導体ウエハまたはダイ、エポキシモールドコンパウンド(EMC)から再構築されたウエハ、および有機積層ボードを含む。
【0025】
好ましくは、ピリジルアルキルアミンは、式
【0027】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立して、水素、(C
1−C
6)アルキル、(C
1−C
6)アルキル(C
6−C
10)アリール、−NR
6R
7及びR
8−NR
6R
7から選択されるが、但し、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5のうちの少なくとも1つがR
8−NR
6R
7であることとし;R
8は、(C
1−C
10)ヒドロカルビル基であり、R
6及びR
7は、独立して、水素、(C
1−C
6)アルキル、(C
6−C
10)アリール、(C
1−C
6)アルキル(C
6−C
10)アリールから選択される)を有する化合物を含む。好ましくは、R
1は、R
8−NR
6R
7であり、R
8は、(C
1−C
3)ヒドロカルビル基であり、R
6及びR
7は、独立して、水素、(C
1−C
3)アルキル、及び(C
1−C
3)アルキル(C
6−C
10)アリールから選択される。より好ましくは、R
1は、R
8−NR
6R
7であり、R
8は、(C
1−C
3)ヒドロカルビル基であり、R
6及びR
7は、独立して、水素、(C
1−C
3)アリール、及び(C
1−C
3)アルキルフェニルから選択され、R
2−R
5は、独立して、水素及び(C
1−C
6)アルキルから選択される。さらにより好ましくは、R
1は、R
8−NR
6R
7であり、R
8は、(C
1−C
3)ヒドロカルビル基であり、R
6及びR
7は、独立して、水素、(C
1−C
2)アルキル、及び(C
1−C
2)アルキルフェニルから選択され、R
2−R
5は、水素である。最も好ましくは、R
1は、R
8−NR
6R
7であり、R
8は、エチルであり、R
6及びR
7は、独立して、水素及びメチルから選択され、R
2−R
5は、水素である。上記化合物の例は、2−(2−アミノエチル)ピリジン、2−(2−メチルアミノエチル)ピリジン、及び2−ベンジルアミノピリジンである。
【0028】
好ましくは、ビスエポキシド化合物は、式
【0030】
(式中、R
9及びR
10は、独立して、水素及び(C
1−C
4)アルキルから選択され、A=O((CR
11R
12)
mO)
nまたは(CH
2)
yであり、各R
11及びR
12は、独立して、水素、メチル、またはヒドロキシルから選択され、m=1〜6であり、n=1〜20であり、y=0〜6である)を有する化合物を含む。R
9及びR
10は、好ましくは独立して、水素及び(C
1−C
2)アルキルから選択される。より好ましくは、R
9及びR
10は、両方とも水素である。m=2〜4であることが好ましい。好ましくは、n=1〜10であり、より好ましくは、n=1である。好ましくは、y=0〜4であり、より好ましくは1〜4である。A=(CH
2)
yであり、y=0である場合、Aは化学結合である。
【0031】
A=O((CR
11R
12)
mO)
nであるビスエポキシドは、式
【0033】
(式中、R
9、R
10、R
11、R
12、mおよびnは、上で定義した通りである)を有する。好ましくは、R
9及びR
10は水素である。好ましくは、R
11及びR
12は、同じかまたは異なってもよく、水素、メチル、及びヒドロキシルから選択される。より好ましくは、R
11は、水素であり、R
12は、水素またはヒドロキシルであり、R
12がヒドロキシルであり、mが2〜4である場合、R
12のうちの1つのみがヒドロキシルであり、残りは水素であることが好ましい。好ましくは、mは、2〜4の整数であり、nは、1〜2の整数である。より好ましくは、mは、3〜4であり、nは、1である。m=4であり、n=1である場合、R
11及びR
12は水素であることが好ましい。
【0034】
式(II)の化合物は、限定されないが、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシヘキサン、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,3−ブタンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル、ポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル化合物、及びポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル化合物を含む
【0035】
式(III)のための特定の化合物は、限定されないが、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル、1,3−ブタンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル、ポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル化合物、及びポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル化合物を含む。
【0036】
さらなる好ましいビスエポキシドは、6つの炭素環状部分を有するもの等の環状炭素部分を有するビスエポキシドを含む。そのようなビスエポキシドは、限定されないが、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルまたはレゾルシノールジグリシジルエーテルを含む。
【0037】
反応生成物または本発明は、当該技術分野で既知の種々のプロセスによって調製され得る。典型的には、1つ以上のピリジルアルキルアミン化合物を脱イオン水に溶解し、70〜80℃まで加熱した後、1つ以上のビスエポキシドを滴下で加える。次いで、加熱浴の温度を約90℃まで上昇させる。撹拌しながらの加熱を約2〜4時間行う。次いで、さらに4〜8時間撹拌しながら加熱浴の温度を室温まで下げる。各構成成分の量は異なり得るが、概して、生成物を提供するのに十分な量の各反応物が加えられ、ピリジルアルキルアミンの部分対ビスエポキシドの部分のモル比は、1:3〜3:1、好ましくは1:2〜2:1、また最も好ましくは0.8:1〜1:0.8の範囲である。
【0038】
好適な銅イオン源は銅塩であり、限定されないが、硫酸銅;塩化銅等の銅ハロゲン化物;酢酸銅;硝酸銅;テトラフルオロホウ酸銅;アルキルスルホン酸銅;アリールスルホン酸銅;スルファミン酸銅;過塩素酸銅、及びグルコン酸銅を含む。例示的なアルキルスルホン酸銅は、(C
1−C
6)アルカンスルホン酸銅、またより好ましくは(C
1−C
3)アルカンスルホン酸銅を含む。好ましいアルキルスルホン酸銅は、メタンスルホン酸銅、エタンスルホン酸銅、及びプロパンスルホン酸銅である。例示的なアリールスルホン酸銅は、限定されないが、ベンゼンスルホン酸銅及びp−トルエンスルホン酸銅を含む。銅イオン源の混合物が用いられてもよい。銅イオン以外の1つ以上の金属イオンの塩が、本発明の電気めっき浴に加えられてもよい。好ましくは、銅塩は、めっき液の30〜60g/Lの銅イオンの量を提供するのに十分な量で存在する。より好ましくは、銅イオンの量は、40〜50g/Lである。
【0039】
本発明において有用な電解質は、アルカリ性または酸性であり得る。好ましくは、電解質は酸性である。好ましくは、電解質のpHは≦2である。好適な酸性電解質は、限定されないが、硫酸、酢酸、フルオロホウ酸、アルカンスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、及びトリフルオロメタンスルホン酸等、アリールスルホン酸、例えば、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、スルファミン酸、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、クロム酸、及びリン酸を含む。酸の混合物は、本発明の金属めっき浴に有利に用いられ得る。好ましい酸は、硫酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、塩酸、およびそれらの混合物を含む。酸は、1〜400g/Lの範囲の量で存在し得る。電解質は、一般的に、様々な供給源から商業的に入手可能であり、さらに精製することなく使用され得る。
【0040】
そのような電解質は、任意選択的にハロゲン化物イオンの源を含有し得る。典型的には、塩化物イオンまたは臭化物イオンが用いられる。例示的な塩化物イオン源は、塩化銅、塩化錫、塩化ナトリウム、塩化カリウム、及び塩酸を含む。臭化物イオンの源の例は、臭化ナトリウム、臭化カリウム、及び臭化水素を含む。広範なハロゲン化物イオン濃度が本発明に用いられ得る。典型的には、ハロゲン化物イオン濃度は、めっき浴を基準として0〜100ppmの範囲であり、好ましくは50〜80ppmである。そのようなハロゲン化物イオン源は、一般的に商業的に入手可能であり、さらに精製することなく使用され得る。
【0041】
めっき組成物は、典型的には促進剤を含有する。任意の促進剤(光沢剤とも称される)が、本発明における使用に好適である。そのような促進剤は、当業者に周知である。促進剤は、限定されないが、N,N−ジメチル−ジチオカルバミン酸−(3−スルホプロピル)エステル;3−メルカプト−プロピルスルホン酸−(3−スルホプロピル)エステル;3−メルカプト−プロピルスルホン酸ナトリウム塩;カルボン酸、ジチオ−O−エチルエステル−S−エステル及び3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸カリウム塩;ビス−スルホプロピルジスルフィド;ビス−(ナトリウムスルホプロピル)−ジスルフィド;3−(ベンゾチアゾリル−S−チオ)プロピルスルホン酸ナトリウム塩;ピリジニウムプロピルスルホベタイン;1−ナトリウム−3−メルカプトプロパン−1−スルホネート;N,N−ジメチル−ジチオカルバミン酸−(3−スルホエチル)エステル;3−メルカプト−エチルプロピルスルホン酸−(3−スルホエチル)エステル;3−メルカプト−エチルスルホン酸ナトリウム塩;カルボン酸−ジチオ−O−エチルエステル−S−エステル及び3−メルカプト−1−エタンスルホン酸カリウム塩;ビス−スルホエチルジスルフィド;3−(ベンゾチアゾリル−S−チオ)エチルスルホン酸ナトリウム塩;ピリジニウムエチルスルホベタイン;及び1−ナトリウム−3−メルカプトエタン−1−スルホネートを含む。促進剤は、様々な量で使用され得る。概して、促進剤は、0.1〜1000ppm、好ましくは1〜50ppm、またより好ましくは5〜20ppmの範囲の量で使用される。
【0042】
電気めっきの速度を抑制することができる任意の化合物が、本発明の電気めっき組成物中の抑制剤として使用され得る。好適な抑制剤は、限定されないが、エチレンオキシド−プロピレンオキシド(「EO/PO」)コポリマー及びブチルアルコール−エチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマーを含む、ポリプロピレングリコールコポリマー及びポリエチレングリコールコポリマーを含む。抑制剤の重量平均分子量は、800〜15000、好ましくは1000〜15,000の範囲であり得る。そのような抑制剤が使用される場合、それらは、好ましくは組成物の重量を基準にして0.5g/L〜15g/L、より好ましくは1g/L〜5g/Lの範囲の量で存在する。本発明のレベリング剤は、抑制剤として作用することができる機能性も有し得る。
【0043】
概して、反応生成物は、200〜100,000、典型的には300〜50,000、好ましくは500〜30,000の数平均分子量(Mn)を有するが、他のMn値を有する反応生成物が使用されてもよい。そのような反応生成物は、1000〜50,000、典型的には5000〜30,000の範囲の重量平均分子量(Mw)値を有し得るが、他のMw値が使用されてもよい。
【0044】
フォトレジスト画定フィーチャ、好ましくは銅ピラーをめっきするための電気銅めっき浴中に使用される反応生成物の量は、めっき浴の全重量を基準にして、0.25〜20ppm、好ましくは0.25〜10ppm、より好ましくは0.25〜5ppmの範囲であり得る。
【0045】
電気めっき組成物は、任意の順序で構成成分を組み合わせることによって調製され得る。金属イオンの源、水、電解質、及び任意選択的なハロゲン化物イオン源等の無機構成成分が、最初に浴容器に加えられ、その後、反応生成物、促進剤、抑制剤、及び任意の他の有機構成成分等の有機構成成分が加えられることが好ましい。
【0046】
電気銅めっき浴は、任意選択的に従来のレベリング剤を含有し得るが、但し、そのようなレベリング剤は、銅ピラーの構造及び機能を実質的に損なわないものとする。そのようなレベリング剤は、Step等に対する米国特許第6,610,192号、Wang等に対する第7,128,822号、Hayashi等に対する第7,374,652号、及びHagiwara等に対する第6,800,188号に開示されるものを含み得る。しかしながら、そのようなレベリング剤は、浴中に含まれないことが好ましい。
【0047】
典型的には、めっき組成物は、10〜65℃またはそれ以上の任意の温度で使用され得る。好ましくは、めっき組成物の温度は、15〜50℃であり、またより好ましくは20〜40℃である。
【0048】
概して、電気銅めっき浴は使用中に撹拌される。任意の好適な撹拌方法が使用され得、またそのような方法は、当該技術分野で周知である。好適な撹拌方法は、限定されないが、エアスパージング、ワークピースアジテーション、及びインピンジメントを含む。
【0049】
典型的には、基板をめっき浴と接触させることによって基板が電気めっきされる。基板は、典型的には、陰極として機能する。めっき浴は、可溶性または不溶性であり得る陽極を含む。電位が電極に印加される。電流密度は、0.25ASD〜40ASD、好ましくは1ASD〜20ASD、より好ましくは4ASD〜18ASDの範囲であり得る。
【0050】
本発明の方法は、ピラー、ボンディングパッド、及び線幅/線間フィーチャ等のフォトレジスト画定フィーチャを電気めっきするために使用され得るが、本方法は、本発明の好ましいフィーチャである銅ピラーをめっきするという状況において説明される。典型的には、銅ピラーは、最初に導電性シード層を半導体チップまたはダイ等の基板上に析出させることによって形成され得る。基板は、次いでフォトレジスト材料で被覆され、フォトレジスト層を紫外線等の放射線に選択的に露光するために画像化される。フォトレジスト層は、当該技術分野で既知の従来のプロセスによって半導体チップの表面に塗布され得る。フォトレジスト層の厚さは、フィーチャの高さに依存して異なり得る。典型的には、厚さは、1μm〜250μmの範囲である。パターン化されたマスクがフォトレジスト層の表面に適用される。フォトレジスト層は、ポジ型またはネガ型フォトレジストであり得る。フォトレジストがポジ型である場合、放射線に露光されたフォトレジストの部分が、アルカリ現像液等の現像液で除去される。基板またはダイ上のシード層まで貫通する複数の開口部のパターンが表面上に形成される。ピラーのピッチは、20μm〜400μmの範囲であり得る。好ましくは、ピッチは、40μm〜250μmの範囲であり得る。開口部の直径は、フィーチャの直径に依存して異なり得る。開口部の直径は、2μm〜200μmの範囲であり得、典型的には、10μm〜75μmである。次いで、構造全体が、本発明の反応生成物のうちの1つ以上を含有する電気銅めっき浴中に配置され得る。電気めっきは、各開口部の少なくとも一部を実質的に平坦な上部を有する銅ピラーで充填するために行われる。電気めっきは、水平方向のめっきなしでの垂直方向のフィリングまたはスーパーフィリングである。次いで、銅ピラーを含む構造全体が、錫はんだまたは錫合金はんだ、例えば、錫/銀または錫/鉛合金等のはんだを含有する浴に移され、各銅ピラーの実質的に平坦な表面上にはんだバンプが電気めっきされて開口部の部分を充填する。残りのフォトレジストは、当該技術分野で既知の従来の手段によって除去され、ダイ上にはんだバンプを有する銅ピラーのアレイが残される。ピラーで覆われていないシード層の残りは、当該技術分野で周知のエッチングプロセスを通して除去される。はんだバンプを有する銅ピラーは、有機積層体、シリコン、またはガラスでできていてもよい、プリント回路板、別のウエハもしくはダイ、またはインターポーザー等の基板の金属接点と接触するように配置される。はんだをリフローさせ、銅ピラーを基板の金属接点に接合するように、当該技術分野で既知の従来のプロセスによってはんだバンプが加熱される。はんだバンプをリフローさせるための従来のリフロープロセスが用いられ得る。リフローオーブンの一例は、5つの加熱ゾーン及び2つの冷却ゾーンを含むSikiama International,IncのFALCON 8500ツールである。リフローサイクルは、1〜5回の範囲であり得る。銅ピラーは、物理的及び電気的の両方で基板の金属接点と接触している。次いで、アンダーフィル材料が、ダイ、ピラー、及び基板の間の空間を充填するために注入され得る。当該技術分野で周知の従来のアンダーフィル材料が使用され得る。
【0051】
図1及び2は、基部、側部、およびはんだバンプを電気めっきするために実質的に平坦な上部を有する、円筒状の形態を有する本発明の銅ピラーのSEMである。リフロー中、平滑な平面を得るためにはんだが溶解される。リフロー中にピラーが過度にドーム型である場合、はんだが溶解してピラーの側面に流れ落ちる可能性があり、その結果、ピラーの上面には後続の結合ステップのために十分なはんだが存在しなくなる。
図3に示すように、ピラーが過度に皿状である場合、ピラーを電気めっきするために使用された銅浴から残った材料が、皿状の上部に溜まり、はんだ浴を汚染し、ひいてははんだ浴の寿命を短縮する可能性がある。
【0052】
ピラーの電気めっき中に、銅ピラーと半導体ダイとの間に金属接点及び接着を提供するために、典型的には、チタン、チタン−タングステン、またはクロム等の材料からなるアンダーバンプメタライゼーション層が、当該技術分野で既知の従来のプロセスによってダイ上に析出される。代替として、銅ピラーと半導体ダイとの間に金属接点を提供するために、銅シード層等の金属シード層が半導体ダイ上に析出されてもよい。ダイからフォトレジスト層が除去された後、ピラーの下側の部分を除く、アンダーバンプメタライゼーション層またはシード層の全ての部分が除去される。当該技術分野で既知の従来のプロセスが、シード層を除去するために用いられ得る。
【0053】
銅ピラーの高さは異なってもよいが、典型的には、それらは1μm〜200μm、好ましくは5μm〜50μm、より好ましくは15μm〜50μm、またさらにより好ましくは15μm〜40μmの高さの範囲である。また、銅ピラーの直径も異なり得る。典型的には、銅ピラーは、2μm〜200μm、好ましくは10μm〜75μm、より好ましくは20μm〜25μmの直径を有する。
【0054】
電気銅めっきの方法および浴は、実質的に均一な形態を有し、また実質的にノジュールが存在しない、銅/フォトレジスト画定フィーチャを提供する。銅ピラー及びボンドパッドは、実質的に平坦なプロファイルを有する。電気銅めっきの浴及び方法は、所望の形態、及び平均%TIRと%WIDとの均衡を達成するための平均%TIRを可能にする。
【0055】
以下の実施例は、本発明をさらに例示することを意図するが、その範囲を制限することを意図するものではない。
【0056】
実施例1
凝縮器および温度計を装備した125mL三口丸底フラスコに、100mmolの2−(2−アミノエチル)ピリジンおよび20mLの脱イオン水を加えた。混合物を80℃まで加熱した後、100mmolの1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルを滴下で加えた。得られた混合物を、90℃に設定した油浴を用いて約4時間加熱し、次いで、さらに4時間室温で撹拌した。反応生成物(反応生成物1)溶液を、さらに精製することなく使用した。
【0057】
実施例2
凝縮器および温度計を装備した125mL三口丸底フラスコに、100mmolの2−(2−メチルアミノエチル)ピリジン及び20mLの脱イオン水を加えた。混合物を80℃まで加熱した後、100mmolの1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルを滴下で加えた。得られた混合物を、90℃に設定した油浴を用いて約4時間加熱し、次いで、さらに4時間室温で撹拌した。反応生成物を水で希釈し、保存容器に移し、さらに精製することなく使用した。
【0058】
実施例3
凝縮器および温度計を装備した125mL三口丸底フラスコ内で、90mmolの2−ベンジルアミノピリジン、10mmolの2−(2−アミノエチル)ピリジンを、20mLの脱イオン水及び6mlの50%硫酸の混合物に加えた。得られた混合物を80℃まで加熱した後、100mmolの1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルを滴下で加えた。反応混合物を、90℃に設定した油浴を用いて約4時間加熱し、次いで、さらに4時間室温で撹拌した。反応生成物(反応生成物3)溶液を、さらに精製することなく使用した。
【0059】
実施例4
凝縮器および温度計を装備した125mL三口丸底フラスコに、100mmolの2−(2−アミノエチル)ピリジン及び20mLの脱イオン水を加えた。混合物を70℃まで加熱した後、80mmolの1,2,7,8−ジエポキシオクタンを滴下で加えた。得られた混合物を、80℃に設定した油浴を用いて約4時間加熱し、次いで、さらに4時間室温で撹拌した。酸性水を用いて反応生成物(反応生成物4)を希釈し、さらに精製することなく使用した。
【0060】
実施例5
硫酸銅五水和物からの40g/L銅イオン、140g/L硫酸、50ppm塩化物イオン、5ppmの促進剤、及び2g/Lの抑制剤を組み合わせることによって、水性酸電気銅めっき浴を調製した。促進剤は、ビス(ナトリウム−スルホプロピル)ジスルフィドであった。抑制剤は、約1,000の重量平均分子量及び末端ヒドロキシル基を有するEO/POコポリマーであった。電気めっき浴はまた、実施例1からの1ppmの反応生成物1も含有していた。浴のpHは、1未満であった。
【0061】
厚さ50μmのパターン化されたフォトレジスト及び複数の開口部を有する300mmシリコンウエハセグメント(IMAT,Inc.、Vancouver,WAから入手可能)を、電気銅めっき浴に浸漬した。陽極は、可溶性銅電極であった。ウエハ及び陽極を整流器に接続し、開口部の底部の露出されたシード層上に銅ピラーを電気めっきした。開口部の直径は50μmであった。めっき中の電流密度は9ASDであり、電気銅めっき浴の温度は25℃であった。残りのフォトレジストを電気めっきした後、次いで、Dow Chemical Companyから入手可能なBPRフォトレジスト用ストリッパーアルカリ溶液で剥離し、ウエハ上に銅ピラーのアレイを残した。次いで、銅ピラーをそれらの形態について分析した。ピラーの高さ及びTIRは、白色光LEICA DCM 3D光学顕微鏡を使用して測定した。%TIRは、以下の方程式によって決定した:
%TIR=[高さ
center−高さ
edge]/高さ
max×100、
TIR=高さ
center−高さ
edge
【0062】
8つのピラーの平均%TIRも、表に示すように決定した。
【0064】
ピラーのアレイの%WIDは、白色光LEICA DCM 3D光学顕微鏡、及び以下の方程式によって決定した:
%WID=1/2×[(高さ
max−高さ
min)/高さ
avg]×100
【0065】
%WIDは7.9%であり、平均%TIRは7.7%であった。ピラーの表面は、全て平滑で、ノジュールは存在しないように見えた。反応生成物1を含む電気銅めっき浴は、良好に銅ピラーをめっきした。
図1は、シード層上にめっきされたピラーのうちの1つの300倍AMRAY SEM画像であり、光学顕微鏡を用いて分析した。ピラーの表面形態は平滑であり、ピラーは実質的に平坦な表面を有していた。推定されるピラーの%TIRは、約0〜5%であった。
【0066】
実施例6
厚さ50μmのパターン化されたフォトレジスト及び複数の開口部を有するシリコンウエハセグメント(IMAT,Inc.、Vancouver,WAから入手可能)を、実施例5の電気銅めっき浴に浸漬した。陽極は、可溶性銅電極であった。ウエハ及び陽極を整流器に接続し、開口部の底部の露出されたシード層上に銅ピラーを電気めっきした。めっき中の電流密度は9ASDであり、電気銅めっき浴の温度は室温であった。
【0067】
銅ピラーを用いてウエハをめっきした後、SOLDERON(商標)BP TS6000錫/銀電気めっき液(Dow Chemical Company、Midland,MIから入手可能)を使用して、銅ピラーの上部を錫/銀はんだで電気めっきした。各開口部において、フォトレジストのレベルまではんだを電気めっきした。次いで、アルカリ剥離液を使用してフォトレジストを剥離した。次いで、30秒の滞留時間及び100cm/分のコンベア速度及び40立方フィート/時間(約1.13立方メートル/時間)の窒素流量で、140/190/230/230/260℃の温度を用いて、5つの加熱ゾーン及び2つの冷却ゾーンを有するSikama International,Inc.のFalcon 8500ツールを使用してシリコンウエハをリフローさせた。ALPA 100−40融剤(Cookson Electronics、Jersey City,N.J.,U.S.A)が、リフローで使用した融剤であった。1回のリフローサイクルを行った。リフロー後、FIB−SEMを使用して8つのピラーを横断面で切断し、銅ピラーとはんだとの界面をボイドについて調べた。はんだと銅ピラーとの界面にボイドは観察されなかった。
【0068】
実施例7
シリコンウエハが厚さ40μmのパターン化されたフォトレジスト及び直径20μmの複数の開口部を有していたこと(IMAT,Inc.、Vancouver,WAから入手可能)を除いて、実施例5に記載した銅ピラーめっきプロセスを繰り返した。反応生成物1は、10ppmの量で電気銅めっき浴に含まれ、めっきは4.5ASDで行われた。8つの銅ピラーをそれらの形態について分析した。
【0070】
ピラーのアレイの%WIDは5%であり、平均%TIRは11.6%であった。ピラーの表面は、平滑で、ノジュールは存在しないように見えた。ピラーに若干のドーミングが認められたが、はんだバンプを受容するには好適であった。
【0071】
実施例8
反応生成物1が10ppmの量で電気銅めっき浴に含まれたことを除いて、実施例5に記載した銅ピラーめっきプロセスを繰り返した。8つのピラーをそれらの形態について分析した。
【0073】
%WIDは7.1%であり、平均%TIRは7.1%であった。ピラーの表面は、平滑で、ノジュールは存在しないように見えた。ピラーは、はんだバンプを受容するのに十分に平坦な上部を有していた。
【0074】
実施例9
反応生成物1が0.25ppmの量で電気銅めっき浴に含まれ、電気銅めっき浴が30℃の温度であり、銅めっきが14ASDの電流密度で行われたことを除いて、実施例5に記載した銅ピラーめっきプロセスを繰り返した。下の表4は、300mmシリコンウエハセグメントの分析から得られたデータを開示している。
【0076】
%WIDは12.2%であると決定され、平均%TIRは−2.8%であった。ピラーの形態は、平滑で、ノジュールは存在しないように見えた。
【0077】
実施例10
シリコンウエハが厚さ40μmのパターン化されたフォトレジスト及び直径20μmの複数の開口部を有していたこと(IMAT,Inc.、Vancouver,WAから入手可能)を除いて、実施例5に記載した銅ピラーめっきプロセスを繰り返した。反応生成物2は、1ppmの量で電気銅めっき浴に含まれ、めっきは4.5ASDで行われた。8つの銅ピラーをそれらの形態について分析した。
【0079】
%WIDは9%であり、平均%TIRは10.4%であった。ピラーの表面は、平滑で、ノジュールは存在しないように見えた。ピラーは若干ドーム型であったが、それらは、はんだを受容するのに十分に上部が平坦であった。
【0080】
実施例11
シリコンウエハが厚さ50μmのパターン化されたフォトレジスト及び直径50μmの複数の開口部を有しており(IMAT,Inc.、Vancouver,WAから入手可能)、反応生成物1の代わりに反応生成物3が浴に含まれたことを除いて、実施例5に記載した銅ピラーめっきプロセスを繰り返した。反応生成物3は、10ppmの量で電気銅めっき浴に含まれ、めっきは9ASDで行われた。8つの銅ピラーをそれらの形態について分析した。
【0082】
%WIDは8.3%であり、平均%TIRは7.4%であった。ピラーの表面は、平滑で、ノジュールは存在しないように見えた。ピラーの上部は、はんだバンプを受容するのに十分に平坦であった。
【0083】
実施例12
電気銅めっき浴中の反応生成物が上記実施例3の反応生成物3であったことを除いて、実施例6の方法を繰り返した。銅ピラーの上部をSOLDERON(商標)BP TS6000錫/銀電気めっき液でめっきし、次いで、実施例6に記載されるようにリフローさせた。リフロー後、FIB−SEMを使用して8つの銅ピラーを横断面で切断し、銅ピラーとはんだとの界面をボイドについて調べた。はんだと銅ピラーとの界面にボイドは観察されなかった。
【0084】
実施例13
反応生成物1の代わりに反応生成物4が浴に含まれたこと、及び銅めっきが14ASDで行われたことを除いて、実施例5に記載した銅ピラーめっきプロセスを繰り返した。反応生成物4を1ppmの量で銅浴に加えた。8つのピラーをそれらの形態について分析した。
【0086】
%WIDは14.2%であり、平均%TIRは−5.3%であった。ピラーの表面は、平滑で、ノジュールは存在しないように見えた。ピラーにごくわずかなディッシングが認められたが、全体として、上部は十分に平坦であった。
図2は、電気めっきされたピラーのうちの1つのSEMである。
【0087】
実施例14
電気銅めっき浴中の反応生成物が上記実施例4の反応生成物4であったこと、及び電気銅めっきが14ASDで行われたことを除いて、実施例6の方法を繰り返した。銅ピラーの上部をSOLDERON(商標)BP TS6000錫/銀電気めっき液でめっきし、次いで、実施例6に記載されるようにリフローさせた。リフロー後、FIB−SEMを使用して8つの銅ピラーを横断面で切断し、銅ピラーとはんだとの界面をボイドについて調べた。はんだと銅ピラーとの界面にボイドは観察されなかった。
【0088】
実施例15(比較例)
シリコンウエハが厚さ40μmのパターン化されたフォトレジスト及び直径20μmの複数の開口部を有していたこと(IMAT,Inc.、Vancouver,WAから入手可能)、ならびに反応生成物が銅浴に含まれなかったことを除いて、実施例5に記載した銅ピラーめっきプロセスを繰り返した。電気銅めっき浴は、次の構成成分を有していた:硫酸銅五水和物からの40g/L銅イオン、140g/L硫酸、50ppm塩化物イオン、5ppmのビス(ナトリウム−スルホプロピル)ジスルフィド,及び約1,000の重量平均分子量及び末端ヒドロキシル基を有する2g/LのEO/POコポリマー抑制剤。浴のpHは、1未満であった。水を除いて、さらなる構成成分は浴中に含まれなかった。電気銅めっきは9ASDで行われた。8つの銅ピラーをそれらの形態について分析した。
【0090】
ピラーは、ノジュールを含まない平滑な表面を有するように見えたが、%WIDが17%を超過し、平均%TIRが12%を上回り、全体的な結果は不良であった。分析した全てのピラーが、著しくドーム型の上部を有していた。
【0091】
実施例16(比較例)
凝縮器および温度計を装備した125mL三口丸底フラスコ内で、90mmolの2−メチルキノリン−4−アミン、10mmolの2−(2−アミノエチル)ピリジンを、20mLの脱イオン水及び5mlの50%硫酸の混合物に加えた。混合物を80℃まで加熱した後、100mmolの1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルを滴下で加えた。得られた混合物を、95℃に設定した油浴を用いて約4時間加熱し、次いで、さらに8時間室温で撹拌した。酸性水を用いて反応生成物(反応生成物5−比較例)を希釈し、さらに精製することなく使用した。
【0092】
実施例17(比較例)
凝縮器および温度計を装備した125mL三口丸底フラスコに、50mmolの2−(2−アミノエチル)ピリジン及び20mLの脱イオン水を加えた。混合物を70℃まで加熱した後、50mmolのエピクロロヒドリンを滴下で加えた。得られた混合物を、80℃に設定した油浴を用いて約4時間加熱し、次いで、さらに4時間室温で撹拌した。反応生成物(反応生成物6−比較例)を水で希釈し、さらに精製することなく使用した。
【0093】
実施例18(比較例)
反応生成物1の代わりに実施例16の反応生成物5−比較例が浴に含まれたことを除いて、実施例5に記載した銅ピラーめっきプロセスを繰り返した。電気銅めっきは9ASDで行われた。反応生成物5−比較例を、1ppmの量で銅浴に加えた。8つのピラーをそれらの形態について分析した。
【0094】
ピラーの多くは、ノジュールを含む粗い表面を有しており、全てのピラーが不規則な形状であり、多くは
図3に示すような「陥没した」上部を有していた。形状測定器が正確に読み取るにはピラーに欠陥が多すぎたため、%WID及び%TIRは決定されなかった。
【0095】
実施例19(比較例)
反応生成物1の代わりに反応生成物5−比較例が10ppmの量で銅浴に加えられたことを除いて、実施例5の方法を繰り返した。結果は、実施例18と実質的に同じであり、ピラーの大半が粗い表面を有し、全てが皿状または陥没した上部を有していた。形状測定器は、ピラーを正確に読み取ることはできなかった。
【0096】
実施例20(比較例)
反応生成物1の代わりに実施例17の反応生成物6−比較例が浴に含まれたことを除いて、実施例5に記載した銅ピラーめっきプロセスを繰り返した。電気銅めっきは、14ASDで行われた。反応生成物6−比較例を10ppmの量で銅浴に加えた。8つのピラーをそれらの形態について分析した。
【0098】
ピラーは、平滑な表面を有していた。%WIDは12.7%であり、平均%TIRは−11.3%であった。全てのピラーは、著しく皿状の上部を有していた。