(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記空台処理手段は、前記従業員操作が受付けられた場合に、前記獲得価値が予め設定される従業員端数設定値に達していないことを条件として前記空台処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
前記遊技機装置単位で、前記獲得価値は残存するが、予め設定されている端数設定値には達していない場合に成立する条件であって、予め設定される端数計数機条件が成立しているか否かを判定することで、端数計数機条件が成立している遊技機装置である端数計数機を特定する端数計数機特定手段と、
遊技機に対応して設けられ、前記従業員操作に応じて前記端数計数機特定手段により特定された前記端数計数機の識別情報を少なくとも表示対象とした端数計数機情報を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載した遊技場用システム。
前記発行手段は、前記発行処理を行う場合に、その発行対象となる前記記録媒体を排出するための排出口にて、当該記録媒体を遊技者が引抜可能に、その少なくとも一部を保持可能であると共に、当該記録媒体が引抜かれたか否かを特定可能であり、
前記空台処理手段は、前記発行処理を行うことにより前記獲得価値を初期値へと戻し、
前記表示手段は、前記端数計数機情報の表示を開始する契機となった前記従業員操作に応じた前記発行処理により発行された記録媒体を引抜かれたことが特定されることにより成立する表示終了条件の成立に応じて、当該端数計数機情報の表示を終了することを特徴とする請求項4に記載した遊技場用システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、各台計数機では例えば遊技機の上部受皿から偶然的に遊技媒体が零れたり、計数処理中に遊技媒体が計数通路に留まり発行処理後に計数されたりした場合や、心許無い遊技者が意図的に端数分の獲得媒体を残して離席する場合等、遊技者が遊技継続の意図がないにも関わらず端数分の獲得媒体が計数された状態となることがある。この場合、その状態とした遊技者は離席して遊技する意思はないものの、次の遊技候補である遊技者の中には、未だ前の遊技者が遊技機を確保していると勘繰り、遊技を敬遠する遊技者もいる。しかしながら、記録媒体が捨てられる虞を考慮して特許文献1のように記録媒体の発行を抑制する構成を採用すると、遊技媒体が払出されることから、今度はその遊技媒体の払出しによる遊技機の確保状態となり、更にその払出された遊技媒体を処理する必要がある。又、記録媒体の発行自体を抑制すると、獲得媒体を処理することができない等、その結果、次の遊技者に対して空台として処理する(空台整理する)ことが難しかった。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技者の発行操作による端数分の記録媒体の発行を抑制した場合であっても、遊技機を空台として適切に処理することができる遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、遊技者が獲得した遊技価値を計数する計数処理を行う計数手段と、前記計数手段により計数された遊技価値である獲得価値を対価として、遊技価値を遊技者に付与する払戻処理を行う払戻手段と、遊技者による発行操作である遊技者発行操作を受付ける遊技者発行操作受付手段と、前記獲得価値を特定可能な記録媒体を発行する発行処理を前記遊技者発行操作に応じて行う発行手段と、を有する遊技機に対応して設けられる遊技機装置を含む遊技場用システムであって、遊技者による前記発行処理を抑制するための条件であり、予め設定される遊技者発行抑制条件が成立しているか否かを判定し、成立している旨の判定結果を得ることにより、前記遊技者発行操作に応じた前記発行処理を抑制する抑制処理を行う抑制手段と、遊技場の従業員
が携帯可能なリモコンによる操作である従業員操作を受付ける従業員操作受付手段と、前記遊技者発行抑制条件が成立している状態であっても、前記従業員操作に応じて
前記発行処理を行うことにより前記獲得価値を初期値へと戻す空台処理を行う空台処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載した発明は、前記遊技者発行抑制条件は、前記獲得価値が予め設定される遊技者端数設定値に達していない場合に成立
することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載した発明は、前記空台処理手段は、前記従業員操作が受付けられた場合に、前記獲得価値が予め設定される従業員端数設定値に達していないことを条件として前記空台処理を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載した発明は、前記遊技機装置単位で、前記獲得価値は残存するが、予め設定されている端数設定値には達していない場合に成立する条件であって、予め設定される端数計数機条件が成立しているか否かを判定することで、端数計数機条件が成立している遊技機装置である端数計数機を特定する端数計数機特定手段と、遊技機に対応して設けられ、前記従業員操作に応じて前記端数計数機特定手段により特定された前記端数計数機の識別情報を少なくとも表示対象とした端数計数機情報を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載した発明は、前記発行手段は、前記発行処理を行う場合に、その発行対象となる前記記録媒体を排出するための排出口にて、当該記録媒体を遊技者が引抜可能に、その少なくとも一部を保持可能であると共に、当該記録媒体が引抜かれたか否かを特定可能であり、前記空台処理手段は、前記発行処理を行うことにより前記獲得価値を初期値へと戻し、前記表示手段は、前記端数計数機情報の表示を開始する契機となった前記従業員操作に応じた前記発行処理により発行された記録媒体を引抜かれたことが特定されることにより成立する表示終了条件の成立に応じて、当該端数計数機情報の表示を終了することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載した発明によれば、獲得価値を特定可能な記録媒体を発行する発行処理を抑制するための条件である遊技者発行抑制条件が成立している状態であっても、遊技場の従業員
が携帯可能なリモコンによる従業員操作を受付けると、
発行処理を行うことにより獲得価値を初期値へと戻す空台処理を行うようにしたので、様々な理由により獲得価値は残存するが、遊技者不在の遊技機や遊技機装置が発生した場合であっても、端数分の獲得価値が対応付けられて記録媒体を遊技者に対して発行することを抑制しつつ、より適切に次の遊技者へと遊技機を提供する(空台整理する)ことができる。
【0012】
請求項2に記載した発明によれば、発行処理、又は取込処理を行うことにより、空台処理を行うようしたので、発行された記録媒体を取扱うだけで、空台処理を完了させることでき、遊技場の従業員の空台処理に関わる業務負担を軽減することができる。
【0013】
請求項3に記載した発明によれば、従業員操作が受付けられると、獲得価値が従業員端数設定値に達していないことを条件として空台処理を行うようにしたので、例えば遊技場の従業員の勘違いや操作ミス、又は意図しない無線信号の受信等が発生した場合であっても、無闇に空台処理が行われることを防止することができる。
【0014】
請求項4に記載した発明によれば、端数計数機条件が成立している遊技機装置である端数計数機の識別情報を少なくとも表示対象とした端数計数機情報を表示するようにしたので、遊技場の従業員が空台処理を必要とする遊技機装置を探して空台処理を行う際に、端数計数機条件が満たされた他の空台処理を必要とする遊技機装置を容易に把握することができ、空台処理を終了後に次の空台処理を必要とする遊技機装置へと向かうような運用を適切にサポートすることができる。
【0015】
請求項5に記載した発明によれば、記録媒体が引抜かれることで端数計数機情報の表示を終了するので、遊技場の従業員が端数計数機情報を確認した後に別途当該表示を終了させるための操作を行うことなく記録媒体を引抜くだけで、次の空台処理を必要とする遊技機装置へと向かうことができ、その業務効率を格段に向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システム1の全体構成を概略的に示している。遊技場には、遊技機2に1対1に対応して遊技機装置3(計数手段、払戻手段、遊技者発行操作受付手段、発行手段、抑制手段、従業員操作受付手段、空台処理手段、表示手段)が設置されている。2台の遊技機2及び2台の遊技機装置3は1台の中継装置4に接続されており、中継装置4はLAN5を介して管理装置6(端数計数機特定手段)に接続されている。尚、
図1では省略しているが、数100台の遊技機2が管理装置6の管理対象となる。又、中継装置4はLAN5を介してPOS装置(景品交換装置)等にも接続されている。本実施形態では遊技機2がパチンコ機であるので、遊技価値(遊技媒体)はパチンコ玉である。遊技機2がスロットマシンであれば、遊技価値はメダルである。
【0018】
遊技機2は、発射装置を構成する操作ハンドル2a、上部受皿(上皿)2b、下部受皿(下皿)2cを有すると共に、遊技盤面2dに、普図入賞口2e、第1始動口2f、第2始動口2g、液晶表示部2h、大入賞口2i等を有する。上部受皿2bの上面部には遊技者が操作可能な貸出釦2j及び返却釦2kが並んで設けられている。貸出釦2j及び返却釦2kが設けられる部位は上部受皿2bの上面部以外であっても良い。遊技機2は以下の動作を行う。
【0019】
(1)第1始動口2fは入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口2gは入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。
(2)操作ハンドル2aが操作されたことにより遊技盤面2dに発射された玉が第1始動口2f又は第2始動口2gに入賞(始動入賞)することに応じて大当たり抽選を行い、抽選結果を液晶表示部2hにて行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当たりを発生させる。尚、第1始動口2f又は第2始動口2gに入賞することに応じて玉が上部受皿2bに払出(付与)されるが、その上部受皿2bに貯留可能な玉数(貯留数)は機種により様々である(異なっている)。
【0020】
(3)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
(4)大当たり抽選の当選確率(大当たり確率)は1/360であり、大当たりがその後に確変状態(確変)となる大当たり(確変大当たり)となる割合である確変率は(通常状態、確変状態共に)66.6%である。大当たりが発生すると15ラウンド(R)分だけ大入賞口2iを開放する。尚、1Rの上限入賞数は10個、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0021】
(5)確変中は大当たり確率が1/31に向上すると共に、第2始動口2gへの入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。尚、確変は次の大当たりまで継続するので、大当たり後に大当たりでも確変でもない状態である通常遊技状態(通常状態)となる大当たり(通常大当たり)が発生するまで継続し、その後は所定数(例えば100回)の図柄変動を行うまで時短状態となり、その後に通常状態となる。
(6)第2始動口2gは普図入賞口2eへの入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当たりとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普
図1回の変動時間は通常状態では30秒であり、時短状態では3秒となる。又、開放時間は通常状態では0.3秒であり、時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口2gへの入賞率が高くなる。
【0022】
遊技機装置3は、貸出機能と各台計数機能とを有する装置(各台計数機)であり、遊技者が貨幣を投入するための貨幣投入口3a、タッチパネル式の表示部3b及び遊技者が操作可能な払出釦3cを含む表示操作部3d、玉を遊技機2の上部受皿2bへと払出す払出ノズル3e、遊技者が会員カードや一般カード7(記録媒体)等の記録カードを挿入可能(受付可能)であると共に発行可能なカード挿入口3f(記録媒体を排出するための排出口)、遊技機2の下部受皿2cから落下した玉を受ける計数受皿3g、遊技場の従業員がリモコン8を操作したことに応じて当該リモコン8から送信されたリモコン信号を受光する受光部(図示せず)等を有する。遊技機装置3は以下の動作を行う。
【0023】
(1)遊技者が貨幣を貨幣投入口3aに投入する(入金する)と、その投入金額を特定し、その残高を遊技機2と表示部3bの双方に表示し、遊技者が遊技機2の貸出釦2jを操作すると(貸出操作を行うと)、貸出1単位分(例えば500円分)の貸出玉(対価付与価値)を遊技機2の内部の払出機構から遊技機2の上部受皿2bに貸出し(貸出処理を行い)、その対価分を残高から減算する。尚、複数回の貸出処理に対応可能な分の貨幣(例えば1万円まで)を受付可能である。
【0024】
(2)遊技者が遊技機2の下部受皿2cに設けられているレバーを操作し(計数操作を行い)、下部受皿2cを開放したこと応じて遊技機2の下部受皿2cから落下した玉を計数受皿3gにより受けると、その玉を計数部(図示せず)にて計数し(獲得価値を計数する計数処理を行い)、計数を完了すると、その計数結果を計数玉として後述する計算式により求めた実持玉と共に表示部3bに表示する。
【0025】
(3)遊技者が払出釦3cを操作すると(払戻操作を行うと)、実持玉の玉数が基準玉数以上であれば(持玉があれば)、その実持玉の玉数の範囲内の玉(払戻玉)を払出ノズル3eから遊技機2の上部受皿2bに払出し(遊技価値を遊技者へと付与する払戻処理を行い)、その払出した玉数を実持玉の玉数から減算する。尚、実持玉の玉数が基準玉数未満であれば(持玉がなければ)、会員カードを受付けていることを条件とし、その会員カードに対応して管理装置6が管理する貯玉口座に記録されている貯玉の玉数の範囲内の玉(再プレイ(再遊技)玉)を払出ノズル3eから遊技機2の上部受皿2bに払出し、その払出した玉数(の対価に相当する玉数)を当該貯玉口座の貯玉数から減算する。このとき、再プレイ玉を払出した旨を特定可能な更新情報を管理装置6に出力する。尚、1回の払戻操作により払出される払出単位(例えば125玉)は予め定められている。
【0026】
(4)残高又は持玉が残存する状態で遊技者が遊技機2の返却釦2kを操作すると(遊技者発行操作を行うと)、受付けた貨幣から貸出の対価を減じた残高、及び計数した計数玉の玉数から再プレイによる払戻分の払戻玉の玉数を減算した実持玉を特定可能な一般カード7を発行する(獲得価値を特定可能な記録媒体を発行する発行処理を行う)。この場合、遊技者が表示操作部3dにて実持玉の玉数の一部を指定する操作入力を行うことで、その指定した実持玉の玉数の一部のみを発行対象とする分割発行を可能としても良い。尚、一般カード7に記録されている持玉はPOS装置にて精算可能であり、残高は残高精算機(精算機)にて精算可能である。一般カード7に記録されている持玉や残高が精算された場合、精算対象とならなかった残高や持玉があれば、その精算対象とならなかった分は遊技者に返却される。又、精算対象とならなかった残高や持玉がなければ、その一般カード7は回収される。
【0027】
遊技機2及び遊技機装置3側からは次に示す遊技信号が出力される。
「アウト信号」:消費玉を回収するアウトBOXから出力される遊技に応じて消費された遊技価値である消費価値(アウト)を特定可能な信号である。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機2から出力される信号であっても良い。
「セーフ信号」:遊技機2から出力される遊技における入賞に応じて付与された遊技価値である入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号である。付与(払出)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0028】
「始動信号」:遊技機2から出力される始動入賞により変動(作動)する液晶表示部2h(役物)におけるスタート(図柄変動、役物作動、単位遊技)を特定可能な信号である。図柄変動確定時に出力されるので、始動信号の入力に応じて図柄変動を特定する。尚、第1始動口2f又は第2始動口2gに入賞したことを示す信号としても良い。
「大当たり信号」:遊技機2から出力される大当たりを特定可能な信号である。大当たり中にレベル出力される状態信号であるので、大当たり信号入力中を大当たり中として特定する。
【0029】
「特別状態信号」:遊技機2から出力される特別状態(甘中)の発生期間を特定可能な信号である。第2始動口2gの入賞率が向上する特別状態中(時短中)にレベル出力される状態信号であるので、特別状態信号の入力中を特別状態中(特別状態が発生している期間、特別状態期間)として特定する。尚、大当たり確率が向上する確変中にレベル出力される状態信号(確変信号)であっても良い。又、大当たり信号と特別状態信号の何れも入力していない期間を通常状態として特定する。
「売上信号」:遊技機装置3から出力される売上情報(売上玉数、売上額)を特定可能な信号である。遊技者に対する貸出玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「売上信号数×25」を売上玉数として特定し、「売上玉数×貸出単価(例えば4円)」を売上額として特定する。
【0030】
管理装置6は、主装置6a、キーボード6b、マウス6c、モニタ6d及びプリンタ(図示せず)等を有する。管理装置6は、CPU、ROM、RAM、HDD、I/Oを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部、遊技機2や遊技機装置3との間で各種信号や各種情報を中継装置4を介して入出力する入出力部(I/O)等を有し、制御プログラムを実行することで、遊技機2や遊技機装置3等から入力する遊技信号に基づいて遊技機2の稼動状態を特定すると共に遊技機2毎の遊技データ(アウト、セーフ、差玉、スタート回数、大当たり回数、出玉率、売上等)や機種毎の遊技データを算出して管理する。
【0031】
さて、上記した[発明が解決しようとする課題]の欄にて説明したように、遊技者の発行操作による端数分を対応付けた一般カード7の発行を抑制しつつ、次の遊技候補の遊技者に対して空台として処理する(空台整理する)ことが要望されている。このような要望に対し、本願発明では、遊技機装置3及び管理装置6は以下の処理を行う。
【0032】
遊技機装置3は、遊技場の管理者が管理装置6にて行う設定操作に応じて
図2に示す設定情報を設定する。又、遊技機装置3は、
図3に示す記憶領域を有する。又、管理装置6には、遊技機装置3から発行される一般カード7に対応して
図4に示す記憶領域を有する。即ち、遊技機装置3が
図3に示した記憶領域の状態で一般カード7を発行すると、その旨を示す発行情報が遊技機装置3から管理装置6に出力されることで、管理装置6は、
図4に示すようにカードIDと実持玉との対応付けを記憶領域に記憶する。本実施形態では
図3に示した記憶領域を遊技機装置3に設け、
図4に示した記憶領域を管理装置6に設け、それらをカードIDにより紐付けて管理する構成としているが、対応付けが可能であれば、
図4に示した記憶領域を一般カード7に設けたり、
図3に示した記憶領域を管理装置6に設けたりする等、どのように記憶領域を設けても良い。
【0033】
図2から
図4に示す各項目の意味は次の通りである。
「端数設定値」:一般カード7の発行を抑制するための設定値であり、実持玉の玉数に対して設定される値である。遊技者による発行操作を受けたときに実持玉の玉数が端数設定値に達していることを条件として発行処理を行う一方、実持玉の玉数が端数設定値に達していなければ発行処理を行わず、一般カード7を発行できない旨を報知するエラー表示を行う。遊技者端数設定値及び従業員端数設定値である。
【0034】
「基準期間」:後述する
図5に示す端数計数機表示画面の表示対象となる端数計数機を特定するための基準期間であり、最後の遊技信号を入力してからの経過期間に対する基準期間である。経過期間が基準期間に達しており、更に実持玉は残存するが、その残算する実持玉の玉数が端数設定値に達していない場合に、その遊技機装置3を端数計数機として特定する。
【0035】
「G分け」:
図5に示す端数計数機表示画面の表示対象となる端数計数機をグループ分けするための設定値である。機種単位、島単位、向い合わせ島単位、±台番の内から選択することができ、更に何れも前後の数値を入力可能とする。例えば「±2機種」と設定した場合、表示する遊技機装置3に対応した遊技機2が属する機種と、その前後2機種までが対象となるが、
図5では±100の台番範囲を設定した状態を例示している。
【0036】
「カードID」:現在受付けている、又は発行対象となっている一般カード7を特定可能なIDである。
「受付実持玉」:受付けた一般カード7の実持玉である。
「計数玉」:計数した玉数の合計である。
「払戻玉」:持玉を対価として払出した玉数の合計であり、払戻した持玉数である。
「実持玉」:遊技者の実際の持玉の玉数であり、発行可能な持玉数(獲得価値)である。「受付実持玉+計数玉−払戻玉」の計算式により求める。
【0037】
遊技機装置3は、
図3に示した記憶領域を遊技機2から遊技信号を受信したり払戻処理や計数処理を実行したりすることにより更新する。尚、本実施形態では、遊技機装置3にて計数処理等を実行可能であるため、計数処理等については遊技信号により特定しない構成を例示しているが、
図3に示した記憶領域を管理装置6に設け、
図3に示した記憶領域の情報を管理装置6にて管理する場合等には遊技機装置3から計数値等の対応する値を特定可能な計数信号や払戻信号等を入力して対応する処理や情報を特定すれば良い。
【0038】
遊技機装置3は、本発明に関連して
図6にフローチャートとして示す処理を行う。
遊技機装置3は、計数処理を実行したか否か(S1)、払戻処理を実行したか否か(S2)、発行操作が行われたか否か(S3)、リモコン8からのリモコン信号が受光部に受信されたか否か(S4)を待機している。
【0039】
遊技機装置3は、遊技者が遊技機2の下部受皿2cに設けられているレバーを操作して計数操作を行ったことで計数玉を検知し、計数処理を実行したと判定すると(S1:YES)、又は遊技者が払出釦3cを操作して払戻操作を行ったことで、払戻処理を実行したと判定すると(S2:YES)、上記した計算式にしたがって実持玉を更新する(S5)。
【0040】
遊技機装置3は、遊技者が遊技機2の返却釦2kを操作して遊技者発行操作を行ったことで、発行操作が行われたと判定すると(S3:YES)、その時点での実持玉の玉数と
図2に示した端数設定値とを比較し(S6)、実持玉の玉数が端数設定値に達していれば(S6:YES)、その実持玉の玉数を特定可能な一般カード7を発行する発行処理を実行する(発行処理を行う)一方(S7)、実持玉の玉数が端数設定値に達していなければ、即ち、遊技者発行抑制条件が成立していれば(S6:NO)、その実持玉の玉数を特定可能な一般カード7を発行する発行処理を実行せず(発行処理を抑制する抑制処理を行い)、その旨のエラー報知を行う(S8)。
【0041】
又、遊技機装置3は、遊技場の従業員がリモコン8を操作したことで、リモコン8からのリモコン信号が受光部に受信された(従業員操作を受付けた)と判定すると(S4:YES)、問合信号を管理装置6に出力する。管理装置6は、遊技機単位で最後に遊技信号(アウト信号等、指定した遊技信号でも良い)を入力してからの経過期間と、実持玉の玉数とを管理しており、遊技機装置3から問合信号を入力すると、実持玉が残存するが、その実持玉の玉数が
図2に示した端数設定値に達していないと共に、上記した経過期間が
図2に示した基準期間に達している遊技機装置3を端数計数機として抽出し(特定し)、その抽出結果を特定可能な応答信号を遊技機装置3に出力する。即ち、端数計数機は、実持玉は残存するが、その実持玉の玉数が端数設定値に達しておらず、且つ最後に遊技信号を入力してからの経過期間が基準期間に達している遊技機装置3であり、端数分の獲得媒体が計数された状態で遊技者が離席した可能性が高い遊技機装置3である。
【0042】
遊技機装置3は、管理装置6から応答信号を入力すると、その入力した応答信号に基づいて
図5に示すような端数計数機表示画面11の表示を開始する(S9)。遊技機装置3は、端数計数機表示画面11では、台番、実持玉の玉数、非稼動時間(最後に遊技信号を入力してからの経過期間)、機種名を1レコードとする端数計数機情報を表示する。即ち、遊技場の従業員は、端数計数機表示画面11を確認することで、端数計数機として抽出された遊技機装置3の台番、実持玉の玉数、非稼動時間、機種名を把握可能となる。そして、遊技機装置3は、このようにして端数計数機表示画面11の表示を開始した後に、この場合も、実持玉の玉数と
図2に示した端数設定値とを比較し(S10)、実持玉の玉数が端数設定値に達していなければ(S10:NO)、その実持玉の玉数を特定可能な一般カード7を発行する発行処理を実行する(空台処理を行う)(S7)。この場合、遊技機装置3は、一般カード7を発行する発行処理を実行したことで、獲得価値を初期値(例えば「0」)へと戻す。尚、遊技機装置3は、実持玉の玉数が端数設定値に達していれば(S10:YES)、その実持玉の玉数を特定可能な一般カード7を発行する発行処理を実行しない。
【0043】
上記した一連の処理において、ステップS10にて実持玉の玉数と端数設定値とを比較する意図は、遊技場の従業員が誤って空台整理の対象でない遊技機装置3に向けてリモコン信号の送信操作を行ってしまったり、リモコン信号が無線であるが故に空台整理の対象でない遊技機装置3に誤って受信されたりすることで、遊技場の従業員が意図しない強制発行が行われること等を防止するためである。尚、ステップS10で「NO」と判定した場合に、実持玉の玉数が端数設定値に達していない旨のエラー報知を行い、更に遊技場の従業員が発行処理に関わる操作を行ったことを条件としてステップS7を実行しても良いし、上記した事情を考慮せずにステップS10を省略しても良い。同様に、ステップS6で「NO」と判定した場合に、実持玉の玉数が端数設定値に達していない旨のエラー報知を行わずに何も処理しないようにしても良いし、エラー報知を行う代わりに、又は加えて端数分の払出処理を行う等、遊技者による端数分の実持玉が対応付けられた一般カード7の発行処理を抑制するという目的を達すれば、どのように処理しても良い。
【0044】
尚、遊技機装置3は、端数計数機表示画面11の表示を開始した後では、その端数計数機表示画面11上の終了釦11aが操作される(表示終了条件が成立する)ことで、その端数計数機表示画面11の表示を終了する。又、遊技機装置3は、カード挿入口3fに一般カード7を検知する検知センサが設けられると共に、発行された一般カード7を引抜き可能に、その一部を保持可能であり、その一般カード7のカード挿入口3fからの引抜きが検知されることでも、その端数計数機表示画面11の表示を終了する。即ち、遊技場の従業員が端数計数機表示画面11を確認することで、他に空台整理を必要とする遊技機2があるか否かを判断し、他に空台整理を必要とする遊技機2があると判断すると、その対象の遊技機2を空台整理するために該当する遊技機2へと向かう運用となるので、一般カード7を引抜いた遊技場の従業員が別途終了操作を行わずとも次の遊技機2へと向かうような運用を適切にサポートすることができる。又、遊技場の従業員により発行された一般カード7は別途POS装置にて所謂拾い玉処理等の遊技場の取込対象として処理される。又、遊技機装置3は、端数計数機表示画面11の表示処理に時間が掛かり、その前に行われた発行処理により発行された一般カード7が引抜かれていれば表示終了条件が成立しているとして、
図5に示す端数計数機表示画面11を表示することなく所定の待機画面(図示せず)を表示しても良い。尚、端数計数機表示画面11の下方には、その説明と一般カードが発行されるか否かが表示される。
【0045】
又、遊技機装置3は、
図2に示した「G分け」により特定される遊技機装置3のみを
図5に示す端数計数機表示画面11の表示対象とするが、他検索釦11bを操作することで、その他の圏外の遊技機装置3を表示対象とすることも可能である。この場合、「G分け」にてグループ分けされたグループに対応する釦による選択を行う。又、このようなグループ分けに代えて、又は加えて表示対象となる遊技機装置3の台数(例えば3台)を設定し、台番が近似する順に表示しても良い。この場合、遊技場全体、又は機種等によりグループ単位で、その総台数を合わせて表示することが望ましい。尚、当然ではあるが、それらを特定可能なように台番(遊技機装置ID)に対応付けて機種名や島番号を設定する必要がある。
【0046】
以上に説明したように本実施形態によれば、遊技場用システム1において、遊技者が遊技機2の返却釦2kを操作して発行操作を行ったときに、実持玉の玉数が端数設定値に達していなければ(遊技者発行抑制条件が成立していれば)、その実持玉の玉数を特定可能な一般カード7を発行する発行処理を実行せず、遊技場の従業員がリモコン8を操作すると、実持玉の玉数が端数設定値に達していなくとも(遊技者発行抑制条件が成立していても)、その実持玉の玉数を特定可能な一般カード7を発行する発行処理を実行して実持玉を初期値へと戻す空台処理を実行するようにした。これにより、様々な理由により実持玉は残存するが、遊技者不在の遊技機2や遊技機装置3が発生した場合であっても、端数分の実持玉が対応付けられて一般カード7を遊技者に対して発行することを抑制しつつ、より適切に次の遊技者へと遊技機を提供する(空台整理する)ことができる。
【0047】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
空台処理として発行処理を例示したが、発行した一般カード7はPOS装置にて取込(没収)対象となるので、発行処理や払戻処理を行わずに、遊技機装置3にて取込対象としても良い。尚、取込対象となった遊技価値は、遊技者により発行されて交換対象となった遊技価値等とは区別して管理装置6にて管理される。
【0048】
遊技場の従業員による操作の例示としてリモコン8の操作を例示したが、例えば遊技者が把握し得ない暗証情報を入力したり従業員が携帯する認証媒体(例えばフェリカカード)を認証させたりして遊技機装置3を操作した場合に従業員の操作を特定する等、遊技者の操作と区別し得る操作であれば、どのような操作を従業員の操作として特定しても良い。
【0049】
遊技者による発行処理を許容するための遊技者端数設定値と、従業員による発行処理を許容するための従業員端数設定値と、端数計数機を特定するための端数設定値とを同一の端数設定値により設定することを例示したが、各々で設定値を設けても良いし、何れか2つを兼用して設定しても良い。即ち、これら設定値とは同一の設定値を全てに兼用しても、一部に兼用しても、各々で設けても、どのように設定しても良い。
【0050】
端数計数機を特定する際に管理装置6を介して特定することを例示したが、例えば従業員の操作を受付けた場合に、他の遊技機装置3へと問合信号を送信し、問合信号を受信した遊技機装置3に自身が端数計数機である旨の条件である端数計数機条件を満たしているか否かを判定させ、その判定結果を他の遊技機装置3から返信させることで端数計数機を特定しても良く、必ずしも管理装置6を介して特定する必要はない。
【0051】
端数計数機の条件として、最終の遊技信号を入力してからの経過期間が基準期間に達していることと、実持玉は残存するが、その実持玉の玉数が端数設定値に達していないこととを例示したが、少なくとも実持玉は残存するが、その実持玉の玉数が端数設定値に達していないことが端数計数機の条件に含まれていれば、他にどのような条件を端数計数機の条件として加えても良い。
【0052】
端数計数機表示画面11を遊技機装置3の表示部3cにて表示する構成を例示したが、当該遊技機2に対応していれば、遊技機装置3の表示部3cだけでなく、例えば所謂呼出ランプの表示部にて表示しても良い。又、端数計数機の情報として台番、実持玉の玉数、経過期間(非稼動時間)、機種名を表示することを例示したが、遊技機装置を特定可能な遊技機装置IDが表示されていれば、他の情報はどのような情報を表示しても良い。
【0053】
実持玉の玉数と端数設定値とを比較する上で、「達している」との表現を用いているが、「達している」とは「超過」と「以上」の双方を包含する概念となる。
記録媒体として残高や持玉を記録する一般カード7を例示したが、コインや紙状のレシート等、どのような記録媒体を対象としても良い。又、レシート等の情報の書換えが困難な記録媒体の場合であれば、記録媒体にはIDを記録するのみで、そのIDに対応付けて管理装置6で残高や持玉等を管理しても良い。又、実持玉のみを記憶対象としても良いし、会員カードを利用可能としたシステムに採用しても良い。
【0054】
図2に示した設定情報等は、予め設定されていれば遊技場の管理者が任意に設定しても良いし、予め管理装置6の製造メーカにて設定しても良いし、外部(例えばチェーン店本部等)の管理サーバからダウンロードして設定しても良い。又、例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても良いし演算式を利用して間接的に特定しても良い。又、数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。
【0055】
対象となる遊技機2は、パチンコ機だけでなくスロットマシン等も例示できるが、遊技媒体を排出することなくデータ上のポイントを遊技に応じて変更する所謂封入式の遊技機等も想定されるため、玉やメダル等の遊技媒体や上記ポイントを包含する遊技価値という表現を適宜使用した。
【0056】
遊技機装置3が行う処理の一部を中継装置4や管理装置6等にて行っても良いし、管理
装置6が行う処理の一部を中継装置4や遊技機装置3等にて行っても良い。
変形例を含む例示した構成をどのように組み合わせても良いし、適宜構成を除外しても良い。