(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記リードは、上記第二半導体素子とは反対側に段差部が形成されていることにより、上記樹脂パッケージから上記第二半導体素子とは反対側に露出する実装面が設けられている、請求項1または2に記載の半導体装置。
上記複数のリードのいずれかは、上記ワイヤおよび上記導通接合材が接合されているとともに、その全長にわたって厚さ方向両側が上記樹脂パッケージによって覆われており、かつ上記樹脂パッケージからの露出端面が上記樹脂パッケージの側面と面一となっている、請求項1ないし6のいずれかに記載の半導体装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、第一半導体素子と第二半導体素子とを適切に導通させることが可能な半導体装置および電子機器を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の側面によって提供される半導体装置は、第一アクティブ面およびこの第一アクティブ面に形成された複数の第一電極を有する第一半導体素子と、第二アクティブ面およびこの第二アクティブ面に形成された複数の第二電極を有する第二半導体素子と、上記第一半導体素子および上記第二半導体素子に導通し、かつこれらを支持するとともに、複数の導通要素を有する導通支持部材と、上記第一半導体素子および上記第二半導体素子を覆う樹脂パッケージと、を備える半導体装置であって、上記第二半導体素子は、上記第一半導体素子と上記導通支持部材との間に位置しており、上記第一半導体素子の上記第一電極と上記導通要素とに接続されたワイヤと、上記第二半導体素子の上記第二電極と上記ワイヤが接合された上記導通要素とを接合する導通接合材と、を備えることを特徴としている。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、複数の導通支持部材は、上記ワイヤが接続され、かつ上記導通支持部材が接合されているとともに、外部の接続対象物に接続されないものを含む。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第一半導体素子の上記第一アクティブ面は、上記導通支持部材とは反対側を向いており、上記第二半導体素子の上記第二アクティブ面は、上記導通支持部材側を向いている。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記導通支持部材は、上記複数の導通要素としての、金属からなる複数のリードを有する。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記樹脂パッケージは、平面視矩形状であり、上記複数のリードは、上記樹脂パッケージの四辺のそれぞれから内方へと延びている。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記リードのうち上記第二半導体素子側は面一であり、かつ上記導通接合材が接合された部位は、厚さ方向両側が上記樹脂パッケージによって覆われている。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記リードのうち上記ワイヤが接合された部位は、厚さ方向における上記第二半導体素子とは反対側が、上記樹脂パッケージから露出している。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記リードは、上記第二半導体素子とは反対側に段差部が形成されていることにより、上記樹脂パッケージから上記第二半導体素子とは反対側に露出する実装面が設けられている。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記リードの厚さが一定であるとともに、上記リードのうち上記導通接合材が接合された部位は、厚さ方向両側が上記樹脂パッケージによって覆われている。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記リードのうち上記ワイヤが接合された部位は、厚さ方向両側が上記樹脂パッケージによって覆われている。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記リードは、樹脂パッケージから側方に突出する突出部を有する。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記リードは、上記突出部に折り曲げ部が形成されていることにより、実装面が設けられている。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数のリードのいずれかは、上記ワイヤおよび上記導通接合材が接合されているとともに、その全長にわたって厚さ方向両側が上記樹脂パッケージによって覆われており、かつ上記樹脂パッケージからの露出端面が上記樹脂パッケージの側面と面一となっている。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、平面視において、上記複数の第二電極の少なくともいずれかは、上記第一半導体素子の外方に配置されている。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態においては、平面視において、上記複数の第二電極のすべてが、上記第一半導体素子の外方に配置されている。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記導通支持部材は、絶縁材料からなり上記第二半導体素子側の主面およびこの主面とは反対側を向く裏面を有する基材と、上記主面に形成され上記導通要素を構成する主面側メッキ層、上記裏面に形成され上記導通要素を構成する裏面側メッキ層と、上記主面側メッキ層および上記裏面側メッキ層の少なくとも一部ずつを導通させ上記導通要素を構成するスルーホール導体とを具備しており、上記主面側メッキ層の一部からなる複数の主面側電極、および上記裏面側メッキ層の一部からなる複数の裏面側電極を有しており、
上記ワイヤおよび上記導通接合材は、上記複数の主面側電極のいずれかに接合されている。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記主面側メッキ層は、一つ以上の上記ワイヤおよび一つ以上の上記導通接続材と導通するとともに、上記複数の裏面側電極のいずれにも導通しない孤立要素を有する。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第一半導体素子と上記第二半導体素子とは、絶縁接合材によって接合されている。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態においては、平面視において、上記第一半導体素子は、上記第二半導体素子よりも小である。
【0025】
本発明の好ましい実施の形態においては、平面視において、上記第一半導体素子と上記第二半導体素子とは同サイズである。
【0026】
本発明の第二の側面によって提供される電子機器は、配線パターンを有する回路基板と、上記回路基板に実装された本発明の第一の側面によって提供される半導体装置と、を備える電子機器であって、上記複数の導通要素のいずれかは、上記ワイヤおよび上記導通接合材に導通し、かつ上記回路基板の上記配線パターンとは絶縁されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、上記第一半導体素子の上記第一電極と上記第二半導体素子の上記第二電極とは、上記ワイヤ、上記導通要素および上記導通接合材を介してたがいに導通する。上記導通接合材は、平面視において上記第二半導体素子と重なるものであり、上記半導体装置の平面視寸法を大型化させることが無い。また、上記ワイヤは、上記第二半導体素子上に積層された上記第一半導体素子と上記リードとを適切に導通させる。そして、上記導通接合材を採用する分、上記ワイヤのみを採用する構成と比べて大電流化を図ることができる。したがって、上記第一半導体素子と上記第二半導体素子とを適切に導通させるとともに、上記半導体装置の小型化や大電流化を図ることができる。
【0028】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0031】
図1〜
図3は、本発明の第一実施形態に基づく半導体装置を示している。本実施形態の半導体装置A1は、第一半導体素子1、第二半導体素子2、導通支持部材3および樹脂パッケージ4を備えている。
【0032】
図1は、半導体装置A1を示す要部平面図である。
図2は、
図1のII−II線に沿うzx平面における断面図である。
図3は、
図2の一部を示す要部拡大断面図である。なお、理解の便宜上、
図1においては、樹脂パッケージ4を想像線で示している。
【0033】
第一半導体素子1は、半導体装置A1の機能の少なくとも一部を発揮するための機能素子であり、第一アクティブ面11、裏面12、および複数の第一電極13を備えている。第一半導体素子1は、たとえばSiからなり、本実施形態においては平面視矩形状である。
【0034】
第一アクティブ面11は、第一半導体素子1の機能を実現するための機能回路が作りこまれた面である。
図2および
図3においては理解の便宜上、第一アクティブ面11は、仮想的な所定厚さを有する領域として示されている。第一アクティブ面11は、
図2および
図3において、z方向上方を向いている。裏面12は、第一アクティブ面11とは反対側を向く面であり、z方向下方を向いている。
【0035】
複数の第一電極13は、第一アクティブ面11に形成されている。各第一電極13は、たとえばAuからなる層の一部が絶縁層(図示略)から露出した部分、あるいはこのような部分に金属層が積層されたものである。本実施形態においては、複数の第一電極13は、矩形状とされた第一半導体素子1の四辺に沿うように配置されている。
【0036】
第二半導体素子2は、半導体装置A1の機能の少なくとも一部を発揮するための機能素子であり、第二アクティブ面21、裏面22、および複数の第二電極23を備えている。第二半導体素子2は、たとえばSiからなり、本実施形態においては平面視矩形状である。
【0037】
第二アクティブ面21は、第二半導体素子2の機能を実現するための機能回路が作りこまれた面である。
図2および
図3においては理解の便宜上、第二アクティブ面21は、仮想的な所定厚さを有する領域として示されている。第二アクティブ面21は、
図2および
図3において、z方向下方を向いている。裏面22は、第二アクティブ面21とは反対側を向く面であり、z方向上方を向いている。
【0038】
複数の第二電極23は、第二アクティブ面21に形成されている。各第二電極23は、たとえばAuからなる層の一部が絶縁層(図示略)から露出した部分、あるいはこのような部分に金属層が積層されたものである。本実施形態においては、複数の第二電極23は、矩形状とされた第二半導体素子2の四辺に沿うように配置されている。
【0039】
第一半導体素子1は、第二半導体素子2のz方向上方に搭載されている。言い換えると、第二半導体素子2は、z方向において第一半導体素子1と導通支持部材3との間に位置している。第一半導体素子1と第二半導体素子2とは、絶縁接合材53によって接合されている。より具体的には、第一半導体素子1の裏面12と第二半導体素子2の第二アクティブ面21とが絶縁接合材53によって接合されている。絶縁接合材53は、たとえば絶縁性のダイアタッチフィルムや絶縁ペーストなどである。このような搭載形態により、第一半導体素子1の第一アクティブ面11と第二半導体素子2の第二アクティブ面21とは、互いに反対側を向いている。また、本実施形態においては、第一半導体素子1は、平面視寸法が第二半導体素子2よりも小であり、平面視においてそのすべてが第二半導体素子2に内包されている。さらに、本実施形態においては、複数の第二電極23が、平面視において第一半導体素子1よりも外側に配置されている。
【0040】
導通支持部材3は、第一半導体素子1および第二半導体素子2を直接的および間接的に支持するとともに、第一半導体素子1および第二半導体素子2への導通経路を構成するものである。本実施形態においては、導通支持部材3は、本発明で言う複数の導通要素としての複数のリード31からなる。リード31の材質は特に限定されないが、たとえばCu系素材(Cu−Fe−Pなど)やFe系素材(Fe−42%Niなど)が挙げられる。本実施形態のリード31は、第二半導体素子2側が面一とされている。本実施形態においては、半導体装置A1の四辺に沿って、各辺あたり5つずつのリード31が配置されており、合計20のリード31が設けられている。
【0041】
各リード31は、第二半導体素子2の外方から第一半導体素子1および第二半導体素子2の中心に向かって略延びている。各リード31の先端部分は、平面視において少なくとも第二半導体素子2と重なっている。また、本実施形態においては、各リード31の先端部分は、平面視において第一半導体素子1とも重なっているが、これに限定されるものではない。
【0042】
また、リード31は、段差部31bを有している。段差部31bは、z方向下方側、すなわち第二半導体素子2とは反対側に設けられている。リード31のうち段差部31bよりも先端寄りの部分が、厚さ方向(z方向)両側において樹脂パッケージ4に覆われている。一方、リード31のうち段差部31bよりも根本側(外側)の部分は、z方向下面が樹脂パッケージ4から露出している。この露出した部分が、実装面31aとなっている。実装面31aは、半導体装置A1を回路基板などに実装するために用いられる。
【0043】
第一半導体素子1の複数の第一電極13は、複数のワイヤ51によって複数のリード31に各別に接続されている。
図2および
図3に示すように、ワイヤ51は、第二半導体素子2の端部を跨ぐようにして第一電極13からリード31へと延びている。また、リード31のうち実装面31aとはz方向において反対側の部分にワイヤ51が接合されている。言い換えると、リード31のうちワイヤ51が接合された部位は、z方向下方側が樹脂パッケージ4から露出している。ワイヤ51の材質は特に限定されないが、AuあるいはAlを採用できる。
【0044】
第二半導体素子2の複数の第二電極23は、複数の導通接合材52によって複数のリード31に各別に接続されている。導通接合材52は、たとえばはんだであり、第二半導体素子2の第二電極23とリード31とに挟まれるようにしてこれらを導通させている。また、本実施形態においては、リード31のうち厚さ方向下方側が樹脂パッケージ4によって覆われた部位に、導通接合材52が接合されている。
【0045】
図3によく表れているように、図示された第一半導体素子1の第一電極13と第二半導体素子2の第二電極23とは、ワイヤ51、リード31および導通接合材52を介して互いに導通している。
図1に示すように、本実施形態においては、すべてのリード31を介してある第一電極13とある第二電極23とが導通しているが、本発明はこれに限定されない。いずれかのリード31のみが第一電極13と第二電極23とを導通させる構成であってもよい。
【0046】
樹脂パッケージ4は、第一半導体素子1、第二半導体素子2および複数のワイヤ51の全体を覆うことにより、これらを保護している。また、樹脂パッケージ4は、複数のリード31の少なくとも一部ずつを覆うことにより、これらを互いに絶縁しつつ保持している。樹脂パッケージ4は、たとえば黒色のエポキシ樹脂からなる。本実施形態においては、樹脂パッケージ4は、平面視矩形状であり、平面視矩形状をなす側面41を有している。
【0047】
図4は、半導体装置A1を用いた電子機器の一例を示している。同図に示された電子機器B1は、半導体装置A1および回路基板6を備えている。なお、同図においては、理解の便宜上、樹脂パッケージ4を想像線で示している。
【0048】
回路基板6は、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる基材と、この基材に形成された配線パターン61とを有する。配線パターン61は、たとえばCuメッキ層やAuメッキ層からなる。配線パターン61は、複数のパッド61aを有している。パッド61aは、たとえばはんだ(図示略)を介して半導体装置A1の実装面31aと接合される部位である。同図に示すように、複数のリード31のうち図中y方向中央に位置する2つのリード31を除き、配線パターン61の複数のパッド61aと平面視において重なっている。この複数のパッド61aと重なったリード31の実装面31aが、上記はんだによってパッド61aに接合されている。
【0049】
一方、y方向中央に位置する2つのリード31は、パッド61aとは重なっておらず、配線パターン61とは導通していない。このため、これらの2つのリード31は、ワイヤ51および導通接合材52とともに第一半導体素子1のいずれかの第一電極13と第二半導体素子2のいずれかの第二電極23とを導通させるものの、半導体装置A1の外部との導通経路は構成していない。
【0050】
次に、半導体装置A1および電子機器B1の作用について説明する。
【0051】
本実施形態によれば、第一半導体素子1の第一電極13と第二半導体素子2の第二電極23とは、ワイヤ51、リード31および導通接合材52を介してたがいに導通する。導通接合材52は、平面視において第二半導体素子2と重なるものであり、半導体装置A1の平面視寸法を大型化させることが無い。また、ワイヤ51は、第二半導体素子2上に積層された第一半導体素子1とリード31とを適切に導通させる。そして、導通接合材52を採用する分、ワイヤ51のみを採用する構成と比べて大電流化を図ることができる。したがって、第一半導体素子1と第二半導体素子2とを適切に導通させるとともに、半導体装置A1の小型化や大電流化を図ることができる。また、導通接合材52を採用することによっては、コスト上昇が招来されず、半導体装置A1のコストを抑制することができる。
【0052】
特に、
図4に示したように、回路基板6のパッド61aと導通しないリード31は、第一電極13と第二電極23とを半導体装置A1の内部において導通させる手段としてのみ採用されている。このような外部との導通経路を構成することが意図されないものであっても、リード31としてその他のリード31と同様に形成することができる。
【0053】
第一半導体素子1の第一アクティブ面11と第二半導体素子2の第二アクティブ面21とは、第一半導体素子1および第二半導体素子2の厚さを略合計した距離だけ離間している。これにより、たとえば第一半導体素子1の厚さ分だけ離間した構成と比べて、第一アクティブ面11と第二アクティブ面21とが互いに影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0054】
リード31のうち導通接合材52によって第二電極23が接合された部位は、厚さ方向両側が樹脂パッケージ4によって覆われている。リード31のうち樹脂パッケージ4によって覆われていない部位は、たとえば実装面31aとなる部位であり、半導体装置A1の外端寄りに配置することが一般的である。本実施形態によれば、リード31のうち導通接合材52が接合された部位を実装面31a、すなわち半導体装置A1の外端から離間させることが可能であり、第二半導体素子2と確実に重なる位置に配置することができる。
【0055】
段差部31bを設けることにより、半導体装置A1の外端寄りにおいて樹脂パッケージ4から明瞭に露出する実装面31aを形成することができる。
【0056】
図5〜
図16は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
【0057】
図5および
図6は、本発明の第二実施形態に基づく半導体装置を示している。本実施形態の半導体装置A2は、第一半導体素子1、第二半導体素子2、導通支持部材3および樹脂パッケージ4を備えている。
【0058】
図5は、半導体装置A2を示す要部平面図である。
図6は、
図5のVI−VI線に沿うzx平面における断面図である。なお、理解の便宜上、
図5においては、樹脂パッケージ4を想像線で示している。
【0059】
第一半導体素子1は、半導体装置A2の機能の少なくとも一部を発揮するための機能素子であり、第一アクティブ面11、裏面12、および複数の第一電極13を備えている。第一半導体素子1は、たとえばSiからなり、本実施形態においては平面視矩形状である。
【0060】
第一アクティブ面11は、第一半導体素子1の機能を実現するための機能回路が作りこまれた面である。
図6においては理解の便宜上、第一アクティブ面11は、仮想的な所定厚さを有する領域として示されている。第一アクティブ面11は、
図6において、z方向上方を向いている。裏面12は、第一アクティブ面11とは反対側を向く面であり、z方向下方を向いている。
【0061】
複数の第一電極13は、第一アクティブ面11に形成されている。各第一電極13は、たとえばAuからなる層の一部が絶縁層(図示略)から露出した部分、あるいはこのような部分に金属層が積層されたものである。本実施形態においては、複数の第一電極13は、矩形状とされた第一半導体素子1の四辺に沿うように配置されている。
【0062】
第二半導体素子2は、半導体装置A2の機能の少なくとも一部を発揮するための機能素子であり、第二アクティブ面21、裏面22、および複数の第二電極23を備えている。第二半導体素子2は、たとえばSiからなり、本実施形態においては平面視矩形状である。
【0063】
第二アクティブ面21は、第二半導体素子2の機能を実現するための機能回路が作りこまれた面である。
図6においては理解の便宜上、第二アクティブ面21は、仮想的な所定厚さを有する領域として示されている。第二アクティブ面21は、
図6において、z方向下方を向いている。裏面22は、第二アクティブ面21とは反対側を向く面であり、z方向上方を向いている。
【0064】
複数の第二電極23は、第二アクティブ面21に形成されている。各第二電極23は、たとえばAuからなる層の一部が絶縁層(図示略)から露出した部分、あるいはこのような部分に金属層が積層されたものである。本実施形態においては、複数の第二電極23は、矩形状とされた第二半導体素子2の四辺に沿うように配置されている。
【0065】
第一半導体素子1は、第二半導体素子2のz方向上方に搭載されている。言い換えると、第二半導体素子2は、z方向において第一半導体素子1と導通支持部材3との間に位置している。第一半導体素子1と第二半導体素子2とは、絶縁接合材53によって接合されている。より具体的には、第一半導体素子1の裏面12と第二半導体素子2の第二アクティブ面21とが絶縁接合材53によって接合されている。絶縁接合材53は、たとえば絶縁性のダイアタッチフィルムや絶縁ペーストなどである。このような搭載形態により、第一半導体素子1の第一アクティブ面11と第二半導体素子2の第二アクティブ面21とは、互いに反対側を向いている。また、本実施形態においては、第一半導体素子1は、平面視寸法が第二半導体素子2よりも小であり、平面視においてそのすべてが第二半導体素子2に内包されている。さらに、本実施形態においては、複数の第二電極23が、平面視において第一半導体素子1よりも外側に配置されている。
【0066】
導通支持部材3は、第一半導体素子1および第二半導体素子2を直接的および間接的に支持するとともに、第一半導体素子1および第二半導体素子2への導通経路を構成するものである。本実施形態においては、導通支持部材3は、本発明で言う複数の導通要素としての複数のリード31からなる。リード31の材質は特に限定されないが、たとえばCu系素材(Cu−Fe−Pなど)やFe系素材(Fe−42%Niなど)が挙げられる。また、本実施形態のリード31は、全体においてその厚さが一定である。本実施形態においては、半導体装置A2の四辺に沿って、各辺あたり5つずつのリード31が配置されており、合計20のリード31が設けられている。
【0067】
各リード31は、第二半導体素子2の外方から第一半導体素子1および第二半導体素子2の中心に向かって略延びている。各リード31の先端部分は、平面視において少なくとも第二半導体素子2と重なっている。また、本実施形態においては、各リード31の先端部分は、平面視において第一半導体素子1とも重なっているが、これに限定されるものではない。
【0068】
また、リード31は、突出部31dおよび折り曲げ部31cを有している。突出部31dは、樹脂パッケージ4の側面41から外方に突出している。リード31のうち突出部31d以外の部位は、厚さ方向において両側が4によって覆われている。折り曲げ部31cは、突出部31dのなかほどに形成されている。リード31は、折り曲げ部31cを境界として、折り曲げ部31cよりも内方側部分がz方向上方に位置し、折り曲げ部31cよりも外方側部分がz方向下方に位置している。リード31のうち折り曲げ部31cよりも外方に位置する部分の図中z方向下方を向く面は、実装面31aとなっている。実装面31aは、半導体装置A2を回路基板などに実装するために用いられる。
【0069】
第一半導体素子1の複数の第一電極13は、複数のワイヤ51によって複数のリード31に各別に接続されている。
図6に示すように、ワイヤ51は、第二半導体素子2の端部を跨ぐようにして第一電極13からリード31へと延びている。また、リード31のうち実装面31aとはz方向において反対側の部分にワイヤ51が接合されている。言い換えると、リード31のうちワイヤ51が接合された部位は、z方向下方側が樹脂パッケージ4から露出している。ワイヤ51の材質は特に限定されないが、AuあるいはAlを採用できる。
【0070】
第二半導体素子2の複数の第二電極23は、複数の導通接合材52によって複数のリード31に各別に接続されている。導通接合材52は、たとえばはんだであり、第二半導体素子2の第二電極23とリード31とに挟まれるようにしてこれらを導通させている。また、本実施形態においては、リード31のうち厚さ方向下方側が樹脂パッケージ4によって覆われた部位に、導通接合材52が接合されている。
【0071】
図6によく表れているように、図示された第一半導体素子1の第一電極13と第二半導体素子2の第二電極23とは、ワイヤ51、リード31および導通接合材52を介して互いに導通している。
図5に示すように、本実施形態においては、すべてのリード31を介してある第一電極13とある第二電極23とが導通しているが、本発明はこれに限定されない。いずれかのリード31のみが第一電極13と第二電極23とを導通させる構成であってもよい。
【0072】
樹脂パッケージ4は、第一半導体素子1、第二半導体素子2および複数のワイヤ51の全体を覆うことにより、これらを保護している。また、樹脂パッケージ4は、複数のリード31の少なくとも一部ずつを覆うことにより、これらを互いに絶縁しつつ保持している。樹脂パッケージ4は、たとえば黒色のエポキシ樹脂からなる。本実施形態においては、樹脂パッケージ4は、平面視矩形状であり、平面視矩形状をなす側面41を有している。
【0073】
図7は、半導体装置A2を用いた電子機器の一例を示している。同図に示された電子機器B2は、半導体装置A2および回路基板6を備えている。なお、同図においては、理解の便宜上、樹脂パッケージ4を想像線で示している。
【0074】
回路基板6は、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる基材と、この基材に形成された配線パターン61とを有する。配線パターン61は、たとえばCuメッキ層やAuメッキ層からなる。配線パターン61は、複数のパッド61aを有している。パッド61aは、たとえばはんだ(図示略)を介して半導体装置A2の実装面31aと接合される部位である。同図に示すように、複数のリード31のうち図中y方向中央に位置する2つのリード31を除き、配線パターン61の複数のパッド61aと平面視において重なっている。この複数のパッド61aと重なったリード31の実装面31aが、上記はんだによってパッド61aに接合されている。
【0075】
一方、y方向中央に位置する2つのリード31は、パッド61aとは重なっておらず、配線パターン61とは導通していない。このため、これらの2つのリード31は、ワイヤ51および導通接合材52とともに第一半導体素子1のいずれかの第一電極13と第二半導体素子2のいずれかの第二電極23とを導通させるものの、半導体装置A2の外部との導通経路は構成していない。
【0076】
このような実施形態によっても、第一半導体素子1と第二半導体素子2とを適切に導通させるとともに、半導体装置A2の小型化や大電流化を図ることができる。
【0077】
図8は、本発明の第三実施形態に基づく半導体装置を示している。本実施形態の半導体装置A3は、平面視における構成が、
図1に示す半導体装置A1と同様である。
図8は、
図1のII−II線に沿うzx平面における断面図に相当する。
【0078】
半導体装置A3においては、複数のリード31のいずれか(
図8において図中左方のリード31)の構成が、半導体装置A1におけるリード31と異なっている。このリード31は、段差部31bを有しておらず、その全長において厚さ方向両側が樹脂パッケージ4によって覆われている。このため、このリード31には、半導体装置A1において説明した実装面31aが形成されていない。また、このリード31は、露出端面31eを有している。露出端面31eは、樹脂パッケージ4から側方に露出する面であり、樹脂パッケージ4の側面41と面一である。
【0079】
このようなリード31は、半導体装置A3を回路基板などに搭載した際に、この回路基板とは完全に絶縁させることが意図されたものである。すなわち、このリード31は、ワイヤ51および導通接合材52とともに、第一半導体素子1のいずれかの第一電極13と第二半導体素子2のいずれかの第二電極23とを導通させるものの、外部との導通経路を構成し得ないものとされている。
【0080】
図9は、半導体装置A3の製造工程の一例を示している。同図には、リード31となるべき2つのリード31Aが示されている。これらのリード31Aは、図示されない他の31Aとともに、リードフレーム3Aを構成している。図中左方のリード31Aは、段差部31bを有しているが、この段差部31bは、樹脂パッケージ4の外方に位置するように設けられている。そして、樹脂パッケージ4が形成された後は、たとえば樹脂パッケージ4に沿ってリード31Aが切断される。これにより、
図8の図中左方のリード31が形成される。
【0081】
このような実施形態によっても、第一半導体素子1と第二半導体素子2とを適切に導通させるとともに、半導体装置A3の小型化や大電流化を図ることができる。また、
図8における図中左方のリード31は、樹脂パッケージ4からz方向下方に露出する部分を有していない。このため、半導体装置A3をたとえば回路基板に実装する際に、このリード31の直下に配線パターンが配置されていても、このリード31を配線パターンに対して確実に絶縁することができる。
【0082】
図10は、本発明の第四実施形態に基づく半導体装置を示している。本実施形態の半導体装置A4は、平面視における構成が、
図5に示す半導体装置A2と一部を除き同様である。
図10は、
図5のVI−VI線に沿うzx平面における断面図に相当する。
【0083】
半導体装置A4においては、複数のリード31のいずれか(
図10において図中左方のリード31)の構成が、半導体装置A2におけるリード31と異なっている。このリード31は、突出部31dおよび折り曲げ部31cを有しておらず、その全長において厚さ方向両側が樹脂パッケージ4によって覆われている。このため、このリード31には、半導体装置A2において説明した実装面31aが形成されていない。また、このリード31は、露出端面31eを有している。露出端面31eは、樹脂パッケージ4から側方に露出する面であり、樹脂パッケージ4の側面41と面一である。
【0084】
このようなリード31は、半導体装置A4を回路基板などに搭載した際に、この回路基板とは完全に絶縁させることが意図されたものである。すなわち、このリード31は、ワイヤ51および導通接合材52とともに、第一半導体素子1のいずれかの第一電極13と第二半導体素子2のいずれかの第二電極23とを導通させるものの、外部との導通経路を構成し得ないものとされている。
【0085】
このような実施形態によっても、第一半導体素子1と第二半導体素子2とを適切に導通させるとともに、半導体装置A4の小型化や大電流化を図ることができる。また、
図10における図中左方のリード31は、樹脂パッケージ4からz方向下方に露出する部分を有していない。このため、半導体装置A4をたとえば回路基板に実装する際に、このリード31の直下に配線パターンが配置されていても、このリード31を配線パターンに対して確実に絶縁することができる。
【0086】
図11は、本発明の第五実施形態に基づく半導体装置を示している。本実施形態の半導体装置A5は、第一半導体素子1と第二半導体素子2との大小関係を除き、上述した半導体装置A1と同様の構成である。また、以下に述べる第一半導体素子1と第二半導体素子2との大小関係は、上述した半導体装置A2、半導体装置A3および半導体装置A4に適宜採用できることはもちろんである。
図11は、
図1のII−II線に沿うzx平面における断面図に相当する。
【0087】
本実施形態においては、第一半導体素子1と第二半導体素子2との平面視寸法が同一であり、平面視において互いの外縁が一致するように配置されている。このため、第二半導体素子2は、第一半導体素子1からなんらはみ出す部分を有していない。このように、第一半導体素子1と第二半導体素子2とが平面視において互いに一致する構成であっても、第一半導体素子1の第一電極13へのワイヤ51の接合や第二半導体素子2の第二電極23への導通接合材52の接合は、適切に行うことができる。
【0088】
このような実施形態によっても、第一半導体素子1と第二半導体素子2とを適切に導通させるとともに、半導体装置A5の小型化や大電流化を図ることができる。また、第一半導体素子1の第一電極13にワイヤ51を接合し、第二半導体素子2の第二電極23に導通接合材52を接合する構成であることにより、第一半導体素子1と第二半導体素子2とが平面視において同一サイズであっても、これらの第一半導体素子1および第二半導体素子2を適切に半導体装置A6として組み上げることができる。これは、たとえば第一半導体素子1の第一電極13および第二半導体素子2の第二電極23の双方にワイヤ51を接合する場合には、第二半導体素子2が第一半導体素子1に対して大であることが必然となることに対して、利点となる。
【0089】
図12は、本発明の第六実施形態に基づく半導体装置を示している。本実施形態の半導体装置A6は、第三半導体素子1’をさらに備える点を除き、上述した半導体装置A1と同様の構成である。また、以下に述べる第三半導体素子1’を備える構成は、上述した半導体装置A2、半導体装置A3、半導体装置A4、および半導体装置A5に適宜採用できることはもちろんである。
図12は、
図1のII−II線に沿うzx平面における断面図に相当する。
【0090】
本実施形態においては、半導体装置A6は、第一半導体素子1および第二半導体素子2に加えて、第三半導体素子1’を備えている。第三半導体素子1’は、半導体装置A6の機能の少なくとも一部を発揮するための機能素子であり、第三アクティブ面11’、裏面12’、および複数の第三電極13’を備えている。第三半導体素子1’は、たとえばSiからなり、本実施形態においては平面視矩形状である。
【0091】
第三アクティブ面11’は、第三半導体素子1’の機能を実現するための機能回路が作りこまれた面である。
図12においては理解の便宜上、第三アクティブ面11’は、仮想的な所定厚さを有する領域として示されている。第三アクティブ面11’は、z方向上方を向いている。裏面12’は、第三アクティブ面11’とは反対側を向く面であり、z方向下方を向いている。
【0092】
複数の第三電極13’は、第三アクティブ面11’に形成されている。各第三電極13’は、たとえばAuからなる層の一部が絶縁層(図示略)から露出した部分、あるいはこのような部分に金属層が積層されたものである。本実施形態においては、複数の第三電極13’は、矩形状とされた第三半導体素子1’の四辺に沿うように配置されている。
【0093】
第三半導体素子1’は、第一半導体素子1の第一アクティブ面11上にたとえば絶縁接合材53を介して搭載されている。第三半導体素子1’は、平面視において第一半導体素子1よりも小であり、第一半導体素子1に内包されるように配置されている。これにより、第一半導体素子1の複数の第一電極13は、第三半導体素子1’によって覆われること無く第三半導体素子1’から露出している。
【0094】
複数の第三電極13’には、複数のワイヤ51が接続されている。これらのワイヤ51は、第一半導体素子1の複数の第一電極13に接合された複数のワイヤ51を跨ぐようにして複数のリード31に各別に接続されている。これにより、リード31を介して、第一半導体素子1の第一電極13と第二半導体素子2の第二電極23と第三半導体素子1’の第三電極13’とが互いに導通している。
【0095】
このような実施形態によっても、第一半導体素子1と第二半導体素子2とを適切に導通させるとともに、半導体装置A6の小型化や大電流化を図ることができる。また、本実施形態から理解されるように、本発明に係る半導体装置は、搭載される半導体素子の個数が制限されるものではない。
【0096】
図13〜
図16は、本発明の第七実施形態に基づく半導体装置を示している。本実施形態の半導体装置A7は、第一半導体素子1、第二半導体素子2、導通支持部材3および樹脂パッケージ4を備えている。
【0097】
図13は、半導体装置A7を示す要部平面図である。
図14は、
図13のXIV−XIV線に沿うzx平面における断面図である。
図15および
図16は、
図14の一部を示す要部拡大断面図である。なお、理解の便宜上、
図1においては、樹脂パッケージ4を省略している。
【0098】
第一半導体素子1は、半導体装置A7の機能の少なくとも一部を発揮するための機能素子であり、第一アクティブ面11、裏面12、および複数の第一電極13を備えている。第一半導体素子1は、たとえばSiからなり、本実施形態においては平面視矩形状である。
【0099】
第一アクティブ面11は、第一半導体素子1の機能を実現するための機能回路が作りこまれた面である。
図14においては理解の便宜上、第一アクティブ面11は、仮想的な所定厚さを有する領域として示されている。第一アクティブ面11は、
図14において、z方向上方を向いている。裏面12は、第一アクティブ面11とは反対側を向く面であり、z方向下方を向いている。
【0100】
複数の第一電極13は、第一アクティブ面11に形成されている。各第一電極13は、たとえばAuからなる層の一部が絶縁層(図示略)から露出した部分、あるいはこのような部分に金属層が積層されたものである。本実施形態においては、複数の第一電極13は、矩形状とされた第一半導体素子1の四辺に沿うように配置されている。
【0101】
第二半導体素子2は、半導体装置A7の機能の少なくとも一部を発揮するための機能素子であり、第二アクティブ面21、裏面22、および複数の第二電極23を備えている。第二半導体素子2は、たとえばSiからなり、本実施形態においては平面視矩形状である。
【0102】
第二アクティブ面21は、第二半導体素子2の機能を実現するための機能回路が作りこまれた面である。
図14〜
図16においては理解の便宜上、第二アクティブ面21は、仮想的な所定厚さを有する領域として示されている。第二アクティブ面21は、
図14〜
図16において、z方向下方を向いている。裏面22は、第二アクティブ面21とは反対側を向く面であり、z方向上方を向いている。
【0103】
複数の第二電極23は、第二アクティブ面21に形成されている。各第二電極23は、たとえばAuからなる層の一部が絶縁層(図示略)から露出した部分、あるいはこのような部分に金属層が積層されたものである。本実施形態においては、複数の第二電極23は、矩形状とされた第二半導体素子2の四辺に沿うように配置されている。
【0104】
第一半導体素子1は、第二半導体素子2のz方向上方に搭載されている。言い換えると、第二半導体素子2は、z方向において第一半導体素子1と導通支持部材3との間に位置している。第一半導体素子1と第二半導体素子2とは、絶縁接合材53によって接合されている。より具体的には、第一半導体素子1の裏面12と第二半導体素子2の第二アクティブ面21とが絶縁接合材53によって接合されている。絶縁接合材53は、たとえば絶縁性のダイアタッチフィルムや絶縁ペーストなどである。このような搭載形態により、第一半導体素子1の第一アクティブ面11と第二半導体素子2の第二アクティブ面21とは、互いに反対側を向いている。また、本実施形態においては、第一半導体素子1は、平面視寸法が第二半導体素子2よりも小であり、平面視においてそのすべてが第二半導体素子2に内包されている。さらに、本実施形態においては、複数の第二電極23が、平面視において第一半導体素子1よりも外側に配置されている。
【0105】
導通支持部材3は、第一半導体素子1および第二半導体素子2を直接的および間接的に支持するとともに、第一半導体素子1および第二半導体素子2への導通経路を構成するものである。本実施形態においては、導通支持部材3は、基材32、主面側メッキ層33、裏面側メッキ層34、スルーホール導体35、主面側レジスト層36、裏面側レジスト層37および複数のはんだボール38を備えている。このような導通支持部材3は、いわゆるBGA(Ball Grid Array)基板として構成されており、本実施形態においては、平面視矩形状である。
【0106】
基材32は、BGA基板としての導通支持部材3の土台となるものであり、絶縁性材料からなる板状部材である。基材32は、主面32aおよび裏面32bを有している。主面32aは、z方向上方を向いており、第二半導体素子2側に位置している。裏面32bは、z方向下方を向いている。
【0107】
主面側メッキ層33は、基材32の主面32a上、あるいは厚さ方向において主面32aのごく近傍に形成されており、たとえばAuやCuなどの金属からなるメッキ層である。主面側メッキ層33は、本発明で言う導通要素を構成するものである。
図15および
図16に示すように、主面側メッキ層33は、その適所が主面側レジスト層36によって覆われている。主面側レジスト層36は、絶縁性樹脂などからなる層であり、主面側メッキ層33の大部分を覆うとともに、その一部を露出されている。
【0108】
主面側メッキ層33のち主面側レジスト層36から露出した部分は、複数の主面側電極33aおよび複数の主面側電極33bとされている。複数の主面側電極33aは、平面視において第二半導体素子2の外方に配置されている。複数の主面側電極33bは、第二半導体素子2と重なるように配置されている。複数の主面側電極33aには、ワイヤ51が接続されており、第一半導体素子1の第一電極13に導通している。一方、複数の主面側電極33bは、さらに、第二半導体素子2の複数の第二電極23と重なるように配置されている。そして、これらの主面側電極33bと第二電極23どうしは、複数の導通接合材52によって互いに接合されている。
【0109】
裏面側メッキ層34は、基材32の裏面32b上、あるいは厚さ方向において裏面32bのごく近傍に形成されており、たとえばAuやCuなどの金属からなるメッキ層である。裏面側メッキ層34は、本発明で言う導通要素を構成するものである。
図15および
図16に示すように、裏面側メッキ層34は、その適所が裏面側レジスト層37によって覆われている。裏面側レジスト層37は、絶縁性樹脂などからなる層であり、裏面側メッキ層34を部分的に覆うとともに、その一部を露出されている。
【0110】
裏面側メッキ層34のち裏面側レジスト層37から露出した部分は、複数の裏面側電極34aとされている。複数の裏面側電極34aは、本実施形態においては、平面視においてマトリクス状に配置されている。これらの裏面側電極34aには、はんだボール38が設けられている。はんだボール38は、裏面側電極34aから突出するように形成されており、半導体装置A7を回路基板などに実装する際に用いられる。
【0111】
スルーホール導体35は、基材32を貫通する孔の内面に形成された導電体層であり、主面側メッキ層33や裏面側メッキ層34と同様にたとえばAuやCuなどの金属からなるメッキ層である。スルーホール導体35は、適宜複数個が形成されており、主面側メッキ層33の適所と裏面側メッキ層34の適所どうしを導通させている。たとえば、
図16に示す部位においては、図示された主面側電極33aおよび主面側電極33bにワイヤ51と導通接合材52とが接合されている。そして、これらの主面側電極33aおよび主面側電極33bがスルーホール導体35を介して裏面側メッキ層34の裏面側電極34aと導通している。これにより、図示されたワイヤ51が接合された第一電極13と図示された導通接合材52が接合された第二電極23とが、同一の裏面側電極34aおよびはんだボール38に導通している。
【0112】
一方、
図15に示す部位においては、図示された2つの主面側電極33aおよび主面側電極33bは、主面側メッキ層33の同一部分によって構成されているため互いに導通しているが、スルーホール導体35などとはなんら導通していない。このため、これらの主面側電極33aおよび主面側電極33bは、裏面側電極34aやはんだボール38とは絶縁された格好となっている。このような主面側電極33aおよび主面側電極33bを構成する主面側メッキ層33の部分を、孤立要素33cと定義する。孤立要素33cは、主面側メッキ層33の一部が他の部分から隔離された部位となっている。このような孤立要素33cは、ワイヤ51を介して第一電極13と導通し、導通接合材52を介して第二電極23と導通するものの、外部との導通経路は構成していない。
【0113】
樹脂パッケージ4は、第一半導体素子1、第二半導体素子2および複数のワイヤ51の全体を覆うことにより、これらを保護している。また、樹脂パッケージ4は、複数のリード31の少なくとも一部ずつを覆うことにより、これらを互いに絶縁しつつ保持している。樹脂パッケージ4は、たとえば黒色のエポキシ樹脂からなる。本実施形態においては、樹脂パッケージ4は、平面視矩形状であり、平面視矩形状をなす側面41を有している。
【0114】
このような実施形態によっても、第一半導体素子1と第二半導体素子2とを適切に導通させるとともに、半導体装置A7の小型化や大電流化を図ることができる。また、BGA基板として構成された導通支持部材3は、主面側メッキ層33や裏面側メッキ層34の配置の自由度が高く、特に孤立要素33cを所望の位置に設けることが可能である。たとえば、平面視において大きく離間した第一電極13と第二電極23とを導通させる孤立要素33cを形成することも可能である。また、主面側メッキ層33の一部、裏面側メッキ層34の一部およびスルーホール導体35によって、孤立要素33cと電気的に同様の機能を果たす孤立要素を構成してもよい。
【0115】
本発明に係る半導体装置および電子機器は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る半導体装置および電子機器の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。