(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本件発明の実施例1の赤外線光学系(赤外線単焦点レンズ)のレンズ構成例を示す光学断面図である。
【
図2】本件発明の実施例1の赤外線光学系のタンジェンシャル方向及びサジタル方向における横収差図であり、上段から順にω(半画角)=0.0°、ω=40°、ω=79°における特性を示したものである。
【
図3】本件発明の実施例1の赤外線光学系(赤外線単焦点レンズ)の各種収差図であり、球面収差(3μm、4μm、5μm)、非点収差(サジタル方向及びタンジェンシャル方向)、ディストーションである。
【
図4】本件発明の実施例2の赤外線光学系(赤外線単焦点レンズ)のレンズ構成例を示す光学断面図である。
【
図5】本件発明の実施例2の赤外線光学系のタンジェンシャル方向及びサジタル方向における横収差図であり、上段から順にω=0.0°、ω=12.1°、ω=24.1°における特性を示したものである。
【
図6】本件発明の実施例2の赤外線光学系(赤外線単焦点レンズ)の各種収差図であり、球面収差(8μm、10μm、12μm)、非点収差(サジタル方向及びタンジェンシャル方向)、ディストーションである。
【
図7】本件発明の実施例3の赤外線光学系(赤外線単焦点レンズ)のレンズ構成例を示す光学断面図である。
【
図8】本件発明の実施例3の赤外線光学系のタンジェンシャル方向及びサジタル方向における横収差図であり、上段から順にω=0.0°、ω=8.3°、ω=16.9°における特性を示したものである。
【
図9】本件発明の実施例3の赤外線光学系(赤外線単焦点レンズ)の各種収差図であり、球面収差(8μm、10μm、12μm)、非点収差(サジタル方向及びタンジェンシャル方向)、ディストーションである。
【
図10】本件発明の実施例4の赤外線光学系(赤外線単焦点レンズ)のレンズ構成例を示す光学断面図である。
【
図11】本件発明の実施例4の赤外線光学系のタンジェンシャル方向及びサジタル方向における横収差図であり、上段から順にω=0.0°、ω=40.0°、ω=78.9°における特性を示したものである。
【
図12】本件発明の実施例4の赤外線光学系(赤外線単焦点レンズ)の各種収差図であり、球面収差(8μm、10μm、12μm)、非点収差(サジタル方向及びタンジェンシャル方向)、ディストーションである。
【
図13】本件発明の実施例5の赤外線光学系(赤外線単焦点レンズ)のレンズ構成例を示す光学断面図である。
【
図14】本件発明の実施例5の赤外線光学系のタンジェンシャル方向及びサジタル方向における横収差図であり、上段から順にω=0.0°、ω=40.0°、ω=78.9°における特性を示したものである。
【
図15】本件発明の実施例5の赤外線光学系(赤外線単焦点レンズ)の各種収差図であり、球面収差(8μm、10μm、12μm)、非点収差(サジタル方向及びタンジェンシャル方向)、ディストーションである。
【
図16】本件発明の実施例6の赤外線光学系(赤外線単焦点レンズ)のレンズ構成例を示す光学断面図である。
【
図17】本件発明の実施例6の赤外線光学系のタンジェンシャル方向及びサジタル方向における横収差図であり、上段から順にω=0.0°、ω=25.5°、ω=74.5°における特性を示したものである。
【
図18】本件発明の実施例6の赤外線光学系(赤外線単焦点レンズ)の各種収差図であり、球面収差(8μm、10μm、12μm)、非点収差(サジタル方向及びタンジェンシャル方向)、ディストーションである。
【
図19】本件発明の実施例7の赤外線光学系(赤外線単焦点レンズ)のレンズ構成例を示す光学断面図である。
【
図20】本件発明の実施例7の赤外線光学系のタンジェンシャル方向及びサジタル方向における横収差図であり、上段から順にω=0.0°、ω=40.0°、ω=78.9°における特性を示したものである。
【
図21】本件発明の実施例7の赤外線光学系(赤外線単焦点レンズ)の各種収差図であり、球面収差(8μm、10μm、12μm)、非点収差(サジタル方向及びタンジェンシャル方向)、ディストーションである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本件発明に係る赤外線光学系の実施の形態を説明する。
【0018】
1.赤外線光学系
1−1.レンズ構成
本件発明に係る赤外線光学系の構成例について説明する。本件発明に係る赤外線光学系は、物体側から順に配置される、負の屈折力を有する第1レンズ及び正の屈折力を有する第2レンズとから構成され、第1レンズ及び第2レンズはいずれも3μm以上14μm以下の赤外線波長域の光線を透過する赤外線透過材料からなり、少なくともいずれか一のレンズはゲルマニウム以外の赤外線透過材料からなることを特徴とする。
【0019】
本件発明に係る赤外線光学系は、第1レンズ及び第2レンズの2枚のレンズから構成されており、当該光学系を構成するレンズ枚数が少ない。赤外線用のレンズは、可視光用のレンズと比較すると、光線に対する吸収率及び反射率が高い。このため、レンズ枚数を少なくすることにより、系全体における赤外線の吸収や反射を抑制して、系全体のF値を小さくすることができ、明るい画像を得ることができる。また、赤外線用の撮像素子(受光センサ)は、入射した赤外線の熱エネルギーを電子変換するため、一般にセンサ周辺の熱ノイズの影響を受けやすく、感度も小さい。しかしながら、本件発明に係る赤外線光学系は、上述のとおり、F値を小さくすることができるため、S/N比の小さい画質の良好な明るい画像を得ることができる。
【0020】
また、本件発明に係る赤外線光学系は、2枚のレンズから構成されるにも関わらず、第1レンズを負の屈折力を有する負レンズとしているため、コマ収差及び像面湾曲を小さくすることができ、且つ、負の屈折力を有する第1レンズにより発生した球面収差を正の屈折力を有する第2レンズにより良好に補正することができる。また、第1レンズを負レンズとすることにより、画角を広くすることが容易になる。このため、本件発明に係る赤外線光学系を広角〜中望遠の幅広い画角の単焦点レンズに適用することが容易になる。
【0021】
ここで、第1レンズは負の屈折力を有する負レンズであれば、その形状等は特に限定されるものではなく、第2レンズについても正の屈折力を有する正レンズであれば、その形状等は特に限定されるものではない。
【0022】
さらに、本件発明に係る赤外線光学系では、第1レンズ及び第2レンズはいずれも3μm以上14μm以下の赤外線波長域の光線を透過する赤外線透過材料からなり、少なくともいずれか一のレンズはゲルマニウム以外の赤外線透過材料からなるものとしている。ここで、ゲルマニウムレンズは、一般に、研磨や切削によりレンズ加工を行う必要があり、レンズ加工が困難である。従って、第1レンズ及び第2レンズのうち、少なくともいずれか一方のレンズ材料をゲルマニウム以外の赤外線透過材料とすることにより、ゲルマニウムレンズを用いる場合と比較すると加工が容易になる。特に、第1レンズ及び第2レンズのうち、非球面を有するレンズをゲルマニウム以外の赤外線透過材料からなるレンズとすることが好ましい。
【0023】
ここで、本件発明において赤外線透過材料とは、3μm以上14μm以下の赤外線波長域の光線を透過する材料をいう。ゲルマニウム以外の赤外線透過材料として、具体的には、カルコゲナイド、サファイア、ZnSe(セレン化亜鉛)、ZnS(硫化亜鉛)、シリコン等が挙げられる。赤外線透過率の高い材料を用いることにより、当該赤外線光学系のF値を小さくすることができ、S/N比の小さい画質の良好な赤外線像を得ることができる。また、ゲルマニウム等の結晶材と比較すると、カルコゲナイド等のガラス材の方が、一般に安価であり、モールド成型が可能であるため、レンズ加工が容易である。
【0024】
本件発明において、ゲルマニウム以外の赤外線透過材料からなるレンズは、第1レンズ及び第2レンズのうちいずれか一方であってもよく、両レンズであってもよい。レンズ加工の容易さを考慮した場合、非球面を有するレンズをゲルマニウム以外の赤外線透過材料からなるレンズとすることが好ましい。但し、第1レンズ及び第2レンズのうちいずれか一方のレンズをゲルマニウムレンズとしてもよいのは勿論であり、非球面レンズをゲルマニウムレンズとしてもよく、特に限定されるものではない。ゲルマニウムは、赤外線透過材料の中では赤外線に対する屈折率が高く、色分散も低い。このため、当該赤外線光学系に要求される光学特性に応じて、第1レンズ及び第2レンズのレンズ材料をゲルマニウム及びゲルマニウム以外の赤外線透過材料の中から適宜選定することができる。
【0025】
本件発明に係る赤外線光学系において、第1レンズ及び第2レンズのうちいずれか一以上の面が非球面であることが好ましい。第1レンズ及び第2レンズのうちいずれか一以上の面を非球面とすることにより、球面収差や歪曲収差を良好に補正することができ、結像性能の良好な赤外線光学系を得ることができる。本件発明において、2枚のレンズでより良好な結像性能を得るには、複数の面が非球面であることがより好ましい。
【0026】
1−2.条件式
次に、本件発明に係る赤外線光学系が満足することが好ましい条件式について、以下、順に説明する。
【0027】
1−2−1.条件式(1)
本件発明に係る赤外線光学系は、下記式(1)を満足することが好ましい。
【0028】
f
1/f < −1.0 ・・・(1)
但し、上記式(1)において、f
1は第1レンズの焦点距離であり、fは当該赤外線光学系全系の焦点距離である。
【0029】
条件式(1)は、第1レンズの焦点距離と当該赤外線光学系全系の焦点距離との比を規定したものである。条件式(1)の値が上記上限値未満である場合、球面収差を適正な範囲内に抑制することができ、コマ収差及び像面湾曲の補正も良好に行うことができ、2枚のレンズでも結像性能の良好な赤外線光学系を得ることができる。一方、条件式(1)の値が上限値以上となる場合、球面収差が、コマ収差及び像面収差がいずれも増大し、これらを補正することが困難になる。
【0030】
上記観点から、当該条件式(1)の値は下記式(1a)の範囲内であることがより好ましい。
f
1/f < −1.3 ・・・(1a)
【0031】
1−2−1.条件式(2)
まず、条件式(2)について説明する。本件発明に係る光学系は、下記条件式(2)を満足することが好ましい。
【0032】
0.35 < f
2/f < 5.5 ・・・(2)
但し、上記式(2)において、f
2は第2レンズの焦点距離であり、fは当該赤外線光学系全系の焦点距離である。
【0033】
条件式(2)は、第2レンズの焦点距離と、当該赤外線光学系全系の焦点距離との比を規定したものである。条件式(2)の値が上記範囲内である場合、第2レンズの屈折力が適正な範囲内となり、コマ収差や像面湾曲を良好に補正することができる。条件式(2)の値が下限値以下となる場合、第2レンズ群の屈折力が弱く、球面収差等が増加するため、当該赤外線光学系を望遠レンズに適用した場合、結像性能が低下するため好ましくない。また、当該条件式(2)の値が、上限値を上回る場合、第2レンズの屈折力が強く、球面収差等が増加するため、当該赤外線光学系を広角レンズに適用した場合、結像性能が低下するため好ましくない。
【0034】
広角〜中望遠レンズに適用した場合、より良好な結像性能を得るという観点から、当該条件式(2)の値は下記式(2a)の範囲内であることがより好ましい。
0.4 < f
2/f < 5.3 ・・・(2a)
【0035】
1−2−2.条件式(3)
次に、条件式(3)について説明する。本件発明に係る赤外線光学系は、下記条件式(3)を満足することも好ましい。
【0036】
(f
2/f)/Fno < 5.6 ・・・(3)
但し、上記式(3)において、f
2は第2レンズの焦点距離であり、fは当該赤外線光学系全系の焦点距離であり、Fnoは当該赤外線光学系全系のF値である。
【0037】
条件式(3)は、上述した条件式(2)の値と当該赤外線光学系全系のF値との比を規定した式である。条件式(3)の値が上記上限値以上になる場合、球面収差・コマ収差等の増大により収差補正が困難になる。
【0038】
これらの観点から、当該条件式(3)の値は下記式(3a)の範囲内であることがより好ましい。
(f
2/f)/Fno < 5.4 ・・・(3a)
【0039】
なお、条件式(3)の値は、より明るい画像を得るという観点から0より大きいことが好ましい。
【0040】
1−3.回折光学素子面
当該赤外線光学系において、第1レンズ及び第2レンズの各面のうち、少なくともいずれかの一の面に回折光学素子面を設けてもよい。赤外線光学系のレンズ材料(赤外線透過材料)は、可視光用のレンズ材料と比較すると色分散が大きい傾向にあり、色収差が大きくなりやすい。このため、回折光学素子面をレンズ面に設けることにより、色収差を良好に補正することができ、画質の良好な赤外線像を得ることができる。
【0041】
以上説明した本件発明に係る赤外線光学系は、30°〜180°程度の広角〜中望遠の幅広い画角の赤外線単焦点レンズに適用することができ、F値が小さく、ノイズの少ない良好な画像を得ることができる。当該赤外線光学系は、監視用カメラ、赤外線サーモグラフィ等の種々の用途に適用することができ、広角単焦点レンズにも好適である。。
【0042】
次に、実施例を示して本件発明を具体的に説明する。但し、本件発明は以下の実施例に限定されるものではなく、下記実施例に記載するレンズ構成は本件発明の一例に過ぎず、本件発明に係る赤外線光学系のレンズ構成は、本件発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。
【実施例1】
【0043】
本発明による赤外線光学系の実施例を図面を参照して説明する。
図1は、本実施例1の赤外線光学系のレンズ構成例を示す光学断面図である。
【0044】
図1に示すように、本実施例1の赤外線光学系は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズとを備え、この2枚のレンズにより構成されている。第1レンズは、物体側面が物体側に凸の負レンズであり、第2レンズは物体側面が物体側に凸の正レンズであり、レンズ形状等は
図1に示すとおりである。これら第1レンズ及び第2レンズはいずれもZnSeにより形成されている。また、結像面の直前(物体側)にゲルマニウム製のカバーガラスが配置されている。
【0045】
次に、当該本実施例1において、具体的数値を適用した数値実施例1の赤外線光学系のレンズデータを表1に示す。表1に示すレンズデータは次のものである。各レンズの面番号毎(Si)に各レンズ面の曲率半径(Ri)、面間隔(レンズ厚、又は、互いに隣接するレンズ面の光軸上の間隔(Di))、屈折率、材料名、焦点距離を示している。また、レンズ面が非球面である場合には、面番号の次の欄に「AS」を付し、回折光学素子面については面番号の次の欄に「DOE」を付している。また、レンズ面が非球面である場合、その曲率半径は近軸曲率半径を示している。また、面番号は、第1レンズの物体側面が「1」、その像面側面が「2」、第2レンズの物体側面が「3」、その像面側面が「4」、カバーガラスの物体側面が「5」、その像面側面が「6」である。これらは表4、表7、表10、表13、表16及び表19においても同じである。但し、表1において屈折率は波長(λ)=4μmの光線に対する値を示しており、表4、表7、表10、表13、表16及び表19では波長(λ)=10μmの光線に対する値を示している。実施例1は、中赤外線領域で使用される赤外線光学系に関する実施例であり、実施例2〜実施例7は遠赤外線領域で使用される赤外線光学系に関する実施例である。
【0046】
【表1】
【0047】
次に、表1に示した非球面について、その形状を次式zで定義した場合の非球面係数を表2に示す。表2において、「E−a」は、「×10
−a」を示す。なお、これらの事項は表5、表8、表11、表14、表17及び表20においても同様である。
【0048】
z=ch
2/[1+{1-(1+k)c
2h
2}
1/2]+A4h
4+A6h
6+A8h
8+A10h
10・・・
但し、上記式において、cは曲率(1/r)、hは光軸からの高さ、kは円錐係数、A4、A6、A8、A10・・・は各次数の非球面係数を示す。
【0049】
【表2】
【0050】
次に、回折光学素子面について説明する。回折光学素子面は、光路差関数ρ(h)の分布から、光路差が波長λ
0(2πの位相差)の整数倍になるごとに基板面に断面が鋸歯状の輪帯が形成される。このため、回折光学素子面の形状は、下記の光路差を表す関数式ρ(h)と回折面を付加する基準面に対する削り量(dZ)を表す式により定義される。表1に示した回折光学素子面について、その回折面係数を表3に示す。なお、これらの事項は表6、表9、表12、表15、表18及び表21においても同様である。
【0051】
(光路差関数)
ρ(h)=(P2×h
2+P4×h
4+P6×h
6+P10×h
10)
但し、上記式において、P2,P4,・・・は回折面係数であり、hは径方向の距離である。
【0052】
(基板面に対する削り量)
dZ(h)=1/(n−1)[ρ(h)]
但し、上記式において、nは基板の屈折率である。
【0053】
【表3】
【0054】
また、表22に数値実施例1の全系の焦点距離f、F値(Fno)、画角(2ω)、第1レンズの焦点距離(f
1)、第2レンズの焦点距離(f
2)、上記条件式(1)〜条件式(3)の値を示す。
【0055】
さらに、
図2に数値実施例1の赤外線光学系の横収差図を示し、
図3に数値実施例1の赤外線光学系の球面収差、非点収差、ディストーションを示す。
図2に示す横収差図において、横軸は瞳面上での主光線からの距離を表しており、上段は軸上像点における横収差、中段は最大角度の半分の角度位置における横収差、下段は最大像高の像点における横収差を示している。また、
図3に示す球面収差図において、縦軸はF値(図中、FNOで示す)を表し、図中に示す各波長の光線(
図3の場合は、3μm、4μm、5μmの光線)の特性を示している。非点収差図において、縦軸は半画角(図中、ωで示す)を表し、サジタル平面(図中、Sで示す)及びタンジェンシャル方面(図中、Tで示す)の特性を示している。ディストーションにおいて、縦軸は半画角(図中、ωで示す)を表す。なお、これらは
図5、
図6、
図8、
図9、
図11、
図12、
図14、
図15、
図17、
図18、
図20及び
図21においても同様である。
【実施例2】
【0056】
実施例2の赤外線光学系は実施例1の赤外線光学系と同様に、負の屈折力を有す第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズとから構成されており、結像面の直前にはカバーガラスが配置されている。実施例2において、第1レンズはZnSe製であり、第2レンズはカルコゲナイド製であり、カバーガラスはゲルマニウム製である。なお、具体的なレンズ構成は
図4に示すとおりである。また、実施例1〜実施例7ではそれぞれゲルマニウム製の同一の厚みのカバーガラスを採用している。各実施例の赤外線光学系のレンズ構成を示す各光学断面図(
図1、
図4、
図7、
図10、
図13、
図17及び
図20)は、それぞれ第1レンズ及び第2レンズのレンズ径に応じて、適宜、適切な縮尺となるように作図したものであるため、各図の縮尺に応じて、カバーガラスの厚みが異なって表示される場合があるが、いずれのカバーガラスの厚みも同じである。
【0057】
次に、実施例2において、具体的数値を適用した数値実施例2の赤外線光学系のレンズデータを表4に示し、表5に非球面係数を示し、表6には回折面係数を示す。なお、表4において、レンズ材料の欄に表記した「C」はカルコゲナイドを示している(以後、同じ)。さらに、
図5に数値実施例2の赤外線光学系の横収差図を示し、
図6に数値実施例2の赤外線光学系の球面収差、非点収差、ディストーションを示す。
【0058】
そして、表22に数値実施例2の全系の焦点距離f、F値(Fno)、画角(2ω)、第1レンズの焦点距離(f
1)、第2レンズの焦点距離(f
2)、上記条件式(1)〜条件式(3)の値を示す。
【0059】
【表4】
但し、屈折率は10μmの光線に対する値を示す。
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【実施例3】
【0062】
実施例3の赤外線光学系は実施例1の赤外線光学系と同様に、負の屈折力を有す第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズとから構成されており、結像面の直前にはカバーガラスが配置されている。実施例3において、第1レンズ及び第2レンズは共にZnSe製である。なお、具体的なレンズ構成は
図7に示すとおりである。
【0063】
また、実施例3において、具体的数値を適用した数値実施例3の赤外線光学系のレンズデータを表7に示し、表8に非球面係数を示し、表9には回折面係数を示す。さらに、
図8に数値実施例3の赤外線光学系の横収差図を示し、
図9に数値実施例3の赤外線光学系の球面収差、非点収差、ディストーションを示す。
【0064】
そして、表22に数値実施例3の全系の焦点距離f、F値(Fno)、画角(2ω)、第1レンズの焦点距離(f
1)、第2レンズの焦点距離(f
2)、上記条件式(1)〜条件式(3)の値を示す。
【0065】
【表7】
但し、屈折率は10μmの光線に対する値を示す。
【0066】
【表8】
【0067】
【表9】
【実施例4】
【0068】
実施例4の赤外線光学系は実施例1の赤外線光学系と同様に、負の屈折力を有す第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズとから構成されており、結像面の直前にはカバーガラスが配置されている。実施例4において、第1レンズはゲルマニウム製であり、第2レンズはカルコゲナイド製である。なお、具体的なレンズ構成は
図10に示すとおりである。
【0069】
また、実施例4において、具体的数値を適用した数値実施例4の赤外線光学系のレンズデータを表10に示し、表11に非球面係数を示し、表12には回折面係数を示す。さらに、
図11に数値実施例4の赤外線光学系の横収差図を示し、
図12に数値実施例4の赤外線光学系の球面収差、非点収差、ディストーションを示す。
【0070】
そして、表22に数値実施例4の全系の焦点距離f、F値(Fno)、画角(2ω)、第1レンズの焦点距離(f
1)、第2レンズの焦点距離(f
2)、上記条件式(1)〜条件式(3)の値を示す。
【0071】
【表10】
但し、屈折率は10μmの光線に対する値を示す。
【0072】
【表11】
【0073】
【表12】
【実施例5】
【0074】
実施例5の赤外線光学系は実施例1の赤外線光学系と同様に、負の屈折力を有す第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズとから構成されており、結像面の直前にはカバーガラスが配置されている。実施例5において、第1レンズはZnS製であり、第2レンズはカルコゲナイド製である。なお、具体的なレンズ構成は
図13に示すとおりである。
【0075】
また、実施例5において、具体的数値を適用した数値実施例5の赤外線光学系のレンズデータを表13に示し、表14に非球面係数を示し、表15には回折面係数を示す。さらに、
図14に数値実施例5の赤外線光学系の横収差図を示し、
図15に数値実施例5の赤外線光学系の球面収差、非点収差、ディストーションを示す。
【0076】
そして、表22に数値実施例5の全系の焦点距離f、F値(Fno)、画角(2ω)、第1レンズの焦点距離(f
1)、第2レンズの焦点距離(f
2)、上記条件式(1)〜条件式(3)の値を示す。
【0077】
【表13】
但し、屈折率は10μmの光線に対する値を示す。
【0078】
【表14】
【0079】
【表15】
【実施例6】
【0080】
実施例6の赤外線光学系は実施例1の赤外線光学系と同様に、負の屈折力を有す第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズとから構成されており、結像面の直前にはカバーガラスが配置されている。実施例6において、第1レンズ及び第2レンズは共にカルコゲナイド製である。なお、具体的なレンズ構成は
図16に示すとおりである。
【0081】
また、実施例6において、具体的数値を適用した数値実施例6の赤外線光学系のレンズデータを表16に示し、表17に非球面係数を示し、表18には回折面係数を示す。さらに、
図17に数値実施例6の赤外線光学系の横収差図を示し、
図18に数値実施例6の赤外線光学系の球面収差、非点収差、ディストーションを示す。
【0082】
そして、表22に数値実施例6の全系の焦点距離f、F値(Fno)、画角(2ω)、第1レンズの焦点距離(f
1)、第2レンズの焦点距離(f
2)、上記条件式(1)〜条件式(3)の値を示す。
【0083】
【表16】
但し、屈折率は10μmの光線に対する値を示す。
【0084】
【表17】
【0085】
【表18】
【実施例7】
【0086】
実施例7の赤外線光学系は実施例1の赤外線光学系と同様に、負の屈折力を有す第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズとから構成されており、結像面の直前にはカバーガラスが配置されている。実施例7において、第1レンズはシリコン製であり、第2レンズはカルコゲナイド製である。なお、具体的なレンズ構成は
図19に示すとおりである。
【0087】
また、実施例7において、具体的数値を適用した数値実施例7の赤外線光学系のレンズデータを表19に示し、表20に非球面係数を示し、表21には回折面係数を示す。さらに、
図20に数値実施例7の赤外線光学系の横収差図を示し、
図21に数値実施例7の赤外線光学系の球面収差、非点収差、ディストーションを示す。
【0088】
そして、表22に数値実施例7の全系の焦点距離f、F値(Fno)、画角(2ω)、第1レンズの焦点距離(f
1)、第2レンズの焦点距離(f
2)、上記条件式(1)〜条件式(3)の値を示す。
【0089】
【表19】
但し、屈折率は10μmの光線に対する値を示す。
【0090】
【表20】
【0091】
【表21】
【0092】
【表22】