(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の説明は、本開示の革新的態様を説明する目的で、いくつかの実装態様を対象とする。しかしながら、本明細書の教示が多数の異なる方法で適用され得ることを、当業者は容易に認識するだろう。説明される実装形態は、超音波感知システムを含む、任意のデバイス、装置、またはシステムにおいて実装され得る。加えて、説明された実装形態は、限定はされないが、携帯電話、マルチメディアインターネット対応携帯電話、モバイルテレビジョン受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA,personal data assistant)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドコンピュータまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリデバイス、全地球測位システム(GPS,global positioning system)受信機/ナビゲータ、カメラ、(MP3プレーヤのような)デジタルメディアプレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、時計、計算器、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子書籍デバイス(たとえば、電子リーダ)、モバイルヘルスデバイス、コンピュータモニタ、(オドメータおよびスピードメータのディスプレイなどを含む)自動車用ディスプレイ、コックピットコントロールおよび/またはコックピットディスプレイ、(車両におけるリアビューカメラのディスプレイのような)カメラビューディスプレイ、電子写真、電子掲示板または電子標識、プロジェクタ、建築物、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダまたはカセットプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯/乾燥機、パーキングメータ、(微小電気機械システム(MEMS,microelectromechanical system)を含む電気機械システム(EMS,electromechanical system)用途、ならびに非MEMS用途などにおける)パッケージング、(1つの宝飾品または衣類上への画像の表示のような)美的構造物、ならびに様々なEMSデバイスのような、様々な電子デバイスに含まれてよく、またはそれらと関連付けられてよいと考えられる。本明細書の教示は、限定はされないが、電子スイッチングデバイス、高周波フィルタ、センサ、加速度計、ジャイロスコープ、動き検知デバイス、磁力計、家庭用電子機器の慣性コンポーネント、家庭用電子機器製品の部品、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、駆動方式、製造プロセス、および電子試験機器のような用途でも使用され得る。したがって、本教示は、単に図に示された実装形態に限定されるものではなく、代わりに、当業者には容易に明らかになるであろう広い適用性を有する。
【0008】
本明細書で説明されるいくつかの実装形態は、接着剤によって薄膜トランジスタ(TFT,thin film transistor)アレイに接合された圧電受信機層を含む、超音波センサに関する。いくつかの実装形態は、圧電受信機層をTFTアレイに接合することを含む、超音波センサを形成するためのプロセスに関する。本明細書で説明される実装形態の利点は、標準的なTFTアレイによって実装され得る超音波センサを含む。本明細書で説明される実装形態は、TFTプロセシングに対する特別な変更を伴わずに、圧電受信機層の接合を可能にする。
【0009】
図1A〜
図1Cは、超音波センサシステムの概略図の例を示す。
図1Aに示されるように、超音波センサシステム10は、プラテン40の下に超音波送信機20および超音波受信機30を含む。超音波送信機20は、超音波21を生成することができる圧電送信機であり得る(
図1B参照)。超音波受信機30は、圧電材料と、基板上に配設されたピクセル回路のアレイとを含む。動作において、超音波送信機20は、プラテン40の露出した表面42へと超音波受信機30を通って進む超音波21を生成する。プラテン40の露出した表面42において、超音波エネルギーは、指紋の隆線28の肌のようなプラテン40と接触している物体25へと伝達され、物体25によって吸収され、もしくは散乱され、または反射され得る。空気がプラテン40の露出した表面42と接触する位置、たとえば、指紋の複数の隆線28の間の谷間27において、超音波21の大半は、検出のための超音波受信機30に向かって反射される(
図1C参照)。制御電子装置50が、超音波送信機20および超音波受信機30に結合されてよく、超音波送信機20に1つまたは複数の超音波21を生成させるタイミング信号を供給することができる。制御電子装置50は次いで、反射された超音波エネルギー23を示す超音波受信機30から信号を受信することができる。制御電子装置50は、物体25のデジタル画像を構築するために、超音波受信機30から受信された出力信号を使用することができる。
【0010】
図2は、プラテン40の下に超音波送信機20および超音波受信機30を含む超音波センサシステム10の分解図の例を示す。超音波送信機20は、実質的に平面的な圧電送信機層22を含む、平面波生成器であり得る。超音波は、圧電層に電圧を印加し、印加される信号に応じて層を伸長または収縮させて、その結果平面波を生成することによって、生成され得る。電圧は、第1の送信機電極24および第2の送信機電極26を介して、圧電送信機層22に印加され得る。この方式で、超音波は、圧電送信機層22を伸長または収縮させることによって作られ得る。この超音波は、指(または検出されるべき他の物体)に向かって進み、プラテン40を通過することができる。検出されるべき物体によって吸収または送信されない波の一部分は、プラテン40を再び通過するように反射され、超音波受信機30によって受信され得る。第1の送信機電極24と第2の送信機電極26は、金属被覆されてよく、またはそうでなければ導電性の電極、たとえば、圧電送信機層22の両側を被覆する金属層であってよい。
【0011】
超音波受信機30は、バックプレーンとも呼ばれることがある基板34上に配設されるピクセル回路32のアレイと、背後のピクセル回路32の上に配置される、またはそうでなければそれに結合される、圧電受信機層36とを含み得る。いくつかの実装形態では、各ピクセル回路32は、1つまたは複数の薄膜トランジスタを含んでよく、いくつかの実装形態では、ダイオード、キャパシタなどのような1つまたは複数の追加の回路素子を含んでよい。各ピクセル回路32は、ピクセル回路に近接した圧電受信機層36によって生成された電荷を電気信号に変換するように構成され得る。各ピクセル回路32は、圧電受信機層36をピクセル回路32に電気的に結合するピクセル入力電極38を含み得る。示される実装形態では、受信機バイアス電極39は、ピクセル回路32とは反対の、圧電受信機層36の側に配設される。受信機バイアス電極39は、どの信号がTFTアレイに渡されるかを制御するために、接地またはバイアスされ得る。受信機バイアス電極は、たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、銅およびニッケル、金、白金および金、クロムおよび金、クロムおよびアルミニウム、クロムおよび銅、銅を伴うクロムおよび金、銀、インジウムスズ酸化物(ITO,indium−tin−oxide)もしくは他の導電性酸化物、銀およびウレタンポリマー、または他の適度に導電性の材料の1つまたは複数の層を含み得る。プラテン40の露出した(上側)表面から反射された超音波エネルギーは、圧電受信機層36によって、局在化された電荷に変換される。これらの局在化された電荷は、ピクセル入力電極38によって収集され、背後のピクセル回路32に渡され得る。電荷は、ピクセル回路32によって増幅されてよく、ピクセル回路からの出力信号は、センサコントローラまたは信号処理のための他の回路に送られてよい。例示的なピクセル回路32の簡略化された図が
図3Aに示されているが、簡略化された図に示される例示的なピクセル回路32の多くの変形およびピクセル回路32に対する修正が考えられ得ることを、当業者は諒解するだろう。
【0012】
制御電子装置50は、第1の送信機電極24および第2の送信機電極26と、また、受信機バイアス電極39およびTFT基板34上のピクセル回路32とも、電気的に接続され得る。制御電子装置50は実質的に、
図1A〜
図1Cに関して以前に論じられたように動作することができる。
【0013】
プラテン40は、受信機に音響的に結合され得る任意の適切な材料であってよく、例には、プラスチック、セラミック、サファイア、複合材料、金属および合金、金属充填されたポリマー、ポリカーボネート、およびガラスを含む。いくつかの実装形態では、プラテン40は、カバープレート、たとえばディスプレイ用のカバーガラスまたはカバーレンズであってよい。いくつかの実装形態では、プラテン40は、アルミニウム、アルミニウム合金、クロムモリブデン、ステンレス鋼、または金属充填されたポリマーであってよい。検出および撮像は、望まれれば比較的厚いプラテンを通じて、たとえば1mm以上のプラテンを通じて実行され得る。いくつかの実装形態では、電子デバイスのためのケーシングまたはハウジングがプラテンとして機能し得る。いくつかの実装形態では、モバイルデバイスの筐体の背面、側面、または前面がプラテンとして機能してよく、それは、本明細書で説明される超音波センサは、筐体の壁を通じて直接、指紋を撮像し、または生体情報を取得することができるからである。いくつかの実装形態では、ウレタン、アクリル、パリレン、またはダイヤモンド様コーティング(DLC,diamond−like coating)の薄い層のようなコーティングが、プラテンとして機能し得る。
【0014】
様々な実装形態に従って利用され得る圧電材料の例は、適切な音響特性、たとえば、約2.5MRaylと5MRaylの間の音響インピーダンスを有する、圧電ポリマーを含む。利用され得る圧電材料の具体的な例は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF,polyvinylidene fluoride)およびポリフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン(PVDF−TrFE,polyvinylidene fluoride−trifluoroethylene)コポリマーのような、強誘電性のポリマーを含む。PVDFコポリマーの例は、60:40(モル比)のPVDF−TrFE、70:30のPVDF−TrFE、80:20のPVDF−TrFE、および90:10のPVDR−TrFEを含む。利用され得る圧電材料の他の例は、テフロン(登録商標)および他のPTFEポリマー、ポリ塩化ビニリデン(PVDC,polyvinylidene chloride)ホモポリマーおよびコポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE,polytetrafluoroethylene)ホモポリマーおよびコポリマー、ならびに臭化ジイソプロピルアンモニウム(DIPAB,diisopropylammonium bromide)を含む。
【0015】
圧電送信機層22および圧電受信機層36の各々の厚さは、超音波を生成および受信するのに適しているように選択され得る。一例では、PVDF圧電送信機層22は約28μmの厚さであり、かつPVDF−TrFE受信機層36は約12μmの厚さである。超音波の例示的な周波数は、5MHzから30MHzの範囲にあり、波長は4分の1ミリメートル以下のオーダーである。
【0016】
図1Aから
図1Cおよび
図2は、超音波センサシステムにおける超音波送信機および受信機の例示的な構成を示し、他の構成も可能である。たとえば、いくつかの実装形態では、超音波センサシステムは音響遅延層を含み得る。たとえば、音響遅延層は、超音波送信機20と超音波受信機30との間に、超音波センサシステム10へと組み込まれ得る。音響遅延層は、超音波パルスのタイミングを調整し、同時に、超音波送信機20から超音波受信機30を電気的に絶縁するために利用され得る。遅延層は、実質的に均一な厚さを有してよく、遅延層のために使用される材料および/または遅延層の厚さは、反射された超音波エネルギーが超音波受信機30に達するための、所望の時間的な遅延をもたらすように選択される。そうすることによって、物体によって反射されたことにより物体についての情報を搬送するエネルギーパルスは、超音波センサシステム10の他の部分から反射されたエネルギーが超音波受信機30に到達している見込みがないとき、ある時間の範囲の間に超音波受信機30に到達するようにされ得る。いくつかの実装形態では、TFT基板34および/またはプラテン40が超音波遅延層として機能し得る。
【0017】
図3Aは、超音波センサのピクセルの4×4のピクセルアレイを示す。各ピクセルは、たとえば、圧電センサ材料のある局所部分、ピーク検出ダイオード、および読出しトランジスタと関連付けられてよく、これらの素子の多くまたはすべてが、ピクセル回路を形成するためにバックプレーン上に、またはバックプレーン中に形成され得る。実際には、各ピクセルの圧電センサ材料のその局所部分は、受信された超音波エネルギーを電荷に変換することができる。ピーク検出ダイオードは、圧電センサ材料のその局所部分によって検出される最大の量の電荷を登録することができる。ピクセルアレイの各行は次いで、たとえば、行選択機構、ゲートドライバ、またはシフトレジスタを通じて走査されてよく、各列のための読出しトランジスタは、各ピクセルに対するピーク電荷の大きさが、追加の回路、たとえばマルチプレクサおよびA/Dコンバータによって読み取られることを可能にするように、トリガされ得る。ピクセル回路は、ピクセルのゲーティング、アドレッシング、およびリセットを可能にするための、1つまたは複数のTFTを含み得る。
【0018】
各ピクセル回路32は、超音波センサシステム10によって検出される物体の小さな部分についての情報を提供することができる。図示の便宜上、
図3Aに示される例は分解能が比較的粗いが、
図2に示されたものと実質的に同様の階層化された構造によって構成される、500ピクセル/インチ以上のオーダーの分解能を有する超音波センサシステムが、本発明者らによって実現されている。超音波センサシステム10の検出領域は、検出の意図される物体に応じて選択され得る。たとえば、検出領域は、1本の指の場合の5mm×5mmから、4本の指の場合の3インチ×3インチにまでわたり得る。物体に対して適宜、より小さなおよびより大きな領域が使用され得る。
【0019】
図3Bは、超音波センサシステムのハイレベルなブロック図の例を示す。示される要素の多くは、制御電子装置50の一部を形成し得る。センサコントローラは、センサシステムの様々な態様、たとえば、超音波送信機のタイミングおよび励振波形、超音波受信機およびピクセル回路のためのバイアス電圧、ピクセルアドレッシング、信号のフィルタリングおよび変換、読出しフレームレートなどを制御するように構成される、制御ユニットを含み得る。センサコントローラはまた、超音波センサ回路ピクセルアレイからデータを受け取るデータプロセッサを含み得る。データプロセッサは、デジタル化されたデータを指紋の画像データへと変換し、または、またはさらなる処理のためにデータをフォーマットすることができる。
【0020】
たとえば、制御ユニットは、送信機(Tx)ドライバに超音波送信機を励振させて平面超音波を生成させるために、Tx励振信号を一定の間隔でTxドライバに送信することができる。制御ユニットは、受信機バイアス電極をバイアスしてピクセル回路による音響信号検出のゲーティングを可能にするために、受信機(Rx)バイアスドライバを通じてレベル選択入力信号を送ることができる。センサピクセル回路の特定の行または列に出力信号を提供させるゲートドライバをオンおよびオフするために、デマルチプレクサが使用され得る。ピクセルからの出力信号は、チャージアンプ、RCフィルタまたはアンチエイリアスフィルタのようなフィルタ、およびデジタイザを通じてデータプロセッサに送られ得る。システムのその部分はTFTバックプレーン上に含まれてよく、他の部分は関連する集積回路に含まれてよいことに留意されたい。
【0021】
上で示されたように、本明細書で説明されるいくつかの実装形態は、接着剤によってTFTアレイに接合された圧電受信機層を含む、超音波受信機に関する。いくつかの実装形態は、圧電受信機層をTFTアレイに接合することを含む、超音波センサを形成するためのプロセスに関する。
【0022】
本明細書で使用される場合、「接合すること」は、糊、セメント、または他の接着剤の使用により2つ以上の固体の物体を一緒に固定することを指し、「接合された」は、そのように固定された2つ以上の固体の物体を指す。接着剤の例は、一成分エポキシおよび二成分エポキシ、シアノアクリレート、シリコン、ポリウレタン、熱可塑性樹脂、エラストマー接着剤、熱硬化性接着剤、UV硬化性接着剤、熱硬化接着剤、熱溶融接着剤、フェノール、アクリル、アクリル酸、ポリアミド、コンタクト接着剤、および感圧接着剤(PSA)を含む。
【0023】
本明細書で説明されるいくつかの実装形態は、超音波指紋撮像器に関する。本明細書で使用される場合、「指紋」という用語は指紋または親指の指紋を指し得る。
【0024】
図4は、接合された圧電受信機層36を含む超音波センサシステム10の概略図の例を示す。接合された圧電層を含む超音波センサシステムの様々なコンポーネントの簡単な説明が
図4に関して与えられ、コンポーネントの詳細および接合された圧電層を含む超音波センサシステムのさらなる例が、
図7A〜
図13Gに関して下でさらに論じられる。超音波センサシステム10は、
図1および
図2に関して上で論じられたように、プラテン40と、圧電受信機層36と、TFT基板34と、圧電送信機層22とを含む。
【0025】
圧電送信機層22の両側は、第1の送信機リード24bに接続され得る第1の送信機電極24aと第2の送信機リード26bに接続され得る第2の送信機電極26aとを形成するために、金属被覆されていてよく、または別様に導電性材料で被覆されていてよい。金属被覆された圧電送信機膜は、接着剤68によってTFT基板34に接続され得る。接着剤68および、接着剤62、接着剤64、および接着剤66のような他の接着層は、
図4および
図7A〜
図12Bにおいては明瞭性のために拡大されており、図中の同様の他の層は一般に縮尺通りに描かれていない。
【0026】
図4の例では、スペーサ層80が、圧電受信機層36とプラテン40との間に配設される。スペーサ層80は、フレキシブルプリント回路(FPC,flexible printed circuit)90に取り付けられたコンポーネントを含む、超音波センサシステム10の様々なコンポーネントのためのクリアランスを提供し得る。フレキシブルプリント回路は、単に「フレキ」としても知られていることがある。FPC 90は、FPC 90内に、またはFPC 90の片側または両側に、1つまたは複数の電極または導体を含み得ることが理解される。下でさらに論じられるように、スペーサ層80は、いくつかの実装形態では存在しないことがある。存在する場合、スペーサ層80は、接着剤62を介してプラテン40に、および接着剤64によって圧電受信機層36の金属被覆された側に接合され得る。
【0027】
圧電受信機層36の一方の側は、受信機バイアス電極リード39bに接続され得る受信機バイアス電極39aを形成するために金属被覆され得る。様々な実装形態によれば、受信機バイアス電極39aおよび受信機バイアス電極リード39bは、同じまたは異なる材料を使用し得る。圧電受信機層36の他方の側は、接着剤66によってピクセル回路32に接続され得る。
図2に関して上で論じられたように、各ピクセル回路32はピクセル入力電極を含み得る。圧電受信機層36は、ピクセル入力電極を通じてピクセル回路32に電気的に結合されてよく、または別様にピクセル回路32に接続されてよい。いくつかの実装形態では、圧電受信機層36は、接着剤66を通じてピクセル回路32に容量的に結合される。いくつかの実装形態では、圧電受信機層36は、たとえば、異方性に導電性である接着剤または軽度に導電性の接着剤66を通じてピクセル回路32に抵抗的に結合される。
【0028】
TFT基板34は、その上にピクセル回路32が製作される薄い基板、たとえばガラス基板またはプラスチック基板であってよい。いくつかの実装形態では、TFT基板34は、シリコンウエハまたシリコン・オン・インシュレータ(silicon−on−insulator)ウエハのような、シリコン、単結晶シリコン、または他の半導体材料であってよい。ピクセル回路32およびTFT基板34に関連する他の回路は、従来のシリコンデバイスウエハのような、基板中に製作されるトランジスタから形成され得る。ピクセル回路32の例は、上で論じられたように
図3Aに示される。ピクセル回路32に加えて、TFT基板は、1つまたは複数の導電性接合パッド33のような、その上に製作される追加のコンポーネントを有し得る。いくつかの実装形態では、保護裏側キャップ60が、圧電送信機層22などの中の素子を機械的損傷または環境的損傷から保護するために配設され得る。保護キャップ60は、電磁障害(EMI,electromagnetic interference)からのキャップ60の内部の素子の保護、または、キャップ60内の素子によって生成されるEMIからのキャップ60の外側のデバイスの保護を提供することができる。
【0029】
FPC 90は、その上に搭載される1つまたは複数の受動コンポーネントまたは能動コンポーネントを有し得る。第1の送信機リード24b、第2の送信機リード26b、および受信機バイアス電極リード39bは、FPC 90を介してこれらのコンポーネントの1つまたは複数と電気的に連絡するように構成され得る。たとえば、チップオンフレックス(COF,chip−on−flex)が取り付けられた特定用途向け集積回路(ASIC,application specific integrated circuit)92が、FPC 90の一方の側または他方の側に配設され得る。キャパシタ、抵抗、およびインダクタのような1つまたは複数の個別のデバイスが、FPC 90の一方または両方の側に含まれ得る(図示されない)。超音波センサシステム10はさらに、FPC 90を介してプリント回路基板(PCB,printed circuit board)または他の集積基板に接続するように構成され得る。いくつかの実装形態では、1つまたは複数の補強具94がFPC 90に取り付けられ得る。リードの材料の例は、導電性インク、銅膜、および他の導体を含む。いくつかの実装形態では、ワイヤボンドまたは編組線が利用され得る。補強具の材料の例は、アルミニウム、陽極酸化されたアルミニウム、ステンレス鋼、および、FR4、ポリイミド材料、および熱可塑性樹脂のようなプリント回路基板の材料のような、導電性材料と絶縁性材料の両方を含む。
【0030】
図5は、超音波センサの製造プロセスを示す流れ図の例である。製造プロセス100のブロック102において、TFT基板が設けられる。TFT基板は、ピクセル入力電極を形成するためにピクセル回路の入力を覆って堆積される導電性パッドを含む、TFT基板上に形成されるピクセル回路を含み得る。上で示されたように、特定の実装形態によれば、TFT基板はまた、ピクセル回路、超音波受信機、超音波送信機、フレキシブルプリント回路、または他の電気的コンポーネントの間の接続を提供するための、導電性経路および接合パッドを含み得る。TFT基板を形成するために標準的なTFTプロセシングが利用され得る。いくつかの実装形態では、TFT基板は、約300マイクロメートルから700マイクロメートルの間の厚さを伴うボロシリケイトガラスを含み得る。いくつかの実装形態では、ガラスは、センサシステム10の全体の厚さを低減するために薄くされ得る。いくつかの実装形態では、TFT基板34は、約300マイクロメートル未満または約100マイクロメートル未満の厚さを伴う、薄いフレキシブルガラス層またはプラスチック層を含み得る。TFT基板材料の例は、ボロシリケイトガラスと、Neopulim(商標)透明ポリイミド含むポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET,polyethylene terephthalate)、およびポリエチレンナフタレート(PEN,polyethylene napthalate)を含む、フレキシブル高分子基板とを含む。
【0031】
プロセス100のブロック104において、圧電受信機層が設けられる。いくつかの実装形態では、圧電受信機は、片側の金属被覆を有する圧電層として設けられ得る。ブロック106において、圧電送信機(Tx)が設けられる。いくつかの実装形態では、圧電送信機は、片側または両側の金属被覆を有する圧電層として設けられ得る。
【0032】
受信機電極層または送信機電極層のいずれかのための金属被覆の例は、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銅(Cu)、銅合金、ニッケル銅(NiCu)、金(Au)、白金−金(PtAu)、クロム−金(CrAu)、クロム−アルミニウム(CrAl)、クロム−銅(CrCu)、銅および金を伴うクロム、銀、ITOまたは他の導電性酸化物、および、銀インク、銀エポキシ、または銀ポリウレタン(AgUr)のようなポリマーマトリックス中の銀(Ag)を含む。たとえば、1つまたは複数の受信機電極層または送信機電極層は、約0.1μmと0.5μmの間の厚さを伴う銅または銅合金の層の頂部に堆積される、約15nmと50nmの間のニッケルまたはクロムの層から形成され得る。ウレタン、アクリル、パリレン、またはダイヤモンド様コーティング(DLC)の薄い層のような保護コーティングが、引っかきおよび腐食に対する耐性を提供するために金属被覆の上に配置され得る。
【0033】
いくつかの実装形態では、単一の圧電層が、包み込み構成で受信機と送信機の両方のために設けられ得る。そのような実装形態の例は、
図12A〜
図13Gに関して下で論じられる。
【0034】
ブロック108および110は、特定の実装形態に従って任意選択で実行され得る。ブロック108において、スペーサ層が設けられ得る。例示的なスペーサ材料は、ボロシリケイトガラス、ソーダライムガラス、およびGorilla(商標)ガラスのようなガラス基板、およびポリカーボネートのようなプラスチック基板を含む。スペーサ層の例示的な厚さは、約0.1mmから1mm以上にまでわたり得る。ブロック110において、裏側保護キャップが設けられ得る。裏側キャップは、金属被覆されたプラスチックまたは錫メッキされた鋼のような材料であってよい。例示的な厚さは、約50μmから200μm以上にまでわたり得る。
【0035】
ブロック112において、1つまたは複数のFPCまたは他の電気的接続手段が設けられ得る。上で示されたように、FPCは、ASIC、抵抗、キャパシタ、および機械的補強具のような、FPCに取り付けられる1つまたは複数の電気的コンポーネントおよび/または機械的コンポーネントを有し得る。
【0036】
上で説明されたコンポーネントは、超音波センサ組立体を形成するためにブロック114において組み立てられ得る。様々な実装形態による組立体の例が、
図6〜
図13Gに関して下でさらに論じられる。センサ組立体は次いで、カバーガラスまたは他のプラテンに接合する前に、ブロック116において任意選択で較正され試験され得る。いくつかの実装形態では、ウレタン、アクリルコーティング、パリレン、またはDLCの層のような薄いコーティングが、プラテンとして機能するために、ならびに、引っかきに対する耐性および周辺環境からの保護を提供するために、圧電受信機の外側の表面に施され得る。
【0037】
図6は、超音波センサの製造プロセスを示す流れ図の別の例である。
図6の中の1つまたは複数の動作は、上で説明された方法100のブロック114の一部として実行され得る。プロセス120のブロック122において、圧電受信機層が接着剤によってTFT基板に接合される。下でさらに論じられるように、接着剤は、実質的に均一な厚さを伴い比較的薄くてよい。圧電受信機層を接合することは、真空接合、ホットロールラミネーション、コールドロールラミネーション、コンタクト接合、ホットプレス接合、コールドプレス接合、または他の接着接合プロセスのような、任意の適切な接合プロセスを含み得る。液体接着剤の塗布プロセスの例は、ディスペンシング、マイクロディスペンシング、スクリーン印刷、シルクスクリーニング、プレス加工、グラビア印刷、スロットコーティング、スロットダイコーティング、噴霧、ブラッシング、浸漬、ローラーまたは逆ローラーによる塗布、ドラム上のブレードによる塗布、ワイヤロッドによる塗布、およびインクジェットまたは浸漬ペンによる塗布を含む。気泡、または材料の密度、音速、および厚さの大きな変動のような、音響的な不均一性を避けるように、接着剤が選択され、接合が実行される。微小な隙間、線、局所的な層剥離、しわ、発泡、残存した溶剤、埋め込まれた粒子、および材料の不均質は、回避または軽減されるべきである。接着剤の例は、PSAおよびエポキシを含み得る。いくつかの実装形態では、溶剤に基づく接着剤が使用されてよく、このとき溶剤は、接合される表面の接触を行う前に実質的に発掘される。接合プロセスは、ラミネーティング、搭載、または嵌合を含み得る。
【0038】
いくつかの実装形態では、接着剤は、その厚み方向には電気的に導電性であるが、横方向には抵抗性である。そのような接着剤の例は、異方性導電フィルム(ACF,anisotropic conductie film)を含む。いくつかの実装形態では、(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES,(3-aminopropyl)triethoxysilane)のような、薄いが適度に抵抗性である接着剤が使用され得る。そのような接着剤を利用することで、圧電受信機層とTFTピクセル回路との間の容量性結合を減らし、または除去することができる。一般に、TFT基板への圧電受信機層の接着接合は、隣接するピクセル回路の間の電気的短絡を防ぎ、かつTFTピクセルのアドレッシング可能性を維持するために、横方向に高度に電気的に抵抗性となるように選ばれる。たとえば、接着剤は、約1MΩ・cmより大きなバルク抵抗または体積抵抗を有し得る。いくつかの実装形態では、1E12Ω・cm以上の抵抗が使用され得る。
【0039】
導電性の透明な接着剤は、その官能基の化学特性が所与の接合表面のペアに対して適切となるように選ばれた、多官能性接着促進剤の配合から作られ得る。そのような実装形態において導電性の透明な接着剤としての使用に適した材料の一例はAPTESであるが、他の材料も使用され得る。APTESは、常温常圧(STP,standard temperature and pressure)において液体であり、体積的に約1%から50%のAPTESという比率で、水またはアセトンに溶解され得る。いくつかの実装形態では、この比率は体積的に約4%のAPTESであり得るが、4%よりも高い、または低い比率も使用され得る。APTESの層は、ディップコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング、または他のディスペンシング方法を含む、任意の適切なプロセスを介して表面に塗布され得る。いくつかの実装形態では、蒸気堆積法または真空堆積法が使用され得る。APTESの塗布の前に、表面は洗浄され、酸素プラズマまたは紫外線オゾン(UVO,ultraviolet ozone)への曝露のように、接合を改善するために活性化され得る。隣接する表面は、圧力を加えることによって互いに接合されてよく、接合プロセスは、接合プロセスの間の熱の印加を通じて加速され得る。たとえば、圧力と熱の両方を与えるために、ホットプレス、ホットロールラミネーション、または炉内でのクランピングのような方法が使用され得る。いくつかの実装形態では、約80℃の温度で2時間以上圧力を加えることで十分な接着強度がもたらされるが、室温(約25℃)では少なくとも24時間が使用され得る。様々な実装形態によれば、ブロック122は、標準的なTFT処理に対する修正を伴わずに実行され得ることに留意されたい。たとえば、接合は、ピクセル回路を短絡することなく、または別様に損傷することなく実行され得る。
【0040】
ブロック124において、スペーサ層が任意選択で圧電受信機に接合される。
図4を参照すると、たとえば、スペーサ層80は、受信機バイアス電極リード39bおよびFPC 90がプラテン40上の圧電受信機層36にTFT基板34を搭載することと干渉しないことを確実にする、スタンドオフとして機能し得る。スペーサ層80はまた、センサの性能を改善する音響遅延層として機能し得る。下でさらに説明される
図7Aおよび
図7Bは、スペーサ層を伴う実装形態およびスペーサ層を伴わない実装形態の例を示す。スペーサ層は、利用される場合、接着剤によって接合され得る。下でさらに論じられるように、接着剤は比較的薄く均一な厚さを伴っていてよく、気泡、または材料の密度もしくは音速の大きな変動のような、音響的な不均一性を避けるような方式で、接合が実行される。接着剤の例は、上で説明されたように、感圧接着剤、エポキシ、および他の適切な接着剤を含み得る。
【0041】
ブロック126において、FPCが任意選択でTFT基板に接合される。FPC上の1つまたは複数の電極は、ACFのような導電性の接着剤によって、TFT基板上の1つまたは複数の導電性パッドに接続され得る。
図12A〜
図13Gに関して下でさらに論じられたいくつかの実装形態では、FPCは、圧電受信機および圧電送信機の一方または両方に接合され得る。FPC 90をACFに接合しながら、圧電受信機層36の過熱およびデポーリングの可能性を減らすために、Peltierクーラー、冷却されたブロッククーラー、または適度に大きなヒートシンクのような冷却装置が、圧電受信機層36に、具体的にはTFTピクセル回路32を覆って、熱的に結合され得る。FPC 90をACFによってTFT基板34に接合するために熱を加える間、圧電受信機層36(および場合によってはすでに取り付けられていれば圧電送信機)は冷却され、圧電材料のキュリー温度よりも下の温度に保持され得る。
【0042】
1つまたは複数のFPCは、圧電送信機のためのFPC、圧電受信機のためのFPC、TFT基板上のデータ線および制御線のための1つまたは複数のFPC、およびこれらの組合せ(たとえば、データおよび制御信号を伝送するためのデータフレキ、および圧電送信機および受信機に電力を伝送するための電力フレキ)のような、超音波センサ組立体に接合され得る。FPCは、配線上の抵抗損を最小化するために、圧電送信機または受信機に電力を供給するためのより太い配線を含み得る。FPCは、FPCの一端または両端において電気コネクタに接続する、または電気コネクタと嵌合する、配線およびパッドを有し得る。2つ以上のコネクタが両端に含まれ得る。FPCは、フレキの上側、下側、内部などに金属の1つまたは複数の層を有してよく、これらの層は電気信号を搬送するために使用され得る。FPCは、FPCの1つまたは複数の層の間の電気的接続を可能にするビアを有し得る。FPCは、異なる層の配線を並列に接続することによって、圧電受信機または送信機までの抵抗損をさらに減らすための、多数のビアを有し得る。FPCは、フレキの一部分がセンサ組立体の上側の表面に取り付けられ、別の部分がセンサ組立体の下側の表面に取り付けられること、たとえば、TFT基板の上側の圧電受信機層およびTFT基板の下側の圧電送信機に取り付けられることを可能にするために、スロットまたは切り欠き部分(たとえば、分割されたフレキ)を含み得る。FPCは、フレキの一部分がフレキの一端にある第1のコネクタに接続されることと、別の部分が同じ端にある第2のコネクタに接続されることとを可能にして、たとえば、外部のプリント回路基板との電気的接続を可能にするための、スロットまたは切り欠き部分を含み得る。FPCは、1つまたは複数の集積回路、キャパシタ、抵抗、インダクタ、または他の能動コンポーネントもしくは受動コンポーネントの取り付けのためのパッドを含み得る。いくつかの実装形態では、フレキの複数の部分は、超音波センサ組立体への接続に順応するように、包まれ、折りたたまれ、巻かれ、または別様に曲げられてよい。
【0043】
ブロック128において、受信機バイアス電極が電気的に接続される。様々な実装形態によれば、受信機バイアス電極は、FPCに直接接続されてよく、またはFPCへの接続のためにTFT基板上の導電性パッドに接続されてよい。後者の実装形態では、ブロック128は、ブロック126の前に実行され得る。受信機バイアス電極を接続するための材料の例は、導電性インク、導電性エポキシ、インクジェッティングされた金属、および導電性接着剤を含む。いくつかの実装形態では、FPCは、TFTピクセル回路とともにTFT基板の上または下にあってよく、ホットプレス接合によって、および/またはACFのような別個の接着剤を使用することによって、受信機バイアス電極に取り付けられ得る。いくつかの実装形態では、FPCは、TFT基板の上または下にあってよく、ホットプレス接合によって、および/または別個の接着剤を使用することによって、圧電受信機層に直接取り付けられ得る。そのような実装形態の例が、
図11Aに示される。この取り付けの間の温度は、いくつかの実装形態では85℃未満であり得る。受信機接続の追加の例は、
図10A〜
図10Cに関して下でさらに論じられる。
【0044】
ブロック130において、圧電送信機が接合される。いくつかの実装形態では、圧電送信機は、たとえば
図4に示されるように、TFT基板の裏側(すなわち、ピクセル回路がない側)に接合される。
図8Cおよび
図8Dに関して下でさらに論じられるいくつかの実装形態では、圧電送信機は圧電受信機に接合される。ブロック122および124に関して上で論じられたような接着剤が利用され得る。
【0045】
ブロック132において、送信機電極が電気的に接続される。送信機電極は、FPCに直接接続されてよく、またはTFT基板上の導電性接合パッドに接合されてよい。材料の例は、導電性インク、導電性エポキシ、導電性接着剤、およびハンダを含む。いくつかの実装形態では、FPCは、TFTピクセル回路とともにTFT基板の下または上にあってよく、導電性接着剤によって、またはFPCと送信機電極との間の良好な電気的導通を確実にする他の接合方法によって、送信機電極に接合され得る。いくつかの実装形態では、FPCは、TFTピクセル回路とともにTFT基板の上または下にあってよく、ホットプレス接合によって、および/または別個の接着剤を使用することによって、圧電送信機層に直接取り付けられ得る。この取り付けの間の温度は、いくつかの実装形態では85℃未満であり得る。送信機接続のこれらの例および他の例は、
図10A〜
図10Cおよび
図11Bに関して下でさらに論じられる。
【0046】
ブロック134において、裏側キャップが任意選択でTFT基板に接合される。
図9Aおよび
図9Bに関して下でさらに論じられたように、いくつかの実装形態では、裏側キャップは、送信機と裏側キャップとの間に空隙があるような大きさにされる。いくつかの実装形態では、裏側キャップは、送信機または他のセンサコンポーネントと機械的に接触し、またはそれらに接合される。いくつかの実装形態では、センサ組立体の複数の部分が保護キャップを形成するように埋め込まれてよく、またはキャップがセンサ組立体の部分の周りで成形されてよい。この段階において、超音波センサは試験され、望まれるようにカバーガラスまたは他のプラテンに接合されてよい。
【0047】
図5および
図6は、超音波センサを製造するためのプロセスの例を与えるが、示された特定の順序とは異なる順序で動作が実行され得ることと、いくつかの実装形態では様々な動作が並列に実行され得ることとを理解されたい。たとえば、いくつかの実装形態では、単一のTFT基板から単一の超音波センサが、組立手順のすべてのステップを通じて単一の超音波センサとして組み立てられ得る。代替的に、TFT基板の列(1×n)またはアレイ(m×n)が、適切なサイズおよび規模の圧電送信機、圧電受信機層、スペーサ、保護キャップ、接着剤、および/または製造プロセス100またはプロセス120の1つまたは複数のステップ中の他のセンサ素子によって組み立てられ得る。TFT基板の列、シート、パネル、またはサブパネルは、超音波センサ組立体の後続の素子を取り付ける前に、製造プロセス中の様々な段階においてさいの目状に切断され、スクライビングされ、または別様に分離され得る。ディスペンシング、硬化、および他の組立プロセスシーケンスのようなステップは、ベルトコンベア方式などで、直列に、並列に、または半連続的に行われ得る。たとえば、ACFまたは導電性エポキシの硬化ステップは、接着層を熱的に硬化するための硬化ステップと同じ時間および温度で蒸散し得る。ちりまたは他の粒子からPSAを保護するために接合またはラミネーションの直前に除去され得るライナーが、PSAの頂部に含まれ得る。いくつかの実装形態では、1つまたは複数の組立体ステップのために、ロールツーロール、ロールツーガラスシート、ピックアンドプレース、またはテープアンドリールプロセシングが使用され得る。たとえば、個々の圧電受信機層または送信機が、持ち上げられてTFT基板上に置かれてよく、もしくはその逆であってよく、または、m×nの受信機のシートが、持ち上げられてもよく、もしくはm×nのTFT基板のガラスシートの上にロールラミネートされてよい。さらに、示される処理に対する修正は、本開示の範囲から逸脱することなく実施され得る。たとえば、下の
図7A〜
図13Gの例から、図示されない様々な他の動作が概略的に示される例示的な処理に組み込まれ得ることが理解されるだろう。たとえば、1つまたは複数の追加の動作が、示される動作のいずれかの前に、後に、それと同時に、またはそれらの間に、実行され得る。同様に、すべての示される動作は、いくつかの実装形態では実行されなくてよい。他の要素が含まれてよく、かつ/またはいくつかの示される要素が下の概略図において省略されていることも理解されたい。
【0048】
図7A〜
図13Gは、超音波センサの様々なコンポーネントの概略図の例を示す。これらの図の例は、
図4に関して上で説明された超音波センサに対する、追加の詳細および代替的な実装形態を提供する。
図7Aおよび
図7Bは、超音波受信機とプラテンとの間に配設されるスペーサ層を伴う超音波受信機およびスペーサ層を伴わない超音波受信機の例を示す。
図7Aおよび
図7Bでは、圧電受信機層36は、接着剤66によってTFT基板34に接合されるように示されている。ピクセル回路32はTFT基板34と圧電受信機層36との間の中間層として示されるが、接着剤66は、ピクセル回路32のピクセル入力電極、さらには、複数のピクセル回路32の間の領域中のTFT基板34の表面に接触し得る。
図7Aおよび
図7Bには、ASIC 92と補強具94とを有するFPC 90も示されており、補強具94は、ASIC 92に取り付けられ、TFTアレイ導電性接合パッド33dに接合されたACF 96によってピクセル回路32に電気的に接続され、受信機バイアス電極39aは、受信機バイアス電極リード39bによって受信機接合パッド33cに接続され、受信機バイアス電極リード39bは、たとえば、金属ワイヤ、ボンドワイヤ、金属配線、または銀エポキシまたは銀インクのような導電性の接着剤料であってよい。受信機バイアス電極39aと受信機導電性接合パッド33dとの間の接続が、ディスペンシング、プレス加工、シャドウマスクによる金属蒸着、スパッタリングおよびフォトリソフラフィマスキング、またはインクジェッティングのような、いくつかの方法の1つで形成され得る。他の導電性のリード、配線、およびビアは同様の方式で形成され得る。
図7Aは、接着剤64によって受信機バイアス電極39aに、および接着剤62によってプラテン40に接合される、スペーサ層80を含む。
図7Bでは、スペーサ層は存在せず、受信機バイアス電極39aは接着剤64によってプラテン40に直接接合される。接着剤の例は下でさらに説明される。スペーサ層の厚さの例は、約0.1mmから約0.5mmにわたり、接着剤の厚さの例は、約0.001mmから約0.25mmにわたる。スペーサ層を利用しない実装形態では、接着剤64の厚さは、FPC 90に取り付けられるコンポーネントのための空間を提供するように、この範囲の上端であってよい。
【0049】
図7Aおよび
図7Bの例では、超音波送信機(図示せず)は、
図4に関して上で説明されたようにTFT基板34の下にあり得る。
図7Aおよび
図7Bに示される構成の様々な態様はまた、超音波送信機とプラテン40との間に配置されたスペーサ層80の使用を含む、TFT基板34とプラテン40との間に配置される超音波送信機によって実装され得る。
【0050】
上で示されたように、超音波送信機および受信機の様々な配置が利用され得る。
図8A〜
図8Dは、超音波センサの超音波送信機および超音波受信機の構成の例を示す。図は、プラテンまたはカバーガラスが各積層体の上に配置されるように配向されている。
図8Dに示されるもののようないくつかの実装形態では、TFT基板34はプラテンとして機能し得る。
図8Aにおいて、圧電受信機層36、受信機バイアス電極39a、およびピクセル回路32を含む超音波受信機は、TFT基板34の上に配置され、圧電送信機層22および第1の送信機電極24aおよび第2の送信機電極26aを含む超音波送信機は、TFT基板34の下に配置される。
図8Bにおいて、圧電送信機層22、および第1の送信機電極24aと第2の送信機電極26aを含む超音波送信機は、TFT基板34の上に配置され、圧電受信機層36、受信機バイアス電極39a、およびピクセル回路32を含む超音波受信機は、TFT基板34の下に配置される。
【0051】
図8Cは、超音波送信機と超音波受信機の両方がTFT基板34の上にある実装形態の例を示す。
図8Cの例において、圧電送信機層22、および第1の送信機電極24aと第2の送信機電極26aを含む超音波送信機は、超音波受信機の上に配置され、超音波送信機は、超音波受信機の受信機バイアス電極39aに接合される。超音波受信機はTFT基板34に接合され、圧電受信機層36はピクセル回路32に電気的に結合される。
【0052】
図8Dは、超音波送信機と超音波受信機の両方がTFT基板34の下に配置される実装形態の例を示す。
図8Dの例において、圧電送信機層22、および第1の送信機電極24aと第2の送信機電極26aを含む超音波送信機は、超音波受信機の下に配置され、超音波送信機は、超音波受信機の受信機バイアス電極39aに接合される。超音波受信機はTFT基板34に接合され、圧電受信機層36はピクセル回路32に電気的に結合される。いくつかの実装形態では、ピクセル回路32の反対のTFT基板34の側がプラテンとして機能してよく、1つまたは複数のコーティングを任意選択で含み得る。いくつかの実装形態では、ピクセル回路32の反対のTFT基板34の側は、カバーガラスのような別個のプラテン、またはモバイルデバイスの筐体の壁に取り付けられ得る。
【0053】
図8Aおよび
図8Bの例では、超音波送信機は接着剤68によってTFT基板34に接合され、超音波送信機の第1の送信機電極24aはTFT基板34に接合される。
図8Cおよび
図8Dの例では、超音波送信機は接着剤69によって超音波受信機に接合され、第1の送信機電極24aは受信機バイアス電極39aに接合される。接着剤68および69の例は、上で説明されたように、感圧接着剤、エポキシ、および他の接着剤を含む。
図8A〜
図8Dの例では、圧電受信機層36は、上で説明されたように、接着剤66によってTFT基板34に接合され得る。
【0054】
図6のブロック134に関して上で示されたように、裏側キャップは、任意選択でTFT基板に接合され得る。
図9Aおよび
図9Bは、裏側保護キャップ60を含む超音波センサの例を示す。裏側キャップ60は、電磁障害(EMI)を低減し音響性能を改善するのに十分な、金属、金属コーティング、または導電性材料を含み得る。裏側キャップ60の例示的な厚さは、約50μmから約500μmにわたる。
図9Aの例では、裏側キャップ60は、空隙61によって超音波送信機から分離される。空隙は、いくつかの実装形態では、約25μmから100μmの厚さであり得る。空隙は、組立中の起こり得る損傷を防ぐため、および送信機電極26aの偶発的な短絡を防ぐための、機械的な離隔を提供することができる。音響的には、裏側キャップに向かって後ろ方向に送信機から放射された音響エネルギーがプラテンまたはカバーガラスに向かって大部分が反射されるので、空隙は、送信機がより効率的に動作することを可能にする。圧電受信機層36は、圧電送信機層22の反対のTFT基板34上のTFTピクセル回路32(図示せず)に取り付けられ得る。
【0055】
図9Bの例では、裏側キャップ60は、接着層71によって第2の送信機電極26aに直接接合される。裏側キャップ60はまた、接着剤65によってTFT基板34に接合され得る。裏側キャップを接合するために使用され得る接着剤の例は、TFT基板34への強い信頼性のある接着を提供するための凝集強度を有する、感圧接着剤およびエポキシを含む。
図9Aおよび
図9Bの例の裏側キャップは超音波送信機を取り囲み、TFT基板34の裏側に取り付けられるが、受信機が底にある実装形態(
図8Bおよび
図8Dに示されるような実装形態など)では、裏側キャップは、超音波受信機を取り囲み、TFTピクセル回路がその上に位置するTFT基板34の側に取り付けられ得る。第1の送信機リード24bおよび第2の送信機リード26bは、接着層65を通って、その下を、もしくはその上を、または、裏側キャップ60を通る電気的に絶縁された経路を、通され得る。いくつかの実装形態では、音響バッキング層(図示せず)が、送信機の外側に施され、または送信機と裏側キャップ60との間に配置され得る。バッキング層は、たとえば、送信機の裏側から放出された超音波エネルギーを吸収し、プラテンまたはカバーガラスに向かう過剰な反射を避けるために、音響的に吸収性の材料でできていてよい。あるいは、バッキング層は、バッキング層への音響エネルギーの過剰な損失を避けるために、圧電送信機に対する比較的小さな音響インピーダンスを示す、連続気泡フォームまたは独立気泡フォームまたはフォーム接着剤を含み得る。
図9Aのように、圧電受信機層36は、圧電送信機層22の反対のTFT基板34上のTFTピクセル回路32(図示せず)に取り付けられ得る。
【0056】
図9Cは、裏側キャップ60がTFT基板34を隙間なく包み込むフレームを形成する例を示す。裏側キャップ60は、TFT基板34を支持するための支持部分60Aを含む、成形されたコンポーネントであり得る。支持部分60Aは、裏側キャップ60に対する接着剤であってよく、またはそれを含んでよい。背後にある送信機および/または受信機(図示せず)からの1つまたは複数の導電性リード37は、裏側キャップ60とTFT基板34との間をFPC 90へと通され得る。いくつかの実装形態では、1つまたは複数の導電性リード37が裏側キャップ60に統合され得る。たとえば、裏側キャップ60は、たとえば、キャップの片側または両側の銅テープ、金属箔、または金属コーティングによって、金属被覆され得る。FPC 90は、送信機および/または受信機に電気的に結合するACFを含み得る、フレキオンガラス(FOG)パッド35を介してさらに接続されるために、裏側キャップの上を延び得る。このようにして、送信機および/または受信機は、FPC 90上に配設されるCOFが取り付けられたASIC 92に接続され得る。FPC 90上の補強具94も
図9Cに図示されている。
【0057】
第1の送信機電極と第2の送信機電極、および受信機バイアス電極は、様々な方式で電気的に接続され得る。上で論じられたように、いくつかの実装形態では、ワイヤボンド、導電性接着剤、および導電性インクが使用され得る。
図10A〜
図10Cは、送信機電極および受信機電極の電気的接続のさらなる例を示す。
図10A〜
図10Cにおいて、圧電受信機層36は、上で説明されたように、接着剤66を介してTFT基板34に接合され、TFT基板34上のTFTピクセル回路32に電気的に結合される、受信機バイアス電極39aによって金属被覆される。金属被覆された圧電送信機層22を含む超音波送信機は、やはり上で説明されたように、接着剤68によってTFT基板34の反対側に接合される。下でさらに説明されるように、受信機電極と送信機電極の両方が、TFT基板34の前(受信機)側に電気的に接続される。
【0058】
まず
図10Aを見ると、金属被覆された圧電送信機層22が、TFT基板34の前面に接続するために、TFT基板34の周りに包まれる。TFT基板34は、TFT基板34上の導電経路(図示せず)に電極を接続するための、第1の送信機接合パッド33aおよび第2の送信機接合パッド33bを含む。導電性経路は、FOGパッド35およびFOGパッド35に重なるACF 96を介して、FPC 90への電気的接続を提供する。第1の送信機電極24aは、第1の送信機接合パッド33aに重なるACF 96に接触する。導電性ビア81は、ACF 96に第2の送信機電極26aを電気的に接続するために、圧電送信機層22を通って延びてよく、ACF 96は第2の送信機接合パッド33bにも重なる。様々な実装形態によれば、導電性ビア81は、導電性材料によって充填されてよく、または、導電性材料によって被覆された側壁を有してよい。受信機バイアス電極リード39bは、たとえば、受信機バイアス電極39aを受信機接合パッド33cに接続するためにディスペンシングされ、スクリーン印刷され、またはインクジェット印刷され得る、銀エポキシまたは銀インクのような、導電性接着材料であり得る。いくつかの実装形態では、受信機バイアス電極リード39bは、圧電受信機層36(図示せず)からの離隔を形成する受信機バイアス電極39aから延びる1つまたは複数のワイヤまたは配線を含み得るが、いくつかの実装形態では、受信機バイアス電極リード39bの一部分が、受信機バイアス電極39aの1つの側に沿って、および/または圧電受信機層36(図示せず)の1つの側に沿って、横断または通過し得る(図示されない)。いくつかの実装形態では、受信機バイアス電極リード39bは、受信機バイアス電極39aのその側の一部分に接続してよく、受信機バイアス電極リード39bはほとんどまたはまったく、受信機バイアス電極39aの上面の上を通らない。いくつかの実装形態では、受信機バイアス電極リード39bは、上で説明された導電性ビア81と同様の方式で、圧電受信機層36を貫通する、充填された、部分的に充填された、または充填されないビアを含んでよく、またはこれらからなっていてよい。導電性ビア81は、円形、正方形、長方形、または他の適切な形状であり得る。いくつかの実装形態では、受信機バイアス電極リード39bは、圧電受信機層36の中の1つまたは複数のスリット、スロット、穴、部分的な穴、または切り欠きの側部に、またはそれらを通って形成され得る。いくつかの実装形態では、圧電受信機層36の上または下の導電性配線の一部分は、層36を超えて延びてよく、TFT基板34またはFPC 90に接続されてよい。いくつかの実装形態では、FPC 90の上面または下面の導電性配線の一部分は、導電性エポキシ、銀ウレタンインク、または他の導電性材料を使用して、TFT基板34上の背後の配線または接合パッドを伴って、または伴わずに、受信機バイアス電極層39aに接続され得る。導電性エポキシまたは他の適度に導電性の材料が、TFT基板34上の背後の配線またはパッドに圧電受信機層36上のパターンまたは配線を接続するために使用され得る。TFT基板34上の導電性経路は、FOGパッド35およびFOGパッド35に重なるACF 96を介して、受信機接合パッド33cをFPC 90に接続することができる。このようにして、送信機および/または受信機は、FPC 90上に配設されるCOFが取り付けられたASIC 92に接続され得る。FPC 90上の補強具94も
図10Aに図示されている。いくつかの実装形態では、受信機バイアス電極リード39bは、TFT基板34上の電気配線および/またはパッドによって補強されて、受信機バイアス電極リード39bとFPC 90中の配線および/またはビアとの間を通過し得る。あるいは、受信機バイアス電極リード39bは、FPC 90中の電気配線および/またはビアに受信機バイアス電極39aを直接接続するように通過してよく、これによって、電気回路を簡略化し、受信機接合パッド33cの必要性を回避する。送信機接合パッド33aおよび33bならびに受信機接合パッド33cは、
図10AではTFT基板34上でFOGパッド35の反対側にあるように示されているが、1つまたは複数の送信機接合パッドまたは受信機接合パッド33a〜33cは、FPC 90の近くなどのTFT基板34上の他の箇所に配置されてよいことが理解される。受信機バイアス電極39aに対する電気的接続を行うために説明される技法は、ここおよび他の箇所で、送信機電極24aおよび/または26aへの接続のためにも使用され得ることに留意されたい。
【0059】
図10Bの例では、金属被覆された圧電送信機層22が、TFT基板34の前面に接続するために、TFT基板34の周りに包まれる。
図10Aのように、第1の送信機電極24aは、第1の送信機接合パッド33aに重なるACF 96に接触する。第2の送信機電極26aは、銀エポキシまたは銀インクのような導電性接着剤83によって第2の送信機接合パッド33bに接続され得る。導電性接着剤83は、たとえば、ディスペンシングされてよく、またはインクジェット印刷されてよい。
【0060】
図10Cの例では、送信機接合パッドおよび受信機接合パッド33a、33b、および33cからのすべての接続は、ACF 96によって行われてよく、
図10Aのように、第2の送信機電極26aは導電性ビア81を通じてACF 96に接続される。
【0061】
上で示されたように、いくつかの実装形態では、FPCは、超音波送信機または受信機の上または下にあり得る。そのような実装形態では、FPCの電極は、圧電層の金属被覆された電極または圧電層自体と直接電気的に連絡していてよい。
図11Aおよび
図11Bは、フレキシブルプリント回路の電極が超音波センサの圧電層と直接電気的に連絡している実装形態の例を示す。いくつかの実装形態では、FPC中の電極は、薄い絶縁層によって圧電層から分離され得ることに留意されたい。たとえば、FPC中の電極と圧電層との間の0.1μmから20μmの絶縁層は、これら2つの間の電気的な連絡を可能にする。
【0062】
図11Aは、圧電受信機層36の上にあるFPC 90を示し、圧電受信機層36は、接着剤66を介してTFT基板34に接合され、TFTピクセル回路32に電気的に結合される。以前の図において示される実装形態とは異なり、圧電受信機層36は金属被覆されないことに留意されたい。FPC 90は、接着剤73によってプラテン40に接合される。いくつかの実装形態では、FPC 90は、ホットプレス接合によって、および/または別個の接着剤を使用することによって、圧電受信機層36の上にありそれに取り付けられ得る。この取り付けの間の温度は、いくつかの実装形態では85℃未満であり得る。FPC 90は、ACF 96または他の適切な導電性材料によって、TFT基板34上の導電性接合パッド33に接続され得る。このようにして、FPC 90への接続は、上で説明されたように、超音波送信機および/または他のセンサコンポーネントから行われ得る。このようにして、FPC 90上に配設されるCOFが取り付けられたASIC 92に対する接続が行われ得る。FPC 90上の補強具94も
図11Aに図示されている。いくつかの実装形態では、超音波送信機20(図示せず)は、TFTピクセル回路32とは反対側で、TFT基板34に取り付けられ得る。
【0063】
図11Bの例では、FPC 90は、圧電送信機層22に直接取り付けられる。いくつかの実装形態では、FPC 90は、ホットプレス接合によって、および/または別個の接着剤を使用することによって、圧電送信機層22に取り付けられる。この取り付けの間の温度は、いくつかの実装形態では85℃未満であり得る。圧電送信機層22は、第1の送信機電極24aの一方の側が金属被覆され、第1の送信機電極24aは、導電性ビア81を通ってFPC 90に接続することができ、接着剤68によってTFT基板34に接合されてよい。いくつかの実装形態では、超音波送信機の第2の送信機電極(図示せず)は、FPC 90内の、またはFPC 90上の電極である。
図11Bの例のいくつかの実装形態では、2つのFPCが利用されてよく、一方は示されるように圧電送信機層22に接合され、他方は上で説明されたようにTFT基板または圧電受信機層に接合される。いくつかの実装形態では、圧電受信機層36は、圧電送信機層22とは反対側のTFT基板34上のTFTピクセル回路32(図示せず)に取り付けられ得る。
【0064】
いくつかの実装形態では、圧電層は、圧電送信機層22と圧電受信機層36の両方を形成するために、TFT基板の周りに包まれ得る。
図12A〜
図12Cは、同じ圧電層が包み込み構成で受信機と送信機の両方のために使用される超音波センサの例を示す。
【0065】
図12Aは、TFTピクセル回路32を伴う上面が重畳するプラテン(図示せず)に面するように構成されるように、TFT基板34が配向される例を示す。圧電送信機層22および圧電受信機層36は、単一の圧電層から形成され、圧電受信機層36はTFT基板34の上にあり、圧電送信機層22はTFT基板34の下にある。上で説明されたように、圧電受信機層36は、TFTピクセル回路32に電気的に結合され、接着剤66によってTFT基板34に接合される。圧電送信機層22は、金属被覆され、接着剤68によってTFT基板34に接合される。
【0066】
ACF 96は、第1の送信機電極24aと第2の送信機電極26a、および受信機バイアス電極39aに電気的に接続するために、TFT基板34上の第1の送信機接合パッド33aおよび第2の送信機接合パッド33bおよび受信機接合パッド33cに重なる。導電性ビア81は、第2の送信機電極26aおよび受信機バイアス電極39aをACFに接続することができる。TFT基板34上の導電性経路は、FOGパッド35およびFOGパッド35に重なるACF 96を介して、接合パッド33a、33b、および33cをFPC 90上のASIC 92に接続することができる。
【0067】
図12Bは、TFTピクセル回路32および圧電受信機層36がTFT基板34の下にあり、圧電送信機層22がTFT基板34の上にあるように、TFT基板が配向される例を示す。ACF 96は、第1の送信機電極24aと第2の送信機電極26a、および受信機バイアス電極39aに電気的に接続するために、TFT基板34上の第1の送信機接合パッド33aおよび第2の送信機接合パッド33bおよび受信機接合パッド33cを覆う。導電性ビア81は、第2の送信機電極26aおよび受信機バイアス電極39aをACFに接続することができる。TFT基板34上の導電性経路は、FOGパッド35およびFOGパッド35に重なるACF 96を介して、接合パッド33a、33b、および33cをFPC 90上のASIC 92に接続することができる。いくつかの実装形態では、プラテン40(図示せず)が、圧電送信機層22に取り付けられ得る。
【0068】
図12Cは、圧電送信機層および圧電受信機層を形成するための、PVDF圧電層の金属被覆の例を示す。
図12Cの例は、受信機が下面にあり送信機が上面にある構成に対応する。
図12Cに示されるように、圧電層72は、曲げと成形を容易にするための切り欠き70を含み得る。
図12Cは、折りたたまれていない、および折りたたまれた金属被覆された圧電層72の上面図および下面図を示す。まず、110において、折りたたまれていない金属被覆された圧電層72の上面図が示されており、圧電層72は、受信機バイアス電極39aおよび第2の送信機電極26aを形成するために金属被覆される。
図12Cの例において、金属被覆は銅(Cu)の上のニッケル(Ni)であるが、銀ウレタンまたは銀インクのような金属含浸されたポリマーを含む、任意の適切な金属被覆または導電性材料が使用され得る。第2の送信機電極26aおよび受信機バイアス電極39aに接続された、導電性経路および接合パッド43bおよび43cもそれぞれ示されている。120において、折りたたまれていない金属被覆された圧電層72の下面図が示されており、圧電層72は、受信機感知電極41aおよび第1の送信機電極24aを形成するために金属被覆される。いくつかの実装形態では、受信機感知電極41aおよび関連する接合パッド43dは形成されない。いくつかの実装形態では、第1の受信機感知電極41aは、ACFのような異方性導電フィルム、異方性導電ポリマー、またはAPTESのような薄く軽度に導電性の層を含む。いくつかの実装形態では、受信機感知電極41aは、TFTピクセル回路32の背後のピクセル入力電極38と嵌合するサイズおよびピッチを伴う、電気的に絶縁された電極のパターニングされたアレイを含む。第1の送信機電極24aおよび受信機感知電極41aにそれぞれ接続された、導電性経路および接合パッド43aおよび43dも示されている。折りたたまれた圧電層72の上面図が130において示されており、図において受信機バイアス電極39aが見えており折りたたみ75が示されている。接合パッド43a〜43dも示されている。140において、第2の送信機電極26aが見えている状態で、折りたたまれた圧電層70の下面図が示されている。いくつかの実装形態では圧電層72は実質的に光学的に透明であるので、折りたたまれた
図130および
図140は、折りたたまれた金属被覆された圧電層72の上面の、および圧電層72を通して見える電気配線を示すことに留意されたい。
【0069】
図12A〜
図12Cに示される実装形態は、圧電送信機層の厚さと圧電受信機層の厚さとの間のばらつきを小さくし、送信機および受信機が自己整列されることを可能にし、TFT基板の上部または下部に折りたたまれた圧電送信機層および圧電受信機層を接合するために片側の接着剤が塗布されることを可能にし得る。いくつかの実装形態では、薄い金属電極は、より太い金属配線(たとえば、銀インク)とともに利用され得る。
【0070】
超音波センサの層を一緒に接合するために、様々な接着層が
図4および
図7A〜
図12Bに概略的に示されている。いくつかの実装形態では、これらの接着剤は、利用され得る接着剤の3つの分類の1つに関して特徴付けられ得る。これらの図に示される接着剤62、64、65、66、68、69、71、および73は、金属をガラスまたはプラスチックに(たとえば、金属電極をTFT基板、スペーサ、またはプラテンに)、金属を金属に(たとえば、金属電極を金属電極またはキャップに)、ガラスまたはプラスチックをガラスまたはプラスチックに(たとえば、ガラスまたはプラスチックのスペーサをガラスまたはプラスチックのプラテンに)、またはフレキシブルプリント回路をこれらの材料のいずれかに接合することができる。使用され得る接着剤の例は、感圧接着剤およびエポキシを含む。様々な実装形態によれば、超音波送信機および/または超音波受信機とプラテンとの間に配設される接着層は、音響的な反射および吸収を最小限にするために、比較的薄くてよく、たとえば、約25μm未満または約10μm未満であってよい。いくつかの実装形態では、接着剤の厚さは、約5μm未満、または約2μm未満であり得る。いくつかの実装形態では、PSAのような接着層は、組立の前に片側または両側に除去可能なライナーを有し得る。いくつかの実装形態では、接着剤は、バッキング層の各々の側に薄い接着層を伴う中心バッキング層を含んでよく、1つまたは複数の除去可能なライナーが任意選択で、組立の前に片方または両方の接着層の外側表面に取り付けられる。接着剤は、均一な音響的な反射および吸収のために、実質的に均一な厚さを有し得る。たとえば、厚さは+/−2μm以上は変動しないことがある。気泡、または材料の密度、厚さ、および音速の大きな変動のような、音響的な不均一性の形成を防ぐように、接合が実行され、接着剤が選択される。
【0071】
接着剤66は、圧電受信機層をTFT基板に接合し、接着剤62、64、65、68、69、71、および73に関して上で説明されたものと同じ特性を有し得る。上で論じられたように、ACFのような垂直方向に導電性の接着剤およびAPTESのような高度に抵抗性の(軽度に導電性の)接着剤が利用され得る。いくつかの実装形態では、接着剤は、少なくとも約6MΩ−cmまたは少なくとも約10MΩ−cmという横方向の抵抗を有し得る。いくつかの実装形態では、接着剤は、約1MΩ−cmより大きな抵抗を伴い軽度に導電性であり得る。
【0072】
接着剤65は、金属の裏側キャップをTFT基板に接合することができる。したがって、接着剤65は、高い凝集強度を有し、TFT基板に対する信頼性のある接着を実現する。例には、感圧接着剤およびエポキシがある。いくつかの実装形態では、同じ材料が、超音波送信機に金属キャップを接合する接着剤71のためにも使用され得る。これらの接合は、センサの層への水分の進入を減らすために、1つまたは複数の保護層によって被覆され得る。
【0073】
図13Aは、TFT基板の周りを包むように構成されるフレキシブルプリント回路の概略的な図の例を示す。FPC 90は、FPC 90の上に印刷される、または別様に形成される制御およびデータ配線91と、低抵抗の圧電送信機および圧電受信機の配線93とを有する、フレキシブルケーブル89を含み得る。フレキシブルケーブル89は、送信機および受信機の配線93が送信機および受信機の接合パッド97に接続する包み込み部分95を含み得る。ノッチ98または他の機構が、包み込み部分95をフレキシブルケーブル89の残りから分離するために、フレキシブルケーブル89に含まれ得る。ノッチ98は、フレキシブルケーブル89が、TFT基板の一部分の周りに容易に包まれること、コンポーネントまたは整列のマークを覆うのを避けること、または整列を支援することを可能にし得る。いくつかの実装形態では、1つまたは複数のスリット、スロット、または穴が、ディスペンシングされた、または別様に塗布された導電性材料によって覆われた、またはそれらによって充填されたビアとして機能することができ、電気的接続が、フレキシブルケーブルの一方の側と別の側もしくは層との間に、または背後の基板との間に形成されることを可能にする。
【0074】
いくつかの実装形態では、
図13AのFPC 90のようなフレキシブルプリント回路は、組立プロセスの間にTFT基板の列の一部である1つのTFT基板に取り付けられ得る。
図13B〜
図13Gは、薄膜トランジスタのセンサアレイにフレキシブルプリント回路を接合するためのプロセスの様々な段階の概略的な図の例を示す。
図13Bは、TFT基板34a〜34dの列44の例を示す。各TFT基板34a〜34dは、ピクセル回路のアレイを含む中心領域87と、ゲートドライバ、データ記憶装置、マルチプレクサ、および
図3Aおよび
図3Bを参照して上で説明されたような追加の回路のための1つまたは複数の周辺領域99と、FPCに接続するための1つまたは複数のFOGパッド35とを含む。列44は、TFT基板34a〜34dを単離するためのスクライブ部分86においてスクライビングされるように構成される。単離の前に、FPCは各TFT基板34a〜34dに取り付けられ得る。
図13Cは、ACF 96によってTFT基板34dに取り付けられたFPC 90dの例を示す。FPC 90d中のノッチ98は、TFT基板34dの端と揃えられる。例示を目的に、ACF 96は
図13Cに示されないが、ACF 96はTFT基板34d(
図13Bに示される)のFOGパッド35とFPC 90dとの間に配設される。ACF 96は、FPC 90dをTFT基板34dに物理的に接続し、FPC 90dの制御およびデータ配線91をTFT基板34dのFOG 35に電気的に接続することができる。FPC 90dはまた、その上に印刷された送信機および受信機の接合パッド97を伴う包み込み部分95を含む。包み込み部分95は、TFT基板34dの反対側を包み込むように構成され、送信機および受信機の接合パッド97は、その側でTFT基板34dに接続するように構成される。たとえば、送信機および受信機の接合パッド97は、裏側に搭載された送信機に、または送信機および受信機のペアからのリードに接続することができる。
【0075】
組立プロセスはさらに、単離および包み込みの前に、列44の中のTFT基板34a〜34dの各々へのFPCの取り付けを伴い得る。
図13Dは、ACF 96(明瞭性のために図示されていない)によってTFT基板34cのFOGパッド35に取り付けられたFPC 90cの例を示す。FPC 90cの包み込み部分95は、FPC 90dの上にあるがFPC 90dに接続されない。FPC 90c中のノッチ98は、TFT基板34cとTFT基板34dとの間にあるスクライブ部分86と揃えられる。このようにして、FPC 90cは、スクライブ部分86を覆わず、または不明瞭にしない。
【0076】
図13Eは、TFT基板34a〜34dの単離の例を示す。各TFT基板34a〜34dは、FPC 90a〜90dに取り付けられるように示され、取り付けは
図13Cおよび
図13Dに関して上で説明されたように実行される。破線によって示されるような、TFT基板34aおよび34b、TFT基板34bおよび34c、ならびにTFT基板34cおよび34dの各々の間のスクライブ部分86において、スクライビングが実行される。FPC 90a〜90dはスクライビングされた部分86のいずれとも重ならないので、スクライビングはFPCを切断することを伴わない。
図13Fは、TFT基板34の周りにFPC 90の包み込み部分95を包む前の、FPC 90に取り付けられる単離されたTFT基板34の例を示す。
図13Gは、TFT基板34の周りに包まれる包み込み部分95を伴う、
図13Eにおける単離されたTFT基板34の例を示す。いくつかの実装形態では、包み込み部分は次いで、TFT基板34に物理的および/または電気的に接続され得る。
図13B〜
図13Gに示される例示的な組立プロセスは、たとえば、
図5のブロック114または
図6のブロック126の一部として実行され得る。
【0077】
いくつかの実装形態では、FPC 90の一部分はTFT基板34の上側(回路側)に取り付けられ、別の部分はTFT基板34の裏側に取り付けられてよく、FPC 90の一部分はTFT基板34の端の周りを緩くまたは固く包む。FPC 90の別の部分は、外部への電気的接続のために、TFT基板34から離れるように延び得る。FPC 90は、FPC 90に取り付けられた1つまたは複数の能動コンポーネントまたは受動コンポーネントを有してよく、コンポーネントは、TFT基板34の上側の近くの部分、包まれた部分、TFT基板34の裏側に取り付けられた部分、または超音波センサ組立体から離れるように延びるFPC 90の部分を含む、FPC 90に沿った1つまたは複数の位置に配置される。補強具が、超音波送信機層の後ろまたはコネクタの近くのような、戦略的な位置においてFPC 90に追加され得る。FPC 90と圧電送信機との間の離隔を制御するために、スタンドオフがFPC 90に含まれ得る。上で述べられたように、FPC 90は、能動コンポーネント、受動コンポーネント、およびコネクタを収容するために、単層または多層であってよい。
【0078】
本開示で説明される製作方法の1つまたは複数の動作は、1つまたは複数のコンポーネントを配置し、2つ以上のコンポーネントを一緒に接合し、導電性インクまたはエポキシをディスペンシングするための、1つまたは複数のステーションまたはモジュールと、プロセスを行うためのプログラム命令を含むコントローラとを含む、装置において実施され得る。真空接合のためのモジュールは、真空チャンバー、および吸気口、排気口、真空を確立し維持するためのポンプ、圧力板または隔壁およびアンビルとして機能し得る棚、ならびに温度を制御するためのヒーターを含み得る。ラミネーションのためのモジュールは、可動のプレス、吸気口、排気口、ラミネートされるべき部分に制御された供給速度で供給するための回転シリンダー、回転シリンダーに圧力を加えるための空圧シリンダー、および温度を制御するためのヒーターを含み得る。ディスペンシングのためのモジュールは、ディスペンサ、および整列を検出するための1つまたは複数のセンサ、制御可能なX−Yステージ、シリンジ、ならびに、シリンジに取り付けられる空圧シリンダーまたは容積式の機構を含み得る。いくつかの実装形態では、コントローラは、装置が開示される実装形態に従って方法を実行できるように、プログラム命令を実行するように構成される、1つまたは複数のメモリデバイスおよび1つまたは複数のプロセッサを含み得る。プロセッサは、中央処理装置(CPU,central processing unit)またはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタル入力/出力接続、モーターコントローラ基板、および他の同様のコンポーネントを含み得る。適切なプロセス動作を実施するためのプログラム命令は、プロセッサ上で、またはプロセッサによって実行され得る。これらのプログラム命令は、メモリデバイスに、またはコントローラと関連付けられる他の機械可読媒体に記憶されてよく、またはネットワークを通じて提供されてよい。
【0079】
いくつかの実装形態では、コントローラは、装置の動作のすべて、大半、または一部を制御することができる。たとえば、コントローラは、導電性インクのディスペンシングまたは接着剤のラミネーティングと関連付けられる動作のすべてまたは大半を制御することができる。コントローラは、プロセス動作のタイミング、圧力レベル、温度レベル、および、
図5および
図6に関してさらに説明された特定の製造プロセスの他のパラメータを制御するための命令のセットを含む、システム制御ソフトウェアを実行することができる。いくつかの実装形態では、コントローラと関連付けられたメモリデバイスに記憶されている他のコンピュータプログラム、スクリプト、またはルーチンが、利用され得る。
【0080】
いくつかの実装形態では、ユーザインターフェースがコントローラと関連付けられ得る。ユーザインターフェースは、ディスプレイスクリーンと、プロセス状態を表示するためのグラフィカルソフトウェアと、ポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォン、および他の同様のコンポーネントのようなユーザ入力デバイスとを含み得る。
【0081】
いくつかの実装形態では、装置の動作を制御するためのプログラム命令は、たとえば、アセンブリ言語、C、C++、Pascal、Fortran、または他のもののような、任意の従来のコンピュータ可読プログラミング言語で書かれたコンピュータプログラムコードを含み得る。コンパイルされたオブジェクトコードまたはスクリプトは、プログラム命令において特定されるタスクを実行するようにコントローラのプロセッサによって実行され得る。
【0082】
いくつかの実装形態では、製造プロセスを監視するための信号が、コントローラのアナログおよび/またはデジタル入力接続によって提供され得る。製造プロセスを制御するための信号は、コントローラのアナログおよび/またはデジタル出力接続で出力され得る。
【0083】
本明細書で開示された実装形態に関して説明された、様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアおよびソフトウェアの互換性が、全般に機能に関して説明され、上で説明された様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップにおいて示された。そのような機能がハードウェアとして実装されるか、またはソフトウェアとして実装されるかは、具体的な適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
【0084】
本明細書で開示された態様に関して説明された、様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実装するために使用されるハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルチッププロセッサもしくは汎用マルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP,digital signal processor)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA,field programmable gate array)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別のゲートもしくはトランジスタ論理、個別のハードウェアコンポーネント、または、本明細書で説明された機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで、実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、または任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、もしくは状態機械であり得る。プロセッサはまた、DSPおよびマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成のような、コンピューティングデバイスの組合せとして実装され得る。いくつかの実装形態では、特定のステップおよび方法は、所与の機能に固有である回路によって実行され得る。
【0085】
1つまたは複数の態様では、説明された機能は、本明細書で開示された構造およびそれらの構造的等価物を含む、ハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェアで、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。本明細書で説明された主題の実装形態はまた、1つまたは複数のコンピュータプログラムとして、すなわち、装置が実行するためにコンピュータ記憶媒体上に符号化された、または装置の動作を制御するための、コンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実装され得る。
【0086】
ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体に記憶されてよく、またはコンピュータ可読媒体を通じて送信されてよい。本明細書で開示された方法またはアルゴリズムのステップは、コンピュータ可読媒体上に存在し得る、プロセッサ実行可能ソフトウェアモジュールで実施され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所にコンピュータプログラムを転送することを可能にされ得る任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体とコンピュータ通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または、命令またはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶するために使用されコンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を含み得る。また、あらゆる接続がコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれ得る。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれ得る。さらに、方法またはアルゴリズムの動作は、コンピュータプログラム製品に組み込まれ得る、機械可読媒体およびコンピュータ可読媒体上のコードおよび命令の、1つまたは任意の組合せまたはセットとして存在し得る。
【0087】
本開示で説明された実装形態に対する様々な修正が、当業者には容易に明らかであり得るとともに、本明細書で定義された包括的な原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実装形態に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で示された実装形態に限定されるものではなく、本開示、本明細書で開示された原理および新規の特徴に一致する、最も広い範囲を与えられるべきである。「例示的」という用語は、本明細書ではもっぱら「例、事例、または例示の働きをすること」を意味するために使用される。「例示的」として本明細書で説明するいかなる実装形態も、必ずしも他の可能性または実装形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきであるとは限らない。さらに、当業者は、「上側」および「下側」という用語が、図の説明を簡単にするために使用されることがあり、適切に配向されたページ上の図の方位に対応する相対的な位置を示しており、実装されるデバイスの適切な配向を反映していない場合があることを容易に諒解するだろう。
【0088】
別々の実装形態の文脈で本明細書で説明されているいくつかの特徴は、単一の実装形態において組合せでも実装され得る。反対に、単一の実装形態の文脈で説明されている様々な特徴は、複数の実装形態において別個に、または任意の適切な部分的組合せでも実装され得る。その上、特徴は、いくつかの組合せで働くものとして上で説明され、初めにそのように請求されることもあるが、請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってはその組合せから削除されることがあり、請求される組合せは、部分的組合せ、または部分的組合せの変形を対象とすることがある。
【0089】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、そのような動作は、望ましい結果を達成するために、示された特定の順序で、もしくは順番に実行される必要がないこと、またはすべての図示された動作が実行される必要があるとは限らないことを、当業者は容易に認識するだろう。さらに、図面は、流れ図の形態で1つまたは複数の例示的なプロセスを概略的に示すことがある。しかしながら、示されていない他の動作が、概略的に示される例示的なプロセスに組み込まれ得る。たとえば、1つまたは複数の追加の動作が、示される動作のいずれかの前に、後に、それと同時に、またはそれらの間に、実行され得る。いくつかの状況において、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。その上、上で説明された実装形態における様々なシステムコンポーネントの分離は、すべての実装形態でそのような分離を要求するものとして理解されるべきでなく、説明されたプログラムコンポーネントおよびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に一緒に統合され、または複数のソフトウェア製品へとパッケージ化され得ることを理解されたい。加えて、他の実装形態が以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、特許請求の範囲に列挙される活動は、異なる順序で実行されてよく、それでも望ましい結果を達成することができる。