(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、洗濯、すすぎ、脱水、乾燥を行うことができる洗濯機(いわゆる、ドラム式の洗濯乾燥機)を例に挙げて説明するが、縦型の洗濯乾燥機、洗濯、すすぎ、脱水を行うことができる洗濯機(いわゆる、全自動洗濯機)など各種様々な洗濯機に適用することができる。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る洗濯機を示す外観斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のドラム式洗濯乾燥機(以下、洗濯機と表記する)Aは、洗濯から乾燥までの工程を行うことができるものであり、筐体1、外槽2、回転ドラム3、操作パネル4などを備えている。なお、本実施形態では、外槽2と回転ドラム3とで洗濯槽が構成されている。
【0011】
筐体1は、外郭が鋼板と樹脂成型品とを組み合わせて構成され、ベースBs、左右の側板1a,1b、前面カバー1c、背面カバー1d、上面カバー1e、下部前面カバー1fなどで構成されている。側板1a,1bおよび背面カバー1dは、例えば、鋼板をプレス成形によって構成したものである。ベースBs、前面カバー1c、上面カバー1eおよび下部前面カバー1fは、例えば、合成樹脂を成型して構成したものである。
【0012】
外槽2は、洗いおよびすすぎの際に、水が注がれて貯留されるドラム形の水槽であり、前面側に開口(不図示)を有する有底円筒体からなる。また、外槽2の背面には、後記する回転ドラム3を駆動させるモータ(不図示)が設けられている。また、外槽2は、筺体1内において、ダンパ7などを介して弾性支持されている。
【0013】
回転ドラム3は、洗濯兼脱水槽として機能し、外槽2内に同軸上に内包される有底円筒体からなる。また、回転ドラム3は、手前側に衣類を出し入れするための開口部(不図示)、および周壁に通水および通風のための多数の貫通孔(不図示)を有している。また、回転ドラム3の回転中心は、開口部側が高くなるように傾斜している。なお、回転ドラム3は、回転中心が水平方向を向くものであってもよい。
【0014】
また、回転ドラム3の内周壁には、奥行き方向(軸方向、略前後方向)に延びるリフタ(不図示)が周方向に間隔を置いて複数個設けられている。洗濯時や乾燥時に回転ドラム3が回転することで、衣類などがリフタと遠心力で周壁に沿って持ち上がり、その後重力で落下するような動き(タンブリング動作)を繰り返すことで洗浄力が高められるようになっている。
【0015】
なお、図示していないが、洗濯機Aは、外槽2内の空気を除湿する除湿手段(例えば、水冷式の除湿機構)、除湿した空気を加熱する加熱手段(ヒータ)、外槽2(回転ドラム3)内と加熱手段および除湿手段との間において空気を循環させる循環手段(電動ファン)を備えている。
【0016】
図2は、操作パネルを示す平面図である。なお、
図2は、洗濯機Aから操作パネル4を取り外した状態である。
図2に示すように、この例では、操作パネル4は、筺体1の上部手前に設けられ、表示操作部10、スタート・一時停止ボタン11、電源入ボタン12、電源切ボタン13によって構成されている。つまり、運転のスタート操作、運転の一時停止操作、電源入り操作、電源切り操作を除く操作については、表示操作部10側の操作によって行われるものである。
【0017】
表示操作部10は、いわゆるタッチパネル式のものであり、動作条件の表示および運転状態の表示を行うものである。なお、動作条件の表示とは、洗濯のみを行う洗濯コース、洗濯から乾燥までを通して行う洗濯/乾燥コース、乾燥のみを行う乾燥コース、洗濯時の洗い時間、すすぎ回数、脱水時間、脱水時または乾燥時の乾き具合、予約時間、運転終了までの残り時間などの表示を意味している。運転状態の表示とは、現在の運転状況を表示するものであり、例えば、洗濯コースであれば、洗い工程中であるのか、すすぎ工程中であるのか、脱水工程中であるのか、また運転終了までの残り時間の表示を意味している。
【0018】
また、表示操作部10では、画面の表示が適宜切り替わりながらタッチ入力操作(コース設定など)が行われるとともに、運転開始後において現在の運転状況が表示されるようになっている。また、
図2に示す領域R2は、例えば、現在設定されている運転コース(洗濯コース、洗濯乾燥コース、乾燥コース)など適宜表示が切り替わる領域である。
図2に示す領域R3は、糸くずフィルタや乾燥フィルタのお掃除時期などをユーザに知らせる点灯状態と消灯状態とが適宜切り替わる領域である。
【0019】
図3(a)は、第1実施形態に係る表示操作部を示す分解斜視図、(b)は(a)のA部拡大図である。なお、
図3では、各部材の積層方向が上下方向である。
図3(a)に示すように、表示操作部10は、カバー20(筺体、化粧パネル)、タッチパネル30、パネルガイド40、表示パネル50、表示パネルガイド60、基板70、基板ケース80、シール部材100などが組み合わされて構成されている。なお、
図3では、シール部材100がタッチパネル30に組み付けられた状態であり、表示パネル50が表示パネルガイド60に組み付けられた状態である。
【0020】
カバー20が最も手前側(上側)に位置し、基板ケース80が最も奥側(下側)に位置している。カバー20の後方(下方)には、タッチパネル30が配置され、タッチパネル30がパネルガイド40に支持されている。また、タッチパネル30の後方(下方)には、表示パネルガイド60に支持された表示パネル50が配置されている。タッチパネル30および表示パネル50は、基板70上に配置された状態で基板ケース80内に収容される。
【0021】
また、シール部材100が取り付けられたタッチパネル30は、パネルガイド40に支持されるとともに、表示パネルガイド60に取り付けられた表示パネル50は、パネルガイド40内に位置するように配置される。
【0022】
また、タッチパネル30から右側に延びるフレキシブル配線(フレキシブル基板)31は、基板70に設けられたコネクタ73に接続される。また、表示パネル50から前側に延びるフレキシブル配線(フレキシブル基板)51は、基板70に設けられたコネクタ74(
図6参照)に接続される。
【0023】
図4は、表示操作部のカバーの裏側を示す平面図である。
図4に示すように、カバー20は、略矩形状に形成され、タッチパネル30が露出する矩形状に切り欠かれた窓部20a(開口部)を有している。窓部20aは、カバー20を貫通する孔であり、左右方向(幅方向)の左寄り(
図4では右側寄り)に形成されている。
【0024】
また、カバー20は、耐薬品性および透明性に優れたPETなどの合成樹脂で形成されている。このように、カバー20の材料として、PETを使用することにより、操作パネル4に設けられているスタート・一時停止ボタン11などの操作ボタンをLEDなどによって光らせることができ、視認性および操作性を向上させることが可能になる。また、カバー20の材質としてPETを使用することにより、洗剤成分が付着したとしてもカバー20にクラックが入って破損するなどの不具合を防止できる。
【0025】
また、カバー20には、機体側の筐体1(
図1参照)にねじ固定するためのねじ挿通孔20bが後端部において左右方向(幅方向)に間隔を空けて複数個所に形成されている。なお、ねじ挿通孔20bの位置、個数などは本実施形態に限定されるものではない。また、カバー20の裏面には、機体側の筐体1(
図1参照)に係止させる爪20cが前端部において左右方向(幅方向)に間隔を空けて複数個所に形成されている。なお、爪20cの位置、形状、個数などについても本実施形態に限定されるものではない。
【0026】
また、カバー20の裏面には、窓部20aと、スタート・一時停止ボタン11(
図2参照)の操作領域とを囲むように略四角枠状の内リブ20dが形成されている。この内リブ20dは、基板ケース80に形成された溝80c(
図3参照)と対応する位置に形成されている。また、内リブ20dは、窓部20aの前側の縁部に沿って延在する横リブ20d1と、窓部20aの後側の縁部に沿って延在する横リブ20d2と、窓部20aの左側(図示右側)の縁部に沿って延在する縦リブ20d3と、窓部20aの右側(図示左側)の縁部に沿って延在する縦リブ20d4と、を有して構成されている。また、横リブ20d2と縦リブ20d3は、窓部20aの縁部に最も近くに位置し、縦リブ20d4は、窓部20aの縁部から最も遠くに位置し、横リブ20d1は、これらの中間に位置している。なお、本実施形態では、横リブ20d2と縦リブ20d3が、特許請求の範囲に記載のリブに対応する。
【0027】
また、カバー20の裏面には、内リブ20dの周囲を略囲むように外リブ20gが形成されている。この外リブ20gは、横リブ20d1に沿って延在する横リブ20g1と、縦リブ20d3に沿って延在する縦リブ20g3と、縦リブ20d4に沿って延在する縦リブ20g4と、を有している。
【0028】
また、横リブ20g1には、係止孔20s1が左右方向において間隔を空けて複数箇所(本実施形態では3箇所)に形成されている。また、縦リブ20g3には、係止孔20s3が前後方向において間隔を空けて複数箇所(本実施形態では2箇所)に形成されている。また、縦リブ20g4には、係止孔20s4が形成されている。
【0029】
また、カバー20の裏面には、内リブ20dの内側において、窓部20a(開口部)を囲むようにして、複数の係止爪20h,20i,20j,20kが形成されている。係止爪20hは、窓部20aの前側の縁部に沿って間隔を置いて複数箇所(本実施形態では3箇所)に形成されている。係止爪20iは、窓部20aの後側の縁部に沿って間隔を置いて複数箇所(本実施形態では4箇所)に形成されている。係止爪20jは、窓部20aの左側(図示右側)の縁部に対応する位置に形成されている。係止爪20kは、窓部20aの右側(図示左側)の縁部に沿って間隔を置いて複数箇所(本実施形態では2箇所)に形成されている。また、カバー20の裏面には、基板ケース80をカバー20にねじ固定するためのボス20v,20vが形成されている。
【0030】
係止爪20h、20kは、内リブ20dや外リブ20gが形成される底面(裏面)20uから突出して形成されている。係止爪20iは、横リブ20d2(内リブ20d)と一体に形成されている。係止爪20jは、縦リブ20d3(内リブ20d)と一体に形成されている。
【0031】
これらの係止爪20h,20i,20j,20kは、窓部20aの縁部から略同じ距離だけ離れた位置に形成されている。なお、係止爪20h,20i,20j、20kの位置、形状、間隔は、本実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、係止爪20i,20jについては、内リブ20dと一体に形成したが、係止爪20h,20kのように、底面20uから突出するように単独で形成してもよい。逆に、係止爪20h,20kについて、係止爪20i,20jのように、底面20uにリブを形成し、そのリブと一体に形成するようにしてもよい。
【0032】
図3(a)に戻って、タッチパネル30は、例えば、周知の静電容量式のものであり、透明電極のパターンが形成されたな電極基板33によって構成されている。この静電容量式のタッチパネル30では、指で操作された(押された)位置(領域)を検出できるようになっている。
【0033】
また、タッチパネル30は、強化ガラス32(ガラス板/
図7、
図8参照)と電極基板33(
図7、
図8参照)とが積層された構成であり、上側(表側)に強化ガラス32が配置されて構成されている。
【0034】
また、タッチパネル30は、外周縁部が、窓部20aの開口縁部と重なるように、カバー20の窓部20aの開口面積よりも大きく形成されている。
【0035】
また、タッチパネル30は、操作された位置情報信号を取り出すためのフレキシブル配線31(配線、FPC:Flexible printed circuits)を備えている。このフレキシブル配線31は、ポリイミドなどの絶縁フィルムに銅などの導体箔を設けることによって構成され、後記する基板70と接続されている。
【0036】
パネルガイド40(支持部材)は、タッチパネル30を支持する合成樹脂製のもので形成され、タッチパネル30の外周縁部が支持される支持部41を有している。また、パネルガイド40は、支持部41の内側に、後記する表示パネル50(表示パネルガイド60)が挿入される略矩形状の開口部42を有している。
【0037】
また、パネルガイド40は、支持部41の外周縁部から上方(表側)に向けて起立する枠部41aを有している。この枠部41aは、フレキシブル配線31を引き出す部分を除いて全周に渡って形成されている。
【0038】
また、パネルガイド40の周縁部の下面には、パネルガイド40を基板70上の所定高さ位置に位置決めするための位置決め突起43が複数個所に形成されている。
【0039】
また、パネルガイド40は、タッチパネル30の領域R3(
図2参照)に対応する位置に導光路44が形成されている。なお、本実施形態のパネルガイド40には、スタート・一時停止ボタン11(
図2参照)の一部を構成するボタン支持部45が一体に形成されている。このボタン支持部45には、操作ボタン46が上下方向に動作可能に支持されている。
【0040】
図3(b)に示すように、パネルガイド40には、後側に位置する枠部41aの外面に、複数(本実施形態では4箇所)の係止部41cが左右方向に間隔を置いて形成されている。係止部41cは、左右方向からの側面視において略三角状に形成され、上方から下方に向けて枠部41aの外面から離れるようにテーパ状に形成されている。また、係止部41cは、枠部41aの上端、換言するとパネルガイド40の上端に形成されている。
【0041】
図3(a)に戻って、表示パネル50は、例えば、モノクロタイプ且つバックライトを備えた液晶パネルで構成され、動作条件および動作状況(運転状態)を表示するものである。なお、表示パネル50は、液晶に限定されるものではなく、有機ELなど他の薄型の表示パネルであってもよい。また、表示パネル50は、モノクロタイプに限定されるものではなく、カラータイプであってもよい。
【0042】
また、表示パネル50は、タッチパネル30の後方(下方)に位置するように配置され、タッチパネル30の領域R1,R2に対応する表示領域S10を構成している。表示領域S10の周囲は、非表示領域S20となっている。
【0043】
なお、図示省略しているが、表示パネル50は、表示信号などを入力するためのフレキシブル配線(FPC)51を備えている。このフレキシブル配線51は、基板70と接続されている。
【0044】
表示パネルガイド60は、表示パネル50を支持する合成樹脂製のもので形成され、表示パネル50の下面(裏面)を支持する支持部61(
図6、
図7参照)を有している。また、表示パネルガイド60は、表示パネル50の周囲を囲む側板62を有し、表示パネル50が後記する基板70から所定の高さで支持されるようになっている。
【0045】
基板70は、タッチパネル30から延びるフレキシブル配線31と電気的に接続されるとともに、表示パネル50から延びるフレキシブル配線51と電気的に接続されている。フレキシブル配線31の先端には、コネクタ73(
図7参照)が設けられ、このコネクタ73が基板70の端子と接続されている。また、フレキシブル配線51の先端には、コネクタ74(
図6参照)が設けられ、このコネクタ74が基板70上の端子と接続されている。
【0046】
また、基板70の表面(上面)には、パネルガイド40の導光路44に対応する位置に、LED(Light Emitting Diode)などで構成された発光素子71が実装されている。また、基板70には、パネルガイド40の各位置決め突起43が挿入される位置決め孔72が形成されている。
【0047】
また、基板70は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を搭載した制御部、入出力部などを備え、タッチパネル30のタッチ操作に基づいて、表示パネル50およびLED71を制御する。すなわち、制御部は、ユーザがタッチパネル30をタッチ操作することで選択した動作条件を示す信号などにより、表示パネル50に表示する表示内容を決定して制御信号を作成するとともに、LED71を発光または消灯させる制御信号を作成する。また、制御部は、現在の運転状態を取得し、表示パネル50に表示する表示内容を決定して制御信号を作成する。
【0048】
基板ケース80は、例えば、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂などの耐熱性に優れた材料で形成され、底壁80aと、この底壁80aの周縁部から上方に向けて立ち上がる側壁80bとを有し、基板70の形状に沿うように上面が開口した皿状となっている。なお、
図3(a)では、側壁80bの一部の図示を省略しているが、側壁80bが底壁80aの周縁部全体に渡って形成されている。
【0049】
側壁80bの上面(上端)には、溝80cが周方向全体に渡って形成されている。なお、この溝80cは、カバー20の裏面に形成された内リブ20dに対応する位置に形成されている。
【0050】
シール部材100は、カバー20の窓部20aとタッチパネル30との間の隙間を密閉して、窓部20aを通して外部から湿気や液体(水、洗剤など)が流入するのを防止するものであり、ゴムなどの弾性材料によって四角枠状に形成されている。また、シール部材100は、断面視U字状に形成され(
図6、
図7参照)、タッチパネル30の外周縁部全体に渡って設けられている。
【0051】
また、シール部材100の外周面には、周方向に間隔を空けて複数の弾性突部101が形成され、弾性突部101には、上下方向に貫通する孔101aが形成されている。一方、パネルガイド40の枠部41aには、各弾性突部101に対応する位置において前記孔101aが挿入される挿入部41bが形成されている。これにより、タッチパネル30がパネルガイド40にガタツキなく支持される。
【0052】
図5は、パネルガイドを示す平面図である。なお、
図5では、パネルガイド40を基板ケース80内に収容した状態を示し、窓部20aを仮想線で示している。また、
図5は、
図4よりも拡大した状態で図示している。
図5に示すように、パネルガイド40には、後側に位置する枠部41aの外面に、複数(本実施形態では4箇所)の係止部41cが左右方向に間隔を置いて形成されている。この係止部41cは、突起形状であり、カバー20に形成された係止爪20i(
図4参照)と係止されるようになっている。
【0053】
左側の枠部41aの外面には、係止部41dが形成されている。この係止部41dは、突起形状であり、カバー20に形成された係止爪20j(
図4参照)と係止されるようになっている。
【0054】
右側の枠部41aには、複数(本実施形態では2箇所)の係止部41eが前後方向に間隔を置いて形成されている。この係止部41eには、矩形の孔形状であり、カバー20に形成された係止爪20k(
図4参照)が挿入されて、係止部41eの孔の縁部に係止爪20k(
図4参照)が係止されるようになっている。
【0055】
前側の枠部41aには、複数(本実施形態では3箇所)の係止部41fが左右方向に間隔を置いて形成されている。両側の係止部41fは、前方が解放する凹形状であり、中央の係止部41fは、前方に突出する突起形状である。係止部41fには、カバー20に形成された係止爪20h(
図4参照)が係止される。
【0056】
また、パネルガイド40は、基板70(
図3参照)にねじ固定するためのねじ固定部41hが枠部41aの周囲の複数箇所(本実施形態では5箇所)に形成されている。
【0057】
一方、基板ケース80には、当該基板ケース80をカバー20の裏面にねじ固定するための固定部81a,81aが形成されている。この固定部81a,81aは、カバー20のボス20vに対応する位置に形成されている。すなわち、各固定部81aは、基板ケース80の側壁80bから後方に向けて延在し、先端部に上下方向に貫通するねじ挿通孔81bが形成されている。
【0058】
また、基板ケース80の側壁80bの外面には、係止部41dが形成される側に係止突起82a,82aが前後方向に間隔を置いて形成されている。また、基板ケース80の側壁80bの外面には、係止部41fが形成される側に係止突起82b,82b,82bが左右方向に間隔を置いて形成されている。また、基板ケース80の側壁80bの外面には、係止部41eが形成される側に係止突起82cが形成されている。
【0059】
ここで、固定部81aにおける固定位置(ねじ挿通孔81b)をP1とした場合、固定位置P1から窓部20aの後側の縁までの距離をS1とする。また、係止突起82aにおける固定位置をP2とした場合、固定位置P2から窓部20aの左側の縁までの距離をS2とする。また、係止突起82bにおける固定位置をP3とした場合、固定位置P3から窓部20aの前側の縁までの距離をS3とする。また、係止突起82cにおける固定位置をP4とした場合、固定位置P4から窓部20aの右側の縁までの距離をS4とする。
【0060】
窓部20aにおける対向する長辺について比較すると、固定位置P1からの距離S1と、固定位置P3からの距離S3との大小関係は、S1>S3となる。そこで、固定部81a側に位置するパネルガイド40に設ける係止部41cの個数を4個とし、係止突起82b側に位置するパネルガイド40に設ける係止部41fの個数を3個とする。換言すると、長い方の距離S1に対応する側の係止爪20i(
図4参照)を4個とし、短い方の距離S3に対応する側の係止爪20h(
図4参照)を3個とする。このように、固定位置(P1,P3)が窓部20aから遠いほど係止爪(20i、20h)が密に形成される。
【0061】
また、窓部20aにおける対向する短辺について比較すると、固定位置P2からの距離S2と、固定位置P4からの距離S4との大小関係は、S4>S2となる。そこで、係止突起82a側に位置するパネルガイド40に設ける係止部41dの個数を1個とし、係止突起82c側に位置するパネルガイド40に設ける係止部41eの個数を2個とする。換言すると、短い方の距離S2に対応する側の係止爪20j(
図4参照)を1個とし、長い方の距離S4に対応する側の係止爪20k(
図4参照)を2個とする。このように、固定位置(P2,P4)が窓部20aから遠いほど係止爪(20j,20k)が密に形成される。
【0062】
図6(a)は、
図2のI−I線断面図、(b)は(a)のB部拡大図である。なお、
図6は、
図4のIa−Ia線に対応する位置(右から2番目の係止爪20iの位置)で切断したときの断面図である。
図6(a)に示すように、表示操作部10では、基板ケース80内において基板70が底壁80aに沿って配置され、基板70上には、表示パネル50を取り付けた表示パネルガイド60が配置され、表示パネル50が基板70から所定の高さに配置されている。そして、タッチパネル30を取り付けたパネルガイド40が表示パネルガイド60の上方から配置されるが、このとき表示パネルガイド60がパネルガイド40の開口部42内に配置される。これにより、タッチパネル30と表示パネル50とが上下に重なるようにして配置され、表示パネル50に表示された画面が、タッチパネル30を透過して、ユーザが視認できるようになっている。
【0063】
また、表示パネル50に付随しているフレキシブル配線51は、コネクタ74に接続されている。基板70には、コネクタ74の周囲を囲むように仕切り部91が配置されている。この部分を避けて(仕切り部91の上面よりも低くなるように)ポッティング材120(
図6のドットで示す部分参照)が基板70全体に充填されている。このポッティング材120の充填により、フレキシブル配線51とコネクタ74を囲むように形成された配線カバー47と、表示パネル50を囲むように全周に形成された側壁48の下部隙間が埋められ、その部分からの湿気の浸入を防止する。
【0064】
そして、タッチパネル30を取り付けたパネルガイド40の上方からカバー20が被せられる。このときカバー20の窓部20aの縁部20fが上方から押圧されることで、タッチパネル30の縁部が、シール部材100を介して窓部20aの縁部20fとパネルガイド40の支持部41とで挟持される。このように、タッチパネル30、シール部材100、パネルガイド40およびポッティング材120により、表示パネル50を含む空間が密閉される。なお、配線カバー47を設けることにより、万一、パネルガイド40とシール部材100との間から水が浸入してきた場合でも、配線カバー47の上面を通るので、フレキシブル配線51に水が付着するのを防ぐことが可能である。
【0065】
ところで、洗濯機Aを梱包した状態において炎天下で運搬する場合など、洗濯機Aに過度の熱が加えられる環境下では、カバー20が変形し(窓部20aの縁部が持ち上がるように変形し)、カバー20の窓部20aの縁部とシール部材100との水封が損なわれる虞がある。そこで、本実施形態では、
図6(b)に示すように、筺体1の一部を構成するカバー20に係止爪20iが形成され、この係止爪が係止される係止部41cがパネルガイド40に形成されている。カバー20を上方から押し込む際に、係止爪20iが係止部41cのテーパ面に当接する。このとき、係止爪20iと一体に形成された内リブ20dが外側(後側)に撓み、係止爪20iが係止部41cを乗り越えたときに内リブ20dが弾性復帰することで、係止爪20iが係止部41cに係止される。
【0066】
なお、図示していないが、その他の係止爪20h,20j,20k(
図4参照)についても、前記と同様にして、パネルガイド40に形成された係止部41c,41d,41e,41fに係止される。これにより、洗濯機Aが過度な熱が加えられる環境下に曝されたとしても、カバー20が窓部20aの近傍においてパネルガイド40に係止されることで、カバー20の窓部20aの縁部が変形することがなくなり、カバー20とシール部材100との水封を良好に行うことができる。
【0067】
図7は、
図2のII−II線断面図である。
図7に示すように、タッチパネル30に付随しているフレキシブル配線31はコネクタ73に接続されている。基板70には、コネクタ73の周囲を囲むように仕切り部90が配置されている。この部分を避けて(仕切り部90の上面よりも低くなるように)ポッティング材120が基板70全体に充填されている。このポッティング材120の充填により、表示パネル50を囲むように全周に形成された側壁48の下部隙間が埋められ、その部分からの湿気の浸入を防止する。
【0068】
そして、前記したとおり、タッチパネル30の周縁部は、シール部材100、パネルガイド40によって密閉される。ただし、フレキシブル配線31の引き出し部は支持部41が切り欠かれているため、パネルガイド40の平坦部49に配置されたパッキン110を、シール部材100を介してタッチパネル30との間で侠持することで密閉する。すなわち、タッチパネル30、シール部材100、パネルガイド40、パッキン110およびポッティング材120によって、表示パネル50を含む閉空間が形成されることになる。
【0069】
また、本実施形態では、カバー20の破損等により、基板ケース80内に水が浸入した場合でも、密閉空間に囲まれたフレキシブル配線51に水が付着することはない。さらに、操作パネル4自体が略20°の角度を持って取り付けられていることと、基板ケース80の下部に水抜き孔81(
図6参照)が設けられていることによって、内部への水の滞留を防いでいる。これらにより、むき出しになっているフレキシブル配線31に水がかかり短絡することもない。
【0070】
例えば、ユーザが電源入ボタン12(
図2参照)を押すことで、基板ケース80の外部から図示しないハーネスを介して電力が供給され、表示パネル50には、運転コース(洗濯コース、洗濯・乾燥コース、乾燥コース)設定の初期画面が表示される。そして、ユーザが洗濯コースの文字が表示されているタッチパネル30の領域をタッチ操作することで、表示パネル50の表示が、洗濯コースの下階層に設定されたコース(標準、おいそぎ、念入り、柔らか、毛布、ドライなど)の画面に切り替わる。そして、ユーザがスタート/一時停止ボタン11を押すことで、表示パネル50の表示が、洗剤量や運転終了までの残り時間などの画面に切り替わる。
【0071】
このように、ユーザが表示操作部10を操作することで、表示操作部10に表示される画面が切り替わりながら動作条件が決定される。ユーザは、ボタン式のスタート/一時停止ボタン11を押すまで、タッチパネル30上を操作するだけであるので、同様の操作感で動作条件を設定することができる。つまり、タッチパネル操作と押ボタン操作を何度も切り替えながら操作する必要がなくなる。また、ユーザの手の移動範囲を小さくすることができ、また操作パネル4の設置領域を小さくすることができる。
【0072】
以上説明したように、本実施形態に係る洗濯機Aでは、表示操作部10が、窓部20aの周縁部においてカバー20とタッチパネル30とがシール部材100を介して密閉され、さらに窓部20a(開口部)を囲むように、カバー20(筺体1)に係止爪20h,20i,20j,20kが形成され、パネルガイド40にこれら係止爪20h,20i,20j,20kと係止される係止部41c,41,41e,41fが形成されている。これによれば、例えば、カバー20の材料としてPETなど透明性を有するものを使用したとしても、過度な熱に曝される環境下におけるカバー20の変形を防止することができ、カバー20とタッチパネル30との間における水封を良好に行うことができる。
【0073】
また、本実施形態では、係止爪20h,20i,20j,20kは、カバー20(筺体1)と基板ケース80とが固定支持される固定位置P1,P2,P3,P4が窓部20a(開口部)より遠いほど密に配置されている。これによれば、固定位置P1,P2,P3,P4が遠いほど、カバー20の窓部20aの近傍が変形し易くなるが、固定位置P1,P2,P3,P4が遠いほど係止爪20h,20i,20j,20kを密に配置することで、カバー20の窓部20aの変形を確実に防止することができ、カバー20とタッチパネル30との間における水封を良好に行うことができる。
【0074】
また、本実施形態では、係止爪20h,20i,20j,20kと係止される係止部41c,41d,41e,41fがパネルガイド40の上端に形成されている。これによれば、カバー20に形成される係止爪20h,20i,20j,20kの該カバー20の裏面からの突出長さを短くできるので、係止爪20h,20i,20j,20kの熱による変形を効果的に抑えることができ、水封を良好に行うことができる。
【0075】
また、本実施形態では、カバー20(筺体1)には窓部20a(開口部)に沿って延在する内リブ20d(リブ)が形成され、この内リブ20d(横リブ20d2、縦リブ20d3)に複数の係止爪20i,20jが形成されている。これによれば、係止爪20i,20jの剛性を高めることができ、熱による変形を効果的に抑制でき、水封を良好に行うことができる。
【0076】
(第2実施形態)
図8は、(a)は第2実施形態に係る表示操作部を示す断面図、(b)は(a)のC部拡大図である。なお、第2実施形態に係る表示操作部10Aは、第1実施形態における係止爪20h,20i,20j,20kと係止部41c,41d,41e,41fとで構成される固定手段に替えて、ねじ固定による固定手段としたものである。その他の構成については、第1実施形態と同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0077】
すなわち、第2実施形態に係る固定手段は、カバー20(筺体1)の裏面に、ねじ穴20xを形成し、パネルガイド40の枠部41aにねじ挿通部41xをねじ穴20に対応する位置に形成し、ねじ130をねじ挿通部41xに挿通し、ねじ穴20xに螺合させることで固定している。なお、図示していないが、ねじ固定は、窓部20aを囲むように複数箇所に形成されている。第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を有する。また、前記したねじ固定をすることによって、カバー20とパネルガイド40とを確実に固定できるので、熱による変形を防止でき、水封を良好に行うことができる。
【0078】
なお、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更することができる。例えば、本実施形態では、窓部20a(開口部)を囲むようにカバー20の複数箇所に係止爪20h,20i,20j,20kを設けた場合を例に挙げて説明したが、窓部20aの全周を囲むように係止爪を形成した構成であってもよい。