特許第6254698号(P6254698)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6254698無線通信システムにおいて装置対装置端末の信号送信方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6254698
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいて装置対装置端末の信号送信方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20171218BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20171218BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20171218BHJP
【FI】
   H04L27/26 114
   H04W92/18
   H04W72/04 136
【請求項の数】12
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-531540(P2016-531540)
(86)(22)【出願日】2014年8月5日
(65)【公表番号】特表2016-531497(P2016-531497A)
(43)【公表日】2016年10月6日
(86)【国際出願番号】KR2014007222
(87)【国際公開番号】WO2015020398
(87)【国際公開日】20150212
【審査請求日】2016年1月28日
(31)【優先権主張番号】61/862,510
(32)【優先日】2013年8月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/969,079
(32)【優先日】2014年3月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/994,107
(32)【優先日】2014年5月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】チェ ヒョクチン
(72)【発明者】
【氏名】ソ ハンピョル
(72)【発明者】
【氏名】キム ハクソン
(72)【発明者】
【氏名】ソ インクォン
【審査官】 北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−529416(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/017498(WO,A1)
【文献】 NEC Group,Uplink Reference Signal Enhancement for Low Cost MTC,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #73,2013年 5月11日,R1-132335,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_73/Docs/R1-132335.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04W 72/04
H04W 92/18
IEEE Xplore
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいてD2D端末が複数のD2D端末に信号を送信する方法であって、
参照信号シーケンス生成するステップと、
前記参照信号シーケンスを所定のシンボルにマップするステップと、
前記参照信号シーケンスが含まれた信号を送信するステップと、
を有し、
前記所定のシンボルは、各スロットの4番目のシンボルから時間軸においてそれぞれn、mの値のシンボルだけシフト
前記n、mは、互いに独立した値に設定され、
(n、m)の組合せは、前記複数のD2D端末のそれぞれに対して異なって設定される、信号送信方法。
【請求項2】
前記信号が3RB未満のRBで送信される場合、前記n、mのそれぞれの値は、{−k,…,−1,1,…,k}の整数集合の中から選択される、請求項1に記載の信号送信方法。
【請求項3】
前記k値は、前記D2D端末の属しているセル半径、D2D通信に参加可能な端末の数、セルに接続している端末の数のうち一つ以上を考慮して決定される、請求項に記載の信号送信方法。
【請求項4】
前記kは、上位層シグナリングで前記D2D端末に指示される、請求項に記載の信号送信方法。
【請求項5】
前記mの値は、ガード区間のサイズによって決定される、請求項1に記載の信号送信方法。
【請求項6】
前記ガード区間のサイズが1シンボルよりも大きい場合、前記mの絶対値は、1以上の値を有する、請求項に記載の信号送信方法。
【請求項7】
前記mの値のシンボルだけシフトした前記所定のシンボルと前記ガード区間の最初のシンボルとの間におけるシンボル個数は、前記ガード区間のサイズにかかわらずに一定の値である、請求項に記載の信号送信方法。
【請求項8】
前記ガード区間直前のシンボルにはサウンディング参照信号が送信される、請求項に記載の信号送信方法。
【請求項9】
前記ガード区間のサイズが1シンボルよりも小さい場合、前記サウンディング参照信号は、縮約した形態が用いられる、請求項に記載の信号送信方法。
【請求項10】
前記端末の移動性があらかじめ設定された値よりも大きい場合、前記所定のシンボルが含まれたRBの最初のシンボルにはサウンディング参照信号が送信される、請求項1に記載の信号送信方法。
【請求項11】
前記D2D端末にスロットホッピングが構成された場合、前記D2D端末は、前記所定のシンボルが含まれたRB内に少なくとも1つのシンボルでサウンディング参照信号が送信されることを決定する、請求項1に記載の信号送信方法。
【請求項12】
無線通信システムにおいて複数のD2D端末に信号を送信するD2D端末であって、
無線周波数(RF)ユニットと、
プロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、参照信号シーケンス生成し、前記参照信号シーケンスを所定のシンボルにマップし、前記参照信号シーケンスが含まれた信号を送信するよう前記RFユニットを制御するよう構成され
前記所定のシンボルは、各スロットの4番目のシンボルから時間軸においてそれぞれn、mの値のシンボルだけシフトし、
前記n、mは、互いに独立した値に設定され、
(n、m)の組合せは、前記複数のD2D端末のそれぞれに対して異なって設定される、D2D端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の説明は、無線通信システムに係り、特に、装置対装置通信において参照信号を送受信する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムが音声やデータなどのような様々な通信サービスを提供するために広範囲に展開されている。一般に、無線通信システムは、可用のシステムリソース(帯域幅、送信電力など)を共有して複数ユーザとの通信を支援できる多元接続(multiple access)システムである。多元接続システムの例には、CDMA(code division multiple access)システム、FDMA(frequency division multiple access)システム、TDMA(time division multiple access)システム、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)システム、SC−FDMA(single carrier frequency division multiple access)システム、MC−FDMA(multi carrier frequency division multiple access)システムなどがある。
【0003】
装置対装置(Device−to−Device;D2D)通信とは、端末(User Equipment;UE)間に直接的なリンクを設定し、基地局(evolved NodeB;eNB)の介入無しで端末間に音声、データなどを直接やり取りする通信方式のことをいう。D2D通信は、端末−対−端末(UE−to−UE)通信、ピア−対−ピア(Peer−to−Peer)通信などの方式を含むことができる。また、D2D通信方式は、M2M(Machine−to−Machine)通信、MTC(Machine Type Communication)などに応用することができる。
【0004】
D2D通信は、急増しているデータトラフィックによる基地局の負担を解決可能な一つの方案として考慮されている。例えば、D2D通信によれば、既存の無線通信システムと違い、基地局の介入無しで装置間にデータをやり取りするので、ネットワークの過負荷が減る。また、D2D通信を導入することによって、基地局における手順の減少、D2Dに参加する装置の消費電力の低減、データ伝送速度の増加、ネットワークの収容能力の増大、負荷の分散、セルカバレッジの拡大などの効果を期待することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明では、装置対装置通信において参照信号を含む信号送信方法を技術的課題とする。
【0006】
本発明で遂げようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していない他の技術的課題は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の技術的な側面は、無線通信システムにおいてD2D(Device−to−Device)端末が信号を送信する方法であって、参照信号シーケンスを生成するステップと、前記参照信号シーケンスを所定のシンボルにマップするステップと、前記参照信号シーケンスが含まれた信号を送信するステップとを有し、前記所定のシンボルは、各スロットの4番目のシンボルから時間軸においてそれぞれn、mシンボルだけシフトする、信号送信方法である。
【0008】
本発明の第2の技術的な側面は、無線通信システムにおけるD2D(Device−to−Device)端末であって、受信モジュールと、プロセッサとを備え、前記プロセッサは、参照信号シーケンス生成し、前記参照信号シーケンスを所定のシンボルにマップし、前記参照信号シーケンスが含まれた信号を送信し、前記所定のシンボルは各スロットの4番目のシンボルから時間軸においてそれぞれn、mシンボルだけシフトする、端末である。
【0009】
前記第1の技術的な側面及び第2の技術的な側面は、次の事項の全て/一部を含むことができる。
【0010】
前記信号が3RB(Resource Block)以上のRBで送信される場合、前記n、mは両方とも0であってもよい。
【0011】
前記信号が3RB未満のRBで送信される場合、前記n、mは、{−k,…,0,…,k}の整数集合の中から選択されてもよい。
【0012】
前記k値は、前記端末の属しているセル半径、D2D通信に参加可能な端末の数、セルに接続している端末の数のうち一つ以上を考慮して決定されてもよい。
【0013】
前記kは、上位層シグナリングで前記端末に指示されてもよい。
【0014】
前記mは、ガード区間のサイズによって決定されてもよい。
【0015】
前記ガード区間のサイズが1シンボルよりも大きい場合、前記mの絶対値は1以上の値を有してもよい。
【0016】
前記mだけシフトが適用された前記所定のシンボルと前記ガード区間の最初のシンボルとの間におけるシンボル個数は、前記ガード区間のサイズにかかわらずに一定の値であってもよい。
【0017】
前記ガード区間直前のシンボルにはサウンディング参照信号が送信されてもよい。
【0018】
前記ガード区間のサイズが1シンボルよりも小さい場合、前記サウンディング参照信号は、縮約した形態が用いられてもよい。
【0019】
前記端末の移動性があらかじめ設定された値よりも大きい場合、前記所定のシンボルが含まれたRBの最初のシンボルにはサウンディング参照信号が送信されてもよい。
【0020】
前記端末にスロットホッピングが構成された場合、前記端末は、前記所定のシンボルが含まれたRB内に少なくとも1つのシンボルでサウンディング参照信号が送信されると仮定してもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、D2D参照信号送信において干渉現象を減らすことができ、D2D信号が送信されるリソースのサイズが小さい場合にも多数の参照信号を確保することができる。
【0022】
本発明から得られる効果は、以上に言及した効果に制限されず、言及していない他の効果は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって明らかになるであろう。
【0023】
本明細書に添付される図面は、本発明に関する理解を提供するためのものであり、本発明の様々な実施の形態を示し、明細書の記載と共に本発明の原理を説明するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】無線フレームの構造を示す図である。
図2】下りリンクスロットにおけるリソースグリッド(resource grid)を示す図である。
図3】下りリンクサブフレームの構造を示す図である。
図4】上りリンクサブフレームの構造を示す図である。
図5】参照信号を説明するための図である。
図6】本発明の第1の実施例に係る参照信号を説明するための図である。
図7】本発明の第1の実施例に係る参照信号を説明するための図である。
図8】本発明の第1の実施例に係る参照信号を説明するための図である。
図9】本発明の第1の実施例に係る参照信号を説明するための図である。
図10】本発明の第1の実施例に係る参照信号を説明するための図である。
図11】本発明の第1の実施例に係る参照信号を説明するための図である。
図12】本発明の第1の実施例に係る参照信号を説明するための図である。
図13】本発明の第1の実施例に係る参照信号を説明するための図である。
図14】本発明の第2の実施例に係る参照信号を説明するための図である。
図15】本発明の第2の実施例に係る参照信号を説明するための図である。
図16】本発明の第2の実施例に係る参照信号を説明するための図である。
図17】送受信装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別に明示しない限り、選択的なものとして考慮されてもよい。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施されてもよく、また、一部の構成要素及び/又は特徴は結合されて本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に代えてもよい。
【0026】
本明細書では、本発明の実施例を、基地局と端末間におけるデータ送受信の関係を中心に説明する。ここで、基地局は、端末と直接に通信を行うネットワークの終端ノード(terminal node)としての意味を有する。本文書で、基地局により行われるとした特定動作は、場合によっては、基地局の上位ノード(upper node)により行われてもよい。
【0027】
すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)で構成されるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、又は基地局以外の他のネットワークノードにより行われるということは明らかである。「基地局(BS:Base Station)」は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(AP:Access Point)などの用語に代えてもよい。中継機は、Relay Node(RN)、Relay Station(RS)などの用語に代えてもよい。また、「端末(Terminal)」は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)、SS(Subscriber Station)などの用語に代えてもよい。
【0028】
以下の説明で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されたもので、これらの特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱することなく他の形態に変更されてもよい。
【0029】
場合によっては、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置を省略したり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示すこともできる。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素には同一の図面符号を付して説明する。
【0030】
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE802システム、3GPPシステム、3GPPLTE及びLTE−A(LTE−Advanced)システム、及び3GPP2システムの少なくとも一つに開示された標準文書でサポートすることができる。すなわち、本発明の実施例において本発明の技術的思想を明確にするために説明していない段階又は部分は、上記の標準文書でサポートすることができる。なお、本文書で開示している全ての用語は、上記の標準文書によって説明することができる。
【0031】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などのような種々の無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)のような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project)LTE(long term evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、下りリンクでOFDMAを採用し、上りリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は、3GPPLTEの進展である。WiMAXは、IEEE802.16e規格(WirelessMAN−OFDMA Reference System)及び進展したIEEE802.16m規格(WirelessMAN−OFDMA Advanced system)によって説明することができる。明確性のために、以下では、3GPPLTE及びLTE−Aシステムを中心に説明するが、本発明の技術的思想はこれに制限されない。
【0032】
LTA/LTA−Aリソース構造/チャネル
図1を参照して無線フレームの構造について説明する。
【0033】
セルラーOFDM無線パケット通信システムにおいて、上り/下りリンク信号パケット送信はサブフレーム(subframe)単位に行われ、1サブフレームは、複数のOFDMシンボルを含む一定の時間区間と定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1無線フレーム(radio frame)構造と、TDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2無線フレーム構造を支援する。
【0034】
図1(a)は、タイプ1無線フレームの構造を例示する図である。下りリンク無線フレームは10個のサブフレームで構成され、1個のサブフレームは時間領域(time domain)において2個のスロット(slot)で構成される。1個のサブフレームを送信するためにかかる時間をTTI(transmission time interval)という。例えば、1サブフレームの長さは1msであり、1スロットの長さは0.5msであってよい。1スロットは時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。3GPP LTEシステムでは、下りリンクでOFDMAを用いているため、OFDMシンボルが1シンボル区間を表す。OFDMシンボルは、SC−FDMAシンボル又はシンボル区間と呼ぶこともできる。リソースブロック(RB)はリソース割当て単位であり、1スロットにおいて複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
【0035】
1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成(configuration)によって異なってもよい。CPには、拡張CP(extended CP)及び一般CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルが一般CPによって構成された場合、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個であってよい。OFDMシンボルが拡張CPによって構成された場合、1 OFDMシンボルの長さが増加するため、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、一般CPの場合に比べて少ない。拡張CPの場合に、例えば、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個であってもよい。端末が速い速度で移動する場合などのようにチャネル状態が不安定な場合は、シンボル間干渉をより減らすために、拡張CPを用いることができる。
【0036】
一般CPが用いられる場合、1スロットは7個のOFDMシンボルを含み、1サブフレームは14個のOFDMシンボルを含む。このとき、各サブフレームにおける先頭2個又は3個のOFDMシンボルはPDCCH(physical downlink control channel)に割り当て、残りのOFDMシンボルはPDSCH(physical downlink shared channel)に割り当てることができる。
【0037】
図1(b)は、タイプ2無線フレームの構造を示す図である。タイプ2無線フレームは、2ハーフフレーム(half frame)で構成される。各ハーフフレームは、5サブフレーム、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(Guard Period;GP)、及びUpPTS(Uplink Pilot Time Slot)で構成され、ここで、1サブフレームは2スロットで構成される。DwPTSは、端末での初期セル探索、同期化又はチャネル推定に用いられる。UpPTSは、基地局でのチャネル推定と端末の上り送信同期を取るために用いられる。保護区間は、上りリンク及び下りリンク間に下りリンク信号の多重経路遅延によって上りリンクで生じる干渉を除去するための区間である。一方、無線フレームのタイプにかかわらず、1個のサブフレームは2個のスロットで構成される。
【0038】
無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるシンボルの数は様々に変更されてもよい。
【0039】
図2は、下りリンクスロットにおけるリソースグリッド(resource grid)を示す図である。同図で、1下りリンクスロットは時間領域で7個のOFDMシンボルを含み、1リソースブロック(RB)は周波数領域で12個の副搬送波を含むとしたが、本発明はこれに制限されない。例えば、一般CP(normal−Cyclic Prefix)では1スロットが7OFDMシンボルを含むが、拡張CP(extended−CP)では1スロットが6OFDMシンボルを含んでもよい。リソースグリッド上のそれぞれの要素をリソース要素(resource element)と呼ぶ。1リソースブロックは12×7個のリソース要素を含む。下りリンクスロットに含まれるリソースブロックの個数NDLは、下り送信帯域幅による。上りリンクスロットは下りリンクスロットと同一の構造を有することができる。
【0040】
図3は、下りリンクサブフレームの構造を示す図である。1サブフレーム内で第1のスロットにおける先頭部の最大3個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に該当する。残りのOFDMシンボルは、物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Chancel;PDSCH)が割り当てられるデータ領域に該当する。3GPP LTEシステムで用いられる下り制御チャネルには、例えば、物理制御フォーマット指示子チャネル(Physical Control Format IndicatorChannel;PCFICH)、物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、物理HARQ指示子チャネル(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator Chanel;PHICH)などがある。PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内の制御チャネル送信に用いられるOFDMシンボルの個数に関する情報を含む。PHICHは、上り送信の応答としてHARQ ACK/NACK信号を含む。PDCCHで送信される制御情報を、下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)という。DCIは、上りリンク又は下りリンクスケジューリング情報を含んだり、任意の端末グループに対する上り送信電力制御命令を含む。PDCCHは、下り共有チャネル(DL−SCH)のリソース割当て及び送信フォーマット、上り共有チャネル(UL−SCH)のリソース割当て情報、ページングチャネル(PCH)のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で送信されるランダムアクセス応答(Random Access Response)のような上位層制御メッセージのリソース割当て、任意の端末グループ内の個別端末に対する送信電力制御命令のセット、送信電力制御情報、VoIP(Voice over IP)の活性化などを含むことができる。複数のPDCCHが制御領域内で送信されてもよく、端末は複数のPDCCHをモニタすることができる。PDCCHは一つ以上の連続する制御チャネル要素(Control Channel Element;CCE)の組み合わせ(aggregation)で送信される。CCEは、無線チャネルの状態に基づくコーディングレートでPDCCHを提供するために用いられる論理割当て単位である。CCEは、複数個のリソース要素グループに対応する。PDCCHのフォーマットと利用可能なビット数は、CCEの個数とCCEによって提供されるコーディングレート間の相関関係によって決定される。基地局は、端末に送信されるDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check;CRC)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者又は用途によって無線ネットワーク臨時識別子(Radio Network Temporary Identifier;RNTI)という識別子でマスクされる。PDCCHが特定端末に対するものであれば、端末のcell−RNTI(C−RNTI)識別子をCRCにマスクすることができる。又は、PDCCHがページングメッセージに対するものであれば、ページング指示子識別子(Paging Indicator Identifier;P−RNTI)をCRCにマスクすることができる。PDCCHがシステム情報(より具体的に、システム情報ブロック(SIB))に対するものであれば、システム情報識別子及びシステム情報RNTI(SI−RNTI)をCRCにマスクすることができる。端末のランダムアクセスプリアンブルの送信に対する応答であるランダムアクセス応答を示すために、ランダムアクセス−RNTI(RA−RNTI)をCRCにマスクすることができる。
【0041】
図4は、上りリンクサブフレームの構造を示す図である。上りリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別できる。制御領域には上りリンク制御情報を含む物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)が割り当てられる。データ領域には、ユーザーデータを含む物理上り共有チャネル(Physical uplink shared channel;PUSCH)が割り当てられる。単一搬送波特性を維持するために、一つの端末はPUCCHとPUSCHを同時に送信しない。一つの端末のPUCCHは、サブフレームにおいてリソースブロック対(RB pair)に割り当てられる。リソースブロック対に属するリソースブロックは、2スロットに対して互いに異なった副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられるリソースブロック対がスロット境界で周波数−ホップ(frequency−hopped)するという。
【0042】
参照信号(Reference Signal;RS)
無線通信システムにおいてパケットを送信するとき、パケットは無線チャネルを介して送信されるため、送信過程で信号の歪が発生することがある。歪んだ信号を受信側で正しく受信するためには、チャネル情報を用いて受信信号から歪を補正しなければならない。チャネル情報を読み取るために、送信側、受信側の両方で知っている信号を送信し、当該信号がチャネルを介して受信される時の歪の度合によってチャネル情報を読み取る方法を主に用いる。この信号をパイロット信号(Pilot Signal)又は参照信号(Reference Signal)という。
【0043】
多重アンテナを用いてデータを送受信する場合は、各送信アンテナと受信アンテナ間のチャネル状況を知らなければ正しい信号を受信することができない。そのため、各送信アンテナ別に、より具体的にはアンテナポート別にそれぞれの参照信号が存在しなければならない。
【0044】
参照信号は上りリンク参照信号と下りリンク参照信号とに区別することができる。現在、LTEシステムには上りリンク参照信号として、
【0045】
i)PUSCH及びPUCCHを介して送信された情報のコヒーレント(coherent)な復調のためのチャネル推定に用いられる復調参照信号(DeModulation−Reference Signal;DMRS)
【0046】
ii)基地局が、ネットワークの異なる周波数上における上りリンクチャネル品質を測定するために用いるサウンディング参照信号(Sounding Reference Signal;SRS)がある。
【0047】
一方、下りリンク参照信号としては、
【0048】
i)セル内の全ての端末が共有するセル−特定参照信号(Cell−specific Reference Signal;CRS)
【0049】
ii)特定端末のみのための端末−特定参照信号(UE−specific Reference Signal)
【0050】
iii)PDSCHが送信される場合、コヒーレントな復調のために送信されるDMRS
【0051】
iv)下りリンクDMRSが送信される場合、チャネル状態情報(Channel State Information;CSI)を伝達するためのチャネル状態情報参照信号(Channel State Information−Reference Signal;CSI−RS)
【0052】
v)MBSFN(Multimedia Broadcast Single Frequency Network)モードで送信される信号に対するコヒーレントな復調のために送信されるMBSFN参照信号(MBSFN Reference Signal)
【0053】
vi)端末の地理的位置情報を推定するために用いられる位置参照信号(Positioning Reference Signal)がある。
【0054】
参照信号はその目的によって2種類に大別することができる。チャネル情報の取得のための参照信号とデータ復調のための参照信号がある。前者は、UEが下りリンクのチャネル情報を取得できるようにすることに目的があるため、広帯域で送信しなければならず、特定サブフレームで下りリンクデータを受信しない端末であってもその参照信号を受信しなければならない。また、これはハンドオーバーなどの状況でも用いられる。後者は、基地局が下りリンクデータを送信するとき、該当のリソースで併せて送る参照信号であり、端末は当該参照信号を受信することによってチャネル測定をし、データを復調することができる。この参照信号はデータの送信される領域で送信されなければならない。
【0055】
CRSはチャネル情報取得及びデータ復調の2つの目的に用いられ、端末特定参照信号はデータ復調用にのみ用いられる。CRSは、広帯域に対して毎サブフレームごとに送信され、基地局の送信アンテナ個数によって最大4個のアンテナポートに対する参照信号が送信される。
【0056】
例えば、基地局の送信アンテナ数が2個の場合、0番と1番のアンテナポートに対するCRSが送信され、4個の場合、0〜3番のアンテナポートに対するCRSがそれぞれ送信される。
【0057】
図5は、既存の3GPP LTEシステム(例えば、リリース−8)において定義するCRS及びDRSが下りリンクリソースブロック対(RB pair)上にマップされるパターンを示す図である。参照信号がマップされる単位としての下りリンクリソースブロック対は時間上で1サブフレーム×周波数上で12副搬送波の単位で表現することができる。すなわち、1リソースブロック対は、時間上で、一般CPの場合(図5(a))は14個のOFDMシンボル長、拡張CPの場合(図5(b))は12個のOFDMシンボル長を有する。
【0058】
図5は、基地局が4個の送信アンテナを支援するシステムにおいて、参照信号の、リソースブロック対上における位置を示している。図5で、「0」、「1」、「2」及び「3」で表示されたリソース要素(RE)は、それぞれ、アンテナポートインデックス0、1、2及び3に対するCRSの位置を示す。一方、図5で、「D」で表示されたリソース要素は、DMRSの位置を示す。
【0059】
以下、上述した説明に基づいて、本発明の実施例に係る、D2D信号送受信において使用可能な参照信号について説明する。
【0060】
実施例1
第1の実施例は、D2D通信がSC FDM(Single Carrier Frequency Division Multiplexing)方式を用いる場合のための参照信号に関する。
【0061】
D2D端末は、参照信号シーケンスを生成し、生成された参照信号シーケンスを所定の(OFDM)シンボルにマップし、参照信号の含まれた信号を送信することができる。ここで、参照信号がマップされる所定のシンボルは、各スロット(1番目のスロット及び2番目のスロット)の4番目のシンボルから時間軸においてそれぞれn、mシンボルだけシフトされたものでよい。n、mは、{−k,…,0,…,k}の整数集合の中から選択されたものであってもよく、スロット別に異なる値又は同一の値を有することができる。参照信号シーケンスは、既存のLTE/LTE−Aシステムに定義されたPUSCH送信のための復調参照信号(DeModulation reference signal)の生成における参照信号シーケンスであってもよい。全てのD2D端末の参照信号が同一の時間位置で送信される場合、電力の差による「near far problem」が発生する可能性が高いことから、参照信号のマップされる時間(及び/又は周波数)リソースの位置を様々にする必要がある。より具体的に、既存のLTE/LTE−Aシステムにおいて上りリンク参照信号は同一シンボル位置で巡回シフト(cyclic shift)することによって又は基底シーケンスを別々にすることによって端末を区別するCDM(code division multiplexing)構造となっているが、適切な送信電力の制御が伴わないCDM構造は「near far problem」に弱い。このため、上述したように、D2D参照信号が送信されるシンボルの位置を様々にすることによって、「near far problem」を低減することができる。
【0062】
仮にD2D参照信号が3RB以上の小さいRBで送信される場合に、n、mはいずれも0であり、3RB未満のRBで送信される場合に、n、mは{−k,…,0,…,k}の整数集合の中から選択されたものであってもよい。kは、スロット別に異なる値又は同一の値であってもよい。言い換えると、D2D信号(例えば、ディスカバリ信号)が3RBよりも小さい個数のRBで送信される場合にのみ、時間軸シフトを適用する。既存のLTE/LTE−AシステムにおいてPUSCH DMRSが3RB未満のRBで送信される場合、ザドフチュー(Zadoff−Chu)シーケンスの代わりに、長さ12又は24のシーケンスが用いられるが、この長さ12又は24のシーケンスは30個の中から選択される。この30というシーケンス個数がD2Dディスカバリに用いられる場合、端末の数に比べてRS数の不足現象が発生しうる。このため、3RB未満の場合には、参照信号シンボルシフトを適用することによって、RS数の不足を解決することができる。
【0063】
D2D信号が3RB未満のRBで送信される場合にのみシフトを適用する方式も、このような制限無しでシフトを適用する方式も、シフトに関連した別のシグナリングが存在しない限り、D2D信号を受信する端末にとっては参照信号の候補が増加する結果となり得る。例えば、kが−1、すなわち、シンボルシフト値が{−1,0,1}から選択され、スロット別に異なるk値を有する場合、最大9個の異なる参照信号シンボル位置を生成することができる。ただし、大きすぎる参照信号候補は端末にとって負担であるので、セル半径、D2D通信に参加可能な端末の数、セルに接続している端末の数のうち一つ以上を考慮して決定することができる。また、このように決定された(スロット別)k値は、上位層又は物理層シグナリングで端末に示されてもよい。又は、D2D機器間の制御チャネルを介して送信端末から受信端末に示されてもよい。
【0064】
上述した説明において、既存PUSCH DMRSが送信されるシンボルは、D2D端末が使用しないように設定されてもよい。言い換えると、n、mは{−k,…,−1,1,…,k}の整数集合の中から選択されてもよい。
【0065】
図6には、上述のようにシンボルシフトが適用されたD2D参照信号の例示を示す。図6(a)は、参照信号シーケンスのマップされるシンボルが、各スロットにおいて4番目のOFDMシンボルから−1(k=−1)シンボルだけシフトした例を、図6(b)は、+1だけシフトした例を示す。図6(c)は、図6(a)及び図6(b)とは違い、スロット別に異なるシフトが適用された例を示す。図6(a)及び図6(b)に示すように、D2D参照信号が送信されるRBの最初のシンボル又は最後のシンボルではガード区間(guard period)が設定されたり又は参照信号(例えば、SRS)が送信されてもよい。
【0066】
一方、上記のm(又は、n、mの両方)は、ガード区間のサイズによって決定されてもよく、ガード区間のサイズは、セル半径(cell radius)によって可変してもよい。このような場合の例を図7に示している。具体的に、図7(a)には、ガード区間のサイズが0.5シンボルであり、m=0である場合を、図7(b)は、ガード区間のサイズが1シンボルであり、m=−1である場合を、図7(c)は、ガード区間のサイズが2シンボルであり、m=−2である場合をそれぞれ示している。すなわち、図7では、ガード区間のサイズが1シンボルよりも大きい場合、mの絶対値が1以上である値を有する場合を示しており、特に、mだけシフトが適用された、参照信号が送信されるシンボルとガード区間の最初のシンボルとの間のシンボル個数は、ガード区間のサイズに関わらずに2と一定の値を有することがわかる。この場合、参照信号が送信されるシンボルの位置がシフトされても、参照信号から最も遠いデータシンボルまでの距離には変化がないとともに、参照信号シンボル間のデータシンボルはインターポレーション(interpolation)による利得をさらに得ることができる。図8では、拡張CPの場合が示されており、図7に関する説明を準用することができる。図9(ノーマルCP)及び図10(拡張CP)には、ガード区間のサイズが変更される例を示し、図7及び図8の場合とは違い、ガード区間のサイズが変更されても参照信号シンボルがシフトされない場合を示している。
【0067】
ガード区間を除いた境界シンボル(boundary symbol)には、コードワード又は別の参照信号がマップされてもよい。例えば、図7に示すように、ガード区間の直前シンボルには、別の参照信号(例えば、サウンディング参照信号でよく、以下ではサウンディング参照信号を前提する。以下、サウンディング信号は、反復ファクター(repetition factor)が2であるIFDMA(Interleaved FDMA)構造を指す。すなわち、厳密には、サウンディング信号とシーケンス(equence)は異なってもよい。)が送信されてもよい。特に、図7(a)のようにガード区間のサイズが1シンボルよりも小さい場合には、サウンディング参照信号は、縮約した形態が用いられてもよい。サウンディング参照信号は、端末の移動性(mobility)、周波数オフセット(frequency offset)が大きい場合、最初のシンボルで送信されてもよい。例えば、周波数オフセットが大きい場合、スロット内で追加参照信号を送信し、スロットホッピングによってダイバーシティを得ることができる。図11には、このように追加の参照信号が送信される場合とそうでない場合との比較結果を示す。図11では、800Hzの周波数オフセット、128ビットのディスカバリ信号送信を前提とする。図11におけるインデックス(例えば、2,800、FOE、NH、LI)において、2は2個のDMRSを使用した場合、4は2個のDMRS+2個の追加RSを使用した場合、FOEは、周波数オフセット推定(frequency offset estimation)技法を適用した場合、NFOEは、FOEを適用しない場合、を示す。SAは、スロット内でRSからチャネルを推定した後、その平均値をスロット内のチャネル推定値として用いた場合を表し、LIは、RSが2個以上であるとき、線形インターポレーション(linear interpolation)を行った場合を表す。HとNHは、スロットホッピング(slot hopping)を適用した場合とそうでない場合を表す。図11に示すように、周波数オフセットが800Hzのように大きい場合、FOEを適用し、スロットホッピングを適用しながら参照信号を追加して送信することが、最も良い性能を示す。
【0068】
一方、スロットホッピングが設定された場合にのみ、最初のシンボル(及び/又は最後のシンボル)に追加の参照信号を送信することもできる。又は、ネットワーク/特定端末が物理層/上位層シグナリングで最初のシンボル(及び/又は最後のシンボル)に追加のRSを送信することを指示することもできる。又は、D2D端末は、スロットホッピングが設定された場合、スロット内に追加の参照信号があると仮定して、周波数オフセット推定及び/又はチャネル推定を行うことができる。
【0069】
続いて、参照信号の候補数は、FDM(Frequency Division Multiplexing)方式で増加されてもよい。この場合、参照信号送信に用いられるREの個数が減り、データのマップされるREに比べてより高い電力を割り当てることができる。ここで、参照信号REとデータREとの送信電力比率は、あらかじめ定められた値であってもよく、物理層/上位層シグナリングで伝達されてもよい。このような例が図12に示されている。図12で、異なる柄のREは互いに異なる参照信号を意味し、これらのREにマップされる参照信号シーケンスは、PUSCH DMRSなどのように既存のLTE/LTE−Aシステムに定義されているものであってもよい。図12(a)には、RE単位のFDMが適用された場合を示す。この場合、異なる端末間で周波数オフセットに弱くなりうるが、複数のREを連接することによってこのような点を補完することができる。図12(b)は、3個のREを連接してFDMを適用した場合を示し、図12(c)は、図12(b)ではスロット別にFDM形態が交互していることに比べて、スロットごとに参照信号の位置が同一になっている。図12(d)は、6個のREを連接してFDMを適用している。
【0070】
図12の例示において、仮にD2D端末の受信アンテナが2個以上である場合、参照信号が効果的に分離されてチャネル推定性能が一定レベルに保障されると、データREは、一つのRBにおいて同じREで送信されても、推定されたチャネル情報に基づいて受信ビームフォーミングによって検出を行うことができる。しかし、D2D UEの受信アンテナが1個であれば、参照信号を分離したとしても、データは分離されず、強い干渉を受けることがあり、データも参照信号と同様に、時間及び/又は周波数軸上で分離されることが好ましい。すなわち、1つの参照信号ではあらかじめ定められたREグループを復号するという規則を事前に定めることができ、これはD2D送受信UEに事前に約束されていてもよい。具体例として、図13に示すように、データREがREグループAとREグループBとに分離されていてもよい。
【0071】
実施例2
第2の実施例は、D2D信号送信にOFDM方式が用いられる場合に関する。第2の実施例によれば、参照信号REに割り当てられる電力は、データREに比べて高くてもよく、既存のLTE/LTE−Aシステムで定義された上りリンク参照信号の位置と重ならない位置のREを用いることができる。また、保護区間(guard interval)のために、最初及び/又は最後のシンボルは参照信号がマップされなくてもよい。ここで、保護区間は、実施例1の場合と同様に、既存のWAN通信とD2D通信間のスイッチング又はD2D Tx/Rxスイッチングのためのものでよい。
【0072】
図14(a)はノーマルCPでD2D参照信号の例を示し、図14(b)は拡張CPでD2D参照信号の例を示している。図14(a)で、最初のシンボルは、ガード区間/シンボルのために参照信号がマップされておらず、結果的に、既存のCRSが1シンボルシフトした形態となる。図14(b)で、3番目のシンボルはDMRSが送信されるので、1シンボルシフトしたCRSのうち2番目のシンボルの参照信号が4番目のシンボルにシフトしている。図14は最大4個のアンテナのための参照信号であるが、実際にD2D送信は単一又は2個のアンテナを用いることができる。このため、2つのポートのためのREをバンドリングして1つのポートのために用いることができる。このような例が図15に示されている。図14で、異なるUEの信号がマルチプレクシングされる場合、ポート0、2は端末Aが使用し、ポート1、3は端末Bが使用することができる。このとき、各ポートは、別のポートとして用いられてもよく、バンドリングされて1つのポートとして用いられてもよい。
【0073】
図16には、更に他の例を示す。具体的に、既存のLTE/LTE−Aシステムで定義されたDMRSを時間軸において1シンボルだけシフトさせ、最後のシンボルがガードシンボルとして用いられるようにしてもよい。このような構造で、2つのポートをバンドリングして1つのポートとして用いることによって、チャネル推定性能を向上させることができる。例えば、ポート7,8と9,10(又は、7,9と8,10)がバンドリングされて新しい一つのポートを構成することができる。
【0074】
本発明の実施例に係る装置構成
図17は、本発明の実施形態に係る送信ポイント装置及び端末装置の構成を示す図である。
【0075】
図17を参照すると、本発明に係る送信ポイント装置10は、受信モジュール11、送信モジュール12、プロセッサ13、メモリ14及び複数個のアンテナ15を備えることができる。複数個のアンテナ15は、MIMO送受信を支援する送信ポイント装置を意味する。受信モジュール11は、端末からの上りリンク上の各種の信号、データ及び情報を受信することができる。送信モジュール12は、端末への下りリンク上の各種の信号、データ及び情報を送信することができる。プロセッサ13は、送信ポイント装置10の動作全般を制御することができる。
【0076】
本発明の一実施例に係る送信ポイント装置10におけるプロセッサ13は、前述した各実施例において必要な事項を処理することができる。
【0077】
送信ポイント装置10のプロセッサ13は、その他にも、送信ポイント装置10が受信した情報、外部に送信する情報などを演算処理する機能を担い、メモリ14は、演算処理された情報などを所定時間記憶することができ、バッファー(図示せず)などの構成要素に代えてもよい。
【0078】
続いて、図17を参照すると、本発明に係る端末装置20は、受信モジュール21、送信モジュール22、プロセッサ23、メモリ24及び複数個のアンテナ25を備えることができる。複数個のアンテナ25は、MIMO送受信を支援する端末装置を意味する。受信モジュール21は、基地局からの下りリンク上の各種の信号、データ及び情報を受信することができる。送信モジュール22は、基地局への上りリンク上の各種の信号、データ及び情報を送信することができる。プロセッサ23は、端末装置20の動作全般を制御することができる。
【0079】
本発明の一実施例に係る端末装置20におけるプロセッサ23は、前述した各実施例において必要な事項を処理することができる。
【0080】
端末装置20のプロセッサ23は、その他にも、端末装置20が受信した情報、外部に送信する情報などを演算処理する機能を果たし、メモリ24は、演算処理された情報などを所定時間記憶することができ、バッファー(図示せず)などの構成要素に代えてもよい。
【0081】
上記のような送信ポイント装置及び端末装置の具体的な構成は、前述した本発明の様々な実施例で説明した事項が独立して適用されたり、又は2つ以上の実施例が同時に適用されるように具現することができ、重複する内容は明確性のために説明を省略する。
【0082】
また、図17の説明において、送信ポイント装置10についての説明は、下り送信主体又は上り受信主体としての中継機装置にも同一に適用することができ、端末装置20についての説明は、下り受信主体又は上り送信主体としての中継機装置にも同一に適用することができる。
【0083】
以上の本発明の実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって実現することができる。
【0084】
ハードウェアによる実現の場合に、本発明の実施例に係る方法は、一つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって実現することができる。
【0085】
ファームウェアやソフトウェアによる実現の場合に、本発明の実施例に係る方法は、以上で説明した機能又は動作を行うモジュール、手順、関数などの形態として具現することができる。ソフトウェアコードはメモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動することができる。メモリユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、既に公知の様々な手段によってプロセッサとデータを授受することができる。
【0086】
以上、開示された本発明の好ましい実施例についての詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供された。以上では本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術の分野における熟練した当業者に理解されるように、本発明の領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更することもできる。例えば、当業者は、上記の実施例に記載された各構成を互いに組み合わせる方式で用いてもよい。したがって、本発明は、ここに開示されている実施形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えるためのものである。
【0087】
本発明は、本発明の精神及び必須特徴から逸脱することなく、他の特定の形態として具体化することができる。そのため、上記の詳細な説明はいずれの面においても制約的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付した請求項の合理的解釈によって定めなければならず、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。本発明は、ここに開示されている実施形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を有するものである。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係を有しない請求項を結合して実施例を構成してもよく、出願後の補正によって新しい請求項として含めてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
上述したような本発明の実施形態は、様々な移動通信システムに適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17