(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、情報処理装置、周辺機器および非接触給電システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、情報処理装置、周辺機器および非接触給電システムの一実施形態であって、その構成や仕様等を限定するものではない。本実施形態は、非接触給電システムを、スーパーマーケット等の店舗に導入された、一取引にかかる商品の登録・精算を行うPOS(Point Of Sale)システムに適用した例である。
【0008】
図1は、本実施形態に係るPOSシステム1の構成を示す図である。POSシステム1は、POS端末10と、周辺機器20aと、周辺機器20bと、周辺機器20cと、周辺機器20dとを備える。POSシステム1は、POS端末10と、周辺機器20aと、周辺機器20bと、周辺機器20cと、周辺機器20dとを無線で通信可能に接続している。
【0009】
POS端末10は、商品販売データ処理を実行する情報処理装置である。周辺機器20aは、レシート用紙等の所定の用紙に、一取引の取引内容をレシートに印字するプリンタである。周辺機器20bは、バーコード化された商品コードを光学的に読み取るコードスキャナである。周辺機器20cは、顧客向けに各種情報を表示する液晶ディスプレイ等の表示装置である。周辺機器20dは、入金された貨幣を収納するとともに、POS端末10からの命令(出金コマンド)に基づいて貨幣(釣銭)を自動的に出金する自動釣銭機である。以下、周辺機器20aと、周辺機器20bと、周辺機器20cと、周辺機器20dとを区別しない場合には、周辺機器20と説明する。また、周辺機器20は、上述の機器に限らない。POSシステム1は、上述以外の機器を備えていてもよい。また、POSシステム1は、周辺機器20を一台以上備えていればよい。
【0010】
POSシステム1は、POS端末10がコンセントなどの電源から電源ケーブルを介して電力の供給を受けている場合には、周辺機器20に対してPOS端末10から非接触により電力を供給(以下、送電という)する。そして、POSシステム1は、POS端末10に対する電力供給が停止した場合には、周辺機器20から非接触により供給された電力をPOS端末10が受ける(以下、受電という)。これにより、POS端末10は、シャットダウンを完了するために必要な電力を得ることができる。ここで、非接触とは、機械的な接続のないことを意味する。例えば、配線を介して接続されていないことや、コネクタを介して接続されていないことなどを意味する。
【0011】
次に、上記した各装置のハードウェア構成について説明する。
【0012】
まず、POS端末10について説明する。
図2は、POS端末10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、POS端末10は、各種演算やPOS端末10の各部を統括的に制御する制御部11を備える。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、RTC(Real Time Clock)等によって構成されるコンピュータである。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する。RAMは、各種プログラムを一時的に記憶するとともに、各種データを書き換え自在に記憶する。RTCは、現在の日時を計時する。
【0013】
制御部11は、バス19を介して操作部12、表示部13、及び記憶部14と接続している。
【0014】
操作部12は、オペレータが操作入力を行うための各種の操作キーを有する。操作キーは、例えば、置数キーや、カーソルキーや、選択決定キーや、小計キーや、締めキー等である。
【0015】
表示部13は、例えば、液晶ディスプレイ等である。そして、表示部13は、販売登録された商品の品名、価格、決済が宣言された一取引の合計金額、釣銭額等の各種情報を表示する。また、表示部13は、タッチパネルを備えてもよい。
【0016】
記憶部14は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。記憶部14は、制御部11(CPU)が実行する各種プログラムを記憶する。また、記憶部14は、各商品の商品名、商品コード及び単価等の商品データを格納した商品データファイル等の各種データファイルを記憶する。
【0017】
また、制御部11は、バス19を介して通信インタフェース15と接続する。制御部11は、この通信インタフェース15を介して周辺機器20と接続することができる。具体的には、通信インタフェース15は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の規格により通信する。なお、通信インタフェース15は、Bluetooth(登録商標)以外の規格を採用してもよい。例えば、通信インタフェース15は、Wireless Fidelity(登録商標)等の規格により通信してもよい。
【0018】
また、制御部11は、バス19を介して二次電池16と接続する。二次電池16は、充電により電気を蓄えることが可能な電池である。二次電池16は、停電時にPOS端末10の各部が使用する電力を供給する。二次電池16は、例えば、リチウムイオン電池などである。なお、二次電池16は、リチウムイオン電池以外の種類であってもよい。
【0019】
また、制御部11は、バス19を介して電源部17と接続する。電源部17は、電源ケーブル(不図示)を介して電力の供給を受ける。そして、電源部17は、供給された電力を整流する。また、電源部17は、POS端末10の各部が使用する電力を供給する。さらに、電源部17は、整流した電力を二次電池16に充電する。
【0020】
また、制御部11は、バス19を介して非接触送電部18aと接続する。送電部である非接触送電部18aは、二次電池16に充電された電力を非接触により各周辺機器20に送電する。非接触給電は、公知技術を用いるものとする。非接触給電の方式は、電磁誘導方式であってもよいし、磁界共鳴方式であってもよいし、これ以外の方式であってもよい。また、POS端末10は、非接触送電部18aを複数備えていてもよい。なお、非接触給電の方式は、POS端末10と各周辺機器20との距離が数十センチメートルから2メートル程度離れている場合には、磁界共鳴方式であることが好ましい。
【0021】
ここで、磁界共鳴方式とは、共鳴現象を利用して非接触により電力を供給する方式である。共鳴現象とは、同じ周波数で振動する物体を近づけて置き、一方の物体を振動させると他方の物体も振動する現象である。磁界共鳴方式では、電力を供給する送電側と、電力を供給される受電側とに振動させる物体として同一の共振周波数を有するコイルを備える。送電側のコイルは、交流電流が供給されると振動した磁界を生じさせる。この時、受電側のコイルは、送電側のコイルと共振周波数が一致しているため、受電側のコイルの周辺にも磁界を生じさせる。これにより、受電側のコイルは、受電側のコイル内を流れる誘導電流を生じさせる。従って、送電側のコイルは、受電側のコイルに非接触で電力を供給することができる。そして、磁界共鳴方式は、送電側のコイルと、受電側のコイルとは互いに強く結合しているため、コイル間の距離が長くても、高い伝送効率を得ることができる。
【0022】
また、制御部11は、バス19を介して非接触受電部18bと接続する。受電部である非接触受電部18bは、各周辺機器20から非接触により送電された電力を受電する。そして、非接触受電部18bは、受電した電力を整流する。また、非接触受電部18bは、整流した電力を二次電池16に充電する。非接触給電の方式は、公知技術を用いるものとする。非接触給電の方式は、電磁誘導方式であってもよいし、磁界共鳴方式であってもよいし、これ以外の方式であってもよい。また、POS端末10は、非接触受電部18bを複数備えていてもよい。なお、非接触給電の方式は、POS端末10と各周辺機器20との距離が数十センチメートルから2メートル程度離れている場合には、磁界共鳴方式であることが好ましい。
【0023】
次に、周辺機器20について説明する。
図3は、周辺機器20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、周辺機器20は、周辺機器20の各部を統括的に制御する制御部21を備える。制御部21は、CPU、ROM、RAM、RTC等によって構成されるコンピュータである。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する。RAMは、各種プログラムを一時的に記憶するとともに、各種データを書き換え自在に記憶する。RTCは、現在の日時を計時する。
【0024】
制御部21は、バス26を介して、記憶部22と接続している。記憶部22は、例えばHDDやSSD等の補助記憶装置である。記憶部22は、制御部21(CPU)が実行する各種プログラムを記憶する。
【0025】
また、制御部21は、バス26を介して通信インタフェース23と接続する。制御部21は、この通信インタフェース23を介してPOS端末10と接続することができる。通信インタフェース23は、POS端末10と無線で接続可能なインタフェースである。具体的には、通信インタフェース23は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の規格により通信する。なお、通信インタフェース23は、Bluetooth(登録商標)以外の規格を採用してもよい。例えば、通信インタフェース23は、Wireless Fidelity(登録商標)等の規格により通信してもよい。但し、通信インタフェース23は、POS端末10の通信インタフェース15と同一の規格を採用するものとする。
【0026】
また、制御部21は、バス26を介して二次電池24と接続する。二次電池24は、充電により電気を蓄えることが可能な電池である。二次電池24は、周辺機器20の各部が使用する電力を供給する。二次電池24は、例えば、リチウムイオン電池などである。なお、二次電池24は、リチウムイオン電池以外の種類であってもよい。
【0027】
また、制御部21は、バス26を介して非接触送電部25aと接続する。送電部である非接触送電部25aは、二次電池24に充電された電力を非接触によりPOS端末10に送電する。なお、非接触給電の方式は、POS端末10と同一の方式を用いるものとする。
【0028】
また、制御部21は、バス26を介して非接触受電部25bと接続する。受電部である非接触受電部25bは、POS端末10から非接触により送電された電力を受電する。そして、非接触受電部25bは、受電した電力を整流する。また、非接触受電部25bは、整流した電力を二次電池24に充電する。なお、非接触給電の方式は、POS端末10と同一の方式を用いるものとする。
【0029】
また、制御部21は、周辺機器20に応じたハードウェアと接続している。具体的には、周辺機器20aがプリンタである場合には制御部21は、レシート用紙を搬送する駆動モータ(不図示)や、レシート用紙に文字や図形を印字する印字ヘッド(不図示)などと接続している。または、周辺機器20bがコードスキャナである場合には制御部21は、商品に付されたバーコードや二次元コード等を光学的に読み取るスキャナ(不図示)などと接続している。または、周辺機器20cが表示装置である場合には制御部21は、顧客に向けて各種情報を表示する液晶ディスプレイ(不図示)などと接続している。または、周辺機器20dが自動釣銭機である場合には制御部21は、POS端末10の要求に応じて紙幣および硬貨を払い出す入出金部(不図示)などと接続している。
【0030】
次に、POSシステム1の機能構成について説明する。
図4は、POSシステム1の機能構成を示す図である。
【0031】
まず、POS端末10の機能構成について説明する。
図4に示すように、POS端末10は、機能部として、モード制御部111と、充電制御部112と、停電検出部113と、停止制御部114と、非接触給電制御部115と、システム制御部116と、通信制御部117とを備える。具体的には、制御部11のCPUが、記憶部14のプログラムを実行することにより、各機能部がRAM上に生成される。
【0032】
モード制御部111は、POS端末10の給電設定を制御する。モード制御部111は、電源部17から電力が供給されると給電設定を送電モードに設定する。そして、モード制御部111は、電源部17からの電力の供給が停止されると受電モードに設定する。
【0033】
充電制御部112は、給電設定が送電モードに設定されている場合に、電源ケーブルなどを介して、電源部17に供給された電力を二次電池16に充電する。
【0034】
停電検出部113は、電源部17からの電力の供給を監視する。すなわち、停電検出部113は、電源ケーブルなどを介して、電力が供給されているか否かを判定する。これにより、停電検出部113は、電源部17から供給される電力の供給の停止を検出する。
【0035】
停止制御部114は、POS端末10のシャットダウン処理を制御する。停止制御部114は、操作部12を介して、シャットダウン処理を要求する操作が入力された場合に、POS端末10をシャットダウン処理により停止する。または、停止制御部114は、給電設定が受電モードに設定された場合に、シャットダウン処理によりPOS端末10を停止する。ここで、シャットダウン処理とは、起動中のソフトウェアの終了や、作業中のファイルの終了や、RAM上のデータの退避や、POS端末10の電源のOFFなどによりPOS端末10を停止させる処理である。
【0036】
非接触給電制御部115は、POS端末10の非接触給電を制御する。送電手段である非接触給電制御部115は、給電設定が送電モードの場合には、非接触送電部18aを介して、電源部17から供給された電力を周辺機器20に送電する。また、非接触給電制御部115は、給電設定が受電モードの場合には、非接触受電部18bを介して、周辺機器20から送電された電力を受電する。そして、充電手段である非接触給電制御部115は、受電した電力を二次電池16に充電する。
【0037】
システム制御部116は、POSシステム1に係る非接触給電システムを制御する。すなわち、システム制御部116は、POS端末10の給電設定が受電モードに設定された場合に、周辺機器20を制御する。具体的には、システム制御部116は、給電設定が受電モードに変更された場合に、周辺機器20に送信するためのモード変更情報を生成する。ここで、モード変更情報とは、周辺機器20の給電設定を送電モードに設定することを要求する情報である。
【0038】
また、システム制御部116は、周辺機器20に送信するための送電要求情報を生成する。ここで、送電要求情報とは、POS端末10への送電を要求する情報である。そして、送電要求情報には、POS端末10に電力を送電する周辺機器20を指定した情報が含まれる。これにより、POS端末10は、指定した周辺機器20から非接触で送電された電力を充電する。そして、指定された周辺機器20は、送電可能な全ての電力を送電すると、送電完了情報をPOS端末10に送信する。この時、指定されなかった周辺機器20は、電力の送電を待機する。
【0039】
送電完了情報を受信するとシステム制御部116は、未だに電力を送電していない周辺機器20を指定した送電要求情報を生成する。これにより、POS端末10は、1または複数の周辺機器20から非接触で送電された電力を充電する。なお、システム制御部116が送電要求情報で指定する周辺機器20の選出方法は、問わないものとする。例えば、システム制御部116は、予め定められた順番により周辺機器20を選出する。
【0040】
通信制御部117は、通信インタフェース15を介した、周辺機器20との通信を制御する。通信制御部117は、通信インタフェース15がBluetooth(登録商標)等の規格により通信する場合には、ペアリングされた周辺機器20との通信を制御する。ここで、ペアリングとは、近くにいる無関係な機器と通信しないように、通信する周辺機器20とPOS端末10とを対応付ける処理である。これにより、通信制御部117は、自装置と周辺機器20とを対応付ける。
【0041】
そして、通信制御部117は、モード変更情報や、送電要求情報を、POSシステム1が有する1または複数の周辺機器20に送信する。すなわち、出力手段である通信制御部117は、周辺機器20aと、周辺機器20bと、周辺機器20cと、周辺機器20dとにモード変更情報や、送電要求情報を出力する。また、通信制御部117は、送電完了情報を周辺機器20から受信する。
【0042】
次に、周辺機器20の機能構成について説明する。
図4に示すように、周辺機器20は、機能部として、モード制御部211と、非接触給電制御部212と、通信制御部213と、機能制御部214とを備える。具体的には、制御部21のCPUが、記憶部22のプログラムを実行することにより、各機能部がRAM上に生成される。
【0043】
モード制御部211は、周辺機器20の給電設定を制御する。周辺機器20は、給電設定の初期値として、受電モードが設定されている。モード制御部211は、モード変更情報を受信すると、給電設定を送電モードに設定する。
【0044】
非接触給電制御部212は、周辺機器20の非接触給電を制御する。非接触給電制御部212は、給電設定が受電モードの場合には、非接触受電部25bを介して、POS端末10から送電された電力を受電する。そして、充電手段である非接触給電制御部212は、受電した電力を二次電池24に充電する。
【0045】
また、非接触給電制御部212は、給電設定が送電モードの場合には、送電要求情報によって、電力をPOS端末10に送電する周辺機器20に指定されるまで送電を待機する。そして、送電手段である非接触給電制御部212は、電力をPOS端末10に送電する周辺機器20に指定されると、非接触送電部25aを介して、二次電池24に充電された電力をPOS端末10に送電する。すなわち、非接触給電制御部212は、自装置が送電要求情報で指定された周辺機器20である場合に、非接触送電部25aを介して、二次電池24に充電された電力をPOS端末10に送電する。
【0046】
通信制御部213は、通信インタフェース23を介した、POS端末10との通信を制御する。その際、通信制御部213は、ペアリングにより対応付けられたPOS端末10との通信を制御する。
【0047】
そして、通信制御部213は、POS端末10からモード変更情報や、送電要求情報を受信する。すなわち、入力手段である通信制御部213は、POS端末10からモード変更情報や、送電要求情報の入力を受け付ける。また、通信制御部213は、送電完了情報をPOS端末10に送信する。
【0048】
機能制御部214は、周辺機器20が有している機能を制御する。機能制御部214は、周辺機器20の給電設定が受電モードに設定された場合には、二次電池24に充電された電力を使用して周辺機器20が有している機能を制御する。
【0049】
また、機能制御部214は、周辺機器20の給電設定が送電モードに設定された場合に、周辺機器20が有している機能を停止させる。具体的には、機能制御部214は、周辺機器20aがプリンタである場合には、レシート用紙等の所定の用紙に、一取引の取引内容をレシートに印字する機能を停止する。機能制御部214は、周辺機器20bがコードスキャナである場合には、バーコード化された商品コードを光学的に読み取る機能を停止する。機能制御部214は、周辺機器20cが表示装置である場合には、顧客向けに各種情報を表示する機能を停止する。機能制御部214は、周辺機器20dが自動釣銭機である場合には、入金された貨幣を収納するとともに、POS端末10からの命令(出金コマンド)に基づいて貨幣(釣銭)を自動的に出金する機能を停止する。
【0050】
次に、上述した実施形態にかかるPOS端末10の制御部11がプログラムに従って実行するモード変更処理について説明する。モード変更処理とは、給電設定を送電モードから受電モードに変更する処理である。
【0051】
図5は、POS端末10の制御部11がプログラムに従って実行するモード変更処理の流れを示すフローチャートである。
【0052】
まず、POS端末10のモード制御部111は、電源部17から電力が供給されると給電設定を送電モードに設定する(ステップS11)。次いで、POS端末10の制御部11は、送電モード処理を実行する(ステップS12)。なお、送電モード処理の詳細は、後述する。次いで、POS端末10の充電制御部112は、電源部17から供給された電力を二次電池16に充電する(ステップS13)。
【0053】
次いで、POS端末10の停電検出部113は、電源部17から供給されている電力が停止されたか否かを判定する(ステップS14)。電力が停止されていない場合に(ステップS14;No)、POS端末10の制御部11は、操作部12を介して、シャットダウン操作の入力が検出されるか否かを判定する(ステップS15)。
【0054】
シャットダウン操作の入力が検出された場合に(ステップS15;Yes)、POS端末10の制御部11は、ステップS18に移行する。一方、シャットダウン操作の入力が検出されない場合に(ステップS15;No)、POS端末10の制御部11は、ステップS12に移行する。
【0055】
一方、電力が停止された場合に(ステップS14;Yes)、POS端末10のモード制御部111は、給電設定を受電モードに設定する(ステップS16)。次いで、POS端末10の制御部11は、受電モード処理を実行する(ステップS17)。なお、受電モード処理の詳細は、後述する。次いで、POS端末10の停止制御部114は、POS端末10のシャットダウン処理を開始する(ステップS18)。
【0056】
次いで、POS端末10の停止制御部114は、シャットダウン処理が完了したか否かを判定する(ステップS19)。シャットダウン処理が完了していない場合に(ステップS19;No)、POS端末10の停止制御部114は、ステップS19に待機する。
【0057】
一方、シャットダウン処理が完了した場合に(ステップS19;Yes)、POS端末10の制御部11は、モード変更処理を終了する。
【0058】
次に、上述した実施形態にかかるPOS端末10の制御部11と周辺機器20の制御部21がプログラムに従って実行する前述した送電モード処理について説明する。送電モード処理とは、送電モード時にPOS端末10が各周辺機器20に非接触で電力を送電する処理である。
【0059】
図6は、POS端末10の制御部11と周辺機器20の制御部21がプログラムに従って実行する送電モード処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図6に示すフローチャートは、POS端末10が給電設定を送電モードに設定したところから説明している。
【0060】
まず、POS端末10のモード制御部111は、給電設定を送電モードに設定する(ステップS21)。次いで、POS端末10の非接触給電制御部115は、非接触送電部18aを介して、電源部17から供給された電力を周辺機器20に送電する(ステップS22)。
【0061】
周辺機器20の非接触給電制御部212は、非接触受電部25bを介して、POS端末10から送電された電力を受電する(ステップS23)。次いで、周辺機器20の非接触給電制御部212は、受電した電力を二次電池24に充電する(ステップS24)。
【0062】
周辺機器20の非接触給電制御部212は、給電設定が送電モードに設定されたか否かを判定する(ステップS25)。送電モードに設定されていない場合に(ステップS25;No)、周辺機器20の非接触給電制御部212は、ステップS23に移行する。
【0063】
一方、送電モードに設定された場合に(ステップS25;Yes)、周辺機器20の制御部21は、送電モード処理を終了する。
【0064】
次に、上述した実施形態にかかるPOS端末10の制御部11と周辺機器20の制御部21がプログラムに従って実行する受電モード処理について説明する。受電モード処理とは、受電モード時に各周辺機器20から非接触で送電された電力をPOS端末10が受電する処理である。
【0065】
図7は、POS端末10の制御部11と周辺機器20の制御部21がプログラムに従って実行する受電モード処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図7に示すフローチャートは、POS端末10が給電設定を受電モードに設定したところから説明している。
【0066】
まず、POS端末10のモード制御部111は、給電設定を受電モードに設定する(ステップS31)。次いで、POS端末10のシステム制御部116は、モード変更情報を生成する(ステップS32)。次いで、POS端末10の通信制御部117は、生成したモード変更情報を各周辺機器20に送信する(ステップS33)。
【0067】
周辺機器20の通信制御部213は、POS端末10から送信されたモード変更情報を受信する(ステップS34)。次いで、周辺機器20のモード制御部211は、給電設定を送電モードに設定する(ステップS35)。
【0068】
次いで、周辺機器20の機能制御部214は、機能を停止する(ステップS36)。具体的には、プリンタである周辺機器20aは、レシート用紙等の所定の用紙に、一取引の取引内容をレシートに印字する機能を停止する。コードスキャナである周辺機器20bは、バーコード化された商品コードを光学的に読み取る機能を停止する。表示装置である周辺機器20cは、顧客向けに各種情報を表示する機能を停止する。自動釣銭機である周辺機器20dは、入金された貨幣を収納するとともに、POS端末10からの命令(出金コマンド)に基づいて貨幣(釣銭)を自動的に出金する機能を停止する。
【0069】
次いで、POS端末10のシステム制御部116は、送電要求情報を生成する(ステップS37)。次いで、POS端末10の通信制御部117は、生成した送電要求情報を周辺機器20に送信する(ステップS38)。
【0070】
次いで、周辺機器20の通信制御部213は、送電要求情報を受信する(ステップS39)。次いで、送電要求情報で指定された周辺機器20の非接触給電制御部212は、非接触送電部25aを介して、二次電池24に充電された電力をPOS端末10に送電する(ステップS40)。
【0071】
次いで、POS端末10の非接触給電制御部115は、非接触受電部18bを介して、周辺機器20から送電された電力を受電する(ステップS41)。次いで、POS端末10の非接触給電制御部115は、受電した電力を二次電池16に充電する(ステップS42)。
【0072】
次いで、送電要求情報で指定された周辺機器20の非接触給電制御部212は、POS端末10に送電可能な電力を全て送電したか否かを判定する(ステップS43)。電力を全て送電していない場合に(ステップS43;No)、周辺機器20の非接触給電制御部212は、ステップS40に移行する。
【0073】
一方、電力を全て送電した場合に(ステップS43;Yes)、周辺機器20の通信制御部213は、電力を全て送電したことを示す送電完了情報を送信する(ステップS44)。
【0074】
次いで、POS端末10の通信制御部213は、周辺機器20から送信された送電完了情報を受信する(ステップS45)。次いで、POS端末10の非接触給電制御部115は、全ての周辺機器20から電力を受電したか否かを判定する(ステップS46)。全ての周辺機器20から電力を受電していない場合に(ステップS46;No)、POS端末10の非接触給電制御部115は、ステップS37に移行する。そして、POS端末10のシステム制御部116は、次の周辺機器20を指定した送電要求情報を生成する。
【0075】
一方、全ての周辺機器20から電力を受電した場合に(ステップS46;Yes)、POS端末10の制御部11は、受電モード処理を終了する。
【0076】
以上のように、本実施形態のPOSシステム1によれば、POS端末10は、非接触で周辺機器20に電力を送電する非接触送電部18aと、周辺機器20から非接触で送電された電力を受電する非接触受電部18bとを備える。POS端末10は、電源ケーブルから電力が供給されている場合には、非接触送電部18aを介して、周辺機器20に電力を送電する。一方、POS端末10は、電源ケーブルから電力が停止した場合には、送電要求情報を周辺機器20に送信する。そして、周辺機器20は、POS端末10とペアリングにより対応付けられている。また、POS端末10は、非接触受電部18bを介して、周辺機器20から送電された電力を充電する。すなわち、POS端末10は、停電した場合には、周辺機器20から供給された電力で二次電池16を充電する。そして、POS端末10は、この充電した電力を用いて、シャットダウン処理を実行することができる。よって、POS端末10は、電源ケーブルから供給される電力の停止から、周辺機器20から送電された電力を二次電池16に充電するまでの期間、POS端末10の起動を維持することが可能な容量の二次電池16を備えていればよい。よって、本実施形態のPOSシステム1は、二次電池16を従来よりも小型化することができる。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0078】
また、上記実施形態では、POS端末10のシステム制御部116は、POS端末10に非接触で電力を送電する周辺機器20を選出している。この時、POS端末10のシステム制御部116は、POS端末10に電力を送電する周辺機器20として、複数の周辺機器20を選出してもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、POS端末10は、通信インタフェース15を介して、周辺機器20と通信する。同様に、周辺機器20は、通信インタフェース23を介して、POS端末10と通信すると説明している。しかしながら、POS端末10と周辺機器20との間の通信は、これに限らない。例えば、POS端末10と周辺機器20とは、磁界共鳴を通信に使用してもよい。すなわち、POS端末10は、非接触送電部18a又は非接触受電部18bを介して、周辺機器20と通信してもよい。同様に、周辺機器20は、非接触送電部25a又は非接触受電部25bを介して、POS端末10と通信してもよい。
【0080】
上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らないものとする。例えば、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0081】
また、上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。