特許第6254998号(P6254998)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6254998
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】端面仕上げ装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 21/06 20060101AFI20171218BHJP
   B24B 7/24 20060101ALI20171218BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   B24B21/06
   B24B7/24 C
   H01L21/304 621B
【請求項の数】1
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-238329(P2015-238329)
(22)【出願日】2015年12月7日
(62)【分割の表示】特願2013-519719(P2013-519719)の分割
【原出願日】2011年7月8日
(65)【公開番号】特開2016-104509(P2016-104509A)
(43)【公開日】2016年6月9日
【審査請求日】2016年1月6日
(31)【優先権主張番号】61/362,969
(32)【優先日】2010年7月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ マイケル ダーカンジェロ
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン エドワード デマルティーノ
(72)【発明者】
【氏名】アリック ブルース ショリー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル デュアン ストロング
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド アラン タマロ
(72)【発明者】
【氏名】ブッチ レディ ヴァッディ
【審査官】 須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】 特表平11−511395(JP,A)
【文献】 特開2010−082746(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0060020(US,A1)
【文献】 特開2000−233359(JP,A)
【文献】 特開2001−113447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B3/00−3/60
B24B21/00−39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラ群により駆動される連続ループのフラットベルトにおける前記ローラ群の間に提供され、前記フラットベルト内の連続流路として形成される少なくとも1つの平坦面と、
少なくとも1つの磁気粘性研磨流体(MPF)リボンを前記少なくとも1つの平坦面に供給するように構成される流体供給装置であって、MPFを前記少なくとも1つの平坦面の一方の端部に供給し、該MPFを前記少なくとも1つの平坦面の他方の端部から回収する流体供給装置と、
前記少なくとも1つの平坦面に隣接配置されて磁場を前記少なくとも1つの平坦面の近傍に印加する少なくとも1つの磁石と、
前記少なくとも1つの平坦面と対向配置される少なくとも1つのホルダーであって、前記少なくとも1つのホルダーが、少なくとも1つの製品を支持して、前記少なくとも1つの製品の端面を、前記少なくとも1つの平坦面に供給される前記少なくとも1つのMPFリボンに選択的に浸漬することができるように構成される、前記少なくとも1つのホルダーと、
を備える、端面研磨装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2010年7月9日に出願された米国仮特許出願第61/362,969号の優先権の利益を米国特許法第119条(35U.S.C.§119)に基づいて主張し、そして2011年6月27日に出願された米国特許出願第13/169,499号の優先権の利益を米国特許法第120条(35U.S.C.§120)に基づいて主張するものであり、これらの出願の内容は、本明細書で参照することにより、これらの出願の内容全体が援用され、そして本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
種々の実施形態は、製品の端面、特に脆性材料により形成される製品の端面を仕上げ加工する装置に関するものである。更に詳細には、種々の実施形態は、製品の端面を、磁気粘性研磨流体(magnetorheological polishing fluid:MPF)を用いて仕上げ加工する装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
ガラス板は、機械的な分離またはレーザ分離を行なうことにより切断されてきた。機械的な分離によって、切断ガラス板に粗い、そして/または鋭利な端面が残り、これにより、切断ガラス板が、割れに対して脆くなり、そして特定の用途において不所望な状態になる可能性がある。実際、粗さ、または鋭利さは通常、一連の機械的な研削工程及び研磨工程によって除去する必要がある。研削砥石回転工具を用いて、粗さ、及び/又は鋭利さを端面から機械的に除去する。通常、研削砥石回転工具は、ミクロンサイズの砥粒、例えばミクロンサイズのダイヤモンド砥粒を含む金属砥石である。機械的研磨は、金属砥石、ビトリファイド砥石、またはポリマー混入砥石により行なうことができ、そして遊離砥粒を用いることができる、または遊離砥粒を用いる必要はない。研削砥石工具を用いる材料除去機構は通常、割れを伴うと考えられる。従って、研削工具の砥粒のサイズが大きくなると、研削後にガラス板の端面に残る割れ部分が大きくなる。これらの割れ部分は事実上、応力集中部分及び割れ核発生部分となり、これにより、仕上げガラス板が、透明ガラス板よりも低い強度しか持たなくなる。より微小な砥粒を用いた研削工具、及び/又は研磨工具を使用して、割れ部分のサイズを小さくすることができる。端面が粗くなるのを、レーザ分離を行なって防止して、ガラス板を切断することができる。しかしながら、レーザ分離を行なって分離されたガラス板は、依然として鋭利な端面を持つことになる。通常、粗い砥粒を用いた工具、及び微小な砥粒を用いた工具を利用する一連の工程を用いて、鋭利さを端面から除去する。実際、幾つかの研磨工程が通常、鋭利さを除去するために必要とされ、これにより、ガラス板を仕上げ加工するコストを大幅に上昇させてしまう。特許文献1(Brown(ブラウン)らによる)には、複数の研削砥石及び研磨砥石を使用して、ガラス板の端面の研削及び研磨を同時に行なうシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,325,704号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの実施形態は端面仕上げ装置であり、前記端面仕上げ装置は、少なくとも1つの凹部が表面に形成される構成の前記少なくとも1つの凹部を有する前記表面と、磁気粘性研磨流体(MPF)リボンを前記少なくとも1つの凹部に供給するように構成される流体供給装置と、前記表面に隣接配置されて磁場を前記表面の近傍に選択的に印加する少なくとも1つの磁石と、そして前記表面と対向配置される少なくとも1つのホルダーであって、前記少なくとも1つのホルダーが、少なくとも1つの製品を支持して、前記少なくとも1つの製品の端面を、前記少なくとも1つの凹部に供給される前記MPFリボンに選択的に浸漬することができるように構成される、前記少なくとも1つのホルダーと、を備える。
【0006】
別の実施形態は端面仕上げ装置であり、前記端面仕上げ装置は、表面に第1表面領域及び第2表面領域が画定される構成の前記表面と、前記第1表面領域に支持される研磨手段と、そして前記第1表面領域と対向配置される少なくとも1つの第1ホルダーであって、前記少なくとも1つの第1ホルダーが、少なくとも1つの第1製品を支持して、前記少なくとも1つの第1製品の端面を、前記研磨手段に選択的に接触させることができるように構成される、前記少なくとも1つの第1ホルダーと、を備える。前記端面仕上げ装置は更に、少なくとも1つのMPFリボンを前記第2表面領域に供給するように構成される流体供給装置と、前記第2表面領域に隣接配置されて磁場を前記第2表面領域の近傍に選択的に印加する少なくとも1つの磁石と、そして前記第2表面領域と対向配置される少なくとも1つの第2ホルダーであって、前記少なくとも1つの第2ホルダーが、少なくとも1つの第2製品を支持して、前記少なくとも1つの第2製品の端面を、前記少なくとも1つの磁気粘性流体リボンに選択的に浸漬することができるように構成される、前記少なくとも1つの第2ホルダーと、を含む。
【0007】
別の実施形態は端面仕上げ装置であり、前記端面仕上げ装置は、少なくとも1つの平坦面と、少なくとも1つのMPFリボンを前記少なくとも1つの平坦面に供給するように構成される流体供給装置と、前記少なくとも1つの平坦面に隣接配置されて磁場を前記少なくとも1つの平坦面の近傍に印加する少なくとも1つの磁石と、そして前記少なくとも1つの平坦面と対向配置される少なくとも1つのホルダーであって、前記少なくとも1つのホルダーが、少なくとも1つの製品を支持して、前記少なくとも1つの製品の端面を、前記少なくとも1つの平坦面に供給される前記少なくとも1つのMPFに選択的に浸漬することができるように構成される、前記少なくとも1つのホルダーと、を備える。「平坦である(flat)」とは、1つの実施形態では、「略平坦である(substantially flat)」ことを意味する。或る程度の不規則性、または非平滑領域が、製品の1つ以上の表面に出現する可能性がある。
【0008】
別の実施形態は端面仕上げ装置であり、前記端面仕上げ装置は、少なくとも2つの表面と、磁気粘性研磨流体(MPF)リボンを前記表面群に供給するように構成される流体供給装置と、前記表面に隣接配置されて磁場を前記表面群の近傍に選択的に印加する少なくとも1つの磁石と、そして前記表面群の各表面と対向配置される少なくとも1つのホルダーであって、前記少なくとも1つのホルダーが、少なくとも1つの製品を支持して、前記少なくとも1つの製品の端面を、前記表面群に供給される前記MPFリボンに選択的に浸漬することができるように構成される、前記少なくとも1つのホルダーと、を備える。
【0009】
これらの実施形態、及び他の実施形態について以下に詳細に説明する。
【0010】
以下に提示されるのは、添付の図面に含まれる種々の図に関する説明である。これらの図は、必ずしも寸法通りではなく、そしてこれらの図の特定の特徴、及び特定の表示は、明瞭性及び簡潔性の観点から、寸法を誇張して示している、または模式的に示している可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】端面仕上げ装置の模式図である。
図2】複数の磁石を備える図1の端面仕上げ装置の模式図である。
図3】切断線3−3に沿った図1の断面である。
図4】切断線4−4に沿った図1の断面であり、MPFリボンを収容する凹部を示している。
図5】切断線5−5に沿った図1の断面であり、複数のMPFリボンを収容する複数の凹部を示している。
図6】切断線6−6に沿った図1の断面であり、複数の仕上げ加工領域を示している。
図7】対向する表面でMPFリボンを搬送する構成の端面仕上げ装置の模式図である。
図8】端面仕上げ装置の模式図である。
図9図8の端面仕上げ装置の側面図である。
図10】切断線10−10に沿った図8の断面であり、端面仕上げ装置の円筒面に形成される複数の凹部を示している。
図11】切断線11−11に沿った図8の断面であり、端面仕上げ装置の円筒面に形成される複数の凹部を示している。
図12】機械的に仕上げ加工した端面、及び例示的な装置を用いて形成されたMRF仕上げ加工端面の端面強度を比較するグラフである。
図13A】端面仕上げ装置の形状部の模式図である。
図13B】端面仕上げ装置の形状部の模式図である。
図14】端面仕上げ装置の形状部の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明では、多くの特定の詳細を示して、本発明の種々の実施形態に対する完全な理解が得られるようにしている。しかしながら、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の実施形態をこれらの特定の詳細の幾つか、または全てを用いることなく実施することができる場合があることを理解できるであろう。他の例では、公知の特徴またはプロセスは、本発明を不必要に不明瞭にしてしまうことがないように詳細には説明されていない。更に、同様の、または同じ参照番号を用いて、共通または同様の構成要素群を特定するようにしている。
【0013】
端面仕上げを施した製品を形成するプロセスは、製品を供給することから始まる。通常、当該製品は脆性材料で構成される。脆性材料の例として、ガラス、ガラスセラミックス、セラミックス、シリコン、半導体材料、及びこれまでに列挙した材料の組合せを挙げることができる。1つの実施形態では、当該製品は、緑色ガラス、熱強化ガラス、イオン交換ガラスなどを含む。当該製品は、2次元製品または3次元製品とすることができる。当該プロセスでは、製品を切断して、例えば所望の形状またはサイズとする、或いは複数の製品とすることができる。切断は、機械的な分離、例えばスコアリング(刻線で折り割りする処理)、レーザ分離、超音波分離のような任意の適切なプロセスを用いて行なうことができる。
【0014】
供給工程または切断工程の後、製品は粗い、そして/または鋭利な端面を持つ虞がある−粗さ、及び/又は鋭利さは、除去する必要がある。本明細書において、製品の「edge(端面)」とは、製品の周縁または辺縁(製品は、任意の形状とすることができ、必ずしも円形ではない)、または孔またはスロットにおけるような内周縁を指している。端面は、直線断面形状、曲線断面形状、または凹凸断面形状を有することができる、または端面は、各端部が直線断面形状、曲線断面形状、または凹凸断面形状を有する構成の端部群を有することができる。製品は縁摺り加工され、この加工では、端面の形状及び/又は肌触りを、材料を端面から除去することにより改善する。多数のプロセスのうちの任意のプロセスを、縁摺り加工、例えば少し例を挙げると、砥粒加工、砥粒噴射加工、化学エッチング、超音波研磨、超音波研削、及び化学的機械研磨に用いることができる。縁摺り加工は、1回の工程で、または一連の工程で完了させることができる。
【0015】
縁摺り工程の後、当該プロセスは、製品の端面を仕上げ加工する工程を含む。1つ以上の実施形態では、仕上げ工程は、製品の端面を、磁気粘性研磨流体(MPF)を用いて研磨する工程を含む。製品の端面を、MPFを用いて仕上げ加工する方法は、2011年5月20日出願の米国特許出願第13/112,498号明細書に記載されており、この米国特許出願の開示内容は、本明細書において参照されることにより本明細書に組み込まれる。MPFの種々の構成が可能である。一般的に、MPFは、磁性粒子(例えば、カルボニル鉄、酸化鉄、窒化鉄、炭化鉄、二酸化クロム、低炭素鋼、ケイ素鋼、ニッケル、コバルト、及び/又はこれまでに列挙した材料の組合せ)、非磁性砥粒(例えば、酸化セリウム、炭化珪素、アルミナ、ジルコニア、ダイヤモンド、及び/又はこれまでに列挙した材料の組合せ)、液体溶媒(例えば、水、鉱油、合成油、プロピレングリコール、及び/又はエチレングリコール)、界面活性剤、及び腐食防止剤を含む。磁場をMPFに印加すると、流体中の磁性粒子がチェーンまたは柱状構造を形成し、これにより、MPFの見掛け粘度が高くなって、MPFを液相から固相に変化させる。製品の端面は、当該端面を磁気硬化したMPF(磁気粘性研磨流体)に、製品の端面と磁気硬化した流体との間に相対運動を与えながら浸漬することにより研磨される。磁気硬化したMPFは、割れ、及び加工変質層を研磨しながら除去することにより、製品の端面強度を高める。製品の強度は、他のプロセスにより、例えばイオン交換により、製品の端面を仕上げ加工する前に、または仕上げ加工した後に高めることもできる。
【0016】
図1〜7は、製品の端面を、または複数の製品の端面を、磁気粘性流体で仕上げ加工する端面仕上げ装置1(及び、当該装置の変形例1a,1b,1c,1d)を示している。端面仕上げ装置1の変形例1a,1b,1cを図1に、端面仕上げ装置1と一緒に示す。これは、端面仕上げ装置1及び当該装置の変形例1a,1b,1cが、図1に示す図では同じに見えるからである。更に別の図(図4〜6)を用いて、端面仕上げ装置1と当該装置の変形例1a,1b,1cとの差異を示すこととする。
【0017】
1つの実施形態では、図1において、端面仕上げ装置1は、ローラ群7に巻き付く連続ループのフラットベルト5を有するフラットコンベヤベルト3を含む。これらのローラ7は、適切な駆動装置(個別には示していない)によって回転する。連続ループのフラットベルト5は、MPFリボン11を搬送する平坦面9を提供する。平坦面9は平坦であるとして記述されているが、凹部のような形状を平坦面9に形成してMPFまたは他の研磨手段を搬送することができることに注目されたい。また、平坦面9は、複雑な凹凸を有することができ、この凹凸によって、製品の端面を仕上げ加工して或る程度の複雑な形状とすることができる。MPFリボン11を搬送するために、平坦面9は、MPFリボン11に接触するときに濡れない材料で構成する必要がある。平坦面9は、例えば連続ループのフラットベルト5がローラ群7に巻き付いて移動することにより、または平坦面9を別の輸送機器の上に支持することにより、移動する表面または移動可能な表面となることができる。
【0018】
端面仕上げ装置1は、磁場を平坦面9の近傍に、かつ平坦面9の長さに沿って発生させる少なくとも1つの磁石27を含む。発生磁場を平坦面9上のMPFリボン11に印加して、MPFリボン11を上に説明したように硬化させて研磨プロセスを行なう。磁石27は、電磁石または永久磁石とすることができる。発生磁場の歪みを生じないようにするために、平坦面9は非磁性材料で構成することができる。一般的に、電磁石または永久磁石とすることができる1つ以上の磁石を用いて、磁場を発生させることができる(図2は、MPFリボン11に印加される磁場を発生させる複数の磁石28を備える装置1を示している)。
【0019】
端面仕上げ装置1は流体循環システム13を含み、この流体循環システム13はMPF(磁気粘性研磨流体)を平坦面9の一方の端部に供給し、そしてMPFを平坦面9の別の端部から回収する。平坦面9に流体循環システム13によって供給されるMPFは、平坦面9に沿ってリボン状の流動体として、従ってMPFリボン11と表記される流動体として流れる。一般的に、流体循環システム13は、或る量のMPFを収容する流体タンク15を含む。流体循環システム13は、MPFを流体タンク15から平坦面9の一方の端部に供給する供給ノズル17を含む。ポンプ19によって流体供給を容易にすることができる。流体循環システム13は、MPFを平坦面9の別の端部から回収する回収装置21を含む。ポンプ23によって流体回収を容易にすることができる。回収流体は、不所望の粒子を、戻りMPFから濾過除去する濾過システムのような流体清浄化装置を備える流体タンク15に戻される。流体循環システム13は、MPFの供給及び回収を制御する制御システム25を含む。個別に特定することはできないが、流体循環システム13に当然含まれているものは、流体を供給し、そして回収するために使用される流体配管、及びこれらの流体配管内の流量及び圧力を制御するために使用されるコントローラ、例えばバルブである。
【0020】
端面仕上げ装置1は、平坦面9と対向して配置されるホルダー群29を含む。これらのホルダー29は並進移動装置(または、ロボット)31に接続される。並進移動装置(または、ロボット)31は、これらのホルダー29に、平坦面9に平行な(すなわち、表面9の長さに平行な)第1方向に沿った並進運動、及び平坦面9と直交する第2方向に沿った並進運動を付与する。別の構成として、各ホルダー29に、当該ホルダー自体の専用並進移動装置(または、ロボット)を配設することができる。各ホルダー29は、1つ以上の製品33を保持する。図3は、1つ以上の製品33を保持するホルダー29を備える装置1の一部の断面を示している。各ホルダー29は、1つ以上の製品33を収容し、そして把持する保持具を収容する1つのスロット、または複数のスロットを有することができる。
【0021】
図1または図2では、並進移動装置31を用いて、これらのホルダー29を垂直方向に(すなわち、表面9に直交する方向に沿って)調整して、これらの製品33の端面をMPFリボン11に浸漬することにより、これらの製品33の端面を、MPFリボン11を用いて研磨することができる。1つ以上の実施形態では、これらのホルダー29は、仕上げ対象の端面(または、端部)がMPFリボン11の流動方向と平行になるように1つ以上の製品33を保持する。1つ以上の実施形態では、これらのホルダー29は、仕上げ対象の端面(または、端部)が、磁気粘性研磨流体リボン11の流動方向と同一の直線方向と交差するように1つ以上の製品33を保持する。これらの製品33の端面の仕上げ加工は、これらの端面をMPFリボン11に浸漬し、MPFリボン11を硬化させ、そしてこれらの製品33の端面とMPFリボン11との相対運動に影響を与えることにより行なうことができる。相対運動には、これらのホルダー29を平坦面9に対して移動させることにより、平坦面9をこれらのホルダー29に対して移動させることにより、またはこれらのホルダー29及び平坦面9を互いに対して移動させることにより、影響を与えることができる。磁気硬化したMPFリボン11は、これらの製品33の端面の局所形状に、これらの端面を研磨しながら忠実に追従することができる。従って、これらの端面は、前に説明したように、任意の適切な断面形状を有することができる。
【0022】
図4は、装置1aの断面を示している。図1を参照するに、装置1aのこの断面は、切断線4−4に沿った断面である。装置1aは、以下に説明する特定の変更を加えた構成の上記装置1である。添え字「a」を用いて、装置1aのうち、装置1から変更した部分を特定することとする。装置1aは、平坦面9aに形成される凹部35を含む。平坦面9aは、平坦面9について上に説明したように、フラットベルトコンベヤ3aの連続ループのフラットベルト5aが形成することができる。1つの実施形態では、凹部35は、連続ループのフラットベルト5a内の連続流路として形成される。凹部35は、図4に示すように、幅広のU字形を有することができる、または流体を滞留させることができる他の樋形状を有することができる。
【0023】
図5は、装置1bの断面を示している。図1を参照するに、この断面は、切断線5−5に沿った断面である。装置1bは、以下に説明する特定の変更を加えた構成の上記装置1である。添え字「b」を用いて、装置1bのうち、装置1から変更した部分を特定することとする。装置1bは、平坦面9aに形成される複数の凹部37を含む。この例では、これらの凹部37はV字形を有する。磁極部材を取り付けることにより、各凹部自体に磁場が印加されるようになる(すなわち、図3に示すN極部材及びS極部材を図5に示すこれらの凹部の各凹部に対応して設ける)。これらの凹部37が形成される平坦面9bは、平坦面9について上に説明したように、フラットベルトコンベヤ3bの連続ループのフラットベルト5bが形成することができる。1つの実施形態では、これらの凹部37は、連続ループのフラットベルト5b内の連続流路として形成される。これらの凹部37は、図示のように、三角形状を有することができるか、または流体を滞留させることができる他の樋形状を有することができる。これらの凹部37の各凹部は、MPFリボン11を収容することができるので、複数のMPFリボン11を平坦面9bで同時に搬送することができ、各MPFリボンが製品(群)の端面(群)の研磨領域を画定する。流体循環システム(図1の参照番号13)は、複数の流れのMPFを平坦面9bに供給して、複数のMPFリボン11を形成するように構成することができる。例えば、流体循環システム(図1の参照番号13)は、複数の流れのMPFを平坦面9bに、または平坦面9bのこれらの凹部に供給する複数の供給ノズル(図1の参照番号17)を有することができる。
【0024】
図6は、装置1cの断面を示している。図1を参照するに、この断面は、切断線6−6に沿った断面である。装置1cは、以下に説明する特定の変更を加えた構成の上記装置1である。添え字「c」を用いて、装置1cのうち、装置1から変更した部分を特定することとする。装置1cでは、2つの領域(または、表面領域)39,41が平坦面9cに画定される。MPFリボン11を用いた研磨は領域39で行なわれ、そして従来の研磨手段40を用いた研磨は領域41で行なわれる。従来の研磨手段の例として、非磁性砥粒を用いたポリマーパッド、及び研磨ベルトまたは研磨パッドを挙げることができる。ホルダー29は製品群33を支持して、これらの製品33をMPFリボン11で研磨し、そしてホルダー26は製品群30を支持して、これらの製品30を研磨手段40で研磨する。並進移動装置を適切に配設して、ホルダー29,26を平坦面9cに対して移動させることができる。装置1cによって、2つの異なる種類の研磨を同時に、同じ装置を使用して行なうことができる。領域39,41は、図6に示すように、平行に配置することができる、または別の構成として、平坦面9cの長さに沿って連続して配置することができる。平坦面9cは、平坦面9について上に説明したように、フラットベルトコンベヤ3cの連続ループのフラットベルト5cが形成することができる。
【0025】
図7は、端面仕上げ装置1dを示している。装置1dは、以下に説明する特定の変更を加えた構成の上記装置1である。添え字「d」を用いて、装置1dのうち、装置1から変更した、または装置1に加えた部分を特定することとする。第2平坦面9dは、第1平坦面9に対向配置される。第2平坦面9dは、平坦面9について上に説明したように、フラットコンベヤ3dの連続ループのフラットベルト5dが形成することができる。ホルダー群29は製品群33を、平坦面9と9dとの間で支持する。磁石27,27dは、磁場を平坦面9,9dのそれぞれの近傍に、及び平坦面9,9dのそれぞれの長さに沿って発生させる。流体循環システム13dは、MPFリボン(群)11を平坦面9に供給し、そしてMPFを平坦面9から回収する前述の流体循環システム13(部材17,21,19,25,15,23により構成される)を含む。流体循環システム13dは更に、MPFリボン(群)11dを平坦面9dに供給する供給ノズル17dと、そしてMPFを平坦面9dから回収する回収装置21dと、を含み、供給ノズル17d及び回収装置21dは、流体循環システム13と連通する。凹部群は、平坦面9a,9b(図4及び5に示す)について上に説明したように、平坦面9dに形成することができるので、1つ以上のMPFリボンを収容することができる。図7に示す構成により、製品群33の両側端部を、平坦面9のMPFリボン(群)11によって、かつ平坦面9dのMPFリボン(群)11dによって同時に研磨することができる。適切な並進移動装置をホルダー群29dに接続することにより、これらのホルダー29dを平坦面9,9dに対して、製品群33の両側端部を研磨しながら移動させることができる。「平坦である」とは、1つの実施形態では、「略平坦である」ことを意味する。或る程度の不規則性または非平滑領域が、製品の1つ以上の表面に出現する可能性がある。
【0026】
図8〜11は、製品の端面に、または複数の製品の端面を、磁気粘性流体で仕上げ加工する端面仕上げ装置51(及び、当該装置の変形例51a,51b)を示している。端面仕上げ装置51の変形例51a,51bを図8に、端面仕上げ装置51と一緒に示す。これは、端面仕上げ装置51及び当該装置の変形例51a,51bが、図8に示す模式図では同じに見えるからである。更に別の図(図10〜11)を用いて、端面仕上げ装置51と変形例51a,51bとの差異を示すこととする。
【0027】
図8では、端面仕上げ装置51は、回転可能な円筒状車輪53を含む。例えば、円筒状車輪53の回転は、円筒状車輪53を、適切な駆動装置(図9の参照番号57)に取り付けられるスピンドル55に取り付けることにより行なうことができる。円筒状車輪53は、MPFリボン56を搬送する円筒面54を形成する。流体循環システム13(図1に関連して前に説明した)を用いて、MPFを円筒面54に供給し、そしてMPFを円筒面54から回収する。1つ以上の磁石61を設けて、磁場を円筒面54の近傍に、かつ円筒面54に沿って印加することにより、MPFリボン56を硬化させて研磨を行なう。ホルダー63は、円筒面54に対向して支持される。ホルダー63は、ホルダー63を円筒面54の接線方向に沿って移動させることができる並進移動装置65に接続することができる(接線方向は、円筒面54の上面に接する直線である、すなわち図8の水平方向である)。1つ以上の製品67はホルダー63で支持される。円筒面54に対するホルダー63の位置は、円筒面54の直交方向(直交方向は、円筒面54の上面と直交する直線である、すなわち図8の垂直方向である)に、例えば並進移動装置65を用いて、これらの製品67の端面がMPFリボン56に浸漬するように調整することができる。研磨プロセス中、ホルダー63を円筒面54に対して並進移動させることにより、円筒面54に対向するこれらの製品67の端面(または、端部)の全長と円筒面54のMPFリボン56との完全な接触が保たれる。
【0028】
図9は、複数のMPFリボン56を円筒面54に、供給ノズル群17を介して供給することができ、各MPFリボン56を、複数の板状部材67のうちの1つの板状部材を研磨するように割り当てることができる様子を示している。
【0029】
図10は、装置51aの断面を示している。図8を参照するに、この断面は、切断線10−10に沿った断面である。装置51aは、以下に説明する特定の変更を加えた構成の上記装置51である。添え字「a」を用いて、装置51aのうち、装置51から変更した部分を特定することとする。凹部群(または、流路群)69を円筒面54aに形成して、MPFリボン群56(図9に示す)を収容するようにしている。これらの凹部69は、円筒面54aの外周を取り囲むように形成される。
【0030】
図11は、装置51bの断面を示している。図8を参照するに、この断面は、切断線11−11に沿った断面である。装置51bは、以下に説明する特定の変更を加えた構成の上記装置51である。添え字「b」を用いて、装置51bのうち、装置51のこれらの部分とは異なる部分を特定することとする。凹部群(または、流路群)71を円筒面54bに形成して、MPFリボン群56(図9に示す)を収容するようにしている。これらの凹部71は、円筒面54bの外周を取り囲むように形成される。図11図10とは、これらの凹部69,71の形状に関してのみ異なっている。
【0031】
上に説明した実施形態のうちの何れの実施形態においても、1つ以上の製品を支持するホルダーは更に、当該ホルダーが支持するこれらの製品を回転させて、研磨プロセス中にこれらの製品の端面全体(全ての角隅部を含む)をMPFリボン(群)に接触させることができ、これらの製品をまず取り外し、これらの製品の向きを変化させ、そしてこれらの製品をホルダーに戻して取り付ける必要がないように構成することができる。図8は製品67を、例えば回転させる様子を示している。ホルダーには、製品(群)を、MPFリボン(群)を搬送する表面に対して回転させる任意の適切な機構を搭載することができる。例として、これらには限定されないが、片面真空吸着方式のチャック、2つの回転軸をC字形フレーム構造に取り付ける構成の把持システム、及び製品を先端部でつかみ、そして製品を回転させることができるロボットマニピュレータを挙げることができる。
【0032】
上に説明した種々の実施形態の何れの実施形態においても、複数の凹部に供給されるこれらのMPFは、異ならせることができるので、異なる研磨特性が、例えば異なる材料除去量が得られる。
【0033】
上に説明した種々の実施形態の何れの実施形態においても、発生させる磁場を静止させる必要がなく、かつMPFリボンと一緒に移動させることができる。1つの実施形態では、これは、磁石(群)を、MPFリボンを搬送する表面に取り付けることにより行なうことができる。別の実施形態では、これは、磁石(群)に、MPFリボンの運動と同期することができる運動を行なう並進移動装置を搭載することにより行なうことができる。磁場を移動させながら、磁場強度を高めることができる。磁場を変化させて、製品の端面の材料除去性、及び/又はベルト表面の摩耗度に影響を与える、そして/または複雑な凹凸及び形状を変化させることができる。
【0034】
従来のMRF(磁気粘性研磨流体)構成では、磁場に勾配がある。これは、車輪表面(MPFリボンの底面)の近傍の磁場強度が、車輪表面から離れた箇所(MPF流体リボンの上面)の磁場強度よりも高いことを指している。干渉データから、製品端面の中心線に沿った粗さが、端面の外周に沿った粗さよりもずっと小さいことが判明しており、これは、端面の外周が磁石からより遠く離れていて、端面の外周では、磁場強度が相対的に低いという事実と符合する。従って、除去量は、この領域ではずっと小さいと予測される。これが、水平4点曲げ試験中に試験される主要領域であるので、当該主要領域が普通、研磨不足領域(中心線に対して不足している)であるという事実から、強度試験の際に見られる大きなバラツキを説明することができる。この現象から、本明細書において記載される装置の実施形態に、例えば凹部群及び/又は溝群を車輪またはベルトに使用する構成、追加の磁石群及び/又は磁石を移動させる構成、製品(群)を傾ける構成、または製品(群)の角度を変える構成、及び/又は1つ以上の車輪を傾ける構成を含めることになった。
【0035】
性能向上は、仮に製品の端面を、当該部分の端面のこの領域が流れの中心線に位置するような角度で研磨するとした場合に予測することができる。もし本当であれば、図13A及び13Bにそれぞれ示す形状部100及び101を備えるMRF端面仕上げ装置の構成を想到することができる。図13A及び13Bに示すこれらの形状部は、図8に示す装置、及び上に説明した他の実施形態の形状部に対する変更または追加である。当該端面仕上げ装置は、少なくとも2つの表面78及び80と、磁気粘性研磨流体(MPF)リボンをこれらの表面に供給するように構成される流体供給装置と、当該表面に隣接配置されて磁場をこれらの表面の近傍に選択的に印加する少なくとも1つの磁石と、そしてこれらの表面の各表面と対向配置される少なくとも1つのホルダーと、を備え、当該少なくとも1つのホルダーは、少なくとも1つの製品を支持して、少なくとも1つの製品67の端面を、これらの表面に供給されるMPFリボンに選択的に浸漬することができるように構成される。1つの実施形態では、車輪または複数の車輪を、製品の面に対して角度を付けて配置して、製品端面の外周に沿った研磨性能を高める。垂直方向を向いて連続して並ぶ更に別の車輪を装置に追加して、中心線を必要に応じて仕上げ加工する。図13Aは、製品が、これら車輪を介して搬送される様子を示しているが、これらの車輪は、該当する部分の周りを移動するように構成することもできる。最後に、1つの製品、または複数の製品の両面のうちの一方の面、または全ての面を同時に仕上げ加工する任意の数の車輪を設けることができる。
【0036】
図14は、端面仕上げ装置の形状部群102の断面模式図である。1つの実施形態では、車輪53の表面54は、1つ以上の溝82を含む。これによって、磁極部材群のような磁石群61を、ワーク領域により近接するように移動させて、製品67の端面群が、より高い、かつより均一な磁場強度を受けるようにすることができる、または磁極部材群を、ガラス端面が均一な磁場強度を受けるように設計することにより、端面の全ての部分が確実に均一に研磨されるようにすることができる。図14に示す更に別の実施形態は、両方の構成の組合せを含むことができる。第3磁極部材を図14に示すように追加することにより、勾配のある磁場によって得られる利点を、当該利点を、種々の部分の端面を仕上げ加工するために更に良好に適合させながら維持することができる。最後に、種々の構成を車輪の外周に沿った複数の領域に設ける状況を想到することができる。
【0037】
上記実施形態群のうちの1つの実施形態、または全ての実施形態は、製品(群)を傾ける構成、または製品(群)の角度を変える構成に適用することができる、例えば製品または複数の製品は、車輪表面または複数の車輪表面に対して角度を付けて配置することにより、製品端面の外周に沿った研磨性能を高めることができる。複数の製品は、1つの実施形態では、1つ以上の車輪表面またはベルト表面に対して同じ角度で配置する、または異なる角度で配置することができる。
【0038】
上記実施形態群のうちの1つの実施形態、または全ての実施形態は、円形製品群(例えば、ウェハ群)に適用することができる。製品の直径よりも大きい直径のMRF車輪を用いることができる。また、製品の直径よりも小さい直径のMRF車輪を用いることにより、製品端面の特殊な形状部を仕上げ加工することができる。これは、連続して、または並行に、別々のワークステーションで行なうことができる。
【0039】
高強度のガラス端面は、図12に示すデータ72から分かるように、磁気粘性流体研磨(MPF)装置を用いて形成することにより、高強度の端面のプロセス最適化が、本明細書において記載されるMRF法を用いて行なわれることが判明した。当該データは、メガパスカル(MPa)で表わされる、例えばB10は561MPaに等しい。例示的なMRF法に従って形成される高強度のガラス端面についての30データポイントのうちの10データポイントは、1ギガパスカル(GPa)よりも大きい。当該プロセスでは、表面処理を行なって、表面傷に起因する破損を最小限に抑え、機械的研削を行なう際に表面に保護コーティングを施し、そしてMRF吸着接触を柔らげて、ハンドリング傷及び仕上げ傷を最小限に抑えた。図12のデータ74から、最高の機械的結果が入力されると、これらの最高の機械的結果が、端面強度に関するこれまでで最高のMRF出力結果を表わす図12のデータ72に結び付けられることが分かる。これまでに説明してきたことから、例示的なMRF法により、ガラス表面強度に等しい極めて平均的な端面強度が確保される。
【0040】
本発明を限られた数の実施形態に関連して説明してきたが、本開示の恩恵を享受するこの技術分野の当業者であれば、本明細書に開示される本発明の範囲から逸脱しない他の実施形態を想到することができることを理解できるであろう。従って、本発明の範囲は、添付の請求項によってのみ限定されるべきである。
【符号の説明】
【0041】
1,51 端面仕上げ装置
1a,1b,1c,1d 端面仕上げ装置1の変形例
3 フラットベルトコンベヤ
5 フラットベルト
7 ローラ
9 平坦面、表面、第1平坦面
9d 第2平坦面
11,56 MPF(磁気粘性研磨流体)リボン
13 流体循環システム
15 流体タンク
17 供給ノズル
19,23 ポンプ
21 回収装置
25 制御システム
26,29,63 ホルダー
27,28,61 磁石
30,33,67 製品
31,65 並進移動装置、ロボット
35,37,69,71 凹部
39,41 表面領域
40 研磨手段
51a,51b 端面仕上げ装置51の変形例
53 円筒状車輪
54 円筒面、車輪の表面
55 スピンドル
57 駆動装置
67 板状部材
72,74 データ
78,80 表面
82 溝
100,101,102 形状部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14