特許第6254803号(P6254803)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6254803
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】地図画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20171218BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   G09B29/00 A
   G01C21/26 B
【請求項の数】9
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-195050(P2013-195050)
(22)【出願日】2013年9月20日
(65)【公開番号】特開2015-60144(P2015-60144A)
(43)【公開日】2015年3月30日
【審査請求日】2016年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100125689
【弁理士】
【氏名又は名称】大林 章
(72)【発明者】
【氏名】山田 渉
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 大祐
(72)【発明者】
【氏名】落合 桂一
(72)【発明者】
【氏名】菊地 悠
【審査官】 彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−072233(JP,A)
【文献】 特開2012−230568(JP,A)
【文献】 特開2013−156685(JP,A)
【文献】 特開2011−204219(JP,A)
【文献】 特開2002−311820(JP,A)
【文献】 特許第5150799(JP,B1)
【文献】 国際公開第2011/065113(WO,A1)
【文献】 特開2000−163031(JP,A)
【文献】 特開2011−059952(JP,A)
【文献】 特開2009−265835(JP,A)
【文献】 特開2001−336940(JP,A)
【文献】 特開2000−352927(JP,A)
【文献】 田代祥吾,使って覚える! ネクサス7講座,日経PC21,日本,日経BP社,2013年 8月24日,第18巻第13号,Pages 114-117
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 29/00 − 29/10
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図画像を表示する地図表示領域を含み、ユーザからの指示を示すタッチ操作が行われたことを検出するタッチパネルと、
前記地図表示領域に地図画像が表示されている場合において、前記タッチパネルが、前記地図表示領域において、前記タッチ操作が行われたことを検出すると、当該地図画像の一部分である領域を当該タッチ操作に応じた点を中心点として拡大した部分拡大地図画像を形成し、前記地図画像の前面に前記部分拡大地図画像を配置して表示するよう前記タッチパネルを制御する表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、前記部分拡大地図画像の表示の開始から所定時間が経過すると、当該部分拡大地図画像の表示を終了し、前記部分拡大地図画像の中心点から所定の距離範囲内にアイコンがあると判定した場合には、前記所定時間が経過した後も前記部分拡大地図画像の表示を継続させることを特徴とする、
地図画像表示装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記所定の距離範囲内にある前記アイコンの表示態様を変更することを特徴とする、
請求項に記載の地図画像表示装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記所定の距離範囲内にある前記アイコンが移動すると、前記部分拡大地図画像を前記アイコンの移動に追随して移動させることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の地図画像表示装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記部分拡大地図画像が表示されている場合において、前記タッチパネルが、前記部分拡大地図画像に重なる点を起点として移動するタッチ操作が行われていることを検出すると、前記タッチ操作されている点の移動に連動して前記部分拡大地図画像を移動させることを特徴とする、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の地図画像表示装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記タッチパネルが、前記部分拡大地図画像の周辺の2点を起点として移動するタッチ操作が行われていることを検出すると、前記タッチ操作されている前記2点間の点の移動に連動して前記部分拡大地図画像を移動させることを特徴とする、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の地図画像表示装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記部分拡大地図画像が表示されている場合において、前記タッチパネルが、前記部分拡大地図画像に少なくとも一方が重なる2点を起点として前記2点が互いに離れる方向に向けて移動するタッチ操作が行われていることを検出すると、前記タッチ操作されている前記2点間の距離の変化に連動して前記部分拡大地図画像の拡大率を上げることを特徴とする、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の地図画像表示装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記部分拡大地図画像が表示されている場合において、前記タッチパネルが、前記部分拡大地図画像に少なくとも一方が重なる2点を起点として前記2点が互いに近づく方向に向けて移動するタッチ操作が行われていることを検出すると、前記タッチ操作されている前記2点間の距離の変化に連動して前記部分拡大地図画像の拡大率を下げることを特徴とする、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の地図画像表示装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記部分拡大地図画像が表示されている場合において、前記タッチパネルが、前記部分拡大地図画像に少なくとも一方が重なる2点において所定の時間又は所定の圧力を超えるタッチ操作が行われたことを検出し、当該検出後に、前記2点が互いに離れる方向に向けて移動するタッチ操作が行われていることを検出すると、前記タッチ操作されている前記2点間の距離の変化に連動して前記部分拡大地図画像を拡大することを特徴とする、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の地図画像表示装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記部分拡大地図画像が表示されている場合において、前記タッチパネルが、前記部分拡大地図画像の外周の2点においてタッチ操作が行われたことを検出し、当該検出後に、前記2点が互いに離れる方向に向けて移動するタッチ操作が行われていることを検出すると、前記タッチ操作されている前記2点間の距離の変化に連動して前記部分拡大地図画像を拡大することを特徴とする、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の地図画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図を表示する地図画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から地図を部分的に拡大して表示する技術が知られている。例えば、特許文献1には、地図の一部分を拡大した部分拡大地図が表示されることが記載されている。また、特許文献2にはレンズを用いて地図等の画像の一部分を拡大する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−243605号公報
【特許文献2】米国特許出願公開2002/044154号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、画像表示領域を備えたタッチパネルを主たる入力インタフェースとする携帯端末装置などの画像表示装置が急速に広まりつつある。このような入力インタフェースとしては、指で複数のポイントに同時にタッチパネルに触れて操作することができるマルチタッチインターフェースが採用されている。マルチタッチインターフェースでは、ほとんどの操作入力はタッチ操作で行われるため、地図画像を部分的に拡大しようとすると、他のタッチ操作と区別する必要がある。
特許文献1には、マウスカーソルにより指定された拡大中心点を中心として部分拡大地図を生成することが記載されている。また、特許文献2にはタッチペンなどのポインティングデバイスによるタップ操作により部分拡大領域の拡大率を設定する技術が記載されている。しかしながら、マウスやタッチペンなどのポインティングデバイスを用いた操作ではマルチタッチインターフェースに対応することはできない。
【0005】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みて、簡単で直観的なタッチ操作により、地図を部分的に拡大することが可能な画像表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る地図画像表示装置は、地図画像を表示する地図表示領域を含み、ユーザからの指示を示すタッチ操作が行われたことを検出するタッチパネルと、前記地図表示領域に地図画像が表示されている場合において、前記タッチパネルが、前記地図表示領域において、所定の時間又は所定の圧力を超えるタッチ操作が行われたことを検出すると、当該タッチ操作された点を中心点として、当該地図画像の一部分である領域を拡大した部分拡大地図画像を形成し、前記地図画像の前面に前記部分拡大地図画像を配置して表示するよう前記タッチパネルを制御する表示制御部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の別の一態様に係る地図画像表示装置は、地図画像を表示する地図表示領域を含み、ユーザからの指示を示すタッチ操作が行われたことを検出するタッチパネルと、前記地図表示領域に地図画像が表示されている場合において、前記タッチパネルが、前記地図表示領域において、所定の時間又は所定の圧力を超えるタッチ操作が2点において同時に行われたことを検出すると、前記2点間の点を中心点として、当該地図画像の一部分である領域を拡大した部分拡大地図画像を形成し、前記地図画像の前面に前記部分拡大地図画像を配置して表示するよう前記タッチパネルを制御する表示制御部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の別の一態様に係る地図画像表示装置は、地図画像を表示する地図表示領域を含み、ユーザからの指示を示すタッチ操作が行われたことを検出するタッチパネルと、前記地図表示領域に地図画像が表示されている場合において、前記タッチパネルが、前記地図表示領域において、3点を起点としたピンチアウト操作を検出すると、前記3点で画定される三角形の中の点を中心点として、当該地図画像の一部分である領域を拡大した部分拡大地図画像を形成し、前記地図画像の前面に前記部分拡大地図画像を配置して表示するよう前記タッチパネルを制御する表示制御部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の別の一態様に係る地図画像表示装置は、地図画像を表示する地図表示領域と予め定められた拡大レンズ型の拡大画像を表示する指示画像表示領域を含み、ユーザからの指示を示すタッチ操作が行われたことを検出するタッチパネルと、前記地図表示領域に地図画像が表示されている場合において、前記タッチパネルが、前記地図表示領域において、前記拡大指示画像を移動させるスライド操作を検出すると、当該スライド操作が終わったときに前記拡大指示画像が覆う領域に対応した、前記地図画像の一部分である前記領域を拡大した部分拡大地図画像を形成し、前記地図画像の前面に前記部分拡大地図画像を配置して表示するよう前記タッチパネルを制御する表示制御部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の別の一態様に係る地図画像表示装置は、地図画像を表示する地図表示領域を含み、ユーザからの指示を示すタッチ操作が行われたことを検出するタッチパネルと、前記地図表示領域に地図画像が表示されている場合において、前記タッチパネルが、前記地図表示領域において、互いに接近した2点を起点として離れるように移動した後に再び近づく軌跡を辿るタッチ操作が行われたことを検出すると、前記タッチ操作の移動軌跡によって画定される疑似閉領域に対応した、当該地図画像の一部分である前記領域を拡大した部分拡大地図画像を形成し、前記地図画像の前面に前記部分拡大地図画像を配置して表示するよう前記タッチパネルを制御する表示制御部とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の別の一態様に係る地図画像表示装置は、地図画像を表示する地図表示領域を含み、ユーザからの指示を示すタッチ操作が行われたことを検出するタッチパネルと、前記地図表示領域に地図画像が表示されている場合において、前記地図画像として表示されている領域内の、ユーザが関心を有するであろうと推定される関心地点に関する情報を前記地図画像の前面に表示するよう前記タッチパネルを制御し、前記地図表示領域に前記関心地点に関する情報が少なくとも1つ表示されているときに、前記タッチパネルが、前記少なくとも1つの情報のいずれかを選択するタッチ操作が行われたことを検出すると、当該タッチ操作によって選択された前記情報に対応する関心地点を中心点として、当該地図画像の一部分である領域を拡大した部分拡大地図画像を形成し、前記地図画像の前面に前記部分拡大地図画像を配置して表示するよう前記タッチパネルを制御する表示制御部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様においては、タッチパネルの地図表示領域に地図画像が表示されている場合において、地図画像上において、所定の時間又は所定の圧力を超えるタッチ操作が1点において、又は同時に2点において行われると、当該タッチ操作された点又は2点間の点を中心点として、地図画像の一部分を拡大することができる。
本発明の別の態様においては、地図画像上において、3点の指を使ったピンチアウト操作が行われると、3点で画定される三角形の中の点を中心点として、地図画像の一部分を拡大することができる。
本発明の別の態様においては、地図画像上において、予め定められた拡大レンズ型の拡大指示画像を移動させるスライド操作が行われると、当該スライド操作が終わったときに拡大指示画像が覆う領域に対応した、地図画像の一部分を拡大することができる。
本発明の別の態様においては、地図画像上において、2本の指を用いて、互いに接近した2点を起点として離れるように移動した後に再び近づく軌跡を辿るタッチ操作が行われると、タッチ操作の移動軌跡によって画定される疑似閉領域に対応した、地図画像の一部分を拡大することができる。
本発明の別の態様においては、ユーザが関心を有するであろうと推定される関心地点に関する情報が地図表示領域に少なくとも1つ表示されているときに、少なくとも1つの情報のいずれかを選択するタッチ操作が行われると、タッチ操作によって選択された情報に対応する関心地点を中心点として、地図画像の一部分を拡大することができる。
したがって、本発明によれば、簡単で直観的なタッチ操作により、地図を部分的に拡大することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る地図画像表示システムのブロック図である。
図2】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置を示す外観図である。
図3】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施の形態に係る表示制御処理の流れを示すフローチャートである。
図5A】上記表示制御処理における地図表示ページの表示例を示す図である。
図5B】上記表示制御処理における地図表示ページ及び部分拡大地図画像の表示例を示す図である。
図6】上記表示制御処理における、地図画像の部分拡大を指示するタッチ操作の一態様に係る操作例及び表示例を示す図である。
図7】上記表示制御処理における、地図画像の部分拡大を指示するタッチ操作の一態様に係る操作例及び表示例を示す図である。
図8】上記表示制御処理における、地図画像の部分拡大を指示するタッチ操作の一態様に係る操作例及び表示例を示す図である。
図9】上記表示制御処理における、地図画像の部分拡大を指示するタッチ操作の一態様に係る操作例及び表示例を示す図である。
図10】上記表示制御処理における、地図画像の部分拡大を指示するタッチ操作の一態様に係る操作例及び表示例を示す図である。
図11】上記表示制御処理における、地図画像の部分拡大を指示するタッチ操作の一態様に係る操作例及び表示例を示す図である。
図12】上記表示制御処理における、地図画像の部分拡大を指示するタッチ操作の一態様に係る操作例及び表示例を示す図である。
図13】上記表示制御処理における、部分拡大地図画像の移動を指示するタッチ操作の一態様に係る操作例及び表示例を示す図である。
図14】上記表示制御処理における、部分拡大地図画像の拡大率の変更を指示するタッチ操作の一態様に係る操作例及び表示例を示す図である。
図15】上記表示制御処理における、部分拡大地図画像の拡大率の変更を指示するタッチ操作の別の一態様に係る操作例及び表示例を示す図である。
図16】上記表示制御処理における、部分拡大地図画像の拡大を指示するタッチ操作の一態様に係る操作例及び表示例を示す図である。
図17】本発明の実施の形態の変形例に係るフローチャートである。
図18A】本発明の実施の形態の変形例を示す図である。
図18B】本発明の実施の形態の変形例を示す図である。
図19】本発明の実施の形態の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を説明する。
<構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る地図画像表示システム1のブロック図である。この地図画像表示システム1は、移動通信網MNと、移動通信網MNにゲートウェイGWを介して接続する地図情報提供サーバ30と、移動通信網MNに接続する複数の携帯端末装置(地図画像表示装置)10とを備える。
【0015】
地図画像表示システム1は、図5Aに示すように、携帯端末装置10の地図画像表示領域に表示中の地図画像NPに、当該地図画像NPとして表示されている領域内の関心地点(POI:Point of Interest)に関する情報(例えば関心地点を表すアイコンや関心地点に関連するテキスト情報)を重ねて表示させる。関心地点は、携帯端末装置10のユーザが関心を有するであろうと推定される地点であり、映画館、レストラン、美術館、博物館、遊園地などの娯楽施設や、駅や空港などの交通施設、事件が発生した場所、地震や洪水などの災害やゲリラ豪雨が発生した場所が例示される。関心地点に関する情報は地図情報提供サーバ30から携帯端末装置10に送信されてもよいし、図示しない外部サーバより送信されてもよい。
【0016】
地図画像NPは、ラスタ形式又はベクタ形式の画像として表される。前者は、格子状のピクセルで表現された画像であり、携帯端末装置10の地図画像表示領域に表示すべき地図の拡大率が変わると、その都度、変更後の拡大率で描画された地図画像データが地図情報提供サーバ30から取得されて更新される。ラスタ画像としては、JPEG、GIF、及びGIFが例示される。これに対して、後者は、点の座標とそれを結ぶ線や面の方程式のパラメータ及び塗りつぶしなどの描画情報で画像を表現したものであり、表示する都度計算を行って画像を再現する。本実施形態では、ラスタ形式又はベクタ形式のいずれの形式の地図画像NPを用いてもよい。ラスタ形式の地図画像NPを用いる場合には、地図画像NPを全体的又は部分的に拡大又は縮小する度に携帯端末装置10は地図情報提供サーバ30から新たな地図画像NPを取得し、ベクタ形式の画像を用いる場合には、地図画像NPを全体的に又は部分的に拡大又は縮小する度に携帯端末装置10が計算処理を実行することで拡大又は縮小後の地図画像NPを取得する。
【0017】
移動通信網MNは、多数の無線基地局及び中継装置(図示略)を有し、携帯端末装置10に対して移動通信サービスを提供する。
【0018】
図2は、本発明の実施の形態に係る携帯端末装置10の外観を示す正面図であり、図3は、携帯端末装置10の構成を示すブロック図である。携帯端末装置10は、移動通信網MN及び通信部13を介して地図情報提供サーバ30から地図画像NPを受信し、タッチパネル12に表示するものである。
【0019】
図2及び図3に示されるように、携帯端末装置10は、表示領域12aを含むタッチパネル12、他の携帯端末装置10及びインターネットとの間でデータの送受信を行うための通信部13と、記憶部14と、通話の際に用いられるマイク15とスピーカ16、及びこれら各部を制御するCPU(Central Processing Unit)11を備える。記憶部14は、主記憶装置としてのRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含み、さらには、着脱可能な記録媒体を含む。ROMには、携帯端末装置10が地図サービスの提供を受ける際に実行されるアプリケーションプログラムとして地図アプリが記憶されている。CPU11はこのアプリケーションプログラムを実行することにより、本実施形態に係る表示制御処理を実行する表示制御部として機能する。
【0020】
タッチパネル12は、カバーガラスと表示ユニット(例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等)との間に、タッチ操作を検出可能な透明なタッチセンサユニットが貼り合わされて構成されている。タッチセンサユニットとしては、抵抗膜方式、静電容量方式(表面型又は投影型)、超音波表面弾性波方式、光学方式、その他の検出方式のものが採用され得る。
タッチパネル12としては、好適には、正確な多点検出(マルチタッチの検出)が可能な投影型静電容量方式のタッチセンサユニットが採用される。投影型静電容量方式のタッチセンサユニットは、演算処理回路を搭載した基盤層の上に、特定のパターンで透明電極層を大量に配置し、表面にガラス等の絶縁体を重ねることにより構成される。この方式では表面に指を近づけると複数の電極間の静電容量が同時に変化し、電流量の比率を測定することでタッチした位置の特定が可能となる。
【0021】
タッチパネル12は、携帯端末装置10のユーザによるタッチ操作を検出可能であり、1本指を用いたタップ操作のみならず、複数本の指を使ったピンチアウト操作(指を互いに遠ざけるように移動させる操作)やピンチイン操作(指を互いに近づけるように移動させる操作)その他のマルチタッチ操作を検出できる。また、タッチパネル12は、スライド操作のような連続的なタッチ操作の起点と終点を検出すること、及び、タッチ操作の移動軌跡を検出することが可能である。このため、ユーザが、地図画像NP上で、2本の指を用いて所望の領域を指でなぞり所望の領域を囲む動作(すなわち、互いに接近した2点を起点として離れるように移動した後に再び近づく軌跡を辿るタッチ操作)を行うと、ユーザは、このタッチ操作の移動軌跡によって画定される疑似閉領域を選択する指示入力を行うことができる。タッチパネル12は、タッチ操作の開始から終了までの時間を計時するタイマを備えることにより、所定時間を超えて継続するタッチ操作(いわゆる、長押し)を検出することが可能である。また、タッチパネル12に接触している指の面積を計測することが可能であり、面積が所定サイズを超える場合に圧力が所定量を超えたことを検出する。圧力の検出には、代替的に、圧力検知センサを付加的に設けてもよい。
【0022】
タッチパネル12はタッチユニットと表示ユニットとが上下に重なるように貼り合わされて構成されているため、ユーザは、表示領域12aに表示されているオブジェクトへのタッチ操作を行うことにより指示入力を行うことが可能である。例えば、ユーザは、オブジェクト(例えば、関心地点のアイコン、関心地点に関連するテキスト情報、指示入力用アイコン、地図アプリを含む各種アプリの起動アイコン)を選択する指示入力をタップ操作により行うこと、オブジェクトの移動を指示する指示入力をスライド操作により行うことができる。すなわち、タッチパネル12は、ユーザからの指示を示すタッチ操作が行われたことを検出することが可能である。
【0023】
タッチパネル12は、ホームボタンや戻るボタンその他の指示入力アイコン、通信状態や電池残量等のアイコンを表示する領域のほかに、移動通信網MNを介して取得したWEBページや各種のメニューページ等を表示する表示領域12aを含む。地図アプリにおいては、地図画像NPが表示領域12aに表示される他、拡大指示画像(例えば、図9に示すアイコンG)等の指示画像が表示領域12aに表示されてもよい。指示画像は、地図画像NPと重なって表示されてもよいし、そうでなくてもよい。よって、表示領域12aは、少なくとも、地図表示領域として機能する。
【0024】
<動作>
まず、携帯端末装置10のユーザがタッチパネル12に表示されている地図アプリの起動アイコンをタップすると、CPU11は、ブログ地図アプリを起動する指示を受け付け、地図情報提供サーバ30から通信部13を介して、地図画像NPと地図画像NP上に表示する関心地点に関する情報を取得し、表示領域12aに表示する。地図画像NPとしては、ユーザが現在位置する地域の地図画像が表示されてもよく、ユーザが任意に指定した地域の地図画像が表示されてもよい。地図画像NPが表示されている状態において、図4に示す表示制御処理が開始される。
【0025】
(1)部分拡大表示制御処理
図4に示されるように、ステップS1において、CPU11は、タッチパネル12が、部分拡大を指示するタッチ操作を検出したか否かを判定する。タッチパネル12が部分拡大を指示するタッチ操作を検出したと判定すると(S1:YES)、CPU11は、部分拡大地図画像LPを形成し(S2)、部分拡大地図画像LPを地図画像NPの前面に配置して、表示する(S3)。部分拡大地図画像LPは、部分拡大を指示するタッチ操作の検出に応じて、タッチ操作によって指定された位置(点)を中心点として当該地図画像NPの一部分である領域を拡大したものである。ステップS3の処理が実行されると、図5Bに示されるように、タッチパネル12の地図表示領域には、部分拡大地図画像LPが地図画像NPの前面に配置されて表示される。すなわち、CPU11は、地図表示領域に地図画像NPが表示されている場合において、タッチパネル12が、地図表示領域において、部分拡大を指示するタッチ操作が行われたことを検出すると、部分拡大地図画像LPを形成し、地図画像NPの前面に部分拡大地図画像LPを配置して表示するようタッチパネル12を制御する表示制御部として機能する。
【0026】
以下、図6図12を参照して、部分拡大を指示するタッチ操作の様々な態様について説明する。これらの図に示す操作例では、ユーザが、関心地点「博物館〇〇」(以下、関心地点Aとする)をほぼ中心として、地図画像NPを部分的に拡大するタッチ操作を入力する場合を想定する。
【0027】
(1−1)第1の態様
図6に示されるように、第1の態様では、ユーザが、関心地点Aが2本の指のほぼ中点となるように、2本の指をタッチパネル12にタッチして所定時間(T秒間)より長く押したままにするタッチ操作を行うと、地図画像NPの一部分が拡大される。すなわち、CPU11は、ステップS1において、タッチパネル12が、T秒間を超えるタッチ操作が2点において同時に行われたことを検出すると、ステップS2において、当該2点間の点を中心点として、地図画像NPの一部分である領域を拡大した部分拡大地図画像LPを形成する。ここで、「同時に」とは、2点におけるタッチ操作が完全に互いに一致するタイミングに行われることを要しない。また、ユーザは、関心地点Aを中心として地図画像NPを部分的に拡大しようとして、関心地点Aが2本の指のほぼ中点となるように2本の指を配置する可能性が高い。このため、タッチ操作がされた2点間の中点付近を中心点としてする拡大するのが好ましい。よって、部分拡大地図画像LPの中心点となる「2点間の点」とは、好適には、タッチ操作がされた2点間の中点である。
【0028】
本態様では、部分拡大地図画像LPは所定の拡大率で拡大される。所定の拡大率とは、例えば、ユーザが部分拡大地図画像LPで拡大された地域を徒歩で移動する際に道案内として参照するのに十分な程度の拡大率である。例えば、拡大率Zoom=6が日本全土、拡大率Zoom=10が東京全域を表示する拡大率である場合において、地図画像NPの拡大率を、東京都心部において2駅から3駅分を地図表示領域に表示可能な程度の拡大率(Zoom=16)としたとき、部分拡大地図画像LPの所定の拡大率をZoom=18に設定する。また、部分拡大地図画像LPとして表示する領域は、中心点から所定距離を半径とした円の範囲に予め定められている。
【0029】
第1の態様によれば、2本の指を使って所定の時間(T秒間)よりも長く押すタッチ操作(いわゆる、長押し)によって、簡単で直観的なタッチ操作により、地図を部分的に拡大することが可能となる。
第1の態様の変形として、2本の指の代わりに、1本の指のみを用いて所定の時間(T秒間)より長く押すタッチ操作を用いるようにしてもよい。この場合には、1本の指でタッチ操作された点を中心点として、部分拡大地図画像LPが形成される。この変形によれば、1本の指だけを用いるので、ユーザは、拡大領域の中心点として設定したい目標地点(目標中心点)に対して指を合わせやすく、より簡単な操作で、地図の所望の領域を部分的に拡大することが可能となる。
【0030】
(1−2)第2の態様
図7に示されるように、第2の態様では、ユーザが、関心地点Aが2本の指のほぼ中点となるように、2本の指をタッチパネル12にタッチして所定の圧力(圧力P)より強く押すタッチ操作を行うと、地図画像NPの一部分が拡大される。すなわち、CPU11は、ステップS1において、タッチパネル12が、圧力Pを超えるタッチ操作が2点において同時に行われたことを検出すると、ステップS2において、当該2点間の点を中心点として、地図画像NPの一部分である領域を拡大した部分拡大地図画像LPを形成する。第1の態様と同様に、「同時に」とは、2点におけるタッチ操作が完全に互いに一致するタイミングに行われることを要しない。また、部分拡大地図画像LPの中心点となる「2点間の点」とは、好適には、タッチ操作がされた2点間の中点である。また、第1の態様と同様に、所定の拡大率及び所定の範囲で部分拡大地図画像LPが形成される。
第2の態様によれば、2本の指を使って所定の圧力(圧力P)より強く押すタッチ操作によって、簡単で直観的なタッチ操作により、地図を部分的に拡大することが可能となる。
また、第1の態様と同様に、2本の指の代わりに1本の指を用いるようにしてもよい。すなわち、1本の指でタッチ操作された点を中心点として、部分拡大地図画像LPを形成するようにしてもよい。
【0031】
(1−3)第3の態様
図8に第3の態様の操作例を示す。同図に示されるように、第3の態様では、ユーザが、関心地点Aをほぼ起点として3本指を用いたピンチアウト操作を行うと、地図画像NPの一部分が拡大される。すなわち、CPU11は、ステップS1において、タッチパネル12が、3点を起点としたピンチアウト操作を検出すると、ステップS2において、当該3点で画定される三角形の中の点を中心点として、地図画像NPの一部分である領域を拡大した部分拡大地図画像LPを形成する。「3点で画定される三角形の中の点」は、3点の重心位置であってもよいし、3本指のうちの1本(例えば、人差し指)のタッチ位置に最も近い点であってもよいし、前記三角形の中のその他の点であってもよい。上述した態様と同様に、所定の拡大率及び所定の範囲で部分拡大地図画像LPが形成される。
第3の態様によれば、3本の指を使ってピンチアウト操作を用いるので、簡単で直観的なタッチ操作により、地図を部分的に拡大することが可能となる。また、従来から、2本指を使ったピンチアウト操作により地図画像NP全体を拡大する技術がある。本実施形態の第3の態様によれば、従来のピンチアウト操作と指の本数を変えるだけで地図を部分的に拡大することが可能なので、従来の拡大方法に馴染みやすいという利点がある。
【0032】
(1−4)第4の態様
図9に示されるように、第4の態様では、地図画像NP上に虫眼鏡形状のアイコンG(予め定められた拡大指示画像)が予め表示されており、ユーザが、アイコンGをタップ操作した後に、関心地点A付近をタップ操作すると、タップ操作された点を中心として地図画像NPの一部分が拡大される。すなわち、CPU11は、ステップS1において、タッチパネル12が、アイコンGを選択するタップ操作(選択操作)を検出した後に、地図表示領域においてタップ操作(タッチ操作)を検出すると、ステップS2において、当該タップ操作された点を中心点として、地図画像NPの一部分である領域を拡大した部分拡大地図画像LPを形成する。
第4の態様によれば、アイコンGを選択するタップ操作の後に、地図画像NP上の目標中心点をタップする操作によって、簡単で直観的なタッチ操作により、地図を部分的に拡大することが可能となる。また、1本の指だけを用いるので、ユーザは、部分拡大領域の目標中心点に対して指を合わせやすい。よって、ユーザにとって視覚的に分かり易い操作で地図の所望の領域を部分的に拡大することが可能となる。
【0033】
(1−5)第5の態様
図10に示されるように、第5の態様では、地図画像NPの隅に拡大レンズ型の拡大画像Lが予め表示されており、ユーザが、拡大画像Lを指でスライドさせ、関心地点Aを拡大画像Lの中に含む位置まで移動せる操作を行う。すなわち、CPU11は、タッチパネル12が、地図表示領域において、拡大画像Lを移動させるスライド操作を検出すると、当該スライド操作が終わったときに拡大画像Lが覆う領域に対応した、地図画像NPの一部分である領域を拡大した部分拡大地図画像LPを形成する。上述した態様と同様に、所定の拡大率及び所定の範囲で部分拡大地図画像LPが形成される。
第5の態様によれば、ユーザが、所望の位置まで拡大画像Lを指でスライドさせるだけなので、直観的で簡易な方法で、地図を部分的に拡大することが可能となる。また、拡大画像Lが予め表示されており、地図画像NPのうち、拡大画像Lに覆われている部分は常に拡大されて表示されている。このため、拡大画像Lがそのまま部分拡大地図画像LPとして表示され、ユーザは地図の一部の領域が拡大された状態を視認しながら所望の領域まで拡大画像Lを移動させればよい。よって、ユーザにとって視覚的に分かり易い操作で地図の所望の領域を部分的に拡大することが可能となる。
【0034】
(1−6)第6の態様
図11に、第6の態様に係る操作例を示す。同図に示されるように、第6の態様では、ユーザが、2本の指の先端を互いに近接させた状態でまずタッチパネル12への接触を開始し、その状態から、2本の指を互いに離れるように移動させた後に再び2本の指の先端が接近するような軌跡を辿るタッチ操作を行うと、当該タッチ操作の移動軌跡によって画定される疑似閉領域PAに囲まれた領域だけが部分的に拡大される。ここで、一方の指が描く移動軌跡をTR1とし、他方の指が描く移動軌跡をTR2とすると、移動軌跡TR1とTR2とは連結されていない。よって、CPU11は、移動軌跡TR1とTR2の2つの始点の座標を連結する仮想線TC1と、2つの終点の座標を連結する仮想線TC2とを、移動軌跡TR1及びTR2に描き加えて、疑似閉領域PAとする。すなわち、CPU11は、ステップS1において、タッチパネル12が、地図表示領域において、互いに接近した2点を起点として離れるように移動した後に再び近づく軌跡を辿るタッチ操作が行われたことを検出すると、ステップ2において、当該タッチ操作の移動軌跡TR1,TR2によって画定される疑似閉領域PA(すなわち、移動軌跡TR1及びTR2、及び仮想線TC1及びTC2)に対応した、地図画像NPの一部分である領域を拡大した部分拡大地図画像LPを形成する。
【0035】
図11には、2本の指をそれぞれ移動させて終点で再び接近させる軌跡を辿る操作例が示されているが、2本の指の一方を支点として固定し、他方の指だけが円弧を描くように移動して支点に戻る軌跡を辿るようなタッチ操作であってもよい。また、移動軌跡によって画定される疑似閉領域PAそのものを部分拡大する領域としてもよいし、疑似閉領域PAに外接(あるいは内接)するような円を部分拡大する領域としてもよい。また、部分拡大する領域は円でなくてもよく、三角形や四角形等の多角形であってもよい。円の場合には、正円に近い円形に限らず楕円形であってもよい。第6の態様では、部分拡大地図画像LPの拡大率は所定の拡大率をとるが、拡大範囲はタッチ操作の移動軌跡の形状に応じて定められるものとなる。
第6の態様によれば、2本の指を用いてユーザが拡大したい領域を囲むように操作するだけで、拡大する領域を自由に定めることができる。よって、直観的かつ簡易な方法で、地図画像中の任意の領域を部分的に拡大することが可能となる。
【0036】
(1−7)第7の態様
図12は、第7の態様に係る操作例を示す図である。図12に示すように、地図画像NPに表示されている関心地点Aに関する情報(例えば関心地点を表すアイコンや関心地点に関連するテキスト情報)をユーザがタップすると、タップ操作された関心地点Aを中心として地図画像NPの一部分が拡大される。すなわち、CPU11は、タッチパネル12が、地図表示領域に少なくとも1つの関心地点Aに関する情報が表示されているときに、そのいずれかを選択するタッチ操作が行われたことを検出すると、当該タッチ操作によって選択された情報に対応する関心地点A(より具体的には関心地点Aの座標)を中心点として、地図画像NPの一部分である領域を拡大した部分拡大地図画像LPを形成する。本態様では、第1の態様と同様に、所定の拡大率及び所定の範囲で部分拡大地図画像LPが形成される。
本動作例では、ユーザが関心地点Aをほぼ中心として地図画像NPを部分的に拡大するタッチ操作を入力する場合を想定している。本態様によれば、関心地点Aに関する情報をタップするだけで、関心地点Aの座標を中心点として部分拡大地図画像LPが形成されるので、ユーザにとって直接的で分かり易い方法で地図を部分的に拡大することが可能となる。
【0037】
以上のように、CPU11は、タッチパネル12が、部分拡大を指示する第1〜第7のいずれかの態様に係るタッチ操作を検出すると、部分拡大地図画像LPを地図画像NPの前面に表示するようタッチパネル12を制御する(S3)。
【0038】
図4に戻り、ステップS4において、CPU11は、タッチパネル12が、所定時間(T2秒)内に追加のタッチ操作を検出したかを判定する。この判定結果がYESの場合、次に、CPU11は、ステップS5において、検出した追加のタッチ操作が、(a)部分拡大地図画像LPの移動を指示するタッチ操作、(b)部分拡大地図画像LPの拡大率の変更を指示するタッチ操作、(c)部分拡大地図画像LPを拡大又は縮小するタッチ操作、あるいは、(d)その他のタッチ操作のいずれであるかを判別する。そして、判別したタッチ操作に応じた表示制御処理を実行する。具体的には、CPU11は、(a)の場合には移動表示制御処理(S6及びS10)を実行し、(b)の場合には拡大率変更表示制御処理(S7及びS10)を実行し、(c)の場合には拡大又は縮小表示制御処理(S8及びS10)を実行する。また、(d)の場合には、検出されたタッチ操作に応じた画像を形成し、形成した画像を表示する処理を実行する(S9及びS10)。その他のタッチ操作とは、例えば、地図画像NP全体を移動させるタッチ操作である。この場合において、CPU11は、既に表示されている部分拡大地図画像LPの表示を維持しつつ、地図画像NPの表示領域全体をタッチ操作に応じて移動させた画像を形成して表示するようタッチパネル12を制御する。
【0039】
(2)移動表示制御処理
図13に、部分拡大地図画像LPの移動を指示するタッチ操作の操作例を示す。
同図に示すように、ユーザが、2本の指を部分拡大地図画像LPの周辺に置いた状態で部分拡大地図画像LPを所望の方向へスライドさせるタッチ操作を行うと、部分拡大地図画像LPがスライドされた方向に移動される。この場合、2本の指は部分拡大地図画像LPの周辺にあればよく、部分拡大地図画像LPと重なっていることを要しない。例えば、部分拡大を指示する第1又は第2態様に係るタッチ操作を2本の指を用いて行った場合において、部分拡大地図画像LPが2本の指のいずれとも重ならない位置に表示されたときには、2本の指をそのままスライドさせて表示中の部分拡大地図画像LPを移動させてもよい。この場合、CPU11は、タッチパネル12が、部分拡大地図画像LPの周辺の2点を起点として移動するタッチ操作が行われていることを検出すると(S5)、タッチ操作されている2点間の点の移動に連動して部分拡大地図画像LPを移動させるようタッチパネル12を制御する。すなわち、CPU11は、移動後の部分拡大地図画像LPを形成し(S6)、ステップS10において、形成した部分拡大地図画像LPをタッチパネル12に表示する。
【0040】
別の態様として、1本の指又は2本の指のいずれか一方(又は3本指以上の場合には少なくとも1本の指)を部分拡大地図画像LPに重なるように置いた状態で部分拡大地図画像LPをスライドさせるタッチ操作により、部分拡大地図画像LPを移動させてもよい。この場合には、CPU11は、タッチパネル12が、部分拡大地図画像LPに重なる点を起点として移動するタッチ操作が行われていることを検出すると、タッチ操作されている点の移動に連動して部分拡大地図画像LPを移動させるようタッチパネル12を制御する。
【0041】
移動を指示するタッチ操作は、部分拡大地図画像LPが表示されている状態で行われる。また、部分拡大を指示するタッチ操作(ステップS1)と移動を指示するタッチ操作とは継続的に(タッチパネル12から指を離さずに)行われる場合と、非継続的に(指を一旦離して)行われる場合とがある。例えば、2本の指を用いて部分拡大を指示するタッチ操作(第1又は第2の態様)を行った後、指をタッチパネル12から離さずに移動を指示するタッチ操作に移行できるが、アイコンGを選択するタップ操作をした後に、部分拡大領域の目標中心点を1本指でタップして部分拡大地図画像LPを表示させた場合(第4の態様)には、2本の指で部分拡大地図画像LPを移動するタッチ操作をするには指を持ち替える必要がある。そこで、本実施形態では、CPU11は、部分拡大を指示するタッチ操作が入力された後、部分拡大地図画像LPの表示を継続するようにタッチパネル12を制御する必要がある。この場合、部分拡大地図画像LPの表示の開始から所定期間(T2秒)にわたって表示を継続するようにタッチパネル12を制御する。この期間に追加タッチ操作が検出されない場合には(S4;NO)、部分拡大地図画像LPの表示は終了する。
【0042】
また、部分拡大地図画像LPが移動された直後に、連続して他のタッチ操作又は再び移動を指示するタッチ操作が継続的に又は非継続的行われる場合がある。例えば、ユーザが移動後の部分拡大地図画像LPを見て当該画像の拡大率を上げたいと考え、移動後の部分拡大地図画像LPに対してその拡大率を変更するタッチ操作を行うといった場合が考えられる。そこで、本実施形態では、CPU11が、ステップS10の表示処理に続いて、再び、ステップS4の判定を行うようにしている。具体的には、CPU11は、移動後の部分拡大地図画像LPの表示の開始から所定時間(T2秒)以内に追加のタッチ操作が行われたか否かを判定する。これにより、表示した部分拡大地図画像LP又は地図画像NPに対して上記(a)〜(d)のタッチ操作が連続して又は行われた場合にも、部分拡大地図画像LPを表示させたまま次のタッチ操作に応じた画像の表示を行うことが可能となる。
一方、移動後の部分拡大地図画像LPの表示の開始から所定時間(T2秒)以内に追加のタッチ操作が行われない場合には(S4;NO)、移動後の部分拡大地図画像LPの表示は終了する。
【0043】
(3)拡大率変更表示制御処理
図14に、部分拡大地図画像LPの拡大率の変更を指示するタッチ操作の操作例を示す。
同図に示すように、ユーザが、2本の指を、その少なくとも一方が部分拡大地図画像LPに重なるようにタッチパネル12に接触させた状態で互いに離れるように移動するタッチ操作を行うと、部分拡大地図画像LPの拡大率が拡大される。また、図示は省略するが、ユーザが、逆に2本の指を近づけるようなタッチ操作をしたときは、部分拡大地図画像LPの拡大率が小さくなる。よって、CPU11は、タッチパネル12が、部分拡大地図画像LPに少なくとも一方が重なる2点を起点として2点が互いに離れる方向に向けて移動するタッチ操作が行われていることを検出すると、タッチ操作されている2点間の距離の変化に連動して部分拡大地図画像LPの拡大率を上げ、2点が互いに近づく方向に向けて移動するタッチ操作が行われていることを検出すると、タッチ操作されている2点間の距離の変化に連動して部分拡大地図画像LPの拡大率を下げる(S7→S10)。そして、処理は再びステップS4に戻り、拡大率変更後の部分拡大地図画像LPの表示が開始されてから所定時間(T2秒)以内に追加のタッチ操作が行われたか否かを判定する。所定時間内に追加のタッチ操作がなければ部分拡大地図画像LPの表示を終了し、追加のタッチ操作がある場合には(S4:YES)、タッチ操作に応じた表示制御処理を実行する。
【0044】
図15は、部分拡大地図画像LPの拡大率の変更を指示するタッチ操作の別の操作例を示す図である。図示のように、部分拡大地図画像LPの周囲には環状のダイヤル部を有する拡大率変更画像Zが表示されており、ユーザは、拡大率変更画像Zのダイヤル部を時計回りに回転させると拡大率を上げることができ、反時計回りに回転させると拡大率を下げることができる。また、回転の角度が大きいほど拡大率の変化が大きくなる。例えば、部分拡大地図画像LPの拡大率Zoomが0から23までの整数であるとすると、回転角度15度ごとに拡大率Zoomが変化するように設定され得る。本実施形態では、上述したように、部分拡大を指示するタッチ操作が検出された直後の部分拡大地図画像LPは所定の拡大率(Zoom=18)で表示される。よって、拡大率変更画像Zは、所定の拡大率を起点として部分拡大地図画像LPを拡大又は縮小させるものである。
【0045】
なお、図示の例では、部分拡大地図画像LPの円全体を囲む拡大率変更画像Zを示したが、拡大率変更画像Zは、部分拡大地図画像LPを部分的に囲むような部分的な環状又は半環状であってもよい。また、拡大率変更画像Zは部分拡大地図画像LPと一体的に構成される必要はなく、例えば、拡大率変更画像Zを部分拡大地図画像LPの近傍に独立させて設けてもよい。かかる場合は必ずしも環状、部分的な環状又は半環状である必要はなく、例えば線状であってもよい。拡大率変更画像Zが線状である場合は、画像上をスライドする動作をすることで拡大率を変更させる。
【0046】
(4)部分拡大地図画像の拡大又は縮小表示制御処理
図16に、部分拡大地図画像LPの拡大を指示するタッチ操作の操作例を示す。
図示のように、ユーザが、2本の指を、その少なくとも一方が部分拡大地図画像LPに重なるようにタッチパネル12に接触させた状態で所定時間(T秒間)よりも長く押すタッチ操作を行った後に、互いに離れるように移動するタッチ操作を行うと、部分拡大地図画像LPが拡大される。また、図示は省略するが、ユーザが、逆に2本の指を近づけるようなタッチ操作をしたときは、部分拡大地図画像LPが小さくなる。よって、CPU11は、タッチパネル12が、部分拡大地図画像LPに少なくとも一方が重なる2点を起点として所定の時間を超えるタッチ操作が行われたことを検出し、当該検出後に、2点が互いに離れる方向に向けて移動するタッチ操作が行われていることを検出すると、タッチ操作されている2点間の距離の変化に連動して部分拡大地図画像LPを拡大し、上記検出後に2点が互いに近づく方向に向けて移動するタッチ操作が行われていることを検出すると、タッチ操作されている2点間の距離の変化に連動して部分拡大地図画像LPを縮小する(S8→S10)。あるいは、ユーザが、2本の指を部分拡大地図画像LPの外周にタッチした後に、互いに離れるように移動するタッチ操作を行うと、部分拡大地図画像LPが拡大されるようにしてもよい。また、ユーザが、2本の指を部分拡大地図画像LPの外周にタッチした後に、2本の指を近づけるようなタッチ操作をしたときは、部分拡大地図画像LPが小さくなるようにしてもよい。なお、この場合、部分拡大地図画像LPの拡大率は保持されたまま、部分拡大地図画像LPの領域だけが変更される。
【0047】
拡大又は縮小後の部分拡大地図画像LPの表示が開始されると、処理は再びステップS4に戻り、CPU11は、拡大又は縮小後の部分拡大地図画像LPの表示が開始されてから所定時間(T2秒)以内に追加のタッチ操作が行われたか否かを判定する。そして、所定時間内に追加のタッチ操作がなければ部分拡大地図画像LPの表示を終了し、追加のタッチ操作がある場合には(S4:YES)、タッチ操作に応じた表示制御処理を実行する。
【0048】
以上説明したように、本実施形態によれば、直観的且つ簡易なタッチ操作により、地図画像NPを部分的に拡大することができ、さらには、部分拡大地図画像LPを移動、その拡大率の変更、又は、部分拡大地図画像LPの拡大又は縮小を連続して行うことができる。
【0049】
<変形例>
(1)上述した実施の形態では、部分拡大を指示するタッチ操作を検出した後に、部分拡大地図画像LPの表示の開始から所定期間(T2秒)だけ表示を継続するようにタッチパネル12を制御する態様について説明した。しかしながら、本発明は、これに限られず、ユーザからの明示的な表示終了指示があるまで部分拡大地図画像LPの表示を継続させるようにタッチパネル12を制御してもよい。
図17を参照して、本変形例に係る表示制御処理について説明する。図17に示す、ステップS4aから始まる処理は、図4のステップS1〜S3に続く処理である。図17において、図4に示すフローチャートにおける処理と同様の処理については同じステップ番号を付し、その説明は適宜省略する。
【0050】
まず、ステップS4aにおいて、CPU11は、部分拡大を指示するタッチ操作が、ステップS3において部分拡大地図画像LPの表示が開始されてから所定時間(T3秒、T3>T2)以上継続したか否かを判定する。部分拡大を指示するタッチ操作が部分拡大地図画像LPの表示の開始から所定時間に満たない場合(S4a:NO)、CPU11は、部分拡大地図画像LPの表示を終了させる。
一方、タッチ操作が所定時間(T3秒)以上継続している場合(S4a:YES)、CPU11は、部分拡大地図画像LPの表示を継続させ、部分拡大地図画像LPの周辺に図18Bに例示するような閉じるボタンE(表示終了指示画像)を表示させる。
【0051】
CPU11は、次に、タッチパネル12が、追加のタッチ操作を検出した否かを判定する(S4b)。追加のタッチ操作が検出されない場合(S4b:NO)、CPU11は、追加のタッチ操作が検出されるまでステップS4bの判定を繰り返す。
追加のタッチ操作が検出されると(S4b:YES)、次に、ステップS4cにおいて、CPU11は、タッチパネル12が、部分拡大地図画像LPの表示の終了を指示するタッチ操作、すなわち、閉じるボタンEへのタッチ操作を検出した否かを判定する。この判定結果が肯定的な場合には(S4c:YES)、CPU11は部分拡大地図画像LPの表示を終了し、そうでない場合には(S4c:NO)、ステップS5の処理に進む。なお、S4cにおける判定処理では、閉じるボタンEへのタッチ操作を検出する代わりに、例えば、部分拡大地図画像LPのダブルタップ(素早く2回タップする動作)操作を検出してもよい。
【0052】
上述した実施形態と同様に、CPU11は、ステップS5において、追加のタッチ操作が、移動操作、拡大率変更操作、拡大・縮小操作、又はその他の操作のいずれであるかを判別し、判別したタッチ操作に応じた表示制御処理を行う(ステップS6〜S10)。
この態様によれば、ユーザは、部分拡大を指示するタッチ操作を所定時間(T3秒)継続させることにより、部分拡大地図画像LPの表示を継続させる指示の入力をすることができる。また、その表示を終了させる指示の入力がされない限り表示が継続されるので、部分拡大地図画像LPの表示を継続したままの状態を長時間保持することが可能となる。よって、ユーザは追加のタッチ操作を急いで行わずとも、部分拡大地図画像LPが表示されている限り何時でも、部分拡大地図画像LPの移動操作、拡大率の変更操作、拡大又は縮小操作を行うことができる。
【0053】
なお、図17に示す態様の更なる変形として、ユーザが、部分拡大を指示するタッチ操作を所定時間(T3秒)継続しなくても、部分拡大地図画像LPを無期限に表示させることとしてもよい。すなわち、ステップS4aの処理を省略してもよい。この場合には、CPU11は、部分拡大地図画像LPを表示する際に、部分拡大地図画像LPの周辺に図18Bに例示するような閉じるボタンE(表示終了指示画像)を表示させる。そして、CPU11は、タッチパネル12が追加のタッチ操作を検出した場合において(S4b:YES)、当該タッチ操作が閉じるボタンEへのタッチ操作であるときには(S4c:YES)、部分拡大地図画像LPの表示を終了する。また、閉じるボタンEへのタッチ操作を検出する代わりに、例えば、部分拡大地図画像LPのダブルタップ(素早く2回タップする動作)操作を検出してもよい。
この態様によれば、ユーザは、明示的な指示を入力せずとも部分拡大地図画像LPの表示が継続されるので利便性が向上する。
【0054】
(2)上述した変形例では、タッチパネル12が、部分拡大地図画像LPの表示開始後にタッチ操作が所定時間(T3秒)以上継続すると、部分拡大地図画像LPの表示を継続させる態様について説明した。しかしながら、本発明は、これに限られず、以下に説明するような場合に、部分拡大地図画像LPの表示を継続させるようにしてもよい。
図18A及び図18Bは本変形例に係る操作例及び表示例を示す図である。本変形例では、部分拡大を指示する第1〜第5、及び第7のいずれかの態様に係るタッチ操作がタッチパネル12によって検出されると、アイコンPが部分拡大地図画像LPの中心点を中心とした所定の距離範囲D内である場合には部分拡大地図画像LPの表示を継続させる。すなわち、図17のステップS4aにおいて、タッチ操作が所定時間以上継続したか否かを判定する代わりに、CPU11は、アイコンPが部分拡大地図画像LPの中心点を中心とした所定の距離範囲D内であるか否かを判定する。図示の例では、図18Aに示すアイコンPは所定の距離範囲D外にあるのでこの場合には表示は継続されず、図18Bに示すアイコンPは所定の距離範囲D内にあるのでこの場合には表示は継続される。好適には、表示が継続されている状態にあることをユーザに示すために、距離範囲D内にあるアイコンP(図18B)と距離範囲D外にある示すアイコンP(図18A)との間で、色彩その他の表示態様を異ならせる。なお、表示態様としては、色彩のほか、形状、模様、動的表示(例えば点滅表示)が例示される。
アイコンPとしては、ユーザ自身の現在位置を示すアイコン、移動体(例えば、バスや電車)の現在位置を示すアイコン、部分拡大地図画像LP内の関心地点のアイコン、その他のユーザが注目することが推定されるオブジェクト又はユーザの明示的な指示により注目しているオブジェクトのアイコンがある。
【0055】
また、本変形例では、部分拡大を指示する第1〜第5、及び第7のいずれかの態様に係るタッチ操作が検出されたときに、アイコンPが部分拡大地図画像LPの中心点を中心とした所定の距離範囲D外である場合には部分拡大地図画像LPの表示は継続されないが、部分拡大を指示するタッチ操作の直後(部分拡大地図画像LPの表示の開始からT2秒内)に、ユーザが部分拡大地図画像LPを移動させるタッチ操作(すなわち、図18Aに示す状態から図18Bに示す状態に遷移させるタッチ操作)を行なった結果、CPU11が、アイコンPが所定の距離範囲D内にあると判定することとなった場合にも、部分拡大地図画像LPの表示が継続される。この場合にも、表示が継続される状態に変化したことをユーザに示すために、アイコンPが距離範囲D内に入ったときにアイコンPの表示態様を変化させることが好ましい。
すなわち、CPU11は、部分拡大地図画像LPが一旦表示された後に、部分拡大地図画像LPの中心点から所定の距離範囲D内にアイコンPがあると判定した場合には、部分拡大地図画像LPの表示を継続させるようタッチパネル12を制御する。
【0056】
また、本変形例において、アイコンPが移動体である場合に、CPU11は、所定の距離範囲D内にあるアイコンPが移動すると、アイコンPの移動に追随して、部分拡大地図画像LPを移動させるようにタッチパネル12を制御してもよい。この場合において、アイコンPがユーザ自身の現在位置を示すアイコンであるときには、ユーザの現在位置に追随して部分拡大地図画像LPも移動するので、ユーザ自身の移動経路周辺の地図が常に拡大された状態で自動的に表示される。すなわち、経路の把握に適切な拡大率で表示された地図が常に表示されるので、ユーザが不案内な場所で移動する場合に道に迷う可能性が低減され、利便性が向上する。
閉じるボタンEへのタッチ操作(または部分拡大地図画像LPのダブルタップ操作)が検出されると、部分拡大地図画像LPの表示は終了する(図17のS4c:YES)。
【0057】
(3)上述した変形例では、タッチパネル12が、部分拡大地図画像LPの表示の終了を指示するタッチ操作を検出すると、部分拡大地図画像LPの表示を終了させる態様について説明した(図17のS4c)。しかしながら、本発明は、これに限られず、部分拡大地図画像LPの拡大率が最小になったときもしくは地図画像NPの拡大率と一致したときに、表示を終了するようにしてもよい。
【0058】
(4)上述した実施形態及び変形例では、部分拡大を指示するタッチ操作、部分拡大地図画像LPの移動を指示するタッチ操作、拡大率の変更を指示するタッチ操作、又は拡大もしくは縮小をするタッチ操作が検出されると、所定時間、又は明示的な表示終了指示が検出されるまで無期限に部分拡大地図画像LPを表示させる態様について説明した。しかしながら、本発明はこれに限られず、タッチ操作が終了すると、すなわち、ユーザがタッチ操作をしてタッチパネル12から指を離すと、タッチ操作に応じた部分拡大地図画像LPを一旦表示した後、表示を終了させるようにしてもよい。すなわち、CPU11は、タッチパネル12が、検出したタッチ操作が終了したことを検出すると、部分拡大地図画像LPを表示した後、部分拡大地図画像LPの表示を終了させるようタッチパネル12を制御してもよい。
【0059】
(5)上述した実施形態では、部分拡大を指示するタッチ操作が検出されると、第1の態様及び第2の態様では、タッチ操作された点又は2間点の点、第3の態様ではピンチアウト操作の3起点で画定される三角形の中の点、第4の態様では虫眼鏡形状のアイコンGをタップ操作した後にタップされた点を中心点として、部分拡大地図画像LPを形成していた。また、第5の態様ではタッチ操作から直接的に部分拡大地図画像LPの中心点が定められるものではないが、ユーザが、関心地点Aが拡大レンズ型の拡大画像Lのほぼ中心となるように拡大画像Lを指でスライドさせる操作を行う場合を想定している。しかしながら、ユーザが目標中心点とする位置と実際のタッチ位置(スライド操作の場合にはスライド操作が終わったときに拡大画像Lが覆う領域の中心)とは必ずしも一致しない。そこで、図19に示すように、本変形例では、CPU11は、部分拡大を指示する第1〜第5のいずれかの態様に係るタッチ操作(又はスライド操作)が検出され、部分拡大地図画像LPを表示しようとする場合において、その中心点Cの付近に関心地点Aがあるときは、当該関心地点Aの座標に中心点Cを合わせて部分拡大地図画像LPを形成するようにしている。本変形例によれば、部分拡大地図画像LPの中心点を関心地点Aの座標に微調整したうえで表示するので、ユーザが真に意図する点を中心とした部分拡大地図画像LPを表示することが可能となる。
【0060】
(6)上述した実施形態では、地図画像表示装置は携帯端末装置10であるとして説明したが、これに限られず、電話機能を有しない携帯端末装置であってもよく、タッチパネル12を有する据置型のコンピュータ装置であってもよい。また、上述した実施形態では、表示領域を有するタッチパネルに表示されている地図画像の一部分の領域を拡大する例について説明したが、地図画像に限られず、文字画像、写真画像、描画画像、その他の画像であってもよい。
【符号の説明】
【0061】
1……地図画像表示システム、10……携帯端末装置(地図画像表示装置)、11……CPU(表示制御部)、12……タッチパネル、13……通信部、14……記憶部、15……マイク、16……スピーカ、30……地図情報提供サーバ、A……関心地点、LP……部分拡大地図画像、NP……地図画像、TR1,TR2……移動軌跡。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19