特許第6254710号(P6254710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6254710
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】イオン発生機
(51)【国際特許分類】
   H05F 3/04 20060101AFI20171218BHJP
   H01T 23/00 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   H05F3/04 D
   H01T23/00
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-547721(P2016-547721)
(86)(22)【出願日】2015年5月15日
(86)【国際出願番号】JP2015064008
(87)【国際公開番号】WO2016038938
(87)【国際公開日】20160317
【審査請求日】2016年8月29日
(31)【優先権主張番号】特願2014-183770(P2014-183770)
(32)【優先日】2014年9月10日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077780
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 泰甫
(74)【代理人】
【識別番号】100106024
【弁理士】
【氏名又は名称】稗苗 秀三
(74)【代理人】
【識別番号】100167841
【弁理士】
【氏名又は名称】小羽根 孝康
(74)【代理人】
【識別番号】100168376
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 清隆
(72)【発明者】
【氏名】花井 孝弘
(72)【発明者】
【氏名】漆崎 正人
(72)【発明者】
【氏名】森田 全紀
(72)【発明者】
【氏名】林 悠
【審査官】 山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−089295(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/157465(WO,A1)
【文献】 特開2014−154416(JP,A)
【文献】 特開2001−043992(JP,A)
【文献】 特開2013−243099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01T 19/04
A61L 9/22
H01T 23/00
F24F 1/00
F24F 3/16
F24F 7/00
H05F 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電によりイオンを発生する複数のイオン発生装置と、通風路内に発生したイオンを送風により吹出口から外部に放出させるファンとを備えたイオン発生機であって、複数のイオン発生装置が幅方向に並べられ、吹出口に、幅方向の中間部から吹き出されるイオンを幅方向の端部から吹き出されるイオンに合流させるルーバが幅方向に沿って設けられ、ルーバは幅方向に隣り合うイオン発生装置の間に対向するように配置されたことを特徴とするイオン発生機。
【請求項2】
放電によりイオンを発生するイオン発生装置と、通風路内に発生したイオンを送風により吹出口から外部に放出させるファンとを備えたイオン発生機であって、吹出口に、幅方向の中間部から吹き出されるイオンを幅方向の端部から吹き出されるイオンに合流させるルーバが幅方向に沿って設けられ、イオン発生装置は、正イオンを発生させるための正放電電極と負イオンを発生させるための負放電電極とを有し、正放電電極と負放電電極とは幅方向に交互に配置され、ファンは、複数の羽根車を有するクロスフローファンとされ、羽根車の軸方向の中央が各放電電極と対向することを特徴とするイオン発生機。
【請求項3】
幅方向の端部側のルーバと吹出口の側壁とが送風方向の下流側に向かうにつれて近づくように設けられたことを特徴とする請求項1または2記載のイオン発生機。
【請求項4】
幅方向の端部に位置するルーバの先端が側壁に近づくように、ルーバが斜めに設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のイオン発生機。
【請求項5】
吹出口の側壁は、送風方向に平行に形成されたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のイオン発生機。
【請求項6】
ルーバは隣り合うイオン発生装置の放電電極の間に対向するように配置されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のイオン発生機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中の放電によってイオンを発生するイオン発生機に関する。
【背景技術】
【0002】
イオン発生機では、空気中での放電により正イオンおよび負イオンを発生し、発生したイオンが空気中に放出される。放出された正イオンおよび負イオンが帯電している物体に当たると、物体表面の静電気が中和され、物体が除電される。
【0003】
物体の除電を行うには、正イオンと負イオンが均等に分布していなければならない。特許文献1に記載されたイオン発生機では、幅方向および前後方向に正放電電極と負放電電極が交互に並び、前後の放電電極に交互に電圧が印加される。これにより、空間的にも時間的にも正イオンおよび負イオンが均等に発生し、均一なイオンバランスが実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−154416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
吹出口が幅方向に広がるように形成されているとき、吹出口の幅方向の端部から吹き出されるイオンは、吹出口の側壁に沿って外側に広がっていく。幅方向の端部から吹き出されるイオンは拡散され、幅方向の中間部に比べて、端部から吹き出されたイオンはバランスが崩れやすい。イオンバランスが悪くなると、除電すべき物体を帯電させてしまう。
【0006】
本発明は、上記に鑑み、幅方向の端部から吹き出されるイオンのバランスの悪化を防ぎながら、イオンを幅広く吹き出すことができるイオン発生機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のイオン発生機は、放電によりイオンを発生するイオン発生装置と、通風路内に発生したイオンを送風により吹出口から外部に放出させるファンとを備え、吹出口に、幅方向の端部から吹き出されるイオンに幅方向の中間部から吹き出されるイオンを合流させる案内部が設けられたものである。
【0008】
案内部により、端部側のイオンと中間部からのイオンとが混じり合う。これにより、端部側のイオンのバランスが崩れても、バランスのよいイオンが混じるので、端部側のイオンバランスが改善される。
【0009】
吹出口に、幅方向に沿って複数のルーバが設けられ、幅方向の端部側のルーバと吹出口の側壁とが送風方向の下流側に向かうにつれて近づくように設けられることにより案内部が構成される。すなわち、端部のルーバおよび吹出口の側壁は、端部側から吹き出すイオンと中間部から吹き出すイオンが合流するように案内する。
【0010】
幅方向の端部に位置するルーバの先端が側壁に近づくように、ルーバが斜めに設けられる。吹出口の側壁は、送風方向に平行に形成される。ルーバが吹出口の側壁に近づいていく配置となり、中間部からバランスのよいイオンが端部側に広がる。
【0011】
イオン発生装置は、正イオンを発生させるための正放電電極と負イオンを発生させるための負放電電極とを有し、正放電電極と負放電電極とは幅方向に交互に配置され、ファンは、複数の羽根車を有するクロスフローファンとされ、羽根車の軸方向の中央が各放電電極と対向する。羽根車の中央の風速は最大である。放電電極から発生したイオンがファンの強い風によって遠くまで届けられる。
【0012】
本発明によると、幅方向の中間部からバランスのよいイオンを端部側に導くことにより、イオンバランスの悪化を防止でき、均一なイオンバランスを有するイオンを吹き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のイオン発生機の斜視図
図2】イオン発生機の正面図
図3】イオン発生機の背面図
図4】イオン発生機の断面図
図5】イオン発生装置が設けられた通風路および吹出口を示す図
図6】イオン発生機の制御ブロック図
図7】イオン発生装置に対するイオンセンサの位置を示す図
図8】クロスフローファンの風速分布に対する放電電極の位置関係を示す図
図9】通風路の一部を形成する基板カバーおよび回路基板を示す図
図10】通風路の下壁の正面図
図11】他の形態の通風路および吹出口を示す図
図12】他の形態の通風路および吹出口を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
本実施形態のイオン発生機を図1〜5に示す。イオン発生機は、イオンを発生するイオン発生装置1と、発生したイオンを外部に放出するファン2と、イオン発生装置1およびファン2を収納するハウジング3と、ハウジング3を回動可能に支持するスタンド4とを備えている。スタンド4は、回動されたハウジング3の角度を保持する機能を有し、ハウジング4の角度を調整できる。イオン発生装置1は、正イオンおよび負イオンを発生する。正イオンおよび負イオンが物体の表面に帯びている電荷を除去することにより、被対象物体を除電できる。すなわち、本イオン発生機は、除電装置として使用される。
【0015】
ハウジング3の上面に吸込口5が形成され、前面に吹出口6が形成される。ハウジング3内に、吸込口5から吹出口6に至る通風路7が形成される。送風路7内の吸込口5の近くにフィルタが設けられる。
【0016】
通風路7の入口側に、ファン2が配される。ファン2は、クロスフローファンとされ、ハウジング3に回動可能に保持される。クロスフローファンは、複数の羽根車10が軸方向に連結されてなり、一端に配されたモータ11によって回転される。したがって、ファン2による送風方向は、前後方向において後側から前側に向かう方向となる。
【0017】
ファン2よりも下流側では、通風路7は、四方を壁に囲まれて、下方から水平になるように湾曲し、ハウジング3の前面に向かってほぼ水平に形成される。通風路7の左右の側壁15は、互いに平行にかつ下壁16に対して垂直に形成される。通風路7の上壁17は、前側に向かって斜め上に傾斜している。通風路7は、左右方向の幅は変わらない、すなわち上流側から下流側にかけて左右方向の幅は同じである。そして、下流側に向かうにつれて上方に広がる。
【0018】
ハウジング3の前面に凹部20が形成され、凹部20の奥側が開口され、通風路7に連通している。この凹部20が吹出口6とされる。通風路7の左右の側壁15が延長されて、吹出口6の左右の側壁とされる。吹出口6の左右方向の幅は通風路7の左右方向の幅と同じである。吹出口6は、前側に向かうにつれて上下に広がっている。吹出口6に、左右方向の風向きを決めるルーバ21が設けられる。なお、22は左右方向に延びた水平板である。
【0019】
イオン発生装置1は、2つの放電電極25、26を有し、針状の2つの放電電極25、26が樹脂製のケース27に収容される。ケース27内に、各放電電極25、26に高電圧を印加する高電圧発生回路28が設けられている。放電電極25、26は、正イオンを発生する正放電電極25と、負イオンを発生する負放電電極26とされ、各放電電極25、26が左右方向に所定の間隔をあけて並べて配置される。
【0020】
イオン発生機は、複数のイオン発生装置1を備えている。イオン発生装置1は、通風路7の上壁17に設けられる。イオン発生装置1の下部は、通風路7内に位置し、放電電極25、26が通風路7に臨む。図5に示すように、複数のイオン発生装置1が一定間隔で前後左右に並んで配置される。すなわち、3つのイオン発生装置1が左右方向に一列に並べられる。また、2列のイオン発生装置1が送風方向に沿って前後に並べられる。通風路7において、後列のイオン発生装置1は、前列のイオン発生装置1よりも低い位置にある。送風方向の上流側では、イオンは低い位置で発生し、下流側では、上流側よりも高い位置で発生する。これにより、吹き出されるイオンは上下方向に広がる。
【0021】
隣り合うイオン発生装置1において、前後左右の放電電極25、26は逆極性となる。すなわち、前後に並んだイオン発生装置1において、送風方向の上流側(後列)に負放電電極26あるとき、下流側(前列)には正放電電極25がくる。また、左右方向に並んだイオン発生装置1において、一方のイオン発生装置1に正放電電極25があるとき、隣のイオン発生装置1では負放電電極26がくる。
【0022】
図6に示すように、イオン発生機は、運転スイッチ30および風量スイッチ31と、イオン発生装置1およびファンを駆動制御する制御装置32とを備えている。運転スイッチ30は、ハウジング3の前面に設けられる。制御装置32は、運転スイッチ30のオンによりイオン発生装置1およびファン2を動作させる。運転スイッチ30がオンされると、制御装置32は、各イオン発生装置1の高電圧発生回路28の駆動を制御する。また、風量スイッチ31が操作されると、制御装置32は、設定された風量に応じてファン2の回転数を変える。これにより、風量の強弱が切り替えられる。
【0023】
高電圧発生回路28は、正放電電極25および負放電電極26に対し、同レベルの高電圧を印加する。制御装置32は、一定の周期で印加と印加停止とを繰り返すように高電圧発生回路28を制御する。これにより、1つのイオン発生装置1において、一定の周期で同量の正イオンおよび負イオンが同時に発生する。
【0024】
そして、前列のイオン発生装置1の高電圧発生回路28と後列のイオン発生装置1の高電圧発生回路28とは、半周期ずれて駆動される。すなわち、後列のイオン発生装置1がイオンを発生しているとき、前列のイオン発生装置1は停止している。前列のイオン発生装置1がイオンを発生しているとき、後列のイオン発生装置1は停止している。前後のイオン発生装置1は交互に同量の正イオンおよび負イオンを発生する。発生したイオンは、ファン2の駆動によって発生する風によって通風路7内を運ばれる。そして、正イオンおよび負イオンは、吹出口6から被対象物体に向かって吹き出される。
【0025】
このように、前後左右に正負の放電電極25、26が交互に並び、周期的に放電することにより、空間的にも時間的にも正イオンおよび負イオンが均等に発生することになり、均一なイオンバランスを実現できる。したがって、除電装置としての機能を十分に発揮させることができる。
【0026】
ところで、イオン発生装置1に異常が発生すると、イオンが発生しなくなったり、あるいは発生するイオン量が少なくなる。また、フィルタが目詰まりすると、ファン2による風量が低下して、検出されるイオン量が少なくなる。このような異常を検出するために、イオン発生機は、イオンの発生の有無を検出するイオンセンサ33を備えている。
【0027】
イオンセンサ33は、イオンを捕集して、捕集したイオン量に応じて電位を発生する。この電位に応じた検出値が制御装置32に出力される。検出値はイオン量に比例する。また、イオンセンサ33が正イオンを検出したときの検出値は、負イオンを検出したときの検出値とは逆極性となる。
【0028】
制御装置32は、検出値に基づいてイオンの発生の有無を判断する。イオンが発生していないとき、あるいは発生したイオン量が少ないとき、検出値は規定値より低くなる。検出値が規定値より低いとき、制御装置32は、イオンが発生していないと判断し、検出値が規定値以上のとき、制御装置32は、イオンが発生していると判断する。イオンの発生無しと判断されたとき、制御装置32は、運転を停止して、異常を報知する。ユーザは、イオン発生装置1のクリーニング、イオン発生装置1の交換、フィルタの交換あるいはクリーニングといった対処を行う。
【0029】
イオンの検出は、全てのイオン発生装置1が対象とされる。そのため、イオンセンサ33は複数設けられる。できる限りイオンセンサ33の使用個数を少なくするために、1つのイオンセンサ33は、複数のイオン発生装置1を検出対象とする。そこで、図7に示すように、イオンセンサ33は、前後に並んだイオン発生装置1の間に設けられる。イオンセンサ33は、通風路7の下壁16に設けられ、通風路7を挟んでイオン発生装置1と対向する。3つのイオンセンサ33が、左右方向に等間隔に並んで配置される。
【0030】
ここで、吹出口6の左右方向(幅方向)において、左右の端部では、通風路7から吹出口6の側壁15に沿って風が吹くが、側壁15との摩擦により風が乱れやすくなる。そのため、風が乱れない左右方向の中間部では、イオンバランスは均一となるが、端部では、イオンバランスが崩れるおそれがある。そこで、吹出口6に、幅方向の端部から吹き出されるイオンに幅方向の中間部から吹き出されるイオンを合流させる案内部が設けられる。
【0031】
案内部は、幅方向の端部側のルーバ21と吹出口6の側壁15とにより構成される。図5に示すように、ルーバ21は、左右方向に2つ設けられているが、各ルーバ21が左右の端部側のルーバに相当する。各ルーバ21は、左右方向に隣り合うイオン発生装置1の間に対向するように配置される。そして、左右のルーバ21は、下流側の先端が側壁15に近づくように、送風方向に対して斜めに設けられる。なお、ルーバ21に対向する吹出口6の左右の側壁15は、送風方向に平行である。このように、通風路7、ファン2、イオン発生装置1の放電電極25,26、ルーバ21の配置は、左右対称とされる。
【0032】
イオン発生装置1から発生したイオンは、ファン2の送風により通風路7内を運ばれ、ルーバ21に風向きを制御されながら吹出口6から吹き出される。正イオンと負イオンとは同量発生するので、左右方向の中間部では、イオンは均等に広がりながら前方に吹き出される。そのため、中間部では正イオンおよび負イオンの分布が均一となり、イオンバランスがよい。
【0033】
図5に示すように、均等に広がったイオンの一部は、ルーバ21によって端部側に寄っていくように吹き出される。左右方向の端部では、イオンは、前方に向かって吹き出されるが、ルーバ21に案内された風により、端部側に寄っていくように送風の向きが変えられる。吹出口6の側壁15に沿って吹き出されたイオンは、中間部から寄せてきたイオンと合流して、左右に広がって吹き出される。
【0034】
これにより、端部から吹き出されるイオンのバランスが崩れていても、中間部からバランスのよいイオンが吹き寄せてくるので、イオンが混ざり合うことによってイオンバランスがよくなる。したがって、左右方向全体にわたってバランスよくイオンが吹き出される。正イオンおよび負イオンが均一に分布して、被対象物体を除電するのに適した送風を実現することができる。
【0035】
(第2実施形態)
イオン発生機のファン2として、クロスフローファンが用いられる。図8に示すように、クロスフローファンは、複数の羽根車10が連結されて構成される。隣り合う羽根車10は、仕切板によって仕切られる。そのため、ファン2の風速分布は、羽根車10ごとに表れる。各羽根車10の左右方向の中央で風速が大となる。そこで、風速分布に基づいてイオン発生装置1の放電電極25,26が位置決めされる。なお、その他の構成は、第1実施形態と同じである。
【0036】
放電電極25,26は、ファン2の風速が最大となる位置に合わせて配置される。すなわち、羽根車10の左右方向の中央を通る直線上に、前列および後列の正放電電極25あるいは負放電電極26が位置する。ここで、左右方向において、各放電電極25,26は等間隔に配置される。隣り合う放電電極25,26の間隔と羽根車10の軸方向の長さとは同じとなる。
【0037】
放電電極25,26の周囲には、強い風が吹く。放電電極25,26から発生したイオンは、強い風によって遠くまで吹き流される。これにより、イオン発生機から遠い範囲までバランスの取れたイオンを吹き出すことができる。また、風速を下げても、所定の範囲までイオンを吹き出せる。従来のファンに比べて、ファン2の回転数を下げることができ、消費電力を低減できる。
【0038】
(第3実施形態)
イオン発生機では、制御装置32や電源装置といった電装部品がハウジング3に内装される。電装部品は、回路基板に搭載され、回路基板は、基板カバーに覆われて、ハウジング3内に設置される。ところで、ハウジング3には、ファン2が内装され、通風路7が形成される。そのため、小型化されたハウジング3では、基板カバーに覆われた電装部品の設置スペースが限られてしまう。
【0039】
本実施形態のイオン発生機では、部品を共用することにより、限られたスペースに電装部品40を設置できるようにする。図9に示すように、電装部品40は、回路基板41に搭載される。また、回路基板41に、電源ケーブルを接続するための端子台42が設けられる。
【0040】
図4に示すように、回路基板41は、ハウジング3の後部において、ハウジング3の下隅と湾曲した通風路7との間に形成された収容スペース43に配置される。そして、回路基板41は、基板カバー44に覆われる。基板カバー44は、電気絶縁性、難燃性の合成樹脂によって形成される。基板カバー44は、回路基板41と通風路7との間に配される。なお、その他の構成は第1および第2実施形態と同じである。
【0041】
図10に示すように、基板カバー44は通風路7を形成する部材の一部として利用される。すなわち、基板カバー44の上面は、通風路7を形成する下壁16に合わせて湾曲して形成される。下壁16の湾曲部分に、開口45が形成され、基板カバー44の上面に盛り上がった段部46が設けられる。段部46が下壁16の開口45に嵌め込まれ、基板カバー44の上面が下壁16の裏面に密着する。段部46の表面と下壁16の表面とは面一とされ、送風の抵抗にはならない。
【0042】
このように、基板カバー44を共用することにより、下壁16の一部が不要となり、この部分の材料を節減できる。そして、基板カバー44が通風路7の形状に応じた形状にされることにより、通風路7と基板カバー44との間に無駄な隙間ができず、省スペース化を図れる。
【0043】
また、図4に示すように、回路基板41は、ハウジング3の底面に突設されたボス50にねじ止めされ、端子台42は受台51に載置される。基板カバー44に、補強用のリブ52が設けられる。リブ52は、基板カバー44の上面から下方に向かって形成される。このリブ52は、端子台42を固定する機能を有する。端子台42は、後面に向かって開放されるように形成され、風量スイッチ31が設けられる。
【0044】
基板カバー44がハウジング3に取り付けられているとき、リブ52は、端子台42の前面に接触する。電源ケーブルが端子台42に設けられたコネクタに着脱されるとき、端子台42が押される。リブ52が端子台42を支えているので、端子台42は移動しない。振動等による不要な負荷が回路基板41にかかることを防止できる。これにより、回路基板41上での断線や部品の剥離などを防げる。
【0045】
(第4実施形態)
イオン発生機が除電装置として使用されるとき、工場の製造ラインなどの一定の状況で使用される。このとき、イオン発生機の風量は、被対象物体に応じて設定される。イオン発生機が設置されるとき、イオン発生機の位置や角度が調整される。このとき、設定された風量になるように、風量スイッチ31が操作される。イオン発生機の運転中、風量が変更されることはない。そのため、運転中に風量スイッチ31が操作されないようにしておく必要がある。そこで、風量スイッチ31は、人目につかない位置に設けられる。なお、その他の構成は第1、第2および第3実施形態と同じである。
【0046】
図4に示すように、風量スイッチ31は、ハウジング3の後部に設けられる。風量スイッチ31は、端子台42に取り付けられ、端子台42は、ハウジング3内の収容スペース43に配置される。ハウジング3の後面に、収容スペース43に通じる開口53が形成され、開口53を塞ぐ蓋54が開閉可能に設けられる。風量スイッチ31は開口53に臨み、蓋54を開けると、風量スイッチ31が現れ、風量スイッチ31の操作が可能となる。イオン発生機の使用中は、ハウジング3の前面に設けられた運転スイッチ30が操作され、運転のオンオフが行われる。この間、風量スイッチ31が操作されることはない。このように、風量スイッチ31は外部から見えないので、風量スイッチ31が誤って操作されることを防げる。除電装置としての機能を維持でき、被対象物体の歩留まりが向上する。
【0047】
以上の通り、本発明のイオン発生機は、放電によりイオンを発生するイオン発生装置1と、通風路7内に発生したイオンを送風により吹出口6から外部に放出させるファン2とを備え、吹出口6に、幅方向の端部から吹き出されるイオンに幅方向の中間部から吹き出されるイオンを合流させる案内部が設けられる。これにより、端部側からバランスが崩れたイオンが吹き出されても、中間部からバランスのよいイオンが寄せられてきて、端部側でのイオンバランスを改善できる。
【0048】
吹出口6に、幅方向に沿って複数のルーバ21が設けられ、幅方向の端部側のルーバ21と吹出口6の側壁15とが送風方向の下流側に向かうにつれて近づくように設けられることにより案内部が構成される。このような案内部により、端部側のイオンと中間部のイオンとを混じり合わせることができる。
【0049】
幅方向の端部に位置するルーバ21の先端が側壁15に近づくように、ルーバ21が斜めに設けられる。吹出口6の側壁15は、送風方向に平行に形成される。これにより、中間部からバランスのよいイオンを端部側に広がるように、吹き出されるイオンを案内できる。
【0050】
イオン発生装置1は、正イオンを発生させるための正放電電極25と負イオンを発生させるための負放電電極26とを有し、正放電電極25と負放電電極26とは幅方向に交互に配置され、ファン2は、複数の羽根車10を有するクロスフローファンとされ、羽根車10の軸方向の中央が各放電電極25,26と対向する。これにより、放電電極25,26から発生したイオンを強い風で吹き出すことができる。
【0051】
また、本発明のイオン発生機は、放電によりイオンを発生するイオン発生装置1と、通風路7内に発生したイオンを送風により吹出口6から外部に放出させるファン2と、イオン発生装置1およびファン2を内装するハウジング3とを備え、イオン発生機を動作させるための電装部品40を搭載した回路基板41と、回路基板41を覆う基板カバー44とがハウジング3に内装され、基板カバー44が通風路7の一部を構成する。これにより、部材を削減でき、ハウジング3の省スペース化を図れる。
【0052】
通風路7の下壁16に開口45が形成され、開口45に基板カバー44の上面の一部が嵌め込まれる。これにより、通風路7と基板カバー44との間に、不要なスペースができない。
【0053】
本発明のイオン発生機は、放電によりイオンを発生するイオン発生装置1と、通風路7内に発生したイオンを送風により吹出口6から外部に放出させるファン2と、イオン発生装置1およびファン2を内装するハウジング3と、ファン2の風量を変える風量スイッチ31を備え、風量スイッチ31は、ハウジング3内に設けられる。これにより、風量スイッチ31が誤って操作されることを防止できる。
【0054】
ハウジング3の前面に、運転スイッチ30が設けられ、回路基板41に風量スイッチ31が設けられ、ハウジング3の後部に、回路基板41を収容する収容スペース43が設けられ、ハウジング3の後面に収容スペース43に通じる開口53が形成され、風量スイッチ31は開口53に臨み、開口53を開閉する蓋54が設けられる。これにより、風量スイッチ31を人目につかなくできる。
【0055】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。イオン発生機は、空気調和機、空気清浄機、除湿機、加湿機、冷蔵庫、掃除機、洗濯機、照明機器、ファンヒータ、画像処理装置などの電気機器に搭載されたものであってもよい。
【0056】
図11に示すように、イオン発生装置1が左右方向に3つ以上配置されてもよい。このとき、ルーバ21は、各イオン発生装置1の間に対向した位置に設けられる。そして、左右の端部のルーバ21は、斜めに設けられ、左右方向の中間部のルーバ21は、送風方向に平行に設けられる。
【0057】
図12に示すように、案内部を構成する吹出口6の側壁15が、下流側の先端が左右方向の中間部に近づくように、送風方向に対して斜めに設けられる。端部のルーバ21は、斜めに設けられる。吹出口6の側壁15に沿って吹き出されたイオンは、中間部に寄り、ルーバ21により中間部から寄ってきたイオンと混ざり、左右に広がって吹き出される。端部側のバランスの悪いイオンが左右に広がらずに、バランスのよいイオンと混ざることにより、端部側でのイオンバランスが改善される。
【符号の説明】
【0058】
1 イオン発生装置
2 ファン
6 吹出口
7 通風路
15 側壁
16 下壁
17 上壁
21 ルーバ
25 正放電電極
26 負放電電極
30 運転スイッチ
31 風量スイッチ
41 回路基板
42 端子台
44 基板カバー
52 リブ
53 蓋
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
図12